JP4104440B2 - ビーズクッション - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はビーズクッションに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、布製の袋等の袋体の内部に発泡粒子を封入したビーズクッションが、クッション、ソファー、枕等として供されている。ビーズクッションは、袋体内で発泡粒子が自由に動くことにより、着座時などにその衝撃を吸収し、体型に合った座面に容易に変形する。また、着座時における体圧分布の多方向への分散性が良好であることなどから座り心地に優れている。また、ビーズクッションを敷き布団として使用した場合には、褥そう防止などにも効果が見られる。
【0003】
このようなビーズクッションに使用される発泡粒子としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂を発泡したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。これらの中でも、安価な発泡ポリスチレンの粒子が多く使用されている。
【0004】
【特許文献1】
登録実用新案3081750号公報(第4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のビーズクッションの場合、クッション性の維持が困難であり、比較的短時間で座り心地が悪くなりやすい。
【0006】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、長時間又は繰り返し使用した場合であっても、優れたクッション性を維持することができ、座り心地の悪化を抑制可能なビーズクッションを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のビーズクッションは、イソペンタンを含浸させたポリ乳酸系樹脂粒子を発泡させて得られる、粒子中に平均直径10〜300μmの独立気泡を有し、嵩密度が0.01〜0.1g/cm3、平均粒子径が0.2〜10mmであるポリ乳酸系発泡粒子であって、荷重を加えて、該ポリ乳酸系発泡粒子の平均直径を荷重を加える前の10%にまで圧縮した後、荷重を除いてから1分経過したときの平均直径の復元率が70%以上であるポリ乳酸系発泡粒子を、袋体に封入してなることを特徴とする。
【0008】
本発明のビーズクッションによれば、粒子中の独立気泡の平均直径、嵩密度、平均粒子径がそれぞれ上記の範囲にあるポリ乳酸系発泡粒子を用いることにより、嵩の減少が抑制されるとともに、発泡粒子を圧縮したときの復元性が高水準に維持される。従って、長時間又は繰り返し使用した場合であっても、優れたクッション性を維持することができ、座り心地が悪化する現象を十分に抑制することが可能となる。
【0009】
また、従来のビーズクッションに用いられるポリスチレン系発泡粒子等は発泡剤(有機溶剤等)の保持性が低いため、逸散した発泡剤の人体への影響が懸念されるが、これに対して、本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子は、発泡剤の保持性が十分に高いものである。従って、本発明のビーズクッションは、人体に対して十分に高い安全性を有する点においても非常に有用である。
【0010】
さらに、本発明において用いられるポリ乳酸は、燃焼カロリーがポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の1/3〜1/2と低く、燃焼時にダイオキシン、煤、刺激臭等を発生しないものである。従って、本発明のビーズクッションを廃棄する際には、既存の焼却炉で焼却することができ、その場合に焼却炉が傷められることもない。
【0011】
またさらに、本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子は生分解性を有することから、土中又は水中の微生物によって炭酸ガスと水とに分解されるので、埋め立て処理が可能である。
【0012】
本発明のビーズクッションにおいては、ポリ乳酸系発泡粒子に荷重を加え、ポリ乳酸系発泡粒子の平均直径を荷重を加える前の10%にまで圧縮した後、荷重を除いてから1分経過したときの復元率が70%以上であることが好ましい。かかる復元率を有するポリ乳酸系発泡粒子を用いることにより、クッション性をさらに高めることができ、座り心地が悪化する現象をより確実に抑制することができる。
【0013】
また、本発明のビーズクッションにおいては、ポリ乳酸系発泡粒子が所定の発泡剤を含浸させたポリ乳酸系樹脂粒子を発泡させることにより得られたものであり、発泡後180日経過時にポリ乳酸系発泡粒子に保持されている発泡剤量が、発泡後1日経過時にポリ乳酸系発泡粒子に保持されている発泡剤量の80%以上であることが好ましい。発泡剤の保持性が上記条件を満たすポリ乳酸系発泡粒子を用いることで、人体に対する安全性をより高水準で達成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
本発明のビーズクッションは、粒子中に平均直径10〜300μmの独立気泡を有し、嵩密度が0.01〜0.1g/cm3、平均粒子径が0.2〜10mmであるポリ乳酸系発泡粒子を、袋体に封入してなることを特徴とする。
【0016】
本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子の材料であるポリ乳酸系樹脂は、L−乳酸及び/又はD−乳酸の直接重合、あるいはL−ラクチド及び/又はD−ラクチドの開環重合等により得ることができる。ポリ乳酸系樹脂を合成するに際し、原料化合物として市販のL−乳酸等を用いることができるが、これらの原料化合物は予め再結晶等により精製しておくことが好ましい。当該ポリ乳酸系樹脂を構成するL−体/D−体のモル比は、95/5〜60/40又は40/60〜5/95であることが好ましい。
【0017】
このようにして得られるポリ乳酸は生分解性を有する。生分解性の指標となる生分解度は、JIS K 6950、6951又は6953で試験して求められる。本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子の生分解度は90%以上であることが好ましい。
【0018】
ポリ乳酸は、室温中などの通常の使用範囲では、一切の分解が行われず、初期の樹脂物性、性能を保持している。しかし、ポリ乳酸は高温・高湿下に置かれると加水分解反応を起こし、分子量が低下してくる。当該加水分解反応により、ポリ乳酸の分子量がある値以下になると、微生物による急速な生分解反応を生じ、ポリ乳酸は最終的に水と炭酸ガスにまで分解される。ここでの高温・高湿下とは、家庭用のコンポスト内での条件で十分であり、温度がおよそ50℃以上、湿度がおよそ90%以上あれば、当該加水分解反応は急速に進行する。
【0019】
本発明で用いられるポリ乳酸系樹脂は、ポリ乳酸のみからなるものであってもよく、ポリ乳酸以外にポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリカプロラクトン等の他の生分解性樹脂を含んで構成されていてもよい。また、生分解性等に支障のない範囲であれば、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂を含んでもよい。
【0020】
さらに、ポリ乳酸系樹脂を粘度増加剤と反応混練してポリ乳酸系樹脂組成物として用いてもよい。かかる粘度増加剤としては、ジフェニルメタンポリイソシアネート等のポリイソシアネートが好ましく用いられる。
【0021】
本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子の製造方法は、得られるポリ乳酸系発泡粒子の嵩密度、平均粒子径及び独立気泡の平均直径が上記の範囲内であれば特に制限されないが、例えば、上述のポリ乳酸系樹脂粒子と水との混合系において、所定の発泡剤をポリ乳酸系樹脂粒子に含浸させた後、該樹脂粒子を加熱して発泡させる方法が挙げられる。かかる発泡剤としては、人体への安全性を考慮して、ペンタン、ブタン等の脂肪族炭化水素が好ましい。また、ポリ乳酸系発泡粒子から発泡剤がほとんど逸散しないといった観点からは、イソペンタン、イソブタン等の脂肪族炭化水素がより好ましく、さらに、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類等の発泡助剤を使用しない系が好ましい。本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子においては、ポリスチレン系発泡粒子の場合と異なり、発泡剤等が空気中へ逸散することはほとんどないので、ポリ乳酸系発泡粒子をビーズクッションに使用した場合、室内空間への発泡剤による汚染等を抑制できる。
【0022】
本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子はその内部に独立気泡を有するもので、当該独立気泡の平均直径は、10〜300μmであることが必要であり、好ましくは50〜200μmである。独立気泡の平均直径が上記範囲外の場合には、ポリ乳酸系発泡粒子を圧縮したときの復元性が劣る。なお、ここでいう独立気泡とは、略球状の気泡同士が繋がっておらず、気泡同士が樹脂の壁で仕切られているものを意味する。
【0023】
また、本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子の嵩密度は、0.01〜0.1g/cm3であることが必要であり、好ましくは0.015〜0.05g/cm3である。嵩密度が0.01g/cm3未満の場合には、ポリ乳酸系発泡粒子が過剰に柔らかくなり、また、へたり易くなる。他方、0.1g/cm3を超える場合には、ポリ乳酸系発泡粒子が過剰に硬くなって風合いが低下する。
【0024】
さらに、本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子の平均粒子径は、0.2〜10mmであることが必要であり、好ましくは0.5〜2.0mmである。平均粒子径が0.2mm未満の場合には、ポリ乳酸系発泡粒子のハンドリング性が悪くなる他、袋体に封入した際にポリ乳酸系発泡粒子が袋体から漏れやすくなる等の不具合が生じ易くなる。他方、平均粒子径が10mmを超える場合には、ポリ乳酸系発泡粒子の袋内部での流動性が低下し、風合いが著しく低下する。
【0025】
本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子において、ポリ乳酸系発泡粒子に荷重を加え、ポリ乳酸系発泡粒子の平均直径を荷重を加える前の10%にまで圧縮した後、荷重を除いてから1分経過したときの復元率が70%以上であることが好ましい。かかる復元率が70%未満の場合には、クッション性の維持が困難となり、座り心地が悪化する傾向がある。なお、ここでいう復元率とは、荷重を除いてから所定時間経過時の発泡粒子の平均粒子径を、荷重を加える前の発泡粒子の平均粒子径で除した値を百分率で表した値のことをいう。
【0026】
本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子としては、上述のように所定の発泡剤を用いてポリ乳酸系樹脂粒子を発泡させることにより得られたものが好ましく用いられるが、このようなポリ乳酸系発泡粒子においては、発泡後180日経過時にポリ乳酸系発泡粒子に保持されている発泡剤量が、発泡後1日経過時にポリ乳酸系発泡粒子に保持されている発泡剤量の80%以上であることが好ましい。発泡剤の保持性が上記条件を満たすポリ乳酸系発泡粒子を用いることで、人体に対する安全性をより高水準で達成することができる。
【0027】
本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子は、ポリスチレン系発泡粒子等と比較して、極めて優れた復元性を有する。このようなポリ乳酸系発泡粒子を袋体に封入してなる本発明のビーズクッションは、長時間又は繰り返し使用した場合であっても、優れたクッション性を維持することができ、座り心地が悪化する現象を十分に抑制することが可能となる。従って、本発明のビーズクッションはクッション、ソファー、枕、布団等として好適に利用することができる。
【0028】
ポリ乳酸系発泡粒子を封入する袋体の材質としては、布、シート、フィルム等からなるものを適宜使用でき、これらの袋体の素材には伸張性を付与してもよい。伸張性の糸としては、例えばポリエステルとポリエーテルを共重合した糸、ゴム糸、ポリウレタン弾性繊維等の高伸縮性の弾性糸(スパンデックス)等が挙げられる。非伸張性の糸としては、例えばナイロン、レーヨン、ポリエステル、アクリル等の通常の化学繊維糸、又は天然繊維糸を用いて編成方法により伸張性を制御したものが挙げられる。
【0029】
袋体へのポリ乳酸系発泡粒子の封入量は、使用目的、袋体の材質等により適宜選択されるが、袋体の容積1L当たりのポリ乳酸系発泡粒子は0.5〜1Lであることが好ましい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0031】
実施例1
以下の手順に従って、ポリ乳酸系発泡粒子を作製した。
【0032】
まず、市販のL−ラクチド及びD−ラクチドについて、酢酸エチルを用いた再結晶により精製を行った。精製したL−ラクチド及びD−ラクチドを、D体比率が10モル%になるように混合し、攪拌機付きオートクレーブに仕込んだ。さらに、触媒として、スズの添加量が10ppmとなるようにオクチル酸スズを添加し、減圧脱気した後、N2雰囲気下でラクチドの開環重合を行った。反応終了後、オートクレーブから内容物を取り出し、含有水分が1000ppm以下になるまで乾燥させた。このようにして得られたポリ乳酸に、粘度増加剤としてイソシアネート基2.8当量のジフェニルメタンポリイソシアネートを、乾燥後のポリ乳酸に対して1重量%となるようにブレンドした後、2軸混練機に供給し、回転数100rpm、溶融温度180℃、滞留時間3〜5分、吐出量10kg/hの条件下で反応混練した。反応混練後、2軸混練機から内容物を取り出し、ダイスより押し出しカットして、直径約1mmのポリ乳酸系樹脂組成物粒子を得た。
【0033】
得られたポリ乳酸系樹脂組成物粒子100部と水50部との混合系において、ポリ乳酸系樹脂組成物粒子100部に対して発泡剤としてのイソペンタン100部を含浸させた。含浸は攪拌機付きオートクレーブにて90℃で約1時間保持することにより行い、含浸直後の水分量が0.9重量%、含浸直後の発泡剤量が5.9重量%のポリ乳酸系発泡性樹脂粒子を得た。
【0034】
発泡剤が含浸されたポリ乳酸系発泡性樹脂粒子について、25℃の乾燥空気を、ポリ乳酸系発泡性樹脂粒子1kg当たり2L/分の量で通風して12時間乾燥を行った。乾燥後、85〜95℃の水蒸気により、ポリ乳酸系発泡性樹脂粒子を30秒間加熱して発泡させ、ポリ乳酸系発泡粒子とした。得られたポリ乳酸系発泡粒子の独立気泡の平均直径は70μm、嵩密度は0.035g/cm3、平均粒子径は約3mmであった。
【0035】
比較例1
発泡性ポリスチレンビーズ(KM、鐘淵化学製)を入手し、水蒸気によりこれを加熱して発泡させ、ポリスチレン系発泡粒子とした。得られたポリスチレン系発泡粒子の独立気泡の平均直径は90μm、嵩密度は0.035g/cm3、平均粒子径は約2.5mmであった。
【0036】
(クッション性能試験)
実施例1及び比較例1の発泡粒子のうち、発泡後30日経過時の発泡粒子及び発泡後180日経過時の発泡粒子について以下の試験を行った。
【0037】
まず、発泡粒子を正確に3L測定し、内容積4Lの布製の袋に封入し、ビーズクッションを作製した。その後、作製したビーズクッションに、荷重として40kgの重石を載せ、8時間放置した後、重石を取り除き16時間放置する操作を行った。このような操作を10日間繰り返した後、袋内から発泡粒子を取り出し、各発泡粒子の容積を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004104440
【0039】
表1に示したように、実施例1のビーズクッションでは、10日後においても容積の減少はほとんどなかったのに対して、比較例1のビーズクッションでは、10日後において、15%以上の容積の減少が見られた。
【0040】
(発泡粒子の復元性試験)
実施例1及び比較例1の発泡粒子のうち、発泡後30日経過時の発泡粒子及び発泡後180日経過時の発泡粒子について以下の試験を行った。発泡粒子の平均粒子径を測定した後、発泡粒子に荷重を加え、荷重を加える前の発泡粒子の平均粒子径の10%にまで圧縮し、荷重を除いてから1分、10分、1時間及び10時間経過時の平均粒子径を測定した。荷重を除いてから1分、10分、1時間及び10時間経過時の平均粒子径を、荷重を加える前の発泡粒子の平均粒子径で除した値を百分率で表した値を復元率とした。得られた結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
Figure 0004104440
【0042】
表2に示したように、実施例1では、発泡後30日経過時の発泡粒子及び発泡後180日経過時の発泡粒子のいずれも、荷重を除いてから1分経過した時の復元率は70%以上を示した。また、荷重を除いてから10時間経過時まで、発泡後30日経過時の発泡粒子と発泡後180日経過時の発泡粒子との復元性に有意差は認められなかった。
【0043】
他方、比較例1では、発泡後30日経過時の発泡粒子及び発泡後180日経過時の発泡粒子のいずれも、荷重を除いてから1分経過した時の復元率は50%程度と低く、また、明らかに発泡後30日経過時の発泡粒子の復元性が悪かった。
【0044】
ポリスチレン系発泡粒子の場合、後述する試験結果から、発泡後180日経過時と比較して発泡後30日経過時のポリスチレン系発泡粒子に発泡剤及び発泡助剤が多く残留している。このような残留した発泡剤及び発泡助剤が可塑剤として作用するために、発泡後30日経過時のポリスチレン系発泡粒子は、一層へたり易くなっているものと推定された。
【0045】
また、実施例1では、発泡後30日経過時の発泡粒子及び発泡後180日経過時の発泡粒子のいずれも、荷重を除いてから10時間経過した時の復元率は97%であったが、比較例1では、発泡後30日経過時の発泡粒子及び発泡後180日経過時の発泡粒子のいずれも、荷重を除いてから10時間経過した時の復元率は70%程度であった。
【0046】
(発泡粒子の発泡剤、発泡助剤の保持性試験)
発泡後1日、30日、90日及び180日経過時の発泡粒子を約0.5g精秤した後、トルエンに溶解し、ガスクロマトグラフを使用して発泡剤及び発泡助剤の保持量を定法にて測定した。発泡後1日経過時の発泡粒子の発泡剤及び発泡助剤の保持量を100として、発泡後30日、90日及び180日経過時の発泡粒子の発泡剤及び発泡助剤の保持量を比率で表した。得られた結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
Figure 0004104440
【0048】
表3に示したように、実施例1では、発泡後180日経過時にポリ乳酸系発泡粒子に保持されている発泡剤量が、発泡後1日経過時にポリ乳酸系発泡粒子に保持されている発泡剤量の80%以上を示し、発泡剤がほとんど逸散せずに、室内空間への発泡剤による汚染が抑制されることが確認された。他方、比較例1では、発泡剤及び発泡助剤の種類によって、発泡粒子に保持されている発泡剤及び発泡助剤の量が急激に減少する現象や長期にわたって徐々に減少する現象が見られるが、発泡後180日経過時にポリ乳酸系発泡粒子に保持されている発泡剤及び発泡助剤の量は、発泡後1日経過時にポリ乳酸系発泡粒子に保持されている発泡剤及び発泡助剤の量の30%以下と低い値を示した。
【0049】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、長時間又は繰り返し使用した場合であっても、優れたクッション性を維持することができ、座り心地が悪化する現象を十分に抑制することが可能なビーズクッションが実現される。また、本発明のビーズクッションは、人体に対して十分に高い安全性を有する点においても非常に有用である。さらに、本発明のビーズクッションを廃棄する際には、既存の焼却炉で焼却することができ、その場合に焼却炉が傷められることもない。さらにまた、本発明にかかるポリ乳酸系発泡粒子は生分解性を有することから、土中又は水中の微生物によって炭酸ガスと水とに分解されるので、埋め立て処理が可能である。

Claims (2)

  1. イソペンタンを含浸させたポリ乳酸系樹脂粒子を発泡させて得られる、粒子中に平均直径10〜300μmの独立気泡を有し、嵩密度が0.01〜0.1g/cm3、平均粒子径が0.2〜10mmであるポリ乳酸系発泡粒子であって、荷重を加えて、該ポリ乳酸系発泡粒子の平均直径を荷重を加える前の10%にまで圧縮した後、荷重を除いてから1分経過したときの平均直径の復元率が70%以上であるポリ乳酸系発泡粒子を、袋体に封入してなることを特徴とするビーズクッション。
  2. 前記ポリ乳酸系発泡粒子は、発泡後180日経過時に前記ポリ乳酸系発泡粒子に保持されている発泡剤量が、発泡後1日経過時に前記ポリ乳酸系発泡粒子に保持されている発泡剤量の80%以上のものであることを特徴とする請求項1に記載のビーズクッション。
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