JP4104114B2 - 湯切り可能な即席食品用容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱湯を注入するととにも湯切りをする即席焼きそばのような即席食品に好適な容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近はカップ麺等の即席食品が広く普及しており、中でも即席麺類は人気がある。即席麺類には、カップラーメンのように熱湯を注ぐだけのタイプと、カップ焼きそばのように熱湯を注いだ後に湯切りを行うタイプとがある。例えば即席焼きそばでは、蓋体を一部開封して容器内の焼きそばに熱湯を注いだ後蓋体を閉め、3分程度放置した後に湯切りを行い、ソースをかけて良く混ぜ、最後にふりかけをかけて食べるようになっている。
【0003】
湯切りができる容器として従来から種々のものが使用されている。その一つは、容器本体にシールすることなく被せるタイプの比較的強固なプラスチック製蓋体であって、その周辺部に複数の湯切り口が設けられているとともに、湯切り口の反対側に空気口が設けられている蓋体を有する容器である。このタイプでは、蓋体を閉めた状態で湯切りができるので、湯切りが簡単であるという利点がある。しかしながら、プラスチック製蓋体は容器本体にシールされていないので、密封性に劣るという欠点を有する。
【0004】
また密封性を有する即席焼きそば用の容器として、容器の開封用タブ部と湯切り口開放用タブ部とを有する容器が使用されている。この蓋体の層構成は、外側から順に主としてプラスチックフィルムと、紙と、アルミニウム箔と、シーラントフィルムとからなる。蓋体は、アルミニウム箔+シーラントフィルムの複合層のみに湯切り口を有し、プラスチックフィルム+紙の複合層には何の開口部もない部分と、その他の部分(全ての層に開口部がない)とからなり、両部分の間にはプラスチックフィルム+紙の複合層のみに設けられたミシン目がある。湯切り口を有する部分では、紙とアルミニウム箔とが容易に剥離するようになっている。
【0005】
このような蓋体を有する容器の即席焼きそばを食べる場合には、まず開封用タブ部を持って蓋体を所定の位置まで開封し、容器内の焼きそばに熱湯を注いだ後蓋体を閉める。所定時間放置した後、湯切り口開放用タブ部を持ち上げると、蓋体のうちプラスチックフィルム+紙の複合層はミシン目に沿って切れながら、アルミニウム箔+シーラントフィルムの複合層から剥離し、湯切り口が現れる。容器全体を傾斜すると、容器内の湯は湯切り口から排出され、湯切りが行われる。湯切り後に蓋体を全て剥離する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記シール式蓋体を有する容器の場合、蓋体が容器本体に完全にシールされているのみならず、湯切り口開放用タブ部により蓋体の一部を開封しない限り、湯切り口も密封されているので、食品の密封性に優れているという利点がある。しかしながらこのシール式蓋体は、湯切り口を有する部分の層構成が複雑であるのみならず、湯切り口を有する部分のみを開封するためのミシン目も必要であり、コスト高であるという欠点を有する。
【0007】
従って本発明の目的は、湯を注いだ後湯切りする即席食品用容器であって、密封性及び湯切り性が良く、低コストの容器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、容器本体に熱シールする蓋体の一端にタブ部を設けるとともに、そのタブ部の内側にコの字状切れ目を設けた構成にすると、タブ部を持ち上げて蓋体を部分的に開封することにより、コの字状切れ目の延長線に沿ってできた切れ目により複数の湯切り口ができることを発見した。本発明者はまた、容器本体に熱シールする蓋体の一端に、所定間隔の一対の直線状切れ目が両側に形成されたタブ部を設けた構成にすると、タブ部を持ち上げて蓋体を部分的に開封することにより、タブ部両側の直線状切れ目の延長線に沿ってできた切れ目により湯切り口ができることを発見した。本発明はかかる発見に基づき完成した。
【0009】
すなわち、湯を注いだ後湯切りする本発明の即席食品用容器は、容器本体とその上端フランジ部にシールされる蓋体とからなり、前記蓋体は外側から順に、 (a) 易引裂方向が一方向に向いたフィルムと、 (b) 紙シートと、 (c) 遮光性インク層又はアルミニウム箔と、 (d) 熱シール性を有するシーラントフィルムとからなり、前記蓋体は、その外周から外方に延びるタブ部と、前記タブ部に設けられた一対の直線状切れ目と、前記一対の直線状切れ目の間に設けられた実質的にコの字状の切れ目とが設けられており、前記コの字状切れ目は前記直線状切れ目と平行な一対の直線部と、両直線部を前記蓋体の外周側で連結する連結部とからなり、前記直線状切れ目の先端及び前記コの字状切れ目の直線部の先端はいずれも外周側から前記蓋体のシール部の幅の 30 50 %の範囲内に位置しており、かつ前記蓋体の易引裂方向は前記直線状切れ目及び前記コの字状切れ目の直線部の方向と実質的に一致しており、前記蓋体には引き剥がし停止マークが設けられており、前記タブ部を持って前記蓋体を前記容器本体から前記引き剥がし停止マークまで引き剥がすと、前記直線状切れ目及び前記コの字状切れ目の直線部のそれぞれ延長線に沿って前記蓋体が引き裂かれて、複数の湯切り口が形成されるようになっていることを特徴とする。
【0010】
前記コの字状切れ目の数は1〜6個であるのが好ましい。
【0011】
前記易引裂方向が一方向に向いたフィルムはポリエチレンテレフタレートからなるのが好ましい。前記シーラントフィルムは無数の微細孔を均一に有するポリエチレンフィルムからなるのが好ましい。隣接する層はポリエチレンの押出ラミネーションにより接着されているのが好ましい。
【0012】
前記蓋体は前記タブ部の他に第二のタブ部を有しており、前記第二のタブ部をもって前記蓋体を前記容器本体から引き剥がすことにより、前記容器本体内に湯を注ぐようになっているのが好ましい。前記第二のタブ部の両側に切れ目が設けられており、前記第二のタブ部を持って前記蓋体を前記容器本体から引き剥がすと、前記蓋体は前記切れ目から直線的に引き裂かれて部分的に開封されるようになっているのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に示すように、本発明の即席食品用容器は、焼きそば等の即席食品を入れる容器本体1と、容器本体1の上端フランジ部1aに熱シールされる蓋体2とからなる。
【0019】
[1] 即席食品用容器の構造
(A) 蓋体
(1) 形状
図1及び図2に示す実施例では、本発明の即席食品用容器に用いる蓋体2は実質的に円形状であり、第一のタブ部3と第二のタブ部4とはほぼ直径方向に対向する位置に設けられている。第一のタブ部3は湯切り口形成用であり、第二のタブ部4は蓋体2の開封用である。
【0020】
第一のタブ部3は、その両端部付近に設けられた一対の直線状切れ目5a,5bと、両直線状切れ目5a,5bの間に等間隔に形成された複数の実質的にコの字状の切れ目6とを有する。図3に詳細に示すように、各コの字状切れ目6は、一対の直線部6a,6aと、それらの連結部6bとからなり、切れ目6のコの字は、その開口部が蓋体2の内側に向くように配向している。そのため、一対の直線状切れ目5a,5b及び各コの字状切れ目6の直線部6aの先端は、いずれも蓋体2の内側に向いている。なお各切れ目6が「実質的にコの字」であるとは、正確にコの字である必要はなく、コの字又はUの字のように一対の直線部と連結部とからなる形状であれば良いことを意味する。
【0021】
図3(a) に詳細に示すように、一対の直線状切れ目5a,5b及び各コの字状切れ目6の直線部6aの先端はいずれも、蓋体2のシール部12(容器本体1の上端フランジ部1aに熱シールされる部分)内に位置していなければならない。というのは、(イ) 開封前は蓋体2は少しの隙間もなく容器本体1に熱シールされていなければならず、かつ(ロ) 湯切り口の形成のために第一のタブ部3を持って蓋体2を剥離する時には、図中にハッチングで示した部分15だけが剥離するように、その他の部分は容器本体1に密着していなければならないからである。
【0022】
図3(b) はハッチング部分15が開封された状態を示す。ハッチング部分15が剥離した後には、コの字状切れ目6により囲まれた部分及びその延長部分からなる帯片部16は、容器本体1の上端フランジ部1aに密着したまま残留する。これに対して、一対の直線状切れ目5a,5b及び各コの字状切れ目6の直線部6aの先端が蓋体2のシール部12内の位置にないと、第一のタブ部3を持って蓋体2を剥離する時に、一対の直線状切れ目5a,5b及び各コの字状切れ目6の直線部6aのそれぞれ延長線に沿って蓋体2が引き裂かれず、帯片部16も剥離されてしまう。
【0023】
連続した積層フィルムを打ち抜いて蓋体2を高速で製造する場合の公差は約1mm程度であるので、一対の直線状切れ目5a,5b及び各コの字状切れ目6の直線部6aの先端はいずれも、蓋体2のシール部12の中心線12aに関して外周側であるのが好ましく、外周側からシール部12の幅Dの30〜50%の範囲内であるのがより好ましい。
【0024】
第一のタブ部3を持って蓋体2を剥離する時に、一対の直線状切れ目5a,5b及び各コの字状切れ目6の直線部6aのそれぞれ延長線に沿って蓋体2が直線的に引き裂かれるようにする観点から、直線状切れ目5a,5b及び各コの字状切れ目6の直線部6aの方向は、蓋体2の易引裂方向と実質的に一致している必要がある。
【0025】
コの字状切れ目6の数は、一対の直線状切れ目5a,5bの間隔、及びコの字状切れ目6の幅等により適宜決められるが、焼きそばの場合には麺の太さ等を考慮して、1〜6個が好ましく、2〜5個がより好ましい。例えば図4は、正確なコの字型の切れ目6を2個設けた蓋体2の一例を示す。
【0026】
直線状切れ目5a,5bとそれから最も近いコの字状切れ目との間隔d1及びコの字状切れ目6同士の間隔d2は、3〜10 mmであるのが好ましく、コの字状切れ目6の幅d3は3〜10 mmであるのが好ましい。
【0027】
蓋体2には、第一のタブ部3を持って蓋体2を剥離する限界を示すマーク8を設けるのが好ましい。マーク8まで蓋体2を剥離すると、蓋体2及び複数の帯片部16により形成された複数の湯切り口18(図15参照)ができる。湯切り口18の長さはマーク8の位置により決まるので、容器内の即席食品(焼きそば等)が漏れずに効率よく湯切りができるように、マーク8の位置を決める。一般的に湯切り口18の長さは3〜10 mmであればよい。
【0028】
第二のタブ部4は、容器内の即席食品に熱湯を注ぐために蓋体2を開封するためのものである。第二のタブ部4の位置は限定的ではないが、図1及び図2に示す円形の蓋体2の場合、第一のタブ部3と直径方向に対向する位置に設けるのが好ましい。また図1及び図2に示すように、蓋体2の適当な位置に設けたマーク10まで蓋体2を容器本体1のフランジ部1aから全面的に剥離する方式でも良いが、図5に示すように部分的に剥離する方式にしても良い。この場合、第二のタブ部4の両端部付近に一対の切れ目4a,4aを設けておく。第二のタブ部4を持って蓋体2を容器本体1から剥離すると、蓋体2は切れ目4a,4aからそれらの延長線4b,4bに沿って引き裂かれる。延長線4b,4b上に適当なマーク10を設けておけば、そこで引き裂を止めることができる。
【0029】
またマーク10として、図6に示すようなU字型の一対の切り口10を設けても良い。これによりマーク10まで蓋体2を剥離した時に、剥離を停止すべき位置の確認が容易になるとともに、一対のマーク10を結ぶ線10’に沿って蓋体2が屈曲し易くなるので、剥離を容易に止めることができる。なおこのような一対の切り口10の型に限定はなく、例えばV字型のものでも良い(図示せず)。さらにマーク10として、切れ目を設けてもよい(図示せず)。
【0030】
図7は、本発明の即席食品用容器に用いる蓋体2のさらに別の実施例を示す。なお図2及び図3に示す蓋体2と同じ部分には同じ参照番号を付してある。この例においては、図2及び図3に示す蓋体2と同様に、各第一のタブ部3は湯切り口形成用である。但し、この例では各第一のタブ部3を一つずつ引裂く。
【0031】
各第一のタブ部3は、その両端部付近に設けられた一対の直線状切れ目5a,5bを有する。図8(a)に詳細に示すように、一対の直線状切れ目5a,5bの先端はいずれも、蓋体2のシール部12内に位置していなければならない。これにより各第一のタブ部3を持って蓋体2を引裂いた時に、図8(b)に示すように図中にハッチングで示した部分15だけを容易に引裂くことができ、帯片部16が容器本体1の上端フランジ部1aに密着したまま残留する。
【0032】
第一のタブ部3の数は、一対の直線状切れ目5a,5bの間隔、帯片部16の幅等により適宜決められるが、焼きそばの場合には麺の太さ等を考慮して、1〜6個 が好ましく、3〜5個がより好ましい。また第一のタブ部3は指で摘んで蓋体2を引き裂くのに十分な大きさであれば良い。第一のタブ部3の型に限定はなく、例えば図7に示すような実質的にコの字状のものが挙げられる。
【0033】
図9は本発明のさらに別の実施例による即席食品用容器を示す斜視図である。なお図1に示す実施例と同じ部材又は部分には同じ参照番号を付してある。この例では、本発明の即席食品用容器に用いる蓋体2は実質的に長方形状であり、第一のタブ部3と第二のタブ部4とはほぼ対角線方向に対向する位置に設けられている。
【0034】
図10は本発明の即席食品用容器に用いる蓋体2のさらに別の実施例を示す。なお図2及び図3に示す蓋体2と同じ部分には同じ参照番号を付してある。この例では、実質的に長方形状の蓋体2の一方の短辺のほぼ中央に第一のタブ部3が設けられており、第二のタブ部4は他方の短辺の対向する位置に設けられている。マーク8は直線状切れ目5a,5bの延長線8a,8a上に設けられており、蓋体2を延長線8a,8aに沿ってマーク8まで引き裂けばよい。
【0035】
図11は本発明の即席食品用容器に用いる蓋体2のさらに別の実施例を示す。なお図5及び図10に示す蓋体2と同じ部分には同じ参照番号を付してある。この例では、実質的に長方形状の蓋体2の一方の長辺のほぼ中央に第一のタブ部3が設けられており、第二のタブ部4は他方の長辺の対向する位置に設けられている。
【0036】
(2) 蓋体用積層フィルムの層構成
図12及び図13に示すように、蓋体2は、易引裂方向が一方向に向いたフィルム21と、紙シート22と、遮光性インク層23(図12)又はアルミニウム箔26(図13)と、熱シール性を有するシーラントフィルム24とからなる。各層の間には接着層25がある。以下、各層について詳述する。
【0037】
(a) 易引裂方向が一方向に向いたフィルム
易引裂方向が一方向に向いたフィルム21とは、易引裂性が一方向で極めて高いために、ほぼ直線的に引き裂かれる性質を有するフィルムである。このような直線引裂性を有するフィルムとして、特願2002-125045号に記載の直線的易裂性熱可塑性樹脂フィルムが好適である。また一軸配向又は配向度が異なる二軸配向のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムも用いることができ、このようなPETフィルムは例えば「エンブレットPC」(ユニチカ(株))として市販されている。
【0038】
易引裂方向が一方向に向いたフィルムの厚さは約10〜20μmが好ましく、例えば約12μmである。例えばPETフィルムの場合、この厚さであれば、十分な保香性及びガスバリア性を有するとともに、蓋体2に引裂直線性を付与し、また光沢性及び印刷特性も良好である。
【0039】
(b) 紙シート
紙シート22は蓋体2にデッドホールド性を付与するだけでなく、優れた印刷特性も付与する。紙シート22の紙の種類は限定されず、合成紙も含む。紙シート22の厚さは適宜決められるが、特にデッドホールド性を付与したい場合は、約60〜110 g/m2とするのが好ましく、約75〜90 g/m2とするのがより好ましい。紙シートの厚さが約60 g/m2未満であると、紙シートの腰が弱すぎて、十分なデッドホールド性を付与することができない。一方、紙シートの厚さを約110 g/m2超にしても、コスト高になるだけで、さらなるデッドホールド性の向上は認められない。
【0040】
(c) 遮光性インク層又はアルミニウム箔
日光や紫外線による即席食品の変質を防止するために、蓋体2は遮光性インク層23又はアルミニウム箔26を有する。遮光性インクは、例えばカーボンブラックのような黒色又は暗色の顔料又は染料を含むインクであれば、特に限定的ではない。遮光性インク層23を用いる場合、焼却処理するときの環境への悪影響を回避できるとともに、蓋体2を密封後に金属探知機による金属系異物の探知を行うことができる。これにより、即席食品の安全性をいっそう高めることができるのみならず、金属探知機を利用できるので、検査コストを著しく低減することができる。またアルミニウム箔26の場合、優れた遮光性の他にガスバリア性、保香性等も得られる。
【0041】
遮光性インク層24の厚さはインク中の黒色顔料又は染料の濃度に依存するが、一般に紫外線及び可視光線を十分に遮断し得る程度であれば良い。またアルミニウム箔26の厚さは3〜15μmが好ましく、7〜9μmがより好ましい。
【0042】
(d) シーラントフィルム又はホットメルト層
容器本体1の上端フランジ部1aに熱シールするためのシーラントフィルム24は、ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、アイオノマー樹脂フィルム等により形成することができる。また蓋体2を容器本体1から容易に剥離できるように、シーラントフィルム24はイージーピール性を有するのが好ましい。そのために、シーラントフィルム24は比較的弱い熱接着性を有するのが好ましい。またホットメルトとしては公知のものを使用することができる。
【0043】
シーラントフィルム24として、例えば紙シート22側のポリエチレンベースフィルムと、容器本体1の上端フランジ部1a側の低分子量ポリエチレンフィルムとの積層フィルムを使用することができる。このポリエチレンベースフィルムの厚さは約10〜40μmが好ましく、約20〜30μmがより好ましい。また低分子量ポリエチレンフィルムの厚さは約5〜20μmが好ましく、約7〜15μmがより好ましい。このような積層ポリエチレンフィルムは、例えば760FD(東レ合成フイルム(株)製)として市販されている。またシーラントフィルム24としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)とポリエチレンとの混合物からなるフィルムも使用することができる。この混合物からなるフィルムにおいて、ポリエチレンとしては線状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。この混合物からなるフィルムの厚さも約10〜40μmが好ましく、約20〜30μmがより好ましい。またホットメルト層の厚さは10〜50μmが好ましく、20〜40μmがより好ましい。
【0044】
蓋体2に良好な直線引裂性を付与するために、シーラントフィルム24は無数の微細孔を有するいわゆるポーラスフィルムが好ましい。微細孔はシーラントフィルム24を貫通していても貫通していなくても良い。一般に微細孔は0.5〜100μmの平均開口径を有し、かつ密度は約500個/cm2以上であるのが好ましい。微細孔の密度が約500個/cm2未満であると、引裂性が不十分である。なお微細孔密度の上限は技術的に可能な限りいくらでも良く、特に制限されない。
【0045】
シーラントフィルム24に微細孔を形成するには、例えば特公平7-90567号や特開2002-059487号に開示の方法を採用する。特公平7-90567号に開示の長尺多孔質シーラントフィルムの製造方法は、鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の粒子が表面に付着された第一ロールと、表面が平滑な第二ロールとの間に長尺シーラントフィルムを通過させるとともに、各ロール間を通過する長尺シーラントフィルムへの押圧力を各ロールと接触するフィルム面全体に亘って均一となるように調節することにより、第一ロール表面の多数の粒子の鋭い角部で長尺シーラントフィルムに50μm以下の径を有する貫通又は未貫通の孔を500個/cm2以上の密度で多数形成するものである。
【0046】
第一ロールは、金属製ロール本体の表面に鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の粒子を電着法、又は有機系又は無機系の結合剤により付着させた構造を有する。モース硬度5以上の粒子としては、例えばタングステンカーバイト等の超硬合金粒子、炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子、サファイア粒子、立方晶窒化ホウ素(CBN)粒子、天然又は合成のダイヤモンド粒子等を挙げることができる。特に硬度、強度等が大きい合成ダイヤモンド粒子が望ましい。粒子の粒径は10〜100μmで、粒径のばらつきが5%以下のものが望ましい。多数の粒子は、長尺シーラントフィルムに貫通孔を500個/cm2以上の密度で形成するために、ロール表面に50%以上付着させるのが好ましい。
【0047】
第二ロールとしては、例えば鉄系ロール、表面にNiメッキ、Crメッキ等を施した鉄系ロール、ステンレス系ロール、特殊鋼ロール等を用いることができる。
【0048】
(e) 接着層
図12及び図13に示す実施例では、易引裂方向が一方向に向いたフィルム21と紙シート22との間、及び遮光性インク層23又はアルミニウム箔26とシーラントフィルム24との間には、接着層25が設けられている。接着層25としては、押出ラミネーションされたポリエチレン層であるのが好ましい。押出ラミネーションされたポリエチレン層を介して各層を接着した場合、蓋体2は優れた直線引裂性を有する。
【0049】
(B) 容器本体
容器本体1は、例えば紙又は発泡スチロール等の合成樹脂により形成することができる。紙製容器本体の場合、焼却が容易であるのみならず、焼却時に環境に悪影響を及ぼすガスが発生しないという利点がある。また発泡スチロール製容器本体の場合、保温性に優れているという利点がある。容器本体1の形状は図示のものに限定されず、内容物の種類に応じて種々変更することができる。
【0050】
[2] 即席食品の喫食手順
即席食品として焼きそばを例にとって、喫食手順を以下詳細に説明する。焼きそばは、乾燥麺(又はフライ麺)30と、小袋入り焼きそばソースと、ふりかけと、具材(又は小袋入り具材)とからなり、例えばポリスチレン製の皿状容器本体1に入れた後で、容器本体1の上端フランジ部1aに蓋体2が熱シールされている。
【0051】
図14に示すように、まず蓋体2の第二のタブ部4を持って蓋体2を容器本体1からマーク10まで剥離する。蓋体2をめくった状態で熱湯を注ぎ、蓋体2を閉める。この状態に所定の時間(例えば3分間)保持すると、蓋体2も加熱されて、シーラントフィルム24は容器本体1の上端フランジ部1aから容易に剥離するようになる。
【0052】
そこで、第一のタブ部3を持って蓋体2を容器本体1からマーク8まで剥離する。すると図3(a) に示すハッチング部分15が第一のタブ部3とともにめくれるが、複数の帯片部16が容器本体1に密着したまま残留するので、図3(b) 及び図15に示すように、湯切り口18が形成されることになる。湯切り口18は容器本体1のフランジ部1aに沿って配列し、その長さはマーク8の位置により決まる。例えば各湯切り口18の幅を約5mmとし、長さを約3〜5mmとすると、湯切りをしても柔らかくなった焼きそばは湯切り口18から排出することはない。最後に蓋体2全体を剥離して、容器本体1内の焼きそばを喫食する。
【0053】
なお図5に示す実施例の場合、まず第二のタブ部4を持って蓋体2を切れ目4a,4aの延長線4b,4bに沿って部分的に開封し、熱湯を注ぐ以外上記と同じ方法で焼きそば等の即席食品を喫食することができる。また図7及び図8に示す実施例の場合、各第一のタブ部3を一つずつ引裂くことにより湯切り口18を形成する以外は上記手順と同じである。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の即席食品用容器の蓋体は、タブ部内で容器本体の上端フランジ部にかかる位置にコの字状切れ目を設けた形状を有するので、タブ部を持ち上げるとコの字状切れ目のみが残留した状態で蓋体は剥離し、湯切り口ができる。このように湯切り口の構造が非常に簡単であるので、本発明の即席食品用容器は低コスト化することができる。またコの字状切れ目があっても蓋体と容器本体の上端フランジ部とのシールは維持されているので、内部の即席食品の安全性に何の問題もない。このような特徴を有する本発明の容器は、熱湯を注いで喫食する焼きそば等の即席食品用の容器として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施態様による即席食品用容器を示す斜視図である。
【図2】 図1の即席食品用容器を示す平面図である。
【図3】 図1の蓋体の第一のタブ部付近を示す部分拡大図であり、(a) は第一のタブ部付近の蓋体をめくっていない状態を示し、(b) は第一のタブ部付近の蓋体をめくった状態を示す。
【図4】 本発明の第二の実施態様による即席食品用容器の蓋体の第一のタブ部付近を示す部分拡大図である。
【図5】 本発明の第三の実施態様による即席食品用容器を示す平面図である。
【図6】 本発明の第四の実施態様による即席食品用容器を示す平面図である。
【図7】 本発明の第五の実施態様による即席食品用容器を示す平面図である。
【図8】 図7の蓋体の第一のタブ部付近を示す部分拡大図であり、(a) は第一のタブ部付近の蓋体をめくっていない状態を示し、(b) は第一のタブ部付近の蓋体をめくった状態を示す。
【図9】 本発明の第六の実施態様による即席食品用容器を示す斜視図である。
【図10】 本発明の第七の実施態様による即席食品用容器を示す平面図である。
【図11】 本発明の第八の実施態様による即席食品用容器を示す平面図である。
【図12】 本発明の即席食品用容器に用いる蓋体の第一の層構成例を示す断面図である。
【図13】 本発明の即席食品用容器に用いる蓋体の第二の層構成例を示す断面図である。
【図14】 注湯のために第二のタブ部側の蓋体を開封した状態を示す斜視図である。
【図15】 湯切りのために第一のタブ部側の蓋体を開封した状態を示す斜視図である。
【参照番号の説明】
1・・・容器本体
1a・・・上端フランジ部
2・・・蓋体
12・・・シール部
12a・・・シール部の中心線
3・・・第一のタブ部
4・・・第二のタブ部
4a・・・切れ目
4b・・・切れ目の延長線
5a,5b・・・直線状切れ目
6・・・コの字状切れ目
6a・・・直線部
6b・・・連結部
8・・・マーク
8a・・・切れ目の延長線
10,10’・・・マーク
15・・・第一のタブ部付近で剥離する部分(ハッチング部分)
16・・・帯片部
18・・・湯切り口
21・・・易引裂方向が一方向に向いたフィルム
22・・・紙シート
23・・・遮光性インク層
24・・・シーラントフィルム
25・・・接着層
26・・・アルミニウム箔
30・・・乾燥麺

Claims (7)

  1. 湯を注いだ後湯切りする即席食品用容器であって、容器本体とその上端フランジ部にシールされる蓋体とからなり、前記蓋体は外側から順に、 (a) 易引裂方向が一方向に向いたフィルムと、 (b) 紙シートと、 (c) 遮光性インク層又はアルミニウム箔と、 (d) 熱シール性を有するシーラントフィルムとからなり、前記蓋体は、その外周から外方に延びるタブ部と、前記タブ部に設けられた一対の直線状切れ目と、前記一対の直線状切れ目の間に設けられた実質的にコの字状の切れ目とが設けられており、前記コの字状切れ目は前記直線状切れ目と平行な一対の直線部と、両直線部を前記蓋体の外周側で連結する連結部とからなり、前記直線状切れ目の先端及び前記コの字状切れ目の直線部の先端はいずれも外周側から前記蓋体のシール部の幅の 30 50 %の範囲内に位置しており、かつ前記蓋体の易引裂方向は前記直線状切れ目及び前記コの字状切れ目の直線部の方向と実質的に一致しており、前記蓋体には引き剥がし停止マークが設けられており、前記タブ部を持って前記蓋体を前記容器本体から前記引き剥がし停止マークまで引き剥がすと、前記直線状切れ目及び前記コの字状切れ目の直線部のそれぞれ延長線に沿って前記蓋体が引き裂かれて、複数の湯切り口が形成されるようになっていることを特徴とする即席食品用容器。
  2. 請求項1に記載の即席食品用容器において、前記コの字状切れ目の数が1〜6個であることを特徴とする即席食品用容器。
  3. 請求項1又は2に記載の即席食品用容器において、前記易引裂方向が一方向に向いたフィルムはポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする即席食品用容器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の即席食品用容器において、前記シーラントフィルムは無数の微細孔を均一に有するポリエチレンフィルムからなることを特徴とする即席食品用容器。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の即席食品用容器において、隣接する層はポリエチレンの押出ラミネーションにより接着されていることを特徴とする即席食品用容器。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の即席食品用容器において、前記蓋体は前記タブ部の他に第二のタブ部を有しており、前記第二のタブ部をもって前記蓋体を前記容器本体から引き剥がすことにより、前記容器本体内に湯を注ぐようになっていることを特徴とする即席食品用容器。
  7. 請求項6に記載の即席食品用容器において、前記第二のタブ部の両側に切れ目が設けられており、前記第二のタブ部を持って前記蓋体を前記容器本体から引き剥がすと、前記蓋体は前記切れ目から直線的に引き裂かれて部分的に開封されるようになっていることを特徴とする即席食品用容器。
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