JP4140489B2 - トナー製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ等に用いられるトナー製造方法に関するものである。
近年、電子写真方式による画像形成方法では、デジタル技術の進展により、デジタル方式の画像形成が主流となってきている。デジタル方式の画像形成方法は、1200dpi(dpiとは1インチ即ち2.54cmあたりのドット数)等の1画素の小さなドット画像を顕像化することを基本としており、これらの小さなドット画像を忠実に再現する高画質技術が要求されている。
この様な高画質化の観点からトナーの小粒径化が進められている。これまでの電子写真画像の形成には、結着樹脂と顔料とを混合、混練後に粉砕して得られるトナー粉体を分級工程で分級した、いわゆる粉砕トナーが主として用いられてきた。しかし、この様な製造工程を経て得られるトナーは、トナー粒子の小粒径化や粒度分布の均一化には限界がある。従って、この様な粉砕トナーを用いた電子写真画像では、十分な高画質化の達成は困難である。
近年、トナー粒子の小粒径化、粒度分布及び形状の均一化を達成する手段として、懸濁重合法や乳化重合法により得られる重合トナーが注目されている。
この重合法トナーには樹脂粒子と必要に応じて着色剤粒子とを会合あるいは塩析/融着させて不定形化したトナーを製造する方法や、ラジカル重合性単量体に着色剤を混合分散し、得られた分散液を溶液中に所望のトナー粒径になるような液滴に分散し、これを懸濁重合する方法がある。これらの中でも前者の重合法は不定形化されたトナーを形成する方法として好ましい方法であり、該重合法では溶液中で水溶性の重合開始剤を使用して重合を行う。この際、分子量分布を制御するために連鎖移動剤が使用され、好適な連鎖移動剤としてメルカプタン系の化合物が使用されている。
しかし、残留する重合性単量体や連鎖移動剤等の分解物等の揮発性物質は、トナー製造時にトナー粒子から完全に除去するのが難しい。
重合性単量体や連鎖移動剤等の揮発性物質が多く残留するトナーは、トナー保存中にトナーの凝集が発生しやすく、凝集したトナーを用いた現像剤では画像形成時に画質が低下し、良質の画像が得られなくなったり、熱定着時にトナー中に残留する重合性単量体や揮発性物質が揮発して臭気が発生するといった問題が生じやすい。
なお、上記の重合性単量体や連鎖移動剤等の揮発性物質をトナー中に残留することに起因する問題は、結着樹脂と着色剤とを溶融混練・粉砕してなるいわゆる粉砕トナーでは特に問題視されていなかった。その理由としては、粉砕トナーに使用される結着樹脂は100℃以上で製造することも可能であり、若し残留する重合性単量体や揮発性物質を含んでいたとしても、トナーを製造する際の溶融混練工程での加熱により除去されため問題視されていなかった。
しかし、重合トナーでは製造時に溶融混練工程が無いため、トナー中に残留する重合性単量体や揮発性物質を除去する機会が粉砕トナーと比べて少ないものであった。その結果、重合性単量体や揮発性物質がトナー中に残留して上記の問題を発生させていたものと考えられる。
上記課題に対し、トナー中の残留スチレンモノマー量を規定したり残留モノマー量を規定することで重合性単量体や揮発性物質の低減化を実現することが試みられてきたが、これらの技術では熱定着時に臭気が発生するという課題は解決できず、性能としては十分とは云えなかった(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
特開2002−251037号公報 特開2002−49176号公報
本発明は上記実情に鑑みて提案されたものであり、その目的とするところは、トナーロット間で帯電量のばらつきがなく、保存安定性に優れたトナーが得られ、画像形成時には良好な定着性と臭気を発生させることのないトナー製造方法を提供することにある。
本発明の課題は下記構成を採ることにより達成される。
(請求項1)
水系媒体中で粒子を形成する工程を有するトナー製造方法において、水系媒体中のトナー組成物またはトナー粒子を、オゾン水で処理する工程を有することを特徴とするトナー製造方法。
(請求項2)
水系媒体中で粒子を形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、固液分離する工程を有するトナー製造方法において、前記オゾン水で処理する工程が、該水系媒体中で粒子を形成する工程の中で行われるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
(請求項3)
水系媒体中で粒子を形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、固液分離する工程を有するトナー製造方法において、前記オゾン水で処理する工程が、該トナー粒子分散液を脱水または濃縮した後洗浄媒体に分散する工程の中で行われるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
(請求項4)
水系媒体中で粒子を形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、固液分離する工程を有するトナー製造方法において、前記オゾン水で処理する工程が、該固液分離する工程の中で行われるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
(請求項5)
水系媒体中で粒子を形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、固液分離する工程を有するトナー製造方法において、前記オゾン水で処理する工程が、該水系媒体中で粒子を形成する工程、脱水または濃縮した後洗浄媒体に分散する工程、固液分離する工程の少なくとも2工程の中で行われるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
本発明によれば、トナーロット間で帯電量のばらつきがなく、しかも、保存安定性に優れたトナーの提供を可能にした。また、本発明で得られたトナーを用いて画像形成を行うと、良好な定着性を発現するとともに、熱定着工程時に臭気の問題を発生させないトナーの提供を可能にした。その結果、画像形成時に臭気のない快適なプリント作業環境を実現することを可能にした。
本発明者等は、トナー中の揮発性物質の残留量を制御することが重要であると考えた。これは本発明者等が二成分系現像剤中のキャリアへの付着物および現像剤搬送部材や現像剤層規制部材への付着物を解析した結果、揮発性物質の残留量が多いトナーが付着していることから得られた知見だった。
トナー中に残留した揮発性物質は、トナーの保存時にトナー凝集を発生させたり、また画像形成時に、トナー画像を転写体(転写紙)上に熱定着する際に臭気を発生するといった問題を有していた。
また、定着工程で発生したガス状態になった揮発性物質は臭気の問題だけではなく、画像形成装置の樹脂部品を劣化させ、部品のリユースを困難にさる問題も有していた。
これらの問題を解消させるためには、重合反応を十分行い揮発性物質の残留量を減らす方法が有るが、この方法では結着樹脂の分子量が増加し、トナーの軟化点が高くなり、定着性を低下させるという問題を発生させるものであるため、いたずらに重合反応を進行させればよいものではなかった。
そこで、本発明者等は臭気の問題等をはじめとする上記問題を発生しない揮発性物質の具体的な残留量レベルを把握し、残留量を制御することでこれらの問題を解決することを検討した。
本発明者等の検討結果より、揮発性物質の残留量を0.5〜20ppm、好ましくは1.0〜10ppmの範囲にすることで上記問題が解消されることを確認した。なお、ここで云う揮発性物質の残留量は、後述するヘッドスペースガズクロマトグラフ法により測定されたものである。
揮発性物質の残留量を上記の範囲にする具体的方法としては、加熱や重合時間の延長、さらには重合開始剤量を増量させる等の種々の方法が挙げられるが、これらの方法は重合反応を促進させることを目的とするもので好ましいものではなかった。そこで、本発明者等は鋭意検討した結果、トナー製造工程中にオゾン水による処理工程を設け、水系媒体中のトナー組成物やトナー粒子をオゾン水で処理することにより、揮発性物質が効果的に除去されることを見出し本発明に至った。
トナー中に残留する揮発性物質の例としては、未反応の重合性単量体や連鎖移動剤、トナー製造時の副生成物、製造に用いた有機溶剤等を挙げることができる。
重合性単量体としては、例えば、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどの重合性単量体、あるいはその分解物を挙げることができる。
連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタンなど、トナー製造時の副生成物としては、例えば、ブタノール、ドデカノール、ドデカナール、アクリル酸エステル、ベンズアルデヒド等を挙げることができる。
製造に有機溶剤を用いた場合の有機溶媒としては、例えば、ブタノール、キシレン、エチルベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることができる。
本発明に係るトナーは、水系媒体中のトナー組成物またはトナー粒子を、オゾン水で処理する工程を有する製造方法により得ることができる。
前記オゾン水で処理する工程としては、具体的には、トナー粒子を形成する反応容器に添加液として加えて攪拌する工程、トナー粒子分散液を濃縮した後再分散する攪拌槽への希釈液として加え撹拌する工程、固液分離して形成したトナーケーキを洗浄液で洗浄する工程、あるいは前記工程を2つ以上組み合わせた工程等が挙げられるが、トナー組成物またはトナー粒子をオゾン水と接触させ揮発性物質を分解して系外に除くことができれば特に限定されるものではない。
本発明で云うオゾン水処理とは、オゾン水(オゾンを含有する水)で系中の低分子量有機化合物を分解、洗浄し、さらには乾燥工程による分解物の除去により完結する。
オゾン水は酸化力が強く、揮発性物質を効率よく分解するのに好ましい。また、オゾン水は放置しておくと酸素に戻るため、トナー粒子中に残留する危険性がなく、オゾン水処理したトナーは画像形成時に安定したトナー画像を発現するとともに、ユーザーや環境に配慮したものである。
オゾン水の製造装置としては、水を直接電気分解する方法、無声放電方式、電気分解方式あるいは紫外線ランプ方式により発生したオゾンガスを水に吹き込んで作製する方法が挙げられるがいずれの方式により作製したオゾン水でも問題なく、これらの中では無声放電方式により発生したオゾンガスを水に吹き吹き込む方法が安価に高濃度のオゾン水が得られ好ましい。
オゾン水の製造装置としては市販の装置を用いることができ、「D−OZONEスーパー500」(神鋼プラント建設株式会社製)、「オゼックス・ウオータFZW」、「オゼックス・ウオータZW」(ロキエンジ株式会社製)等を挙げることができる。
本発明者等は、低分子量有機化合物である揮発性物質のみを効果的に系中より除去する手段として、有機化合物を酸化分解するオゾンガスを用いて行うことを検討した。しかしながら、オゾンガスでは高濃度での処理になるため系中のトナー組成物まで分解してしまい好ましくないことが判明した。
そこで、本発明者等は、オゾンの反応を緩和させたオゾン水を用い、液中で時間をかけて処理を行ったところ、トナー組成物を痛めず系中の低分子量の揮発性物質のみを選択的に分解できることを見出した。
オゾン水に含まれるオゾン濃度は、高い方が酸化力が強く短時間で揮発性物質を分解できるが、同時にトナー組成物(例えば、樹脂成分)も分解してしまい問題となるので、トナー組成物を分解ぜず、揮発性物質のみを分解できる範囲が好ましい。
具体的にオゾン水に含まれるオゾン濃度としては、5〜150ppmが好ましく、10〜60ppmがより好ましい。
オゾン水による処理時間は、30秒〜2時間が好ましい。トナー粒子をオゾン水処理するために必要なオゾン水の量は、トナー粒子1kg当たり0.1〜30m3が好ましく、1〜10m3がより好ましい。また、オゾン水のpHは8〜12に調整することが好ましく、この範囲のpHとすることで本発明の効果がより十分発現されることが確認されている。
なお、オゾン水中のオゾン濃度は、日本オゾン協会刊行の「オゾン発生装置におけるオゾン濃度測定指針」で紹介されている非緩衝KI法(オゾン水中のオゾンとヨウ化カリウムの反応によりヨウ素が遊離する)により測定することができる。
次に、トナー粒子分散液の製造方法について説明する。
トナー粒子分散液の製造方法は、乳化会合法、懸濁重合法、分散重合法、溶解懸濁法、連続式乳化分散法等を挙げることができるが特に限定されるものではない。
以下、粒度分布がシャープである点で優れる乳化会合法と分散重合法によるトナー粒子分散液の製造方法について説明する。
乳化重合によるトナー粒子分散液の製造方法は、水系媒体中でトナー粒子を形成させる方法で、例えば特開2002−351142号公報等に開示されている。
また、特開平5−265252号公報、特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に開示される樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させてトナー粒子分散液を製造する方法を挙げることができる。
具体的には、水中で樹脂粒子を乳化剤を用いて分散させた後、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加えて塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、トナー粒子分散液を調製するものである。
分散重合によるトナー粒子分散液の製造方法は、単量体の溶ける良溶媒に単量体と重合開始剤を同時に溶解し、重合の進行につれて溶媒に溶けなくなった高分子成分を析出させトナー粒子を形成する方法である。前記の溶媒はメタノールが使用されることが一般的で、固液分離がアルコール媒体中で行われるか、あるいは水とアルコールを混合した水系媒体中で行われるのが一般的である。
揮発性物質の量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフ法により測定することができる。ヘッドスペースガスクロマトグラフ法による揮発性物質のピークがn−ヘキサンとn−ヘキサデカンの間に存在し、それらのピークの総面積がトルエン換算で0.5〜20ppmであることを特徴としている。
ヘッドスペースガスクロマトグラフ法により測定した揮発性物質の量をこの範囲にすることで、帯電量のトナーロット間ばらつきがなく、トナーの保存安定性に優れ、トナー画像の定着性が良好で、熱定着時に臭気が発生しないトナーを得ることができる。
本発明において、トナー中に残留する揮発性物質の定量に用いられるヘッドスペース式とは、トナーを開閉容器中に封入し、複写機等の熱定着時程度に加温し、容器中に揮発成分が充満した状態で速やかに容器中のガスをガスクロマトグラフに注入し、揮発成分量を測定するとともに、本発明のヘッドスペース法では、MS(質量分析)も行うものである。結着樹脂由来の不純物や微量の添加物量を測定する方法としては、溶媒により結着樹脂又はトナーを溶解して、ガスクロマトグラフに注入する方法も良く知られているが、この方法では溶媒のピークに不純物や測定しようとする微量の添加物成分のピークが隠れてしまうことがあり、トータルの揮発性物質の量を測定するには適さない。本発明で用いるヘッドスペース法ではガスクロマトグラフにより、揮発性物質の全ピークを観測することを可能にするとともに、電磁気的相互作用を利用した分析方法を用いることによって残留成分の定量化により高度な精度を付与することを達成したものである。
以下に、ヘッドスペース法による測定法を詳細に説明する。
〈測定方法〉
1.試料の採取
20mlヘッドスペース用バイアルに0.8gの試料を採取する。試料量は、0.01gまで秤量する(単位質量あたりの面積を算出するのに必要)。専用クリンパーを用いてバイアルをセプタムを用いてシールする。
2.試料の加温
170℃の恒温槽に試料を立てた状態で入れ、30分間加温する。
3.ガスクロマトグラフ分離条件の設定
質量比で15%になるようにシリコンオイルSE−30でコーティングした担体を内径3mm、長さ3mのカラムに充填したものを分離カラムとして用いる。該分離カラムをガスクロマトグラフに装着し、Heをキャリアとして、50ml/分で流す。分離カラムの温度を40℃にし、15℃/分で260℃まで昇温させながら測定する。260℃到達後5分間保持する。
4.試料の導入
バイアルビンを恒温槽から取り出し、直ちにガスタイトシリンジで1mlを注入する。
5.計算
この発明においては、n−ヘキサンのピークからn−ヘキサデカンのピークの間に検出される物質を揮発性物質の全量として定量する。
重合性単量体の定量には、重合に用いた重合性単量体を基準物質とし、予め検量線を作成し、それぞれ各成分の濃度を求める。
6.機材
(1)ヘッドスペース条件
ヘッドスペース装置
ヒューレットパッカード株式会社製HP7694
「Head Space Sampler」
温度条件
トランスファーライン:200℃
ループ温度:200℃
サンプル量:0.8g/20mlバイアル
(2)GC/MS条件
GC ヒューレットパッカード株式会社製HP5890
MS ヒューレットパッカード株式会社製HP5971
カラム:HP−624 30m×0.25mm
オーブン温度:40℃で3分保持し、この後10℃/minで200℃まで16分で昇温する。この後、200℃で保持する。
測定モード:SIM
本発明における実際の測定では、前記のオーブン温度プログラムで、基準サンプルのn−ヘキサン、n−ヘキサデカンの前測定を行い、両物質のピークの検出時間を事前に確認する。その後、サンプル測定を前記オーブン温度プログラムで行い、n−ヘキサンのピーク検出時間からn−ヘキサデカンのピーク検出時間の間に検出される物質のピーク総面積を、トルエン検量線で換算する。1ピーク当たりトルエン換算量で0.1ppm以上のピークを対象とする。この間に検出される揮発性物質と重合性単量体を定量する。
次に、オゾン水で処理する工程を有するトナー製造方法について詳細に説明する。
本発に係るトナーは、水系媒体中で粒子を形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を固液分離する工程を有し、その中でトナー組成物またはトナー粒子をオゾン水で処理してトナー粒子を作製し、該トナー粒子に必要に応じ外添剤を添加混合する製造方法により作製することができる。
水系媒体としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、またはこれらを混合したものを挙げることができるが特に限定されるものではない。トナーの製造にはこれらの中から適したものを選ぶことができる。
トナー粒子の分散液の製造方法は、公知の製造方法により作製することができ、具体的には、乳化会合法、懸濁重合法、分散重合法、溶解懸濁法、連続式乳化分散法等を挙げることができる。
以下、乳化会合法と分散重合法によるトナー粒子分散液の製造方法について説明する。
乳化重合によるトナー粒子分散液の製造方法は、水系媒体中でトナー粒子を形成させる方法で、例えば特開2002−351142号公報等に開示されている。
また、特開平5−265252号公報、特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に開示される樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させてトナー粒子分散液を製造する方法を挙げることができる。
具体的には、水中で樹脂粒子を乳化剤を用いて分散させた後、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加えて塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、トナー粒子分散液を調製するものである。なお、ここにおいて凝集剤と同時にアルコールなど水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
分散重合によるトナー粒子分散液の製造方法は、単量体の溶ける良溶媒に単量体と重合開始剤を同時に溶解し、重合の進行につれて溶媒に溶けなくなった高分子成分を析出させトナー粒子を形成する方法である。前記の溶媒はメタノールが使用されることが一般的で、固液分離がアルコール媒体中で行われるか、あるいは水とアルコールを混合した水系媒体中で行われるのが一般的である。
上記何れの製造方法で作製したトナー粒子分散液を用いても、オゾン水処理で揮発性物質を上記の範囲にすることはできるが、上記の製造方法の中では乳化重合で作製したトナー粒子分散液がオゾン水処理には適している。
固液分離装置としては、回転円筒型脱水機、水平ベルト型脱水機等を挙げることができるが、これらの中ではスペースの点で回転円筒型脱水機が好ましい。
図1は、本発明に好ましく用いられるトナー粒子の製造方法(反応容器中に添加液としてオゾン水を加える)の一例を示す製造フロー図である。
図1において、701は反応容器、702は濃縮装置、703は撹拌槽、704は固液分離装置、705はストックタンク、705は乾燥装置、601は反応容器用オゾン水タンク、604はトナーケーキを示す。
図1に示すトナー粒子分散液を形成した反応容器701に反応容器用オゾン水タンク601のオゾン水を添加液として加え、撹拌して反応容器中の揮発性物質を分解する。その後、反応容器701からトナー粒子分散液は濃縮装置702で濃縮した後、撹拌槽703に送る。撹拌槽702では濃縮したトナー粒子に希釈液を加えて再分散して固液分離に適する濃度のトナー粒子分散に調整する。その後、撹拌槽703中のトナー粒子分散液は固液分離装置704へ投入し、固液分離してトナーケーキ604を形成する。トナーケーキ604は水によるかけ洗いが行われ、その後固液分離装置704のバスケットを高速回転して脱水し、掻き取り装置によりトナーケーキ排出口から取り出す。取り出されたトナーケーキ604はストックタンク705に蓄えられ、好ましくは解碎処理された後乾燥装置706へ送り、乾燥してトナー粒子を得る。
図2は、本発明に好ましく用いられるトナー粒子の製造方法(攪拌槽中にオゾン水を加える)の一例を示す製造フロー図である。
図2において、701は反応容器、702は濃縮装置、703は撹拌槽、704は固液分離装置、705はストックタンク、705は乾燥装置、602は撹拌槽用オゾン水タンク、604はトナーケーキを示す。
図2に示す反応容器701中のトナー粒子分散液は、濃縮装置702に送液され、濃縮装置702で濃縮された後、撹拌槽に送る。撹拌槽702では濃縮されて固形化したトナー粒子に撹拌槽用オゾン水タンク602のオゾン水を加えて撹拌して再分散し、揮発性物質を分解するとともに固液分離に適する濃度のトナー粒子分散に調整する。その後、撹拌槽703中のトナー粒子分散液は固液分離装置704へ投入し、固液分離してトナーケーキ604を形成する。トナーケーキ604は水によるかけ洗いが行われ、その後固液分離装置704のバスケットを高速回転して脱水し、掻き取り装置によりトナーケーキ排出口から取り出す。取り出されたトナーケーキ604はストックタンク705に蓄えられ、好ましくは解碎処理した後乾燥装置706へ送り、乾燥してトナー粒子を得る。
図3は、本発明に好ましく用いられるトナー粒子の製造方法(固液分離装置中のトナーケーキをオゾン水でかけ洗い)の一例を示す製造フロー図(製造プロセス図)である。
図3において、701は反応容器、702は濃縮装置、703は撹拌槽、704は固液分離装置、705はストックタンク、705は乾燥装置、603はトナーケーキ洗浄用オゾン水タンク、604はトナーケーキを示す。
図3に示す反応容器701中のトナー粒子分散液は、濃縮装置702に送液され、濃縮装置702で濃縮された後、撹拌槽に送る。撹拌槽702では濃縮したトナー粒子に希釈液を加えて撹拌して再分散し固液分離に適する濃度のトナー粒子分散に調整する。その後、撹拌槽703中のトナー粒子分散液は固液分離装置704へ投入し、固液分離してトナーケーキ604を形成する。トナーケーキ604はトナーケーキ洗浄用オゾン水タンク603のオゾン水によるかけ洗いが行われ、残留する揮発性物質が分解される。その後固液分離装置704のバスケットを高速回転して脱水し、掻き取り装置によりトナーケーキ排出口から取り出す。取り出されたトナーケーキ604はストックタンク705に蓄えられ、好ましくは解碎処理した後乾燥装置706へ送り、乾燥してトナー粒子を得る。
本発明では、上記図1、図2および図3に記載したオゾン水による処理を2つ以上組み合わせて行うこともできる。
本発明に係るトナーは、上記で作製されたトナー粒子そのままで使用してもよいが、流動性の改良やクリーニング性の向上等の目的で、いわゆる外添剤をトナー粒子に添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
外添剤として使用できる無機微粒子としては、従来公知のものを挙げることができる。具体的には、シリカ微粒子、チタン微粒子、アルミナ微粒子等を好ましく用いることができる。これら無機微粒子は疎水性であることが好ましい。
シリカ微粒子の具体例としては、日本アエロジル株式会社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト株式会社製のHVK−2150、H−200、キャボット株式会社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5、球形単分散シリカ等が挙げられる。
チタン微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル株式会社製の市販品T−805、T−604、テイカ株式会社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン株式会社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産株式会社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC、ルチル型酸化チタン等が挙げられる。
アルミナ微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル株式会社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業株式会社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
外添剤として使用できる有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の微粒子を挙げることができる。かかる有機微粒子の構成材料としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体等のを挙げることができる。
外添剤として使用できる滑剤としては、高級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。かかる高級脂肪酸の金属塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム等のオレイン酸金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム等のパルミチン酸金属塩;リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム等のリノール酸金属塩;リシノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム等のリシノール酸金属塩等が挙げられる。
外添剤の添加量としては、トナー粒子に対して0.1〜5質量%程度であることが好ましい。
外添剤をトナー粒子中に添加混合する装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機等の種々の公知の混合装置を挙げることができる。
次に、現像剤について説明する。
本発明で好ましく用いられる現像剤は、トナーとキャリアを混合したもので、二成分現像剤として用いる。
キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等からなる公知の磁性粒子を用いることができ、これらの中ではフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子の体積平均粒径は15〜100μmのものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス」(シンパティック株式会社製)により測定することができる。
また、キャリアとして、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアも用いることができる。被覆用の樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、具体的には、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂またはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、具体的には、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
次に、画像形成方法について説明する。
本発明で用いられる画像形成方法は、トナー画像の定着に加熱定着を用い方法である。
加熱定着の方法としては、特に限定されず、接触定着(ヒトロール)方法、非接触定着(オーブン定着、フラッシュ定着、マイクロ波定着等)方法のいずれも用いることができる。
図4は本発明に係るトナーを用いる画像形成方法の一例を示す画像形成装置の断面構成図である。
図4に示す画像形成装置は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B(図示省略)、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台111上に載置された原稿は原稿搬送ローラ112によって1枚宛分離搬送され読み取り位置113aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ112によって原稿排紙皿114上に排出される。
一方、プラテンガラス113上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット115の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット116の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ117を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、静電潜像担持体であるドラム状の感光体(以下、感光体ドラムとも云う)121と、その外周に、帯電手段である帯電器122、現像手段である現像装置123、転写手段である転写器124、分離手段である分離器125、クリーニング装置126及びPCL(プレチャージランプ)127が各々動作順に配置されている。感光体121は、光導電性化合物をドラム基体上に塗布形成したもので、例えば有機感光体(OPC)が好ましく使用され、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体121へは帯電器122による一様帯電がなされた後、露光光学系130により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である露光光学系130は図示しないレーザーダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー131、fθレンズ(符号なし)、シリンドリカルレンズ(符号なし)を経て反射ミラー132により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体121に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体121の回転(副走査)によって潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い潜像を形成する。
感光体121上の潜像は現像装置123によって反転現像が行われ、感光体121の表面に可視像のトナー像が形成される。転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット141(A)、141(B)、141(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット142が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ143によって搬送路140に沿って給紙され、給紙される転写紙の傾きと偏りの修正を行うレジストローラ対144によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路140、転写前ローラ143a及び転写進入ガイド板146に案内され、感光体121上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写器124によって転写紙Pに転写され、次いで分離器125によって除電されて転写紙Pは感光体121面より分離し、搬送装置145により加熱定着器150に搬送される。
加熱定着器150は加熱定着ローラ151と加圧ローラ152とを有しており、転写紙Pを加熱定着ローラ151と加圧ローラ152との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを熔着させる。トナー画像の加熱定着を終えた転写紙Pは、冷却器163により冷却され排紙トレイ164上に排出される。排紙トレイ164に排紙された転写紙Pは、手で揃えられ使用される。この際、連続プリント時における排紙直後の転写紙が80℃以下になるように冷却器により冷却することが好ましい。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
《トナーの製造》
〈トナー粒子分散液1の作製(乳化会合法の例)〉
(ラテックス(1HML)の調製)
(1)核粒子の調製(第一段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた7000mlのセパラブルフラスコにアニオン系界面活性剤
式(101)
1021(OCH2CH22OSO3Na
7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
(2)中間層の形成(第二段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に離型剤として、下記式で表される化合物(以下、「例示化合物(19)」と云う。)98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
例示化合物(19)
CH3(CH220COOCH2C(CH2OCO(CH220CH33
一方、アニオン系界面活性剤(上記式(101))1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記「ラテックス(1H)」を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック株式会社製)により、前記例示化合物(19)の単量体溶液を8時間混合分散させて284nmの分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液とイオン交換水750mlとを添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の複合樹脂粒子の分散液)を得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
前記「ラテックス(1HM)」を乾燥し、走査型電子顕微鏡で観察したところ、ラテックスに取り囲まれなかった例示化合物(19)を主成分とする粒子(400〜1000nm)が観察された。
(3)外層の形成(第三段重合)
上記の様にして得られた「ラテックス(1HM)」に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。
この「ラテックス(1HML)」を構成する複合樹脂粒子は、138,000、80,000及び13,000にピーク分子量(重量)を有するものであり、また、この複合樹脂粒子の重量平均粒径は122nmであった。
(トナー粒子分散液の作製)
アニオン系界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解し、この溶液を攪拌しながら、「C.I.ピグメントブルー15:3」420.0g徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、「着色剤粒子の分散液」を調製した。
「ラテックス(1HML)」420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、「着色剤粒子の分散液」166gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6〜60分間かけて90℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンター TA−II」(コールターカウンター株式会社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が6.4μmになった時点で、塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成処理として液温度98℃にて2時間加熱攪拌することにより、粒子の融着を完結させた。
その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.5に調整し、「トナー粒子分散液1」を作製した。
〈トナー粒子分散液2の調製(乳化会合法の例)〉
(樹脂粒子分散液の調製)
スチレン370g、n−ブチルアクリレート30g、アクリル酸8g、ドデカンチオール24g、四臭化炭素4gを混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤「ノニルフェニルエーテル」6g及びアニオン性界面活性剤「ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム」10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、体積平均粒径=150nm、ガラス転移温度=58℃、重量平均分子量=11500の樹脂粒子が分散された「樹脂微粒子分散液2」が得られた。この分散液の固形分濃度は40質量%であった。
(着色剤分散液の調製)
着色剤「C.I.ピグメントブルー15:3」 60質量部
ノニオン性界面活性剤「ノニフェニルエーテル」 5質量部
イオン交換水 240質量部
上記成分を混合して溶解後、ホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA株式会社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒径が250nmである着色剤粒子が分散された着色剤分散液を調製した。この着色剤分散液をエアーの気泡で5分間処理を行い「着色剤分散液2」を得た。
(離型剤分散液の調製)
パラフィンワックス(融点97℃) 100質量部
カチオン性界面活性剤「アルキルアンモニウム塩」 5質量部
イオン交換水 240質量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA株式会社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された「離型剤分散液2」を調製した。
(凝集粒子の調製)
樹脂微粒子分散液2 234質量部
着色剤分散液2 30質量部
離型剤分散液2 40質量部
ポリ塩化アルミニウム 1.8質量部
イオン交換水 600質量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA株式会社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら55℃まで加熱した。55℃で30分保持した後、溶液中にD50が4.8μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で2時間保持しすると、D50は5.9μmとなった。その後、この凝集粒子を含む分散液に32質量部の「樹脂微粒子分散液2」を追加した後、加熱用オイルバスの温度を55℃まで上げて30分間保持して凝集粒子を調製した。この凝集粒子をエアーの気泡で5分間処理を行い「凝集粒子2」を得た。この「凝集粒子2」を含む分散液に1mol/Lの水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを5.0に調整した後ステンレス製フラスコを磁気シールを用いて密閉し、攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、6時間保持しトナー粒子分散液を作製した。このトナー粒子分散液をエアーの気泡で5分間処理を行い「トナー粒子分散液2」を得た。
〈トナー粒子分散液3の作製(ポリエステル会合法の例)〉
(ポリエステル樹脂の調製)
テレフタル酸ジメチル715.0gと、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム95.8gと、プロパンジオール526.0gと、ジエチレングリコール48.0gと、ジプロピレングリコール247.1gと、水酸化ブチルスズ触媒1.5gとを重縮合反応器に入れた。混合物を190℃に加熱し、メタノール副生物を蒸留受け器に集めながら、ゆっくりと約200〜202℃まで温度を上げた。次に、約4.5時間かけて圧力を大気圧から約1067Paまで下げながら、温度を約210℃まで上げた。生成物を取り出し、ガラス転移温度が53.8℃の「ポリエステル樹脂3」を調製した。
(ポリエステル樹脂エマルジョンの調製)
次に、上記「ポリエステル樹脂3」168gを1,232gの脱イオン水に加え、92℃で2時間撹拌して、「ポリエステル樹脂エマルジョン3」を調製した。
(会合工程)
反応器に、1,400gの「ポリエステル樹脂エマルジョン3」と、14.22gの「C.I.ピグメントブルー15:3」とを加え「エマルジョン/分散物3」を調製した。
次に、酢酸亜鉛を脱イオン水に溶解して、5質量%の酢酸亜鉛溶液を調製した。この溶液を、秤の上に置いた貯蔵器に入れ、0.01〜9.9ml/分で酢酸亜鉛溶液を正確に供給可能なポンプに接続した。エマルジョンの会合に必要な酢酸亜鉛の量は、エマルジョン中の樹脂質量の10%である。
「エマルジョン/分散物3」を56℃に加熱した後、酢酸亜鉛溶液を9.9ml/分でポンプ供給し、会合を開始した。酢酸亜鉛の全量の60質量%(5質量%溶液で205g)を加えたら、ポンプの添加速度を1.1ml/分に下げ、酢酸亜鉛の量がエマルジョン中の樹脂の10質量%に等しく(5質量%溶液で335g)なるまで添加を続け、80℃で9時間攪拌し「トナー粒子分散液3」を作製した。
〈トナー粒子分散液4の作製(懸濁重合法の例)〉
スチレン165g、n−ブチルアクリレート35g、「C.I.ピグメントブルー15:3」10g、ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物2g、スチレン−メタクリル酸共重合体8g、パラフィンワックス(mp=70℃)20gを混合し、60℃に加温し、「TKホモミキサー」(特殊機化工業株式会社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した。これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリル)10gを加えて溶解させ、「重合性単量体組成物4」を調製した。次いで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、「TKホモミキサー」にて13000rpmで攪拌しながら1.0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた「懸濁液4」を調製した。この「懸濁液4」に上記「重合性単量体組成物4」を添加し、「TKホモミキサー」にて10000rpmで20分間攪拌し、「重合性単量体組成物4」を造粒した。その後、反応装置を使用し、75〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、「トナー粒子分散液4」を作製した。
〈トナー粒子分散液5の作製(溶解懸濁法の例)〉
(顔料分散液の調製)
ポリエステル樹脂 50質量部
(Tg:60℃、軟化点:98℃、重量平均分子量:9500)
C.I.ピグメントブルー15:3 50質量部
酢酸エチル 100質量部
上記材料組成の分散液に、ガラスビーズを加えた容器を、サンドミル分散機に装着した。容器周りを冷却しながら、高速攪拌モードで8時間分散し、その後酢酸エチルで希釈して顔料濃度15質量%の「顔料分散液5」を調製した。
(微粒子化ワックスの分散液の調製)
パラフィンワックス(融点:85℃) 15質量部
トルエン 85質量部
上記材料を攪拌羽根を装着し、容器周りに熱媒を循環させる機能を持った分散機に投入した。毎分83回転で攪拌しながら徐々に温度を上げてゆき、最後に100℃に保ったまま3時間攪拌した。次に攪拌を続けながら毎分約2℃の割合で室温まで冷却し、微粒子化したワックスを析出させた。このワックス分散液を高圧乳化機「APVゴーリンホモジナイザ」(APVゴーリン株式会社製)を用い、圧力550×105Paで再度分散を行った。同時にワックス粘度を測定したところ0.69μmであった。調製した微粒子ワックスの分散液は、ワックスの質量濃度が15質量%になるように酢酸エチルで希釈して「微粒子化ワックスの分散液5」を作製した。
(油相の調製)
ポリエステル樹脂 85質量部
(Tg:60℃、軟化点:98℃、重量平均分子量:9500)
顔料分散液5(顔料濃度 15質量%) 50質量部
微粒子化ワックスの分散液5(ワックス濃度 15質量%) 33質量部
酢酸エチル 32質量部
上記材料組成中のポリエステル樹脂が十分に溶解したことを確認した後に、この溶液をホモミキサー「エースホモジナイザー」(日本精機株式会社製)に投入し、毎分16000回転で2分間攪拌し、均一な「油相5」を調製した。
(水相の調製)
炭酸カルシウム(平均粒径:0.03μm) 60質量部
純水 40質量部
上記材料をボールミルで4日間攪拌して得られた炭酸カルシウム水溶液を「水相(炭酸カルシウム水溶液)5」とした。「レーザ回折/散乱粒度分布測定装置A−700」(堀場製作所製)を用いて炭酸カルシウムの平均粒径を測定すると約0.08μmであった。
カルボキシメチルセルロース 2質量部
純水 98質量部
上記材料をボールミルで攪拌して得られたカルボキシメチルセルロースの水溶液を「水相(カルボキシメチルセルロース水溶液)5」とした。
(球形粒子の調製)
油相5 55質量部
水相(炭酸カルシウム水溶液)5 15質量部
水相(カルボキシメチルセルロース水溶液)5 30質量部
上記材料を「コロイドミル」(日本精機株式会社製)に投入し、ギャップ間隔1.5mm、毎分9400回転で40分間乳化を行った。次に上記乳化物を、ロータリーエバポレータに投入、室温4,000Paの減圧下で3時間脱溶媒を行った。
その後12mol/Lの塩酸をpH2になるまで加え、炭酸カルシウムをトナー表面から除去した。その後、10mol/Lの水酸化ナトリウムをpH10になるまで加え、さらに超音波洗浄槽中で攪拌しながら1時間攪拌を継続し「トナー粒子分散液5」を作製した。
〈トナー粒子分散液6の作製(連続式乳化分散法の例)〉
(ポリエーテル樹脂(A)の合成)
攪拌装置、窒素導入管、温度計、原料等注入口を備えた高圧反応装置に、水酸化カリウム0.5質量部及び溶媒であるトルエン200質量部を入れ、系内の圧力を10×105Pa、温度を40℃に保ち、攪拌しながらプロピレンオキシド10.8質量部及びスチレンオキシド89.2質量部からなる混合液を少量ずつ注入し、分子量変化の様子を末端基適定により追跡し、数平均分子量が7,000になったところで反応を終了させた。このとき注入したモノマーの総量は、プロピレンオキシドが8.64質量部で、スチレンオキシドが71.4質量部であった。得られた高分子溶液から4,000Paの減圧下にトルエン及び未反応モノマーを留去させて、「ポリエーテル樹脂(A)」を得た。
(エーテル結合を有しないポリエステル樹脂(B)の合成)
攪拌装置、窒素導入管、温度計、精留塔を備えた内容積が5リットルのフラスコに、テレフタル酸67.85質量部、ネオペンチルグリコール3.34質量部、プロピレングリコール25.58質量部、トリメチロールプロパン3.22質量部及びジブチル錫オキシド0.3質量部を入れ、窒素気流下にて240℃で攪拌して反応させた。反応は環球法による軟化点が130℃に達したとき反応を終了して、「ポリエステル樹脂(B)」を得た。得られた「ポリエステル樹脂(B)」は、薄黄色の固体であり、GPC測定法によるポリスチレン換算の重量平均分子量は96,000であった。
「ポリエーテル樹脂(A)」18質量部と、「ポリエステル樹脂(B)」72質量部と、「C.I.ピグメントブルー15:3」10質量部とを、2軸連続混練機を用いて180℃に加熱された着色樹脂溶融体とし、回転型連続分散装置「キャビトロンCD1010」(ユ−ロテック株式会社製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で150℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記着色樹脂溶融体と同時にキャビトロンに移送し、回転子の回転速度が7500rpm、圧力が5×105Paの運転条件で、着色樹脂球状微粒子が分散された温度160℃の分散液を得、10秒間で温度40℃まで冷却し、「トナー粒子分散液6」を作製した。
〈オゾン水処理してトナー粒子の作製〉
(反応容器中で処理)
上記で作製した「トナー粒子分散液1」を、図1に示す反応容器中にオゾン水を加えて処理する製造フローにより、水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整したオゾン水を2000ml加え、30分攪拌処理を行い「トナー粒子1」を作製した。
(撹拌槽中で処理)
上記で作製した「トナー粒子分散液1」を、図2に示す攪拌槽中に希釈液としてオゾン水を加えて処理(水酸化ナトリウム溶液でpH10に調整したオゾン水を2000ml加え、40分攪拌処理)する製造フローにより「トナー粒子2」を作製した。
(固液分離装置中で処理)
上記で作製した「トナー粒子分散液1〜6」を、図3に示す固液分離装置中のトナーケーキをオゾン水で処理(トナーケーキ1kg当たり1m3の水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整したオゾン水を30分かけてかけ洗い処理)する製造フローにより「トナー粒子3〜10」を作製した。
(反応容器中、撹拌槽中、固液分離装置中で処理)
上記で作製した「トナー粒子分散液1」を、前記図1に示す反応容器中で処理、図2に示す撹拌槽中で処理および図3に示す固液分離装置中で処理する製造フローにより、前述と同様にオゾン水処理を行い「トナー粒子11」を作製した。
(処理なし)
比較例として、上記で作製した「トナー粒子分散液1」を、前記図1に示す製造フローで、オゾン水を用いずに「トナー粒子12」を作製した。
なお、固液分離装置としては回転円筒型脱水機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械株式会社製)を用い、トナーケーキの乾燥には「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)を用い、トナー粒子の水分量が0.5質量%となるまで乾燥した。
表1に、「トナー粒子1〜12」を作製するのに用いたトナー粒子分散液、オゾン水処理を行った工程、オゾン水のオゾン濃度、トナー平均粒径、揮発性物質の残留量を示す。なお、揮発性物質の残留量は前述のヘッドスペース法により、オゾン水のオゾン濃度は前述の非緩衝KI法により測定した値である。
Figure 0004140489
〈トナーの作製〉
上記で作製した「トナー粒子1〜12」100質量部に、それぞれルチル型酸化チタン(体積平均粒径=20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)0.8質量部、球形単分散シリカ(ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕処理を施した粒子径D50=127nm)1.8質量部を混合し、「ヘンシェルミキサー」(周速30m/s)(三井三池化工株式会社製)で15分間ブレンドを行った。その後、目開き45μmのフィルターを用いて粗粒を除去し、「トナー1〜12」を作製し、「実施例1〜11」および「比較例1」とした。
《現像剤の調製》
上記で作製した「トナー1〜12」のそれぞれに、体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の「現像剤1〜12」を調製した。
《評価》
〈実写評価〉
実写評価は、電子写真方式を採用した市販のデジタル複写機「7065」(コニカ株式会社製)の現像器に上記トナーと現像剤をセットしプリントを行行った。なお細部条件は下記の評価項目にあわせて設定し評価をおこなった。
《評価結果》
(トナーロット間での帯電量ばらつき)
「トナー1〜12」の各10バッチを作製し、トナーロット間での帯電量のばらつきを評価した。
帯電量のばらつきは、上記で作製したトナー10バッチの各々を、前記キャリアと混合し、トナー濃度6質量%の測定用試料を調製し、温度30℃、相対湿度80%RH環境下で帯電量を測定した。帯電量はブローオフ法で測定した。
評価基準
◎:10バッチの帯電量がセンター±0.3μC/gでばらつきは非常に小さく実用上 問題無しと判断
○:10バッチの帯電量がセンター値±0.6μC/gでばらつきは小さく実用上問題 無しと判断
△:10バッチの帯電量がセンター値±1.0μC/gでばらつきはやや大きいが実用 上問題無しと判断
×:10バッチの帯電量がセンター値±1.0μC/gの範囲に入らずばらつきが大き かったので実用上問題有りと判断。
(トナーの保存安定性)
上記で作製した各トナー2gをサンプル管に取り、タッピングデンサーで500回振とうした後、55℃、35%RHの環境下で2時間放置した。次いで、48μmメッシュの篩いに入れ、一定の振動条件で篩い、メッシュ上の残存したトナー量の比率(質量%)を測定し、これをトナー凝集率とし、下記に記載の基準に則りトナーの保存安定性の評価を行った。
◎:トナー凝集率が15質量%未満(トナーの保存安定性が極めて良好、画像形成時に 問題なし)
○:トナー凝集率が15〜45質量%(トナーの保存安定性が良好、画像形成時に問題 なし)
△:トナー凝集率が46〜60質量%(トナーの保存安定性がやや悪く、画像形成時に 若干の問題があるが使用許容の範囲)
×:トナー凝集率が60質量%を越える(トナーの保存安定性が悪く、画像形成時に問 題が発生するので使用不可)。
(トナー画像の定着性)
トナー画像の定着性評価は、極厚用紙における定着性で行った。
ハート社製の喪中はがき(厚さ0.4mm)500枚を用い、デジタル複写機「7065」(コニカ株式会社製)を使用して連続プリントを行った。
なお、はがきの枠部に相対濃度0.5のグレー枠をつけた。得られたプリントを下記の様にランク評価した。
◎:グレー枠上につけペンで文字を強く書いても全くトナーが剥落せず良好
○:グレー枠上につけペンで文字を強く書いた時にトナーが剥落するが、ボールペン使 用時にはトナーの剥離が起きず良好
×:定着が不十分でグレー枠を手に持っただけで、トナーが剥落して手が汚れて問題。
(臭気)
床が5m×5m、高さが2mの密閉された部屋の中で、デジタル複写機「7065」(コニカ株式会社製)を改造し、加熱定着器の定着温度を175℃に設定し、定着後の転写紙を冷却する冷却器を取り付け、排紙された転写紙の表面温度が75℃になるように調整したプリンタで、ベタ黒50%の画像を連続して1000枚プリントを行った。
臭気の評価は、1000枚のプリント終了時に30名の評価員により、臭気を感じた人数で行った。
◎:1名の評価員も臭気を感じなかった
○:3名以下の評価員が臭気を感じた
×:4名以上の評価員が臭気を感じた。
評価結果を表2に示す。
Figure 0004140489
表2より明らかなように、本発明のトナー製造方法で作製した「実施例1〜11」は「比較例1」と比較して、トナーロット間における帯電量のばらつきが無く、トナーの保存安定性に優れたトナーが得られるとともに、当該トナーを用いて画像形成を行ったときに良好な定着性を有するトナー画像が形成され、且つ、定着工程時に臭気が感じられず快適なプリント作業環境が得られるという優れた効果を奏することが確認された。
本発明に好ましく用いられるトナー粒子の製造方法(反応容器中にオゾン水を加える)の一例を示す製造フロー図である。 本発明に好ましく用いられるトナー粒子の製造方法(攪拌槽中にオゾン水を加える)の一例を示す製造フロー図である。 本発明に好ましく用いられるトナー粒子の製造方法(固液分離装置中のトナーケーキをオゾン水でかけ洗い)の一例を示す製造フロー図(製造プロセス図)である。 本発明に係るトナーを用いる画像形成方法の一例を示す画像形成装置の断面構成図である。
符号の説明
601 反応容器用オゾン水タンク
602 撹拌槽用オゾン水タンク
603 トナーケーキ洗浄用オゾン水タンク
604 トナーケーキ
701 反応容器
702 濃縮装置
703 撹拌槽
704 固液分離装置
705 ストックタンク
706 乾燥装置

Claims (5)

  1. 水系媒体中で粒子を形成する工程を有するトナー製造方法において、水系媒体中のトナー組成物またはトナー粒子を、オゾン水で処理する工程を有することを特徴とするトナー製造方法。
  2. 水系媒体中で粒子を形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、固液分離する工程を有するトナー製造方法において、前記オゾン水で処理する工程が、該水系媒体中で粒子を形成する工程の中で行われるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
  3. 水系媒体中で粒子を形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、固液分離する工程を有するトナー製造方法において、前記オゾン水で処理する工程が、該トナー粒子分散液を脱水または濃縮した後洗浄媒体に分散する工程の中で行われるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
  4. 水系媒体中で粒子を形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、固液分離する工程を有するトナー製造方法において、前記オゾン水で処理する工程が、該固液分離する工程の中で行われるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
  5. 水系媒体中で粒子を形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、固液分離する工程を有するトナー製造方法において、前記オゾン水で処理する工程が、該水系媒体中で粒子を形成する工程、脱水または濃縮した後洗浄媒体に分散する工程、固液分離する工程の少なくとも2工程の中で行われるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
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