JP4822550B2 - 球状多成分ガラス微粒子 - Google Patents
球状多成分ガラス微粒子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4822550B2 JP4822550B2 JP2007158083A JP2007158083A JP4822550B2 JP 4822550 B2 JP4822550 B2 JP 4822550B2 JP 2007158083 A JP2007158083 A JP 2007158083A JP 2007158083 A JP2007158083 A JP 2007158083A JP 4822550 B2 JP4822550 B2 JP 4822550B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fine particles
- mol
- less
- particles
- glass fine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Glass Compositions (AREA)
Description
本発明の更なる一目的は,そのようなガラス微粒子であって,焼成を要さずに製造することのできるものを提供することである。
本発明のなおも更なる一目的は,セラミックスの焼結を容易にするための,そのような球状ガラス粒子よりなる焼結助剤を提供することである。
また本発明者らは更に,(B)大気中において,テトラエトキシシランのアルコール(エタノール等)溶液を撹拌しつつ,アルカリ金属水酸化物の溶液を加えることにより,テトラエトキシシランの加水分解反応及び重合反応が促進されそれにより,酸化ケイ素及びアルカリ金属酸化物からなる球状微粒子が得られること,及び更にこの球状微粒子をカルシウム,マグネシウム,バリウム等のアルカリ土類金属の塩(塩酸塩,硝酸塩など)及び/又はホウ酸塩を含む水溶液に分散させることにより,ガラス微粒子中のアルカリ金属イオンと媒質中のアルカリ土類金属イオン及び/又はホウ素イオンとの間でイオン交換が起こり,組成としてSiO2−アルカリ金属酸化物−アルカリ土類金属酸化物−B2O3の所望の組み合わせよりなる酸化物微粒子が反応液中に形成され,これを取り出して乾燥させるだけで,そのような組成の,数十〜1000nmの範囲内,特に数十〜数百nmの範囲内に平均粒子径を有し且つ粒子径分布幅の極めて狭い球状のガラス微粒子が得られることを見出した。
又更に,本発明者らは,上記イオン交換に際して,イオン交換反応における媒質のアルコール含有量が水含有量を超えないように調整しておくことにより,イオン交換が行われやすくなることも見出した。
本発明は,上記発見に基づき,他の成分の配合その他種々の検討を加えて完成させたものである。
SiO2を40〜97モル%の量で含有し,
Li2O,Na2O及びK2Oよりなる群より選ばれる1種又は2種以上の金属酸化物を60モル%以下の量で含有するか, B2O3を40モル%以下の量で含有するか,又はMgO,CaO,SrO及びBaOよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ土類金属酸化物を50モル%以下の量で含有し,
平均粒子径が20nm以上1000nm未満であることを特徴とする,球状ガラス微粒子。
2.組成として,酸化物換算で,
SiO2を50〜97モル%の量で含有し,
B2O3を30モル%以下の量で含有するか,又は
Li2O,Na2O及びK2Oよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ金属酸化物を25モル%以下の量で含有するものである,
上記1の球形ガラス粒子。
3.組成として,酸化物換算で,MgO,CaO,SrO及びBaOよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ土類金属酸化物を50モル%以下の量で更に含有するものである,上記2の球状ガラス微粒子。
4.組成として,酸化物換算で,MgO,CaO,SrO及びBaOよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ土類金属酸化物を50モル%以下の量で更に含有するものである,上記1の球状ガラス微粒子。
5.組成として,酸化物換算でB2O3を40モル%以下の量で含有するものである,上記1又は4の球状ガラス微粒子。
6.粒子径の変動係数が30%以下である,上記1ないし5の何れかの球状ガラス微粒子。
7.600〜1200℃の温度で焼結させることができるものである,請求項1ないし7の何れかの球状ガラス粒子。
8.上記1ないし7の何れかの球状ガラス微粒子を含んでなる焼結助剤。
9.ホウ酸イオン,リチウムイオン,ナトリウムイオン及びカリウムイオン,マグネシウムイオン,カルシウムイオン,ストロンチウムイオン及びバリウムイオンよりなる群より選ばれる1種又は2種以上イオンと水酸化アンモニウムとを含有する含水アルコール中でケイ素アルコキシドを撹拌し,該含水アルコール中に生じた微粒子を採取して乾燥させること含んでなる球状ガラス微粒子の製造方法であって,該球状ガラス微粒子が,組成として,酸化物換算で,
SiO2を50〜97モル%の量で含有し,
B2O3を30モル%以下の量で含有するか,
Li2O,Na2O及びK2Oよりなる群より選ばれる1種又は2種以上の金属酸化物を25モル%以下の量で含有するか,又は
MgO,SrO及びBaOよりなる群より選ばれる1種又は2種以上の金属酸化物を50モル%以下の量で含有し,
平均粒子径が20nm以上1000nm未満である,球状ガラス微粒子の製造方法。
10.水酸化リチウム,水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムよりなるアルカリ金属水酸化物の群より選ばれる1種又は2種以上と,ケイ素アルコキシドより選ばれる1種又は2種以上と,水及びアルコールとを混合することを含んでなる,球状ガラス微粒子の製造方法。
11.上記10の製造方法であって,該方法により得られる球状ガラス微粒子が,組成として,酸化物換算で,
SiO2の含有量が40〜97モル%であり,
Li2O,Na2O及びK2Oよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ金属酸化物を60モル%以下の量で含有するものである,製造方法。
12該球状ガラス微粒子を1種又は2種以上のアルカリ土類金属イオンを含有する水溶液中で撹拌することにより,該球状ガラス微粒子中のアルカリ金属酸化物の少なくとも一部を該アルカリ土類金属酸化物へとイオン交換することを特徴とする,上記10又は11の製造方法。
13.該アルカリ土類金属イオンが,マグネシウムイオン,カルシウムイオン,ストロンチウムイオン及びバリウムイオンよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のイオンである,上記12の製造方法。
14.上記13の製造方法であって,該方法により得られる球状ガラス微粒子が,組成として,酸化物換算で,
SiO2を40〜97モル%の量で含有し,
MgO,CaO,SrO及びBaOよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ土類金属酸化物を50モル%以下の量で含有し,又は更に加えて,
Li2O,Na2O及びK2Oよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ金属酸化物を60モル%以下の量で含有し,
平均粒子径が20nm以上1000nm未満であることを特徴とする,製造方法。
15.上記10又は11の球状ガラス微粒子の製造方法であって,得られた球状ガラス微粒子をホウ酸含有水溶液中で撹拌することにより,該球状ガラス微粒子中のアルカリ金属酸化物の少なくとも一部をホウ素酸化物へとイオン交換することを特徴とする,製造方法。
16.上記15の製造方法であって,該方法により得られる球状ガラス微粒子が,組成として,酸化物換算で,
SiO2を40〜97モル%の量で含有し,
B2O3を40モル%以下の量で含有し,又は更に加えて,
Li2O,Na2O及びK2Oよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ金属酸化物を60モル%以下の量で含有し,
平均粒子径が20nm以上1000nm未満であることを特徴とする,製造方法。
17.上記13又は14の製造方法であって,該方法により得られた球状ガラス微粒子をホウ酸含有水溶液中で撹拌することにより,該球状ガラス微粒子中のアルカリ金属酸化物の少なくとも一部をホウ素酸化物へとイオン交換することを特徴とする,製造方法。
18.上記17の製造方法であって,該方法により得られる球状ガラス微粒子が,組成として,酸化物換算で,
SiO2を40〜97モル%の量で含有し,
MgO,CaO,SrO及びBaOよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ土類金属酸化物を50モル%以下の量で含有し,
B2O3を40モル%以下の量で含有し,又は更に加えて,
Li2O,Na2O及びK2Oよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ金属酸化物を60モル%以下の量で含有し,
平均粒子径が20nm以上1000nm未満であることを特徴とする,製造方法。
19.上記9ないし18の何れかの製造方法であって,該方法により得られるガラス微粒子の粒子径の変動係数が30%以下であることを特徴とする,製造方法。
20.上記9ないし19の何れかの製造方法であって,該方法により得られるガラス微粒子が,600〜1200℃の温度で焼結させることができるものである,製造方法。
21.上記9ないし20の何れかの製造方法により製造された球状ガラス微粒子を含有してなる,焼結助剤。
更に加えて,球状ガラス微粒子はその製造段階で300℃を超えるような高い温度への加熱が不要であるため,製造がエネルギー非消費型であるという利点もある。
また本発明の製造方法は,窒素雰囲気化の工程を含まず,またエタノールを溶媒として90%以上用いる工程も含まないため,量産に適し,工業的に有利である。
混合後の組成比が,SiO2 86mol%,B2O3 14mol%になるように,イオン交換水4.3mLに,撹拌しながらホウ酸0.19gを加えて溶解させ,撹拌しながら28質量%アンモニア水21mLを更に加えることによりA液を調製し,別に,エタノール15.1mLに,撹拌しながらテトラエトキシシラン(TEOS)2.14mLを加えることによりB液を調製した。A液を撹拌しつつこれにB液を加え,30分間撹拌した。これに更に,28質量%アンモニア水30mLとイオン交換水20mLとの混合溶液を加え,18時間撹拌した。続いて孔径20μmのフィルターで濾過し,異常凝集した粒子をとり除いた。孔径300nmのメンブランフィルターで濾過して固形分と液体とを分離し,メンブランフィルター上に残った微粒子を60℃で12時間乾燥させ,乳鉢で解砕することにより,2成分(SiO2−B2O3)ガラスの球状微粒子を得た。この球状ガラス微粒子の走査型電子顕微鏡写真を図1に,また,粒子径分布を表すグラフを図2に示す。得られた微粒子は球状でありその平均粒子径は306nm,粒子径の変動係数は9.1(%)であった。この球状ガラス微粒子の粒径分布が極めて狭いもので,粒径がよく揃っていることが分かる。
混合後の組成比が,SiO2 86mol%,B2O3 14mol%になるように,イオン交換水4.3mLに,撹拌しながらホウ酸0.19gを加えて溶解させ,撹拌しながら28質量%アンモニア水21μLを更に加えることによりA液を調製し,別に,エタノール15.1mLに,撹拌しながらテトラエトキシシラン(TEOS)2.14mLを加えることによりB液を調製した。A液を撹拌しつつこれにB液を加え,30分間撹拌した。これに更に,28質量%アンモニア水30mLとイオン交換水20mLとの混合溶液を加え,18時間撹拌した。続いて孔径20μmのフィルターで濾過し,異常凝集した粒子をとり除いた。反応混合物を10000×gで15分間遠心し,微粒子を沈降させることにより,固形分を液体から分離し,沈降した微粒子を60℃で12時間乾燥させ,乳鉢で解砕することにより,実施例A1と同様のガラス微粒子を得た。
混合後の組成比が,SiO2 86mol%,B2O3 14mol%になるように,イオン交換水4.3mLに,撹拌しながらホウ酸0.19gを加えて溶解させ,撹拌しながら28質量%アンモニア水21mLを更に加えることによりA液を調製し,別に,エタノール15.1mLに,撹拌しながらテトラエトキシシラン(TEOS)2.14mLを加えることによりB液を調製した。A液を撹拌しつつこれにB液を加え,30分間撹拌した。これに更に,28質量%アンモニア水30mLとイオン交換水20mLとの混合溶液を加え,18時間撹拌した。続いて孔径20μmのフィルターで濾過し,異常凝集した粒子をとり除いた。反応混合物よりエバポレーターでアンモニアとエタノールとを留去した後,凍結乾燥を行うことによって液体を除去し,60℃で12時間乾燥させ,乳鉢で解砕することにより,実施例A1と同様のガラス微粒子を得た。
混合後の組成比が,SiO2 86mol%,B2O3 14mol%になるように,イオン交換水4.3mLに,撹拌しながらホウ酸0.19gを加えて溶解させ,撹拌しながら28質量%アンモニア水21mLを更に加えることによりA液を調製し,別に,エタノール15.1mLに,撹拌しながらテトラエトキシシラン(TEOS)2.14mLを加えることによりB液を調製した。B液を撹拌しつつこれにA液を加え,30分間撹拌した。これに更に,28質量%アンモニア水30mLとイオン交換水20mLとの混合溶液を加え,18時間撹拌した。続いて孔径20μmのフィルターで濾過し,異常凝集した粒子をとり除いた。孔径300nmのメンブランフィルターで濾過して固形分と液体とを分離し,メンブランフィルター上に残った微粒子を60℃で12時間乾燥させ,乳鉢で解砕することにより,実施例A1と同様のガラス微粒子を得た。
混合後の組成比が,SiO2 86mol%,B2O3 14mol%になるように,イオン交換水4.3mLに,撹拌しながらホウ酸0.19gを加えて溶解させ,撹拌しながら28質量%アンモニア水21mLを更に加えることによりA液を調製し,別に,エタノール15.1mLに,撹拌しながらテトラエトキシシラン(TEOS)2.14mLを加えることによりB液を調製した。容器Cを攪拌しながら,その中に,A液とB液を同時に入れ,30分間撹拌した。これに更に,28質量%アンモニア水30mLとイオン交換水20mLとの混合溶液を加え,18時間撹拌した。続いて孔径20μmのフィルターで濾過し,異常凝集した粒子をとり除いた。孔径300nmのメンブランフィルターで濾過して固形分と液体とを分離し,メンブランフィルター上に残った微粒子を60℃で12時間乾燥させ,乳鉢で解砕することにより,実施例A1と同様のガラス微粒子を得た。
混合後の組成比が,SiO2 80.2mol%,B2O3 13.1mol%,Li2O 6.7mol%になるように,イオン交換水4.3mLに,撹拌しながらホウ酸0.19g及び硝酸リチウム0.11gを加えて溶解させ,撹拌しながら28質量%アンモニア水4mLを更に加えることによりA液を調製し,別に,エタノール15.1mLに,撹拌しながらテトラエトキシシラン(TEOS)2.14mLを加えることによりB液を調製した。A液を撹拌しつつこれにB液を加え,30分間撹拌した。これに更に,28質量%アンモニア水30mLとイオン交換水20mLとの混合溶液を加え,18時間撹拌した。続いて孔径20μmのフィルターで濾過し,異常凝集した粒子をとり除いた。孔径300nmのメンブランフィルターで濾過して固形分と液体とを分離し,メンブランフィルター上に残った微粒子を60℃で12時間乾燥させ,乳鉢で解砕することにより,3成分(SiO2−B2O3−Li2O)ガラスの球状微粒子を得た。得られた微粒子は球状でありその平均粒子径は200nmであった。
実施例A1と同様の方法で,組成比が,SiO2 93.3mol%,B2O3 6.7mol%になるよう球状ガラス微粒子を作製したときの,平均粒径,標準偏差,変動係数を表1に示す。
実施例A1で作製した球状ガラス微粒子0.05gを白金容器に入れ,1200℃で焼成すると,焼結したガラスが得られた。
実施例A6で作製した球状ガラス微粒子0.1gとアルミナ粉末0.1gを直径10mmのプレス金型内で1MPaの圧力でプレスしたものをアルミナ基板上に置き,1200℃で焼成すると焼結し,セラミックスが得られた。
エタノール44.8mlにヒドロキシプロピルセルロース(HPC)0.05gを加えて溶解させ、攪拌しながらテトラエトキシシラン4.3mlを更に加えることによりA液を調製した。別に,エタノール44.8mlにHPC0.05gと水酸化ナトリウム0.6gを加えて溶解させ、攪拌しながらイオン交換水3.5mlを更に加えることによりB液を調製した。A液、B液の液温を40℃に保ちつつ、A液を攪拌しつつこれにB液を加え、18時間大気中で攪拌した。続いて孔径20μmのフィルターで濾過し、異常凝集した粒子をとり除いた。反応混合物を10000×gで30分間遠心し、微粒子を沈降させることにより、固形分を液体から分離し、沈降した微粒子を60℃で12時間乾燥させ、乳鉢で解砕することにより、2成分(SiO2−Na2O)ガラスの球状微粒子を得た。
エタノール44.8mlにHPC0.05gを加えて溶解させ、攪拌しながらテトラエトキシシラン4.3mlを更に加えることによりA液を調製した。別に,エタノール44.8mlにHPC0.05gと水酸化ナトリウム0.8gを加えて溶解させ、攪拌しながらイオン交換水3.5mlを更に加えることによりB液を調製した。A液、B液の液温を40℃に保ちつつ、A液を攪拌しつつこれにB液を加え、18時間大気中で攪拌を続け攪拌した。続いて孔径20μmのフィルターで濾過し、異常凝集した粒子をとり除いた。反応混合物を10000×gで30分間遠心し、微粒子を沈降させることにより、固形分を液体から分離し、沈降した微粒子を60℃で12時間乾燥させ、乳鉢で解砕することにより、2成分(SiO2−Na2O)ガラスの球状微粒子を得た。
実施例B1で作製したSiO2-Na2O微粒子0.5gをエタノール5mLに超音波を用いて分散させた。次に、塩化カルシウム濃度が1mol/Lとなるように調整した水溶液50mlに、攪拌しながら、このスラリーを添加し攪拌を行った。大気中、常温で攪拌を続け6時間後、この溶液を孔径20μmのフィルターで濾過し、異常凝集した粒子をとり除いた。反応混合物を10000×gで15分間遠心し、微粒子を沈降させることにより、固形分を液体から分離し、沈降した微粒子を60℃で12時間乾燥させ、乳鉢で解砕することにより、2成分(SiO2−CaO)ガラスの球状微粒子を得た。
実施例B1及びB2と同様の方法で作製し組成制御を行ったSiO2-Na2O微粒子を用いて、また実施例B3と同様の方法で1mol/L塩化カルシウム水溶液を用いたSiO2-CaOの組成制御の結果を表2に示す。
実施例B1で作製したSiO2-Na2O微粒子0.5gをエタノール5mlに超音波を用いて分散させた。次に、硝酸バリウム濃度が0.25mol/Lとなるように調整した水溶液50mLに、攪拌しながら、このスラリーを添加し攪拌を行った。大気中、常温で攪拌を続け6時間後、この溶液を孔径20μmのフィルターで濾過し、異常凝集した粒子をとり除いた。反応混合物を10000×gで15分間遠心し、微粒子を沈降させることにより、固形分を液体から分離し、沈降した微粒子を60℃で12時間乾燥させ、乳鉢で解砕することにより、2成分(SiO2−BaO)ガラスの球状微粒子を得た。得られた微粒子は球状でありその平均粒子径は170.5nm、粒子径の変動係数は10.9(%)であった。また組成分析により得られた粒子の組成比は、SiO2 91.1、mol%、BaO 8.9mol%であった。
実施例B1及びB2と同様の方法で作製し組成制御を行ったSiO2-Na2O微粒子を用いて、実施例B7と同様の方法で0.25mol/L硝酸バリウム水溶液を用いたSiO2−BaOの組成制御の結果を表3に示す。
実施例B2で作製したSiO2-Na2O微粒子0.5gをエタノール5mLに超音波を用いて分散させた。次に、塩化カルシウム濃度が0.1mol/L、塩化バリウムが0.1mol/L、ホウ酸が0.05mol/Lとなるように調整した水溶液50mLに、攪拌しながら、このスラリーを添加し攪拌を行った。大気中、常温で攪拌を続け6時間後、この溶液を孔径20μmのフィルターで濾過し、異常凝集した粒子をとり除いた。反応混合物を10000×gで15分間遠心し、微粒子を沈降させることにより、固形分を液体から分離し、沈降した微粒子を60℃で12時間乾燥させ、乳鉢で解砕することにより、4成分(SiO2-BaO-CaO-B2O3)ガラスの球状微粒子を得た。この微粒子の走査型電子顕微鏡写真を図10に、また、粒子径分布を表すグラフを図11に示す。得られた微粒子は球状でありその平均粒子径は253.2nm、粒子径の変動係数は13.6(%)であった。分析値はSiO2 67.7mol%、BaO 13.3mol%、CaO 11.1mol%、B2O3 7.9mol%であった。
X線回折装置にて実施例B1〜B11の多成分ガラス微粒子を測定すると、ガラス構造を形成しているセラミックスに特徴的なハローのみが観測された。従って,得られた球状ガラス微粒子は,結晶を含まないことが確認された。
実施例B2で得られたSiO2−Na2O微粒子のTG-DTA測定を行い、1000℃まで昇温し熱特性を調べた。その結果を図12に示す。ゾルゲル法により得られた微粒子の特性は溶融法で得られる熱特性とほぼ同じ挙動を示し、約880℃で液相温度に達していることが判明した。
実施例B5で作製した球状ガラス微粒子0.05gを白金容器に入れ、1200℃で焼成すると、焼結したガラスが得られた。
実施例B5で作製した球状ガラス微粒子0.1gとアルミナ粉末0.1gを直径10mmのプレス金型内で1MPaの圧力でプレスしたものをアルミナ基板上に置き、1200℃で焼成すると焼結し、セラミックスが得られた。
Claims (6)
- 水酸化リチウム,水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムよりなるアルカリ金属水酸化物の群より選ばれる1種又は2種以上と,ケイ素アルコキシドより選ばれる1種又は2種以上と,水及びアルコールとを混合することを含んでなる,球状ガラス微粒子の製造方法であって,該方法により得られる球状ガラス微粒子が,組成として,酸化物換算で,
50〜97モル%の量のSiO2と,
25モル%以下の量の,Li2O,Na2O及びK2Oよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ金属酸化物と
を含んでなるものである,製造方法。 - 請求項1の製造方法であって,該方法により得られる球状ガラス微粒子の平均粒子径が20nm以上1000nm未満であることを特徴とする,製造方法。
- ホウ酸イオン,リチウムイオン,ナトリウムイオン及びカリウムイオンよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のイオンと水酸化アンモニウムとを含有する含水アルコール中でケイ素アルコキシドを撹拌し,該含水アルコール中に生じた微粒子を採取して乾燥させること含んでなる球状ガラス微粒子の製造方法であって,該球状ガラス微粒子が,組成として,酸化物換算で,
(a)25モル%以下の量の,Li2O,Na2O及びK2Oよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ金属酸化物,又は,
(b)30モル%以下の量のB2O3
の少なくとも何れかと
50〜97モル%の量のSiO2と
を含んでなり,平均粒子径が20nm以上1000nm未満であり,粒子径の変動係数が30%以下であることを特徴とする,製造方法。 - 請求項1又は2の製造方法であって,得られるガラス微粒子の粒子径の変動係数が30%以下であることを特徴とする,製造方法。
- ホウ酸イオン,リチウムイオン,ナトリウムイオン及びカリウムイオンよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のイオンと水酸化アンモニウムとを含有する含水アルコール中でケイ素アルコキシドを撹拌し,該含水アルコール中に生じた微粒子を採取して乾燥させること含んでなる球状ガラス微粒子の製造方法であって,該球状ガラス微粒子が,組成として,酸化物換算で,
(a)25モル%以下の量の,Li2O,Na2O及びK2Oよりなる群より選ばれる1種又は2種以上のアルカリ金属酸化物,又は,
(b)30モル%以下の量のB2O3
の少なくとも何れかと
50〜97モル%の量のSiO2と
からなり,平均粒子径が20nm以上1000nm未満であり,得られるガラス微粒子が,600〜1200℃の温度で焼結させることができるものである,製造方法。 - 請求項1ないし4の何れかの製造方法であって,得られるガラス微粒子が,600〜1200℃の温度で焼結させることができるものである,製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007158083A JP4822550B2 (ja) | 2006-06-19 | 2007-06-14 | 球状多成分ガラス微粒子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006168311 | 2006-06-19 | ||
JP2006168311 | 2006-06-19 | ||
JP2007158083A JP4822550B2 (ja) | 2006-06-19 | 2007-06-14 | 球状多成分ガラス微粒子 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010141113A Division JP2010254574A (ja) | 2006-06-19 | 2010-06-21 | 球状多成分ガラス微粒子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008024582A JP2008024582A (ja) | 2008-02-07 |
JP4822550B2 true JP4822550B2 (ja) | 2011-11-24 |
Family
ID=39115601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007158083A Expired - Fee Related JP4822550B2 (ja) | 2006-06-19 | 2007-06-14 | 球状多成分ガラス微粒子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4822550B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101032341B1 (ko) * | 2008-12-09 | 2011-05-02 | 삼화콘덴서공업주식회사 | 나노 유리계 조성분말을 이용한 mlcc용 복합 첨가제 분말 제조방법 |
WO2012081219A1 (ja) * | 2010-12-16 | 2012-06-21 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3161278B2 (ja) * | 1995-04-26 | 2001-04-25 | 株式会社村田製作所 | 誘電体磁器組成物 |
JP2002187729A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-07-05 | Murata Mfg Co Ltd | ガラス粉末の製造方法および製造装置ならびにガラス粉末の用途 |
JP3987692B2 (ja) * | 2001-06-12 | 2007-10-10 | 太陽誘電株式会社 | 誘電体磁器組成物及び磁器コンデンサ |
JP2007261861A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Kyocera Corp | ガラス粉末およびその製法 |
JP2007261862A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Kyocera Corp | ガラス粉末およびその製法 |
JP2007261860A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Kyocera Corp | ガラス粉末およびその製法 |
-
2007
- 2007-06-14 JP JP2007158083A patent/JP4822550B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008024582A (ja) | 2008-02-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3633091B2 (ja) | 微小無機質球状中実体の製造方法 | |
WO2018040749A1 (zh) | 一种低温共烧陶瓷材料及其制备方法 | |
TW201221497A (en) | Process for production of glass raw material granules, and process for production of glass product | |
TW201202144A (en) | Method for producing spherical alumina powder | |
CN107074603B (zh) | 玻璃原料造粒体的制造方法、熔融玻璃的制造方法和玻璃物品的制造方法 | |
CN114829302B (zh) | 硅微粒及其制造方法 | |
JP2011068507A (ja) | 球状多成分ガラス微粒子 | |
US20120138215A1 (en) | Nano glass powder for sintering additive and method for fabricating the same | |
CN103796956B (zh) | 草酸氧钛钡的制造方法和钛酸钡的制造方法 | |
JP2010254574A (ja) | 球状多成分ガラス微粒子 | |
JP4822550B2 (ja) | 球状多成分ガラス微粒子 | |
JPS62176928A (ja) | 石英ガラス粉末の製造方法 | |
US3762936A (en) | Manufacture of borosilicate glass powder essentially free of alkali and alkaline earth metals | |
JPH0891874A (ja) | ガラス球状粉末及びその製造方法 | |
TW593182B (en) | Glass powder and manufacturing method therefor | |
JP3874494B2 (ja) | 希土類元素酸化物球状単分散微粒子の製造方法 | |
CN108689431B (zh) | 一种水相纳米氧化锆颗粒分散体的制备方法 | |
CN102219386B (zh) | SiO2基复合氧化物体系玻璃的超微细粉体的制备方法 | |
KR100455333B1 (ko) | 실리카 중공 미세구의 제조방법 | |
JP2007261860A (ja) | ガラス粉末およびその製法 | |
JP2002179409A (ja) | 微細球状無機質粉末の製造方法 | |
JP2007261861A (ja) | ガラス粉末およびその製法 | |
JP2004149329A (ja) | 導電性酸化スズの製造方法 | |
CN109369219A (zh) | 一种纳米粉体掺杂低温釉料配方及其制备方法 | |
JP6980467B2 (ja) | 球状シリカフィラー用粉末及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100420 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100621 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110125 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110425 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20110506 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110614 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110714 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110809 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110905 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |