JPH0343608Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は発光ダイオード（LED）等の発光素
子を光源として使用する照明装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、自動車に設置される照明装置としては前
照灯をはじめ、尾灯、後退灯、方向指示灯、サイ
ドマーカーランプ等種々のランプが知られている
が、そのうち例えばサイドマーカーランプは一般
に第７図に示す如く構成されている。すなわち、
１は車体２の側面に固定されたベースプレート、
３は後面が開放し車体の前後方向に長く形成され
た長箱形の前面レンズで、これらによつて灯具本
体４を構成し、その内部に光源５が収納配置され
ている。この場合、サイドマーカーランプ６は車
体側面に取付けられるものであるため、薄型化が
要求され、そのため光源５をベースプレート１と
略平行になるように配置したり、図に示す如くベ
ースプレート１に設けた開口部７よりソケツト８
の一部を車体内部に突出させている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかるに、斯かる従来のサイドマーカーランプ
６においては光源５として一般の電球を使用して
いるため、ランプ６自体の厚みを薄くするには自
ずと限度があり、またソケツト８を図に示す如く
車体２内に突出させた場合には開口部７をシール
したり、車体２自体にソケツト８を逃すための開
口を設けなければならないなどの問題があり、薄
型化の大きな障害となつていた。

一方、最近では半導体技術の発達により高輝度
で安価なLEDが開発されるに至つたことから、
この種のランプにも電球の代りにLEDの使用が
検討されている。その大きな理由は一般の電球と
異なりフイラメントを有さないため、半永久的寿
命を有する、灯具を薄型小型化でき車体への取付
加工が容易である、電球に比べて電力消費量およ
び発熱量が著しく少なく発光効率がよいなどの優
れた特長を備えていることによるもので、今後の
灯具の方向を指し示すものと云える。

しかし、このような特徴を有するLEDにあつ
ても一般の光源と同様、あくまでも点光源でしか
なく、またLEDは光の指向性が強いため、前面
レンズを全面に亘つて均一照明できないという問
題点があつた。

さらに、LEDは通常プリント基板に実装され
て使用されるため、該基板の灯具本体内への固定
構造とか、外部コードとプリント基板との接続等
を安価で容易且つ確実に行うには如何にしたらよ
いかなどの技術的課題があつた。

したがつて、本考案では上述したような問題点
および技術的課題を一挙に解決し、最少部品点数
で組立作業性に優れ、また均一照明を達成し得る
照明装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、前面レン
ズと共に灯具本体を形成するベースプレートと、
この灯具本体内に配設されたプリント基板と、こ
のプリント基板に実装された複数個の発光素子お
よびこれらの発光素子に対応してその前方に配設
された棒状レンズとを備え、前記前面レンズに前
記プリント基板を前記ベースプレートの内面に設
けた基板取付部に押圧固定する基板押圧部を一体
に設け、前記ベースプレートにはコネクタが接続
されるコネクタピンを一体に設けたものである。

〔作 用〕

棒状レンズが発光素子からの光を集光、拡散す
ることで、点光源を線または面光源としての態様
に変換する。ベースプレートはコネクタを兼ね、
また基板取付部と前面レンズの基板押圧部とでプ
リント基板を挾持する。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図は本考案をサイドマーカーランプに適用
した場合の一実施例を示す一部破断正面図、第２
図は第１図−線拡大断面図、第３図は第１図
−線断面図、第４図は要部斜視図である。こ
れらの図において、サイドマーカーランプ１０
は、ベースプレート１１と前面レンズ１２とから
なる灯具本体１４を有し、この灯具本体１４が一
対の止めねじ１３Ａ，１３Ｂにより車体２の側面
にゴムパツキン１５を介して固定されている。

前記ベースプレート１１は電気良導体からなる
金属板によつて平板状に形成され、その裏面中央
にはプリント基板１６が嵌合収納される凹陥状の
基板取付部１７が設けられ、また表面周縁部には
前記前面レンズ１２の後面開口端部が挿入される
環状１８が全周に亘つて凹設されている。

また、ベースプレート１１の裏面中央部には第
３図に示すように一対のコネクタピン１９Ａ，１
９Ｂが一体に突設され、これらのピン１９Ａ，１
９Ｂは該プレート１１および車体２に開設された
ピン挿通孔２０，２１に挿通され、その先端部が
車体２の内部に突出されている。

前記前面レンズ１２はアクリル樹脂等の透光性
樹脂によつて後面が開放する浅底長箱形に形成さ
れ、その表面中央部分は該中央部分に対応する内
面側に断面形状が略半円形で縦方向に長い多数の
フロート状レンズ２２が密接して突設されること
によりサイドマーカ窓部Ａを構成しており、それ
以外の部分が再帰リフレクタ部Ｂを構成してい
る。再帰リフレクタ部Ｂはレンズ内面に三角錐の
突起からなる周知の再帰反射素子２３（例実開昭
51−4273号公報）が多数形成され、この再帰反射
素子２３によつて外部光Ｌをその入射方向と同一
方向に再帰反射させるようにしている。そして、
前面レンズ１２の内面中央部には前記プリント基
板１６を前記ベースプレート１１の基板取付部１
７に押圧固定する基板押圧部２４が一体に突設さ
れている。この場合、本実施例はプリント基板１
６の長手方向両端部を左右一対の基板押圧部２４
によつて押圧するようにした例を示しているが、
これに限らず矩形枠状に形成され、プリント基板
１６の表面周縁部を全周に亘つて押圧したり、４
つの押圧部でプリント基板１６の各角部表面を押
圧するようにしてもよいことは勿論である。

前記プリント基板１６の表面中央部には例えば
８個のLED２５が反射ケース２６を介して配設
されている。LED２５は前記前面レンズ１２の
サイドマーカ窓部Ａに対応して配設されるもの
で、サイドマーカーランプ１０の長手方向に一列
に並列配置されている。前記反射ケース２６はプ
ラスチツク等によつて略コ字状に形成されること
により、前方に開放する長箱形に形成され、且つ
その内部が仕切壁２７によつて８つの室２８に仕
切られており、その夫々の室２８内にLED２５
が収納配置されている。各室２８の内壁面はアル
ミニウムの蒸着、白色塗料の塗布等が施されるこ
とによりLED２５から出た光を反射させる反射
面を形成している。各LED２５は半導体チツプ
２５Ａと、一対の端子２５Ａ，２５Ｃとを備え、
一方の端子２５Ｂ上に前記半導体チツプ２５Ａが
固定され、該チツプ２５Ａと他方の端子２５Ｃと
が金線３０によつて接続されている。一対の端子
２５Ａ，２５Ｂはその一端が前記プリント基板１
６に設けられた端子挿通孔３１にそれぞれ挿通さ
れ、該基板１６の裏面側に形成された回路パター
ン（図示せず）に半田接続されている。前記プリ
ント基板１６の裏面には外部コード接続用のピン
３３Ａ，３３Ｂが突設されており、これらピン３
３Ａ，３３Ｂは前記ベースプレート１１および車
体２のピン挿通孔２０，２１に挿通されている。
そして、これらのピン３３Ａ，３３Ｂおよび前記
コネクタピン１９Ａ，１９Ｂに対して第３図二点
鎖線で示すように外部コード３４の一端に取付け
られたコネクタ３５が車体２の内側より接続され
る。

前記LED２５の前方にはすべてLED２５に対
して共通に延在する棒状レンズ３６が配設されて
いる。棒状レンズ３６は断面形状が略半円形で、
その平坦面３６ａが前記反射ケース２６の表面に
接着剤等により固着されることにより、前記フロ
ート状レンズ２２と直交し、すべての室２８を閉
塞している。

かくしてこのような構成からなるサイドマーカ
ーランプ１０によれば、光源として微少なLED
２５を使用しているので、灯具本体１４を薄型化
することができ、また各LED２５から出た光は
棒状レンズ３６を透過し、サイドマーカ部Ａを照
明するが、その際棒状レンズ３６に入射した光の
一部は該レンズ内において内面反射しながら長手
方向に進行する。そのため棒状レンズ３６は全長
に亘つて明るく光り、点光源であるLED２５を
実質的に線光源（又は面光源）としての態様に変
換する。したがつて、サイドマーカ部Ａは全面に
亘つて略均一な明るさで照明される。なお、棒状
レンズ３６を透過した前記光のうち前記サイドマ
ーカ部Ａに向う光L₁はフロート状レンズ２２を
透過する際、車体の斜め前方および斜め後方に拡
散される。一方、再帰リフレクタ部Ｂに向う光
L₂は再帰反射素子２３に当つて反射するため前
面レンズ１２を透過することはない。

前記プリント基板１６はベースプレート１１の
基板取付部１７と前面レンズ１２の基板押圧部２
４によつて保持されているので、止めねじ等の固
定手段が不要で、灯具本体１４内への組付作業が
簡単且つ容易である。また、ベースプレート１１
はコネクタピン１９Ａ，１９Ｂを一体に有し、外
部コード３４に対するコネクタを兼用しているた
め、プリント基板１６にコネクタを取付けたりす
る必要がなく、部品点数を削減し得る。

第６図は本考案の他の実施例を示す要部断面図
である。本実施例は棒状レンズ３６を丸棒状に形
成し、反射ケース２６の内部にその一部周面が外
部に突出した状態で収納配置したものである。こ
のため、反射ケース２６の各室２８を仕切る仕切
壁２７はその高さが低く、各室２８を連通させて
いる。また、各端子２５Ｂ，２５Ｃの一端はプリ
ント基板１６の表面側に設けた回路パターン（図
示せず）に半田接続されている。

第６図は本考案の更に他の実施例を示す要部断
面図で、反射ケース２６の内部にエポキシ樹脂等
の透明度の高い樹脂を充填してすべてLED２５
をモールドし、その表面を半円形に膨出形成する
ことで棒状レンズ３６を形成したものである。

このような構成においては棒状レンズ３６がレ
ンズとしての機能と、LED２５を外気、雨水等
から遮断保護する保護体としての機能を有し、
LED２５の耐久性を向上させる利点を有する。

なお、上記実施例はサイドマーカーランプに適
用実施した場合について説明したが、本考案はこ
れに何ら特定されるものではなく、各種灯具に実
施し得るものである。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係る照明装置によ
れば、発光素子の前方に配設した棒状レンズによ
つて各発光素子から出た光を集光、拡散し前方に
導くようにしているので、従来の電球を使用した
照明装置と比較して薄型小型化を達成することが
でき、また棒状レンズは点光源としての発光素子
を線又は面光源としての態様に変換するため、前
面レンズを全面に亘つて均一に照明し、照明効果
を向上させる。また、プリント基板を前面レンズ
に設けた基板押圧部によりベースプレートの基板
取付部に押圧固定しているので、プリント基板を
固定するための止めねじ等を一切必要とせず、ま
たベースプレート自体が外部コード接続用のコネ
クタを兼用するので、部品点数および組立工数が
少なく、安価に提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案をサイドマーカーランプに適用
した場合の一実施例を示す一部破断正面図、第２
図は第１図−線拡大断面図、第３図は第１図
−線断面図、第４図は要部斜視図、第５図お
よび第６図はそれぞれ棒状レンズの他の実施例を
示す断面図、第７図はサイドマーカーランプの従
来例を示す一部破断平面図である。 １１……ベースプレート、１２……前面レン
ズ、１４……灯具本体、１６……プリント基板、
１７……基板取付部、１９Ａ，１９Ｂ……コネク
タピン、２４……基板押圧部、２５……LED、
３５……コネクタ、３６……棒状レンズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面レンズと共に灯具本体を形成するベースプ
   レートと、この灯具本体内に配設されたプリント
   基板と、このプリント基板に実装された複数個の
   発光素子およびこれらの発光素子に対応してその
   前方に配設された棒状レンズとを備え、前記前面
   レンズは前記プリント基板を前記ベースプレート
   の内面に設けた基板取付部に押圧固定する基板押
   圧部を一体に有し、前記ベースプレートにはコネ
   クタが接続されるコネクタピンが一体に設けられ
   ていることを特徴とする照明装置。