JP4135223B2 - 断熱紙製容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2重構成の断熱紙製容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
即席麺、即席スープ等の食べる際に、熱湯を注いで使用する断熱性容器として、発泡スチレン製の容器が汎用されている。
この発泡スチレン製の容器は、軽量で、断熱性が良好で汎用されているが、内容物を使用後の廃棄の際は、一般廃棄物とは別に、プラスチック類として分別しなければならなかった。
一方、発泡ポリスチレンに代わる廃棄性の容易な断熱性を有する容器として、紙素材を使用した各種構造の紙容器が提案され、使用されている。
【0003】
この断熱性カップの構造として、実公昭53−59590号に示されるように、紙製カップ状容器本体の外側に紙製の保護カバーを取り付けた2重構造が一般的であった。
しかしながら、2重構成のままであると、熱湯を注いだ時に紙が湿気により柔らかくなり、手で持ったときに、保護カバーの内面が、容器本体の外面にそのまま接するようになり、熱くて手で持てなくなってしまう問題があった。
【0004】
一方、手で持っても保護カバーと容器本体との間に一定の間隔を保つために、各種手段を用いた紙製容器が提案されている。
例えば、保護カバーと容器本体との間に一定の間隔を保ために、実開昭49−44602号に示されるように、間に別部材を設けた構成とした場合、取り付ける部材、および部材を取り付ける工程が増えることりより、紙製容器の価格はより高いものとなってしまう問題があった。
また、別部材を用いない構成であっても、特開平8−113274号に示されるように、保護カバーと容器本体との間に一定の間隔を設けるために、各種工程において、折曲げ、押圧等の手段を別工程で用いなければならなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、保護カバーを容器本体の胴部の外側に巻き付ける成形工程の他の工程をできるだけ増加させず、しかも別部材を用いないで、容器本体と保護カバーの間に一定の空間を保ち、しかも熱湯を注いだ後、保護カバーを手で持っても熱く感じない2重構成の断熱紙製容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、紙製容器本体と、該容器本体の胴部の外側に一定の空間を有するように紙製の保護カバーを設けた2重構成の紙製容器において、前記容器本体は、胴部の上部に周回段部を、また中間部に外側に突出する線状突部を設け、かつ下端に外方に折り曲げた重ね合わせ部を有する構成とし、前記保護カバーの内面が、前記容器本体の周回段部および重ね合わせ部の外面に接する構造としたことを特徴とする、断熱紙製容器である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、紙製容器本体と、該容器本体の胴部の外側に一定の空間を有するように紙製の保護カバーを設けた2重構成の紙製容器において、前記容器本体は、胴部の上部に周回段部を有し、かつ下端に外側に折重ねた折り返し部を有する構成とし、また保護カバーの中間部に内側に突出する線状突部を有する構成とし、前記保護カバーの内面が、前記容器本体の周回段部および重ね合わせ部の外面に接する構造としたことを特徴とする、断熱紙製容器である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記線状突部を、周方向に設けたことを特徴とする、断熱紙製容器である。
請求項4に記載の発明は、前記周方向に設けられた線状突部を、連続状としたことを特徴とする、断熱紙製容器である。
請求項5に記載の発明は、前記線状突部を、縦方向に一定間隔で設けたことを特徴とする、断熱紙製容器である。
【0009】
請求項6に記載の発明は、前記保護カバーの下端部を、容器本体の下端に巻き込んで一体化したことを特徴とする、断熱紙製容器である。
請求項7に記載の発明は、前記保護カバーの上端部を、容器本体の上端部と一緒に巻き込み一体化したことを特徴とする、断熱紙製容器である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の断熱紙製容器の実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す断面図で、図中符号1は、耐水加工を施した紙製容器本体で、160〜300g/m2 の原紙を基材とし、内面に20〜25μmのポリエチレン層を積層した材料を使用する。また、2は、保護カバーで、150〜350g/m2 の原紙を使用している。
そして、容器本体1の胴部10の下端部14には、外側に折り曲げた重ね合わせ部17、中間部には、周方向に延びる外側に突出した線状突部12が形成され、上部には、周回段部16が形成されている。
この保護カバー2の原紙の厚さを、280g/m2 以上の原紙を用いることにより、容器本体1の原紙として薄いものを用いても、熱湯を入れた状態において、保護カバー2の剛性を保つことができ、手で容器をもっても熱く感じない構成とすることができる。
一方、保護シート2は、容器本体1の胴部10の外側に位置し、下部20が容器本体1の底部11に巻き込み一体化し、かつ上部21が容器本体1の上端部15と一緒に巻き込み、一体化している。
【0011】
また、図2に示すように、図1の容器本体1に設けた線状突部12を設けず、保護シート2の中間部に内側に突出する構造の線状突部22を設けた構成とし、その他は図1と同じ構成とした断熱紙製容器である。
【0012】
ここで、容器本体1と保護カバー2を一体化する構造は、図1、および図2に示したように、上部および下部の両方を巻き込み一体化する必要はなく、図3に示すように、保護シート2の上部21が、容器本体1巻き込んだ上端部15の下方に位置した構造としてもよい。
【0013】
容器本体1の下端部14に形成した、折り曲げによる重ね合わせ部17は、単に折り返した2重構造のでなく、巻き込んで2重構造以上とし、より厚い重ね合わせ部としてもよい。
【0014】
次に、線状突部12、22は、0.2mm以上の高さであれば十分でありるが、1mmを超える高さであると、成形を別工程で行う必要があり、また、成形スピードが低下するので、1mm以下の高さの範囲が良好である。
図1、および図2において、線状突部12、22は、周方向に延びる構造を示しており、この線状突部は、連続状でも、断続状であってもよい。また、線状突部の本数は1本に限らず複数本設けてもよい。さらに、容器本体1または保護カバー2のいずれか一方に設けるのではなく、両方に設けてもよい。
【0015】
線状突部は、周方向だけでなく、図4に示すように縦方向に設けてもよい。縦方向に設ける場合は、線状突部の間隔が手の指の大きさと略同等以下で設けるのが、手で持った時に、容器本体の外面に接する可能性が小さいので、安心して使用することができる。また、縦方向に設けた場合の長さは、中央部分、またはその上部の部分に設けてあればよい。
【0016】
容器本体1の上方に形成した周回段部16は、容器本体の上端から下方の位置に設け、1mm以上、好ましくは2mm以上内方に窪ませた構造で、週方向に連続、または不連続状態で設ける。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、このように容器本体の上部の周回段部と下端の重ね合わせ部の外面に、保護カバーのの内面が接する構造なので、間に一定間隔の空間が確実に形成される。これにより容器本体または/および保護カバーに形成する線状突部の深さが浅くても、熱湯を注いだ後、手で持った場合であっても、保護カバーが容器本体の胴部の外面に接するのを防止することができ、確実に断熱効果を発揮することができる。
【0018】
また、線状突部の高さが1mm以下であるので、容器の製造工程中で設けることができ、別の製造工程とする必要がないので、工程が短縮でき、効率的に製造することができる。
【0019】
さらに、容器本体のに設けた重ね合わせ部は、外側に折り曲げて形成するので、容器本体の製造工程の1連として製造することができ、効率の低下が小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱紙製容器の構造の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の断熱紙製容器の構造の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明の断熱紙製容器の構造の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の断熱紙製容器の構造の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…容器本体
2…保護カバー
10…胴部
11…底部
12、22…線状突部
14…下端部
15…上端部
16…重ね合わせ部
17…周回段部
20…下部
21…上部
Claims (7)
- 紙製容器本体と、該容器本体の胴部の外側に一定の空間を有するように紙製の保護カバーを設けた2重構成の紙製容器において、前記容器本体は、胴部の上部に周回段部を、また中間部に外側に突出する線状突部を設け、かつ下端に外方に折り曲げた重ね合わせ部を有する構成とし、前記保護カバーの内面が、前記容器本体の周回段部および重ね合わせ部の外面に接する構造としたことを特徴とする、断熱紙製容器。
- 紙製容器本体と、該容器本体の胴部の外側に一定の空間を有するように紙製の保護カバーを設けた2重構成の紙製容器において、前記容器本体は、胴部の上部に周回段部を有し、かつ下端に外側に折重ねた折り返し部を有する構成とし、また保護カバーの中間部に内側に突出する線状突部を有する構成とし、前記保護カバーの内面が、前記容器本体の周回段部および重ね合わせ部の外面に接する構造としたことを特徴とする、断熱紙製容器。
- 前記線状突部が、周方向に設けられたことを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の断熱紙製容器。
- 前記周方向に設けられた線状突部が、連続状としたことを特徴とする、請求項3記載の断熱紙製容器。
- 前記線状突部が、縦方向に一定間隔で設けられたことを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の断熱紙製容器。
- 前記保護カバーの下端部を、容器本体の下端に巻き込んで一体化したことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の断熱紙製容器。
- 前記保護カバーの上端部を、容器本体の上端部と一緒に巻き込み一体化したことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の断熱紙製容器。
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