JPH0891874A - ガラス球状粉末及びその製造方法 - Google Patents

ガラス球状粉末及びその製造方法

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JPH0891874A
JPH0891874A JP23517894A JP23517894A JPH0891874A JP H0891874 A JPH0891874 A JP H0891874A JP 23517894 A JP23517894 A JP 23517894A JP 23517894 A JP23517894 A JP 23517894A JP H0891874 A JPH0891874 A JP H0891874A
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glass
powder
sol
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average particle
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JP23517894A
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Toshiharu Yoshikawa
逸治 吉川
Masaaki Ishikawa
真章 石川
Yoshie Suyama
よしえ 周山
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/10Forming beads
    • C03B19/1005Forming solid beads
    • C03B19/106Forming solid beads by chemical vapour deposition; by liquid phase reaction
    • C03B19/1065Forming solid beads by chemical vapour deposition; by liquid phase reaction by liquid phase reactions, e.g. by means of a gel phase

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Abstract

(57)【要約】 【目的】ガラス薄膜等の製造に最適なガラス粉末を提供
することを主な目的とする。 【構成】a)ガラス組成が SiO2 :40〜70重量% Al2 3 : 5〜23重量% B2 3 : 2〜18重量% RO :10〜30重量% (但し、RはMg、Ca、Zn及びBaの少なくとも1
種)であって、 b)ガラス転移温度が550〜750℃、軟化点が70
0〜950℃であり、 c)平均粒径が0.1〜5μmである ことを特徴とするガラス球状粉末、及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス球状粉末及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】一般に、ガラス薄膜基板はテー
プ成形法によって成形されることが多い。この場合、そ
の原料であるガラス粉末の粒子が不定形状であると粒子
の充填性の低下により成形不良を引き起こす。さらに、
上記基板に使用される材料には高い電気絶縁性が要求さ
れる。このため、上記ガラス粉末としては、その粒子形
状が均一な球状であり、かつ電気絶縁性に悪影響を与え
る不純物が極力混入していないものを用いることが必要
である。
【0003】また、LCDガラス基板、多層ガラス基板
等に使用されるガラス材料には、さらに次の(イ)及び
(ロ)の点が要求される。
【0004】(イ)これらの基板に用いられるガラスは
通常750〜1000℃で焼成されるため、そのガラス
原料としてはガラス転移点が550〜750℃、軟化点
が700〜950℃の特性を有することが必要である。
【0005】(ロ)また、アルカリイオンは高温のとき
の易動度が他の陽イオンと比較して大きいため、ガラス
中にアルカリイオンが存在すると加熱によりガラス表面
への拡散溶出が起こり、特にNa+ イオンでは顕著であ
る。従って、アルカリ成分が少ないもの乃至は無アルカ
リの原料を用いることが望ましい。
【0006】他方、最近では、ガラス/セラミックス粉
末と感光性樹脂組成分を主成分とし、これにバインダ
ー、溶媒等の必要成分を配合したガラス/セラミックス
グリーンシートに関する技術が開示されている(特開平
5−170517号公報)。この技術によれば、ホトリ
ソグラフィー技術を利用してヴィアホール、スルーホー
ル及び微細なパターンを容易にかつ高精度に形成するこ
とができる。ここに、上記材料の原料の一つとなるガラ
ス粉末は、平均粒径が約0.1〜5μmで、かつ球状の
ガラス粉末を用いることが好ましい。
【0007】この理由は、フォトマスク法により露光さ
れる際、光は粒子によって回折・散乱されるが、より高
精度のヴィアホール、スルーホール及び微細なパターン
を形成するためには、この回折・散乱を抑制する必要が
ある。回折・散乱の角度及び強度は、粒子の大きさ、屈
折率等、殊に粒子形状によって大きく左右されるが、粒
子形状が真球状に近いものほど回折・散乱を有効に抑制
することができる。これに対し、形状が不定形で粒子の
エッジ部分が鋭いと光の散乱が大きくなるので、上下の
孔径差のない均一なヴィアホール等が形成できない。従
って、できるだけ真球状に近い粒子からなるガラス粉末
を用いることが望ましい。
【0008】また、粒度においては、微細になるほど光
の回折・散乱が大きくなり、一方粒径が大きくなると焼
結しても十分緻密な焼結体が得られない。このため、上
記の一定の粒径範囲をもつガラス粉末を用いることが好
ましい。
【0009】以上のように、これらのガラス薄膜基板等
に用いられるガラス材料においては、さまざまな特性が
要求されるが、これら特性のすべてを兼ね備えているこ
とが理想的である。しかし、現時点では、これらの要求
をすべて満たすことができるガラス材料は未だ開発され
ていない。
【0010】従来では、ガラス粉末は、ガラスの主要構
造を形成する網目形成成分及び修飾成分を与える主原料
(ケイ砂、ケイ石、ソーダ灰、石灰石等)と、1%程度
の添加でガラスの溶融及び物性に大きな影響を与える副
原料(硝石、亜ヒ酸、蛍石、酸化アンチモン等)とを含
む混合物を、粒度を調整して窯の中に投入し、加熱溶融
し、十分に均質化・清澄した後、急冷(水中投下)し、
粉砕することにより製造されている。
【0011】しかしながら、上記従来の方法によるガラ
ス粉末は、物理的な粉砕によって粉体化されるものであ
るため、当然ながら粉末の粒子は不定形状であり、テー
プ成形用の原料に適したものとは言い難い。しかも、副
原料の使用、天然原料の使用、溶融時又は粉砕時の不純
物の混入などによりガラス原料中の不純物の混在が避け
られないため、高純度のものが得られないという問題も
ある。
【0012】ガラス粉末の粒子形状に関し、球状のもの
を得る方法として、噴霧熱分解法、ゾルゲル法、加水分
解法等の各種方法が知られており、特に生産性、コスト
の面で噴霧分解法が良く利用されている。この方法は、
所定温度に保持された電気炉中に噴霧し、電気ヒーター
からの輻射熱を利用して熱分解するものである。この方
法によれば、原料溶液を瞬時に熱分解するため、多成分
系の均一な原料のサブミクロンからミクロンオーダーの
微粒子を製造することができる。
【0013】しかしながら、上記方法では、噴霧された
液滴は、外部より輻射熱を受けて熱分解・固化し、液滴
全体ではなくその表面から固化しはじめ、内部液相は毛
管現象により既に固化した表面に移動した後、熱分解・
固化されるので、内部に気孔を有する粒子が形成され
る。つまり、この方法により得られる粉末は、真球状で
あっても中空構造をしているため、比表面積が大きく、
成形性が不良となるばかりでなく、緻密な焼結体となら
ない。従って、上記方法による粉末は、成形性、緻密性
等が要求される用途には適用できない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、ガ
ラス薄膜等の製造に最適なガラス粉末を提供することを
主な目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の問題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を
もつガラス原料を一定条件下で噴霧熱分解処理する場合
には、一定の物性を兼ね備えているがゆえにガラス基板
等の製造に最適なガラス粉末が得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0016】即ち、本発明は、下記のガラス球状粉末及
びその製造方法に係るものである。 1.a)ガラス組成が SiO2 :40〜70重量% Al2 3 : 5〜23重量% B2 3 : 2〜18重量% RO :10〜30重量% (但し、RはMg、Ca、Zn及びBaの少なくとも1
種)であって、 b)ガラス転移温度が550〜750℃、軟化点が70
0〜950℃であり、 c)平均粒径が0.1〜5μ
mである ことを特徴とするガラス球状粉末。
【0017】2.乾燥酸化物換算で SiO2 :40〜70重量% Al2 3 : 5〜23重量% B2 3 : 2〜18重量% RO :10〜30重量% (但し、RはMg、Ca、Zn及びBaの少なくとも1
種)からなる混合溶液又はゾルを、800〜1800℃
の火炎雰囲気中に微細液滴として噴霧し、熱分解した
後、急冷することを特徴とするガラス球状粉末の製造方
法。
【0018】以下、本発明について詳細に説明する。
【0019】本発明のガラス球状粉末は、SiO2 :4
0〜70重量%、Al2 3 :5〜23重量%、B2
3 :2〜18重量%、RO:10〜30重量%(但し、
RはMg、Ca、Zn及びBaの少なくとも1種)とい
う組成を有し、実質的に無アルカリの組成である。これ
らの組成のうち一つでも上記範囲外となる場合には、後
記所定のガラス転移点又は軟化点をもつガラス粉末とな
らない。
【0020】具体的には、SiO2 が70重量%を超え
るとガラス転移点及び軟化点が高くなり、一方40重量
%未満となるとガラス転移点及び軟化点が低くなる。A
23 が23重量%を超えるとガラス転移点及び軟化
点が高くなり、一方5重量%未満となるとガラス転移点
及び軟化点が低くなる。B2 3 が18重量%を上回る
とガラス転移点及び軟化点が低くなり、一方2重量%未
満となるとガラス転移点及び軟化点が高くなる。ROが
30重量%を上回るとガラス転移点及び軟化点が低くな
り、一方10重量%を下回るとガラス転移点及び軟化点
が高くなる。
【0021】上記Rは、Mg、Ca、Zn及びBaの少
なくとも1種であり、2種以上の併用が可能である。
【0022】また、本発明ガラス球状粉末は、そのガラ
ス転移温度が550〜750℃、軟化点が700〜95
0℃であることを必須とする。ガラス転移温度及び軟化
点のいずれかが上記範囲を外れる場合には、ガラス薄膜
等の製造に適さなくなる。但し、ガラス粉末をLCDガ
ラス基板、多層ガラス基板等以外の用途に用いる場合に
おいて当該用途に適用できれば、ガラス転移温度及び軟
化点が上記範囲を外れても差支えない。
【0023】さらに、本発明ガラス球状粉末は、その平
均粒径が通常0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μ
mである。平均粒径が5μmを超えると緻密性の低下が
顕著となり、0.1μm未満となると嵩高くなり、成形
性が悪くなるので好ましくない。また、本発明における
粉末粒子は、ほぼ真球状のものをいい、少なくとも中空
状、中空破片状、楕円状等の粒子は除かれる。但し、本
発明の効果に悪影響を及ぼさない限り、これら中空状等
のものが混在していても良い。
【0024】本発明のガラス球状粉末は、例えば以下の
方法により製造することができる。即ち、乾燥酸化物換
算でSiO2 :40〜70重量%、Al2 3 :5〜2
3重量%、B2 3 :2〜18重量%、RO:10〜3
0重量%(但し、RはMg、Ca、Zn及びBaの少な
くとも1種)からなる混合溶液又はゾルを、800〜1
500℃の火炎雰囲気中に微細液滴として噴霧し、熱分
解した後、急冷することにより得ることができる。
【0025】上記組成をもつ混合溶液又はゾルとして
は、例えばSi、Al、B、及びMg、Ca、Zn及び
Baの少なくとも1種の可溶性塩(硝酸塩、塩化物な
ど)を精製水等に溶解させたもの、或いはこれらの酸化
物の超微粒子分散液(アルミナゾル、シリカゾルなど)
等を用いることができる。これら混合溶液又はゾルを用
いることにより、各構成元素をミクロなオーダーで均一
混合することが可能となる。また、噴霧・熱分解後に得
られる粉末においては、より低温での焼結が可能とな
り、しかも均一組成の焼結体を得ることができる。さら
に、混合溶液のみを用いる場合には、イオンオーダーで
の均一混合が可能となり、各特性をより向上させること
ができる。
【0026】混合溶液又はゾルの濃度は、原料のガラス
組成、目的とする用途等に応じて適宜設定すれば良い
が、通常は酸化物換算濃度で2〜20重量%程度とすれ
ば高収率、好適な噴霧液滴を得ることが可能である。ま
た、混合溶液又はゾルの粘度は、通常は100cpsを
超えないこと、できれば20cps以下であることが望
ましい。上記粘度が100cpsを超えると所望の微細
な噴霧液滴を得ることが困難となる。
【0027】混合溶液又はゾルを微細液滴にする方法
は、例えば圧力噴霧法、回転ディスク法、二流体ノズル
噴霧法、超音波噴霧法等の公知の方法がいずれも採用す
ることができ、特に液粒径及び処理能力の面で圧力噴霧
法又は二流体ノズル噴霧法が好ましく、より好ましくは
二流体ノズル噴霧法が良い。
【0028】噴霧は、後記実施例でも示すように公知の
噴霧熱分解(噴霧焼成)装置を用いて行うこともでき
る。送液量、噴霧圧力、送風量等の操作条件は、常法に
従えば良く、原料組成等に応じて適宜定めることができ
る。
【0029】上記混合溶液又はゾルを通常800〜18
00℃程度の火炎雰囲気中に噴霧し、熱分解させる。熱
分解温度が800℃未満の場合には上記混合溶液又はゾ
ルの乾燥熱分解が不十分となり、1800℃を超える場
合には原料の一部が昇華するので好ましくない。
【0030】ここに、本発明方法における熱分解は、火
炎の対流伝熱によるものである。従って、従来技術にお
ける電気ヒーターの輻射熱による場合と異なり、噴霧さ
れた液滴は液滴表面から内部に至るまでほぼ同時に受熱
できるので、液滴全体において熱分解、固化が起こり、
その結果内部に気孔が実質的に存在しない球状粉末を得
ることができる。
【0031】次いで、生成したガラス球状粉末を急冷す
る。急冷方法は、一般のガラス製造における公知の方法
をそのまま適用できるが、特に反応炉の中に冷却空気を
吹き込む方法が好ましい。
【0032】急冷後、必要に応じてサイクロン等による
分級工程を経た後、バグフィルター等の常法の捕集方法
に従って回収する。これにより、本発明のガラス球状粉
末を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明のガラス球状粉末の製造方法で
は、ガラス薄膜等に最適なガラス球状粉末原料を得るこ
とができる。
【0034】すなわち、本発明のガラス球状粉末によれ
ば、その原料となる混合溶液又はゾルを一定温度の火炎
雰囲気中に噴霧・熱分解させるものであるので、中空構
造をとらない、平均粒径0.1〜5μmの真球状のガラ
ス粉末粒子が提供される。そして、これは粒子形状が均
一であるゆえに成形性が極めて良好であり、また緻密で
もある。しかも、ガラス転移点及び軟化点が一定範囲に
制御されているので、様々な用途に好適に使用すること
ができる。
【0035】このような特長をもつ本発明ガラス球状粉
末は、特にLCDガラス基板、多層ガラス基板、ガラス
/セラミックスグリーンシート等の製造用原料として極
めて有用である。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより明確にする。
【0037】図1に本実施例で用いた噴霧熱分解装置の
概略図を示す。炉本体は、耐火材を張った縦型管状炉で
あり、最上部に二流体ノズルが設置されており、その直
下部にはLPガスバーナーが設けられている。LPガス
を燃焼させたバーナーの火炎は、縦型炉内に切線方向に
入るようになっており、二流体ノズルより噴霧された微
細液滴は直接火炎中に投入される。炉下部には、空気取
り入れ口が設けられ、外気を吸い込むことにより、急冷
を行うことができる。噴霧熱分解されたガラス粉末はサ
イクロンを通過して分級され、バグフィルターで捕集さ
れる。
【0038】実施例1 硝酸バリウム213g、ホウ酸133.2g、シリカゾ
ル(固体濃度20.5%)1195.1g、アルミナゾ
ル(ベーマイト系、固体濃度11.1%)495.5g
を秤量し、これを容器に移し、精製水に溶解させ(但
し、シリカゾル及びアルミナゾルは希釈・分散させ
た。)、全量を10リットルとした(酸化物換算固体濃
度5重量%)。
【0039】次に、これを定量ポンプにより5リットル
/hrで図1の噴霧熱分解装置に送液し、同時に4kg
/cm2 の圧縮空気を40リットル/分で流し、二流体噴
霧ノズルより微細液滴として火炎雰囲気中に噴霧した。
このとき、噴霧液滴径は、最大100μmであり、上部
炉内温度は1000℃であった。また、炉下部の空気取
り入れ直後の温度は約250℃であった。
【0040】バグフィルターで捕集された粉末の組成は
下記の通りであり、その粉末は平均粒径1.25μm、
比表面積2.3m2 /gの真球状であり、中空状のもの
は認められなかった。強熱減量は0.1%以下であった
ことから、熱分解は十分完了していることが認められ
た。
【0041】SiO2 :49% Al2 3 :11% B2 3 :15% BaO :25% 次いで、得られた粉末をX線回折分析に供したところ、
非晶質であることがわかった。また、熱分析の結果、そ
のガラス転移点は640℃、軟化点は850℃であっ
た。
【0042】実施例2〜5および比較例1〜9 乾燥物酸化物換算で表1に示す組成に調製された混合溶
液又はゾルを表1に示す固体濃度で10リットル調製
し、表1に示した噴霧焼成条件で噴霧熱分解を行い、ガ
ラス粉末をそれぞれ得た。得られたガラス粉末の各物性
を表1に示す。
【0043】なお、SiO2 原料としてはシリカゾル
(固体濃度20.5%)、Al2 3原料としてはアル
ミナゾル(ベーマイト系、固体濃度11.1%)、B2
3 原料としてはホウ酸、BaO原料としては硝酸バリ
ウム、MgO原料としては硝酸マグネシウム6水和物、
CaO原料としては硝酸カルシウム4水和物、ZnO原
料としては硝酸亜鉛6水和物をそれぞれ用いた。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果より、比較例1では、Al2
3 が5重量%未満であるために得られる粉末は平均粒径
1.61μmの真球状のものであるが、ガラス転移点が
530℃、軟化点が670℃と低くなった。比較例2で
は、Al2 3 が23重量%を超えたため、ガラス転移
点が800℃、軟化点が1000℃と高くなった。比較
例3では、SiO2 が40重量%未満で、かつROが3
0重量%を超えるので、ガラス転移点が490℃、軟化
点が650℃と低くなった。B2 3 が18重量%を超
える比較例4は、ともにガラス転移点・軟化点が低くな
った。SiO2が70重量%を超える比較例5、B2
3 が2重量%未満の比較例6、及びROが10重量%未
満の比較例7は、ガラス転移点・軟化点が高くなった。
【0046】比較例8は、実施例1と同一組成のものを
750℃で噴霧焼成したものであるが、強熱減量が0.
8%と大きく、未分解物が残留していることがわかる。
比較例9は、二流体ノズルを用いた噴霧時における空気
/液比を低くしたものであるが、得られた粉末は平均粒
径が6.5μmと大きく、走査型電子顕微鏡による形状
観察の結果真球状ではなく、楕円形のもの、中空状のも
の或いは中空破片状のものが多数混在していることが認
められた。また、強熱減量も1.3%と十分熱分解され
ていないことが判明した。
【0047】これら比較例に対し、本発明品である実施
例2〜5は、所望の物性をすべて兼ね備えており、ガラ
ス薄膜等の製造用原料として有用であることがわかる。
【0048】比較例10 図2に市販の噴霧熱分解装置(「RH−2型噴霧熱分解
装置」 大川原化工機製)の概略図を示す。この装置
は、外側に配置した高温用電気ヒーターにより、石英製
の反応塔をその輻射熱で加熱する方式と採るものであ
る。噴霧ノズルの形式及び設置箇所は、図1に示したも
のとほぼ同様である。実施例1で用いたものと同じ原料
溶液/ゾルを用い、これを定量ポンプにより1リットル
/hrで送液し、4kg/cm2 の圧縮空気を20リット
ル/分で送風し、微細液滴として1000℃に加熱され
た反応炉内に噴霧した。
【0049】製品捕集器に捕集された粉末は、実施例1
に示した組成とほぼ同じであり、平均粒径が1.19μ
mの真球状であったが、そのほとんどが中空状であり、
粉末の比表面積が70.5m2 /gと非常に大きいもの
であった。また、X線回折分析の結果、得られた粉末は
非晶質であった。熱分析の結果、ガラス転移点は635
℃、軟化点は850℃とほぼと実施例1のものと同じで
あった。一方、焼結体は、内部に多量の微細気泡を含有
しており、緻密なものは得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた噴霧熱分解装置の概略図であ
る。
【図2】比較例10で用いた市販の噴霧熱分解装置の概
略図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)ガラス組成が SiO2 :40〜70重量% Al2 3 : 5〜23重量% B2 3 : 2〜18重量% RO :10〜30重量% (但し、RはMg、Ca、Zn及びBaの少なくとも1
    種)であって、 b)ガラス転移温度が550〜750℃、軟化点が70
    0〜950℃であり、 c)平均粒径が0.1〜5μmである ことを特徴とするガラス球状粉末。
  2. 【請求項2】平均粒径が0.5〜3μmである請求項1
    記載のガラス球状粉末。
  3. 【請求項3】ガラス粉末の粒子が、実質的に気孔を有し
    ない請求項1又は2に記載のガラス球状粉末。
  4. 【請求項4】乾燥酸化物換算で SiO2 :40〜70重量% Al2 3 : 5〜23重量% B2 3 : 2〜18重量% RO :10〜30重量% (但し、RはMg、Ca、Zn及びBaの少なくとも1
    種)からなる混合溶液又はゾルを、 800〜1800℃の火炎雰囲気中に微細液滴として噴
    霧し、熱分解した後、急冷することを特徴とするガラス
    球状粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】混合溶液又はゾルの濃度が2〜20重量%
    である請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】混合溶液又はゾルの粘度が100cpsを
    超えない範囲である請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】急冷が、冷却空気を反応炉中に吹き込むこ
    とにより行う請求項4又は5に記載の製造方法。
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