JP2002020235A - 中空ガラス球状体配合化粧料 - Google Patents

中空ガラス球状体配合化粧料

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JP2002020235A
JP2002020235A JP2000196623A JP2000196623A JP2002020235A JP 2002020235 A JP2002020235 A JP 2002020235A JP 2000196623 A JP2000196623 A JP 2000196623A JP 2000196623 A JP2000196623 A JP 2000196623A JP 2002020235 A JP2002020235 A JP 2002020235A
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glass
hollow glass
cosmetic
particle size
feeling
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JP2000196623A
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Toshiya Matsubara
俊哉 松原
Masaharu Tanaka
正治 田中
Makoto Kusaka
良 日下
Kenji Yamada
兼士 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた伸び性などの質感や柔らかくかつ弾力性
のある皮膚への好感触と美観性が得られる化粧料の提
供。 【解決手段】平均粒子径が25μm以下、最大粒子径が
50μm以下、粒子密度が1.0g/cm3以下、さら
には安息角が50°以下である微小中空ガラス球状体を
配合した化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空ガラス球状体
を配合した化粧料に関し、特に皮膚に対する伸び性や質
感、感触性、および美観性に優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料においては、皮膚への感触性、太
陽光線吸収性や乱反射性および美観性を高めるために、
種々の球状物質が配合され、使用されている。例えば、
特公平6−11685には、種々の中空球状有機重合体
を配合してなる化粧料が提案されている。また、特開平
5−262622には、球状ポリウレタン微粉末を配合
した化粧料が提案されている。
【0003】しかし、一般に有機合成樹脂は耐熱性およ
び耐溶剤性が低く、化粧料製造時に変形を起したり、溶
媒により膨潤を起すことにより、十分な機械的強度が得
られずに、満足な皮膚への感触や美観性が十分に発揮で
きない可能性がある。また、これらの提案においては、
粒子径が50μmを超える粗い粒子が含まれることが想
定され、例えばこの化粧料を皮膚に塗布した場合に、ざ
らつき感や異物感が生じ、好ましい使用感が得られない
可能性がある。
【0004】また、特開平6−321726には、粒径
0.01〜30μmの中実または中空のガラス球を配合
し、目的毎に粒子径を使い分けてなる化粧料が提案され
ている。この提案は、紫外線防御、美観性の向上、機械
的強度の向上を目的とする化粧料としては有用であり、
皮膚への感触性についてもそれなりの効果を有するが、
ガラス球は中実のものでもよいこと、および一般的には
ガラス球の粒子密度は大きいことなどからも分かるよう
に、粒子密度や粒度特性には何らの配慮もなされてな
く、優れた伸び性などの質感や弾力性のある皮膚への感
触性の向上などのついては未だに十分に満足できるもの
ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解消し、さらなる優れた伸び性などの質感や柔らかくか
つ弾力性のある皮膚への好感触と美観性が得られる、中
空ガラス球状体を配合してなる化粧料を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒子径
(体積基準)が25μm以下、かつ最大粒子径が50μ
m以下、かつ粒子密度が1.0g/cm3以下である微
小中空ガラス球状体を配合してなる化粧料である。ま
た、本発明の好ましい態様の1つは、中空ガラス球状体
の安息角が50°以下である上記化粧料である。また、
本発明の他の好ましい態様の1つは、化粧料中に配合さ
れる中空ガラス球状体の配合割合が1〜50質量%であ
る上記化粧料である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用する微小中空ガラス
球状体は、このように、平均粒子径が25μm以下、最
大粒子径が50μm以下であり、かつ粒子密度が1.0
g/cm3以下の中空ガラス球状体である。なお、平均
粒子径は体積基準による平均粒子径であり、粒子径はレ
ーザー散乱式粒度測定装置により測定できる。
【0008】本発明において、化粧料に配合する中空ガ
ラス球状体の平均粒子径が25μmを超える場合、また
は最大粒子径が50μmを超える場合は、皮膚に塗布し
たときに異物感やざらつき感が強くなる。より異物感や
ざらつき感のない良好な使用感を得るための、好ましい
平均粒子径は20μm以下、最大粒子径は45μm以下
である。なお、最小粒子径については中空粒としての機
能を維持できるかぎり、可及的に小さくても支障ない
が、化粧料配合時の分散性をより良好なものとするため
に、平均粒子径として3μm程度以上であることが好ま
しい。
【0009】本発明においてはこのような粒子径につい
て、さらにその粒度特性を厳密に制御、すなわち、微小
な粒子径に加えて粒度分布のシャープな粒子を使用する
ことにより異物感やざらつき感のほとんどない良好な使
用感を得ることができることが分かった。
【0010】本発明においてはこのような粒子径に加え
て、さらにその粒度特性を厳密に制御し粒度分布をシャ
ープにすることにより、粒子間の空隙率が増加し粒子同
士の接触抵抗が減少すること、およびまたは、粉体回収
後の湿式処理により、粒子表面に残留する水可溶分(N
a、Bなど)が除去され、吸湿、該水可溶分の溶解によ
る粒子同士の凝集が抑制されること、などに起因するも
のと想定されるが、粉体特性として安息角が小さくなる
ために、伸び性や滑り性などの化粧料としての特性を改
善できることが分かった。本発明において、化粧料に配
合される中空ガラス球状体の好ましい安息角は50°以
下である。なお、安息角は、パウダーテスターで測定で
きる。
【0011】本発明において使用する微小中空ガラス球
状体の粒子密度は1.0g/cm3以下のものである。
粒子密度が1.0g/cm3を超えると重くなりすぎ、
質感が変化して柔らかくかつ弾力性のある皮膚への好感
触が得にくくなる。好ましい粒子密度は0.2〜0.7
g/cm3である。なお、粒子密度とは、粒子の質量
(g)を粒子の見掛けの体積(外形、cm3)で割った
値であり、乾式自動密度計で測定できる。
【0012】本発明において、このような特定の粒子
径、粒子密度、さらには特定の粒子特性および粒度特性
を有する中空ガラス球状体を化粧料用フィラーとして、
化粧料に配合することにより、化粧料に優れた伸び性や
柔らかくかつ弾力性のある皮膚への好感触と美観性を与
える作用を有する。なかでも、従来のガラス粒子では得
られなかった質感および皮膚への好感触の改善がなされ
た。
【0013】本発明に使用される微小中空ガラス球状体
におけるガラスとしては、ホウケイ酸塩ガラス、アルミ
ノケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス、石英ガラスなど
が好ましいガラスとして例示される。
【0014】ホウケイ酸塩ガラスはSiO2−B23
Na2Oを主成分としたガラスであり、アルミノケイ酸
塩ガラスはSiO2−Al23−Na2OまたはSiO2
−Al23−CaOを主成分としたガラスであり、無ア
ルカリガラスはNa2Oなどのアルカリ成分を含まな
い、SiO2−Al23−B23−CaO−MgOなど
を主成分としたガラスであり、石英ガラスは二酸化ケイ
素(SiO2)からなる単一成分のガラスであり、本発
明の中空ガラス球状体の基材としていずれも好適に使用
される。
【0015】なお、上記ガラスの中でホウケイ酸塩ガラ
スおよび無アルカリガラスは、B23が5〜15質量%
程度含有されているので、あらかじめB23溶出量を少
なくした処理をしたものを使用するのが好ましい。
【0016】本発明に使用される中空ガラス球状体は、
以下の方法により好ましく製造される。まず、ガラス調
合原料は、加熱によりガラス化するものであり、一般に
は、互いに異なる複数の原料が目標とするガラス組成に
なるような割合で調合されている。ガラス原料として
は、ケイ砂、シラス、真珠岩、松脂岩、黒曜石、シリカ
ゲル、ゼオライト、ベントナイト、ソーダ灰、ホウ砂、
ホウ酸、亜鉛華、石灰、リン酸カルシウム、硫酸ナトリ
ウム、アルミナなどが例示される。また、ガラス原料と
しては、目標とするガラス組成となるよう複数の原料の
所定量を、あらかじめ溶融炉で溶解、冷却して得られる
ガラスカレットも好適に使用される。
【0017】このガラス原料には発泡剤が含有される。
発泡剤は、ガラス原料が加熱によりガラス化され球状に
なる際にガスを発生して、ガラス化した溶融ガラスを中
空体にする作用を有する。具体的には、ナトリウム、カ
リウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウ
ム、アルミニウムおよび亜鉛の硫酸塩、炭酸塩、硝酸
塩、酢酸塩、ならびに各種原料に含まれる結晶水が例示
される。
【0018】発泡剤の含有量の調節は、本発明の粒度お
よび粒子密度、さらには粒子特性、粒度特性を得るため
に重要であり、調合原料、発泡剤の種類などの応じて選
択される。例えば炭酸塩の場合、ガラス調合原料中のC
2換算で0.5〜15質量%となるように調整する。
炭酸塩の含有量が0.5質量%未満になると、発泡が不
充分で得られる微小中空ガラス球状体の粒子密度が1.
0g/cm3超と大きくなり、目標とする粒子密度が得
られなくなるので好ましくない。また逆に、15質量%
超になると発泡ガス量が多すぎて粒子内部に留まらずに
外部に放出され、その結果中空粒子が得られなくなるの
で好ましくない。
【0019】こうしたガラス調合原料は湿式粉砕され
る。湿式粉砕に使用する液体としては可燃性液体、なか
でも噴霧燃焼時のスラリーの液体と同じものを使用する
と製造工程が簡略化されるので好ましい。湿式粉砕工程
における液体中のガラス調合原料の濃度は、噴霧時のス
ラリー中のガラス調合原料の濃度と同一になるように液
体の量を調整しておくと製造工程が簡略化されるので好
ましい。
【0020】湿式粉砕後のガラス調合原料の平均粒子径
は、目標とする平均粒子径および粒度分布を有する微小
中空ガラス球状体を効率的に得ること、ならびに均一な
組成の中空ガラス球状体を得るという観点から3μm以
下であることが好ましい。
【0021】このスラリーの分散および分散安定化のた
めに、分散剤、分散安定剤を添加してもよい。分散剤と
しては非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、
陰イオン性界面活性剤、高分子系界面活性剤などを使用
できるが、なかでも高分子陰イオン性界面活性剤が特に
好ましく、例えばアクリル酸とアクリル酸エステルとの
共重合体であって酸価が5〜100mgKOH/g程度
の大きな酸価を有する酸含有アクリルオリゴマーなどの
酸含有オリゴマーなどが好ましい。このような高分子陰
イオン性界面活性剤はスラリーの分散および分散安定化
に寄与する他に、スラリーの粘度を低く抑制できて好ま
しい。
【0022】こうして得られたガラス調合原料がスラリ
ーとしての所定濃度になっていない場合は不足分の液体
を添加してガラス調合原料が所定濃度になるように調整
する。スラリー中のガラス調合原料の濃度は5〜50質
量%が好ましく、さらに好ましくは10〜40質量%で
ある。スラリー中のガラス調合原料の濃度が5質量%未
満の場合はスラリーを形成する可燃性液体の原単位が上
昇するので好ましくない。逆に50質量%を超えるとス
ラリーの粘度が上昇して取り扱いが不便になり、また噴
霧時の微粒液滴化にも支障をきたすので好ましくない。
【0023】ついで、このスラリーを二流体ノズルを使
用したり、圧力を加えて噴霧して液滴とする。生成した
液滴にはガラス調合原料が含有される。この液滴の大き
さは、大きすぎると加熱による燃焼が不安定となった
り、大粒子が生成するので好ましくない。一方、小さす
ぎると得られるガラス組成が均一になりにくくなり、中
空ガラス球状体の収率が低下するので好ましくない。好
ましい液滴の大きさは0.1〜70μmの範囲である。
【0024】液滴は、加熱されることにより、ガラス調
合原料が溶融されガラス化するとともにガラス中の発泡
成分がガス化し中空ガラス球状体が形成される。加熱手
段としては、燃焼、電気加熱、など任意のものが使用で
きる。加熱温度は、ガラス調合原料のガラス化する温度
に依存する。具体的には、300〜1600℃の範囲で
ある。本発明においては、スラリーの液体成分が可燃性
液体であるので、これが燃焼して発熱しガラスの溶融に
寄与する。
【0025】形成された中空ガラス球状体は、サイクロ
ン、バグフィルタ、スクラバーや充填塔などを用いた方
法により回収される。次に、回収粉体中の未発泡品を除
去し発泡品のみを、水による浮選法により回収する。よ
り低密度の発泡品を選別する場合には、比重の軽いアル
コールなどで浮選する方法が有効である。
【0026】ついで、50μm以下、特には45μm以
下の最大粒子径となるよう分級処理を行う。分級処理と
しては特に限定されないが、風力式分級機や篩い分け装
置などを用いるのが好ましい。また、必要に応じて、シ
ャープな粒度特性を得るための分級処理を行う。また、
安息角を小さいものとするために、シランカップリング
剤などで処理して表面を疎水化することによって吸湿を
防止し、凝集粒子の発生を抑制することなどの方法も有
効である。
【0027】本発明の中空ガラス球状体が好適に配合さ
れる化粧料としては、清浄用化粧料、頭髪化粧料、基礎
化粧料、メークアップ化粧料、日焼け・日焼け止め化粧
料、爪化粧料、アイライナー化粧料、、口唇化粧料、口
腔化粧料、入浴用化粧料などが挙げられる。すなわち、
ファンデーション、プレストパウダー、アイシャドー、
アイライナー、ネイルエナメル、リップカラー、リップ
グロウ、日焼け止めクリーム、サンオイル、ヘアスタイ
リングジェル、ウオーターグリースなどの、従来より製
造されている化粧料の多くが好ましいものとして挙げら
れるが、これらに限定されない。
【0028】本発明の中空ガラス球状体の化粧料への配
合割合は、1〜50質量%が好ましく、2〜40質量%
が特に好ましい。配合割合が1%未満では、柔らかくか
つ弾力性のある皮膚への好感触と美観性を与える作用が
充分発揮できない可能性があるので好ましくない。ま
た、配合割合が50質量%を超えると、白化が著しくな
る上、化粧料の使用感に変化をもたらす可能性が高くな
るので好ましくない。
【0029】該微小中空ガラス球状体は、パラフィン、
セレシン、流動パラフィン、ヒマシ油、モクロウ、ラノ
リン、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、
植物油、植物油エステル、脂肪酸、高級アルコール、お
よびスクワランなどの油脂・ロウ類;アルキル硫酸エス
テルナトリウム塩のような陰イオン性界面活性剤;アル
キルジメチルアンモニウムベタインのような陽イオン性
界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロリド
のような両性界面活性剤;およびポリオキシエチレンア
ルキルエーテルのような非イオン性界面活性剤などの界
面活性剤;樹脂;分散剤;色素;香料;防腐剤;アルキ
レングリコール;着色顔料;無機粉末;有機粉末;トリ
エタノールアミン;溶剤など通常使用されている化粧料
原料と混合することにより、所望の化粧料を得ることが
できる。
【0030】本発明において、上記化粧料配合用中空ガ
ラス球状体の粒子表面が、シリコーンオイル、シランカ
ップリング剤、チタネートカップリング剤、アルコー
ル、界面活性剤、その他の表面処理剤、表面改質剤によ
って表面処理されたものも好適に使用できる。これらで
処理し、表面が疎水化されたものは、化粧料に配合され
た際に化粧持ちを向上させる効果を有する。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれらにより制限的に解釈されない。
【0032】[例1(実施例)]以下の方法により、ホ
ウケイ酸塩ガラスからなる中空ガラス球状体を製造し
た。二酸化ケイ素85.0g、炭酸カルシウム22.5
g、ホウ酸18.2g、第二リン酸カルシウム5.0
g、炭酸リチウム2.0g、硫酸ナトリウム6.7g、
ホウ砂14.2g、分散剤(花王社製商品名ホモゲノー
ルL−1820、以下同じ)7.7gを灯油600g中
に混合した後、媒体撹拌ミルを使用して湿式粉砕するこ
とでガラス調合原料のスラリーを得た。
【0033】使用したミルは、内容積1400cm3
あり、材質はジルコニア製のものを使用した。ビーズは
平均径0.65mmφのジルコニア製のものを1120
cc入れて使用した。運転条件は回転数を2500rp
mとし、30分間湿式粉砕した。
【0034】得られたガラス調合原料のスラリーを二流
体ノズルにて噴霧し、火炎を近づけることで着火し噴霧
燃焼を行い、ホウケイ酸塩ガラスからなる中空ガラス球
状体を製造した。中空ガラス球状体はバグフィルターに
て回収後、水に混合し水浮上品を遠心分離することで水
浮上品のみをスラリーとして回収し、これを減圧濾過器
で固形物を分離した後120℃で静置乾燥して、水浮上
粒子品を得た。水浮上粒子品の形状を走査型電子顕微鏡
で観察したところ、いずれも真球状であった。ついで、
該水浮上粒子品をポリエステル製42μmの網をセット
したターボスクリーナー(ターボ工業社製、形式TS1
25×200)で分級し、篩下品を回収した。
【0035】篩下品の粒度を、レーザー散乱式粒度測定
装置(日機装社製マイクロトラックHRAモデル932
0−X100、以下同じ)で測定したところ、平均粒径
は11.5μmであり、最大粒子径はおおよそ40μm
であった。また乾式自動密度計(島津製作所製アキュピ
ック1330、以下同じ)で測定した水浮上品の粒子密
度は0.39g/cm3であった。
【0036】また水浮上品の安息角を、パウダーテスタ
ー(ホソカワミクロン社製、以下同じ)で測定したとこ
ろ45゜であった。さらに、前述の操作で得られた平均
粒子径11.5μmの中空ガラス球状体は、X線回折測
定の結果、ガラス質であることが確認された。
【0037】ついで、この微小中空ガラス球状体を使用
し、これを配合した固形ファンデーションを製造した。
また、固形ファンデーションの組成を表1に示す。表1
において、サラコスHSは日清製油社製ヒドロキシステ
アリン酸コレステリルの商品名であり、サラコス913
は日清製油社製イソノナン酸イソトリデシルの商品名で
ある。
【0038】
【表1】
【0039】固形ファンデーションはつぎのようにして
調製した。すなわち、まず粉体成分を混合した後、高速
ブレンダーに仕込み、これに結合剤成分および防腐剤な
どを混合し、さらに顔料を加えて均一に混合する。これ
を篩を通して粒度を調整した後、金皿の容器で圧縮成形
して固形ファンデーションを得る。
【0040】つぎに得られた固形ファンデーションの使
用感について評価し、その結果を表3に示した。使用感
については、化粧料の伸び・感触、化粧料の仕上がり感
および塗布後の持続性について官能試験を行った。女性
パネラー(15名)に、固形ファンデーションを通常の
使用方法で化粧してもらい、化粧料の伸び・感触、化粧
料の仕上がり感および塗布後の持続性(化粧崩れ)につ
いて、5;非常に良い、4;良い、3;普通、2;やや
悪い、1;悪いの5段階で評価してもらった。評価した
総得点からパネラー1人当りの平均点を算出し、これを
評価点とした判定符号を表2に示した。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】[例2(比較例)]例1の中空ガラス球状
体は使用せずに、ソフトセリサイトSHの配合量を2
8.70質量%から36.90質量%に増量し、表1に
示すような組成の固形ファンデーションを、例1と同様
の方法で調製した。さらに、得られた固形ファンデーシ
ョンの使用感について例1と同様の方法で評価した。結
果を表3に示すが、皮膚に対する伸び性の悪さを含め、
全般的に望ましい使用感は得られなかった。
【0044】[例3(比較例)]例1で用いた中空ガラ
ス球状体の代わりに、平均粒子径が50μm、最大粒子
径がおおよそ100μm、粒子密度が0.3g/cm3
のホウケイ酸塩ガラスからなる中空ガラス球状体を8.
20質量%配合し、表1に示すような組成のファンデー
ションを、例1と同様な方法で調製した。さらに、得ら
れた固形ファンデーションの使用感について例1と同様
の方法で評価した。結果を表3に示すが、皮膚に対する
ざらつき感や異物感が強く、塗布後の持続性も芳しくな
く、望ましい使用感は得られなかった。
【0045】[例4(比較例)]例1で用いた中空ガラ
ス球状体の代わりに、平均粒子径が9.4μm、最大粒
子径がおおよそ30μm、粒子密度が1.14g/cm
3の東芝バロティーニ社製の中空ガラス球状体を8.2
0質量%配合し、表1に示すような組成のファンデーシ
ョンを、例1と同様な方法で調製した。また、この球状
体の安息角を、パウダーテスターで測定したところ55
゜であった。
【0046】さらに、得られた固形ファンデーションの
使用感について例1と同様の方法で評価した結果を表3
に示す。皮膚への伸びの良さについては、安息角の違い
に起因しているものと推定されるが、例1ほどの効果は
得られなかった。また、粒子密度に起因する質感の違い
によるものと推定されるが、所望する柔らかくかつ弾力
性のある皮膚への好感触は得られず、塗布後の持続性に
ついても、例1ほどの効果は得られなかった。
【0047】例1〜4の固形ファンデーションの評価結
果から、例1で得られた固形ファンデーションは、例2
〜4に比して、使用感が良好であることが分かった。
【0048】[例5(実施例)]以下の方法により、無
アルカリガラスからなる中空ガラス球状体を製造した。
あらかじめ原料を溶解し、微粉砕して得た平均粒子径約
10μmのガラスカレット(組成SiO2:59.5
%、Al23:17.6%、B23:8.3%、Mg
O:3.1%、CaO:3.7%、SrO:7.8%)
139.6g、硫酸マグネシウム8.0g、分散剤7.
7gを灯油500g中に混合した後、媒体撹拌ミルを使
用して湿式粉砕することでガラス調合原料のスラリーを
得た。
【0049】使用した媒体撹拌ミルおよびビーズは例1
と同じものを使用した。運転条件は撹拌回転数を250
0rpmとし、60分間湿式粉砕した。得られたガラス
調合原料のスラリーからガラス調合原料粒子を回収し、
レーザー散乱式粒度測定装置を用いて、体積基準の平均
粒子径を測定したところ、1.5μmであった。
【0050】得られたガラス調合原料の灯油スラリーを
二流体ノズルを用いて液滴化し、液滴に火炎を近づけ燃
焼を行い、ガラス化するとともに中空ガラス球状体を製
造した。二流体ノズルに使用する噴霧ガスとしては空気
を使用し、その圧力は0.4MPaであり、そのとき形
成された液滴の大きさは約13μmであった。また燃焼
時の燃焼空気量は理論空気量の1.7倍量を使用し、燃
焼温度は約1250℃であった。得られた粒子は、バグ
フィルターで回収し、その形状を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、いずれも真球状であった。
【0051】回収粉体の粒度をレーザー散乱式粒度測定
装置を用いて測定したところ、平均粒子径は5.5μ
m、最大粒子径は約35μmであった。最大粒子径につ
いては、走査型電子顕微鏡観察による方法でも確認した
が、約34μmとほぼ合致していた。また乾式自動密度
計で測定した粒子密度は0.65g/cm3であった。
また、この球状体の安息角を、パウダーテスターで測定
したところ42゜であった。得られた粒子は、X線回折
測定の結果、ガラス質であり、中空ガラス球状体である
ことが確認された。
【0052】つぎに、この微小中空ガラス球状体を使用
し、これを配合して表4に示すようなリップグロウを調
製した。すなわち、全量を仕込める容器に表4に示す
(1)〜(9)の成分を75〜85゜Cに加熱して均一
に溶解し、ついで(10)〜(12)の各成分を添加
し、ディスパーで均一に分散した後、金型に流し込み、
急冷して固化させ、固結物を型から取出し容器に装填し
てリップグロウを得た。得られたリップグロウは、延び
が良く、ソフト感があり、化粧仕上がりが自然であっ
た。
【0053】
【表4】
【0054】[例6(実施例)]例5で得られた中空ガ
ラス球状体を配合し、表5に示すような組成のプレスト
パウダーを調製した。すなわち、粉体成分(1)〜
(7)を高速ブレンダーで混合し、さらに(8)、
(9)の成分を加えて均一に混合し、さらに、粉砕機で
処理し、篩を通して粒度を揃えた後、金皿の容器で圧縮
成形を行い、プレストパウダーを得た。表5のソフトセ
リサイトT−6は、大日本化成社製タルク・ケイフッ化
カリウム焼結物の商品名であり、N−ラウロイルリジン
は、味の素社製の商品名アルミホープLLを用いた。得
られたプレストパウダーは伸びが良くてソフト感があ
り、化粧仕上がりが自然で、ファンデーションの持続性
が優れていた。
【0055】
【表5】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、優れた伸び性などの質
感や柔らかくかつ弾力性のある皮膚への好感触と美観性
が得られる、中空ガラス球状体を配合してなる化粧料が
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 兼士 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 Fターム(参考) 4C083 AA082 AA122 AB152 AB171 AB172 AB232 AB242 AB292 AB322 AB352 AB432 AC012 AC022 AC482 AC662 AC842 AD072 AD152 AD222 AD512 CC12 DD17 EE06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径(体積基準)が25μm以下、
    かつ最大粒子径が50μm以下、かつ粒子密度が1.0
    g/cm3以下である中空ガラス球状体を配合してなる
    化粧料。
  2. 【請求項2】中空ガラス球状体の安息角が50°以下で
    ある請求項1記載の化粧料。
  3. 【請求項3】化粧料中に配合される中空ガラス球状体の
    配合割合が1〜50質量%である請求項1または2記載
    の化粧料。
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