JP3525677B2 - Ic基板用充填剤及びic封止用樹脂組成物 - Google Patents

Ic基板用充填剤及びic封止用樹脂組成物

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JP3525677B2 JP11079397A JP11079397A JP3525677B2 JP 3525677 B2 JP3525677 B2 JP 3525677B2 JP 11079397 A JP11079397 A JP 11079397A JP 11079397 A JP11079397 A JP 11079397A JP 3525677 B2 JP3525677 B2 JP 3525677B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はシリカ系微小球状
無孔質体からなるIC基板用充填材及びシリカ系微小球
状無孔質体と樹脂とからなるIC封止用樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】微小球状無孔質シリカとして、一般的に
は以下に分類される各方法で製造されたシリカがある。
すなわち、前駆体の段階で形状を球状にし、熱処理等で
製造する球状無孔質シリカ(方法1)、ゾルゲル法で製
造する球状無孔質シリカ(方法2)、金属シリコン粉末
を酸素中で爆発燃焼して製造する球状無孔質シリカ(方
法3)、珪砂を粉砕、分級した粉体を火炎中に噴霧し溶
融して製造する球状無孔質シリカ(方法4)である。
【0003】前記方法1では、球状シリカゲルを前駆体
として熱処理することにより球状無孔質シリカが製造さ
れているが、前駆体として球状シリカゲルを製造する必
要があるため工程が長くなり効率的な方法ではない。方
法2では、一部の無孔質シリカがアルコキシドをアルカ
リ下で加水分解してゾルゲル法で製造されているが、原
料コストが高く安価な製造プロセスではない。方法3で
は、金属シリコンを使用するのでコストが高く安価な製
造プロセスではない。方法4は広く製造されているが、
粒子表面が平滑でなくまた一部結晶質が残存して好まし
くない。また、粉体の分級工程で発生した所望粒度以外
の微粉末のリサイクルが困難である。
【0004】一方、紫外線吸収作用のある微粉末である
酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニ
ア、酸化鉄は化粧品原料、樹脂添加剤、塗料添加剤に用
いられている。
【0005】酸化チタンは単独では高い屈折率と隠蔽力
のため化粧品に使用したとき白っぽくなりやすい。また
酸化チタン、酸化亜鉛ともに単独では潤滑性が低く、化
粧品に使用したときの使用感が悪い。さらに酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化セリウムともに高い触媒活性を持
ち、単独では化粧品を変質させ好ましくなく、またこれ
らの微粉は凝集しやすく分散が困難である。また、紫外
線遮蔽能の向上のために微粒子化していくと、フィラー
としての分散性及び充填性が低下し所望の性能を発現し
ない。分散性を向上させるために、特開昭63−119
418号では、担体表面に酸化亜鉛粒子を固着した顔料
が提案されているが、担体の形状が保持され潤滑性が不
十分である。また、触媒活性を抑えるために特開平3−
183620号では、表面をAl、Siなどの酸化物で
被覆した酸化亜鉛が提案されている。また、表面をシリ
カで被覆した酸化セリウムも開発されているが、元の粒
子形状が保持され球形と比較すると潤滑性が不十分であ
る。また、多孔質のシリカゲルに酸化チタンや酸化亜鉛
を分散した球状シリカが提案されているが多孔質である
ために吸油性が大きいため樹脂や化粧品に添加した場
合、有効成分を吸着して効果を損なったり、光触媒作用
で変質したりして好ましくない。
【0006】ところで、シリカ−チタニアガラスの製造
方法としては、四塩化珪素と四塩化チタンとを火炎加水
分解する方法(米国特許第326059号)、シリカゾ
ルとチタニアゾルとを混合した後、ゲル化し更に乾燥焼
成する方法(特開昭62−252330)、アルコキシ
シランとアルコキシチタンの混合物を噴霧燃焼分解する
方法(特開昭61−295209、特開平2−1538
16)等がある。これらの原料である四塩化珪素、四塩
化チタン、シリカゾル、チタニアゾル、アルコキシシラ
ン、アルコキシチタンは製造価格が高く、これを用いて
シリカ−チタニア微小球状ガラスを製造すると必然的に
価格が高くなり好ましくない。また、シリカゾルとチタ
ニアゾルとを混合した後ゲル化し、更に乾燥焼成する方
法では、粉砕分級を必要とし粉体形状が不定形状であ
り、分級工程で発生した所望粒度以外の微粉末のリサイ
クルが困難である。アルコキシシランとアルコキシチタ
ンを混合した後に噴霧燃焼分解する方法では、平均粒子
径は0.5μ以下の微粉であり、IC封止用に必要な高
充填が困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来の技術が有する上述のような問題点を解決することに
ある。
【0008】更に言うと、この発明の目的は、シリカ系
原料を用いて、従来では工業的に大量かつ安価に製造す
ることが困難であったところの、微小で、表面が平滑で
無孔質であり、中実のシリカ系微小球状無孔質体を、少
ない工程で製造することのできる方法を提供することに
ある。
【0009】この発明の他の目的は、シリカ系原料中の
シリカ以外のセラミックの種類を選択することにより、
種々の機能を有するシリカ系微小球状無孔質体を、従来
よりも簡素化された少ない工程で容易に製造することの
できる製造方法を提供することにある。
【0010】この発明の他の目的は、この発明の製造方
法においてシリカ系原料としてシリカと無機質紫外線遮
蔽材とを特に選択することにより製造されることのでき
る、表面が平滑でしかも無孔質であるシリカ系微小球状
無孔質体を提供することにある。
【0011】この発明の他の目的は、この発明の製造方
法においてシリカ系原料としてシリカと無機質紫外線遮
蔽材とを特に選択することにより製造されることのでき
る、前記無機質紫外線遮蔽材が均一に分散し、無機質紫
外線遮蔽材が有する触媒活性が抑制され、表面が平滑で
しかも無孔質であり、化粧品に使用すると良好な使用感
を与え、樹脂フィラーとして使用するとマトリックス樹
脂中での分散性及び充填性が良好であるシリカ系微小球
状無孔質体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、シリカ80
〜99重量%、及びチタニア1〜20重量%を含有する
シリカ系原料の粉末を可燃性液体に分散してなるスラリ
ーを噴霧燃焼することを特徴とするシリカ系微小球状無
孔質体の製造方法であり、前記シリカ系原料が、湿式粉
砕されてなるシリカ系微小球状無孔質体の製造方法であ
り、シリカ80〜99重量%とチタニア1〜20重量%
とを含有するガラスからなる球状無孔質中実体であるこ
とを特徴とするシリカ系微小球状無孔質体であり、平均
粒子径が0.5〜20μmであるシリカ系微小球状無孔
質体であり、前記シリカ系微小球状無孔質体からなるI
C基板用充填材であり、前記シリカ系微小球状無孔質体
と樹脂とからなるIC封止用樹脂組成物である。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の方法においては、シリ
カ系原料の粉末を可燃性液体に分散してなるスラリーを
噴霧燃焼する。
【0014】(シリカ系原料)この発明の方法における
シリカ系原料は、その全量がシリカである原料、及びシ
リカとシリカ以外の他の無機物質例えば金属酸化物、金
属、金属炭化物等との複合体を挙げることができる。こ
の複合体は、シリカとシリカ以外の他の前記無機物質と
の混合物であっても良く、又単なる混合物ではなくてシ
リカとシリカ以外の他の前記無機物質との固溶体、結晶
体、又は非晶体であってもよい。
【0015】シリカ系原料として単独に使用されるシリ
カあるいはシリカ以外の他のセラミックとの混合物とし
て使用されるシリカとしては、例えば珪砂等の天然物、
及びシリカゲル、ホワイトカーボン、シリカヒューム等
の合成シリカ等を挙げることができる。
【0016】シリカ系原料としてシリカと共にその存在
が許容される他の無機物質としては、二酸化チタン、酸
化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、
銅、銀、酸化錫、五酸化アンチモン等を挙げることがで
きる。
【0017】このうち、二酸化チタン、酸化セリウム、
酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、及び酸化鉄等よりなる群
から選択される少なくとも一種の金属酸化物を始めとす
る無機質紫外線遮蔽材とシリカとを含有するシリカ系原
料を採用すると、この発明の方法により、紫外線遮蔽機
能を有するシリカ系微小球状無孔質体を製造することが
できる。なおここで、無機質紫外線遮蔽材としては、無
機物質であってしかも紫外線遮蔽能を有する物質を挙げ
ることができる。
【0018】また、銅、銀、及び酸化錫等よりなる群か
ら選択される少なくとも一種とシリカとを含有するシリ
カ系原料を採用すると、この発明の方法により、電磁遮
蔽機能を有するシリカ系微小球状無孔質体を製造するこ
とができる。銀とシリカとを含有するシリカ系原料を採
用すると、この発明の方法により、抗菌機能を有するシ
リカ系微小球状無孔質体を製造することができる。五酸
化アンチモンとシリカとを含有するシリカ系原料を採用
すると、この発明の方法により、難燃機能を有するシリ
カ系微小球状無孔質体を製造することができる。
【0019】このように、シリカと組み合わせる無機物
質の種類を選択することにより、種々の機能を有するシ
リカ系微小球状無孔質体を、この発明の方法により製造
することができる。換言すると、種々の機能を有するシ
リカ系微小球状無孔質体を製造する方法を提供すると言
う目的を、この発明の方法においてシリカと組み合わせ
る無機物質の種類を選択することにより、達成すること
ができる。
【0020】シリカ系原料がシリカと他の無機物質例え
ば無機質紫外線遮蔽材との複合体であるときに、シリカ
系原料中の組成は、無機質紫外線遮蔽材が5〜95重量
%、好ましくは20〜80重量%、シリカが95〜5重
量%、好ましくは80〜20重量%であるのが望まし
い。無機質紫外線遮蔽材の含有量が5重量%未満である
と、紫外線遮蔽能力が弱く、したがって、無機質紫外線
遮蔽材の含有量が5重量%未満であるシリカ系原料を用
いて製造されたシリカ系微小球状無孔質体を例えば樹脂
等に配合して紫外線遮蔽能を有する樹脂組成物を得よう
とする場合には、大量のシリカ系微小球状無孔質体を樹
脂に配合しなければならなくなり、そうすると樹脂組成
物の成形性が著しく低下することがある。また、シリカ
系原料中の無機質紫外線遮蔽材の含有量が95重量%を
越えると、この発明の方法によっても真球に近い、しか
も粒の揃ったシリカ系微小球状無孔質体を得ることがで
きないこともある。
【0021】無機質紫外線遮蔽材の一種である二酸化チ
タン(チタニアとも称される。)を特定の含有量で有す
るシリカ系微小球状無孔質体を焼結して得られた成形
体、は線膨張率が極めて小さい。線膨張率の極めて小さ
いことによってIC用基板、IC封止用樹脂組成物を製
造するのに好適な充填材としてのシリカ系微小球状無孔
質体を製造する方法を提供すると言う目的が、シリカ8
0〜99重量%、好ましくは90〜95重量%とチタニ
ア1〜20重量%、好ましくは5〜20重量%とを有す
るシリカ系原料を採用するこの発明の方法により、達成
される。
【0022】ところで、シリカ系原料としてシリカ単独
で使用される場合、及び前記したような他の無機物との
組合せで使用される場合のいずれにおいても、シリカ
は、その平均粒子径が3μm以下、好ましくは3〜0.
01μm、更に好ましくは1〜0.01μmであるのが
望ましい。シリカを含むシリカ系原料の平均粒径は、そ
れ自体公知であるレーザ式光散乱法を用いた測定法によ
り測定されることができる。
【0023】シリカの平均粒径が3μmを越えると、シ
リカを可燃性液体中に均一に分散せずに沈降してしま
い、スラリーの液滴の形成が困難になることがある。
又、シリカの平均粒径が0.01μm未満であるとシリ
カを可燃性液体に添加した場合に、シリカが凝集して均
一なスラリを調整するのが困難になることがある。
【0024】又シリカを主成分として他の無機物質例え
ば紫外線遮蔽材とシリカとを含有するシリカ系原料にあ
っては、シリカ系原料自体の平均粒径が3μm以下、好
ましくは3〜0.01μm、特に好ましくは1〜0.0
1μmであるのが望ましい。その理由はシリカの平均粒
径に関する理由と同様である。又、シリカとチタニアと
を有するシリカ原料を前記特定の割合で有するシリカ系
原料を用いてこの発明の方法により線膨張率の小さなシ
リカ系微小球状無孔質体を製造すると言う目的は、この
シリカ系原料の平均粒子径を1μm以下、好ましくは1
〜0.01μmに調整することにより、好適に達成され
る。
【0025】シリカ系原料すなわちシリカ単独あるいは
シリカと他の無機物質とを有する複合体の平均粒径が上
記した範囲を越えるときには、シリカ系原料を粉砕して
その平均粒径が上記範囲内になるように、調整を図るの
が良い。
【0026】その粉砕方法としては、乾式粉砕及び湿式
粉砕のいずれであっても良いが、湿式粉砕が好ましい。
湿式粉砕は乾式粉砕と比較して微粒子化が容易であり、
しかもこの発明の方法により得られるシリカ系微小球状
無孔質体の表面平滑性を良好にすることができ、又粉塵
による環境汚染の恐れがないので、特に好ましい。更
に、この湿式粉砕を採用すると、粉砕操作の結果として
この発明におけるスラリーを調整することができて、工
程的にも有利である。
【0027】湿式粉砕は適宜の液体とシリカ系原料とを
混合することにより行われる。湿式粉砕については次の
スラリー調製工程の説明において触れる。
【0028】(スラリー調製工程)この発明において
は、前記シリカ系原料の粉末を可燃性液体に分散するこ
とによりスラリーを調製する。
【0029】この発明においては、乾式粉砕により所定
の粒径に調製されたシリカ系原料の粉末と可燃性液体と
を混合しても良いのであるが、シリカ系原料の粒度調整
とスラリー調製とを同時に行うことのできる湿式粉砕に
よりスラリーを調製するのが好ましい。
【0030】スラリー調製に使用される可燃性液体とし
ては、後述する噴霧燃焼工程において使用される燃料と
共に、スラリー中のシリカ系原料を溶融し、又場合によ
っては形成された微粉体を焼結することができる程度の
燃焼温度を発生させることができる限りその種類に特に
限定はないのであるが、多くの場合、常温で液状の炭化
水素、灯油、重油、アルコール、エーテル、ケトン等の
有機媒体が例示される。取り扱い性の観点から、沸点が
50℃以上である可燃性液体が好ましい。可燃性液体と
して特に灯油、軽油、アルコールは、取り扱いが容易で
かつ安価で燃焼しやすく、噴霧燃焼の際にシリカ系原料
が効率良く均一に加熱されるので、好適である。
【0031】又、スラリーを噴霧することにより形成さ
れた液滴を燃焼させる燃料とこの可燃性液体とが同じ種
類であると、噴霧燃焼時に使用される燃料を別途に用意
してこれを使用する必要がなくなり、製造工程が簡略化
されるので、スラリー調製時の可燃性液体と噴霧燃焼時
の燃料とを同じ種類にするのが好ましい。
【0032】湿式粉砕によりスラリーを調製する場合、
湿式粉砕に使用する可燃性液体とシリカ系原料粉末との
配合割合は、噴霧燃焼に供されるスラリー中の可燃性液
体とシリカ系原料との含有割合と同じになるように、調
製されるのが良い。湿式粉砕時の可燃性液体とシリカ系
原料との配合割合とスラリー中の可燃性液体とシリカ系
原料との含有割合とが同一になるように液体の量を調整
しておくと製造工程が簡略化されるので好ましい。な
お、この発明においては、湿式粉砕において使用される
液体とスラリーを調製するのに使用される可燃性液体と
が相違していても良いのであるが、そうすると、可燃性
液体とは異なる種類の液体を使用してシリカ系原料を湿
式粉砕した場合には、粉砕物を一旦乾燥しなければなら
ず、工程的に不利である。
【0033】使用する湿式粉砕機は、ビーズミルに代表
される媒体撹拌型ミルが、微粉砕しやすく、内包すべき
異種粉体の分散均一性も向上するのでより好ましい。も
っとも、この発明においては、湿式粉砕機が媒体攪拌型
ミルに限定されるものではなく、その他の湿式粉砕機で
もよい。粉砕機における粉砕容器の材質によるスラリー
の汚染を少なくするためには、接液部の材質として、ア
ルミナ、ジルコニアまたはアルミナとジルコニアとの複
合セラミックスを選定することが好ましい。また、前記
粉砕容器における接液部の材質は、摩耗粉が混入しても
差し支えのない石英であっても良い。
【0034】こうして調合されたスラリーが所定濃度に
なっていない場合は、不足分の可燃性液体を添加して希
釈するか、または濃縮することによりスラリーが所定濃
度になるように調整する。スラリー中の固形物の濃度
は、低すぎると生産性と経済性が低下し、高すぎると粘
度が上昇し、微小径の液滴状とするのが困難となり粒径
分布の揃ったシリカ系微小球状無孔質体を製造しにくく
なる。
【0035】スラリー中のシリカ系原料の濃度は通常1
〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好まし
くは10〜40重量%の範囲から選択される。スラリー
中のシリカ系原料の濃度が低すぎると生産性と経済性と
が低下し、高すぎるとスラリーの粘度が上昇してしまっ
て噴霧燃焼を行うのが困難になることがあり、又粒径分
布の揃ったシリカ系微小球状無孔質体を製造するのが困
難になることがある。このスラリーの分散及び分散安定
化のために、分散剤、分散安定剤を添加しても良い。分
散剤としてはノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活
性剤、アニオン系界面活性剤、高分子系界面活性剤等を
用いることができる。
【0036】これらの中でもアニオン系界面活性剤が好
ましく、たとえばアクリル酸とアクリル酸エステルとの
共重合体であって酸化価が20〜200mgKOH/g
程度の大きな酸化を有するものなどの酸含有オリゴマ
ー等が好ましい。このようなアニオン系界面活性剤はス
ラリーの分散及び分散安定化に寄与する外に、スラリー
の粘度を低く抑制することができて好都合である。
【0037】(噴霧・燃焼工程)この発明の方法におい
ては、こうして調製されたスラリーを液滴状に噴霧し、
燃焼させる。
【0038】噴霧する方法としては、液柱式または液膜
式の二流体ノズルなどのスプレー噴霧器、超音波噴霧
器、回転円板噴霧器等を使用することができ、量産化が
容易であるなどの理由により二流体ノズルが好適であ
る。
【0039】スプレー噴霧器、特に二流体ノズルを有す
る噴霧器を使用する場合、スラリーを噴霧することによ
り形成される液滴が微小になるように、スラリーを噴霧
するスラリー吐出ノズルを適正に調整するのが好まし
い。例えば、スラリーを噴霧するスラリー吐出ノズルに
おける先端開口部の口径を1〜10mmに設定しておく
のが好ましい。スラリーを噴霧状態にするために、スラ
リー吐出ノズルの先端部を通過させる気体の流通速度
は、通常0.01m/秒以上、特に0.1〜10m/秒
であるのが好ましい。スラリー吐出ノズルの先端開口部
の口径及び前記流通速度が上記範囲外であると、例えば
30μmよりも大きな平均粒径の無孔質体が形成されて
しまうことがある。
【0040】スラリー吐出ノズルからスラリーの液滴を
噴出させるためであるなら、前記気体は、炭酸ガス、窒
素ガス、燃焼排ガス等の不燃性の気体であっても良い。
その場合、この不燃性の気体で液滴状に噴霧されたスラ
リーに、燃焼を制御する燃焼制御ガスを供給し、あるい
は、燃焼を制御する燃焼制御ガスの雰囲気中に、この不
燃性の気体でスラリーを液滴状に噴霧するのが望まし
い。
【0041】この燃焼制御ガスとしては、酸素ガス、空
気、加熱により分解して酸素を発生させる酸素発生ガス
等を挙げることができる。このとき、例えば粒径が30
μm以下であるシリカ系微小球状無孔質体を製造するに
は、酸素濃度が20〜100容量%、好ましくは25〜
90容量%に調整された燃焼制御ガスを採用するのが良
い。酸素濃度が20容量%未満であると、スラリー中の
可燃性液体が燃焼してもスラリー中の固形分が十分に溶
融し、あるいは焼結することのできないことがある。酸
素濃度の好適な値は、酸素濃度が燃焼温度に影響し、又
スラリーの燃焼温度がスラリー中の可燃性液体の種類、
量等により影響を受けることから、これらの要素と共に
具体的に、かつ適宜に決定される。
【0042】上記とは別に、この発明においては、スラ
リーを噴霧状態にするための気体として、不燃性ガスと
可燃性ガスとの混合ガス、前記不燃性ガスと酸素含有ガ
スとの混合ガス、前記不燃性ガスと可燃性ガスと酸素含
有ガスとの混合ガスを採用することもできる。ただし、
スラリーを噴霧状態にするための気体として可燃性ガス
を採用し、酸素ガスのリッチな雰囲気中に前記可燃性ガ
スでスラリーを噴霧し、これを燃焼させる場合には、適
当でないことがある。
【0043】前記可燃性ガスとしては、LPG、天然ガ
ス、アセチレンガス、プロパンガス、都市ガス等を挙げ
ることができ、前記酸素含有ガスとしては、空気、酸素
ガス等を挙げることができる。
【0044】不燃性ガスと可燃性ガスとの混合ガスにお
ける可燃性ガスの含有割合は、1〜90容量%であり、
不燃性ガスと酸素含有ガスとの混合ガスにおける酸素含
有ガスの含有割合は、1〜90容量%であり、不燃性ガ
スと可燃性ガスと酸素含有ガスとの混合ガスにおける可
燃性ガスの含有割合は、1〜50容量%であり、酸素含
有ガスの含有割合は、1〜50容量%である。
【0045】この発明の方法においては、噴霧状態にな
ったスラリーを適宜の点火手段により燃焼させる。
【0046】点火手段としては、パイロットバーナ、赤
熱したニクロム線、たとえば圧電素子等を利用した電気
火花式着火装置等を挙げることができる。
【0047】噴霧状態になったスラリーを燃焼させると
きのその燃焼温度は、スラリー中の固形分であるシリカ
系原料が溶融し、または焼結する温度および滞留時間に
依存し、具体的には、通常500〜2,500℃の範囲
である。このような燃焼温度を実現してより一層高品質
のシリカ系微小球状無孔質体を製造するために、可燃性
液体の種類及び量、燃焼制御ガスの種類及び量、酸素含
有ガス中の酸素ガス濃度等を調整することも望まれる
が、電気炉等の加熱炉内に向けてスラリーを噴霧し、補
助的に加熱された加熱炉内で噴霧状態のスラリーを燃焼
させるのも好ましい。
【0048】この発明の方法においては、スラリーを噴
霧状態にし、次いで噴霧状態にあるスラリーの液滴を燃
焼させることによって、シリカ系微小球状無孔質体が形
成される。粒径がより一段と揃っており、しかも表面が
より一層平滑になっていて無孔質で中実なビーズ状のシ
リカ系粒子を形成するには、噴霧・燃焼の条件を最適に
調整するのが好ましい。この発明の方法における噴霧・
燃焼の様相を考察すると、例えばスラリー吐出ノズルか
ら液滴状にスラリーが噴出し、スラリー吐出ノズルから
所定の時間又は所定の飛距離をもってスラリー液滴が空
間中を飛び、その空間中に滞留するときに所定粒径の液
滴が形成され、次いでその液滴を有する噴霧状態のスラ
リーが燃焼し、この燃焼の際に、液滴中の可燃性液体が
可燃性ガスあるいは酸素ガスの助けにより燃焼し、その
燃焼熱により液滴中の液体成分が燃焼あるいは蒸発気化
すると同時に液滴中のシリカ系原料が溶融して真球もし
くは真球に近い溶融粒子が形成されると考えられる。そ
してその溶融粒子が燃焼領域中を通過する内に、溶融粒
子が冷却されて固化し、場合によっては極めて微小な溶
融粒子同士が合体して焼結するものと考えられる。
【0049】この発明の方法においては、シリカ系原料
の粉末を可燃性液体に分散してなるスラリーを噴霧燃焼
することによって、粒径が30μm以下、特に20μm
以下の球状で、表面が平滑で、無孔質で中実のシリカ系
ビーズを製造することができる。これ以上に、より一段
と真球に近く、より一段と粒径が小さく、しかも平均粒
径が揃って均一である、表面が平滑で、無孔質ので中実
のシリカ系ビーズを形成することを目的とするときに
は、上述した好適な条件に加えて、燃焼制御ガスの導出
口をスラリー吐出ノズルの前方2〜10cmに配置する
のも好ましい。つまり、スラリーを噴霧させる気体の流
通速度、換言するとスラリー吐出ノズル先端から噴出す
るスラリーの液滴の線速度を0.01m/秒以上、特に
0.1〜10m/秒にして所定距離だけスラリーの液滴
を飛ばし、次いで酸素ガス含有雰囲気下で燃焼させるの
が良い。又別の見方をすれば、スラリー吐出ノズルから
噴出されたスラリーの液滴を、スラリー吐出ノズル噴出
時から燃焼時までの時間として0.05〜1秒程度、液
滴のままに保持しておくのも好ましい。
【0050】この発明の方法において製造しようとする
シリカ系微小球状無孔質体の平均粒径を調節するには、
スラリーの流量、噴霧ガス流量を制御することにより気
液比、及び噴霧ガス流速を、使用するノズルの形状等に
より最適化すればよい。
【0051】以上のようにして形成されたシリカ系微小
球状無孔質体は、バグフィルタ、湿式の充填層による回
収方法など、公知の方法により回収される。
【0052】この発明の方法によると平均粒径の揃った
シリカ系微小球状無孔質体を製造することができるので
あるが、場合によっては粒径分布の広いシリカ系微小球
状無孔質体が生成することもあり、そのような場合には
適宜の分級操作を行って30〜0.5μmあるいは20
〜0.5μmのシリカ系微小球状無孔質体を得るのが良
い。この発明の方法においては、前記分級工程で発生し
た所望粒度以外のシリカ系微小球状無孔質体をリサイク
ルしてこの発明の方法におけるシリカ系原料として使用
することができる。このように分級後に副生するシリカ
系微小球状無孔質体をシリカ系原料にリサイクルするこ
とのできることは、この発明の方法が、シリカゾルとチ
タニアゾルとの混合ゲルを乾燥焼成することによる従来
のシリカ−チタニアガラスの製造方法に比べて、優秀性
を示す注目するべき技術事項でもある。
【0053】(シリカ系微小球状無孔質体)前記したよ
うにこの発明の方法によりシリカ系微小球状無孔質体が
製造される。
【0054】この発明の方法により得られるシリカ系微
小球状無孔質体は、通常その平均粒径が30μm以下、
特に20μm以下である。このシリカ系微小球状無孔質
体は、表面が平滑で、穴が形成されていず(無孔質であ
り)、中実のシリカ系ビーズである。この発明の方法に
より製造されたシリカ系微小球状無孔質体は、シリカ系
原料中の金属酸化物の種類及び量を調節することによ
り、非晶質であったり、結晶質であったりし得る。
【0055】この発明の方法により製造されるシリカ系
微小球状無孔質体は、概括的に言うと、充填材に適す
る。例えば、この発明の方法により得られるシリカ系微
小球状無孔質体を樹脂に充填すると、このシリカ系微小
球状無孔質体はその表面の平滑性が高いので、このシリ
カ系微小球状無孔質体を樹脂に充填してなる樹脂組成物
から成形された成形品の反りや変形が少なく、しかも成
形体自体の表面の平滑性が高く、精密機器の筐体、基板
などの成形体に成形するための樹脂組成物用の充填材と
して好適である。また、シリカ系原料中のシリカと共存
する他の成分として溶出不純物の少ない成分を任意に選
択することができ、そのようにして選択した成分を有す
るシリカ系原料を用いてこの発明の方法により得られる
シリカ系微小球状無孔質体は、更に膨張・収縮が少なく
て樹脂中に高含有量で充填可能であることから、電子デ
バイスエラーを発生させにくい充填材としてIC、LS
I等の半導体封止用樹脂組成物を形成するための充填材
として特に好適である。また、この発明の方法により製
造されるシリカ系微小球状無孔質体は、滑り性が良くか
つ油脂等の吸着量が少ないので、化粧品への配合にも適
する。
【0056】この発明の方法により製造されるシリカ系
微小球状無孔質体は、シリカ系原料を選択することによ
りシリカと共に含有される他の成分に応じて、紫外線吸
収機能、難燃機能、電磁遮蔽機能、光触媒機能、抗菌機
能等の特定の機能を備えることができ、高機能化充填材
とすることもできる。
【0057】各論として言うと例えば、シリカと無機質
紫外線遮蔽材とを含有するシリカ系原料を使用してこの
発明の方法により製造されたシリカ系微小球状無孔質体
は化粧品用の充填材として好適である。無機質紫外線遮
蔽材を含有するシリカ系微小球状無孔質体は、この無機
質紫外線遮蔽材を均一に含有する。
【0058】このシリカ系微小球状無孔質体を化粧品用
充填材として配合してなる化粧品は、紫外線を吸収して
肌を守り、かつ滑り性が良くかつ油脂等の吸着量が少な
く、光触媒作用が抑制されているので長期間にわたって
変質することがない。特に吸油量が、JIS5101の
測定法で80ml/100g以下、好ましくは80〜5
ml/100gであるシリカ系微小球状無孔質体は紫外
線カット化粧品用の充填材として極めて有用である。吸
油量が80ml/100gを越えると化粧品中の油脂分
を多量に配合する必要があるので好ましくない。
【0059】無機質紫外線遮蔽材を含有するところの、
本発明の方法により製造されたシリカ系微小球状無孔質
体は、塗料に添加する塗料用充填材としても有用であ
る。無機質紫外線遮蔽材含有のシリカ系微小球状無孔質
体は、光触媒作用が抑制されているので経時劣化ないし
変質が少なくて、シリカ系微小球状無孔質体中での無機
質紫外線吸収剤の分散が良く、かつシリカ系微小球状無
孔質体自体の表面平滑性が高いので、このシリカ系微小
球状無孔質体を含有する塗料で形成される塗膜の平滑性
が高く、仕上がりの美麗な塗装面に仕上げることができ
る。
【0060】無機質紫外線遮蔽材の一種でもある二酸化
チタン(チタニア)とシリカとを含有するシリカ系微小
球状無孔質体は、独特の性質を備える。
【0061】シリカとチタニアとをシリカ系原料にして
この発明の方法により製造したシリカ系微小球状無孔質
体は、そのチタニアの含有量が20重量%位までである
と、チタニアの結晶の存在しないシリカ−チタニアガラ
スである。そしてシリカ系微小球状無孔質体は、そのチ
タニアの含有量が20重量%よりも多くなっていくと、
シリカ−チタニアガラス中に結晶酸化チタンが分散する
ようになる。このシリカ−チタニアガラス中に分散する
酸化チタンの結晶型は、シリカ系原料中の二酸化チタン
がルチル型であるとルチル型とアナターゼ型とが混合し
たものとなる。ルチル型とアナターゼ型との結晶が混合
している場合、この発明の方法において噴霧燃焼の温度
が高い程アナターゼ型結晶の含有割合が大きくなる。こ
の二酸化チタンの結晶の量が多くなるとシリカ系微小球
状無孔質体であるシリカ−チタニア微小球状無孔質体は
紫外線遮蔽機能が大きくなる。チタニアの含有量が5重
量%以上20重量%未満であってもシリカ−チタニア微
小球状無孔質体は紫外線遮蔽機能を有するが、紫外線遮
蔽機能を実質的に有効に発揮するシリカ−チタニア微小
球状無孔質体であるためには、シリカ−チタニア微小球
状無効質体中のチタニアの含有量が20〜95重量%、
好ましくは50〜80重量%であるのが良い。
【0062】一方、シリカ系微小球状無孔質体がチタニ
ア1〜20重量%とシリカ80〜99重量%とからなる
シリカ−チタニア微小球状無孔質体は、この発明の方法
により0.5〜20μmの微小ビーズに形成され、しか
もシリカガラスよりも小さい線膨張率を有することにな
り、IC用基板、IC封止用モールド剤を形成するため
の電気電子用充填材に適する。例えば、電子電気部品を
モールドするためのモールド用樹脂組成物を形成するた
めに封止用樹脂に配合される電気電子用充填材としてこ
のシリカ−チタニア微小球状無孔質体を用いると、この
シリカ−チタニア微小球状無孔質体は球状でかつ表面平
滑性が高いので、70重量%以上の高充填をしても前記
モールド用樹脂組成物で成形された成形体はその反りや
変形が少なく、かつその成形体表面の平滑性が高い。ま
た、このシリカ−チタニア微小球状無孔質体を充填材と
して含有するモールド用樹脂組成物の線膨張率と他の無
機物充填材例えばシリカガラスを含有するモールド用樹
脂組成物の線膨張率とが同一の場合、シリカ−チタニア
微小球状無孔質体の樹脂への添加量をシリカガラスより
少なくできるので、このシリカ−チタニア微小球状無孔
質体を含有するモールド用樹脂組成物で形成された成形
体ないし成形物の機械的強度を向上させることができ
る。しかも、このモールド用樹脂組成物は溶出不純物が
少ないので、シリカ−チタニア微小球状無孔質体は電子
デバイスエラーを発生させにくいIC用基板、IC封止
用樹脂組成物等のモールド用樹脂組成物を形成するため
フィラーとして特に好適である。
【0063】無機質紫外線遮蔽材としての酸化セリウム
とシリカとを有するシリカ系微小球状無孔質体すなわち
シリカ−酸化セリウム微小球状無孔質体は、その酸化セ
リウムの含有量が50重量%もの大量であっても、完全
な非晶質である。
【0064】無機質紫外線遮蔽材として酸化亜鉛とシリ
カとを有するシリカ系微小球状無孔質体すなわちシリカ
−酸化亜鉛微小球状無孔質体は、その酸化亜鉛の含有量
が50重量%に達すると少量の結晶酸化亜鉛が混在する
ようになる。
【0065】銅、銀、及び酸化錫等よりなる群から選択
される少なくとも一種とシリカとを含有するシリカ系微
小球状無孔質体は、電磁遮蔽機能を有する。二酸化チタ
ンとシリカとを含有するシリカ系微小球状無孔質体は、
適度に抑制された光触媒機能を有する。銀とシリカとを
含有するシリカ系微小球状無孔質体は、抗菌機能を有す
る。五酸化アンチモンとシリカとを含有するシリカ系微
小球状無孔質体は、難燃機能を有する。
【0066】よってこの発明のシリカ系微小球状無孔質
体は、その原料を適切に選択することにより、各種の用
途に好適な素材とすることができる。
【0067】
【実施例】
(実施例1)超微粒子シリカ(商品名、アエロジル)を
灯油に分散して、10重量%のスラリーを得た。このス
ラリーを二流体ノズル内に装填し、噴霧ガスである炭酸
ガスとを流速1m/秒で二流体ノズルから噴出させるこ
とにより、スラリーを噴霧した。二流体ノズルの先端か
ら5cm離れた位置に酸素80容量%及び窒素20容量
%からなる酸素含有ガスを導入し、かつ火炎を近づける
ことにより、噴霧状態のスラリーに着火し燃焼させた。
このときの燃焼温度は1,800℃であった。スラリー
の燃焼により生成した微粒子をバグフィルタにて回収し
た。
【0068】回収された微粒子を光散乱法で測定したと
ころ、その平均粒子径は1μmであり、走査型電子顕微
鏡で観察したところ、いずれの粒子も球状であった。ま
た、気液置換法による比重の測定結果より無孔質である
ことが判明し、X線回折測定の結果、石英のピークは認
められず非晶質であることが確認された。
【0069】(実施例2)珪砂粉末250gを灯油60
0g中に混合した後、ビーズミルを使用して湿式粉砕す
ることによりシリカ系原料のスラリーを得た。使用した
ビーズミルは、内容積1,400mlであり、ビーズミ
ルにおける接液部の材質はジルコニアである。ビーズ
は、平均径0.65mmφのジルコニア製であり、ビー
ズミルには1,120mlのビーズが装填された。ビー
ズミルの運転条件として、回転数が2,500rpmで
あり、粉砕時間は30分間であった。得られたシリカ系
原料のスラリーから珪砂を回収し、走査型電子顕微鏡で
観察したところ、その平均粒子径は0.2μmであっ
た。
【0070】シリカ系原料のスラリーを用いたほかは前
記実施例1におけるのと同様に噴霧燃焼して微粒子を製
造した。
【0071】この微粒子をバグフィルタにて回収し、実
施例1と同様の測定を行った。その結果、この微粒子の
平均粒子径は3μmであり、走査型電子顕微鏡による観
察およびX線回折測定、比重測定の結果いずれの粒子も
球状無孔質非晶体であった。 (実施例3)シリカゲル100gに無機質紫外線遮蔽材
である酸化チタン36gを灯油600g中に混合した
後、ビーズミルを使用して湿式粉砕することにより、シ
リカ系原料のスラリーを得た。
【0072】使用したビーズミルは、前記実施例2にお
けるのと同一である。ビーズミルの運転条件として、回
転数が2,500rpmであり、粉砕時間は40分間で
あった。得られたシリカ系原料のスラリーから固形分を
回収し、走査型電子顕微鏡にて観察したところ、珪砂の
平均粒子径は0.2μmであった。
【0073】このスラリーを用いること、酸素含有ガス
雰囲気として酸素40容量%及び窒素60容量%の混合
ガス雰囲気を採用すること、及び燃焼温度を1,500
℃にしたことのほかは、前記実施例1におけるのと同様
に噴霧燃焼して微粒子を製造した。
【0074】この微粒子をバグフィルタにて回収し、前
記実施例1と同様の測定を行った結果、微粒子の平均粒
子径は2μmであり、走査型電子顕微鏡による観察およ
び比重測定の結果いずれの粒子も球状無孔質であった。
この粒子について光線透過率を測定したところ、320
nm以下の紫外線透過率は可視光線透過率の1/10以
下で紫外線吸収機能に優れるものであった。
【0075】(比較例1)実施例1と同様に湿式粉砕し
た珪砂粉をスラリーより回収し、この乾燥微粉をLPG
ガスで100%酸素中に噴霧燃焼したところ、造粒され
ない微粉のシリカ粒子及び凝集した不定形の粒子すなわ
ち球状ではない粒子が得られた。
【0076】このようにスラリーの液滴を燃焼させない
方式では、この発明の目的を達成することのできないこ
とが確認された。
【0077】(実施例4)珪砂100gに紫外線吸収機
能を有する酸化セリウム36gを灯油600g中に混合
した後、ビーズミルを使用して湿式粉砕することによ
り、シリカ系原料のスラリーを得た。
【0078】使用したビーズミルは、前記実施例2にお
けるのと同一である。ビーズミルの運転条件として、回
転数が2,500rpmであり、粉砕時間は40分間で
あった。得られたシリカ系原料のスラリーから固形分を
回収し、走査型電子顕微鏡にて観察したところ、珪砂の
平均粒子径は0.2μmであった。
【0079】このスラリーを用いること、酸素30容量
%及び窒素70容量%の酸素含有ガス雰囲気としたこ
と、燃焼温度を1,200℃にしたことのほかは、前記
実施例1におけるのと同様に噴霧燃焼して微粒子を製造
した。
【0080】この微粒子をバグフィルタにて回収し、前
記実施例1と同様の測定を行った結果、微粒子の平均粒
子径は4μmであり、走査型電子顕微鏡による観察およ
び比重測定の結果いずれの粒子も球状無孔質であった。
この粒子について光線透過率を測定したところ、320
nm以下の紫外線透過率は可視光線透過率の1/10以
下で紫外線吸収機能に優れるものであった。
【0081】(実施例5)超微粒子シリカ(商品名、ア
エロジル)100gと紫外線遮蔽機能を有する酸化チタ
ン50gとを灯油1350g中に投入した後、前記実施
例2におけるのと同様のビーズミルを使用して湿式分散
することでシリカ系原料のスラリーを得た。
【0082】なお、ビーズミルの運転条件は、粉砕時間
を20分間とした外は前記実施例2におけるのと同様で
ある。
【0083】得られたスラリーを使用すること、酸素3
5容量%及び窒素65容量%の酸素含有ガス雰囲気とし
たこと、及び燃焼温度を1,400℃にしたことの外は
前記実施例1におけるのと同様に噴霧燃焼して微粒子を
製造した。
【0084】この微粒子をバグフィルタにて回収し、前
記実施例1と同様の測定を行った結果、微粒子の平均粒
子径は2μmであり、走査型電子顕微鏡による観察およ
び比重測定の結果いずれの粒子も球状無孔質であった。
この粒子について光線透過率を測定したところ、320
nm以下の紫外線透過率は可視光線透過率の1/10以
下で紫外線吸収機能に優れるものであった。
【0085】(比較例2)水ガラスと酸化チタンとを水
中で混合し、ついで疎水性有機溶媒中に界面活性剤を使
用して乳化した後酸を添加してゲル化し、これによって
酸化チタンを50重量%内包したシリカ粒子を得た。
【0086】軟質塩化ビニルにこの粒子を10重量%添
加し、100μmのフィルムに成形した。このフィルム
をサンシャインウエザオメーターにて1,000時間紫
外線を照射したところ、淡黄色に変色した。これは可塑
剤がシリカ粒子内部に進入し、光触媒作用で変質したた
めであると考えられる。
【0087】(実施例6)平均粒径10μmのシリカゲ
ル100gと平均粒径0.25μmの酸化チタン6.4
gと酸含有オリゴマー11gを灯油600g中に混合し
た後、前記実施例2におけるのと同様のビーズミルを使
用して湿式粉砕することによりスラリーを得た。
【0088】得られた原料のスラリーから粉体を回収
し、走査型電子顕微鏡で観察したところ、微粒子の平均
粒子径は0.2μmであった。
【0089】前記スラリーを用いること、酸素40%及
び炭酸ガス60%の酸素含有ガス雰囲気としたこと、燃
焼温度を1,500℃にしたことの外は前記実施例1に
おけるのと同様に噴霧燃焼して微粒子を製造した。
【0090】この微粒子をバグフィルタにて回収した。
蛍光X線による元素分析によると、この微粒子中のチタ
ニアの含有量は6重量%であった。レーザー光散乱法で
測定すると、この微粒子の平均粒子径は3μmであり、
走査型電子顕微鏡による観察の結果、粒子は球状で、X
線回折測定の結果、非晶体であった。この粉体を焼成炉
で焼成して得られた成形体の線膨張係数は0.1×10
-7であった。
【0091】(実施例7)平均粒径0.25μmの酸化
チタン10.4gを使用する以外は、実施例6と同様に
行った。得られた粉体は、蛍光X線による元素分析より
含有量は9重量%であった。レーザー光散乱法で測定し
た平均粒子径は3μmであり、走査型電子顕微鏡による
観察およびX線回折測定の結果、粒子は球状非晶体であ
った。この粉体を焼成炉で焼成して得られた成形体の線
膨張係数は−1.9×10-7であった。
【0092】(実施例8)平均粒径0.25μmの酸化
チタン3.5gを使用する以外は、実施例6と同様に行
った。得られた粉体は、元素分析よりチタニアの含有量
は3重量%であった。光散乱法で測定した平均粒子径は
2.5μmであり、走査型電子顕微鏡による観察および
X線回折測定の結果、粒子は球状非晶体であった。この
粉体を焼成炉で焼成して得られた成形体の線膨張係数は
2.4×10-7であった。
【0093】
【効果】この発明によると、シリカ系原料を用いて、従
来では工業的に大量かつ安価に製造することが困難であ
ったところの、微小で、表面が平滑で無孔質であり、中
実のシリカ系微小球状無孔質体を、少ない工程で製造す
ることのできる方法を提供することができる。
【0094】この発明によると、シリカ系原料中のシリ
カ以外のセラミックの種類を選択することにより、種々
の機能を有するシリカ系微小球状無孔質体を、従来より
も簡素化された少ない工程で容易に製造することのでき
る製造方法を提供することができる。
【0095】この発明によると、この発明の製造方法に
おいてシリカ系原料としてシリカと無機質紫外線遮蔽材
とを特に選択することにより製造されることのできる、
表面が平滑でしかも無孔質であるシリカ系微小球状無孔
質体を提供することができる。
【0096】この発明によると、この発明の製造方法に
おいてシリカ系原料としてシリカと無機質紫外線遮蔽材
とを特に選択することにより製造されることのできる、
前記無機質紫外線遮蔽材が均一に分散し、無機質紫外線
遮蔽材が有する触媒活性が抑制され、表面が平滑でしか
も無孔質であり、化粧品に使用すると良好な使用感を与
え、樹脂フィラーとして使用するとマトリックス樹脂中
での分散性及び充填性が良好であるシリカ系微小球状無
孔質体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−126538(JP,A) 特開 昭59−152215(JP,A) 特開 平2−153816(JP,A) 特開 平2−59416(JP,A) 角田範義,噴霧燃焼法による球状シリ カの作製,化学工業,1989年12月 1 日,第40巻,p.14−18 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/56 C01B 33/12 C08K 3/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカ80〜99重量%とチタニア1〜2
    0重量%とを含有するガラスからなる球状無孔質中実体
    であって平均粒子径が0.5〜20μmであるシリカ系
    微小球状無孔質体からなるIC基板用充填材。
  2. 【請求項2】シリカ80〜99重量%とチタニア1〜2
    0重量%とを含有するガラスからなる球状無孔質中実体
    であって平均粒子径が0.5〜20μmであるシリカ系
    微小球状無孔質体と樹脂とからなるIC封止用樹脂組成
    物。
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