JPH052606B2 - - Google Patents

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JPH052606B2
JPH052606B2 JP16500989A JP16500989A JPH052606B2 JP H052606 B2 JPH052606 B2 JP H052606B2 JP 16500989 A JP16500989 A JP 16500989A JP 16500989 A JP16500989 A JP 16500989A JP H052606 B2 JPH052606 B2 JP H052606B2
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JP
Japan
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furnace
aqueous solution
water glass
producing
silica
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JP16500989A
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Toshio Nakada
Fumio Takemura
Shinichi Makino
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Tokai Carbon Co Ltd
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Tokai Carbon Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、超微粒状の高品質シリカバルーンを
操業性よく製造する方法に関する。 〔従来の技術〕 ミクロン単位の外径をもつ単一の中空微小球体
はバルーンと呼ばれ、既にアルミナ、フライアツ
シユ、シラスガラス、シリカ、ほう砂などの無機
質系のものが上市されている。これらのうちシリ
カを構成材料とするものは、通常、シリカバルー
ンと称され、耐火断熱材料の骨材、プラスチツク
の充填原料の用途に有用されている。 従来、シリカバルーンの製造技術としては、け
い素源原料を融解したのち空気、不活性ガスなど
のジエツト気流に晒すことによりガス包蔵−中空
化を起こさせる方法、けい素源原料をそのまま又
は発砲剤を混入して熱分解し、ガス発砲により中
空微粒化する方法、あるいはアルカリけい酸塩原
料を化学的、熱的に処理したのち高温雰囲気で発
砲中空化する方法等が知られている。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、これら従来の方法では形成する
シリカバルーンの微粒化ならびに粒度の調整化に
限界があり、100μm以下の整粒化された微粒子
を効率よく製造することは困難であつた。 本発明は、上記した従来技術のうちアルカリけ
い酸塩原料を熱処理して発泡中空化する方法を前
提として多角的に改良研究を重ねた結果開発に至
つたもので、その目的は外径0.05〜10.0μmの超
微粒域にある高品質のシリカバルーンを粒度調整
容易にかつ操業性よく製造する方法を提供すると
ころにある。 〔課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成するの本発明によるシリカバ
ルーンの製造方法は、密閉筒状炉内を流通する高
温燃焼ガス流に水ガラス水溶液を噴霧して脱アル
カリし、生成したガラス微粒子中間体を一定時間
高温炉内に滞留させることを基本的な構成上の特
徴としている。 密閉筒状炉内を流通する高温燃焼ガス流は、燃
料用炭化水素を酸素含有気流とともに炉頭部に噴
射して完全燃焼させることによつて形成するが、
装置としては頭部燃焼室と円筒反応室が連結した
形態のカーボンブラツク発生炉と同一設計の構造
炉が有効に適用される。炉の設置は、横型であつ
ても竪型であつてもよい。燃料油には、軽油、重
油、クレオソート油、エチレンボトム油などカー
ボンブラツク製造用として常用される油状炭化水
素を用いることもできるが、生成させるシリカバ
ルーンに高純度を付与する面からプロパン、メタ
ン、ブタン等のガス体を使用することが望まし
い。 炉内の温度は、少なくとも水ガラス水溶液を噴
霧する位置において1300℃以上の高温水準を保持
する必要がある。 水ガラス水溶液は、例えば安価な工業用水ガラ
スを適宜な粘度になるように水に溶解したもので
よく、高温燃焼ガス流と同軸あるいは直角方向か
ら窒素ガスなどに同伴させながら噴霧状態で炉内
に導入する。 水ガラス水溶液の濃度は、20〜80重量%の範囲
とすることが望ましい。この理由は、20重量%を
下廻る濃度では水分の蒸発に燃焼発熱量が消費さ
れる割合が大きくなるとともに脱アルカリに要す
る炉内滞留時間が長くなり、一方、80重量%を越
える場合には水溶液の粘度が高くなつて炉内への
送入が困難となり噴霧液滴も大きくなるからであ
る。 炉内に噴霧された水ガラス水溶液は急速に熱分
解して脱アルカリ反応を起こし、純度の高いけい
酸質ガラス微粒子からなる中間体に転化する。こ
のようにして生成したガラス微粒子中間体は、引
続き一定時間高温炉内を滞留する過程で発泡し超
微粒状のシリカバルーンを形成する。形成された
シリカバルーンは炉の後段で水冷され、融点以下
に冷却したのち補集工程に送られて回収される。 上記の基本構成においては、形成されたシリカ
バルーンが高温炉内を滞留する過程で粒子同士が
相互に融着して団塊状の凝集体を混在させること
がある。この現象は、水ガラス水溶液が熱分解反
応を起こす位置に水を添加することによつて防止
することは可能であるが、逆に急激な炉内温度の
低下を伴つて脱アルカリの進行を阻害する結果ア
ルカリガラスの形態で残留する事態を招く。その
うえ、操業面で極めて不安定となり、またエネル
ギーコストも大となる。 高温燃焼ガス流に水ガラス水溶液と同時もしく
は別ルートを介して炭化水素を導入して炉内にカ
ーボンブラツクを生成共存させる本発明の態様
は、基本構成の難点である上記の事態を避け、常
に凝集のない単一セルとしてのシリカバルーンを
生成させるために有効な手段となる。すなわち、
生成したカーボンブラツクは炉内に広く分散して
シリカバルーン同士の相互融着を完全に阻止する
ために機能する。 カーボンブラツクを生成させるための原料とな
る炭化水素としては、例えばスチレンモノマー、
ベンゼンなどが適当で、水ガラス水溶液と同時も
しくは別ルートを介して炉内に導入する。しかし
炭化水素の炉内導入を水ガラス水溶液と同位置か
ら上流側に導入するとガラス微粒子中間体の生成
時にカーボンブラツクを巻き込むことがある。し
たがつて、炭化水素の導入は水ガラス水溶液の噴
霧位置よりも下流域でおこなうことが好ましい。 共存させるカーボンブラツクはシリカバルーン
生成量に対して50重量%以下で融着防止の目的に
は十分に足り、これ以上の発生は寧ろその後の補
集、除去などの操作を煩雑化する。 補集後のシリカバルーンに混在するカーボンブ
ラツクは燃焼酸化することにより除去することが
でき、必要に応じて鉱酸で洗浄処理してさらに精
製する。 通常、水ガラス系のけい素源原料を熱処理して
シリカバルーンを形成させる場合には、水ガラス
からシリカを形成させる過程において脱アルカリ
反応を如何に均一に促進させるかが生成物の純
度、粒度分布、異形シヨツト含有量などを支配す
る大きな決め手となる。ところが、上記の構成に
おいては脱アルカリ化が十分に完結せず、一部が
ナトリウムガラスとなつてシリカバルーンと共存
する現象を生じることがある。ナトリウムガラス
は融点が低い(1000℃以下で容易に溶融する)う
えに炉の内張りに使用されるアルミナ/シリカ系
セラミツクレンガとの濡れ性がよいため、前記の
ような現象が起きるとガラス成分が炉の内壁に付
着して安定な操業性を損ねる結果を招来する。こ
のガラス転化現象は、炉内に水ガラス水溶液を噴
霧した直後に水冷して反応を停止すれば解消する
ことができるが、別の側面として生成物中にナト
リウムが混在して純度を低下させる事態を惹起す
る。 上記の現象は、炉内に無機酸の水溶液を注入す
る手段を採ることによつて効果的に消去すること
ができる。 無機酸には、高温雰囲気下でも安定な塩酸、硝
酸、硫酸などが使用されるが、取扱いの面から塩
酸を用いることが好適である。例えば、塩酸を使
用する場合には、ClイオンとNaイオンとの中和
反応は熱力学での平衡定数試算からも高温下で容
易に進行することが認められる。 無機酸の水溶液を注入する炉内位置は、水ガラ
ス水溶液の導入位置より上流側とすることが好ま
しく、この位置からの注入により水ガラス液滴と
の接触度合が増大して短時間内に脱アリカリ化が
完結する。無機酸水溶液の注入位置を水ガラス水
溶液のそれより下流側とすると、中和反応の効率
が低下してアルカリを含んだ生成物が形成され易
くなる。また、無機酸水溶液の注入方式は、水ガ
ラス液滴との相互接触を良くするためアトマイズ
法による噴霧注入とすることが望ましい。 無機酸水溶液の注入量は、酸成分が水ガラス中
のアルカリ含有量と化学量論的に中和反応するた
めの等モル量で足りるが、若干過剰量として注入
することが脱アリカリ化の促進と完全を図るうで
好適である。最も好ましい注入量は、酸が水ガラ
ス中のナトリウム含有量に対してモル比で1.2倍
以上になる量とすることである。 このような条件で炉内に注入された無機酸は、
熱分解した水ガラス液滴と接触して中和反応を起
こし、極めて短時間内に脱アルカリ化を完了す
る。 シリカバルーンの発泡作用は原料中の水分に支
配されるところが少なくないため、上記の構成で
得られるシリカバルーンは外壁が厚く、直径の1/
5程度の肉厚となることが多い。この肉厚を薄く
して一層軽量なシリカバルーンを形成するために
は、水ガラス水溶液に無機発泡剤として炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素アンモニウムまたは硝酸ア
ンモニウムの1種以上を添加する手段を付加する
ことが有効となり、直径の1/10以下の厚さまで薄
肉化することが可能となる。 本発明のプロセスにおいて、生成するシリカバ
ルーンの粒径調整は、水ガラス水溶液の粘度(溶
解濃度)、ガラス微粒子中間体の炉内滞留時間な
どの条件を適宜制御することによつておこなうこ
とができる。例えば、大粒側への調整には水ガラ
ス水溶液の粘度を高めるとともにガラス微粒子中
間体の炉内滞留時間を増すことが有効であり、炉
内滞留時間の増大に伴うトラブルも上述したカー
ボンブラツクの生成共存化あるいは無機酸水溶液
の添加等による付加手段によつて回避することが
できる。 しかし、できればこれら付加手段を用いずに短
時間内に脱水、脱アルカリ反応を完結させること
が望ましい。このためには、炉内における高温燃
焼ガス流の燃焼率を110%以上(理論燃焼率を100
%とする)に設定することが有効である。この高
発熱条件において、水ガラス水溶液を燃焼フレー
ムの下流末端部に直接噴霧することで脱水、脱ア
ルカリの反応は急速に進行し、炉内滞留時間を増
大化する必要なしに高品質のシリカバルーンを形
成することができる。なお、燃焼率110%未満の
場合には、燃料炭化水素から生成いたカーボンブ
ラツクが生成物に巻込まれて純度を低下させる危
険性がある。 また、得られるシリカバルーンの粒子径および
その分布に対しては、生成反応がガス相を経ない
液相から固相への相転移のため、初期段階におけ
る炉内注入時の液滴径および分布が支配因子とな
つて最終生成物に関与する。この液滴径およびそ
の分布を調整するための方法としては、水ガラス
水溶液の炉内導入をアトマイズ法によるだけでは
十分ではなく、炉内導入時に瞬時に高い剪断力を
与えることによつて液滴分布を揃えることが効果
的である。これには、密閉筒状炉内を流通するガ
ス線速度が30m/sec以上の高温燃焼ガス流に水
ガラス水溶液を噴霧する条件を与えることが重要
となる。具体的には炉の中間部分に狭径スロート
部を形成してガス流速を増大化することで前記ガ
ス線速度を確保する方法が採られる。ガス線速度
が3.0m/secを下廻る場合には、水ガラス水溶液
に充分な剪断力を与えることができず、比較的大
きな液滴径が混在するときには熱伝導が不十分と
なつて脱アルカリ反応が完結しないことがある。 水ガラス水溶液の均一な微小液滴を炉内に噴霧
するためには、二流体式バーナーを用いその先端
部からの流体線速度(TVF:Tip Velocity
Factor)として500ft/sec以上の条件でおこなう
ことが望ましい。こうすることによつて、バーナ
ー先端にナトリウムガラスやシリカの凝固物が固
着することもなく常に安定かつ均一の噴霧状態が
得られる。 更に、操業性の面からは炉内の形式を竪型とす
ることがよく、重力下での自然沈降効果の助けも
あつてガラス物質の炉壁付着も有効に防止され、
安定な連続操業が可能となる。 「作用〕 本発明の基本構成によれば、水ガラス水溶液は
熱的な制御管理が容易な密閉筒状炉の高温燃焼ガ
ス中で一連的に脱水、脱アルカリおよび発泡化が
進行するから、目的とする超微粒状のシリカバル
ーンを安定して製造することができる。 そのほかの構成と作用との関係は以下のとおり
である。 (1) 高温燃焼ガス中にカーボンブラツクを生成共
存させることによつて浮遊するシリアカバルー
ン同士の相互融着は完全に防止され、真球状の
単一セルとして形成することができる。 (2) 炉内に無機酸の水溶液を注入すると短時間内
での完全な脱アルカリ化が可能となり、この機
能でガラス微粒子中間体の融点が引上げられる
ため同時に進行する脱水反応との共働作用を介
して得られるシリカバルーンの純度を著しく高
める。さらにナトリウム成分の残留を伴わない
から、ナトリウムガラスが炉壁面に付着して操
業性が低下する現象を生じることはない。 (3) 水ガラス水溶液に、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素アンモニウム、硝酸アンモニウムのよう
な発泡剤を添加することにより、得られるシリ
カバルーンの肉厚を直径の1/10以下まで薄くす
ることが可能となる。 (4) 高温燃焼ガス流の燃焼率を110%以上に設定
すると水ガラス水溶液の脱水、脱アルカリ反応
が極めて短時間内に完結する。このため、カー
ボンブラツクの生成共存化あるいは無機酸水溶
液の添加をしない場合にも高品質のシリカバル
ーンを形成することができる。 (5) 炉の中間部分に狭径スロート部を設けて流通
する燃焼ガスのガス線速度を3.0m/sec以上に
保持することにより、水ガラス水溶液に高い剪
断力を付与することができる。したがつて、粒
子径およびその分布が揃つたシリカバルーンを
得ることができる。 (6) 水ガラス水溶液の炉内噴霧を、バーナー先端
からの流体線速度(TVF)として500ft/sec
以上の条件にするとバーナー先端部分にガラス
等が付着することがなく、安定した操業が保障
される。 以上の要件を適宜組み合わせることによつて、
外径0.05〜10.0μmの超微粒域にある高品質のシ
リカバルーンを粒度調整容易にかつ操業性よく製
造することが可能となる。 なお、本発明において、熱分解により脱アルカ
リ反応を介して生成したガラス微粒子中間体がど
のような機構で発泡するかについては未だ詳しく
解明するに至つていないが、中間体と結合した
OHイオンあるいはガラス微粒子の微細孔中に物
理的にトラツプされたH2Oが溶融軟化時に一挙
に膨張して中空形態に転化するものと推測され
る。 〔実施例〕 以下、本発明を各実施例に基づいて具体的に説
明する。 実施例 1〜5 炉頭部に燃焼バーナーおよびカーボンブラツク
生成用の炭化水素噴射ノズルを装着した燃焼室
(直径200mm、長さ500mm)と、これと同軸的に連
設した狭径反応室(直径80mm、長さ150mm)なら
びに広径反応室(直径120mm、長さ1800mm)とか
ら構成されたカーボンブラツク発生炉と同形態の
横型密閉筒状炉において、水ガラス水溶液用の噴
霧ノズルを先端部分が炉頭部から80mm下流側に位
置するように炉軸に沿つてセツトし、広径反応室
の後部位置に反応停止用の冷却水注入ノズルを設
置した。この炉を用い、表1に示す各種の生成条
件によりシリカバルーンを製造した。原料として
は、SiO236〜38%,Na2O17〜18%、Na2O:
SiO2モル比1:2.1の組成をもつ市販の工業用水
ガラス1号を用いた(以下、同様)。 得られたシリカバルーンその他の粉体特性およ
び純度特性を、生成条件に対比させて表1に示し
た。
【表】
【表】 表1の結果から、実施例1〜5により粒子径が
0.05〜2.0μmの超微粒性状を備える高純度のシリ
カバルーンが得られた。 実施例 6〜10 炉頭部に燃焼バーナーを装着した実施例1と同
型の密閉筒状炉を用い、炉頭部から500mm下流位
置に無機酸水溶液の噴霧ノズル、同550mm下流位
置に水ガラス水溶液の噴霧ノズル、同700mm下流
位置にカーボンブラツク生成用炭化水素の噴霧ノ
ズルをそれぞれ設置した。 上記構成の炉により表2に示す各種の生成条件
を適用してシリカバルーンを製造した。得られた
シリカバルーンその他の粉体特性および純度特性
を生成条件と対比させて表2に示した。 なお、無機酸水溶液の注入量は水ガラス中のナ
トリウム含有量に対する酸のモル比として、実施
例1の場合は1.5倍、実施例2の場合は1.8倍、実
施例3の場合は1.2倍、そして実施例4の場合に
は0.8倍に相当する。
【表】
【表】 表2の結果から、無機酸水溶液を注入した実施
例6〜9の場合にはこれを注入しなかつた実施例
10に比べていずれも脱アルカリ効果が認められ
たが、実施例9の条件では注入した酸の量が少な
い関係でシリカバルーン中のナトリウム濃度が高
めであつた。 次に、実施例6および実施例10の生成シリカバ
ルーンを分離した後の回収濾液について原子吸光
分析をおこない、含有金属を測定した。その結果
を表3に示した。なお、工業用水について同様に
おこなつた分析結果も表3に併載した。
【表】 表3の結果から、実施例6の場合には濾液中に
多量のナトリウムが含まれており中和反応が完結
していることが判明する。 実施例 11〜15 炉頭部に燃焼バーナーと燃焼ガス流に対し平行
に噴出可能な原料噴霧ノズルを装着した燃焼室
(直径200mm、長さ500mm)、該燃焼室と同軸的に連
設された狭径反応室(直径40mm、長さ150mm)お
よび引続く広径反応室(直径120mm、長さ1800mm)
からなり、前記広径反応室の所定位置に反応停止
用の冷却水噴霧孔を配した竪型の密閉筒状炉を設
置した。 上記構造の炉を用い表4に示す各種の生成条件
を適用してシリカバルーンを製造した。得られた
シリカバルーンの粉体特性および操業性を生成条
件と対比させて表4に併載した。
【表】
【表】 発泡剤として炭酸アンモニウムを添加した実施
例11〜13では生成したシリカバルーンの肉厚が直
径の1/5程度の従来レベルから同1/10程度まで薄
くなつており、また水ガラス水溶液の噴霧をバー
ナー先端部からの流体線速度(TVF)として
500ft/sec以上に設定しているためバーナー付着
物も認められていない。この点、流体線速度
(TVF)が470ft/secの実施例14ではバーナー付
着物が認められる。 さらに、炉を竪型に設置することは炉壁に対す
るアルカリガラスの付着を防止して操業性を向上
させるために効果があることは、実施例11〜14と
実施例15の結果から考察される。 実施例 16〜20 炉頭部に燃焼バーナーと燃焼ガス流に対し垂直
に噴霧可能な原料噴射ノズルとを装着した燃焼室
(直径200mm、長さ500mm)、該燃焼室と同軸的に連
結する広径反応室(直径120mm、長さ2000mm)か
ら構成され、前記広径反応室の所定位置に冷却水
噴霧孔を設けた竪型の密閉筒状炉を設置した。こ
の炉において、燃焼ガス流の燃焼率、原料噴霧位
置等を変化させた表5に示す条件でシリカバルー
ンを製造した。 得られたシリカバルーンの粉体特性および操業
性を生成条件と対比して表5に併載した。 表5の結果から、燃焼ガスの燃焼率を110%以
上に設定した実施例16〜18では生成反応が急速に
進むためカーボンブラツクの生成共存化や無機酸
類の添加を必要とせず、また燃料からのカーボン
ブラツク生成を伴うことなしに単一セル高純度シ
リカバルーンを得ることができる。 更に、水ガラス水溶液原料を炉内へ導入する位
置は燃焼フレームの下流部位に直接噴霧して急激
な接触・衝突を起こさせることが粒性状の均質化
および操業性の点で有利となる。
【表】 実施例 21〜25 炉頭部に燃焼バーナーを装着した燃焼室(直径
200mm、長さ500mm)と、これと同軸的に連設した
狭径反応室(直径40mm、長さ100mmのスロート形
状)および後段に冷却水噴射ノズルを備えた広径
反応室(直径120mm、長さ1800mm)とから構成さ
れた竪型の密閉筒状炉を設置した。 上記の炉を用い、水ガラス水溶液を噴霧する位
置のガス線速度を制御してシリカバルーンを製造
した。得られたシリカバルーンの粉体特性および
操業性を生成条件と対比して表6に示した。 なお、生成シリカバルーンの粒子径ならびに粒
度分布の測定にはDCF法を適用し、デイスク回
転数1000RPM、試料濃度100mg/100ml,sol、試
料注入量0.5ml、バツフアー液10.0mlの条件を用
いたほかはカーボンブラツクのストークス径測定
法に準拠した。これらの両測定値は走査型電子顕
微鏡法で得た結果と合致している。
【表】
〔発明の効果〕
以上のとおり、本発明に従えば超微粒状で優れ
た純度および粒性状を備えるシリカバルーンを常
に安定した操業性で連続生産することができる。 したがつて、製造されるシリカバルーンは、金
属、プラスチツク、セラツミツク等の充填材、焼
結フイルター、軽量断熱材などの原材料のほか、
半導体封止用超微粒性と透光性を抑止する光学的
性質を利用した白色顔料の素材として有用性が期
待される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 密閉筒状炉内を流通する高温燃焼ガス流に水
    ガラス水溶液を噴霧して脱アルカリし、生成した
    ガラス微粒子中間体を一定時間高温炉内に滞留さ
    せることを特徴とするシリカバルーンの製造方
    法。 2 高温燃焼ガス流に水ガラス水溶液と同時もし
    くは別ルートを介して炭化水素を導入して炉内に
    カーボンブラツクを生成共存させる請求項1記載
    のシリカバルーンの製造方法。 3 水ガラス水溶液の導入位置より下流側の炉内
    に炭化水素を導入してカーボンブラツクを生成共
    存させる請求項2記載のシリカバルーンの製造方
    法。 4 炉内に無機酸の水溶液を注入する請求項1ま
    たは2記載のシリカバルーンの製造方法。 5 無機酸の水溶液を、水ガラス水溶液の導入位
    置より上流側の炉内に注入する請求項1または2
    記載のシリカバルーンの製造方法。 6 無機酸の水溶液を、酸が水ガラス中のナトリ
    ウム含有量に対しモル比で1.2倍以上になる量で
    注入する請求項1または2記載のシリカバルーン
    の製造方法。 7 水ガラス水溶液に、炭酸水素ナトリウム、炭
    酸水素アンモニウムまたは硝酸アンモニウムの1
    種以上を添加する請求項1または2記載のシリカ
    バルーンの製造方法。 8 高温燃焼ガス流の燃焼率を110%以上に設定
    する請求項1または2記載のシリカバルーンの製
    造方法。 9 密閉筒状炉内を流通するガス線速度が30m/
    sec以上の高温燃焼ガス流に水ガラス水溶液を噴
    霧する請求項1または2記載のシリカバルーンの
    製造方法。 10 水ガラス水溶液の噴霧を、バーナー先端部
    からの流体線速度(TVF)として500ft/sec以
    上の条件でおこなう請求項1または2記載のシリ
    カバルーンの製造方法。
JP16500989A 1988-10-31 1989-06-27 シリカバルーンの製造方法 Granted JPH0360422A (ja)

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JP63-275762 1988-10-31
JP27576288 1988-10-31
JP10527989 1989-04-25
JP1-105279 1989-04-25

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JPH0360422A JPH0360422A (ja) 1991-03-15
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