JPH0417900B2 - - Google Patents

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JPH0417900B2
JPH0417900B2 JP8118084A JP8118084A JPH0417900B2 JP H0417900 B2 JPH0417900 B2 JP H0417900B2 JP 8118084 A JP8118084 A JP 8118084A JP 8118084 A JP8118084 A JP 8118084A JP H0417900 B2 JPH0417900 B2 JP H0417900B2
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JP
Japan
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cordierite
powder
weight
alcohol
raw material
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JP8118084A
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JPS60226415A (ja
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Senya Inoe
Akira Ono
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Kanto Chemical Co Inc
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Kanto Chemical Co Inc
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Publication date
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Priority to DE8585104934T priority patent/DE3581827D1/de
Priority to US06/726,325 priority patent/US4698317A/en
Priority to EP85104934A priority patent/EP0160267B1/en
Publication of JPS60226415A publication Critical patent/JPS60226415A/ja
Priority to US07/100,998 priority patent/US4871693A/en
Publication of JPH0417900B2 publication Critical patent/JPH0417900B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、コージライト(cordierite)ガラス
の製造方法に関するものである。更に詳しくは、
本発明は、従来技術の溶融法によるよりもかるか
に低い温度で、簡単な工程で極めて短時間にコー
ジライトガラス質粉体を製造する新規なコージラ
イトガラス質粉体の製法を提供するものである。 本発明は、また、上記の新規なコージライトガ
ラス質粉体の製法における製造条件の制御によ
り、生成するコージライトガラス質粉体の形状を
制御し、コージライトガラス質微小中空球(以下
バルーンと称する。)および網目状空孔を有する
多孔性コージライトガラス質微小中空球(以下網
目状中空球と称する)を製造する方法を提供する
ものである。 一般に、コージライトセラミツクスは、耐熱衝
撃性、耐化学薬品性に優れた特性を有するため
に、調理用磁器やハニカム型自動車排気ガス浄化
用触媒担体、排煙脱硝用触媒担体、過や拡散の
フイルターエレメント、触媒担体、吸着剤などに
広く利用されている。従来のコージライトセラミ
ツクスに対し、より緻密なコージライトセラミツ
クスが得られるならば、エンジン用構造材料やガ
スタービン車用熱交換器などに使用される可能性
がある。 しかしながら、コージライトは、焼結性が悪い
ために通常の製造方法では緻密な焼結体を得るの
は困難である。従来、緻密な焼結体を得るための
方法として、様々な焼結助剤の添加によつて、焼
結を促進する方法が用いられてきた。しかし、こ
のような方法では、熱膨脹係数が増大してしま
い、耐熱衝撃性の厳しく要求される用途には使用
できないという欠点があつた。一方、熱膨脹係数
を小さくするためには、その組成をコージライト
の理論組成により近づけることが必要であること
が知られており、理論組成のコージライトでしか
も緻密な焼結体を得るための工夫として、高純度
の原料を用いてコージライトガラスを作り、それ
を粉砕してコージライトガラス粉末とし、その粉
末をホツトプレスして、緻密で低熱膨脹係数のコ
ージライトセラミツクスを作る方法が試みられて
いる。そして、コージライトガラス粉体を作るた
めに、原料をコージライト組成となるよう配合し
てコージライトの融点(1470℃)以上の高温まで
加熱して、原料を溶融し、ガラス状態を保つたま
ま固化させるために水中に投入するなどの方法で
急冷し、塊状コージライトガラスを製造してか
ら、それをボールミルなどで機械的に微粉砕する
方法が用いられているが、多くの時間とエネルギ
ーを必要とし、また粉砕時の汚染が大きくなるな
どの問題点が存在した。 コージライトガラスに限らず、従来、ガラスは
溶融法で製造されているが、近年の工業技術の進
歩は必然的にガラスの性能向上や新しいガラスの
実用化を要求するようになつてきており、それに
伴い、新しい製造方法が開発されるようになつて
きた。例えば、SiH4、SiCl4、BCl3、GeCl3など
を数百度に加熱して気体として、それを出発物質
として気相反応によつて光通信用ガラスフアイバ
ーなどを作る方法や、出発物質としてSi、B、
Pb、Zn、Naなどのアルコキシドのアルコール溶
液を用いて、これを加水分解し、重合させてゲル
とし、これをガラス転移温度以下で加熱すること
により酸化物ガラスを製造するアルコキシドのゾ
ルーゲル法など、非溶融法によるガラスの製造方
法が開発されてきた。しかしながら、コージライ
トガラスに関しては、今だ従来通りの溶融法によ
る製造方法が知られているのみで、コージライト
の融点以上の、実用上は1600℃程度の高温まで加
熱して原料を溶融し、急冷してガラス化する方法
が用いられている。 他方、無機系ガラス質中空体は、その形状の特
徴を利用して、軽量骨材、触媒担体、断熱保温材
などに利用されている。無機系中空体を製造する
方法としては、シラス等の火山ガラスを加熱して
軟化し、ガラスに内在する結合水によつて発泡さ
せる方法(加熱発泡法)や、アルミナ等の高温溶
湯を炉から流出させ、これに高圧ガスを吹きつけ
て中空状の球体として飛散させる方法あるいは、
有機物等の低融点物質の微小球を芯材として、こ
の表面に石英等の原料粉体を被覆し、これを加熱
して芯材を熱分解して除去し、更に加熱して外殻
部分を焼結して中空体を得る方法等が知られてい
る。 しかしながら、コージライトに関しては、これ
を中空体化する方法はいまだ知られていない。コ
ージライトが耐熱衝撃性、耐化学薬品性に優れて
いることはよく知られていることであり、従つて
コージライトの中空体が製造されれば、その特性
を利用して、軽量骨材、触媒担体、断熱保温材な
ど種々の利用が考えられる。 本発明は、上記の如き現状に鑑み、従来技術に
よるコージライトガラスの製造方法の欠点を解消
し、溶融法によるよりも、はるかに低い温度で極
めて短時間に新規な形状を有するコージライトガ
ラス質粉体を製造するための方法を提供するもの
であり、また、そのようなコージライトガラス質
から成るバルーンと、網目状中空球の製造方法を
提供するものである。 本発明に係るコージライトガラス質粉体の製法
を以下に説明する。本発明のコージライトガラス
質粉体の製法は、アルキルシリケートと、アルコ
ールに可溶性のマグネシウム金属塩及びアルミニ
ウム金属塩とを、シリカ、アルミナ及びマグネシ
アに換算して、その含有割合がシリカについて44
〜65重量%、アルミナについて25〜43重量%、マ
グネシアについて10〜16重量%となるように、ア
ルコールまたはアルコールと水の混合溶液に溶解
して原料溶液を調製し、この原料溶液を火炎中ま
たは加熱帯域中に噴霧して熱分解せしめることを
特徴とするものである。上記のアルキルシリケー
トとしては、例えば、テトラメチルシリケート、
テトラエチルシリケート、テトラプロピルシリケ
ート、テトラブチルシリケート、などを用いるこ
とができ、上記のマグネシウム金属塩あるいはア
ルミニウム金属塩としては、例えば、硝酸マグネ
シウム、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、
硝酸アルミニウム、塩化アルミニウムなどのアル
コールに可溶性のこれらの金属塩を用いることが
できる。また、本発明方法において使用するアル
コールとしては、メチルアルコール、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコ
ール、アミルアルコールなどであり、これらに含
まれる水の量に関して言えば、「アルコール」に
は、完全に無水のものと、通常試薬として市販さ
れている特級、1級などの規格に応じて許容され
る範囲の微量の水分を含むものが包含されてい
る。そして、「アルコールと水の混合溶液」とは、
上述のアルコールに、更に所望の割合の水を加え
て調整したアルコールと水の均一な溶液を意味す
る。 アルキルシリケートと、アルコールに可溶性の
アルミニウム金属塩とマグネシウム金属塩とをア
ルコールに溶解して、原料溶液を調製する場合に
おいて、各々の金属塩として、無水塩を適用すれ
ば、原料溶液中に含まれる水の量は、実質的にゼ
ロかもしくは、アルコールに含まれる微量の水分
のみである。また、金属塩として、含水塩を適用
すれば、溶媒として、アルコールのみを用いても
原料溶液中には、金属塩の結晶水に由来する水分
が少量含まれることになる。 他方、金属塩の種類によつては、アルコールの
みではその金属塩の溶解度が小さいか全く溶解し
ない場合であつても、アルコールに一定量以上の
水を加えることによつて、溶解して均一な溶液が
得られることもある。このような溶液も本発明方
法における原料溶液として用いることができる。
また、アルコールに可溶性の金属塩を適用する場
合であつても、溶媒としてアルコールに更に水を
加えた混合溶液を用いることも可能である。 本発明者等は、本発明方法における原料溶液中
の水の量は、上述の如く、アルキルシリケート
と、アルミニウム金属塩及びマグネシウム金属塩
と、溶媒の組み合わせによつて、種々に変化せし
め得るが、均一な溶液が調製できる限り、いずれ
も本発明方法における原料溶液として使用するこ
とができ、かつ、後述する如く、これらの原料溶
液の噴霧熱分解により生成する粉体は、新規な形
状を有するコージライトガラス質粉体であること
を見い出した。更に、本発明者等は、噴霧熱分解
により生成する粉体の形状が、原料溶液中の水の
含有割合によつて第5図の写真に示すようなバル
ーンから第7図の写真に示すような網目状中空球
まで種々に変化し、傾向として原料溶液中の水の
含有量がゼロかまたは少量の間はバルーンが形成
され、ある一定量以上の水が含まれると、網目状
中空球が形成されることを見い出した。この一定
量の水の含有率について言えば、それは、原料の
組合せによつて異なり、例えば、テトラエチルシ
リケート−硝酸アルミニウム−硝酸マグネシウム
−イソプロピルアルコールの系では、原料溶液中
の水の含有率がおよそ4%以下の場合にバルーン
が形成され、およそ4%以上になると、網目状中
空球が形成され、また、例えば、テトラメチルシ
リケート−硝酸アルミニウム−硝酸マグネシウム
−メチルアルコールの系では、原料溶液中の水の
含有率がおよそ8%以下の場合にバルーンが形成
され、およそ8%以上で網目状中空球が形成され
る。更に別の例として、テトラエチルシリケート
−塩化アルミニウム−塩化マグネシウム−エチル
アルコールの系では、原料溶液中の水の含有率が
およそ15%以下の場合にバルーンが形成され、お
よそ15%以上で網目状中空球が形成される。この
ように水の含有率の値は、原料の組合せによつ
て、異なつてくるが、いずれの組合せにおいて
も、原料溶液中の水の含有率が、ある値まではバ
ルーン形成され、水の含有率がある一定値を越え
て多量に存在するようになると、網目状中空球が
形成される傾向にある。従つて、原料溶液中の水
の含有率を調整することにより、目的に応じてバ
ルーンあるいは網目状中空球の形状をしたコージ
ライトガラス質粉体を製造することができる。 前述の原料溶液の噴霧は、例えば、該原料溶液
を噴霧ノズルなどを用いて、ガスバーナーなどに
よる火炎中に、または、電気炉やガス炉などによ
り、予め700℃以上の温度に保たれた加熱帯域中
に、噴霧し、微細な液滴とされた原料溶液が瞬間
的に熱分解されるようにして行う。 本発明方法により得られるコージライトガラス
質粉体の形状が、中空状の球形となる原理は、従
来法の加熱発泡法が出発原料のガラス中の結合水
(OH基)で発泡球形化するのと異なり、本発明
方法における球形化は、本質的に原料溶液の噴霧
による溶液の微細な液滴化による球形化であり、
更に、液滴から溶媒が蒸発することによつて、中
空化が起こることによる。生成する中空球は、噴
霧時の液滴の大きさとほぼ同じかまたは幾分収縮
した大きさで、瞬間的な加熱による中空球のガラ
ス化によつて表面の滑らかな球殻をもつた微小中
空球となる。他方、憤霧する原料溶液中に水が多
量に存在する場合には、噴霧熱分解を起こして更
にガラス化する過程で、均質な球殻を球全面にわ
たつて形成することができずに球殻の外側から内
側まで貫通した空孔が多数網目状に発現する。生
成するバルーンの大きさや球殻の厚さ、あるい
は、網目状中空球の大きさや生成する空孔の数と
大きさは、原料溶液の組成及び濃度や噴霧熱分解
条件を変えることにより制御することができる。 コージライトの理論組成は2MgO・2Al2O3
5SiO2であり、コージライトの化学組成範囲は、
Singerによると、シリカについて51.4〜64.9重量
%、アルミナについて25.5〜38.8重量%、マグネ
シアについて2.6〜13.8重量%である。〔Singer,
F.:British Clayworker,66,19(1957)〕。本発
明方法におけるコージライトガラスの化学組成
も、低熱膨脹係数のコージライトセラミツクス用
原料ガラスとして使用する場合は、より理論組成
に近いほうが望ましいが、バルーンや網目状中空
球として利用する場合やコージライトセラミツク
ス用原料ガラス粉体として利用する場合であつて
も、低熱膨脹係数の要求がそれほど厳しくなく、
他の特性が重視される場合などは、コージライト
の化学組成範囲より更に組成をずらして、噴霧熱
分解生成粉体としては、X線回折でハローパター
ン図形のみを示し、示差熱分析(DTA)による
熱分析ではガラス質であるが、この噴霧熱分解生
成粉体を更に高温に加熱し、結晶化させると、主
成分がコージライト結晶で、他の結晶が少量混在
してくるような化学組成範囲を選ぶことが可能で
ある。そして、このような組成範囲のものも、本
発明方法におけるコージライトの範囲に含まれる
ものである。従つて、本発明方法におけるコージ
ライトガラス質粉体とは、シリカについて44〜65
重量%、アルミナについて25〜43重量%、マグネ
シアについて10〜16重量%の組成範囲の組合せに
よつて製造されるものを意味し、噴霧熱分解生成
粉体としては、X線回折分析的にも、またDTA
による熱分析上もガラス質であつて、これを更に
高温に加熱した場合に、全てコージライト結晶相
に結晶化するものと、主成分がコージライト結晶
相で他の結晶相を少量含むものとが存在する。し
たがつて、本発明においては、これらのいずれの
場合をも含めて、上述の噴霧熱分解生成粉体を、
コージライトガラス質粉体と呼称するものであ
る。 本発明方法による噴霧熱分解生成粉体がコージ
ライトガラス質粉体であることは、この粉体がガ
ラス転移温度(Tg)が存在する非晶質物質であ
ることにより明らかにされる。すなわわち、ま
ず、コージライトガラスであることが明らかな試
料として、従来法により、シリカ、アルミナ、マ
グネシアをコージライト組成に配合し、1600℃で
加熱溶融し、水中に投入して急冷してガラス化し
た後に、粉砕してガラス質粉体を作成する。第1
図は、この溶融法により作成したコージライトガ
ラス質粉体及びそのガラス質粉体を種々の温度で
加熱処理したときの各々のX線回折図形を示した
ものである。溶融法により作成したガラス質粉体
の回折図形(第1図の1)は、回折角2θ=24゜付
近にピークのある幅の広いハローパターンのみを
示し、更に2θ=5゜よりも低角度側でも大きな小角
散乱が認められず、典型的なガラス質物質の回折
図形を示している。そして、このガラス質粉体を
加熱してゆくと、900℃まではガラス質のハロー
パターンを示す(第1図の2)が、950℃まで加
熱した試料は、μ型コージライト結晶による回折
図形(第1図の3)を、更に1050℃まで加熱した
試料は、六方晶コージライトによる回折図形(第
1図の4)を示している。また、第2図は、同じ
く溶融法により作成したコージライトガラス質粉
体のDTAによる熱分析チヤートを示したもので
あるが800℃付近に小さな吸熱ピークが認められ、
940℃付近には、ややブロードで大きな発熱ピー
クが、また1030℃付近でやや鋭く大きな発熱ピー
クが認められる。従つて、第1図と第2図の結果
から、コージライトガラスは、800℃付近にガラ
ス転移温度(Tg)を有し、900〜950℃でガラス
状態からμ型コージライト結晶に、結晶化し、更
に1000〜1050℃で六方晶コージライト結晶に変わ
ることがわかる。 第3図は、本発明方法による噴霧熱分解生成粉
体及びそれを種々の温度で加熱処理した粉体のX
線回折図形の代表例である。噴霧熱分解生成粉体
は、回折角2θ=24゜付近にピークのある幅の広い
ハローパターンのみを示し、更に2θ=5゜より低角
度側でも、大きな小角散乱が認められず(第3図
の1)、溶融法によるコージライトガラス質粉体
の回折図形(第1図の1)と極めて類似した回折
パターンであることから、この噴霧熱分解生成粉
体が単なる非晶質ではなくて、既にガラス状態に
なつていることを示唆している。噴霧熱分解生成
粉体を加熱してゆくと、900℃までは噴霧熱分解
生成粉体による回折図形と同じハローパターン
(第3図の2)を示し、950℃まで加熱した試料は
μ型コージライト結晶による回折図形(第3図の
3)を、また1050℃まで加熱した試料は、六方晶
コージライトによる回折図形(第3図の4)を示
した。また第4図は、第3図の測定に用いた噴霧
熱分解生成粉体のDTAによる熱分析の結果を示
したものであるが、800℃付近に小さな吸熱ピー
クが認められ、また930℃付近と1030℃付近に二
つの大きな発熱ピークが認められる。第1図と第
3図との比較により、両者がX線回折分析上同じ
物質であることが明らかにされ、更に、第2図と
第4図との比較から、噴霧熱分解生成粉体が800
℃付近にガラス転移温度(Tg)を有することが
明らかにされた。 以上の分析結果から、本発明方法による噴霧熱
分解生成粉体は、原料溶液の濃度や水の含有率、
噴霧熱分解条件などにより、外観は種々に変化す
るが、いずれもガラス質粉体であることが明らか
となつた。 この事実は、極めて注目に値する。即ち、従来
は、コージライトをガラス化するためには、原料
のシリカ、アルミナ、マグネシアをコージライト
の組成に配合し、これをコージライトの融点
(1470℃)以上に、実用上は1600℃程度の高温に
加熱して溶融して均一な融液とし、これを急冷固
化してガラス化していたが本発明の製造方法によ
れば、溶融法によるよりもはるかに低い温度で、
溶融することなく、瞬間的にコージライト組成の
ガラス質粉体を製造することができるのである。
このことは、製造装置に使用される材料に対する
熱的化学的安定性の要求が緩和されることやエネ
ルギー節約の点でも大きな利点である。また、ガ
ラス化の工程が噴霧熱分解の一工程だけであり、
しかも極めて短時間で行なうことができ連続生産
することができるなど、生産上の効果も極めて大
きいものがある。更に、本発明の製造方法によれ
ば、出発原料が液体であるため成分の配合を極め
て均一に行なうことが容易であり、必要に応じ
て、組成をわずかに変えたり、コージライトの熱
的、化学的特性や機械的特性を改良するために、
コージライト成分以外の添加物を、溶液に少量添
加して、均一に配合することも容易に実施し得る
という利点がある。 上記の如く本発明方法により製造される新規な
形状を有するコージライトガラス質粉体は、コー
ジライトセラミツクス用原料粉体として使用する
ことができ、焼結による粉体の膨脹収縮特性や焼
結の活性度を制御するために、950℃以下の温度
で熱処理を行い、ガラスの安定化を行うことがで
きる。また噴霧熱分解生成粉体を更に微細な粉体
にするために公知の種々の方法で粉砕処理をする
ことができる。本発明方法により製造されるコー
ジライトガラス質粉体は中空球状粉体であるた
め、従来法により製造した塊状ガラスの粉砕にく
らべて短時間で容易に粉砕することができるため
に粉体の汚染を極めて少なくできる点で著しい利
点を有する。 以下に、本発明の実施例を掲げ、本発明を、さ
らに、具体的に説明する。 実施例 1 (バルーンが形成される場合の実施例) シリカ、マグネシア、アルミナの含有割合が、
コージライトの理論組成(シリカ=51.4重量%、
マグネシア=13.8重量%、アルミナ=34.8重量
%)となるように、各種のアルキルシリケート、
マグネシウム金属塩、アルミニウム金属塩、アル
コールを用いて、第1表の〜に記載した内容
の原料溶液を作製し、溶液中のコージライト成分
の全濃度が0.5mol/となるように調整した。
これらの原料溶液を、毎分10〜20mlの割合ならび
に圧縮空気を毎分10の割合で、二流体噴霧ノズ
ルの液供給側及びガス供給側に供給して、ガスバ
ーナーの火炎中に噴霧した。数10ミクロン以下の
微細な液滴となつた溶液は、火炎及び液滴中のア
ルコールの蒸発・燃焼により、瞬間的に加熱され
て、液滴の固化、熱分解とガラスが起つた。噴霧
熱分解時の温度は、880℃〜1410℃であつた。こ
のようにして生成した粉体を、サイクロン方式で
捕集して電子顕微境で観察した結果は、いずれの
実験の場合も、25ミクロン以下のバルーンとなつ
ていて、球殻の表面は滑らかであつた。X線回折
図形は、いずれもガラス質物質を示唆するハロー
パターンのみを示した。また、DTAによる熱分
析により、800℃付近に微小な吸熱ピークが認め
られた。
【表】 実施例 2 (バルーンが形成される場合の実施例) シリカ=58.7重量%、マグネシア=14.2重量
%、アルミナ=27.1重量%となるように、テトラ
エチルシリケート、硝酸マグネシウム及び硝酸ア
ルミニウムをエチルアルコールに溶解して、溶液
中のコージライト成分の全体の濃度が0.5mol/
、水の含有率が6.0%となるように調整し、実
施例1と同じ条件で噴霧熱分解を行つた。得られ
た粉体は、バルーンであつた。 実施例 3 (バルーンが形成される場合の実施例) シリカ=44.6重量%、マグネシア=13.3重量
%、アルミナ=42.1重量%となるように含有割合
を変える他は実施例2と同じ方法で原料溶液を調
製し、実施例1と同じ条件で噴霧熱分解を行つ
た。得られた粉体は、バルーンであつた。 実施例 4 (バルーンが形成される場合の実施例) 実施例1の第1表のに記載した内容の原料溶
液を用い、溶液供給量を毎分5mlの割合で、圧縮
空気量を毎分8の割合で二流体噴霧ノズルの液
供給側及びガス供給側に供給し、予め1500℃に加
熱した電気炉の反応管の中に噴霧して熱分解を行
ない、サイクロン方式で生成粉体を捕集した。得
られた粉体は、分析の結果バルーンであつた。 実施例 5 (網目状中空球が形成される場合の実施例) シリカ、マグネシア、アルミナの含有割合がコ
ージライトの理論組成(シリカ=51.4重量%、マ
グネシア=13.8重量%、アルミナ=34.8重量%)
となるように、アルキルシリケート、マグネシウ
ム金属塩及びアルミニウム金属塩をアルコールと
水の混合溶液に溶解して第2表の〜に記載し
た内容の原料溶液を作製し、溶液中のコージライ
ト成分の全濃度が0.5mol/となるように調整
した。そして、実施例1と同じ方法で噴霧熱分解
実験を行つた。燃焼時の温度は、730℃〜1390℃
であつた。こうして生成した粉体をサイクロン方
式で捕集して電子顕微鏡で観察した結果、いずれ
の実験の場合も、30ミクロン以下の網目状中空球
が形成され、0.01〜6ミクロンの大きさの空孔が
10個〜350個程、網目状に生成しているのが認め
られた。X線回折図形は、いずれもガラス質によ
る幅の広いハローパターンを示し、またDTAに
よりガラス転移温度が認められた。
【表】 実施例 6 (網目状中空球が形成される場合の実施例) 実施例5の第2表のの内容の原料溶液を、毎
分5mlの割合で、圧縮空気を毎分8の割合で、
各々二流体噴霧ノズルの液供給側とガス供給側に
供給し、予め1450℃に加熱した管状電気炉の反応
管の中に噴霧して熱分解を行ない、サイクロン方
式で生成粉体を捕集した。得られた粉体は、分析
の結果、12ミクロン以下の網目状中空球が形成さ
れ、2ミクロン以下の微細な空孔が50〜150個程
網目状に生成していることが認められた。 実施例 7 (網目状中空球が形成される場合の実施例) シリカ=58.7重量%、マグネシア=14.2重量
%、アルミナ=27.1重量%となるように、テトラ
エチルシリケート、硝酸マグネシウム及び硝酸ア
ルミニウムをエチルアルコールと水の混合溶液に
溶解して、溶液中のコージライト成分の全体の濃
度が1.0mol/、水の含有率が20%になるよう
に原料溶液を調製し、実施例5と同じ方法で噴霧
熱分解を行つた。得られた粉体は、分析の結果、
20ミクロン以下の網目状中空球が形成され、5ミ
クロン以下の微細な空孔が網目状に生成してい
た。 実施例 8 (網目状中空球が形成される場合の実施例) シリカ=44.6重量%、マグネシア=13.3重量
%、アルミナ=42.1重量%となるように含有割合
を変えた他は、実施例7と同じ方法で原料溶液を
調製し、実施例5と同じ方法で噴霧熱分解を行つ
た。得られた粉体は、分析の結果、20ミクロン以
下の網目状中空球が形成され、5ミクロン以下の
微細な空孔が網目状に生成していた。 実施例 9 (網目状中空球が形成される場合の実施例) 実施例5の第2表のの内容と原料溶液に、コ
ージライトに対する含有率がNa2O換算で0.3重量
%となるように硝酸ナトリウムを添加混合して、
噴霧熱分解用の溶液とし、実施例5と同じ方法で
噴霧熱分解を行つた。得られた粉体は、分析の結
果、10ミクロン以下の網目状中空球が形成されて
おり、2ミクロン以下の微細な空孔が網目状に形
成していることが認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、溶融法により製造したコージライト
ガラスを粉砕して粉体とした試料及びこの粉体を
900℃、950℃、及び1050℃で加熱処理したときの
各々のX線回折図形の一例を示すものである。第
2図は、溶融法により製造したコージライトガラ
スを粉砕して粉体とした試料のDTAチヤートの
一例である。第3図は、本発明方法により得られ
た噴霧熱分解生成粉体及びこの粉体を900℃、950
℃及び1050℃で加熱処理して得られた粉体の各々
のX線回折図形である。第4図は、本発明方法に
より得られた噴霧熱分解生成粉体のDTAチヤー
トである。第5図は、本発明方法により得られた
コージライトガラス質粉体の粒子構造(バルーン
の状態)を示す図面に代る電子顕微鏡写真であ
る。第6図は、上記の粒子構造(バルーン)が中
空球となつていることを示すための図面に代え、
バルーンを破壊して撮影した電子顕微鏡写真であ
る。第7図は、本発明方法により得られたコージ
ライトガラス質粉体の粒子構造が網目状中空球の
状態であることを示す図面に代る電子顕微鏡写真
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルキルシリケートと、アルコールに可溶性
    のアルミニウム金属塩及びマグネシウム金属塩と
    を、シリカ、アルミナ及びマグネシアに換算し
    て、その含有割合がシリカについて44〜65重量
    %、アルミナについて25〜43重量%、マグネシア
    について10〜16重量%となるように、アルコール
    またはアルコールと水の混合溶液に溶解して、原
    料溶液を調製し、この原料溶液を火炎中または加
    熱帯域中に噴霧して熱分解せしめることにより、
    コージライトガラス質粉体を製造する方法。 2 アルキルシリケートと、アルコールに可溶性
    のアルミニウム金属塩及びマグネシウム金属塩と
    を、シリカ、アルミナ及びマグネシアに換算し
    て、その含有割合がシリカについて44〜65重量
    %、アルミナについて25〜43重量%、マグネシア
    について10〜16重量%となるように、アルコール
    またはアルコールと水の混合溶液に溶解して、原
    料溶液を調製し、この原料溶液を火炎中または加
    熱帯域中に噴霧して熱分解せしめ、生成するコー
    ジライトガラス質粉体を更に950℃以下の温度で
    熱処理することを特徴とするコージライトガラス
    質粉体の製造方法。
JP8118084A 1984-04-24 1984-04-24 コ−ジライトガラスの製造方法 Granted JPS60226415A (ja)

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