JP3899303B2 - 発泡成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性でありながら、高温条件下での耐久性、特に寸法安定性に優れた発泡成形体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、家電製品等の緩衝材には、ポリスチレン発泡成形体が主に用いられてきたが、ポリスチレンは、燃焼熱量が40.2kJ/gと非常に高く、一般の焼却炉で焼却すると炉を傷めてしまう上、限りある石油資源を原料としていることなどから、敬遠される傾向にある。近年、こういった諸事情を踏まえ、リサイクルを目的とした同業者組合が発足し、マテリアルリサイクルへの試みが行われているが、マテリアルリサイクルの用途の広がりが遅く回収品はだぶついているのが現状である。
【0003】
燃焼熱量が低く古い焼却設備での焼却処理や、土中に埋設したりコンポスト化することによって処分することができる緩衝発泡体として最近提案されているものとして、脂肪族ジカルボン酸とジオールの縮合によって得られる生分解性脂肪族ポリエステルを原料とする発泡体が提案されているが、この発泡体は、生分解性を有するものの、
(1)通常使用条件でも常在菌によって分解が進むため、使用環境によって寿命が著しく異なる。
(2)柔軟性を有するものの、耐荷重が低く、発泡スチロール並みの耐荷重を必要とする緩衝材の代替品としては適さない。
という欠点を有している。しかも、化石資源を原料にしていることなどから、地球資源保護、環境保全の見地からはポリエチレンやポリスチレンと何ら変わりが無い。
【0004】
一方、WO99/21915号公報において、ポリ乳酸を主たる原料とする発泡粒子成形体が提案されているが、これらの発泡成形体は、非石油資源である澱粉を乳酸発酵して得られたを乳酸を原料としているため、通常の使用条件では生分解しないが、コンポスト化が可能で、しかも発泡スチロール並みの耐荷重、緩衝性を有し、高温(60℃)における耐熱性にも優れている。しかし、高温高湿となる輸出時の船倉や真夏の炎天下での密閉空間における耐熱性に乏しく、特に高発泡倍率における寸法変化が著しく、高温高湿条件下に曝されるものの緩衝材には適さない。このため、当該発泡成形体の用途は、高温高湿下にさらされないものに限定されていた。
【0005】
【特許文献1】
国際公開第99/21915号パンフレット
【特許文献2】
特表平9−501456号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のごとき現状に鑑み為されたものであって、輸送時に高温高湿条件下に曝されても寸法変化が小さく、段ボール箱等の外装からの取出しが容易なポリ乳酸系樹脂発泡体からなる緩衝材を提供することを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリ乳酸系樹脂組成物を構成するポリ乳酸成分のD体/L体比率が8/92〜92/8であるポリ乳酸系樹脂に有機過酸化物を作用させた後、多官能イソシアネート、多官能エポキシ化合物、無水多塩基酸のいずれか一つまたは2つ以上を作用させたポリ乳酸系樹脂組成物に発泡ガスを含浸し、発泡、成形することによって、高発泡倍率でありながら、高温高湿条件下での体積変化を抑えることに成功し、本発明を完成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いるポリ乳酸系樹脂とはモノマー単位として少なくとも60モル%の乳酸を含有するものである。乳酸のD体またはL体の比率が8%に満たないと予備発泡時に結晶化が進んで水蒸気(蒸気圧=〜150kPa)による成形が困難になるので、ポリ乳酸系樹脂のD/L比率は8/92〜92/8であることが必要である。
【0009】
本発明に用いるポリ乳酸系樹脂発泡成形体を構成するポリ乳酸系樹脂組成物は、上記ポリ乳酸系樹脂を51%以上含有していれば特に限定されない。好ましいポリ乳酸系樹脂の含有量は70%以上である。
【0010】
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物には、主剤であるポリ乳酸系樹脂にコンパウンド可能であれば、所望の発泡倍率や成形性、を損なわない範囲で、他のコンポスト化可能な合成高分子、天然高分子やその誘導体を混合しても良い。
【0011】
コンパウンド可能な合成高分子としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のビニル系樹脂、ポリエチレングリコール、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸等の脂肪族ポリエステル類、ポリエチレンテレフタレートアジペート、ポリブチレンテレフタレートアジペート、ポリブチレンテレフタレートサクシネート、ポリブチレンテレフタレートサクシネート等の脂肪族芳香族ポリエステル類が挙げられる。また、これらのうち2つ以上をブレンドまたは共重合したものや、架橋増粘した樹脂を用いてもよい。
【0012】
混合し得る天然高分子およびその誘導体としては、例えば、セルロース、アセチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、キチン、キトサンなどのセルロース誘導体、ポリ−L−ロイシン、ポリ−L−リジン、ポリアスパラギン酸等のポリアミド類、ゼラチン、コラーゲン、グルテン、ゼインの蛋白質等が挙げられる。
【0013】
本発明に用いるポリ乳酸系樹脂組成物には、発泡セルの均一化、細孔化を目的として、無機粉体等の気泡調整剤(発泡核剤)を添加しても良い。具体的には、タルク、雲母、粘土鉱物、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム/クエン酸等が使用可能であるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0014】
また、本発明に用いるポリ乳酸系樹脂組成物には、コンパウンド時、または発泡性ガス含浸時に着色成分や機能性を付与する成分を併せて添加しても良い。例えば、制電剤、芳香剤、消臭剤、防腐剤、抗菌剤、染料、顔料等をコンパウンドまたは含浸することが可能である。
【0015】
本発明に用いる有機過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−アミルペルオキシ)ヘキサン、4−(t−ブチルペルオキシ)−4−メチル−2−ペンタノール、ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、過酸化ジクミル、3,3−ビス(t−ブチルペルオキシ)酪酸エチル、3,3−ビス(t−アミルペルオキシ)酪酸エチル、および過酸化ジベンゾイルなどが挙げられる。
【0016】
架橋効率の観点からは、一分子中に2つ以上のパーオキサイド残基を有する有機過酸化物、具体的には2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−アミルペルオキシ)ヘキサン、3,3−ジ(t−ブチルペルオキシ)酪酸エチル、3,3−ビス(t−アミルペルオキシ)酪酸エチルが好ましく、取り扱いの容易さ、危険性の少なさ等の観点から、CaCO3等に担持させたものが特に好ましい。市販されているものとしては、日本油脂(株)製のパーヘキサ25B−40(担体中の過酸化物量が40%の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン)等が挙げられる。
【0017】
特表平9−501456号公報では、シート、フィルム向けのポリマー鎖間に十分な相互作用を達成してネッキングなどを抑制するのに十分であるようにレオロジー(伸び粘度特性)を改善するためには、通常、約0.01:1〜10:1(より好ましくは、0.05/1〜3/1)の有機過酸化物とポリマーのモル比を用いたときに、十分な量のポリマー相互作用が生じてレオロジーの改善が達成されると記述されているが、ポリ乳酸系発泡粒子においては、有機過酸化物単独では十分な発泡性を得るための伸び粘度特性が得られない。このため、本発明においては、求められる発泡倍率、寸法安定性のレベルによって異なるが、添加量は概ね0.02〜1質量%(対樹脂組成物)、好ましくは0.05%〜0.4%の範囲とし、末端基(水酸基、カルボキシル基)反応型の多官能架橋剤を併用して所望する伸び粘度特性を得る。
【0018】
有機過酸化物と併用する末端基反応型の架橋剤としては、有機過酸化物とは架橋機構の異なる樹脂の末端基と反応する架橋剤であれば特にその種類は問わない。例えば、多官能エポキシ化合物、無水多塩基酸類、多官能イソシアネート等が挙げられる。特に、2軸混練機等を用いたドライプロセスにおいては、混練時の機台への負荷が小さく、混練後に水分と徐々に反応してアロファネート結合やユリア結合により後架橋が可能なポリイソシアネート類が好適に用いられる。
【0019】
使用されるポリイソシアネート化合物としては、芳香族、脂環族、脂肪族系のポリイソシアネートがある。例えば、芳香族ポリイソシアネートとしてはトリレン、ジフェニルメタン、ナフチレン、トリジン、キシレン、トリフェニルメタンを骨格とするポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネートとしてはイソホロン、水素化ジフェニルメタンを骨格とするポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレン、リジンを骨格とするポリイソシアネート化合物があり、いずれも使用可能であるが、汎用性、取扱い性、耐候性等からトリレン、ジフェニルメタン、特にジフェニルメタンのポリイソシアネートが好ましく使用される。
【0020】
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物のコンパウンドは、どのような方法を用いて製造しても良いが、混練効率の良い2軸混練機を用いて行うのが最も一般的である。また、有機過酸化物と末端基反応型の架橋剤は、どちらを先に添加しても構わないが、同時添加すると有機過酸化物と末端基反応型架橋剤との直接反応が支配的になり、反応の制御が難しくなるので、何れかを先に添加して、ある程度混練した後に他方を混練する方が好ましい。
【0021】
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物の発泡粒子の製造方法は特に限定しない。例えば、WO99/21915号公報と同様に、ポリ乳酸系樹脂組成物に発泡性ガスを含浸した後、蒸気等で加熱して予備発泡粒子とし、成形することが出来る。
【0022】
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物の発泡粒子に含浸する発泡ガスとしては、窒素、二酸化炭素等の無機ガス、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン等の炭化水素類およびその混合物等が用いられる。フロンガス類も発泡ガスとして好適であるが、環境への配慮が必要な場合は避ける方が好ましい。
【0023】
発泡ガス含浸ビーズの予備発泡は、蒸気や熱風、高周波等によって発泡させる方法が適用できるが、発泡スチロール用の予備発泡機を用いる方法が最も簡便で一般的である。
【0024】
発泡粒子の成形は、予備発泡粒子を発泡スチロールや発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等の成形に用いる成形機を用いて行うのが最も簡便で一般的であるが、予備発泡粒子を経ず、金型内で発泡と成形を同時に行う事も出来る。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を用いて詳細に説明する。
<発泡粒子の見かけ比重>
発泡粒子の見かけ比重=発泡粒子の質量÷見かけの体積(2L)
とし、2Lの容器に発泡粒子を取り、その質量を測定して小数点以下第4位を四捨五入して小数点以下第三位まで求めた。
【0026】
<成形性>
成形時の水蒸気圧98.1kPa(1kg/cm2)、同一条件でで30cm×30cm×3cmのブロックを成形して半分に割ったときの断面を観察し、3cm角、3箇所について
融着率=粒子内で破断している発泡粒子数/断面の発泡粒子数×100%
の3箇所平均を算出、100%〜90%を○、90%〜80%を△、80%以下を×、特に成形ができなかったものを不可とした。
【0027】
<成形体の見かけ比重>
成形体の見かけ比重=質量÷見かけの体積
とし、約15cm×15cm×3cmの小片を切出し、その体積と質量から算出し、小数点以下第4位を四捨五入して小数点以下第三位まで求めた。
【0028】
<成形体の寸法安定性>
約15cm×15cm×3cmの小片を切出し、表裏縦横および厚みを正確に測定した後、60℃×80%RHの条件下に1週間放置した後、同様に表裏縦横および厚みを測定し、縦、横、厚みの寸法変化率を乗じて体積膨脹率を算出し、指標とした。
【0029】
(実施例1〜4および比較例1〜2)
異性体比率の異なる4種のポリ乳酸に各々パーヘキサ25B−40(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン40%含有:日本油脂(株)製)を所定量樹脂にまぶした後、二軸混練機(TEM35B、東芝機械(株))でシリンダ温度175℃にて混練し、水中カッターを用いて平均粒径1.3mmφの粒子を得た。
【0030】
これらのパーヘキサ架橋ポリ乳酸樹脂粒子にイソシアネート化合物「ミリオネートMR―200」(イソシアネート基2.7〜2.8当量/モル、日本ポリウレタン工業(株))を所定量添加しつつ二軸混練機(TEM35B、東芝機械(株))にてシリンダ温度175℃で混練し、水中カッターを用いて平均粒径1.3mmφの粒子とした後、45℃の温水中で熟成した。
【0031】
(実施例5)
二軸混練機としてBT−30−S2−42−L((株)プラスチック工学研究所,L/D=42)を用い、異性体比率(L/D)=90/10、1質量%クロロホルム溶液の溶液粘度(RV)=3.7のポリ乳酸とパーヘキサ25B−40の混合物をホッパーから投入し、シリンダ途中よりミリオネートMR−200を所定比率になるように添加して連続的に混練、水中カッターを用いて平均粒径2mmφの粒子とした後、45℃の温水中で熟成した。
【0032】
(実施例6)
ホッパーから異性体比率(L/D)=90/10、1質量%クロロホルム溶液の溶液粘度(RV)=3.7のポリ乳酸を、ホッパー脇からミリオネートMR−200を所定速度で添加して、シリンダ途中よりパーヘキサ25B−40を所定の比率になるように添加して混練、架橋反応を行った以外は、実施例5と同様にして、平均粒径2mmφの粒子を得、45℃温水中で熟成した。
【0033】
(参考例2〜4)
二軸混練機としてBT−30−S2−42−L((株)プラスチック工学研究所)を用い、ホッパーからポリ乳酸を投入し、パーヘキサ25B−40とミリオネートMR−200を樹脂に対して所定の比率になるように、シリンダ中央部より同時に添加して混練し、水中カッターを用いて平均粒径2mmφの粒子とした後、45℃の温水中で熟成した。
【0034】
(比較例3)
異性体比率(L/D)=90/10、1質量%クロロホルム溶液の溶液粘度(RV)=3.7のポリ乳酸にミリオネートMR―200を所定の比率になるように添加しつつ二軸混練機(TEM35B、東芝機械(株))にて混練し、水中カッターを用いて平均粒径1.3mmφの粒子とした後、45℃の温水中で熟成した。
【0035】
(比較例4〜7)
異性体比率(L/D)=90/10、1質量%クロロホルム溶液の溶液粘度(RV)=3.7のポリ乳酸に各々パーヘキサ25B−40(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン40%含有:日本油脂(株)製)を所定量樹脂にまぶした後、二軸混練機(TEM35B、東芝機械(株))でシリンダ温度175℃にて混練し、水中カッターを用いて平均粒径1.3mmφの粒子を得た。
【0036】
オートクレーブにこれらの実施例および比較例で得られたポリ乳酸系樹脂組成物粒子5000部、発泡剤としてイソブタン2000部、含浸助剤としてメタノール250〜500部を耐圧容器に仕込み、攪拌しつつ昇温して、85℃に3時間保持した。その後、25℃に冷却してから樹脂を取り出し、風乾して発泡ガス含浸粒子を得た。
【0037】
次いで発泡剤含浸ペレットを水蒸気(94℃、1分)で予備発泡させて発泡粒子とし、見かけ比重を求めた。
【0038】
実施例、比較例で得られた発泡粒子は、汎用の発泡スチロール用成形機で30cm×30cm×3cmの金型を用いて成形し、成形性を評価すると共に、成形可能なものについては見かけ比重と60℃、80%RHにおける体積膨張率を求めた。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
実施例1〜4、比較例1〜2から明らかなように、D体比率が8%以下では、発泡は条件を工夫することによって可能となるものの、成形が困難である。また、実施例1〜3と比較例3および比較例4〜7より、有機過酸化物単独では、添加量を単に増加させても発泡せず、イソシアネート単独では発泡はしても高温高湿下での体積膨張率が著しく大きく、見かけ比重0.05g/cm3以下の高倍率発泡と高温高湿下における寸法安定性の両立には有機過酸化物と末端反応型架橋剤の併用が必須であることが明かである。また、実施例4,6および参考例2〜4から、有機過酸化物と末端反応型の架橋剤は添加順によらずほぼ同等の性能が得られるが、これらを同時添加した場合の架橋構造を制御することは、2軸混練機によるドライプロセスでは困難であることがわかる。
【0041】
次に、実施例2および比較例3の発泡粒子を用いて、VHSビデオデッキの緩衝材を成形し、発泡スチロールの緩衝材の代りに用いて元の包材に格納した。これを60℃、80%RHで1週間処理した後、ビデオデッキを取出そうとしたところ、実施例2の成形品を用いた方は容易に取出すことができたが、比較例4の成形品を用いた方は段ボール箱が樽型に変形するほど膨脹しており、段ボール箱を破壊しないと取出せなかった。
【0042】
【発明の効果】
このように、本発明の製造方法に基づき適正な処方を選択することによって、40倍近い発泡倍率(見かけ比重0.025g/cm3)でありながら、高い寸法安定性を確保する事が可能となり、該発泡成形体を緩衝材として用いることにより、高温高湿下に曝される輸送条件に曝される用途にも対応できるポリ乳酸系樹脂発泡緩衝材が得られる。
Claims (2)
- D体/L体比率が8/92〜92/8であるポリ乳酸系樹脂組成物に(a)有機過酸化物、および(b)前記ポリ乳酸系樹脂組成物100質量部当たり1.4〜1.8質量部の多官能イソシアネートであって、(a)(b)のいずれかを先に添加した後に他方を添加して作用させた後、発泡ガスを含浸させ、発泡、成形することを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物発泡成形体の製造方法。
- 請求項1記載の製造方法によって得られるポリ乳酸系樹脂組成物発泡成形体であって、ポリ乳酸系樹脂組成物を構成するポリ乳酸成分のD体/L体比率が8/92〜92/8であり、見かけ比重が0.05g/cm3以下であって、かつ60℃、相対湿度80%、1週間後における体積膨張率が15%以下であるポリ乳酸系樹脂組成物発泡成形体。
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