JP4103730B2 - トナー製造方法、トナー、それを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
水系媒体中で粒子を形成するトナー製造方法において、水系媒体中のトナー組成物またはトナー粒子を、オゾンまたはオゾンを含む気体からなる気泡で処理する工程を有することを特徴とするトナー製造方法。
(請求項2)
前記気体に含まれるオゾン濃度が、0.1〜40ppmであることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
(請求項3)
水系媒体中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、請求項1に記載の工程が該固液分離する工程の前に行うことを特徴とするトナー製造方法。
(請求項4)
水系媒体中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、請求項1に記載の工程が該トナー粒子分散液を、脱水または濃縮した後、再度洗浄水に分散した分散液で行われることを特徴とするトナー製造方法。
(請求項5)
水系媒体中でトナー粒子を形成するトナー製造方法において、気泡で処理する工程で用いる攪拌槽が、攪拌可能な攪拌翼を有し、且つ攪拌槽の液面より下から少なくとも一箇所に気泡となるオゾンまたはオゾンを含む気体を液中に吐出するノズルを有していることを特徴とするトナー製造方法。
(請求項6)
請求項1〜5のいずれか1項に記載の工程を経て製造されることを特徴とするトナー。
(請求項7)
ヘッドスペースガスクロマトグラフ法による揮発性物質のピークがn−ヘキサンとn−ヘキサデカンの間に存在し、それらのピークの総面積がトルエン換算で0.5〜20ppmであることを特徴とする請求項6に記載のトナー。
(請求項8)
請求項6または7項に記載のトナーを加熱定着することを特徴とする画像形成方法。
〈測定方法〉
1.試料の採取
20mlヘッドスペース用バイアルに0.8gの試料を採取する。試料量は、0.01gまで秤量する(単位質量あたりの面積を算出するのに必要)。専用クリンパーを用いてバイアルをセプタムを用いてシールする。
2.試料の加温
170℃の恒温槽に試料を立てた状態で入れ、30分間加温する。
3.ガスクロマトグラフ分離条件の設定
質量比で15%になるようにシリコンオイルSE−30でコーティングした担体を内径3mm、長さ3mのカラムに充填したものを分離カラムとして用いる。該分離カラムをガスクロマトグラフに装着し、Heをキャリアとして、50ml/分で流す。分離カラムの温度を40℃にし、15℃/分で260℃まで昇温させながら測定する。260℃到達後5分間保持する。
4.試料の導入
バイアルビンを恒温槽から取り出し、直ちにガスタイトシリンジで1mlを注入する。
5.計算
この発明においては、n−ヘキサンのピークからn−ヘキサデカンのピークの間に検出される物質を揮発性物質の全量として定量する。
6.機材
(1)ヘッドスペース条件
ヘッドスペース装置
ヒューレットパッカード株式会社製HP7694
「Head Space Sampler」
温度条件
トランスファーライン:200℃
ループ温度:200℃
サンプル量:0.8g/20mlバイアル
(2)GC/MS条件
GC ヒューレットパッカード株式会社製HP5890
MS ヒューレットパッカード株式会社製HP5971
カラム:HP−624 30m×0.25mm
オーブン温度:40℃で3分保持し、この後10℃/minで200℃まで16分で昇温する。この後、200℃で保持する。
本発明における実際の測定では、前記のオーブン温度プログラムで、基準サンプルのn−ヘキサン、n−ヘキサデカンの前測定を行い、両物質のピークの検出時間を事前に確認する。その後、サンプル測定を前記オーブン温度プログラムで行い、n−ヘキサンのピーク検出時間からn−ヘキサデカンのピーク検出時間の間に検出される物質のピーク総面積を、トルエン検量線で換算する。1ピーク当たりトルエン換算量で0.1ppm以上のピークを対象とする。この間に検出される揮発性物質と重合性単量体を定量する。
〈トナー粒子分散液1の作製(乳化会合法の例)〉
(ラテックス(1HML)の調製)
(1)核粒子の調製(第一段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにアニオン系界面活性剤
式(101)
C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na
7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
(2)中間層の形成(第二段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に離型剤として、下記式で表される化合物(以下、「例示化合物(19)」と云う。)98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
CH3(CH2)20COOCH2C(CH2OCO(CH2)20CH3)3
一方、アニオン系界面活性剤(上記式(101))1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記「ラテックス(1H)」を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック株式会社製)により、前記例示化合物(19)の単量体溶液を8時間混合分散させて284nmの分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
(3)外層の形成(第三段重合)
上記の様にして得られた「ラテックス(1HM)」に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。
(トナー粒子分散液の作製)
アニオン系界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解し、この溶液を攪拌しながら、「C.I.ピグメントブルー15:3」420.0g徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、「着色剤粒子の分散液」を調製した。
(樹脂粒子分散液の調製)
スチレン370g、n−ブチルアクリレート30g、アクリル酸8g、ドデカンチオール24g、四臭化炭素4gを混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤「ノニルフェニルエーテル」6g及びアニオン性界面活性剤「ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム」10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、体積平均粒径=150nm、ガラス転移温度=58℃、重量平均分子量=11500の樹脂粒子が分散された「樹脂微粒子分散液2」が得られた。この分散液の固形分濃度は40質量%であった。
着色剤「C.I.ピグメントブルー15:3」 60質量部
ノニオン性界面活性剤「ノニフェニルエーテル」 5質量部
イオン交換水 240質量部
上記成分を混合して溶解後、ホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA株式会社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒径が250nmである着色剤粒子が分散された着色剤分散液を調製した。この着色剤分散液をエアーの気泡で5分間処理を行い「着色剤分散液2」を得た。
パラフィンワックス(融点97℃) 100質量部
カチオン性界面活性剤「アルキルアンモニウム塩」 5質量部
イオン交換水 240質量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA株式会社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された「離型剤分散液2」を調製した。
(凝集粒子の調製)
樹脂微粒子分散液2 234質量部
着色剤分散液2 30質量部
離型剤分散液2 40質量部
ポリ塩化アルミニウム 1.8質量部
イオン交換水 600質量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA株式会社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら55℃まで加熱した。55℃で30分保持した後、溶液中にD50が4.8μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で2時間保持しすると、D50は5.9μmとなった。その後、この凝集粒子を含む分散液に32質量部の「樹脂微粒子分散液2」を追加した後、加熱用オイルバスの温度を55℃まで上げて30分間保持して凝集粒子を調製した。この凝集粒子をエアーの気泡で5分間処理を行い「凝集粒子2」を得た。この「凝集粒子2」を含む分散液に1mol/Lの水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを5.0に調整した後ステンレス製フラスコを磁気シールを用いて密閉し、攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、6時間保持しトナー粒子分散液を作製した。このトナー粒子分散液をエアーの気泡で5分間処理を行い「トナー粒子分散液2」を得た。
(ポリエステル樹脂の調製)
テレフタル酸ジメチル715.0gと、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム95.8gと、プロパンジオール526.0gと、ジエチレングリコール48.0gと、ジプロピレングリコール247.1gと、水酸化ブチルスズ触媒1.5gとを重縮合反応器に入れた。混合物を190℃に加熱し、メタノール副生物を蒸留受け器に集めながら、ゆっくりと約200〜202℃まで温度を上げた。次に、約4.5時間かけて圧力を大気圧から約1067Paまで下げながら、温度を約210℃まで上げた。生成物を取り出し、ガラス転移温度が53.8℃の「ポリエステル樹脂3」を調製した。
次に、上記「ポリエステル樹脂3」168gを1,232gの脱イオン水に加え、92℃で2時間撹拌して、「ポリエステル樹脂エマルジョン3」を調製した。
反応器に、1,400gの「ポリエステル樹脂エマルジョン3」と、14.22gの「C.I.ピグメントブルー15:3」とを加え「エマルジョン/分散物3」を調製した。
スチレン165g、n−ブチルアクリレート35g、「C.I.ピグメントブルー15:3」10g、ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物2g、スチレン−メタクリル酸共重合体8g、パラフィンワックス(mp=70℃)20gを混合し、60℃に加温し、「TKホモミキサー」(特殊機化工業株式会社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した。これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリル)10gを加えて溶解させ、「重合性単量体組成物4」を調製した。次いで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、「TKホモミキサー」にて13000rpmで攪拌しながら1.0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた「懸濁液4」を調製した。この「懸濁液4」に上記「重合性単量体組成物4」を添加し、「TKホモミキサー」にて10000rpmで20分間攪拌し、「重合性単量体組成物4」を造粒した。その後、反応装置を使用し、75〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、「トナー粒子分散液4」を作製した。
(顔料分散液の調製)
ポリエステル樹脂 50質量部
(Tg:60℃、軟化点:98℃、重量平均分子量:9500)
C.I.ピグメントブルー15:3 50質量部
酢酸エチル 100質量部
上記材料組成の分散液に、ガラスビーズを加えた容器を、サンドミル分散機に装着した。容器周りを冷却しながら、高速攪拌モードで8時間分散し、その後酢酸エチルで希釈して顔料濃度15質量%の「顔料分散液5」を調製した。
パラフィンワックス(融点:85℃) 15質量部
トルエン 85質量部
上記材料を攪拌羽根を装着し、容器周りに熱媒を循環させる機能を持った分散機に投入した。毎分83回転で攪拌しながら徐々に温度を上げてゆき、最後に100℃に保ったまま3時間攪拌した。次に攪拌を続けながら毎分約2℃の割合で室温まで冷却し、微粒子化したワックスを析出させた。このワックス分散液を高圧乳化機「APVゴーリンホモジナイザ」(APVゴーリン株式会社製)を用い、圧力550×105Paで再度分散を行った。同時にワックス粘度を測定したところ0.69μmであった。調製した微粒子ワックスの分散液は、ワックスの質量濃度が15質量%になるように酢酸エチルで希釈して「微粒子化ワックスの分散液5」を作製した。
ポリエステル樹脂 85質量部
(Tg:60℃、軟化点:98℃、重量平均分子量:9500)
顔料分散液5(顔料濃度 15質量%) 50質量部
微粒子化ワックスの分散液5(ワックス濃度 15質量%) 33質量部
酢酸エチル 32質量部
上記材料組成中のポリエステル樹脂が十分に溶解したことを確認した後に、この溶液をホモミキサー「エースホモジナイザー」(日本精機株式会社製)に投入し、毎分16000回転で2分間攪拌し、均一な「油相5」を調製した。
炭酸カルシウム(平均粒径:0.03μm) 60質量部
純水 40質量部
上記材料をボールミルで4日間攪拌して得られた炭酸カルシウム水溶液を「水相(炭酸カルシウム水溶液)5」とした。「レーザ回折/散乱粒度分布測定装置A−700」(堀場製作所製)を用いて炭酸カルシウムの平均粒径を測定すると約0.08μmであった。
純水 98質量部
上記材料をボールミルで攪拌して得られたカルボキシメチルセルロースの水溶液を「水相(カルボキシメチルセルロース水溶液)5」とした。
油相5 55質量部
水相(炭酸カルシウム水溶液)5 15質量部
水相(カルボキシメチルセルロース水溶液)5 30質量部
上記材料を「コロイドミル」(日本精機株式会社製)に投入し、ギャップ間隔1.5mm、毎分9400回転で40分間乳化を行った。次に上記乳化物を、ロータリーエバポレータに投入、室温4,000Paの減圧下で3時間脱溶媒を行った。
(ポリエーテル樹脂(A)の合成)
攪拌装置、窒素導入管、温度計、原料等注入口を備えた高圧反応装置に、水酸化カリウム0.5質量部及び溶媒であるトルエン200質量部を入れ、系内の圧力を10×105Pa、温度を40℃に保ち、攪拌しながらプロピレンオキシド10.8質量部及びスチレンオキシド89.2質量部からなる混合液を少量ずつ注入し、分子量変化の様子を末端基適定により追跡し、数平均分子量が7,000になったところで反応を終了させた。このとき注入したモノマーの総量は、プロピレンオキシドが8.64質量部で、スチレンオキシドが71.4質量部であった。得られた高分子溶液から4,000Paの減圧下にトルエン及び未反応モノマーを留去させて、「ポリエーテル樹脂(A)」を得た。
攪拌装置、窒素導入管、温度計、精留塔を備えた内容積が5リットルのフラスコに、テレフタル酸67.85質量部、ネオペンチルグリコール3.34質量部、プロピレングリコール25.58質量部、トリメチロールプロパン3.22質量部及びジブチル錫オキシド0.3質量部を入れ、窒素気流下にて240℃で攪拌して反応させた。反応は環球法による軟化点が130℃に達したとき反応を終了して、「ポリエステル樹脂(B)」を得た。得られた「ポリエステル樹脂(B)」は、薄黄色の固体であり、GPC測定法によるポリスチレン換算の重量平均分子量は96,000であった。
上記で作製した「トナー粒子分散液1〜6」の各々は、濃縮装置で脱水して濃縮した後、撹拌槽に送液した。撹拌槽では濃縮されたトナー粒子に希釈液を加えて再分散して固液分離に適する濃度のトナー粒子分散液に調整した。その後、撹拌槽の液面より下に設置されたノズルから表1に記載の気体(オゾン含有気体)をトナー粒子分散液1Lあたり5m3バブリングした。バブリングにより発生した気泡でトナー粒子分散液液中或いはトナー粒子に付着している揮発性物質を分解してガスにするか、あるいはバブリングして発生した泡表面に付着させた。バブリングに用いた気体、揮発性物質が分解して発生したガスおよび揮発性物質が付着した泡は、撹拌槽の上部から吸引装置により系外へ排出した。なお、オゾンや分解ガスは活性炭を用いた有害ガス分解装置で分解し、無害化した後大気へ放出した。
上記で作製した「トナー粒子分散液1〜6」を、回転円筒型脱水機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械株式会社製)で固液分離してトナーケーキを形成した。該トナーケーキは回転円筒型脱水機内で水洗浄し、ついで機内に挿入されたスクレーパーによりトナーケーキを掻き落し、機内から排出して容器に保管した。その後、トナーケーキを「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)に少しずつ供給し、トナー粒子の水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー粒子4〜12」を作製した。
上記で作製した「トナー粒子4〜12」100質量部に、それぞれルチル型酸化チタン(体積平均粒径=20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)0.8質量部、球形単分散シリカ(ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕処理を施した粒子径D50=127nm)1.8質量部を混合し、「ヘンシェルミキサー」(周速30m/s)(三井三池化工株式会社製)で15分間ブレンドを行った。その後、目開き45μmのフィルターを用いて粗粒を除去し、「トナー4〜12」を作製した。
上記で作製した「トナー4〜12」のそれぞれに、体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の「現像剤4〜12」を調製した。
〈実写評価〉
電子写真方式を採用した市販のデジタル複写機「7065」(コニカ株式会社製)の現像器に上記トナーと現像剤をセットしプリントを行い、下記の評価項目について評価をおこなった。
(帯電量のトナーロット間ばらつき)
「トナー4〜12」の各10バッチを作製し、帯電量のばらつきを評価した。
◎:10バッチの帯電量がセンター±0.3μC/gでばらつきは非常に小さく実用上 問題無しと判断
○:10バッチの帯電量がセンター値±0.6μC/gでばらつきは小さく実用上問題 無しと判断
△:10バッチの帯電量がセンター値±1.0μC/gでばらつきはやや大きいが実用 上問題無しと判断
×:10バッチの帯電量がセンター値±1.0μC/gの範囲に入らずばらつきが大き かったので実用上問題有りと判断。
上記で作製した各トナー2gをサンプル管に取り、タッピングデンサーで500回振とうした後、55℃、35%RHの環境下で2時間放置した。次いで、48μmメッシュの篩いに入れ、一定の振動条件で篩い、メッシュ上の残存したトナー量の比率(質量%)を測定し、これをトナー凝集率とし、下記に記載の基準に則りトナーの保存安定性の評価を行った。
○:トナー凝集率が15〜45質量%(トナーの保存安定性が良好、画像形成時に問題 なし)
△:トナー凝集率が46〜60質量%(トナーの保存安定性がやや悪く、画像形成時に 若干の問題があるが使用許容の範囲)
×:トナー凝集率が60質量%を越える(トナーの保存安定性が悪く、画像形成時に問 題が発生するので使用不可)。
評価機は、デジタル複写機「7065」(コニカ株式会社製)を改造し、熱定着後に冷却器を取り付け、排紙された転写紙の表面温度が75℃になるように調整したプリンタを用いた。
○:転写紙の両端を持ち、端部をテーブルに10回、上方面から手で5回叩くと転写紙 が均一に揃う
△:転写紙の両端を持ち、端部をテーブルに10回、上方面から手で10回叩くと転写 紙が均一に揃う
×:転写紙の両端を持ち、端部をテーブルに10回、上方面から手で10回叩いても転 写紙の表裏がトナーで貼り付いているため均一に揃わない。
極厚用紙における定着性
ハート社製の喪中はがき(厚さ0.4mm)500枚を用い、デジタル複写機「7065」(コニカ株式会社製)を使用して連続プリントを行った。
○:グレー枠上につけペンで文字を強く書いた時にトナーが剥落するが、ボールペン使 用時にはトナーの剥離が起きず良好
×:定着が不十分でグレー枠を手に持っただけで、トナーが剥落して手が汚れて問題。
床が5m×5m、高さが2mの密閉された部屋の中で、デジタル複写機「7065」(コニカ株式会社製)を改造し、加熱定着器の定着温度を175℃に設定し、定着後の転写紙を冷却する冷却器を取り付け、排紙された転写紙の表面温度が75℃になるように調整したプリンタで、ベタ黒50%の画像を連続して1000枚プリントを行った。
○:3名以下の評価員が臭気を感じた
×:4名以上の評価員が臭気を感じた。
702 ストックタンク
703 濃縮装置
704 撹拌槽
705 回転円筒型脱水機
706 乾燥装置
801 オゾン発生装置
802 オゾン含有気体製造装置
803 バブリング用ノズル
804 気泡
805 泡
806 コンデンサー
807 吸引装置
808 有害ガス分解装置
Claims (8)
- 水系媒体中で粒子を形成するトナー製造方法において、水系媒体中のトナー組成物またはトナー粒子を、オゾンまたはオゾンを含む気体からなる気泡で処理する工程を有することを特徴とするトナー製造方法。
- 前記気体に含まれるオゾン濃度が、0.1〜40ppmであることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
- 水系媒体中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、請求項1に記載の工程が該固液分離する工程の前に行うことを特徴とするトナー製造方法。
- 水系媒体中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、請求項1に記載の工程が該トナー粒子分散液を、脱水または濃縮した後、再度洗浄水に分散した分散液で行われることを特徴とするトナー製造方法。
- 水系媒体中でトナー粒子を形成するトナー製造方法において、気泡で処理する工程で用いる攪拌槽が、攪拌可能な攪拌翼を有し、且つ攪拌槽の液面より下から少なくとも一箇所に気泡となるオゾンまたはオゾンを含む気体を液中に吐出するノズルを有していることを特徴とするトナー製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の工程を経て製造されることを特徴とするトナー。
- ヘッドスペースガスクロマトグラフ法による揮発性物質のピークがn−ヘキサンとn−ヘキサデカンの間に存在し、それらのピークの総面積がトルエン換算で0.5〜20ppmであることを特徴とする請求項6に記載のトナー。
- 請求項6または7項に記載のトナーを加熱定着することを特徴とする画像形成方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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