JPH10338542A - 高屈折率微小球状ガラスの製造方法 - Google Patents

高屈折率微小球状ガラスの製造方法

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JPH10338542A
JPH10338542A JP15088897A JP15088897A JPH10338542A JP H10338542 A JPH10338542 A JP H10338542A JP 15088897 A JP15088897 A JP 15088897A JP 15088897 A JP15088897 A JP 15088897A JP H10338542 A JPH10338542 A JP H10338542A
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JP
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slurry
glass
gas
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spray
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JP15088897A
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Kiyotaka Arai
清隆 新井
Kenji Yamada
兼士 山田
Hachiro Hirano
八朗 平野
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C12/00Powdered glass; Bead compositions
    • C03C12/02Reflective beads
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/10Forming beads
    • C03B19/1005Forming solid beads
    • C03B19/102Forming solid beads by blowing a gas onto a stream of molten glass or onto particulate materials, e.g. pulverising
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/12Silica-free oxide glass compositions
    • C03C3/127Silica-free oxide glass compositions containing TiO2 as glass former

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高屈折率を有するチタン−バリウム系の微小
球状ガラスを大量かつ安価に製造する工業的製造方法を
提供すること。 【解決手段】 二酸化チタンと酸化バリウムとを特定の
割合で含有するチタン−バリウム系ガラスを形成するの
に必要なガラス原料粉末と可燃性液体とのスラリーを噴
霧燃焼すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は高屈折率微小球状
ガラスの製造方法に関し、従来の製法では工業的に大量
かつ安価に製造することが困難であった、高屈折率の微
小球状ガラスを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、微小球状ガラスの製造方法とし
て、1)粉砕、分級したガラス粉末を高温雰囲気で溶融
し、その表面張力で球状化する方法。2)粉砕、分級し
たガラス粉末を高温のロータリーキルン中で回転させる
ことにより球状化する方法。3)溶融したガラス液を噴
霧し、表面張力で球状化する方法、等が公知である。
【0003】しかしながら、方法1、2では、乾燥した
ガラス微粉末を高温の雰囲気中に分散させるので、ガラ
ス粉末が小さくなるに従って凝集し易くなり、また、ガ
ラス溶解時にいくつかの粒子が融着するので、微小径で
かつ粒度分布の揃ったガラス球状中実体を製造すること
が困難であった。また、ガラス粉末を得る工程で乾式粉
砕操作等を使用するので粉塵を生じ、これにより環境汚
染を生じさせ、しかも、粉砕した後に分級が必要であ
り、特に粉砕により発生した微粉末はガラスカレット工
程に迄さかのぼらないと回収することができない等の問
題があって、効率の悪いプロセスであった。
【0004】高屈折率のチタン−バリウム系ガラスは溶
融体が流動性に富み、低粘度、高表面張力であることか
ら方法3によって製造されているが、溶解炉を必要と
し、工業的に大量かつ安価に製造することは困難であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来の技術が有する上述のような問題点を解決することに
ある。
【0006】更に言うと、この発明の目的は、適用範囲
が広くて高屈折率の、特に屈折率が1.9以上である微
小球状ガラスを、大量にかつ安価に製造することのでき
る工業的製法を提供することにある。
【0007】この発明の他の目的は、ガラスカレットを
製造する溶融炉を使用することなく、高屈折率の微小球
状ガラスを大量にかつ安価に製造することのできる工業
的製法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、二酸化チタ
ンと酸化バリウムとその他の金属酸化物とを含有し、前
記二酸化チタンの含有量が10〜70重量%であり、二
酸化チタンと酸化バリウムとの合計量が40〜100重
量%であるチタン−バリウム系ガラスを形成するのに必
要な原料粉末を可燃性液体に分散してなるスラリーを噴
霧燃焼することを特徴とする高屈折率微小球状ガラスの
製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の方法は、特定の原料粉
末を可燃性液体に分散してなるスラリーを噴霧燃焼する
ことにより製造される。以下、その製造方法について説
明する。
【0010】(原料)この発明の微小球状ガラスを製造
するに当たり、使用される原料は、二酸化チタンと酸化
バリウムとその他の金属酸化物とを含有し、前記二酸化
チタンの含有量が10〜70重量%であり、二酸化チタ
ンと酸化バリウムとの合計量が40〜100重量%であ
るチタン−バリウム系ガラスを形成するのに必要な原料
である。
【0011】チタン−バリウム系ガラス中の二酸化チタ
ンを形成するための原料成分としては、二酸化チタンそ
のものの外に、燃焼により二酸化チタンを形成すること
のできる有機物を採用することもできる。前記原料粉末
における、チタン−バリウム系ガラス中の二酸化チタン
を形成するための原料成分の含有量は、二酸化チタンに
換算して10〜70重量%である。前記原料成分の原料
中の含有量が前記範囲を外れると高屈折率の微小球状ガ
ラスを製造するのが困難になる。
【0012】チタン−バリウム系ガラス中の酸化バリウ
ムを形成するための原料としては、酸化バリウムそのも
のの外に、炭酸バリウム、硫酸バリウム、及び燃焼によ
り酸化バリウムを形成することのできる有機物を採用す
ることもできる。前記原料粉末における、チタン−バリ
ウム系ガラス中の酸化バリウムを形成するための原料成
分の含有量は、酸化バリウムに換算して二酸化チタンと
酸化バリウムとの合計量が40〜100重量%になるよ
うに決定される。酸化バリウムを形成するための原料成
分の原料中の含有量が前記範囲を外れると高屈折率の微
小球状ガラスを製造するのが困難になる。
【0013】チタン−バリウム系ガラス中のその他の金
属酸化物を形成する原料としては、酸化ケイ素、アルミ
ナ、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、
酸化亜鉛、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウ
ム、酸化ホウ素等、及び燃焼によりこれら金属酸化物を
形成することのできる無機金属化合物たとえばケイ砂、
シリカゲル、シリカヒューム、ホワイトカーボン、ホウ
酸ナトリウム、ホウ酸、炭酸バリウム、酸化バリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等を挙げ
ることができ、またこれら無機物に限らず、燃焼により
無機物化する有機化合物を適宜に採用することもでき
る。また、予め目的の組成又は目的の組成物を構成する
ことのできる組成となっているガラス粉も使用すること
ができる。この発明の方法に使用される原料はいずれも
その平均粒径が3μm以下、好ましくは3〜0.01μ
m、更に好ましくは1〜0.01μmであるのが望まし
い。原料粒子の平均粒径は、それ自体公知であるレーザ
式光散乱法を用いた測定法により測定することができ
る。
【0014】原料粒子の平均粒径が3μmを越えると、
原料粉末が可燃性液体中に均一に分散せずに沈降してし
まい、均一な固形分濃度を有するスラリーの液滴の形成
が困難になることがある。又、原料粉末の平均粒径が
0.01μm未満であると原料粉末を可燃性液体に添加
した場合に、原料粉末が凝集して均一なスラリーを調製
するのが困難になることがある。
【0015】原料粉末の平均粒径が上記した範囲を越え
るときには、原料を粉砕してその平均粒径が上記範囲内
になるように、平均粒径の調整を図るのが良い。
【0016】その粉砕方法としては、乾式粉砕及び湿式
粉砕のいずれであっても良いが、湿式粉砕が好ましい。
湿式粉砕は乾式粉砕と比較して微粒子化が容易であり、
しかもこの発明の方法により得られる微小球状ガラスの
表面平滑性を良好にすることができ、又粉塵による環境
汚染の恐れがないので、特に好ましい。更に、この湿式
粉砕を採用すると、粉砕操作の結果としてこの発明にお
けるスラリーを調製することができて、工程の簡略化に
も有利である。
【0017】湿式粉砕は適宜の液体と原料粉末とを混合
することにより行われる。湿式粉砕については次のスラ
リー調製工程の説明において触れる。
【0018】(スラリー調製工程)この発明の方法にお
いては、前記原料粉末を可燃性液体に分散することによ
りスラリーを調製する。
【0019】この発明においては、乾式粉砕により所定
の粒径に調製されたシリカ系原料の粉末と可燃性液体と
を混合しても良いのであるが、微粉砕を容易に行うこと
ができて、しかも原料の粒度調整とスラリー調製とを同
時に行うことのできる湿式粉砕により、スラリーを調製
するのが好ましい。
【0020】スラリー調製に使用される可燃性液体とし
ては、後述する噴霧燃焼工程において使用される燃料と
共に、スラリー中の原料を溶融し、又場合によっては形
成された微粉体を焼結することができる程度の燃焼温度
を発生させることができる限りその種類に特に限定はな
いのであるが、多くの場合、常温で液状の炭化水素、灯
油、軽油、重油、アルコール、エーテル、ケトン等の有
機媒体が例示される。取り扱い性の観点から、沸点が5
0℃以上である可燃性液体が好ましい。可燃性液体とし
て特に灯油、軽油、重油、アルコールは、取り扱いが容
易でかつ安価で燃焼しやすく、噴霧燃焼の際に原料が効
率良く均一に加熱されるので、好適である。
【0021】又、スラリーを噴霧することにより形成さ
れた液滴を燃焼させる燃料とこの可燃性液体とが同じ種
類であると、噴霧燃焼時に使用される燃料を別途に用意
してこれを使用する必要がなくなり、製造工程が簡略化
されるので、スラリー調製時の可燃性液体と噴霧燃焼時
の燃料とを同じ種類にするのが好ましい。
【0022】湿式粉砕によりスラリーを調製する場合、
湿式粉砕に使用する可燃性液体と原料粉末との配合割合
は、噴霧燃焼に供されるスラリー中の可燃性液体と原料
との含有割合と同じになるように、調製されるのが良
い。湿式粉砕時の可燃性液体と原料との配合割合とスラ
リー中の可燃性液体と原料との含有割合とが同一になる
ように液体の量を調整しておくと製造工程が簡略化され
るので好ましい。なお、この発明においては、湿式粉砕
において使用される液体とスラリーを調製するのに使用
される可燃性液体とが相違していても製造は可能である
が、そうすると、可燃性液体とは異なる種類の液体を使
用して原料を湿式粉砕した場合には、粉砕物を一旦液体
と分離しなければならず、工程的に不利である。
【0023】使用する湿式粉砕機は、ビーズミルに代表
される媒体撹拌型ミルが、微粉砕しやすいので好まし
い。もっとも、この発明においては、湿式粉砕機が媒体
攪拌型ミルに限定されるものではなく、その他の湿式粉
砕機でもよい。粉砕機における粉砕容器の材質によるス
ラリーの汚染を少なくするためには、接液部の材質とし
て、アルミナ、ジルコニアまたはアルミナとジルコニア
との複合セラミックスを選定することが好ましい。ま
た、前記粉砕容器における接液部の材質は、摩耗粉が混
入しても差し支えのない石英等であっても良い。
【0024】こうして調合されたスラリーが所定濃度に
なっていない場合は、不足分の可燃性液体を添加して希
釈するか、または濃縮することによりスラリーが所定濃
度になるように調整する。スラリー中の原料の濃度は通
常1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好
ましくは10〜40重量%の範囲から選択される。スラ
リー中の固形物の濃度は、低すぎると生産性と経済性が
低下し、高すぎると粘度が上昇し、スラリーを微小径の
液滴状とするのが困難となり粒径分布の揃った微小球状
ガラスを製造しにくくなる。
【0025】このスラリーの分散及び分散安定化のため
に、分散剤、分散安定剤を添加しても良い。分散剤とし
てはノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ア
ニオン系界面活性剤、高分子系界面活性剤等を用いるこ
とができる。
【0026】これらの中でも高分子アニオン系界面活性
剤が好ましく、たとえばアクリル酸とアクリル酸エステ
ルとの共重合体であって酸価が5〜100mgKOH/
g程度の大きな酸価を有するもの等の酸含有オリゴマー
等が好ましい。このような高分子アニオン系界面活性剤
はスラリーの分散及び分散安定化に寄与する外に、スラ
リーの粘度を低く抑制することができて好都合である。
【0027】(噴霧・燃焼工程)この発明の方法におい
ては、こうして調製されたスラリーを液滴状に噴霧し、
液滴状になったスラリーを燃焼させる。
【0028】噴霧する方法としては、液柱式または液膜
式の二流体ノズルなどのスプレー噴霧器、超音波噴霧
器、回転円板噴霧器等を使用することができ、量産化が
容易であるなどの理由により二流体ノズルが好適であ
る。
【0029】スプレー噴霧器、特に二流体ノズルを有す
る噴霧器を使用する場合、スラリーを噴霧することによ
り形成される液滴が微小になるように、スラリーを噴霧
するスラリー吐出ノズルを適正に調整するのが好まし
い。例えば、スラリーを噴霧するスラリー吐出ノズルに
おける先端開口部の口径を1〜10mmに設定しておく
のが好ましい。スラリーを噴霧状態にするために、スラ
リー吐出ノズルの先端部を通過する気体の流通速度は、
通常0.01m/秒以上、特に0.1〜10m/秒であ
るのが好ましい。スラリー吐出ノズルの先端開口部の口
径及び前記流通速度が上記範囲外であると、例えば10
0μmよりも大きな平均粒径の無孔質体が形成されてし
まうことがある。
【0030】二流体ノズルにてスラリーを微小液滴にさ
せる噴霧気体は、炭酸ガス、窒素ガス、燃焼排ガス等の
不燃性の気体を使用することができる。その場合、この
不燃性の気体で液滴状に噴霧されたスラリーに、燃焼を
制御する燃焼制御ガスを供給し、あるいは、燃焼を制御
する燃焼制御ガスの雰囲気中に、この不燃性の気体でス
ラリーを液滴状に噴霧するのが望ましい。これは、液滴
の造粒を燃焼と区分して燃焼する前に確実に造粒を完了
させるというこの発明において発明者らが推測している
現象に基づくものである。
【0031】この燃焼制御ガスとしては、酸素ガス、空
気、加熱により分解して酸素を発生させる酸素発生ガス
等を挙げることができる。このとき、例えば粒径が10
0μm以下である微小球状ガラスを製造するには、酸素
濃度が20〜100容量%、好ましくは25〜90容量
%に調整された燃焼制御ガスを採用するのが良い。酸素
濃度が20容量%未満であると、スラリー中の可燃性液
体が燃焼してもスラリー中の固形分が十分に溶融し、あ
るいは焼結することのできないことがある。酸素濃度の
好適な値は、酸素濃度が燃焼温度に影響し、又スラリー
の燃焼温度がスラリー中の可燃性液体の種類、量等によ
り影響を受けることから、これらの要素と共に具体的
に、かつ適宜に決定される。
【0032】上記とは別に、この発明においては、二流
体ノズルにてスラリーを噴霧状態にするための気体とし
て、不燃性ガスと可燃性ガスとの混合ガス、前記不燃性
ガスと酸素含有ガスとの混合ガス、前記不燃性ガスと可
燃性ガスと酸素含有ガスとの混合ガスを採用することも
できる。ただし、スラリーを噴霧状態にするための気体
として可燃性ガスを採用し、酸素ガスのリッチな雰囲気
中に前記可燃性ガスでスラリーを噴霧し、これを燃焼さ
せる場合には、適当でないことがある。
【0033】前記可燃性ガスとしては、LPG、天然ガ
ス、アセチレンガス、プロパンガス、都市ガス等を挙げ
ることができ、前記酸素含有ガスとしては、空気、酸素
ガス等を挙げることができる。
【0034】噴霧ガスの組成として、不燃性ガスと可燃
性ガスとの混合ガスにおける可燃性ガスの含有割合は、
0〜90容量%であり、不燃性ガスと酸素含有ガスとの
混合ガスにおける酸素含有ガスの含有割合は、0〜90
容量%であり、不燃性ガスと可燃性ガスと酸素含有ガス
との混合ガスにおける可燃性ガスの含有割合は、0〜5
0容量%であり、酸素含有ガスの含有割合は、0〜50
容量%である。
【0035】この発明の方法においては、噴霧状態にな
ったスラリーを適宜の点火手段により燃焼させる。
【0036】点火手段としては、パイロットバーナ、赤
熱したニクロム線、たとえば圧電素子等を利用した電気
火花式着火装置等を挙げることができる。
【0037】噴霧状態になったスラリーを燃焼させると
きのその燃焼温度は、スラリー中の固形分である原料が
溶融し、または焼結する温度および滞留時間に依存し、
具体的には、通常1,000〜2,000℃、好ましく
は1,200〜1,800℃の範囲である。このような
燃焼温度を実現してより一層高品質の微小球状ガラスを
製造するために、可燃性液体の種類及び量、燃焼制御ガ
スの種類及び量、酸素含有ガス中の酸素ガス濃度等を調
整することも望まれるが、電気炉等の加熱炉内に向けて
スラリーを噴霧し、補助的に加熱された加熱炉内で噴霧
状態のスラリーを燃焼させるのも好ましい。
【0038】この発明の方法においては、スラリーを噴
霧状態にし、次いで噴霧状態にあるスラリーの液滴を燃
焼させることによって、微小球状ガラスが形成される。
粒径がより一段と揃っており、しかも表面がより一層平
滑になっていて無孔質で中実なガラスビーズを形成する
には、噴霧・燃焼の条件を最適に調整するのが好まし
い。この発明の方法における噴霧・燃焼の様相を考察す
ると、例えばスラリー吐出ノズルから液滴状にスラリー
が噴出し、スラリー吐出ノズルから所定の時間又は所定
の飛距離をもってスラリー液滴が空間中を飛び、その空
間中に滞留するときに所定粒径の液滴が形成され、次い
でその液滴を有する噴霧状態のスラリーが燃焼し、この
燃焼の際に、液滴中の可燃性液体が可燃性ガスあるいは
酸素ガスの助けにより燃焼し、その燃焼熱により液滴中
の液体成分が燃焼あるいは蒸発気化すると同時に液滴中
の原料が溶融して真球もしくは真球に近い溶融粒子が形
成されると考えられる。そしてその溶融粒子が燃焼領域
中を通過する内に、溶融粒子が冷却されて固化し、場合
によっては極めて微小な溶融粒子同士が合体して焼結す
るものと考えられる。
【0039】この発明の方法においては、原料の粉末を
可燃性液体に分散してなるスラリーを噴霧燃焼すること
によって、粒径が100μm以下、特に30μm以下の
球状で、表面が平滑で、無孔質で中実のガラスビーズを
製造することができる。これ以上に、より一段と真球に
近く、より一段と粒径が小さく、しかも平均粒径が揃っ
て均一であり、表面が平滑で、無孔質で中実のガラスビ
ーズを形成することを目的とするときには、上述した好
適な条件に加えて、燃焼制御ガスの導入口をスラリー吐
出ノズルの前方2〜10cmに配置するのも好ましい。
つまり、スラリーを噴霧させる気体の流通速度、換言す
るとスラリー吐出ノズル先端から噴出するスラリーの液
滴の線速度を0.01m/秒以上、特に0.1〜10m
/秒にして所定距離だけスラリーの液滴を飛ばし、次い
で酸素ガス含有雰囲気下で燃焼させるのが良い。又別の
見方をすれば、スラリー吐出ノズルから噴出されたスラ
リーの液滴を、スラリー吐出ノズル噴出時から燃焼時ま
での時間として0.05〜1秒程度、液滴のままに保持
しておくのも好ましい。
【0040】この発明の方法において製造しようとする
微小球状ガラスの平均粒径を調節するには、スラリーの
流量、噴霧ガス流量を制御することにより気液比、及び
噴霧ガス流速を、使用するノズルの形状等により最適化
すればよい。
【0041】以上のようにして形成された微小球状ガラ
スは、バグフィルタ、湿式の充填層による回収方法な
ど、公知の方法により回収される。
【0042】この発明の方法によると平均粒径の揃った
微小球状ガラスを製造することができるのであるが、操
作条件によっては粒径分布の広い微小球状ガラスが生成
することもあり、そのような場合には適宜の分級操作を
行って100〜0.5μmあるいは30〜0.5μmの
微小球状ガラスを得るのが良い。この発明の方法におい
ては、前記分級工程で発生した所望粒度以外のガラスビ
ーズをリサイクルしてこの発明の方法における原料とし
て使用することができる。
【0043】またさらに、この発明の方法に製造された
微小球状ガラスは必要に応じて加熱処理することにより
微小球状ガラス中のチタン酸バリウム微結晶を析出させ
てさらに屈折率を高めることもできる。加熱処理におけ
る加熱温度としては、通常700〜800℃であり、加
熱時間としては、通常100〜500分である。
【0044】この発明の方法によると、高屈折率、特に
1.9以上の屈折率を有する微小球状ガラスを製造する
ことができるが、これは、微小径の原料粉末と可燃性液
体とを混合してスラリーにし、このスラリーを粒径の揃
った微小径の液滴に噴霧し燃焼することにより、液滴中
に含まれる無機物が溶融し、ガラス化するためと考えら
れる。このように造粒、ガラス化、球状化が噴霧燃焼と
言う一段の工程で達成されるので、この発明の方法は、
安価、しかも大量に高屈折率の微小球状ガラスを製造す
るのに好適な方法である。
【0045】(微小球状ガラス)前記したようにこの発
明の方法により微小球状ガラスが製造される。
【0046】この発明の方法により得られる微小球状ガ
ラスは、二酸化チタンと酸化バリウムとその他の金属酸
化物とを含有し、前記二酸化チタンの含有量が10〜7
0重量%であり、二酸化チタンと酸化バリウムとの合計
量が40〜100重量%であるチタン−バリウム系ガラ
スである。
【0047】前記その他の金属酸化物としては、酸化ケ
イ素、アルミナ、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化マ
グネシウム、酸化亜鉛、酸化リチウム、酸化ナトリウ
ム、酸化カリウム、酸化ホウ素等を挙げることができ
る。
【0048】チタン−バリウム系ガラスにおいて二酸化
チタンの含有量が10重量%未満であったり、あるいは
70重量%を越えるときには、高屈折率のチタン−バリ
ウム系ガラスにすることはできない。また二酸化チタン
の含有量が前記範囲内にあっても二酸化チタンと酸化バ
リウムとの合計量が40〜100重量%の範囲を外れる
と高屈折率のチタン−バリウム系ガラスにならない。
【0049】この発明の方法によると、平均粒子径が1
00μm以下、特に50μm以下、さらには30μm以
下であり、しかも高屈折率たとえば1.9以上の屈折率
を有する微小球状ガラスが得られる。得られる微小球状
ガラスの平均粒径は、この発明の方法において、スラリ
ー濃度、噴霧燃焼の条件等を可変することにより、調整
される。
【0050】この微小球状ガラスは、表面が平滑で、穴
が形成されていず(無孔質であり)、中実のガラスビー
ズである。
【0051】したがって、この発明の方法により得られ
る微小球状ガラスは高屈折率を有するので、交通標識、
反射シート、反射クロス、反射テープ等の反射材として
有用である。
【0052】
【実施例】
(実施例1)平均粒径が0.1μmである二酸化チタン
60重量%、平均粒径が10μmである酸化バリウム3
0重量%、平均粒径が5μmである二酸化ケイ素5重量
%、及び平均粒径が10μmである二酸化ホウ素5重量
%となるように、これら原料成分を調合して原料粉末を
得た。この原料粉末100重量部と酸価が15mKOH
/gである酸含有アクリルオリゴマー10重量部と灯油
600重量部とを混合し、ビーズミルを使用して湿式粉
砕することにより固形分20重量%のスラリーを調製し
た。
【0053】使用したビーズミルは、内容積が1,40
0mlであり、その接液部の材質はジルコニアである。
ビーズは平均径0.65mmφのジルコニア製である。
そのビーズ1,120mlをビーズミルに入れて使用し
た。ビーズミルの運転条件は、回転数が2,500rp
mであり、粉砕時間は30分であった。
【0054】得られた原料のスラリーから粉体を回収
し、走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径は
0.2μm程度であった。
【0055】このスラリーを二流体ノズル内に装填し、
噴霧ガスである炭酸ガスを流速1m/秒で二流体ノズル
から噴出させることにより、スラリーを噴霧した。二流
体ノズルの先端から5cm離れた位置に酸素30容量%
及び窒素70容量%からなる酸素含有ガスを導入し、か
つ火炎を近づけることにより、噴霧状態のスラリーに着
火し燃焼させた。このときの燃焼温度は1,500℃で
あった。
【0056】生成した微粒子をバグフィルタにて回収し
た。
【0057】湿式分析による元素分析により、SiO2
が5重量%、B23 が5重量%、TiO2 が60重量
%、BaOが30重量%であった。液浸ベッケ線法によ
り測定した屈折率は2.05であった。レーザー光散乱
法で測定した平均粒子径は20μmであった。走査型電
子顕微鏡による観察及びX線回折測定の結果、粒子は球
状非晶体であった。また、気体置換法による比重の測定
結果より無孔質中実体であることが判明した。
【0058】
【効果】この発明によると、従来では工業的に大量かつ
安価に製造することが困難であった、高屈折率、特に
1.9以上であり、平均粒径が100μm以下である微
小球状ガラスを、容易に製造することができる。スラリ
ーを形成するために使用される液媒が可燃性液体である
から、スラリーの噴霧燃焼工程でスラリーの加熱のため
の燃料として作用するので、この発明の方法は熱効率及
び作業性に優れている。また、原料の粉砕に湿式粉砕を
採用すると、粉砕を容易に行うことができ、しかも、均
一に原料を粉砕することができる。この発明の方法にお
いては、噴霧燃焼工程により得られる微小球状ガラスを
分級した場合に、分級後の製品として採用されない微小
球状ガラスは湿式粉砕にリサイクルして使用されること
ができる。したがって、湿式粉砕を採用するときのこの
発明の方法は、効率の良い製造方法でもあり、しかも粉
塵による環境汚染の起こるのが小さい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化チタンと酸化バリウムとその他の
    金属酸化物とを含有し、前記二酸化チタンの含有量が1
    0〜70重量%であり、二酸化チタンと酸化バリウムと
    の合計量が40〜100重量%であるチタン−バリウム
    系ガラスを形成するのに必要な原料粉末を可燃性液体に
    分散してなるスラリーを噴霧燃焼することを特徴とする
    高屈折率微小球状ガラスの製造方法。
JP15088897A 1997-06-09 1997-06-09 高屈折率微小球状ガラスの製造方法 Withdrawn JPH10338542A (ja)

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