JP4097927B2 - 車輌用灯具 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な車輌用灯具に関する。詳しくは、車輌の外部に装備される灯具として好適な車輌用灯具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
車輌用灯具に、車体の外側に装備されるものがある。例えば、オフロード車のように、車高が高く、乗降のための足掛け部が必要な車輌において、夜間でも該足掛け部の踏面がよく見えるように照明するための灯具がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような、車体の外側に装備される灯具にあっては、確実な防水性が必要であり、また、上記した足掛け部の照明に使用する場合には、該足掛け部の全長に亘ってほぼ均等に照明できることが必要である。
【０００４】
本発明は、上記した要求に適合するために、防水性に優れ、且つ、ある程度の長さに亘ってほぼ均一な照明が可能な灯具の提供を課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明車輌用灯具は、上記した課題を解決するために、透明基材を棒状に形成して成る棒状導光体の両端に光源を配置し、上記光源の光を上記棒状導光体に入射させて該棒状導光体を発光させるようにし、少なくとも一部に透明な透光部を有する密閉容器状のケース内に上記透光部に対向させて上記光源としての発光ダイオードを配置し、上記ケースを少なくとも一方のハーフが透明材料で形成された２つのハーフを結合して形成し、上記透明ハーフの一部の肉厚を変化させてレンズ機能を有する透光部とすると共に、上記透明ハーフの一部を突出させてほぼ円筒状をした結合部とし、該結合部内に上記棒状導光体の端部を嵌合し、上記結合部の奥にケースの内外を仕切る仕切壁を形成して該仕切壁を上記透光部とし、非透明材料で形成されたカバーによって上記透明ハーフの透光部以外の部分を覆い、上記棒状導光体の端面を上記透光部を介して上記発光ダイオードに対向させたものである。
【０００６】
従って、本発明車輌用灯具にあっては、光源である発光ダイオードは密閉容器状のケース内に配置され、該ケース体の一部である透光部を介して棒状導光体の端面と対向するので、光源が配置された部分の確実な防水を図ることが出来る。
【０００７】
また、棒状導光体が全長に亘って発光するので、ある程度の長さに亘ってほぼ均一な照明を行うことが出来る。さらに、上記ケースを少なくとも一方のハーフが透明材料で形成された２つのハーフを結合して形成し、上記透明ハーフの一部の肉厚を変化させてレンズ機能を有する透光部としたので、別個にレンズを設けること無しに、発光ダイオードから棒状導光体に入射させる光に所望の指向性を与えて、棒状導光体の中央部まで到達させることが出来るので、光源から遠い中央部での光度の低下を抑えて、棒状導光体の全長に亘ってほぼ均一な照明を行うことが可能になる。そして、さらに、非透明材料で形成されたカバーによって上記透明ハーフの透光部以外の部分を覆ったので、透明ハーフからの不必要な漏光を防止することが出来る。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明車輌用灯具の実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、図示した実施の形態は、本発明を自動車の足掛け部の照明を行う灯具に適用したものである。
【０００９】
車輌用灯具１は棒状導光体２と該棒状導光体２の両端に配置される光源ユニット３、３とから成る。
【００１０】
棒状導光体２は透明な材料、例えば、アクリル樹脂等の透明な合成樹脂によって細長い円柱状に形成されたものであり、外周面の周方向における一部には長さ方向に沿って帯状の光反射層４が印刷、蒸着、多色押出成形等の手段によって形成されている。また、両端寄りの外周面には長さ方向に沿う位置決め用の突条５、５が突設されている。
【００１１】
光源ユニット３は密閉容器状のケース６と該ケース内に配置され発光ダイオード７、７が搭載されたＬＥＤ基板８と上記ケース６の一方の側面に被着されるカバー９とを備える。
【００１２】
ケース６は２つのハーフ１０、１１が結合されて成る。
【００１３】
内ハーフ１０は透明材料、例えば、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂によって形成される。なお、光源ユニット３に関して「内外」の概念は、棒状導光体２に面した側を内側、棒状導光体２と反対の側を外側とする。内ハーフ１０は、ほぼ板状をした主面部１２の前後に離間した位置からそれぞれ筒状をした結合部１３とコネクタケース１４が内方に向けて突設され、また、主面部１２の周縁部から外方に向かって周壁部１５が突設されて成る。結合部１３はほぼ円筒状をしており、先端に係合切欠１３ａが形成されている。また、コネクタケース１４は非円形の筒状をしており、主面部１２のうちコネクタケース１４の奥に位置した部分には挿通孔１４ａ、１４ａが形成されている。上記結合部１３の奥には内外を仕切る仕切壁１６が形成され、該仕切壁１６が透光部とされる。そして、該透孔部１６の一方の面１６ａは球面状に突出されてレンズ機能を付与されている。そして、周壁部１５の外周面には複数の係合突起１７、１７、・・・が突設されている。
【００１４】
外ハーフ１１は不透明な材料、例えば、ポリプロピレン等の不透明な合成樹脂によって形成される。外ハーフ１１は、ほぼ板状をした主面部１８の周縁部から内方へ向かって周壁部１９が突設されて成る。周壁部１９の外周面からは複数の結合片２０、２０、・・・が内方へ向かって突設されており、該結合片２０、２０、・・・には係合孔２０ａ、２０ａ、・・・が形成されている。また、周壁部１９の外周面の適宜の位置には係合突起２１、２１、・・・が突設されている。
【００１５】
そして、上記２つのハーフ１０、１１の互いの開口面がパッキング２２を介して突き合わされ、内ハーフ１０の係合突起１７、１７、・・・が外ハーフ１１の結合片２０、２０、・・・の係合孔２０ａ、２０ａ、・・・に係合され、これによって、２つのハーフが結合されて密閉容器状のケース６が形成される。
【００１６】
上記ケース６の密閉空間内にＬＥＤ基板８が配置される。ＬＥＤ基板８には発光ダイオード７、７及びコネクタピン２３、２３が支持されており、これらを接続するプリント導体及び回路要素が形成されている。そして、ＬＥＤ基板８がケース６内に配置された状態で、発光ダイオード７、７は上記透光部１６の凸球面１６ａに対向し、また、コネクタピン２３、２３は上記挿通孔１４ａ、１４ａを挿通されて大部分がコネクタケース１４内に位置される。
【００１７】
上記ケース６の内ハーフ１０の結合部を覆うようにカバー９が取り付けられる。カバー９は不透明な材料、例えば、ポリプロピレン等の不透明な合成樹脂で形成され、前後方向に長く面方向が垂直方向に沿う板状の主部２４を有し、主部２４の前端部からほぼ円筒状をした筒状カバー部２５が内方へ向けて突設され、主部２４の後端部にはコネクタ挿通孔２６が形成されている。筒状カバー部２５の先端部２５ａは他の部分より径が小さくされ、これによって、内周面には基端側を向いた段部２５ｂが形成されている。さらに、筒状カバー部２５の先端部２５ａの一部２５ｃが他の部分より径が大きくされて係合部とされ、該係合部２５ｃの内周面部には軸方向に延びる２つの切欠部２５ｄ、２５ｅが形成され、一方の切欠部２５ｄは先端が開放されて挿通切欠とされ、他方の切欠部２５ｅは先端が閉塞されて係合切欠とされる。
【００１８】
カバー９の下部には板状のベース部２７が形成され、該ベース部２７の外縁部と上記主部２４の下端縁とは複数のリブ２８、２８、・・・によって連結され、また、ベース部２７と上記筒状カバー部２５の下側外周面との間は連結板２９、２９によって連結されている。そして、ベース部２７には取付孔２７ａが形成されている。
【００１９】
上記主部２４の周縁部には外方へ突出した結合片３０、３０、・・・が形成されており、該結合片３０、３０、・・・には係合孔３０ａ、３０ａ、・・・が形成されている。
【００２０】
上記したカバー９の筒状カバー部２５がケース６の結合部１３に外嵌され、ケース６のコネクタケース１４がカバー９のコネクタ挿通孔２３に挿通され、そして、カバー９の結合片３０、３０、・・・の係合孔３０ａ、３０ａ、・・・がケース６の係合突起２１、２１、・・・と係合し、これによって、カバー９がケース６に取り付けられる。
【００２１】
そして、上記したように、カバー９がケース６に取り付けられる前に、棒状導光体２の端部がカバー９に係合される。すなわち、棒状導光体２の端部を筒状カバー部２５内に先端側から挿入する。このとき、棒状導光体２の位置決め用突条５は筒状カバー部２５の挿通切欠２５ｄを挿通させる。それから、棒状導光体２を僅かに回転させて位置決め用突条５が筒状カバー部２５の係合切欠２５ｅに対向するように位置合わせし、その状態で、棒状導光体２を筒状カバー部２５から引き出す方向に移動させると、位置決め用突条５が係合切欠２５ｅと係合し、これによって、棒状導光体２の軸周り方向における位置決めが為され、反射層４がほぼ後側に位置するようになる。
【００２２】
そして、弾性材料、例えば、合成ゴムで筒状に形成されたブッシング３１がケース６の結合部１３に内嵌される。該プッシング３１の内径は上記棒状導光体２の外径より僅かに小さく、ブッシング３１の外径は結合部１３の内径とほぼ同じに形成され、また、ブッシング３１の外周面には周方向に延びる襞３１ａ、３１ａ、３１ａが形成され、該襞３１ａ、３１ａ、３１ａの外径は結合部１３の内径よりやや大きくされている。そして、ブッシング３１の先端部には軸から離れる方向に突出したフランジ部３１ｂが形成され、さらに、該先端部に切欠３１ｃが形成される。また、ブッシング３１の基端部には軸心方向に突出した内フランジ３１ｄが形成されている。
【００２３】
上記したブッシング３１がケース６の結合部１３内に内嵌され、ブッシング３１のフランジ部３１ｂが結合部１３の先端を覆い、且つ、ブッシング３１の切欠３１ｃが結合部１３の係合切欠１３ａと一致される。そして、ブッシング３１が結合部１３に内嵌されると、ブッシング３１の襞３１ａ、３１ａ、３１ａが結合部１３の内周面との間で圧縮変形され、これによって、ブッシング３１と結合部１３の内周面との間が水密に保たれる。
【００２４】
上記したように、ブッシング３１が取り付けられたケース６に、上記したようにして、棒状導光体２の端部を係合したカバー９を結合する。すると、棒状導光体２の端部がブッシング３１を介してケース６の結合部１３内に内嵌され、棒状導光体２の端面２ａの周縁部がブッシング３１の内フランジ３１ｄに当接し、且つ、棒状導光体２の端面２ａがケース６の透光部１６を挟んで発光ダイオード７、７と対向される。そして、棒状導光体２の端部に形成された位置決め用突条５の端部はケース６の結合部１３の係合切欠１３ａ及びブッシング３１の切欠３１ｃと係合する。なお、棒状導光体２は位置決め用突条５がカバー９の係合切欠２５ｅと係合することによって、カバー９からの抜け止めが為される。
【００２５】
以上のようにして、棒状導光体２の両端部に光源ユニット３、３が結合されて、車輌用灯具１が形成される。
【００２６】
上記した車輌用灯具１がカバー９、９のベース部２７、２７を介して車体に取り付けられ、コネクタケース１４、１４に結合される電源側コネクタ３２、３２を介して、ＬＥＤ基板８、８上の回路が電源部と接続される。なお、電源側コネクタ３２、３２には図示しない防水カバーが設けられており、該防水カバーによってコネクタケース１４、１４との間の防水が図られる。なお、車体に取り付けられた状態で、ケース６、６のうち結合部１３、１３を備えた部分が車体の外側に位置される。
【００２７】
そして、発光ダイオード７、７、・・・が点灯すると、該発光ダイオード７、７、・・・の光はケース６、６の透光部１６、１６を透過するときに該透孔部１６、１６のレンズ作用により所定の指向性を持って棒状導光体２、２の端面２ａ、２ａから棒状導光体２内に入射される。棒状導光体２内に入射した光は内面反射を繰り返して棒状導光体２の全体に行き渡り、そのうち反射層４に入射した光が該反射層４で反射されてほぼ前方へ向けて棒状導光体２外へ出射され、その周辺部を照明する。
【００２８】
上記した車輌用灯具１にあっては、光源である発光ダイオード７、７は密閉容器状のケース６内に配置され、該ケース６の一部である透光部１６を介して棒状導光体２の端面２ａと対向するので、光源が配置された部分の確実な防水を図ることが出来る。従って、車体の外側に配置される灯具として好適である。
【００２９】
また、棒状導光体２が全長に亘って発光するので、ある程度の長さに亘ってほぼ均一な照明を行うことが出来る。従って、自動車の足掛け部の踏面のようなある程度の長さを有するものの照明に使用する灯具として好適である。
【００３０】
さらに、ケース６の一部である内ハーフ１０を透明材料で形成し、その一部を透光部１６としたので、透光部１６の部分での防水を図る部材を別個に必要とせず、部品点数を削減して安価な車輌用灯具を提供することが出来る。
【００３１】
さらにまた、透光部１６にはレンズ作用を持たせたので、発光ダイオード７、７から棒状導光体２に入射させる光に所望の指向性を与えて、棒状導光体２の中央部まで到達させることが出来るので、光源から遠い中央部での光度の低下を抑えて、棒状導光体２の全長に亘ってほぼ均一な照明を行うことが可能になる。
【００３２】
また、ケース６、６の透明材料で形成された内ハーフ１０、１０のうち車体の外側に位置される部分、すなわち、結合部１３、１３から前側の部分はカバー９、９によって覆われるので、内ハーフ１０、１０からの漏光が防止される。しかも、カバー９、９は棒状導光体２の両端部をケース６の結合部１３、１３に連結するために必要な部材であり、漏光防止のための特別な部材を必要としないことになる。
【００３３】
さらにまた、棒状導光体２の端部はケース６、６の結合部１３、１３に嵌合されて結合されるため、棒状導光体２の端面２ａ、２ａが光源である発光ダイオード７、７、・・・に対して精確に位置決めされ、且つ、結合部１３、１３と棒状導光体２の端部との間にはブッシング３１、３１が介挿されて防水が図られるため、棒状導光体２の（入射）端面２ａ、２ａやケース６、６の透光部１６、１６の棒状導光体２に対向した面が雨水等によって汚損される惧がない。
【００３４】
なお、上記した実施の形態において示した各部の形状乃至構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるようなことがあってはならないものである。
【００３５】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明車輌用灯具は、透明基材を棒状に形成して成る棒状導光体の両端に光源を配置し、上記光源の光を上記棒状導光体に入射させて該棒状導光体を発光させる車輌用灯具であって、少なくとも一部に透明な透光部を有する密閉容器状のケース内に上記透光部に対向させて上記光源としての発光ダイオードを配置し、上記ケースを少なくとも一方のハーフが透明材料で形成された２つのハーフを結合して形成し、上記透明ハーフの一部の肉厚を変化させてレンズ機能を有する透光部とすると共に、上記透明ハーフの一部を突出させてほぼ円筒状をした結合部とし、該結合部内に上記棒状導光体の端部を嵌合し、上記結合部の奥にケースの内外を仕切る仕切壁を形成して該仕切壁を上記透光部とし、非透明材料で形成されたカバーによって上記透明ハーフの透光部以外の部分を覆い、上記棒状導光体の端面を上記透光部を介して上記発光ダイオードに対向させたことを特徴とする。
【００３６】
従って、本発明車輌用灯具にあっては、光源である発光ダイオードは密閉容器状のケース内に配置され、該ケース体の一部である透光部を介して棒状導光体の端面と対向するので、光源が配置された部分の確実な防水を図ることが出来る。
【００３７】
また、棒状導光体が全長に亘って発光するので、ある程度の長さに亘ってほぼ均一な照明を行うことが出来る。
【００３８】
さらに、上記ケースを少なくとも一方のハーフが透明材料で形成された２つのハーフを結合して形成し、上記透明ハーフの一部の肉厚を変化させてレンズ機能を有する透光部としたので、別個にレンズを設けること無しに、発光ダイオードから棒状導光体に入射させる光に所望の指向性を与えて、棒状導光体の中央部まで到達させることが出来るので、光源から遠い中央部での光度の低下を抑えて、棒状導光体の全長に亘ってほぼ均一な照明を行うことが可能になる。
【００３９】
そして、さらに、非透明材料で形成されたカバーによって上記透明ハーフの透光部以外の部分を覆ったので、透明ハーフからの不必要な漏光を防止することが出来る。
【００４０】
請求項２に記載した発明にあっては、棒状導光体の端部を透明ハーフの結合部内に嵌合しただけでなく、棒状導光体の端部の外周面と結合部の内周面との間に筒状のブッシングを介挿したので、棒状導光体の端面が光源である発光ダイオードに対して精確に位置決めされるだけでなく、結合部と棒状導光体の端部との間の防水が図られて、棒状導光体の（入射）端面やケースの透光部の棒状導光体に対向した面が雨水等によって汚損される惧がない。
【００４１】
請求項３に記載した発明にあっては、車輌への乗降の際に足を掛ける足掛け部の踏面を照明する位置に取り付けられるので、足掛け部の踏面の全長に亘ってほぼ均一な照明を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】図面は本発明車輌用灯具の実施の形態を示すものであり、本図は一部を省略して示す水平断面図である。
【図２】カバーと共にケースを示す分解斜視図である。
【図３】カバーの側面図である。
【図４】棒状導光体の端部を示す斜視図である。
【符号の説明】
１…車輌用灯具、２…棒状導光体、２ａ…端面、６…ケース、７…発光ダイオード、９…カバー、１０…内ハーフ（透明ハーフ）、１１…外ハーフ、１３…結合部、１６…仕切壁（透光部）、３１…ブッシング
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な車輌用灯具に関する。詳しくは、車輌の外部に装備される灯具として好適な車輌用灯具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
車輌用灯具に、車体の外側に装備されるものがある。例えば、オフロード車のように、車高が高く、乗降のための足掛け部が必要な車輌において、夜間でも該足掛け部の踏面がよく見えるように照明するための灯具がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような、車体の外側に装備される灯具にあっては、確実な防水性が必要であり、また、上記した足掛け部の照明に使用する場合には、該足掛け部の全長に亘ってほぼ均等に照明できることが必要である。
【０００４】
本発明は、上記した要求に適合するために、防水性に優れ、且つ、ある程度の長さに亘ってほぼ均一な照明が可能な灯具の提供を課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明車輌用灯具は、上記した課題を解決するために、透明基材を棒状に形成して成る棒状導光体の両端に光源を配置し、上記光源の光を上記棒状導光体に入射させて該棒状導光体を発光させるようにし、少なくとも一部に透明な透光部を有する密閉容器状のケース内に上記透光部に対向させて上記光源としての発光ダイオードを配置し、上記ケースを少なくとも一方のハーフが透明材料で形成された２つのハーフを結合して形成し、上記透明ハーフの一部の肉厚を変化させてレンズ機能を有する透光部とすると共に、上記透明ハーフの一部を突出させてほぼ円筒状をした結合部とし、該結合部内に上記棒状導光体の端部を嵌合し、上記結合部の奥にケースの内外を仕切る仕切壁を形成して該仕切壁を上記透光部とし、非透明材料で形成されたカバーによって上記透明ハーフの透光部以外の部分を覆い、上記棒状導光体の端面を上記透光部を介して上記発光ダイオードに対向させたものである。
【０００６】
従って、本発明車輌用灯具にあっては、光源である発光ダイオードは密閉容器状のケース内に配置され、該ケース体の一部である透光部を介して棒状導光体の端面と対向するので、光源が配置された部分の確実な防水を図ることが出来る。
【０００７】
また、棒状導光体が全長に亘って発光するので、ある程度の長さに亘ってほぼ均一な照明を行うことが出来る。さらに、上記ケースを少なくとも一方のハーフが透明材料で形成された２つのハーフを結合して形成し、上記透明ハーフの一部の肉厚を変化させてレンズ機能を有する透光部としたので、別個にレンズを設けること無しに、発光ダイオードから棒状導光体に入射させる光に所望の指向性を与えて、棒状導光体の中央部まで到達させることが出来るので、光源から遠い中央部での光度の低下を抑えて、棒状導光体の全長に亘ってほぼ均一な照明を行うことが可能になる。そして、さらに、非透明材料で形成されたカバーによって上記透明ハーフの透光部以外の部分を覆ったので、透明ハーフからの不必要な漏光を防止することが出来る。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明車輌用灯具の実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、図示した実施の形態は、本発明を自動車の足掛け部の照明を行う灯具に適用したものである。
【０００９】
車輌用灯具１は棒状導光体２と該棒状導光体２の両端に配置される光源ユニット３、３とから成る。
【００１０】
棒状導光体２は透明な材料、例えば、アクリル樹脂等の透明な合成樹脂によって細長い円柱状に形成されたものであり、外周面の周方向における一部には長さ方向に沿って帯状の光反射層４が印刷、蒸着、多色押出成形等の手段によって形成されている。また、両端寄りの外周面には長さ方向に沿う位置決め用の突条５、５が突設されている。
【００１１】
光源ユニット３は密閉容器状のケース６と該ケース内に配置され発光ダイオード７、７が搭載されたＬＥＤ基板８と上記ケース６の一方の側面に被着されるカバー９とを備える。
【００１２】
ケース６は２つのハーフ１０、１１が結合されて成る。
【００１３】
内ハーフ１０は透明材料、例えば、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂によって形成される。なお、光源ユニット３に関して「内外」の概念は、棒状導光体２に面した側を内側、棒状導光体２と反対の側を外側とする。内ハーフ１０は、ほぼ板状をした主面部１２の前後に離間した位置からそれぞれ筒状をした結合部１３とコネクタケース１４が内方に向けて突設され、また、主面部１２の周縁部から外方に向かって周壁部１５が突設されて成る。結合部１３はほぼ円筒状をしており、先端に係合切欠１３ａが形成されている。また、コネクタケース１４は非円形の筒状をしており、主面部１２のうちコネクタケース１４の奥に位置した部分には挿通孔１４ａ、１４ａが形成されている。上記結合部１３の奥には内外を仕切る仕切壁１６が形成され、該仕切壁１６が透光部とされる。そして、該透孔部１６の一方の面１６ａは球面状に突出されてレンズ機能を付与されている。そして、周壁部１５の外周面には複数の係合突起１７、１７、・・・が突設されている。
【００１４】
外ハーフ１１は不透明な材料、例えば、ポリプロピレン等の不透明な合成樹脂によって形成される。外ハーフ１１は、ほぼ板状をした主面部１８の周縁部から内方へ向かって周壁部１９が突設されて成る。周壁部１９の外周面からは複数の結合片２０、２０、・・・が内方へ向かって突設されており、該結合片２０、２０、・・・には係合孔２０ａ、２０ａ、・・・が形成されている。また、周壁部１９の外周面の適宜の位置には係合突起２１、２１、・・・が突設されている。
【００１５】
そして、上記２つのハーフ１０、１１の互いの開口面がパッキング２２を介して突き合わされ、内ハーフ１０の係合突起１７、１７、・・・が外ハーフ１１の結合片２０、２０、・・・の係合孔２０ａ、２０ａ、・・・に係合され、これによって、２つのハーフが結合されて密閉容器状のケース６が形成される。
【００１６】
上記ケース６の密閉空間内にＬＥＤ基板８が配置される。ＬＥＤ基板８には発光ダイオード７、７及びコネクタピン２３、２３が支持されており、これらを接続するプリント導体及び回路要素が形成されている。そして、ＬＥＤ基板８がケース６内に配置された状態で、発光ダイオード７、７は上記透光部１６の凸球面１６ａに対向し、また、コネクタピン２３、２３は上記挿通孔１４ａ、１４ａを挿通されて大部分がコネクタケース１４内に位置される。
【００１７】
上記ケース６の内ハーフ１０の結合部を覆うようにカバー９が取り付けられる。カバー９は不透明な材料、例えば、ポリプロピレン等の不透明な合成樹脂で形成され、前後方向に長く面方向が垂直方向に沿う板状の主部２４を有し、主部２４の前端部からほぼ円筒状をした筒状カバー部２５が内方へ向けて突設され、主部２４の後端部にはコネクタ挿通孔２６が形成されている。筒状カバー部２５の先端部２５ａは他の部分より径が小さくされ、これによって、内周面には基端側を向いた段部２５ｂが形成されている。さらに、筒状カバー部２５の先端部２５ａの一部２５ｃが他の部分より径が大きくされて係合部とされ、該係合部２５ｃの内周面部には軸方向に延びる２つの切欠部２５ｄ、２５ｅが形成され、一方の切欠部２５ｄは先端が開放されて挿通切欠とされ、他方の切欠部２５ｅは先端が閉塞されて係合切欠とされる。
【００１８】
カバー９の下部には板状のベース部２７が形成され、該ベース部２７の外縁部と上記主部２４の下端縁とは複数のリブ２８、２８、・・・によって連結され、また、ベース部２７と上記筒状カバー部２５の下側外周面との間は連結板２９、２９によって連結されている。そして、ベース部２７には取付孔２７ａが形成されている。
【００１９】
上記主部２４の周縁部には外方へ突出した結合片３０、３０、・・・が形成されており、該結合片３０、３０、・・・には係合孔３０ａ、３０ａ、・・・が形成されている。
【００２０】
上記したカバー９の筒状カバー部２５がケース６の結合部１３に外嵌され、ケース６のコネクタケース１４がカバー９のコネクタ挿通孔２３に挿通され、そして、カバー９の結合片３０、３０、・・・の係合孔３０ａ、３０ａ、・・・がケース６の係合突起２１、２１、・・・と係合し、これによって、カバー９がケース６に取り付けられる。
【００２１】
そして、上記したように、カバー９がケース６に取り付けられる前に、棒状導光体２の端部がカバー９に係合される。すなわち、棒状導光体２の端部を筒状カバー部２５内に先端側から挿入する。このとき、棒状導光体２の位置決め用突条５は筒状カバー部２５の挿通切欠２５ｄを挿通させる。それから、棒状導光体２を僅かに回転させて位置決め用突条５が筒状カバー部２５の係合切欠２５ｅに対向するように位置合わせし、その状態で、棒状導光体２を筒状カバー部２５から引き出す方向に移動させると、位置決め用突条５が係合切欠２５ｅと係合し、これによって、棒状導光体２の軸周り方向における位置決めが為され、反射層４がほぼ後側に位置するようになる。
【００２２】
そして、弾性材料、例えば、合成ゴムで筒状に形成されたブッシング３１がケース６の結合部１３に内嵌される。該プッシング３１の内径は上記棒状導光体２の外径より僅かに小さく、ブッシング３１の外径は結合部１３の内径とほぼ同じに形成され、また、ブッシング３１の外周面には周方向に延びる襞３１ａ、３１ａ、３１ａが形成され、該襞３１ａ、３１ａ、３１ａの外径は結合部１３の内径よりやや大きくされている。そして、ブッシング３１の先端部には軸から離れる方向に突出したフランジ部３１ｂが形成され、さらに、該先端部に切欠３１ｃが形成される。また、ブッシング３１の基端部には軸心方向に突出した内フランジ３１ｄが形成されている。
【００２３】
上記したブッシング３１がケース６の結合部１３内に内嵌され、ブッシング３１のフランジ部３１ｂが結合部１３の先端を覆い、且つ、ブッシング３１の切欠３１ｃが結合部１３の係合切欠１３ａと一致される。そして、ブッシング３１が結合部１３に内嵌されると、ブッシング３１の襞３１ａ、３１ａ、３１ａが結合部１３の内周面との間で圧縮変形され、これによって、ブッシング３１と結合部１３の内周面との間が水密に保たれる。
【００２４】
上記したように、ブッシング３１が取り付けられたケース６に、上記したようにして、棒状導光体２の端部を係合したカバー９を結合する。すると、棒状導光体２の端部がブッシング３１を介してケース６の結合部１３内に内嵌され、棒状導光体２の端面２ａの周縁部がブッシング３１の内フランジ３１ｄに当接し、且つ、棒状導光体２の端面２ａがケース６の透光部１６を挟んで発光ダイオード７、７と対向される。そして、棒状導光体２の端部に形成された位置決め用突条５の端部はケース６の結合部１３の係合切欠１３ａ及びブッシング３１の切欠３１ｃと係合する。なお、棒状導光体２は位置決め用突条５がカバー９の係合切欠２５ｅと係合することによって、カバー９からの抜け止めが為される。
【００２５】
以上のようにして、棒状導光体２の両端部に光源ユニット３、３が結合されて、車輌用灯具１が形成される。
【００２６】
上記した車輌用灯具１がカバー９、９のベース部２７、２７を介して車体に取り付けられ、コネクタケース１４、１４に結合される電源側コネクタ３２、３２を介して、ＬＥＤ基板８、８上の回路が電源部と接続される。なお、電源側コネクタ３２、３２には図示しない防水カバーが設けられており、該防水カバーによってコネクタケース１４、１４との間の防水が図られる。なお、車体に取り付けられた状態で、ケース６、６のうち結合部１３、１３を備えた部分が車体の外側に位置される。
【００２７】
そして、発光ダイオード７、７、・・・が点灯すると、該発光ダイオード７、７、・・・の光はケース６、６の透光部１６、１６を透過するときに該透孔部１６、１６のレンズ作用により所定の指向性を持って棒状導光体２、２の端面２ａ、２ａから棒状導光体２内に入射される。棒状導光体２内に入射した光は内面反射を繰り返して棒状導光体２の全体に行き渡り、そのうち反射層４に入射した光が該反射層４で反射されてほぼ前方へ向けて棒状導光体２外へ出射され、その周辺部を照明する。
【００２８】
上記した車輌用灯具１にあっては、光源である発光ダイオード７、７は密閉容器状のケース６内に配置され、該ケース６の一部である透光部１６を介して棒状導光体２の端面２ａと対向するので、光源が配置された部分の確実な防水を図ることが出来る。従って、車体の外側に配置される灯具として好適である。
【００２９】
また、棒状導光体２が全長に亘って発光するので、ある程度の長さに亘ってほぼ均一な照明を行うことが出来る。従って、自動車の足掛け部の踏面のようなある程度の長さを有するものの照明に使用する灯具として好適である。
【００３０】
さらに、ケース６の一部である内ハーフ１０を透明材料で形成し、その一部を透光部１６としたので、透光部１６の部分での防水を図る部材を別個に必要とせず、部品点数を削減して安価な車輌用灯具を提供することが出来る。
【００３１】
さらにまた、透光部１６にはレンズ作用を持たせたので、発光ダイオード７、７から棒状導光体２に入射させる光に所望の指向性を与えて、棒状導光体２の中央部まで到達させることが出来るので、光源から遠い中央部での光度の低下を抑えて、棒状導光体２の全長に亘ってほぼ均一な照明を行うことが可能になる。
【００３２】
また、ケース６、６の透明材料で形成された内ハーフ１０、１０のうち車体の外側に位置される部分、すなわち、結合部１３、１３から前側の部分はカバー９、９によって覆われるので、内ハーフ１０、１０からの漏光が防止される。しかも、カバー９、９は棒状導光体２の両端部をケース６の結合部１３、１３に連結するために必要な部材であり、漏光防止のための特別な部材を必要としないことになる。
【００３３】
さらにまた、棒状導光体２の端部はケース６、６の結合部１３、１３に嵌合されて結合されるため、棒状導光体２の端面２ａ、２ａが光源である発光ダイオード７、７、・・・に対して精確に位置決めされ、且つ、結合部１３、１３と棒状導光体２の端部との間にはブッシング３１、３１が介挿されて防水が図られるため、棒状導光体２の（入射）端面２ａ、２ａやケース６、６の透光部１６、１６の棒状導光体２に対向した面が雨水等によって汚損される惧がない。
【００３４】
なお、上記した実施の形態において示した各部の形状乃至構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるようなことがあってはならないものである。
【００３５】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明車輌用灯具は、透明基材を棒状に形成して成る棒状導光体の両端に光源を配置し、上記光源の光を上記棒状導光体に入射させて該棒状導光体を発光させる車輌用灯具であって、少なくとも一部に透明な透光部を有する密閉容器状のケース内に上記透光部に対向させて上記光源としての発光ダイオードを配置し、上記ケースを少なくとも一方のハーフが透明材料で形成された２つのハーフを結合して形成し、上記透明ハーフの一部の肉厚を変化させてレンズ機能を有する透光部とすると共に、上記透明ハーフの一部を突出させてほぼ円筒状をした結合部とし、該結合部内に上記棒状導光体の端部を嵌合し、上記結合部の奥にケースの内外を仕切る仕切壁を形成して該仕切壁を上記透光部とし、非透明材料で形成されたカバーによって上記透明ハーフの透光部以外の部分を覆い、上記棒状導光体の端面を上記透光部を介して上記発光ダイオードに対向させたことを特徴とする。
【００３６】
従って、本発明車輌用灯具にあっては、光源である発光ダイオードは密閉容器状のケース内に配置され、該ケース体の一部である透光部を介して棒状導光体の端面と対向するので、光源が配置された部分の確実な防水を図ることが出来る。
【００３７】
また、棒状導光体が全長に亘って発光するので、ある程度の長さに亘ってほぼ均一な照明を行うことが出来る。
【００３８】
さらに、上記ケースを少なくとも一方のハーフが透明材料で形成された２つのハーフを結合して形成し、上記透明ハーフの一部の肉厚を変化させてレンズ機能を有する透光部としたので、別個にレンズを設けること無しに、発光ダイオードから棒状導光体に入射させる光に所望の指向性を与えて、棒状導光体の中央部まで到達させることが出来るので、光源から遠い中央部での光度の低下を抑えて、棒状導光体の全長に亘ってほぼ均一な照明を行うことが可能になる。
【００３９】
そして、さらに、非透明材料で形成されたカバーによって上記透明ハーフの透光部以外の部分を覆ったので、透明ハーフからの不必要な漏光を防止することが出来る。
【００４０】
請求項２に記載した発明にあっては、棒状導光体の端部を透明ハーフの結合部内に嵌合しただけでなく、棒状導光体の端部の外周面と結合部の内周面との間に筒状のブッシングを介挿したので、棒状導光体の端面が光源である発光ダイオードに対して精確に位置決めされるだけでなく、結合部と棒状導光体の端部との間の防水が図られて、棒状導光体の（入射）端面やケースの透光部の棒状導光体に対向した面が雨水等によって汚損される惧がない。
【００４１】
請求項３に記載した発明にあっては、車輌への乗降の際に足を掛ける足掛け部の踏面を照明する位置に取り付けられるので、足掛け部の踏面の全長に亘ってほぼ均一な照明を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】図面は本発明車輌用灯具の実施の形態を示すものであり、本図は一部を省略して示す水平断面図である。
【図２】カバーと共にケースを示す分解斜視図である。
【図３】カバーの側面図である。
【図４】棒状導光体の端部を示す斜視図である。
【符号の説明】
１…車輌用灯具、２…棒状導光体、２ａ…端面、６…ケース、７…発光ダイオード、９…カバー、１０…内ハーフ（透明ハーフ）、１１…外ハーフ、１３…結合部、１６…仕切壁（透光部）、３１…ブッシング
Claims (3)
- 透明基材を棒状に形成して成る棒状導光体の両端に光源を配置し、上記光源の光を上記棒状導光体に入射させて該棒状導光体を発光させる車輌用灯具であって、
少なくとも一部に透明な透光部を有する密閉容器状のケース内に上記透光部に対向させて上記光源としての発光ダイオードを配置し、
上記ケースを少なくとも一方のハーフが透明材料で形成された２つのハーフを結合して形成し、
上記透明ハーフの一部の肉厚を変化させてレンズ機能を有する透光部とすると共に、上記透明ハーフの一部を突出させてほぼ円筒状をした結合部とし、該結合部内に上記棒状導光体の端部を嵌合し、上記結合部の奥にケースの内外を仕切る仕切壁を形成して該仕切壁を上記透光部とし、
非透明材料で形成されたカバーによって上記透明ハーフの透光部以外の部分を覆い、
上記棒状導光体の端面を上記透光部を介して上記発光ダイオードに対向させた
ことを特徴とする車輌用灯具。 - 上記棒状導光体の端部の外周面と上記透明ハーフの結合部の内周面との間に筒状のブッシングを介挿した
ことを特徴とする請求項１に記載の車輌用灯具。 - 車輌への乗降の際に足を掛ける足掛け部の踏面を照明する位置に取り付けられる
ことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の車輌用灯具。
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