JP3953992B2 - 断熱性紙製容器 - Google Patents

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本発明は断熱性容器に関する。更に詳細には、本発明は容器本体胴部の外壁面上に筒状胴巻が前記容器胴部外壁面と前記筒状胴巻の内壁面との間に断熱空隙を形成するように接合され、該断熱空隙内の熱気を冷い外気と交換可能に構成された優れた断熱性を有する紙製容器に関する。
従来より高温液体の充填用断熱性容器は幾種類か実用に供されてきた。例えば、このような目的のために、発泡ポリスチロール製の断熱性容器が使用されてきた。これは発泡ポリスチロール原料をモールド内に注型し、その後、熱と圧力を加えて原料を発泡させ、成型容器を型から取り出すことによって製造される。このようにして得られた断熱性容器は断熱性の点では非常に優れている。しかし、製造コストの点からは決して経済的であるとは言えない。また、発泡ポリスチロール容器内に熱湯を注入すると容器本体から微量の環境ホルモンが溶出し、人体に悪影響を与えることが報告されている。しかも、石油資源の節約あるいは廃棄物の焼却処理の点からも再検討が必要な容器である。更に、発泡スチロール製断熱性容器の外表面は平滑ではないので、印刷適性に劣るという欠点もあった。
印刷適正と断熱性を同時に満たすために、2重構造の紙製容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この容器は、容器本体としての紙コップ本体200と紙コップ本体の外周に接着される紙製筒状胴巻300とからなり、紙コップ本体外壁面と筒状胴巻内壁面との間に空間を設けることにより容器に断熱性を付与する。
実開平4−45212号公報
この容器は図7に示されるように、ブランク290を両側縁290−1及び290−2を若干重複させるように丸め、該重複部を接着して筒状の紙製胴巻300を形成し、次いで、筒状胴巻300の下端を内側にカールしてカール部を形成した後、予め常法により形成された有底紙コップ本体200の口縁部202寄り外壁面に接着剤204を塗布し、紙製筒状胴巻300を紙コップ本体200に被せて一体化させることにより製造される。この容器では紙コップ本体200と筒状胴巻300との間に閉塞された空隙400が形成され、この空隙400が断熱性を付与する。
しかし、この方法によれば、図8に示されるように、有底紙コップ本体200の外壁面上の接着剤204が紙製筒状胴巻300の内壁面により上方へ向かって押し出され、有底紙コップ本体200の口縁部202の下部外側にはみ出して使用者の唇に接触し、不快感又は違和感を与えることがあった。
従って、本発明の目的は、前記のような接着剤の使用に伴う問題点を有しない2重構造の断熱性紙製容器を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明の特徴は、上方開口端に外向きにカールされた口縁部を有する有底紙製容器本体と、該容器本体胴部の外壁面側に装着される筒状胴巻とからなり、前記筒状胴巻は、その上端内面が前記容器本体口縁部直下の外壁面に接触し、かつ、前記筒状胴巻下端のカール部が前記容器本体下方の外壁面に接触するサイズを有し、前記筒状胴巻が前記容器本体外壁面側に装着されたとき、前記筒状胴巻は、その上端内面が前記容器本体口縁部直下の外壁面に接触されると共に、筒状胴巻下端のカール部を前記容器本体下方の外壁面に接着されることにより一体化される断熱性紙製容器において、
前記筒状胴巻の下端部には、該胴巻の内側へカールされた複数個のカール部が該下端部の内周に沿って所定の間隔で間欠的に設けられており、これにより前記筒状胴巻の下端部に、前記容器本体と筒状胴巻との間に形成された空隙と連通する通気孔を形成することである。
前記のように構成された請求項1に係る発明によれば、接着剤が容器口縁部付近に露出する問題が全く起こらなくなるばかりか、筒状胴巻のカール部に形成された通気孔により容器本体と筒状胴巻との間の空隙内の熱気を容器外部の冷たい大気と交換又は換気することができ、空隙内に熱気が籠もらないので非常に優れた断熱性が得られる。
前記課題を解決するための手段として、請求項2に係る発明の特徴は、請求項1に記載の発明において、前記容器本体はその胴部内径が上端から下端に向かって直線的に減少することである。
前記のように構成された請求項2に係る発明によれば、筒状胴巻と容器本体との間に形成される断熱空隙の幅が筒状胴巻のカール部付近で最大となる。
前記課題を解決するための手段として、請求項3に係る発明の特徴は、請求項1に記載の発明において、前記容器本体はその胴部内径が上端付近で半径方向外方へ向けて拡大され、段部を有することである。
前記のように構成された請求項3に係る発明によれば、筒状胴巻と容器本体との間に形成される断熱空隙の幅が段部直下から広げられるので断熱性を高めることができる。
前記課題を解決するための手段として、請求項4に係る発明の特徴は、請求項1乃至3に記載の発明において、前記筒状胴巻の下端部が前記容器本体胴部の下端部よりも上側の位置に存在することである。
前記のように構成された請求項4に係る発明によれば、筒状胴巻の下端部の通気孔が常に開放状態に保たれるので、容器をテーブルなどの上面に載置したときでも、通気孔を通して断熱空隙内の熱気が外部に放出され、一層優れた断熱性が得られる。
本発明によれば、前記の特許文献1に記載されるような従来の二重構造紙製容器に比べて、口縁部における接着剤露出の危険性が無く、しかも、遙かに優れた断熱性を有する紙製容器が得られる。
以下、図面を参照しながら、本発明の断熱性紙製容器の好ましい実施態様について具体的に説明する。
図1は本発明の断熱性紙製容器の一例の部分拡大断面図である。図1に示されるように、本発明の断熱性紙製容器1は、本質的に、容器本体10と筒状胴巻30とからなる。容器本体10は胴部12と底板部14とからなる。胴部12及び底板部14は何れも紙16から形成されているが、容器本体10の内部には液体が充填されるので、胴部12及び底板部14への液体の浸透を阻止するために、胴部12及び底板部14ともその内壁面側には熱可塑性合成樹脂フィルム18(例えば、ポリエチレン,ポリスチレン,ナイロン,ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートなど)がラミネートされている。熱可塑性合成樹脂フィルムの代わりに、アルミ箔をラミネートすることもできる。このような耐液体浸透性の紙製カップ自体は当業者に周知である。容器本体10の胴部12の上端には、胴部材の上方を容器外方へ向けてカールすることにより形成された口縁部3が存在する。筒状胴巻30の下端部には内側へカールされた複数個のカール部36が該下端部の内周に沿って所定の間隔で設けられている。すなわち、このカール部36は筒状胴巻30の下端部内側の全週にわたって連続的に存在するのではなく、部分的又は間欠的に存在する。筒状胴巻30は、その上端内面が容器本体10の口縁部3直下の外壁面に接触し、かつ、筒状胴巻下端のカール部36が前記容器本体下方の外壁面に接触するサイズ又は内径を有する。従って、筒状胴巻30が容器本体10の胴部12外壁面側に装着されたとき、筒状胴巻30は、その上端32の内壁面が容器縁部3直下の胴部12の外壁面に緊密に接触されると共に、筒状胴巻下端のカール部36を前記容器本体10の胴部12下方の外壁面に接着剤38で接着させることにより一体化される。これにより、口縁部3付近に接着剤が露出するような従来技術の欠点は完全に克服される。容器本体10は筒状胴巻30内に楔状に挿入されており、筒状胴巻30が容器本体の口縁部3直下に当接しており、更に、筒状胴巻30の下端のカール部36で容器本体と接着されていれば、筒状胴巻30が容器本体10から脱落することは無い。
図2は、図1に示された容器1の底面図である。筒状胴巻30は内側にカールされたカール部36を断続的に有するので、容器本体10に筒状胴巻30を装着すると、カール部36の存在しない箇所には、容器本体10の胴部12と筒状胴巻30との間に形成された空隙40に連通する通気孔54が形成される。
図1に示されるように、容器本体10の胴部12の外壁面に筒状胴巻30を装着させ、筒状胴巻30のカール部36に塗布された接着剤38で両部材を接合させることにより、容器本体10の胴部12の外壁面と筒状胴巻30の内壁面との間に空隙40が形成され、この空隙40の存在により本発明の容器1に断熱性が付与され、更に、筒状胴巻の下端部34に、胴部12と筒状胴巻30との間に形成された空隙40と連通する通気孔54を形成することにより、空隙40中の空気が加熱された場合、通気孔54を通じて外気と熱交換又は換気が容易に行われ、筒状胴巻30の外表面の断熱効果が一層優れたものとなる。すなわち、空隙40中の加熱された空気は、使用者が胴巻30を保持したときに胴巻30が指で少し凹まされたとき、通気孔54を介して外に押し出され、指を離したときに、胴巻30が復元され、その際に容器外の冷たい空気が空隙40内に吸い込まれる。これを繰り返すことにより、空隙40内の加熱空気は徐々に温度が低下され、使用者が指で本発明の断熱性紙製容器1を保持しても熱く感じることが効果的に防止される。本発明によれば、筒状胴巻30のカール部36が容器本体に接着されるため、もし、通気孔54がなければ、カール部36により断熱空隙は完全に閉塞された空間となるので、この空隙内に熱気が籠もり、その結果、筒状胴巻を指で把持することが困難となる。
図3は筒状胴巻30を製造する工程図である。先ず(A)において、ロール原紙(図示されていない)などから、筒状胴巻30を構成するためのブランク39を打ち抜く。この際、ブランク39の下端縁42が所定の間隔で櫛歯状に切り欠かれ、櫛歯44が形成されるように打ち抜く。この櫛歯44の形状は図示された矩形状に限定されず、例えば、図4(A)又は(B)に示されるような形状であることもできる。次いで、図3(B)に示すように、この櫛歯部分44をカールさせてカール部36を形成する。カール部36の形態は図示されたものに限定されない。例えば、略U字状、略円弧状に丸めたり、渦巻き状にカールされた形態も使用できる。次いで、図3(C)に示すように、カール部36が内側に来るように、ブランク39を丸め、その両側縁50−1及び50−2を若干オーバーラップするように重ね合わせて接合させ、サイドシーム52を形成し、筒状胴巻30を完成させる。別法として、ブランク39を丸め、その両側縁50−1及び50−2を若干オーバーラップするように重ね合わせて接合させ、サイドシーム52を形成し、筒状胴巻30を形成させた後、櫛歯部分44を胴巻30の内壁上部方向に向けてカールさせることにより図3(C)に示されるような胴巻30を完成させることもできる。
胴巻30の高さは、胴巻30を胴部12に接着固定させたときに、胴巻30の下端部34が胴部12の下端部20と“面一致”になるように選択される。しかし、胴巻30の下端部34が胴部12の下端部20よりも上側にある、いわゆる“寸足らず”であることもできる。“寸足らず”の場合、本発明の断熱性紙製容器をテーブルなどの上面に置いたときにも、通気孔54が閉塞されないので、断熱空隙40内の熱気の自然放熱が促進され、優れた断熱性を示す。
筒状胴巻30は本質的に紙製である。この筒状胴巻30を構成する原紙としては、バージンパルプから生成された通常の厚紙などを使用することもできるが、古紙を80%以上含有し、坪量が270g/cm〜500g/cmの範囲内のコートボール紙を使用することが好ましい。このような高古紙含有率の再生紙を使用すると、資源リサイクルの観点から好ましいばかりか、同程度の坪量のバージンパルプ紙に比べてコストを大幅に低減することが出来る。また、このような再生紙は印刷美粧性の点でも優れている。但し、坪量が270g/cm未満では、胴巻としての十分な剛度が発揮されず、容器1を手で把持したときに、胴巻30が大きく凹むので好ましくない。一方、坪量が500g/cm超の場合、胴巻として必要な剛度を超えるばかりか加工作業性も著しく低下するので不経済である。
この容器本体10は常用のカップ製造装置により容易に組み立てることができる。例えば、先ず、ロール紙から容器胴部用原紙を繰り出し、この原紙の片側にポリエチレンなどの熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートする。底板用原紙の片側にも同様に熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートする。容器胴部用原紙から容器胴部用ブランクを打ち抜き、底板部用原紙から底板部用ブランクを打ち抜く。容器胴部用原紙から容器胴部用ブランクの他に底板部用ブランクも同時に打ち抜くこともできる。これらのブランクを用いて、常用のカップ成形機で、容器胴部用ブランクはフィルムラミネート面が容器内側に向くように、また、底板部はフィルムラミネート面が容器内側に向くようにして、容器に組み立てる。
容器本体10を形成する紙素材については特に限定されない。容器本体10は内側になり、直接人の手に持つ側にはならないので、とりたてて丈夫な紙を使用する必要はない。一般的な指標として、容器本体用としては150g/m 〜350g/m の範囲内の坪量を有する紙が好ましい。
本発明で使用できる接着剤は例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル・アクリル共重合体樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂などの合成樹脂系接着剤の他、にかわ、しょうふ、コーンスターチ、デキストリン、天然ゴムなどの天然物接着剤などを使用できる。また、ホットメルト接着剤なども適宜選択して使用することができる。このようなホットメルト接着剤は当業者に周知である。合成樹脂系接着剤は例えば、エマルジョンの形で使用することが好ましい。接着剤38は容器胴部12の外壁面に塗布することもできるし、あるいは、筒状胴巻30のカール部36の外面に塗布することもできる。
図5は本発明の断熱性紙製容器の別の例の部分拡大断面図である。図5に示されるように、この容器1Aは、容器本体10の胴部12の上方寄り部分を半径方向外方へ拡径することにより形成された段部9を有し、段部9から口縁部3までの拡径側壁部分5の外周壁面に接触するように筒状胴巻30が装着されている。筒状胴巻30の上端部32は容器口縁部3直下に当接させるか又は口縁部3のカール内に嵌入させることが好ましい。筒状胴巻30の下端のカール部36は接着剤38により容器胴部12の下端外周壁面に接着されている。図1の容器1では、空隙40は筒状胴巻30のカール部36付近で最大の幅を有するが、図5の容器は図1の容器と異なり、空隙40の幅が段部9付近から広くなり、その結果、空隙40の容積自体も拡大されるので、一層優れた断熱性を発揮することができる。このような段部9を有する紙容器の製造方法自体は当業者に公知である。
実施例1
図5に示されるような形状及び構造を有する本発明の断熱性紙製容器1Aを製造した。この容器は容量が250mlであり、容器本体10には坪量が250g/m の紙(バージンパルプ100%,密度0.84g/cm)を、また筒状胴巻30には坪量が310g/m の紙(古紙含有率80%,密度0.83g/cm)を使用した。容器本体用の紙には片側に厚さ20μmのポリエチレンフィルムがラミネートされていた。筒状胴巻30の下端内側にはカール部36と通気孔54が形成されていた。筒状胴巻30のカール部36の外面に酢酸ビニル・アクリル共重合体樹脂からなる接着剤38を塗布し、その後、筒状胴巻30を容器本体10に装着した。
比較例1
筒状胴巻用のブランクの下端部に櫛歯状の切り込みを設けることなく、特許文献1に記載されるような構造を有する対照用の断熱性紙製容器を製造した。従って、この対照用の断熱性紙製容器では、カール部が筒状胴巻の下端内周の全体にわたって形成されており、本発明の容器のような通気孔が存在しない。また、容器本体は胴部に段部が存在しないストレートタイプの容器である。対照用の断熱性紙製容器は紙製容器本体及び筒状胴巻とも実施例1で使用した材料と同じ材料を使用して製造した。また、この対照用容器においても、筒状胴巻の連続カール部の外面に実施例1と同じ接着剤を塗布し、容器本体の下端外周壁面に接着させた。
断熱性試験
本発明の容器及び比較例の容器に95℃の熱湯を容器容量の9分目まで充填し、断熱効果を測定した。温度の測定はJIS P8111に定められた規格に従い、23℃,相対湿度50%の室内で行った。容器外表面(すなわち、筒状胴巻外表面)における温度測定は、容器の全体高さを3等分した上から1/3の箇所の筒状胴巻の外面に温度センサーを軽く接触させて行った。また、容器本体内に充填された熱湯の温度の経時的変化は容器本体内側底部付近で測定した。測定結果を下記の表1及び図6に示す。図6において、下側の折線グラフは本発明の容器における測定結果であり、上側の折線グラフは比較例の容器における測定結果である。
Figure 0003953992
表1及び図6に示された結果から明らかなように、比較例の断熱性紙製容器は熱湯注入後30秒経過時点で65.5℃であるのに対して、本発明の断熱性紙製容器は約59.2℃であり、6.3℃も低い。更に、5分間経過時点では、比較例の断熱性紙製容器が59.5℃であるのに対し、本発明の断熱性紙製容器は約55.1℃であり、4.4℃も低い。容器本体に充填された熱湯の温度は本発明の容器と比較例の容器を比べて大差が無い。従って、これらの実験データから、筒状胴巻の下端部に、容器本体と筒状胴巻との間の断熱空隙に連通する通気孔を有する本発明の容器が優れた断熱性を発揮することが理解できる。特に、比較例の容器は95℃の熱湯を注入後30秒経過時点の外表面温度は65.5℃であり、熱すぎて指で容器を把持できないほどの温度である。これに対し、本発明の容器は95℃の熱湯を注入後30秒経過時点の外表面温度を59.2℃に断熱することができ、この温度であれば、熱すぎて容器を指で把持できないということはない。すなわち、本発明の容器は熱湯注入直後から指で把持できる。これは空隙40内の熱気が通気孔54を通して外気と交換され、常に放熱が促進されるためであると思われる。これに対して、比較例の容器の場合、容器外表面温度が「熱すぎない」と感じられる60℃に達するのに、5分間以上もの時間を要する。これは空隙40内に熱気が籠もって放熱されないためであると推察される。その結果、比較例の容器の場合、熱湯注入後暫く放置してからでなければ、指で把持することができない。従って、本発明の容器は比較例の容器に比べて使用感の点でも申し分がない。
本発明の断熱性紙製容器は、熱湯を注ぐことにより喫食される即席食品(例えば、即席麺、即席スープ、即席茶漬け、即席みそ汁など)の他、嗜好飲料(例えば、日本茶、紅茶、コーヒー、ココアなど)など広範な用途に使用することができる。紙製容器本体に限らず、プラスチック製容器本体に対しても紙製筒状胴巻を装着して同様な断熱効果を得ることも出来る。
本発明の断熱性紙製容器の一例の部分概要断面図である。 図1に示された容器の底面図である。 筒状胴巻30を製造する方法の一例の工程図である。 筒状胴巻30のためのブランクの別の実施態様を示す部分平面図である。 本発明の断熱性紙製容器の別の例の部分概要断面図である。 本発明の実施例の断熱性紙製容器と比較例の断熱性紙製容器の断熱効果を示す特性グラフ図である。 二重構造断熱性紙製容器の従来の製造方法の一例を示す概要図である。 図7に示された方法により製造された断熱性紙製容器の口縁部付近の部分拡大断面図である。
符号の説明
1,1A 本発明の断熱性紙製容器
5 拡径側壁部
9 段部
10 容器本体
12 胴部
14 底板部
16 紙
18 ポリエチレンラミネートフィルム
20 胴部下端部
30 筒状胴巻
32 筒状胴巻上端部
34 筒状胴巻下端部
38 接着剤
40 断熱空隙
52 筒状胴巻のサイドシーム
54 通気孔

Claims (4)

  1. 上方開口端に外向きにカールされた口縁部を有する有底紙製容器本体と、該容器本体胴部の外壁面側に装着される筒状胴巻とからなり、前記筒状胴巻は、その上端内面が前記容器本体口縁部直下の外壁面に接触し、かつ、前記筒状胴巻下端のカール部が前記容器本体下方の外壁面に接触するサイズを有し、前記筒状胴巻が前記容器本体外壁面側に装着されたとき、前記筒状胴巻は、その上端内面が前記容器本体口縁部直下の外壁面に接触されると共に、筒状胴巻下端のカール部を前記容器本体下方の外壁面に接着されることにより一体化される断熱性紙製容器において、
    前記筒状胴巻の下端部には、該胴巻の内側へカールされた複数個のカール部が該下端部の内周に沿って所定の間隔で間欠的に設けられており、これにより前記筒状胴巻の下端部に、前記容器本体と筒状胴巻との間に形成された空隙と連通する通気孔を形成することを特徴とする断熱性紙製容器。
  2. 前記容器本体はその胴部内径が上端から下端に向かって直線的に減少することを特徴とする請求項1に記載の断熱性紙製容器。
  3. 前記容器本体はその胴部内径が上端付近で半径方向外方へ向けて拡大され、段部を有することを特徴とする請求項1に記載の断熱性紙製容器。
  4. 前記筒状胴巻の下端部が前記容器本体胴部の下端部よりも上側の位置に存在することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の断熱性紙製容器。
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