JP4103366B2 - 4輪駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は4輪駆動装置、特に、トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合部におけるオイルシールの改良の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)の構成を基礎にして次のように4輪駆動装置を構築することができる。クランク軸が車体幅方向に延びるようにエンジンを横置きに配置し、このエンジンに変速機及び差動装置を収容するトランスアクスルケースを直列に結合する。さらに、このトランスアクスルケースにトランスファを収容するトランスファケースを結合する。
【0003】
上記トランスファケースにトランスファ中空軸を回転自在に支持し、該中空軸を差動装置のデフケースに連結する。トランスファ中空軸はクランク軸に平行に車体幅方向に延びる。また、このトランスファ中空軸に左右いずれか一方の駆動軸を同軸に回転自在に内嵌し、該駆動軸ともう一方の駆動軸とをそれぞれ差動装置の左右のピニオンギヤに連結する。これにより、駆動軸で前輪を駆動し、トランスファ中空軸でエンジン出力を後輪に伝達する。
【0004】
ここで、デフケースとトランスファ中空軸との連結、及びピニオンギヤと駆動軸との連結をスプラインを介して行う場合がある。例えば、デフケースに車体幅方向に延びる中空軸部を設け、この中空軸部とトランスファ中空軸におけるトランスアクスルケース側の端部とに相互に噛み合うスプラインを形成する。そして、トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合時に、トランスファ中空軸をデフケースの中空軸部に軸方向に差し込むことにより、これらのスプライン同士を噛み合わせてトランスファ中空軸をデフケースに連結する。
【0005】
同様にして、ピニオンギヤに車体幅方向に延びる中空軸部を設け、この中空軸部と駆動軸におけるトランスアクスルケース側の端部とに相互に噛み合うスプラインを形成する。このピニオンギヤの中空軸部は上記デフケースの中空軸部に同軸に且つデフケースの中空軸部より小径に設ける。そして、トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合時に、駆動軸をピニオンギヤの中空軸部に軸方向に差し込むことにより、これらのスプライン同士を噛み合わせて駆動軸をピニオンギヤに連結する。
【0006】
ところで、トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合部では、一般に、各ケース内外の気密性・油密性を高め、ケース内のオイルの漏洩を防ぐために、オイルシール等のシール部材が配設される。例えば特公平5−47410号公報に開示の4輪駆動装置では、図8(b)に示すように、トランスアクスルケースa及びトランスファケースb毎にオイルの漏洩を防ぐために、各ケースa,bに1つづつオイルシールc,dが組み付けられている。両オイルシールc,dとも、デフケースeに連結されたトランスファ中空軸fの外周面と、各ケースa,bの端部の内面との間に配設されている。
【0007】
ここで、図示しないが、トランスファ中空軸fがトランスファケースbに回転自在に支持されていることから、図8(a)に示すように、トランスファケースb側のオイルシールdは、該トランスファケースbをトランスアクスルケースaに結合する以前からトランスファ中空軸fの外周面と当接している。つまりトランスファケースb側を1つのユニットとしたときに、このオイルシールdはすでにトランスファケースbをシールしている(オイル封入式)。これに対し、トランスアクスルケースa側のオイルシールcは、トランスファケースbをトランスアクスルケースaに結合する以前は、トランスアクスルケースaの端部の内面に配置されているだけであり、両ケースa,bを結合してトランスファ中空軸fをデフケースeに連結した段階で初めてトランスアクスルケースa側のオイルシールcはトランスファ中空軸fの外周面に当接してトランスアクスルケースaをシールすることになる(オイル開放式)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、上記公報に開示のように、デフケースeのスプラインgがその内周面に形成され、トランスファ中空軸fのスプラインhがその外周面に形成されていると、次のような不具合が生じ得る。すなわち、図8(a)に示すように、トランスアクスルケースaとトランスファケースbとの結合時に、トランスファ中空軸fをデフケースeに連結しようとしてトランスファケースbないしトランスファ中空軸fをトランスアクスルケースaないしデフケースeに対して矢印のように軸方向に移動させているときに、トランスファ中空軸fとデフケースeとのセンタリングがずれると、トランスファ中空軸fの外周面に形成されたスプラインhがトランスアクスルケースa側のオイルシールcに接触して、該オイルシールcを損傷したり切断する可能性がある。
【0009】
同様にして、ピニオンギヤiのスプラインkがその内周面に形成され、駆動軸jのスプラインmがその外周面に形成されていると、トランスアクスルケースaとトランスファケースbとの結合時に、駆動軸jをピニオンギヤiに連結しようとしてトランスファケースbないし駆動軸jをトランスアクスルケースaないしピニオンギヤiに対して矢印のように軸方向に移動させているときに、駆動軸jとピニオンギヤiとのセンタリングがずれると、該駆動軸jの外周面に形成されたスプラインmがトランスアクスルケースa側のオイルシールcに接触して、該オイルシールcを損傷したり切断する可能性もある。
【0010】
このような問題を回避するためには、例えば、トランスアクスルケースa側のオイルシールcの径をトランスファ中空軸fのスプライン部hの径や駆動軸jのスプライン部mの径よりも顕著に大きくすることが考えられる。しかしそうすると、トランスファ中空軸fの本体部の外周面がこのオイルシールcと当接しなければならないから、該本体部の径が増大する。つまり、トランスファ中空軸fの本体部の外周面と、上記各スプライン部h,mとの径方向の距離xが大きくなる。その結果、トランスファ中空軸fの重量が増大するのみならず、該中空軸fを収容するトランスファケースbが車体前後方向に肥大化し、該トランスファケースbとエンジンとの軸間距離が長くなって、パワートレイン全体のコンパクト化が阻害される。さらに、トランスファケースb側のオイルシールdも径の大きなものを用いなければならなくなる。
【0011】
本発明は、このような不具合に対処するもので、トランスファ中空軸の重量増やトランスファケースの肥大化等を引き起こすことなく、トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合時におけるシール部材の損傷の問題を解消することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、出力軸が車体幅方向に延びるように配置したエンジンに変速機及び差動装置を収容するトランスアクスルケースを結合し、該トランスアクスルケースにトランスファを収容するトランスファケースを結合した構成の4輪駆動装置であって、エンジン出力軸に平行に延び、トランスファケースに回転自在に支持されたトランスファ中空軸と、該中空軸におけるトランスアクスルケース側の端部の外周面に形成された中空軸側スプラインと、上記差動装置のデフケースに設けられた中空軸部と、該中空軸部の内周面に形成され、上記中空軸側スプラインと噛み合うデフケース側スプラインとを有し、トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合時に、トランスファ中空軸をデフケースの中空軸部に軸方向に差し込むことにより、上記スプラインを介して、トランスファ中空軸をデフケースに連結していると共に、上記両ケースの結合部における対峙面のうちのトランスファケース側の対峙面に、周溝でなるシール部材の保持部を設け、該保持部にシール部材を保持した状態で上記トランスファケースをトランスアクスルケースに結合することにより、上記シール部材を両ケースの対峙面間に挟み込んでおり、かつ、トランスアクスルケース側の対峙面における上記トランスファケース側の保持部より内側の位置に、該トランスファケース側に突出する突出部を設けたことを特徴とする。
【0013】
上記公報に開示のように、トランスファ中空軸の外周面にシール部材を当接させてトランスアクスルケースやトランスファケースをシールしようとすると、軸側のスプラインとケース側のシール部材とが径方向に近接するから、トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合時にセンタリングが少しずれただけでもスプラインがシール部材に接触して該シール部材を損傷させてしまうことになる。
【0014】
そこで、本発明では、シール部材をトランスファ中空軸の外周面に当接させないようにしたのである。つまり、本発明では、両ケースの結合部における対峙面間にシール部材を設けている。ケースの対峙面間にシール部材を挟み込むことにより、両ケースのシールが単一のシール部材で一挙に達成され、コストダウンが図られる。また、シール部材の径とトランスファ中空軸の径とが無関係となるから、トランスファ中空軸を拡径させずに大径のシール部材を用いることができ、その結果、トランスファ中空軸の重量増やトランスファケースの肥大化等を引き起こすことなく、トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合時におけるシール部材の損傷の問題が抑制される。
【0015】
しかも、シール部材を車体前後方向に広がる対峙面間に配置したから、シール部材の径が大きくなっても、必ずしもそれに伴ってトランスアクスルケースやトランスファケースを径方向(車体前後方向)に大きくする必要がない。これによってもトランスファケースの肥大化が免れ、パワートレイン全体のコンパクト化が阻害されることがない。これに対し、例えば、シール部材を車体幅方向に広がるトランスアクスルケースやトランスファケースの内面に配置すると、シール部材の径が大きくなれば、必ずそれに伴ってケースを径方向に大きくする必要が生じ、その結果、ケースが車体前後方向に肥大化して、パワートレイン全体のコンパクト化が阻害されてしまう。
【0016】
なお、この場合、デフケース側スプラインはトランスアクスルケースの内部に位置しても外部に位置してもよい。もちろんトランスアクスルケースの内部に位置する場合は、デフケースがトランスアクスルケースからトランスファケース側に外部に突出せずに済み、パワートレイン全体の車体幅方向の短縮化が阻害されない。
【0018】
また、本発明によれば、トランスファケースをトランスアクスルケースに結合する以前から、トランスファケースにはトランスファ中空軸とシール部材とが組み付けられるから、上記両ケースの結合時にトランスファ中空軸のスプラインでシール部材が損傷するということがなくなる。
【0020】
さらに、本発明によれば、トランスアクスルケース側の対峙面(シール面)が突出部で保護されるから、トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合時に、該対峙面がトランスファケースの端部やトランスファ中空軸の端部の衝突や接触によって傷つくことが抑制され、シール部材によるシール性が損なわれない。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態に係る4輪駆動車の動力伝達経路を示す骨子図である。図中の三角形は軸受を表わす。この4輪駆動車は、車体前部のエンジンルーム内に横置きに配置したエンジン1で前輪を常時駆動するFFの構成を基礎にしている。エンジン1のクランクシャフト2は車体幅方向に延び、該クランクシャフト2にトルクコンバータ3が直列に連結されている。トルクコンバータ3のタービンシャフト4にトランスアクスル5の自動変速機6が直列に連結されている。自動変速機6の出力軸7も車体幅方向に延び、該出力軸7に出力ギヤ8が設けられている。
【0032】
トランスアクスルケース9がエンジン1の左端部に結合されている。トランスアクスルケース9はトルクコンバータ3のケース9aと自動変速機6のケース9bとを含む。トランスアクスルケース9に前輪用の差動装置(フロントデフ)10が収容されている。フロントデフ10のデフケース11にリングギヤ12が組み付けられ、上記出力ギヤ8と噛合している。デフケース11内の左右のピニオンギヤ13L,13Rにそれぞれ車体幅方向に延びる左右の前輪駆動軸14L,14Rが連結されている。各駆動軸14L,14Rに自在継手15,15を介してそれぞれ左右の前輪車軸16L,16Rが連結されている。各車軸16L,16Rにそれぞれ図示しない左右の前輪が接続されている。トランスアクスルケース9はデフケース11を左右の軸受17L,17Rで回転自在に支持している。
【0033】
トランスアクスルケース9の右側面にトランスファケース21が結合されている。トランスファケース21は前部ケース21aと後部ケース21bとを含む(図2参照)。トランスファケース21は右の前輪駆動軸14Rの右端部を軸受22で回転自在に支持している。トランスファケース21はまたトランスファ20のトランスファ中空軸23を一対の軸受24a,24bで回転自在に支持している。トランスファ中空軸23は右の前輪駆動軸14Rの周囲に同軸に配置され、フロントデフケース11の右部に連結されている。トランスファ中空軸23の外周面に駆動ギヤ25が組み付けられている。
【0034】
トランスファケース21はさらにトランスファ軸26及びピニオン軸27を回転自在に支持している。トランスファ軸26は、前輪駆動軸14L,14Rやトランスファ中空軸23等と同様、車体幅方向に延びる。ピニオン軸27は、トランスファ軸26と直交して車体前後方向に延びる。トランスファ軸26に従動ギヤ28が組み付けられ、上記駆動ギヤ25と噛合している。トランスファ軸26はハイポイド型リングギヤ29を有し、該リングギヤ29がピニオン軸27の前端部のハイポイド型ピニオンギヤ30と噛合している。ピニオン軸27の後端部に自在継手31を介してプロペラシャフト32が連結されている。
【0035】
プロペラシャフト32の後端部に後輪側のピニオン軸33が連結されている。このピニオン軸33はハイポイド型ピニオンギヤ34を有し、該ピニオンギヤ34が後輪用の差動装置(リヤデフ)35のデフケース36に組み付けられたハイポイド型リングギヤ37と噛合している。リヤデフケース36内の左右のピニオンギヤ38L,38Rにそれぞれ車体幅方向に延びる左右の後輪駆動軸39L,39Rが連結されている。各駆動軸39L,39Rに自在継手40,40を介してそれぞれ左右の後輪車軸41L,41Rが連結されている。各車軸41L,41Rにそれぞれ図示しない左右の後輪が接続されている。以上のような構成により、左右の前輪駆動軸14L,14Rで前輪が常時駆動されると共に、トランスファ20を経由して後輪にエンジン出力が伝達される。
【0036】
各駆動軸14L,14R,39L,39Rと、対応する各ピニオンギヤ13L,13R,38L,38Rとはそれぞれスプラインによって連結されている。また、トランスファ中空軸23と、フロントデフケース11の右部もスプラインによって連結されている。例えば、図2に示すように、右の前輪駆動軸14Rのトランスアクスルケース9側の端部(左端部)の外周面にスプライン(駆動軸側スプライン)51を形成している。また、図3に示すように、フロントデフ10の右のピニオンギヤ13Rにトランスファケース21側に(右側に)延びる中空軸部13aを設け、該中空軸部13aの内周面にスプライン(ピニオン側スプライン)52を形成している。そして、トランスアクスルケース9とトランスファケース21との結合時に、駆動軸14Rをピニオンギヤ13Rの中空軸部13aに右から左に差し込んで、上記スプライン51,52同士を噛み合わせ、これにより駆動軸14Rをピニオンギヤ13Rに連結している。
【0037】
同様にして、図3に示すように、トランスファ中空軸23の左端部の外周面にスプライン(中空軸側スプライン)53を形成している。フロントデフケース11の右部に右側に延びる中空軸部11aを設け、該中空軸部11aの内周面にスプライン(デフケース側スプライン)54を形成している。上記デフケース11の中空軸部11aはピニオンギヤ13Rの中空軸部13aより大径に且つピニオンギヤ13Rの中空軸部13aと同軸に設けられる。そして、トランスアクスルケース9とトランスファケース21との結合時に、トランスファ中空軸23をデフケース11の中空軸部11aに右から左に差し込んで、上記スプライン53,54同士を噛み合わせ、これによりトランスファ中空軸23をフロントデフケース11に連結している。
【0038】
トランスアクスルケース9及びトランスファケース21にそれぞれ複数のシール部材61,71,72,73,74が配設されている。まず、図3に示すように、両ケース9,21の結合部における対峙面9F,21F間に単一のシールリング(請求項1に記載のシール部材)61が挟み込まれている。また、トランスファケース21の左端部の内面と、トランスファ中空軸23の外周面との間に第1のオイルシール71が設けられている。さらに、図2に示すように、トランスアクスルケース9の左端部の内面と、左の前輪駆動軸14Lの外周面との間に第2のオイルシール72が設けられている。また、トランスファケース21の右端部の内面と、トランスファ中空軸23の外周面との間に第3のオイルシール73が設けられている。そして、トランスファケース21のさらに右端部の内面と、右の前輪駆動軸14Rの外周面との間に第4のオイルシール74が設けられている。
【0039】
シールリング61は、トランスアクスルケース9及びトランスファケース21内のオイルが両ケース9,21の結合部から外部に漏洩するのを防ぐ。両ケース9,21のシールが単一のシールリング61で一挙に達成されるからコストダウンが図られる。第1のオイルシール71は、トランスファケース21内のハイポイドギヤ用オイルがトランスファ中空軸23の外側を通ってケース21の左端部から外部に漏洩するのを防ぐ。また、トランスアクスルケース9内の変速機用オイル(ATF)と、トランスファケース21内のハイポイドギヤ用オイルとの混合を防ぐ。
【0040】
第2のオイルシール72は、トランスアクスルケース9内の変速機用オイルが左駆動軸14Lの外側を通ってケース9の左端部から外部に漏洩するのを防ぐ。第3のオイルシール73は、右駆動軸14Rとトランスファ中空軸23との間隙を通ってトランスファケース21内に浸入してきたトランスアクスルケース9内の変速機用オイルがそれ以上トランスファケース21内に浸入するのを防ぐ。第4のオイルシール74は、トランスファケース21内のオイルが右駆動軸14Rの外側を通ってケース21の右端部から外部に漏洩するのを防ぐ。
【0041】
このように、上記シールリング61をトランスファ中空軸23の外周面に当接させず、両ケース9,21の結合部における対峙面9F,21F間に配設したから、トランスファ中空軸23の径を増大させずに径の大きなシールリング61を用いることができる。その結果、トランスファ中空軸23の重量が増大したり、トランスファケース21が肥大化したりすることなく、トランスアクスルケース9とトランスファケース21との結合時に駆動軸側スプライン51あるいは中空軸側スプライン53でシールリング61を損傷・切断するという問題が抑制される。
【0042】
しかも、シールリング61を車体前後方向に広がる対峙面9F,21F間に配置したから、シールリング61の径が大きくなっても、必ずしもそれに伴ってトランスアクスルケース9やトランスファケース21を径方向(車体前後方向)に大きくする必要がなく、これによってもトランスファケース21の肥大化が免れ、当該パワートレイン全体のコンパクト化が阻害されない。
【0043】
シールリング61は、図4に示すように、ラバー等の弾性体でなる環状のシール本体61aと、該本体61aの内周側に一体に埋め込まれた金属製の芯金61bとを有する。芯金61bはシール本体61aの環形状を維持する。シール本体61aは、図5に示すように、略菱形の断面を有する。すなわち、正方形の基本部分と、その両側部の台形部分と、外周部の複数の突起61c…61c(図4によれば4つ)との組合せでなる。
【0044】
図3に示すように、トランスファケース21の対峙面21Fにシールリング61の保持部Aを設けている。この保持部Aは、上記対峙面21Fを含んで、ケース21の左方向及び内方向に開放する周溝(シールリング取付座)でなる。ケース9,21同士の結合時には、先に、この保持部Aにシールリング61を上記突起61c…61cを用いて圧入しておき、その状態でトランスファケース21をトランスアクスルケース9に結合することにより、該シールリング61を両ケース9,21の対峙面9F,21F間に挟み込む。挟み込まれたシールリング61は、両側部の台形部分が圧縮されて変形し、トランスアクスルケース9とトランスファケース21とを結合部において同時にシールする。
【0045】
こうすれば、トランスファケース21をトランスアクスルケース9に結合する以前から、該トランスファケース21にトランスファ中空軸23とシールリング61とを共に組み付けることになるから、上記両ケース9,21の結合時にトランスファ中空軸23のスプライン53でシールリング61を損傷させることがなくなる。
【0046】
また、図3に示すように、トランスアクスルケース9の対峙面9Fにトランスファケース21側に突出する突出部Bを設けている。この突出部Bは、上記対峙面9Fよりケース9の内側に位置し、且つ該対峙面9Fより右側に突出して、該対峙面(シール面)9Fをトランスファケース21の左端部の衝突等から保護する。すなわち、トランスアクスルケース9とトランスファケース21との結合時に、トランスアクスルケース9の対峙面9Fがトランスファケース21やトランスファ中空軸23の左端部の衝突や接触等によって傷つくことが抑制され、シールリング61によるシール性が確保される。
【0047】
なお、この実施の形態においては、デフケース側スプライン54はトランスアクスルケース9の内部に位置している。したがって、デフケース11がトランスアクスルケース9からトランスファケース21側に外部に突出せずに済み、パワートレイン全体の車体幅方向の短縮化に寄与する。
【0048】
また、この実施の形態においては、第1のオイルシール71は、ケース9,21同士の結合以前からトランスファケース21側に組み付けられ、トランスファ中空軸23の外周面と当接し、トランスファケース21をシールしている。すなわちトランスファケース21はオイル封入式である。一方、トランスアクスルケース9は、トランスファケース21との結合以前は、右端部がシールされておらず、オイル開放式である。
【0049】
次に、本発明に関連する4輪駆動装置の第1構成例について説明する。なお、上記実施の形態と同じ又は類似する構成要素には同じ符号を用いるが、特徴部分のみ説明し、共通部分は説明を略する。
【0050】
この第1構成例においては、図6に示すように、シールリング61に代えて、第5のオイルシール75が設けられている。この第5のオイルシール75は、トランスアクスルケース9の右端部の内面と、デフケース11の中空軸部11aの外周面との間に配設されている。この第5のオイルシール75は、トランスアクスルケース9内の変速機用オイルがデフケース11の中空軸部11aの外側を通ってケース9の右端部から外部に漏洩するのを防ぐ。
【0051】
加えて、この第1構成例においては、ピニオンギヤ13Rの中空軸部13aの外周面とデフケース11の内面との間に第6のオイルシール76が新たに配設されている。この第6のオイルシール76は、トランスアクスルケース9内の変速機用オイルがピニオンギヤ13Rの中空軸部13aとデフケース11の内面との間隙を通ってケース9の右端部から外部に漏洩するのを防ぐ。
【0052】
また、デフケース11の中空軸部11aはトランスファ中空軸23の左端部よりも大径とされて、デフケース側スプライン54は中空軸部11aの内周面に、中空軸側スプライン53はトランスファ中空軸23の外周面にそれぞれ形成されている。
【0053】
この第1構成例では、上記実施の形態と異なり、第5のオイルシール75をデフケース11の中空軸部11aの外周面とトランスアクスルケース9の内面との間に配設した。つまり、第5のオイルシール75をトランスファ中空軸23の外周面ではなく、デフケース11の中空軸部11aの外周面に当接させたのである。こうすれば、トランスアクスルケース9とトランスファケース21との結合時に、トランスファ中空軸23をデフケース11の中空軸部11aに右から左に軸方向に差し込む際に、該デフケース11(より詳しくは、その中空軸部11a)が障害となるから、トランスファ中空軸23のスプライン53が第5のオイルシール75に接触して該シール75を損傷するようなことが回避される。
【0054】
この構成にあっては、前述したように、デフケース11がトランスアクスルケース9に回転自在に支持されていることから、トランスアクスルケース9側のこの第5のオイルシール75は、トランスアクスルケース9とトランスファケース21とを結合する以前からトランスアクスルケース9側に組み付けられ、デフケース11の中空軸部11aの外周面と当接し、トランスアクスルケース9をシールしている。すなわちトランスアクスルケース9はオイル封入式である。一方、トランスファケース21も、前述したように、第1のオイルシール71によってオイル封入式とされている。
【0055】
その場合に、ピニオンギヤ13Rの中空軸部13aの外周面とデフケース11の内面との間にも第6のオイルシール76を配設したから、この第6のオイルシール76によってデフケース11の内部のシール性が向上する。その結果、オイル封入式とされたこのトランスアクスルケース9の全体のシール性がなお一層向上して好ましい。
【0056】
しかも、上記第6のオイルシール76をピニオンギヤ13Rの中空軸部13aの外周面とデフケース11の内面との間に配置したから、トランスアクスルケース9とトランスファケース21との結合時に、駆動軸14Rをピニオンギヤ13Rの中空軸部13aに右から左に軸方向に差し込む際に、該ピニオンギヤ13Rの中空軸部13aが障害となり、駆動軸14Rのスプライン51が第6のオイルシール76に接触して該シール76を損傷するようなことが回避される。
【0057】
また、この構成にあっては、第5のオイルシール75をデフケース11の中空軸部11aの外周面に当接させてトランスアクスルケース9をシールするから、デフケース11はどうしてもトランスアクスルケース9からトランスファケース21側に外部に突出する。より詳しくは、デフケース11の中空軸部11aは、少なくとも第5のオイルシール75よりもトランスファケース21側に突出する。
【0058】
その場合に、この第1構成例では、デフケース側スプライン54を第5のオイルシール75とは逆にデフケース11の中空軸部11aの内周面に形成したから、該スプライン54とシール75とが互いに干渉し合うことがない。よって、上記スプライン54とシール75とを車体前後方向にオーバーラップさせて配置することができ、上記デフケース11のトランスファケース21側への外部突出量を可及的に少なくすることができる。その結果、パワートレイン全体の車体幅方向の短縮化に寄与する。併せて、中空軸側スプライン53をトランスファ中空軸23の外周面に形成したから、該スプライン53の加工が容易となり、加工作業性の向上が図られる。
【0059】
ピニオンギヤ13Rの中空軸部13aの外周面には、第6のオイルシール76の保持部Cを設けている。この保持部Cは、中空軸部13aの右端部において、右方向及び外方向に開放する周溝(オイルシール取付座)でなる。ピニオンギヤ13Rをデフケース11に組み付ける際には、先に、この保持部Cにオイルシール76を嵌合しておき、その状態でピニオンギヤ13Rの中空軸部13aをトランスファ中空軸23とは反対に左から右にデフケース11に軸方向に差し込む。これにより、この第6のオイルシール76をピニオンギヤ13Rの中空軸部13aの外周面とデフケース11の内面との間に配設することができる。
【0060】
こうすれば、ピニオンギヤ13Rのデフケース11への組付けと同時に第6のオイルシールをデフケース11内部に組み付けることができるから、該第6のオイルシール76の組付けが容易となり、組付作業性の向上が図られる。
【0061】
さらに、本発明に関連する4輪駆動装置の第2構成例について説明する。なお、上記第1構成例と同じ又は類似する構成要素には同じ符号を用いるが、特徴部分のみ説明し、共通部分は説明を略する。
【0062】
この第2構成例においては、図7に示すように、トランスファ中空軸23の左端部はデフケース11の中空軸部11aよりも大径とされて、中空軸側スプライン53はトランスファ中空軸23の内周面に、デフケース側スプライン54は中空軸部11aの外周面にそれぞれ形成されている。デフケース11の中空軸部11aが相対的に小径となるから、第5オイルシール75の径が小さくて済むという利点がある。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、トランスファ中空軸が重量増を起こしたり、トランスファケースが肥大化する等の弊害なしに、トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合時におけるシール部材の損傷の問題を解消することができる。本発明は、4輪駆動装置一般への幅広い利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る4輪駆動装置の機械的構成(動力伝達経路)の骨子図である。
【図2】 同4輪駆動装置のフロントデフ及びトランスファ周辺の断面図である。
【図3】 トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合部周辺の拡大断面図である。
【図4】 同ケースの対峙面間に配設するシールリングの全体図である。
【図5】 図4のア−ア線に沿う断面図である。
【図6】 本発明に関連する第1構成例に係る4輪駆動装置のトランスアクスルケースとトランスファケースとの結合部周辺の拡大断面図である。
【図7】 同じく第2構成例に係る4輪駆動装置のトランスアクスルケースとトランスファケースとの結合部周辺の拡大断面図である。
【図8】 従来の問題を説明するためにトランスアクスルケースとトランスファケースとの結合の様子を示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン
9 トランスアクスルケース
9F トランスアクスルケースの対峙面
10 フロントデフ
11 デフケース
11a デフケースの中空軸部
21 トランスファケース
21F トランスファケースの対峙面
23 トランスファ中空軸
53 中空軸側スプライン
54 デフケース側スプライン
61 シールリング
75,76 オイルシール
A,C 保持部
B 突出部
14R 駆動軸
51 駆動軸側スプライン
13R ピニオンギヤ
13a ピニオンギヤの中空軸部
52 ピニオン側スプライン

Claims (1)

  1. 出力軸が車体幅方向に延びるように配置したエンジンに変速機及び差動装置を収容するトランスアクスルケースを結合し、該トランスアクスルケースにトランスファを収容するトランスファケースを結合した構成の4輪駆動装置であって、
    エンジン出力軸に平行に延び、トランスファケースに回転自在に支持されたトランスファ中空軸と、該中空軸におけるトランスアクスルケース側の端部の外周面に形成された中空軸側スプラインと、上記差動装置のデフケースに設けられた中空軸部と、該中空軸部の内周面に形成され、上記中空軸側スプラインと噛み合うデフケース側スプラインとを有し、
    トランスアクスルケースとトランスファケースとの結合時に、トランスファ中空軸をデフケースの中空軸部に軸方向に差し込むことにより、上記スプラインを介して、トランスファ中空軸をデフケースに連結していると共に、
    上記両ケースの結合部における対峙面のうちのトランスファケース側の対峙面に、周溝でなるシール部材の保持部を設け、該保持部にシール部材を保持した状態で上記トランスファケースをトランスアクスルケースに結合することにより、上記シール部材を両ケースの対峙面間に挟み込んでおり、
    かつ、トランスアクスルケース側の対峙面の内側における上記トランスファケース側の保持部より内側の位置に、該トランスファケース側に突出する突出部を設けたことを特徴とする4輪駆動装置。
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