以下、本発明に係る発光装置について、好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態に係る発光装置10は、車両室内の照明に用いられ、図1及び図2に示すように、光源としての発光素子12と、前記発光素子12が実装されて平面視で長方形状に形成された基板14と、前記基板14のうち前記発光素子12が実装された面(以下、実装面と称することがある。)16に装着されて前記発光素子12に電気的に接続された電子部品18と、前記基板14に接続される一対の接続端子(ターミナル)20a、20bと、前記基板14等が収容されるケース(支持部材)22と、前記ケース22に装着されるカバー部24と、前記発光素子12から発光された光を導く導光体25とを備える。
発光素子12としては、例えば、LEDが用いられるが、有機EL等を用いることも可能である。このようなLEDや有機ELは、公知のものを利用することができる。発光素子12は、基板14の長手方向中央よりもやや一端部側に偏在している。
電子部品18は、発光素子12への電源の供給制御等を行うためのものであって、抵抗器やダイオード等が例示される。前記電子部品18は、基板14の短手方向の略中央であって、長手方向中央よりもやや他端部側に偏在している。
基板14の長手方向に沿って電子部品18よりも他端側に近接して一対の貫通孔26a、26bが形成されている。前記貫通孔26a、26bには前記接続端子20a、20bの一端部が挿入されるものであって、その離間間隔は、任意に設定可能である。この場合、これら貫通孔26a、26bに前記接続端子20a、20bを挿入して固定した状態で、該接続端子20a、20b同士が接触しない程度の間隔が好ましい。なお、基板14の裏面28には、図示しないが、導体が面状、例えば、箔状に配設されており、発光素子12、電子部品18及び接続端子20a、20bは、前記導体を介して電気的に接続される。放熱効果を得るためである。
図2及び図8から諒解されるように、接続端子20aの両端面は、平坦に形成されている。但し、前記接続端子20aの両端部の形状は、特に限定されず、例えば、先細りのテーパ状に形成されていてもよい。この場合、接続端子20aの一端部を前記貫通孔26aに挿入し易くなると共に、接続端子20aの他端部を後述する電力供給用の外部コネクタに装着し易くなる。
接続端子20aは、断面矩形状の細長い金属棒(金属板)で構成され、基板14の貫通孔26aに挿入された状態で、基板14に半田付けされる溶着部(図8参照)30と、前記溶着部30に連なる弧状の湾曲部32と、前記湾曲部32に連なり且つ他方の端部側に延伸するリード部34とを有する。
接続端子20aの厚みT1(図8参照)は、湾曲部32を撓ませることが可能な程度の厚みに設定されている。これにより、湾曲部32を撓ませて溶着部30とリード部34との位置関係を調整することが可能となる。実際、リード部34は、図示しない電力供給用の外部コネクタに接続されるものであって、これにより、外部から発光素子12に電力を供給することができる。なお、貫通孔26bに挿入される接続端子20bは、接続端子20aと同一構成であるため、その詳細な説明を省略する。
図3に示すように、ケース22は、幅広で一方向に延在し、基板14が収容されるケース本体36と、幅狭で前記ケース本体36に接続されるコネクタ部38とを有する。ケース本体36とコネクタ部38とは樹脂等で一体的に構成される。
図6を参照して、ケース本体36は、平面視で略長方形状に形成された底部40と、前記底部40の短手方向の両端部に設けられた一対の第1段差部42a、42bと、前記一対の第1段差部42a、42bのそれぞれに連なる一対の第2段差部44a、44bと、前記一対の第2段差部44a、44bのそれぞれに連なる一対の側壁部46a、46bと、前記底部40に立設されて該側壁部46a、46bの上端部近傍まで延在する壁部48と、前記壁部48に対向して前記底部40に立設される分厚い壁部50とを有する。
第1段差部42a、42bは、側壁部46a、46bに沿って延びており、その一端部が壁部48に接し、その他端部は壁部50に接している。各第1段差部42a、42bは、底部40の内面(基板14との対向面)40aに連なる第1垂直面43a、43bと、前記第1垂直面43a、43bのそれぞれに連なる第1上面45a、45bを有する。
第1垂直面43a、43bの幅(第1段差部42a、42bの高さ)W1は、基板14の厚さT2と同程度の幅に設定されている。これにより、第1上面45a、45bに基板14を載置した状態で、基板14と底部40の間に適度な隙間Sが形成されることとなる。これにより、発光素子12及び電子部品18から発生した熱を該隙間Sに拡散させることができるので、基板14の裏面28全体を底部40に接触させる場合と比較して、発光素子12及び電子部品18の温度上昇を抑えることができる。
第2段差部44a、44bは、側壁部46a、46bに沿って延びており、その一端部が壁部48に接し、その他端部はコネクタ部38に接している。各第2段差部44a、44bは、第1上面45a、45bのそれぞれに連なる第2垂直面47a、47bと、前記第2垂直面47a、47bのそれぞれに連なる第2上面49a、49bを有する。
第2垂直面47a、47bの幅(第2段差部44a、44bの高さ)W2は、基板14の厚さT2よりも大きく設定されている。これにより、第1上面45a、45bに基板14を載置した状態で、第2上面49a、49bが基板14の実装面16よりも上方に位置することとなる。
第2垂直面47a、47b同士の間隔は、基板14の短手方向の幅と略同一に設定されている。これにより、基板14の短手方向の移動を制限することができる。
図2に示すように、側壁部46aには所定間隔離間した複数(図では2つ)の装着孔(第2係合部)52a、52bが形成され、同様に側壁部46bにも装着孔(第2係合部)52c、52dが形成されている。装着孔52a、52bと装着孔52c、52dは、四角形状に開口し、この構成は後述するカバー部24の装着爪(第1係合部)70a、70bと、装着爪(第1係合部)70c、70dのそれぞれの形状に対応する。
装着孔52a、52bと装着孔52c、52dは、側壁部46a、46bの中央よりもやや上方に位置している。これにより、カバー部24をケース22に装着する際に、装着孔52a、52bと装着孔52c、52dのそれぞれを側壁部46a、46bの中央よりも下方に位置する場合と比較して、装着爪70a、70bと装着爪70c、70dにて外方に押される側壁部46a、46bの弾性変形量を小さくすることができるので、より小さい力で該カバー部24を該ケース22に装着することができる。
また、側壁部46aの装着孔52a、52bは、ケース22の長手方向において、側壁部46aの一端から装着孔52aまでの間隔、装着孔52aと装着孔52bの間隔、及び、装着孔52bから側壁部46aの他端までの間隔が等しくなるように配置されている。側壁部46bの装着孔52cは、装着孔52aに対向しており、側壁部46bの装着孔52dは、装着孔52bに対向している。これにより、ケース22の長手方向に装着孔52a、52bと装着孔52c、52dを偏って位置する場合と比較して、該カバー部24をバランス良く保持することができる。
各側壁部46a、46bの外面には、装着孔52a、52bと装着孔52c、52d間に位置し、且つ、車体パネルPに設けられた後述の固定部200a、200bに係合する固定爪54a、54bがそれぞれ形成されている(図9参照)。各固定爪54a、54bは、ケース22の長手方向に沿って延在し、略直方体形状に構成された基部55a、55bと一体的に形成され、且つ、上端部から外方に向かって下傾するテーパ部57a、57bを含む。
壁部48及び壁部50の高さは、ケース22にカバー部24を装着した状態で、ケース22とカバー部24とが面一になるような高さに設定されている(図1及び図8参照)。
壁部50は、平面視で略T字状に形成されており、コネクタ部38の内部迄到達する長さを有する。壁部50の上面の略中央には、長手方向に沿って延びた一対の配置溝56a、56bが形成されている(図3参照)。配置溝56a、56bの溝幅は、それぞれ上述した接続端子20a、20bのリード部34の幅と略同一の幅に設定されており、配置溝56a、56bの溝深さは、該リード部34の厚みT1と略同一の深さに設定されている(図8参照)。
図1から諒解されるように、コネクタ部38は、四角筒状に形成されており、その内部には、それぞれの接続端子20a、20bのリード部34が収納され、また、このコネクタ部38の筒体内部には、図示しない電力供給用の外部コネクタが挿入可能である。本実施の形態では、コネクタ部38の垂直方向の厚みはケース本体36よりも大きく形成される。コネクタ部38を構成する壁部53には、長方形状の切欠部58が形成され、前記切欠部58の幅は、後述するカバー延在部64の幅に対応している(図2参照)。
以上のように構成されたケース22では、底部40、第1段差部42a、42b、第2段差部44a、44b、側壁部46a、46b、壁部48、及び壁部50で囲まれた空間とコネクタ部38の切欠部58とによって、カバー部24が装着可能な空間(室)59が形成されることとなる。
図2及び図4に示すように、カバー部24は、例えば、射出成形によって樹脂等で一体的に構成されており、平面視で略長方形状のカバー部本体60と、前記カバー部本体60の他端部から幅狭に延在するカバー延在部64と、前記カバー部本体60に形成されて導光体25を内部に装着可能な筒部80とを有する。
カバー部本体60は、その外形形状を構成するベース部61と、前記ベース部61の短手方向両端部から長手方向に沿って下方に突出した一対の突出部62a、62bと、前記一対の突出部62a、62bに形成された一対の突起部68a、68bとを有する。
前記突出部62a、62bの突出量は、上述した側壁部46a、46bの高さに対応して規定される。突起部68a、68bの長さは、突出部62a、62bの長さと同一に設定され、その突出量は、上述した第2垂直面47a、47bの幅W2と基板14の厚さT2の差(W2−T2)と同程度に設定されている(図6参照)。
各突出部62a、62bの外側面には、上述した装着孔52a、52bと装着孔52c、52dに嵌合可能な装着爪70a、70bと装着爪70c、70dがそれぞれ互いに離間して設けられ、その離間間隔は、上述した装着孔52a、52bと装着孔52c、52dの離間間隔と同一に設定されている。装着爪70a、70b、70c、70dは、略直方体状であるが、その下端部は下方に向かうに従って徐々に先細りするテーパ状に形成されている。
この場合、本実施の形態では、図6に示すように、突起部68a、68bの下端面69a、69bから装着爪70a、70bと装着爪70c、70dの上端面までの距離L1は、ケース本体36の第1上面45a、45bに基板14を載置した状態において、基板14の実装面16から装着孔52a、52bと装着孔52c、52dの上端部までの距離L2よりも若干大きく設定されている。その理由については後述する。
ベース部61とカバー延在部64の境界部には、下方に突出した端子保持部72が形成されている(図4参照)。端子保持部72の下端面73と突起部68a、68bの下端面69a、69bとは、それぞれが一体に接続して平坦面を形成している。
端子保持部72の下端面73には、一対の凹部74a、74bがカバー部本体60の短手方向に所定間隔離間して形成され、その離間間隔は、上述した壁部50に設けられた配置溝56a、56bの離間間隔に対応している。
カバー延在部64の下面のうち端子保持部72に隣接する部位には、前記電力供給用の外部コネクタを保持するための溝76が形成されている。
筒部80は、略円筒状であってベース部61の一端部側に位置しており、筒部80の内部(内孔)は、ベース部61の下端面に開口している。筒部80には、その周方向に沿って4つの肉厚部位82a、82b、82c、82dが互いに離間して形成されている。なお、各肉厚部位82a、82b、82c、82dは、筒部80の軸線方向全体に亘って延在しており、その筒部80の周方向に沿った長さは略同一に設定されている。
肉厚部位82aと肉厚部位82cは、ベース部61の長手方向に沿って並んでおり、肉厚部位82bと肉厚部位82dは、ベース部61の短手方向に沿って並んでいる。
図6に示すように、肉厚部位82bの内周面の下端部には第1ストッパ部86aが形成され、肉厚部位82dの内周面の下端部には前記第1ストッパ部86aに対向して第1ストッパ部86bが形成されている。また、肉厚部位82bの内周面の上端側には、筒部80の軸線方向に延在して該筒部80の上端面に開口した係止溝88が形成されている。なお、係止溝88は、筒部80の上端面に開口していなくてもよい。つまり、係止溝88の上端部は、筒部80の上端面よりもやや下方に位置していても構わない。各第1ストッパ部86a、86bは、略直方体状に形成され、その上端面は平坦に形成されている。
図5に示すように、肉厚部位82aの内周面には、筒部80の軸線方向に沿って延びた溝部90aが形成され、その溝部90aは、筒部80の上端よりもやや下方の位置からその下端まで延在している。これにより、肉厚部位82aの内周面の上端部に後述する導光体25の凸部96aが当接(係止)可能な第2ストッパ部92aが形成されることとなる。
肉厚部位82cの内周面には、前記溝部90aと同一形状の溝部90bが該溝部90aに対向して形成されている。これにより、肉厚部位82cの内周面の上端部に後述する導光体25の凸部96bが当接(係止)可能な第2ストッパ部92bが形成されることとなる。なお、第2ストッパ部92a、92bのそれぞれは、上端に向かうに従って先細りのテーパ状に形成され、その下端面は平坦に形成されている。
導光体25は、透明体であって、樹脂材料で一体的に構成されている。また、図2、図5、及び、図6に示すように、導光体25は、円柱状に形成された導光体本体94と、前記導光体本体94の外周面に形成されて上述した一対の溝部90a、90bのそれぞれに挿入可能な一対の凸部96a、96bと、前記導光体本体94の外周面に形成されて該導光体本体94の軸線方向に延びた略直方体状の係止用突起98とを有する。
導光体本体94の外径は、筒部80の内径に対応している。各凸部96a、96bは、略直方体状であるが、その下端部は下方に向かうに従って徐々に先細りするテーパ状に形成され、その上端面は平坦に形成されている。また、各凸部96a、96bは、溝部90a、90bに挿入可能な大きさに設定される。
なお、導光体本体94の下端面から凸部96a、96bの上端面までの距離L3は、第1ストッパ部86a、86bの上端面から第2ストッパ部92a、92bの下端面までの距離L4と略同一の長さに設定されている。この理由は後述する。
係止用突起98の幅(導光体本体94の軸線方向及び半径方向に直交する方向に沿った長さ)は、上述した係止溝88の溝幅と略同一に設定されている。これにより、係止用突起98を係止溝88に挿入した状態で、前記係止用突起98が前記係止溝88の一対の溝側面のそれぞれに接触するので、筒部80の周方向において導光体25を筒部80に確実に位置決めすることができる。よって、筒部80に対する導光体25の誤組を防止することができる。また、導光体25を筒部80の内部に装着した状態で、該導光体25が筒部80の周方向に回転することを好適に防止することができる。
次に、本実施形態に係る発光装置10を組み立てる手順について説明する。先ず、基板14の一方の面(実装面16)に発光素子12と電子部品18をそれぞれ実装すると共に、基板14の貫通孔26a、26bに接続端子20a、20bのそれぞれの溶着部30を挿入し、該溶着部30を半田付けにより基板14に固定する。
その後、前記発光素子12等が実装された基板14をケース22内に進入させる。このとき、図6に示すように、基板14の裏面28が第1上面45a、45bに接触すると共に、基板14の側面が第2垂直面47a、47bに接触し、壁部50の配置溝56a、56b内に接続端子20a、20bのそれぞれのリード部34が収納されることとなる。これにより、基板14と接続端子20a、20bがケース22内に位置決めされる。
また、導光体25を筒部80の内部に装着する。具体的には、図5に示すように、係止用突起98が係止溝88に挿入されるようにカバー部24に対する導光体25の向きを調節した上で、該導光体25を筒部80の内部に進入させる。そうすると、導光体本体94の外周面と筒部80の内周面とが接触した状態で、凸部96a、96bのテーパ面が第2ストッパ部92a、92bのテーパ面に接触するに至る。
続いて、導光体25をベース部61が位置する側に押圧すると、肉厚部位82a、82cが互いに離間する方向(筒部80の半径方向外方)に弾性変形しながら導光体25が筒部80の内部にさらに進入し、導光体本体94の下端面が第1ストッパ部86a、86bの上端面に当接することとなる。このとき、弾性変形していた肉厚部位82a、82cは原形に復帰し、係止用突起98は係止溝88に配置され、凸部96a、96bは溝部90a、90bに配置される。
なお、上述したように、導光体本体94の下端面から凸部96a、96bの上端面までの距離L3が第1ストッパ部86a、86bの上端面から第2ストッパ部92a、92bの下端面までの距離L4と略同一に設定されているので、この状態において、凸部96aの上端面が第2ストッパ部92aの下端面に当接すると共に凸部96bの上端面が第2ストッパ部92bの下端面に当接する。その結果、導光体25は、筒部80の内部に位置決め保持される(図6参照)。なお、このとき、導光体本体94の一部は、筒部80から突出している。
続いて、カバー部24をケース22に装着する。具体的には、カバー部24をケース22に近接すると、カバー部24の突出部62a、62bの外側面とケース本体36の側壁部46a、46bの内面とが互いに接触した状態で突出部62a、62bの下端がケース本体36内に進入し、このため装着爪70a、70bと、装着爪70c、70dが側壁部46a、46bに接触するに至る。
そして、カバー部24をケース本体36の底部40側に押圧すると、側壁部46a、46bが互いに離間する方向に弾性変形すると共に、その反力で突出部62a、62bが互いに近接する方向に弾性変形しながら、突出部62a、62bがケース本体36内にさらに進入する。
その後、突起部68a、68bの下端面69a、69bが基板14の実装面16に接触すると共に、突出部62a、62bの下端面が第2上面49a、49bに接触することとなる。なお、上述したように、下端面69a、69bから装着爪70a、70bと装着爪70c、70dの上端面までの距離L1が実装面16から装着孔52a、52b、と装着孔52c、52dの上端部までの距離L2よりも大きく設定されているため、この状態において、装着爪70a、70b、70c、70dは未だ装着孔52a、52b、52c、52dに嵌合していない。
次いで、カバー部24を底部40側にさらに押し込むと、ケース本体36及びカバー部24が若干撓むので、カバー部24がケース本体36内にさらに進入し、装着爪70a、70b、70c、70dが装着孔52a、52b、52c、52dに嵌合することとなる(図6参照)。このとき、弾性変形していた突出部62a、62b及び側壁部46a、46bは原形に復帰する。その結果、カバー部24は、突起部68a、68bの下端面69a、69bで基板14の実装面16を押圧した(実装面16に当接した)状態でケース22に装着される。このとき、端子保持部72の下端面73は、接続端子20a、20bのそれぞれのリード部34に当接することとなる(図8参照)。
以上のようにして組み立てられた発光装置10は、図9に示すように、図示しない車両の車体パネルPの所定の位置に配設される。具体的には、筒部80における基板14が位置する側とは反対側の開口部が鉛直下方に指向すると共に、車体パネルPに形成された窓部Hと導光体本体94とが対向するように車体パネルPの裏面側(図9の二点鎖線の位置)に発光装置10をセットし、該発光装置10を車体パネルPに接近させる。これにより、先ず、車体パネルPの裏面側に設けられた樹脂製の固定部200a、200bが発光装置10の固定爪54a、54bのテーパ部57a、57bに接触する。
次いで、発光装置10をさらに車体パネルP側に押圧すると、固定部200a、200bが互いに離間する方向に弾性変形しながら、発光装置10が車体パネルP側に進行し、筒部80が車体パネルPの裏面に当接すると共に導光体本体94の一部が窓部Hに嵌まり込むと共に車両室内に露出する。このとき、弾性変形していた固定部200a、200bは原形に復帰する。その結果、発光装置10は、車体パネルPと固定部200a、200bによって挟圧されるので、車体パネルPに対してしっかりと固定される。
本実施の形態に係る発光装置10によれば、ケース本体36の第1上面45a、45bに基板14の裏面28を当接させた状態でカバー部24の突起部68a、68bの下端面69a、69bを基板14の実装面16に押し付けて(圧接させて)いるので、ケース22に対して基板14を確実に保持することができる。これにより、発光素子12と筒部80の間隔を一定にすることができる。
また、導光体25を筒部80の内部に装着した状態で導光体本体94の下端面が第1ストッパ部86a、86bの上端面に当接しているので、導光体25の基板14に向かう側の移動が阻止される。これにより、導光体25が筒部80の内部に位置決めされる。
さらに、この状態で、凸部96a、96bの上端面が第2ストッパ部92a、92bの下端面に当接しているので、導光体25における基板14が位置する側とは反対側の移動が阻止される。これにより、例えば、筒部80における基板14が位置する側とは反対側の開口部が鉛直下方に指向するように発光装置10の向きを設定した場合であっても、筒部80に対する導光体25の位置がずれることはない。これにより、発光装置10の向きによらず、発光素子12と導光体25の距離を一定に保持することができる。
本実施の形態では、第1ストッパ部86a、86bと第2ストッパ部92a、92bを利用して導光体25を筒部80の内部に位置決め保持しているので、筒部80の壁部に前記導光体25を保持するための孔を形成する必要がない。そのため、発光素子12から発光された光が該孔を介して外部に漏れるような問題も起きない。よって、部品点数の増加を招くことなく発光装置10の品質を向上させることができる。
本実施の形態では、第2ストッパ部92a、92bに当接可能な凸部96a、96bを導光体本体94の外面に一体的に形成しているので、導光体25を筒部80の内部に挿入する際に、前記凸部96a、96bを前記第2ストッパ部92a、92bに押し当てて肉厚部位82a、82cを筒部80の半径方向外方に撓ませることができる。これにより、前記導光体25を前記筒部80の内部に一層容易に挿入することができる。
また、導光体25の凸部96a、96bのテーパ面を第2ストッパ部92a、92bのテーパ面に接触させた状態で導光体25をベース部61側に押圧しているので、肉厚部位82a、82cを筒部80の半径方向外方に容易に撓ませることができる。従って、導光体25を筒部80の内部にさらに容易に挿入することができる。
さらに、一対の第1ストッパ部86a、86bをベース部61の短手方向に対向して配置すると共に、一対の第2ストッパ部92a、92bをベース部61の長手方向に対向して配置しているので、例えば、第1ストッパ部86a及び第2ストッパ部92aを1つずつ設けた場合(第1ストッパ部86b及び第2ストッパ部92bを省略した場合)と比較して導光体25を筒部80にバランス良く位置決め保持することができる。また、カバー部24を射出成形により成形する場合に、筒部80の内部に配置される中子を適当な大きさに分割することで、該中子を該筒部80の内部から容易に取り出すことができる。
本実施の形態に係る発光装置10によれば、カバー部24の一対の突出部62a、62bが発光素子12を挟むようにして基板14の実装面16を押圧すると共に、前記突出部62a、62bのそれぞれに設けられた装着爪70a、70bと装着爪70c、70dが、側壁部46a、46bのそれぞれに形成された装着孔52a、52bと装着孔52c、52dに嵌合するので、発光素子12と筒部80の間隔を一定に保持することができる。
また、本実施の形態では、カバー部24をケース22に装着した状態で、カバー部24の突起部68a、68bの外側面がケース本体36の第2垂直面47a、47bに接触しているので、カバー部24と基板14がその短手方向に相対移動することを好適に抑えることができる。これにより、発光素子12の光軸を筒部80の軸線上に位置させることができる。
さらにまた、本実施の形態では、端子保持部72の下端面73が配置溝56a、56bに収納された接続端子20a、20bのそれぞれのリード部34に当接しているので、接続端子20a、20bをケース22に対して好適に保持することができる。
これにより、接続端子20a、20bを保持するための部品を設ける必要がないので、発光装置10全体を有効に小型化及び軽量化することができる。また、接続端子20a、20bのそれぞれは、溶着部30を介して基板14に固定されているので、該接続端子20a、20bを保持することにより、基板14の保持が一層安定する。
ところで、通常、ケース22には寸法公差がある。そのため、発光素子12や接続端子20a、20b等が実装された基板14をケース22内に位置決めした際に、例えば、接続端子20a、20bの各リード部34が配置溝56a、56bから若干浮き出ることがある。
このような場合であっても、本実施の形態に係る発光装置10によれば、接続端子20a、20bのそれぞれに湾曲部32を設けているので、カバー部24をケース22に装着した際に、湾曲部32を撓ませることにより、溶着部30に余計な応力をかけることなく、接続端子20a、20bを保持することが可能となる。これにより、溶着部30の接続不良を好適に抑えることができる。
また、端子保持部72の下端面73に一対の凹部74a、74bを形成しているので、接続端子20a、20bの湾曲部32がカバー部24に当たり、該カバー部24をケース22に装着し難くなることを防止することができる。さらに、端子保持部72の下端面73に一対の凹部74a、74bを形成せずに、前記湾曲部32と該下端面73の間に該湾曲部32が該下端面73に当たらないように空間を設ける場合と比較して、発光装置10全体をコンパクトにすることができる。
さらに、本実施の形態では、発光素子12が実装される基板14の実装面16に電子部品18を配設しているので、電子部品18を基板14の裏面28に実装する場合と比較して、発光装置10全体を好適に小型化及び軽量化することができる。
本実施の形態に係る発光装置10において、カバー部24及び導光体25に代え、図10及び図11に示すようなカバー部100及び導光体102を用いてもよい。この変形例において、上記実施形態の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
図10及び図11に示すように、カバー部100は、筒部104の構成が上述した筒部80と異なる。具体的には、上述した肉厚部位82aの溝部90aを省略して肉厚部位82aの内周面の上端に第2ストッパ部106aを突設すると共に、肉厚部位82cの溝部90bを省略して肉厚部位82cの内周面の上端に第2ストッパ部106bを突設している。なお、各第2ストッパ部106a、106bは、上端に向かうに従って徐々に先細りするテーパ状に形成されている。
筒部104では、上述した実施の形態と同様に、肉厚部位82bの内周面の下端部に第1ストッパ部86aが形成され、肉厚部位82dの内周面の下端部に第1ストッパ部86bが形成されている。また、導光体102では、上述した導光体25の凸部96a、96bが省略されている。
この場合、導光体102を筒部104の内部に装着した状態で、導光体本体94の下端面が第1ストッパ部86a、86bの上端面に当接すると共に導光体本体94の上端面が第2ストッパ部106a、106bの下端面に当接することにより、導光体102が筒部104の内部に位置決め保持することができる。また、本変形例によれば、導光体本体94の外周面に上述した凸部96a、96bを設ける必要がないので、導光体102を簡易な構成にすることができる。その結果、発光装置10の製造コストの低減を図ることができる。
本実施の形態は、上述した構成に限らず、例えば、発光装置10は、複数の発光素子12を基板14に実装して構成されていても構わない。
本実施の形態に係る発光装置10は、突起部68a、68bの下端面69a、69bから装着爪70a、70b、70c、70dの上端面までの距離L1を、基板14の実装面16から装着孔52a、52b、52c、52dの上端部までの距離L2と同一に設定してもよい。この場合、基板14は、突起部68a、68bによって殆ど押圧されないが、突起部68a、68bの下端面69a、69bと基板14の実装面16との接触抵抗によって、基板14をケース本体36に対して保持することができる。
本実施の形態では、装着爪70a、70b、70c、70dに代えてカバー部24の突出部62a、62bに装着孔を形成し、装着孔52a、52b、52c、52dに代えてケース本体36の側壁部46a、46bに装着爪を設けてもよい。この場合にもカバー部24をケース22に対して容易に装着することができる。
装着孔52a〜52d、装着爪70a〜70d、及び、固定爪54a、54bの数量・位置・形状は、適宜変更可能である。また、第1ストッパ部86a、86b、第2ストッパ部92a、92b、106a、106b、及び、凸部96a、96bの数量・位置・形状は、適宜変更可能である。
本実施の形態に係る筒部80は、樹脂材料で構成される例に限らず、任意の材料で構成してよい。例えば、筒部80は、鉄等の金属材料で構成してもよい。この場合、例えば、筒部80の厚みを調節する(筒部80を肉薄に形成する)ことにより、導光体25を筒部80の内部に挿入する際に該筒部80を半径方向外方に好適に撓ませることが可能である。なお、筒部104についても同様に任意の材料で構成してよい。
本発明は上記した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。本発明に係る発光装置は、車両室内の照明用に限定されない。