JP4155750B2 - 高純度酸化チタンおよびその製造方法 - Google Patents

高純度酸化チタンおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原料となる二酸化チタンを高温火炎中に導入することにより、球状二酸化チタンを得る方法において、レーザー式粒度分析法による平均径が5〜200μmの範囲にあり、Fe、Ni、Cr、Si、Al、Zr、S、Clの不純物が少ない二酸化チタンおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二酸化チタン粉体は、白色顔料・化粧料、誘電体であるチタン酸バリウムの原料、光触媒などとして広く使われている。白色顔料・化粧料として用いられるのは、その隠蔽性や紫外線遮蔽能が優れている為である。使用する際にこうした機能を十分に引き出す為には、二酸化チタンを凝集のきわめて少ない分散体とすることが要求される。というのも凝集粒が存在すると、肌触り感、滑らか感が悪くなるばかりか、肌上に不均一に二酸化チタンが存在することになり、紫外線遮蔽能が劣ったり、隠蔽性にもむらが生じてしまう為である。
【0003】
誘電体であるチタン酸バリウムの原料や、その他セラミックス原料として用いられる場合には、二酸化チタンを他の成分とともにスラリー化した後、混合あるいは粉砕し、成形後、焼結するプロセスを経るのが普通である。こうしたプロセスを経るのは、焼結体において原料成分の偏在をなくするためでもある。原料成分の偏在は、焼結時に組織の不均一成長を引き起こし、強度低下あるいは性能上の欠陥を引き起こす。粒子の空孔(closed pore、あるいはopenpore)も組織不均一の原因となり、焼結体の強度低下、性能の低下を引き起こす。凝集粒子は組成偏在の原因となることが多く、混合・粉砕プロセスにより低減されるが、実用上十分にに低減させるためには、非常に多くのエネルギーを混合・粉砕で費やさざるを得ない。したがって原料粉体は、分散しやすい、すなわち他の成分とも混じりやすい特性を持つことが好ましい。
【0004】
また、単一成分の偏在をなくするという点においては、その粒径も非常に重要な因子である。セラミックス用途では、異なる粒度分布を持つ複数成分の粉体を混合して成形し、燒結させることもある。粒度の異なる複数の粉体を容易に分散できれば、大きなエネルギーを要する均一化の工程を省くことができる。例えば、焼結体の均一な組成を厳しく求められる電子材料関連のセラミックス原料などにおいてよく使用される5〜200μmの分散性が良好な粉体は、非常に有用である。またこうした均一組成を求められる粉体には高純度が同時に求められることがある。というのも高純度であることによってさらに機能の向上が期待できる為である。
【0005】
こうした、高純度であり、空孔を持たない高分散性粉体はセラミックス原料としてのみでなく、光アイソレーターの偏光子材料として用いられるルチル単結晶原料としても好ましいものである。ルチル単結晶は二酸化チタン粉末を酸水素炎中に導入し、単結晶を成長させるベルヌーイ法、試料を光源からの光を集光して得たエネルギーにより加熱溶融し単結晶を成長させるフローティングゾーン法などがある。粉体特性では前者のベルヌーイ法の場合には粉体の純度と流動性とが、後者のフローティングゾーン法では粉体の純度と成形性とが重要である。一般に、流動性は造粒により調整されているが、上記のような5〜200μmの粒度範囲であれば造粒の必要がない。また、粒度の異なる粉体と均一分散できれば成形性も良好になる。ルチル単結晶においては着色を嫌う為、高純度であることが要求され、透過光の散乱原因となる粒子中の空孔がないことが望ましい。
【0006】
次に、光触媒について説明する。二酸化チタンには約400nm以下の波長の紫外線を吸収して電子を励起させる性質がある。発生した電子とホールは粒子表面に到達すると、酸素や水と化合して様々なラジカル種を発生させる。このラジカル種が主として酸化作用を示し、表面に吸着した物質を酸化分解する。これが光触媒の基本原理である。
【0007】
二酸化チタンの光触媒能を活用する為には構造体表面に二酸化チタンを担持し、物質を吸着しやすい構造にする必要がある。二酸化チタンの担持操作は一般的にスラリー化した二酸化チタンを原料として構造体上に塗布し、乾燥させることが多い。凝集体が存在すると、乾燥あるいは固化した際に、凝集粒のまま構造体上に担持されるので膜組成が不均一になり、膜の透明性・平滑性が損なわれ商品価値が低下することがある。また、光触媒能を発揮させる為には、二酸化チタンが成膜された表面に露出している必要がある。この膜の厚さは、有機系バインダーを採用した場合一般に数μmから数十μmである。したがって、5〜200μm程度の平均粒径を持つ光触媒性粒子は膜上に粒子の一部が出ている可能性が高く、光触媒能を十分に発揮できる。また、基本的には光触媒能を期待する二酸化チタンは高純度であるほうが好ましい。というのも不純物の存在は光触媒能を低下させることがあるためである。例えばFeやClなどは生成したラジカルをトラップするので存在が好ましくない不純物である。
【0008】
以上のように、幅広い用途で分散性のよい、高純度で空孔のない粉体が希求されている。また用途に応じて適した粒径があるため、任意の粒度を製造できる技術が求められている。
【0009】
二酸化チタンの製造方法には大別して気相法と液相法とがある。気相法とは四塩化チタンなどを気化させ、酸素、水蒸気などの酸化性ガスと反応させる方法であり、液相法とは硫酸チタニルなどの水溶液を加水分解する方法である。凝集の低い粉体を得るという点においては、気相法の方が液相法よりはるかに優れている。
【0010】
反面、気相法では、平均粒径2μmを越えるような粒子の製造はきわめて困難である。粒径の制御性という点では液相法の方が幅広い範囲にわたって粒径を制御しやすい。しかし、液相法においては反応場における生成粒子濃度・核濃度が、気相法よりはるかに高いため、粒子の会合・成長が起こりやすく、凝集粒となりやすい。その上、固液分離・乾燥工程が必要であり、固液分離時に生じた粒子間の液体架橋が乾燥時の凝集原因となる。
【0011】
気相法の例としては特開平6−340423号公報の四塩化チタンを火炎中にて加水分解し、ルチル含有率の高い二酸化チタンを得る方法、特開平7−316536号公報の四塩化チタンを高温気相中で加水分解し、結晶質透明二酸化チタンを得る方法などが公知である。
【0012】
しかし、これらの方法においてさえ、凝集のない粉体を製造することは困難である。比較的、凝集の低い、すなわち単分散に近い粉体が得られるのは、高温火炎中に直接、二酸化チタン粉体を導入し、その高温により粉体を溶融させて二酸化チタン粉体を得る火炎溶融法や、二酸化チタンの代わりに四塩化チタンガスあるいはチタンアルコキシドなどを導入し、二酸化チタンの生成と球状化を同時に行う方法、原料となる二酸化チタンを焼成し、粉砕する方法などであった。
【0013】
ルチル型二酸化チタン粉末を高温火炎中に導入して光触媒能のあるアナターゼ型二酸化チタンにする特開平10−174864号公報の方法は原料を二酸化チタンとする火炎溶融法の代表例である。四塩化チタンの気相反応に水素を用いることにより高温化し、球状二酸化チタンを得る特開2001−151509号公報の方法は二酸化チタンの生成と球状化を同時に行う方法の代表例である。
【0014】
火炎溶融法の特徴は、微粉体の生産性が極度に低いか、あるいは微粉体が生産できないことにある。火炎溶融法は原料二酸化チタンを火炎中に導入し、熱により部分的に溶融状態となった二酸化チタン粒子を、その表面張力により球状化させる技術である。原料とする二酸化チタンは液相法で得られる比較的粗い粉体が用いられているが、微粉体を得ようとすれば原料に微粉体を使う必要が生じる。しかし、原料粉体が微粒であると凝集が激しい粉体となる上に、一次粒子が小さいので溶融しやすく、かつ火炎の乱流により粉体の動きが活発になる。その結果、他粒子との会合の機会が増えるため、粗粒子が増えると同時に粒成長もしやすくなり、成長過程で粒子中に空気を取り込む確率も増加する。原料粉体がある程度大きい場合は、空孔のほとんどない、原料粒度にちかい、球状の粒子が得られるのも特徴である。
【0015】
一方で、原料であるチタンアルコキシド、四塩化チタンなどを燃焼炎中に導入し、加水分解して二酸化チタンを得る方法は、燃焼炎中で核発生から粒成長に至るまでの過程を経なければならない為、可燃性ガス量をふやす、火炎を長くするなど、高温滞留時間が長くなるような工夫により、ある程度、粒径を大きくすることはできるが、過大な設備が必要になる。特に四塩化チタンを原料とする場合には高温塩素ガスや高温塩化水素ガスの滞留時間が長くなることにより反応器・設備の腐食が助長され、高純度品が得られにくい。その為、一般にこのような方法において一次粒子が2μmを越える大粒子にまで成長させるのはきわめて困難である。
【0016】
以上の点から火炎を利用した方法では、高温帯長さおよび滞留時間の制御の困難さもあって、粒径制御および高純度化が困難で、その結果、数μm〜数百μmの粒径域については高純度の二酸化チタンを得ることは困難であった。
【0017】
静置焼成による方法は、粒成長させることが前提であり、換言すれば高温によって原子を移動しやすくすることにより粒成長させる方法である。その際、装置材料からの原子移動も避けられず、不純物が混入することとなる。また、静置焼成の場合には焼成後の粉砕、すなわち粒度調整も不可欠であり、この粉砕メディアからの不純物が混入が避けられない。静置焼成法により混入しやすい物質として、Fe、Cr、Ni、Al,Si,Zr等があげられる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明において解決しようとする課題は、分散性の良い二酸化チタンが得られる火炎溶融法において、産業的に利用分野の広い、特に光触媒粉体やセラミックス成形体原料として好適な数μmから数百μmの範囲の平均径を持つ、高純度なかつ分散性の良い二酸化チタンを得ること、およびその製造方法を提供する。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み、鋭意研究の結果なされたものである。本発明者らは、分散性の良い特定粒度の二酸化チタン、および特定の製造方法により得られた原料を火炎溶融法の原料二酸化チタンとして用いることにより、短い高温滞留時間で容易に球状化することができ、粒度制御を行いやすく、かつ分散性の良い高純度な空孔のない二酸化チタンを得る方法を見出した。
【0020】
すなわち、本発明は下記(1)〜(27)の発明に関する。
(1)二酸化チタンにおいて、レーザー式粒度分析法によって測定される平均粒径が5〜200μmの範囲内であり、TiO2としての純度が99.5質量%以上であり、Fe、Ni、Cr、Al及びZrがそれぞれ20質量ppm以下、Siが40質量ppm以下、Clが0.05質量%以下、及びSが50質量ppm以下であることを特徴とする二酸化チタン。
(2)二酸化チタンの密度が、3.7g/cm3以上である前項1記載の二酸化チタン。
(3)二酸化チタンが、光触媒能を有する前項1乃至2のいずれか一項に記載の二酸化チタン。
(4)二酸化チタンが、下式(1)
球形度=(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周長)/(粒子投影像の輪郭の長さ) ・・・・・・(1)
で定義される球形度が0.9以上の粒子である前項1乃至3のいずれかに一項に記載の二酸化チタン。
【0021】
(5)火炎中に原料二酸化チタンを導入し、球状二酸化チタンを得る方法において、可燃性ガスと支燃性ガスによって形成される高温火炎中に導入される原料二酸化チタンが、四塩化チタンを酸化性ガスで高温酸化する気相法で製造されたものであることを特徴とする前項1乃至4のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法。
(6)原料二酸化チタンが、四塩化チタンを酸化性ガスで酸化することにより二酸化チタンを製造する気相法において、四塩化チタンを含有するガス及び酸化性ガスをそれぞれ500℃以上に予熱し、それぞれ流速10m/秒以上で反応管に供給することにより反応させて得られる二酸化チタンであることを特徴とする前項5に記載の二酸化チタンの製造方法。
(7)反応が、600℃を越える反応管内の温度領域に3秒以下の時間、四塩化チタンを含有するガス及び酸化性ガスを滞留させて行なわれる前項6に記載の二酸化チタンの製造方法。
(8)原料二酸化チタンが、BET換算粒子径7〜500nm、レーザー式粒度分析法によって測定される平均粒子径0.4〜10μm、Fe、Ni、Cr、Al及びZrをそれぞれ20質量ppm以下、Siを40質量ppm以下、Clを1質量%以下、及びSを200質量ppm以下含む気相法二酸化チタンである前項5乃至7のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法。
(9)原料二酸化チタンが、Fe、Ni、Cr、Al及びZrをそれぞれ20質量ppm以下、Siを40質量ppm以下、Clを1質量%以下、及びSを200質量ppm以下含む気相法二酸化チタンであって、BET換算粒子径7〜500nm及びレーザー式粒度分析法によって測定される平均粒子径0.4〜10μmである気相法二酸化チタンと、BET換算粒子径150〜1000nm及びレーザー式粒度分析法によって測定される平均粒子径0.5〜20μmである気相法二酸化チタンとの混合粉体であることを特徴とする前項5乃至7のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法。
(10)原料二酸化チタンが、配管内レイノルズ数10,000以上の乱流状態にあるキャリアーガスによって気流分散・運搬され、高温火炎中に導入される前項5乃至9に記載の二酸化チタンの製造方法。
(11)原料キャリアーガスのノズルの噴き出し流速が8Nm/秒(Nは標準状態を意味する。Nm/秒は、ノズルから噴出するガスの流量を標準状態に換算した流量(Nm3/秒)を、ノズルの噴出口の面積(m2)で除して得た流速を示す。)以上であり、可燃性ガスのバーナーノズルの噴き出し流速が原料キャリアーガスのノズル噴き出し流速の0.8倍〜4倍、酸化性ガスのバーナーノズル噴き出し流速が原料キャリアーガスのノズル噴き出し流速の1.3倍〜11倍の範囲にあり、かつ酸化性ガスの噴き出し流速が可燃性ガスの噴き出し流速より大きいことを特徴とする前項10記載の二酸化チタンの製造方法。
(12)可燃性ガスが、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレン、ブタン、LPG、水素、一酸化炭素のいずれか、あるいはその混合気体であることを特徴とする前項10または11のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法。
(13)酸化性ガスが、酸素を15体積%以上100体積%以下含む前項10乃至12のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法。
(14)原料二酸化チタンが、キャリアーガスと共に火炎の上流部から燃焼ガスの下流方向に噴出される前項10乃至13のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法。
【0022】
(15)前項1乃至4のいずれか一項に記載の二酸化チタンを、組成物全質量中0.01%〜80質量%含むことを特徴とする有機重合体組成物。
(16)有機重合体組成物の有機重合体が、合成熱可塑性樹脂、合成熱硬化性樹脂、及び天然樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂である前項15に記載の有機重合体組成物。
(17)有機重合体組成物が、コンパウンドである前項15または16に記載の有機重合体組成物。
(18)有機重合体組成物が、マスターバッチである前項15または16に記載の有機重合体組成物。
(19)前項15または16に記載の有機重合体組成物を成型してなることを特徴とする成型体。
(20)前項1乃至4のいずれか一項に記載の二酸化チタンを含むことを特徴とするスラリー。
(21)前項1乃至4のいずれか一項に記載の二酸化チタンを含むことを特徴とする塗工剤。
(22)前項1乃至4のいずれか一項に記載の二酸化チタンを含むことを特徴とする塗料。
(23)前項1乃至4のいずれか一項に記載の二酸化チタンを表面に具備することを特徴とする構造体。
(24)前項1乃至4のいずれか一項に記載の二酸化チタンを原料とすることを特徴とする二酸化チタン単結晶。
(25)前項1乃至4のいずれか一項に記載の二酸化チタンを原料とすることを特徴とするセラミックス成形体。
(26)前項1乃至4のいずれか一項に記載の二酸化チタンを含むことを特徴とする誘電体原料。
(27)前項1乃至4のいずれか一項に記載の二酸化チタンを含む化粧料。
【0023】
以下に本発明の詳細を記す。
原料二酸化チタンとなるBET換算粒子径が7〜1,000nmの超微粒子二酸化チタンは、例えば、次のように得ることが出来る。
【0024】
四塩化チタンを酸化性ガスで高温酸化することにより二酸化チタンを製造する気相法において、四塩化チタンを含有するガス及び酸化性ガスをそれぞれ500℃以上に予熱して反応管に供給し、反応させる。ここで、予熱された四塩化チタンを含有するガス及び酸化性ガスは、それぞれ流速10m/秒以上で反応管に供給する。また、予熱された四塩化チタンを含有するガスおよび酸化性ガスを、反応管内の温度が600℃を越える温度領域に3秒以下の時間、滞留させて反応させる。この製造方法では、予熱された四塩化チタンを含有するガスおよび酸化性ガスが反応管内に供給され、反応管内で乱気流を生じることが好ましい。
【0025】
また、四塩化チタンを含有するガス及び酸化性ガスは、同軸平行流ノズルにより反応管内へ供給してもよい。また、四塩化チタンを含有するガスは、四塩化チタンを10〜100%含有することができる。
【0026】
上記製造方法で得られた気相法二酸化チタンの特徴について説明する。気相法二酸化チタンは一次粒子が弱い点結合で長く連なった連鎖構造体を形成している。この連鎖構造体は粒子が形成される反応場で形成されるものであり、気相法で得た粉体の特徴となっている。その長さは、一次粒子の粒径によって異なる。液相法で得た粉体には、こうした連鎖構造は見られず、一次粒子が塊状に寄り集まった凝集体となっている。
【0027】
本発明によれば、気相法で得たBET換算粒子径が7〜500nmの範囲にある粉体と150〜1000nmの範囲にある粉体とを適宜混合して、あるいは単独で原料として用いることにより、レーザー式粒度分析法による平均粒径が5〜200μmの任意の範囲にある二酸化チタンを得ることができる。製品粒径は、原料の混合割合を変えることと、燃焼炎の調節によって制御できる。大きな粒径の製品を得ようとすれば、大粒径側の原料の割合を多くすればよい。
【0028】
気相法で得た粉体が本発明の原料として適しているのは、この連鎖構造によるところが大きい。連鎖構造体は気相法においては凝集単位であり、気流中における移動単位になっていると考えられる。また、一次粒子が鎖状に連なった形状であるために、気流の抵抗を受けやすく、輸送が容易であり、粉体が気流から受けるせん断力により分散した状態で火炎中に導入される。そのうえ、球状化する際に随伴している空気が逃げやすく、理論密度に近い、すなわち空孔のきわめて少ない球状粒子を得ることができる。
【0029】
このようにして得た二酸化チタンの密度は、通常、3.7g/cm3以上である。また、このようにして得た二酸化チタン粒子の下式(1)
球形度=(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周長)/(粒子投影像の輪郭の長さ) ・・・・・・(1)
で定義される球形度は、通常、0.9以上である。
【0030】
球形度の高い粒子は顔料・化粧料等に使用する際にはそのころがり性を生かし、肌触り感、滑らか感に優れている粉体となる。セラミックス原料として使用する際には適度な配合により密度の高い成形体を得ることができるだけでなく、分散性・流動性に富んだものとなる。また樹脂などのフィラーとして使用する際には充填性に優れた粉体となる。このように凝集度が低く、球状である粉体はきわめて有用な粉体となる。
【0031】
原料二酸化チタンを輸送するための気流は配管内レイノルズ数が10,000以上、好ましくは15,000以上となるように管径、流速を決める。この範囲の配管内レイノルズ数で気相法で得た粉体を効率的に分散させることが可能である。
【0032】
一方で液相法による粉体は凝集粒である為、嵩密度が大きく、分散性に劣る。したがって液相法で得た粉体を原料二酸化チタンとして用いる場合には、それを気流中に分散させる技術がまず必要になってくる。凝集した分散性に劣る粉体を分散させる為には、キャリアーガスを多くし、流速を大きくするのが一般的である。しかし、粉体特性上、気相法で得た粉体ほど気流からうける抵抗および、せん断力は期待できない。したがって流速を非常に大きくする必要が生じるのだが、キャリアーガスを多くしすぎると、その冷却効果で燃焼炎の温度を低下させることになる。その上、炎の形状を乱すことになり、必要以上の反応帯の温度低下を招くことになる。これを補う為に可燃性ガス量をふやす方法も考えられるが、高温帯が長くなり、粒径制御がしにくくなる。仮に反応帯に粉体が導入されたとしても凝集の激しい粉体である為、粒子内部に気泡が残された密度の小さな粉体になってしまう。
【0033】
高温帯に導入された気相法による二酸化チタンは、熱を受け溶融・収縮し、ひとつの連鎖構造体がひとつの球状粒子を形成するものと考えられる。気相法二酸化チタンは一次粒子が小さい為に、比較的低温でも溶融・球状化しやすい。この特徴により、火炎ガスの燃焼量を低くしても球状二酸化チタンを得ることができる。
【0034】
通常、高温の火炎中では、複数の球状粒子が会合・成長して、径の大きな粒子へと成長するが、火炎温度が比較的低く、かつ先述のように連鎖構造体単位で良く分散している為に、溶融した粒子の会合・成長が起こりにくい。これにより粒度分布幅の狭い、つまり粒度分布のシャープな微粒粉体が得られることになる。
【0035】
粒度分布の広い粉体は使用する上では好ましいものではない。たとえば、セラミックス原料として用いる場合には焼結した後の組織の不均一性に直結し、曲げ強度を低くすることになる。また高充填が望まれる樹脂フィラーとしては、より高充填にする為の粒度配合をするため、よりシャープな粒度分布が好ましい。
【0036】
広い粒度分布を回避する為には高温帯をできるだけ短くするとよい。高温帯は前述のように粒子の球状化と共に、会合・成長の場である。できるだけ狭い粒度分布を得ようとすれば、球状化がおき、同時に会合・成長はおきないような温度領域にすることが望ましい。しかし燃焼帯の反応および粒成長は原料の特性と火炎因子などが複雑に関係しあっているため、このような温度領域に制御することは非常に困難であった。本発明では可燃性ガス・酸化性ガスとキャリアーガスとの流量比を制御することにより高温帯温度ができるだけ低くなるよう調整し、原料粉体に連鎖構造を持った一次粒子の小さな気相法二酸化チタンを使用することによって、この課題を解決した。
【0037】
また、この方法の最大の長所は、粒度分布制御に加えて、不純物も少なくすることが可能なことである。
【0038】
燃焼炎はバーナーによって形成されるのが一般的である。バーナーは着火時に急激な温度変化が生じるため、耐熱材料として一般的なセラミックスなどは装置構成部材には不適である。したがって装置部材としては金属材料が使われているが、火炎の高温により軟化した部材の摩耗により、製品への不純物の混入は避けられない。しかし、気相法で得た粉体のような気流輸送しやすい性質を持つ粉体を原料とすることで、摩耗が低減でき、火炎も低温に制御されている為、装置温度も低くなり、摩耗による不純物が低減される。
【0039】
またバーナーの形状も、金属部材を用いても製品純度が低下しない工夫が好ましい。バーナーの形状は、同軸三重管構造が好ましい。すなわち最内管には原料二酸化チタンと共に、それを輸送する空気・窒素などのキャリアーガスを通し、その外側にはLPGなどの気体燃料ガス、最外管には酸素や空気などの酸化性ガスを通す構造とする。原料キャリアーガスのバーナーノズルからの噴き出し流速は8Nm/秒(Nは標準状態を意味する。Nm/秒は、ノズルから噴出するガスの流量を標準状態に換算した流量(Nm3/秒)を、ノズルの噴出口の面積(m2)で除して得た流速を示す。以下同様。)以上、好ましくは8Nm/秒以上50Nm/秒以下が良く、配管内レイノルズ数は10,000以上、好ましくは15,000以上とするよう配管径を決める。この条件であれば原料粉体は十分分散可能である。可燃性ガスのバーナーノズル噴き出し流速は、最内管、すなわち原料キャリアーガスの噴き出し流速の0.8倍〜4倍、好ましくは0.9倍〜3倍となるように設定する。酸化性ガスのバーナーノズル噴き出し流速は原料キャリアーガスの噴き出し流速の1.3倍〜11倍の範囲、好ましくは3倍〜6倍になるよう設定する。これにより本発明の粉体を得るのに好適な燃焼炎形状を保つことができる。また、この条件であるとFe、Ni、Cr、Si、Al、Zrは、ほとんど混入せず、原料の不純物レベルと同等にすることができる。したがって原料もできるだけ純度の高いものを使用することが好ましい。
【0040】
Cl、Sなどの不純物は火炎溶融中、高温履歴を経ることにより、HClやCl2、SO2などを生成する。燃焼帯を構成する材料がステンレス系材料である場合には、そのようなガスにより腐食を受け、Feなどの不純物が増加するので、原料中のClやSは低い方が好ましい。この理由から原料とするTiO2としての純度が99.5質量%以上であり、かつFe、Ni、Cr、Al、Zrがそれぞれ20質量ppm以下、好ましくは10質量ppm以下、かつSiが40質量ppm以下、好ましくは20質量ppm以下、かつClが1質量%以下、好ましくは0.2質量%以下、かつSが200質量ppm以下、好ましくは100質量ppm以下がよい。
【0041】
これにより得られた球状二酸化チタンは、バッグフィルターなどで捕集され、製品とされる。
【0042】
このように得られた二酸化チタンは、前記原料二酸化チタンを使用した場合、TiO2としての純度が99.5質量%以上であり、かつFe、Ni、Cr、Al、Zrがそれぞれ20質量ppm以下、好ましくは1質量ppm〜10質量ppm、さらに好ましくは0.1質量ppm〜10質量ppm、かつSiが40質量ppm以下、好ましくは1質量ppm〜20質量ppm、さらに好ましくは0.1質量ppm〜20質量ppm、かつClが1質量%以下、好ましくは0.001質量%〜0.2質量%、さらに好ましくは0.0001質量%〜0.2質量%、かつSが200質量ppm以下、好ましくは1質量ppm〜100質量ppm、さらに好ましくは0.1質量ppm〜100質量ppmとなる。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の原料として用いられる気相法二酸化チタンを製造する為の代表的な製造装置を図1に、本発明を実施するための、代表的な製造装置の一例を図2にそれぞれ模式的に示す。以下、この図に基づいて説明する。
【0044】
まず図1について説明する。1は同軸平行流ノズル部、2は予熱器、3は反応管、4はバッグフィルターである。この代表的フローにしたがって原料二酸化チタンを製造する。
【0045】
次に図2について説明する。5は原料となる気相法二酸化チタンを定量供給する為のフィーダーおよびホッパーである。原料供給量は任意であるが、大量に供給するほど、原料粒径が大きいほどキャリアーガスの配管内レイノルズ数を大きくする必要がある。
【0046】
6は原料粉体を火炎中に輸送する為のキャリアーガスであり、空気や窒素ガスなどが使用される。原料フィーダー5により送り出された原料二酸化チタンをこのキャリアーガスにより分散・搬送し、火炎中に導入する。キャリアーガスは原料粉体の分散の為、乱流状態となることが必要であり、配管内レイノルズ数は10,000以上、好ましくは15,000以上になるよう流速、配管径を設定する。
【0047】
7は燃焼炎を作り出す為の可燃性ガスであり、基本的に可燃性ガスであればすべて用いることが可能であるが、好ましくはメタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレン、ブタン、LPG、水素、一酸化炭素のいずれか、あるいはその混合気体、好ましくはLPGがよい。キャリアーガスの噴き出し流速は8Nm/秒以上であり、可燃性ガスのバーナーノズル噴き出し流速はその0.8倍〜4倍がよい。
【0048】
8は支燃性ガス(酸化性ガスともいう)である。酸化性ガスには酸素を含むガスであればすべて用いることが可能であるが、酸素が好ましい。酸化性ガスのバーナーノズル噴き出し流速は1.3倍〜11倍の範囲にあり、酸化性ガスの噴き出し流速は可燃性ガスの噴き出し流速より大きくすることが望ましい。原料粉体を含むキャリアガス、可燃性ガス、支燃性ガスは同軸三重管ノズルを用いて燃焼管に導入され、火炎を形成する。炎の安定の為には同軸三重管が好ましく、さらに最内管にはキャリアーガス、最外管には酸化性ガス、両者にはさまれた管には可燃性ガスを流す方式が火炎の安定のために好ましい。
【0049】
燃焼炎は燃焼管9中で形成される。燃焼管は急激に温度が変化するので、水冷ジャケットを備えたステンレス管などを用いるとよい。一般に、セラミックスは急激な温度変化に耐えないので好ましくない。
【0050】
燃焼管で生成した微粉体はバッグフィルター10で捕集され、製品は製品ホッパー12で回収される。燃焼排ガス11は系外へ放出される。
【0051】
本発明の二酸化チタンは、例えば、光触媒材料、樹脂製品・ゴム製品・紙・塗料・印刷インキへの添加剤、化粧料、セラミック製品、電子部品、ルチル単結晶原料等の用途に用いることができ、特に、媒体への分散性・充填性や高純度を要求される用途に好ましく用いることができる。
【0052】
本発明の二酸化チタンは、例えば、有機重合体に添加して組成物として使用できる。有機重合体としては、例えば、合成熱可塑性樹脂、合成熱硬化性樹脂、天然樹脂等が挙げられる。このような有機重合体の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフイン、ナイロン6、ナイロン66、アラミドなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステルなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルアセタール樹脂、ポリアセテート、ABS樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロースおよびレーヨンその他のセルロース誘導体、ウレタン樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、フツ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フェノール樹脂、セルロイド、キチン、澱粉シート、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。
【0053】
本発明の二酸化チタンを含むこれら有機重合体組成物は、例えば、塗料(コーティング組成物)、コンパウンド(例えば、該粉体含有樹脂組成物)、及び二酸化チタンを高濃度に含む成型体用のマスターバッチ等の形態で使用できる。有機重合体組成物には、酸化防止剤、耐電防止剤、金属脂肪酸塩等の添加剤を添加しても良い。
【0054】
有機重合体組成物中の本発明の二酸化チタンの濃度は、該組成物全質量に対して、0.01〜80質量%が好ましく、1〜50質量%が特に好ましい。
【0055】
このような重合体組成物を成型することによって、紫外線遮蔽能を有する成型体が得られる。このような成型体として、例えば、繊維、フィルム、プラスチック成型体等が挙げられる。
【0056】
また、本発明の二酸化チタンは、水や有機溶剤に分散させた後、バインダーを任意に添加して塗工剤にする事もできる。バインダー材料については、特に制限はなく、有機系バインダーであっても無機系バインダーであっても良い。
【0057】
この様なバインダーとして、例えば、ポリビニルアルコール、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、セルロイド、キチン、澱粉シート、ポリアクリルアミド、アクリルアミド、不飽和ポリエステルなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、シリコン樹脂、ビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、フツ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フェノール樹脂等が挙げられる。さらに、無機バインダーとして、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、プロピオン酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物、アルコキシシラン、珪酸塩等の珪素化合物、或いはアルミニウムやチタンの金属アルコキシド等が挙げられる。
【0058】
また、具体的に塗工剤中のバインダーの添加量は、0.01質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜10質量%の範囲が特に好ましい。
【0059】
バインダーの含有量が0.01質量%以下では、塗工後に十分な接着性を得られず、また20質量%を越えると増粘等の問題が生じ、また、経済的にも不利となる。
【0060】
さらに、本発明の二酸化チタンを、構造体の表面に具備してもよい。このような構造体は、特に限定されるものではなく、例えば、金属、コンクリート、ガラス、陶器等の無機物から構成されるものでも良く、紙、プラスチック、木材、皮等の有機物から構成されるものでも良く、あるいは、それらを組み合わせたものであっても良い。これらの例としては、例えば、建材、機械、車両、ガラス製品、家電製品、農業資材、電子機器、工具、食器、風呂用品、トイレ用品、家具、衣類、布製品、繊維、革製品、紙製品、スポーツ用品、蒲団、容器、眼鏡、看板、配管、配線、金具、衛生資材、自動車用品等が挙げられる。
【0061】
これらの、表面に具備する方法としては、特に限定するものではなく、例えば、前述の有機重合体組成物や塗工剤を、構造体に直接塗布しても良いし、あるいは、表面にすでに塗膜のある構造体の上に塗布しても良い。さらに、これらの上に他の塗膜を形成しても良い。
【0062】
【実施例】
本発明を実施例および比較例を用いて説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0063】
実施例1:
濃度100%のガス状四塩化チタンを1,000℃に、酸素96体積%と水蒸気4体積%の混合ガスを1,000℃にそれぞれ予熱して、同軸平行流ノズルを用いて、それぞれ流速49m/秒、50m/秒で反応管に導入した。製造は図1に示す装置を用い、内管に四塩化チタンガスを導入した。反応温度1,630℃における管内流速は計算値で8m/秒であった。また反応管内の高温滞留時間が0.1秒以下となるように、反応後冷却空気を反応管に導入し、その後、ポリテトラフロロエチレン製バグフィルターを用いて製造された二酸化チタン粉末を捕集した。
【0064】
得られた二酸化チタン粉末は、BET換算粒子径300nm、レーザー式粒度分析法により測定した平均粒子径は0.6μmであった。(株)島津製作所製プラズマ発光分析装置ICPS−7500を用いてFe、Al、Siを分析したところ、それぞれ5質量ppm、3質量ppm、15質量ppmであり、Cr、Ni、Zrは検出限界(1質量ppm)以下であった。また、平沼産業株式会社製自動的滴定装置C−500を用いてClの分析をしたところ、0.01質量%であった。この二酸化チタンを原料二酸化チタンとして使用した。
【0065】
次にLPGと酸素を同軸三重管の中間管と最外管とから、それぞれ90Nm/秒、200Nm/秒の流速でノズルから噴き出し、燃焼炎を形成した。
【0066】
ここに上記原料二酸化チタンを6kg/時間の供給速度で、キャリアーガスとしての空気と共に最内管で搬送し、ノズルから噴き出した。この時、空気のノズル噴き出し流速は40Nm/秒、搬送する配管中でのレイノルズ数は43,000であった。固体を含む燃焼後のガスをバッグフィルターに送り、粉体を捕集した。こうして得られた粉体は、白色であり、(株)島津製作所製レーザー式粒度分析計SALD−2000Jを用いて粒度分析を実施したところ、平均粒径が160μmである球状粉体が得られた。また(株)島津製作所製プラズマ発光分析装置ICPS−7500を用いて、Feを分析したところ、8質量ppmであり、Cr、Ni、Al、Si、Zrを分析したところ、Al,Siは原料と同値、Cr,Ni,Zrはいずれも検出限界以下であった。同様にSを分析したところ、6質量ppmであった。また、平沼産業株式会社製自動的滴定装置C−500を用いてClの分析をしたところ、0.003質量%であった。また、この粉体について、比重をJIS Z 8807による比重ビン法により測定し、換算して密度を求めたところ3.98g/cm3であった。、球形度は、この粉体の粒子300個〜500個を走査型電子顕微鏡で撮影し、この画像を画像解析装置NIRECO社LUZEX5000により測定して求めた。球形度0.9以下の粒子は認められず、球形度の単純平均は0.95であった。
【0067】
実施例2:
ガス状四塩化チタン23体積%と窒素77体積%とからなるガスを1,100℃に、空気45体積%と水蒸気55体積%とからなる酸化性ガスを1,000℃にそれぞれ予熱し、同軸平行流ノズルを用いて、それぞれ流速92m/秒、97m/秒で反応管に導入した。内管には四塩化チタンを含有するガスを導入した。反応温度1,250℃における管内流速は計算値で13m/秒であった。反応管内における高温滞留時間が0.2秒となるように、反応後冷却空気を反応管に導入し、その後、ポリテトラフロロエチレン製バグフィルターを用いて二酸化チタン粉末を捕集した。
【0068】
得られた二酸化チタンは、BET換算粒子径が10nmであり、レーザー式粒度分析法により測定した平均粒径は0.16μmであった。また(株)島津製作所製プラズマ発光分析装置ICPS−7500を用いて、Fe、Cr、Ni、Al、Si、Zrを分析したところ、Feは3質量ppm、Alは3質量ppm、Siは26質量ppmであり、Cr,Ni,Zrはいずれも検出限界以下であった。また、平沼産業株式会社製自動的滴定装置C−500を用いてClの分析をしたところ、0.8質量%であった。この二酸化チタンを原料二酸化チタンとして使用した。
【0069】
LPGと酸素を同軸三重管の中間管と最外管とから、それぞれ25Nm/秒、105Nm/秒の流速でノズルから噴き出し、燃焼炎を形成した。
【0070】
次に原料二酸化チタンを2kg/時間の供給速度で、キャリアーガスとしての空気と共に最内管で搬送し、ノズルから噴き出した。この時、空気のノズル噴き出し流速は23Nm/秒、搬送する配管中でのレイノルズ数は23,000であった。固体を含む燃焼後のガスをバッグフィルターに送り、粉体を捕集した。こうして得られた粉体は、白色であり、(株)島津製作所製レーザー式粒度分析計SALD−2000Jを用いて粒度分析を実施したところ、平均粒径が9μmである球状粉体が得られた。また(株)島津製作所製プラズマ発光分析装置ICPS−7500を用いて、Fe、Cr、Ni、Al、Si、Zrを分析したところ、Feは7質量ppm、Alは3質量ppm、Siは26質量ppm、Cr,Ni,Zrはいずれも検出限界以下であった。同様にSを分析したところ、5質量ppmであった。また、平沼産業株式会社製自動的滴定装置C−500を用いてClの分析をしたところ、0.02質量%であった。また、この粉体の密度及び球形度を実施例1と同様に求めたところ、3.75g/cm3、0.96であった。
【0071】
実施例3:
LPGと酸素を同軸三重管の中間管と最外管とから、それぞれ45Nm/秒、115Nm/秒の流速でノズルから噴き出し、燃焼炎を形成した。
【0072】
次に実施例1で用いたBET換算粒子径300nmの原料二酸化チタンと、同じく実施例2で用いたBET換算粒子径10nmの原料二酸化チタンを1:1の質量割合で混合し、それを3kg/時間の供給速度で、キャリアーガスとしての窒素と共に最内管で搬送し、ノズルから噴き出した。この時、窒素のノズル噴き出し流速は30Nm/秒、搬送する配管中でのレイノルズ数は31,000であった。固体を含む燃焼後のガスをバッグフィルターに送り、粉体を捕集した。こうして得られた粉体は、白色であり、(株)島津製作所製レーザー式粒度分析計SALD−2000Jを用いて粒度分析を実施したところ、平均粒径は90μmであった。また(株)島津製作所製プラズマ発光分析装置ICPS−7500を用いて、Feを分析したところ6質量ppm、Sを分析したところ6質量ppmであった。同様にCr、Ni、Al、Si、Zrを分析したところ、Alは3質量ppm、Siは20質量ppm、Cr,Ni,Zrはいずれも検出限界以下であった。また、平沼産業株式会社製自動的滴定装置C−500を用いてClの分析をしたところ、60質量ppmであった。また、この粉体の密度及び球形度を実施例1と同様に求めたところ、3.84g/cm3、0.92であった。
【0073】
実施例4:
実施例3で得られた粉体、すなわち平均粒径が90μmの球状二酸化チタン粉体8gを純水76g中に混合してスラリーとした。このスラリーにバインダーとしてアクリルシリコン樹脂エマルジョン:SX8172(A)−01(JSR株式会社製)16gを添加して球状二酸化チタン含有塗工剤Aを作製した。
【0074】
一方、実施例3で使用したBET換算粒子径300nmの原料二酸化チタンとBET換算粒子径100nmの原料二酸化チタンを1:1の質量割合で混合した粉体8gを純水76g中に混合してスラリーとして、同様にバインダーとしてアクリルシリコン樹脂エマルジョン:SX8172(A)−01(JSR株式会社製)16gを添加して二酸化チタン含有塗工剤Bを作製した。
【0075】
次にこれら2種の塗工剤をポリエステル不織布:マリックス10706WTD(ユニチカ株式会社製)に含浸させ、ローラーで絞った後に、24時間自然乾燥させ、不織布サンプルA(球状二酸化チタン含有塗工剤A塗布)と不織布サンプルB(二酸化チタン含有塗工剤B塗布)を得た。塗工前後の不織布の質量をはかり、増加分より、それぞれの二酸化チタンの塗布量を算出した。その結果を表1に示した。
【0076】
上記で得たそれぞれの不織布サンプルを210mm×300mmの大きさにして、テドラーバッグ(ジーエルサイエンス株式会社製、AAK−5:5L容量)内に起き、硫化水素60体積ppm含有する乾燥空気を5L充填した。次いで、ブラックライト:FL205.BL,20W(日立株式会社製)で不織布サンプルに365nmにおける紫外線強度が0.5mW/cm2になるように紫外線を照射し、4時間後の硫化水素の濃度を検知管:No.4LL(株式会社ガステック製)で測定した。その結果を表1に示した。
【0077】
上記の不織布サンプルに促進暴露装置:サンテストCPS+(ATLAS製)で50mW/cm2の光をあて24時間後の繊維の着色を調べた。その結果を表1に示した。これらの結果より本発明で得られた二酸化チタン粉体の光触媒用途として優れていることがわかる。
【0078】
【表1】
Figure 0004155750
【0079】
比較例1:
TiO2分を200g/l含む硫酸チタニル水溶液を80℃に加熱し、攪拌しつつNaOH水溶液をpH4になるまで滴下した後、80℃で30分間熟成した。この液を、TiO2にして200g/l含む硫酸チタニル水溶液にTiO2添加量として0.4質量%となるよう添加した。これを攪拌しつつ加熱し6時間沸騰させ、加水分解した。この後、濾過、水洗し、得られた固形物を外熱式ロータリーキルンにて焼成した。これによってBET換算粒子径150nm、レーザー式粒度分析による平均粒度250nmの二酸化チタンが得られた。
【0080】
一方で、LPGと酸素を同軸三重管の中間管と最外管とから、それぞれ90Nm/秒、210Nm/秒の流速でノズルから噴き出し、燃焼炎を形成した。
【0081】
次に上記液相法によって得られたBET換算粒子径150nm、レーザー式粒度分析による平均粒度250nmの二酸化チタンを3kg/時間の供給速度で、キャリアーガスとしての空気と共に最内管で搬送し、ノズルから噴き出した。なお、この液相法二酸化チタンはSを40質量ppm、Feを10質量ppm含んでいた。この時、空気のノズル噴き出し流速は60Nm/秒、搬送する配管中でのレイノルズ数は62,000であった。固体を含む燃焼後のガスをバッグフィルターに送り、粉体を捕集した。こうして得られた粉体は、白色であり、(株)島津製作所製レーザー式粒度分析計SALD−2000Jを用いて粒度分析を実施したところ、平均粒径は310μmであった。粒子形状は粒子が不完全に溶融し、融着したと見られる不規則形状粒子も含んでいた。(株)島津製作所製プラズマ発光分析装置ICPS−7500を用いて、Feを分析したところ350質量ppm、Sを分析したところ35質量ppmであった。また、この粉体の密度及び球形度を実施例1と同様に求めたところ、3.52g/cm3、0.76であった。
【0082】
比較例2:
TiO2分を200g/l含む硫酸チタニル水溶液を80℃に加熱し、攪拌しつつNaOH水溶液をpH4まで滴下した後、80℃で30分間熟成した。この液を、TiO2にして200g/l含む硫酸チタニル水溶液にTiO2添加量として1質量%となるよう添加した。これを攪拌しつつ加熱し4時間沸騰させ、加水分解した。この後、濾過、水洗し、得られた固形物を外熱式ロータリーキルンにて焼成した。これによってBET換算粒子径50nm、レーザー式粒度分析による平均粒度400nmの二酸化チタンが得られた。
【0083】
LPGと酸素を同軸三重管の中間管と最外管とから、それぞれ25Nm/秒、105Nm/秒の流速でノズルから噴き出し、燃焼炎を形成した。
【0084】
次に液相法によって得られたBET換算粒子径50nm、レーザー式粒度分析法による平均粒度400nmの二酸化チタンを3kg/時間の供給速度で、キャリアーガスとしての空気と共に最内管で搬送し、ノズルから噴き出した。この時、空気のノズル噴き出し流速は40Nm/秒、搬送する配管中でのレイノルズ数は46,000であった。固体を含む燃焼後のガスをバッグフィルターに送り、粉体を捕集した。こうして得られた粉体は、白色であり、(株)島津製作所製レーザー式粒度分析計SALD−2000Jを用いて粒度分析を実施したところ、平均粒径は220μmであった。また(株)島津製作所製プラズマ発光分析装置ICPS−7500を用いて、Feを分析したところ200質量ppm、Sを分析したところ10質量ppmであった。また、この粉体の密度及び球形度を実施例1と同様に求めたところ、3.32g/cm3、0.80であった。
【0085】
比較例3:
実施例1で用いたBET換算粒子径300nm、レーザー式粒度分析法による平均粒子径0.6μmの二酸化チタンを石英製容器にいれ、電気炉で1100℃48時間、静置焼成した。これを乳鉢で粉砕し、(株)島津製作所製レーザー式粒度分析計SALD−2000Jを用いて粒度分析を実施したところ、平均粒径が20μmの白色粉体を得た。この粉体を(株)島津製作所製プラズマ発光分析装置ICPS−7500を用いてを分析したところ、Feは10質量ppm、Siは60質量ppmであった。また、この粉体の密度及び球形度を実施例1と同様に求めたところ、3.85g/cm3、0.88であった。
【0086】
【発明の効果】
本発明の二酸化チタンは、産業的に利用分野の広い5μm〜200μmの範囲の平均径を持ち、高純度で分散性に優れている為、有機重合体組成物や塗料、化粧料などとして使用する際に好適で、さらに光触媒用粉体、セラミックス成形体原料、誘電体原料、ルチル単結晶原料などとしても極めて好適に使用できる。本発明では、このような分散性・高純度を併せ持つ二酸化チタン及びその製造方法が提供される。
【0087】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する原料二酸化チタンの製造方法を実施する反応装置の一例を模式的に示す概略図である。
【図2】本発明の製造方法を実施する反応装置の一例を模式的に示す概略図である。
【符号の説明】
1 同軸平行流ノズル部
2 予熱器
3 反応管
4 バグフィルター
5 原料フィーダー&ホッパー
6 原料キャリアーガス
7 可燃性ガス
8 酸化性ガス
9 燃焼帯
10 製品捕集器
11 排ガス
12 製品ホッパー

Claims (11)

  1. 原料二酸化チタンを火炎中に導入して二酸化チタンを製造する方法であって、原料二酸化チタンが、配管内レイノルズ数10,000以上の乱流状態にあるキャリアーガスによって気流分散・運搬され、高温火炎中に導入され、かつ、原料キャリアーガスのノズルの噴き出し流速が8Nm/秒(Nは標準状態を意味する。Nm/秒は、ノズルから噴出するガスの流量を標準状態に換算した流量(Nm 3 /秒)を、ノズルの噴出口の面積(m 2 )で除して得た流速を示す。)以上であり、可燃性ガスのバーナーノズルの噴き出し流速が原料キャリアーガスのノズル噴き出し流速の0.8倍〜4倍、酸化性ガスのバーナーノズル噴き出し流速が原料キャリアーガスのノズル噴き出し流速の1.3倍〜11倍の範囲にあり、かつ酸化性ガスの噴き出し流速が可燃性ガスの噴き出し流速より大きいこと、並びに、製造された二酸化チタンが、レーザー式粒度分析法によって測定される平均粒径が5〜200μmの範囲内であり、TiO 2 としての純度が99.5質量%以上であり、Fe、Ni、Cr、Al及びZrがそれぞれ20質量ppm以下、Siが40質量ppm以下、Clが0.05質量%以下、及びSが50質量ppm以下であることを特徴とする二酸化チタンの製造方法。
  2. 二酸化チタンの密度が、3.7g/cm3以上である請求項1に記載の二酸化チタンの製造方法
  3. 二酸化チタンが、光触媒能を有する請求項1乃至2のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法
  4. 二酸化チタンが、下式(1)
    球形度=(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周長)/(粒子投影像の輪郭の長さ)・・・・・・(1)
    で定義される球形度が0.9以上の粒子である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法
  5. 原料二酸化チタンが、四塩化チタンを含有するガス及び酸化性ガスをそれぞれ500℃以上に予熱し、それぞれ流速10m/秒以上で反応管に供給することにより反応させて得られる二酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二酸化チタンの製造方法。
  6. 反応が、反応管内の600℃を越える温度領域に3秒以下の時間、四塩化チタンを含有するガス及び酸化性ガスを滞留させて行なわれる請求項に記載の二酸化チタンの製造方法。
  7. 原料二酸化チタンが、BET換算粒子径7〜500nm、レーザー式粒度分析法によって測定される平均粒子径0.4〜10μmであって、Fe、Ni、Cr、Al及びZrをそれぞれ20質量ppm以下、Siを40質量ppm以下、Clを1質量%以下、及びSを200質量ppm以下含む二酸化チタンである請求項4〜6のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法。
  8. 原料二酸化チタンが、Fe、Ni、Cr、Al及びZrをそれぞれ20質量ppm以下、Siを40質量ppm以下、Clを1質量%以下、及びSを200質量ppm以下含む気相法二酸化チタンであって、BET換算粒子径7〜500nm及びレーザー式粒度分析法によって測定される平均粒子径0.4〜10μmである二酸化チタンと、BET換算粒子径150〜1000nm及びレーザー式粒度分析法によって測定される平均粒子径0.5〜20μmである二酸化チタンとの混合粉体であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法。
  9. 可燃性ガスが、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレン、ブタン、LPG、水素、一酸化炭素のいずれか、あるいはその混合気体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法。
  10. 酸化性ガスが、酸素を15体積%以上100体積%以下含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法。
  11. 原料二酸化チタンが、キャリアーガスと共に火炎の上流部から燃焼ガスの下流方向に噴出される請求項1〜10のいずれか一項に記載の二酸化チタンの製造方法。
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