JP4100777B2 - 断熱性容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インスタントラーメンなどの即席食品を入れるカップ状の容器に係り、特に熱湯を注いでそのまま食することのできる断熱性に優れた容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のカップ状をした断熱性容器としては、発泡ポリスチレンなどのプラスチック製のものが多用されていたが、これらは廃棄した場合に公害問題になることから、これに代わるものとして、例えば実開平4−45212号公報に見られるように、胴部を二重にして断熱用の空隙を形成した紙製の断熱性容器が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べた実開平4−45212号公報に記載の断熱性容器は、通常の紙カップに対してテーパーの異なった底なしの外筒を組み合わせるという簡単な構成により断熱効果を有するカップが得られるという利点がある。そして、断熱用の空隙が下方に行くほど大きくなっているので、通常の持ち方では良好な断熱効果を発揮する。しかしながら、上部寄りのところをつかんで持つ状態が長く続くと、断熱効果を発揮する空隙が無いか又は狭いので、段々と熱くなってくるという問題点がある。
【0004】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、胴部のいずれの場所を手で持っても内容物の熱が伝わり難い優れた断熱性容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の断熱性容器は、上方開口縁に外向きカール部を有する紙カップ本体と、上方及び下方共に開口しており上方開口縁と下方開口縁にそれぞれ内向きカール部を有する紙製の外筒とからなり、外筒はその上方開口縁の内向きカール部が紙カップ本体における外向きカール部直下の側壁外周に接触すると共にその下方開口縁の内向きカール部が紙カップ本体の下方の側壁外周に接する大きさであって、紙カップ本体に外筒を被せて外筒の上方開口縁の内向きカール部を紙カップ本体における外向きカール部直下の側壁外周に接着し、下方開口縁の内向きカール部は紙カップ本体の側壁外周面に接着しない状態で両者を一体とすることにより形成され、紙カップ本体と外筒の間の全体に渡って空隙が形成されていることを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0007】
図1は本発明に係る断熱性容器の一例を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ断面図と正面図で示す概略構成図であり、同図の断熱性容器1は、紙カップ本体2と上方及び下方共に開口した中空円筒状の外筒3とで構成されている。
【0008】
紙カップ本体2は、内面若しくは内外両面にポリエチレン等の合成樹脂をコーティングした紙からなるもので、通常の紙カップと同様に胴部4の下方に底板5を巻き締めると共に上方開口縁に外向きカール部6が形成されたものである。
【0009】
一方、中空円筒状の外筒3は、紙単体若しくは片面又は両面にポリエチレン等の合成樹脂をコーティングした紙からできており、胴部7の下方開口縁に内向きカール部8が形成されている。また、外筒3はその胴部7が紙カップ本体2の胴部4とほぼ同じテーパーを有するもので、その上方開口縁にも内向きカール部9が形成されている。そして、その上方開口縁の内向きカール部9が紙カップ本体2における外向きカール部6直下の側壁外周に接触すると共に、その下方開口縁の内向きカール部8が紙カップ本体2の下方の側壁外周に接する大きさとされている。
【0010】
そして、紙カップ本体2に上記構成の外筒3を被せ、外筒3の上方開口縁の内向きカール部9を紙カップ本体2における外向きカール部6直下の側壁外周面にエマルジョン系接着剤等の手段で接着して両者を一体とすることにより、図1の断熱性容器1が形成されている。
【0011】
上記構成の断熱性容器1においては、テーパーがほぼ同じ紙カップ本体2の胴部4と外筒3の胴部7の間の全体に渡って所定間隔で空隙10が形成され、この空隙10の部分が断熱作用を果たす。したがって、断熱性容器1に熱湯を入れた場合、内側の胴部4の熱が外側の胴部7に伝わるのが防止され、この種の容器において通常把持されるどの場所をつかんで持っても熱くなることがない。
【0012】
なお、外筒3の上方開口縁の内向きカール部9は、内向きにカールして形成する代わりに内向きに折り曲げて形成してもよい。
【0013】
また、紙カップ本体2の胴部4に、周回方向であって、内面側又は外面側に突出する突条を形成して、熱湯を注ぐ時の目安となる注入基準線を設けてもよい。
【0014】
【発明の効果】
本発明の断熱性容器は、上方開口縁に外向きカール部を有する紙カップ本体と、上方及び下方共に開口しており上方開口縁と下方開口縁にそれぞれ内向きカール部を有する紙製の外筒とからなり、外筒はその上方開口縁の内向きカール部が紙カップ本体における外向きカール部直下の側壁外周に接触すると共にその下方開口縁の内向きカール部が紙カップ本体の下方の側壁外周に接する大きさであって、紙カップ本体に外筒を被せて外筒の上方開口縁の内向きカール部を紙カップ本体における外向きカール部直下の側壁外周に接着し、下方開口縁の内向きカール部は紙カップ本体の側壁外周面に接着しない状態で両者を一体とすることにより形成され、紙カップ本体と外筒の間の全体に渡って空隙が形成されている構成としたので、断熱用の空隙が胴部全体に渡って所定の間隔で形成され、胴部のいずれの場所を手で持っても内容物の熱が伝わりにくいという断熱性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る断熱性容器の一例を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ断面図と正面図で示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 断熱性容器
2 紙カップ本体
3 外筒
4 胴部
5 底板
6 外向きカール部
7 胴部
8 内向きカール部
9 内向きカール部
10 空隙
Claims (1)
- 上方開口縁に外向きカール部を有する紙カップ本体と、上方及び下方共に開口しており上方開口縁と下方開口縁にそれぞれ内向きカール部を有する紙製の外筒とからなり、外筒はその上方開口縁の内向きカール部が紙カップ本体における外向きカール部直下の側壁外周に接触すると共にその下方開口縁の内向きカール部が紙カップ本体の下方の側壁外周に接する大きさであって、紙カップ本体に外筒を被せて外筒の上方開口縁の内向きカール部を紙カップ本体における外向きカール部直下の側壁外周に接着し、下方開口縁の内向きカール部は紙カップ本体の側壁外周面に接着しない状態で両者を一体とすることにより形成され、紙カップ本体と外筒の間の全体に渡って空隙が形成されていることを特徴とする断熱性容器。
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1998
- 1998-09-30 JP JP27708298A patent/JP4100777B2/ja not_active Expired - Lifetime
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