JP4096879B2 - エレベータ用ロープ - Google Patents
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Description
本発明はエレベータや荷役機械に用いられるロープに関する。
エレベータは、乗りかごと釣合い錘をロープで結合し、このロープを巻き上げ機のシーブに巻き掛けたロープと駆動シーブとの間に生じる摩擦力で駆動している。又エレベータでも巻胴式のもの或いは荷役機械では負荷を吊るしたロープを巻胴に巻き取って駆動している。
従来のこの種の機械に使用されているロープは、中心に潤滑油を含浸させた繊維ロープを芯として配置し、その周囲に鋼素線を撚り合せて構成した構造体を複数本撚り合せた構造である。このロープでは、小径のシーブやプーリに巻きかけて使用する場合、屈曲に伴う素線の疲労や摩耗によりロープの寿命が極端に短くなる。又、シーブとの間の摩擦係数が小さい為に、小径シーブになるほど駆動摩擦力の確保が難しくなる。
このため、摩擦駆動をするシーブの直径はロープ直径の40倍以上を採用している。即ちシーブ径が大きいために駆動トルクが大きくなり、したがって、駆動装置の寸法も大きくなっている。これまではこのトルクは必要だとしてエレベータ等が設計されてきたが、省スペースの要求が強まるに伴って、要素機器の小形化の要求が強まっている。
これに対し、ロープを使用するときのシーブ径を小さくする新しいロープが提案されている。例えば、特開平07−267534号では有機繊維を強度部材として使用し、この有機繊維が10数μmであることから、ロープの曲率半径を小さくしても強度部材の疲労は発生せず長寿命が維持できるとしている。
また、特開平3−82883には、寄り合わせたワイヤーに潤滑の保護層を設け、それを更に撚り合わせてその外側を更に被覆したロープが提案されている。
発明の開示
上記提案されたものでは、強度部材は従来のワイヤロープ材に比べて縦弾性係数が小さいので、ロープの縦剛性が小さくなる。このために、ロープ長が長くなったとき乗りかごのフワフワ振動を生じやすい。また有機材料であり耐熱性が低く、経年劣化も生じ易い。また、小径のシーブに捲きかけて屈曲を繰り返すと素線間で摩耗を生じ且つ繰返し応力による疲労のために寿命が短くなる。更にシーブとの間の摩擦係数が小さくすべりを生じて大きな駆動力を伝達できない。等の問題があった。
本発明はこれらの従来の欠点を解決し、柔軟、適正摩擦係数で且つ長寿命のロープを提供するにある。
本発明におけるロープは、金属製素線を撚り合せて構成した第一の構造体を被覆材により被覆した第一の被覆構造体を芯とし、その周囲に、金属製素線を撚り合せて構成した第二の構造体を被覆材により被覆した第二の被覆構造体を複数本配置して撚り合せ、更に、該第一の被覆構造体を中心としてその周囲に配置された複数の前記第二の被覆構造体の周囲を被覆する第三の被覆材を配置し、前記第二の被覆材と前記第三の被覆材が接合するように構成した。
ここで接合とは、接着剤による接着や、二つの物質が加熱により融着、そして化学的処理による結合等、を含むように解釈される。
このように、前記構造体或いは第一、第二の構造体を、金属製素線を撚り合わせ構成したため、剛性が高く、経年変化の少ないロープとすることができるばかりか、これを被覆材で被覆するようにしたため、素線が直接接触、滑ることのない耐摩耗性に優れた長寿命のロープを提供できる。
発明を実施するための最良の形態
図1は本発明になるロープを適用したエレベータの一実施例を示す全体構成図である。
図1において、乗客あるいは荷物をはこぶ乗りかご1の下部には、ロープ10を受けるプーリ5a、5bを設け、乗りかご1に定格のほぼ1/2の荷重が積載されたとき吊り合う釣合い錘2の上部には、ロープ10を受けるプーリ5eを設ける。
昇降路7の頂部にはロープ10を受けるプーリ5c、5dを設け、また下部にはシーブ3aを持つ駆動装置3を設ける。本発明になるロープ10は、昇降路頂部に設けたロープ受け6aから乗りかご下のプーリ5a、5b、頂部のプーリ5cを通り、駆動装置3のシーブ3aに捲きかけられる。更に頂部のプーリ5d、釣合い錘のプーリ5eを通り、頂部のロープ受け6bで終わる。
本発明になるロープ10は柔軟で、且つ被覆とシーブ3aとの間の摩擦係数が大きいので、シーブ径が小径でも長寿命且つ確実な駆動力伝達が可能である。例えばシーブ径は従来の1/3〜1/2が実現できる。このことは駆動装置に要求される駆動トルクも1/3〜1/2になる為に、駆動装置が大幅に小型化できる。更にかご下、釣合い錘上部及び昇降路頂部のプーリ類も同様に小径になるので、オーバーヘッド(最上階の床から昇降路天井までの距離)やピット深さ(最下階床から昇降路ピットまでの距離)を短縮できる。
図2及び図9は本発明になるロープの断面構造を示す図である。12はロープ10の中心に配置する第一の被覆構造体、13は第一の被覆構造体12の周囲に配置する複数の第二の被覆構造体で、これら複数の第一、第二の被覆構造体12、13を撚り合せ、その外側に被覆11(外層被覆)を施し、ロープ10とする。被覆構造体12及び13では、その直径が被覆前のロープ径の1/100〜1/15のもので、材質は高張力鋼の素線を使い、この細径素線の集合体に被覆(内層被覆)を施して被覆構造体を構成する。細径素線を使うことで、ロープの柔軟性を実現し、小径シーブやプーリに捲き掛けることを容易にする。
被覆構造体12、13の被覆材(内層)は、素線との接着力があり、適度の弾性がある(熱可塑性)有機材料とし、被覆ロープの被覆材(外層)はシーブとの摩擦係数が適切で、且つ耐摩耗性のある(熱可塑性)有機材料とする。
ロープ10は中心の第一の被覆構造体12の周りに複数の第二の被覆構造体13が撚り合わされているので、被覆ロープ10が屈曲を繰り返されると、各被覆構造体12、13間では少しづつ曲率半径が異なるので、相互に滑りを生じる。
また被覆ロープに張力が作用すると被覆構造体が撚り合わされている事により被覆構造体間に相互の間の押付け力が作用し、更にロープがシーブやプーリに捲きかけられることでロープの半径方向に押付け力が作用する。このように実使用条件下では、ロープの被覆構造体間にはお互いに面圧が作用し、且つ相互滑りを生じる。
このため、被覆構造体12、13に被覆がない場合には素線同士が直接接触して滑り、素線摩耗を生じる。ロープの柔軟性を実現する為に素線径を細くした為に、ロープの寿命を著しく短くする。被覆構造体12及び13の被覆は、構造体間の素線の直接接触を防止するものである。即ち、構造体の素線と隣接する構造体の素線との間に被覆材が入ることで、これらの素線間には直接接触することがなくなり、素線摩耗を抑制できる。しかし隣接する構造体の被覆間には面圧及び相対滑りが生じるが、被覆材の弾性によりこの面圧及び相対滑りが緩和され、耐摩耗性を大幅に向上させる。
構造体への被覆は、隣接する構造体の素線間に働く面圧と相対滑りを緩和させる効果がある。この効果を大きくする為には被覆厚さを大きくしたい。反面この被覆厚さが必要以上に厚いと、構造体の断面積に占める強度部材の面積比率が小さくなる。このことは、この構造体を撚り合せて構成するロープの断面積に占める強度部材比率が小さくなり、同じ強度なら断面積の広いロープになる。このため、被覆厚さは素線間面圧と相対滑りの緩和に必要な最小限の厚さとして、極力薄くする。ちなみに0.2〜0.5mmが適当である。
第一の被覆構造体12の周囲に配置する第二の被覆構造体13ではお互いの隣接する構造体間には隙間δを設け、外層被覆を成形する時被覆材が、被覆構造体間にも容易に浸透しやすい構造にしている。これにより、外層被覆11は、第二の被覆構造体13との接触面積は勿論、第一の被覆構造体12との接触面積が拡大し、内層被覆と外層被覆の接着或いは融着強度が向上する。
外層被覆はシーブとの間の摩擦力により駆動力を伝達する。このことは被覆材の摩耗を余儀なくされることを意味しており、外層に用いる被覆材は耐摩耗性を向上させるために、適度の硬度と厚みを持たせる。
図3は被覆構造体12、或いは13の具体的な構造を示す図である。素線21を複数本撚り合せて構造体22を構成し、その外側に被覆23を施した被覆構造体20である。ここで、素線21の直径は前述のように。外層被覆前のロープ径の1/15〜1/100とする。この実施例の場合は構造体の構成を(1+6+12)として(2層捲き)、19本の素線を平行に並べた場合を示している。このような構造にすることにより素線間の接触は線接触になり、ロープに作用する長さ方向荷重及び半径方向荷重に対して、素線間の接触面圧が点接触に比較して緩和される。構造体22を構成する素線径が小径であるので、ロープの屈曲に伴う構造体内の素線間の相対滑り距離が小さくなる。このことは、素線の摩耗量を決定する面圧と滑り距離の積(一般にPV値と言う)を小さくし、素線摩耗を抑制できる。また素線径が小さいので、ロープの屈曲に伴う素線の疲労も緩和できる。
素線21を撚り合わせた構造体22に被覆23を施す時、構造体22を洗浄剤で洗浄し、接着剤塗布後被覆材23を成形する方法、或いは素線に適切な表面処理を施し、被覆材を成形して化学的に素線表面と被覆材を結合する。例えば、素線をブラスメッキしておき、構造体22に硫黄を含む被覆材を成形して、加硫により素線表面のメッキ成分と被覆材成分を化学結合させる方法がある。
構造体22の外層に位置する素線は被覆と接着されていて拘束されているが、その内部に位置する素線はその動きを拘束されていない。このことは小さな曲率半径に曲げても抵抗が小さいことを意味しており、柔軟なロープを実現できる。この場合でも、素線間では直接接触しているが平行配置であり、接触面積が大きく取れて面圧が小さいこと、及び素線径が小さいので、ロープの屈曲による素線間の滑りも微小であることから、長寿命を確保できる。
図4は被覆構造体12、或いは13の別な実施例である。同一記号は同じ部品を表示している。比較的大きなロープ強度を必要とする場合、素線の径が小さい為に、多くの素線本数を必要とする場合がある。この実施例では、そのような場合の構造体の構成を示しており、構成を(1+6+12+18)として(3層捲き)、37本の素線を撚り合わせた場合を示している。素線本数が多くなると、図3に示すように各素線を同じピッチで撚り合わせることが困難になる。
この図では各層の素線の撚りピッチを少しづつずらして、断面形状が容易に円形を維持できるようにした場合を示している。図3で示す例では各素線は平行で素線の交差角は零であるが、この実施例の場合、各層で撚りピッチをわずかづつずらしているので、交差角を零にできない。しかし、その場合でも各層の撚りピッチの差が小さいので、素線の交差角は小さく、構造体内の素線間の接触長さを長くでき素線の耐摩耗性を向上させることが可能である。
更に多くの素線本数を必要とする場合でも、同様にして構造体を構成すれば、断面形状をほぼ円形に維持しながら構成でき、且つ耐摩耗性が向上する。この製作性が良いことは出来上がったロープのコストを抑制する効果がある。
図5は更に多くの素線を撚り合わせる必要がある場合の被覆構造体30の実施例を示すものである。前述の構造体22(図3)と同じように、素線31を複数本撚り合せた中央構造体35を中心に、その周囲に同様な構造の周囲構造体34を7本配置して撚り合せて全体構造体32を構成し、この全体構造体32の外周に被覆33を施して被覆構造体30を構成する。即ち図3に示した構造体22を7本撚り合せて全体構造体32を構成し、その外側に被覆を施した構造である。実施例では、図3に示した構造体22を7本撚り合せた場合を示しているが、この構造に限定したものではない。
この構造は隣接する周囲の構造体34と中央の構造体35間で素線が直接接触するので、前述の構造(図3、図4)に比較し素線の耐摩耗性と言う点では劣るが、柔軟で、高強度のロープの要求には適している構造である。また、周囲構造体34間での素線の直接接触にしても、中央構造体35の中心からの距離が短いので、素線間の相対滑り距離が短く、摩耗も小さくてすむ。従って、この構造は、ロープ中心からの距離の短い芯の構造体12に適用すると良い。
図6及び図10は図3の構造体22に被覆した被覆構造体20を7本撚り合せたものを示す。即ち、単体被覆構造体41を撚り合せて構造体42を構成し、この構造体42の外側に被覆43を施して全体被覆構造体40としたものである。こうすることにより、隣接する単体被覆構造体41間での素線接触がなくなり、素線の耐摩耗性は格段に向上する。反面被覆構造体41の被覆断面積分、ロープ断面積に対する強度部材の占める比率が低下し、単位断面積当りの強度は低下する。このため、被覆厚さは素線間の面圧及び相対滑りを緩和する最低限の厚みとし、極力薄くする。この構造は、被覆ロープの強度、寸法、寿命の兼ね合いから選択する。
図7及び図11はロープ構造の他の実施例を示す。基本的には図2の実施例と同じであるが、芯の被覆構造体12の周囲に、8本の被覆構造体13を配置して撚り合せ、その外側に被覆11を施した構造である。芯及び周囲の被覆構造体12、13は図2の被覆構造体と同様である。
図8は更に他の実施例を示すもので、単体被覆構造体51を撚り合わせて構成した構造体52に被覆53を施して全体被覆構造体50としてロープとしたものである。この構造のロープは、前述のロープに比べて設計上の制約がゆるくなり、設計自由度が拡大する。すなわち、前述のロープでは、ロープの断面積に占める強度部材の断面積、すなわち素線の断面積の総和の比率を高めるためには、芯になる単体被覆構造体とその外周に配置する単体被覆構造体の直径の大きさには、制約がある。それに対し、この実施例の場合には、ほぼ同じ径の単体被覆構造体を使用することができ、素線の径、単体被覆構造体の径、被覆ロープの径の間での設計上の自由度が高くなると同時に製造上も容易になる。
図12は更に他の実施例を示す。基本的には図7の実施例と同じであるが、芯の被覆構造体12を芯鋼24の周囲に素線21を撚り合わせて構成したものである。これにより、素線数を極端に多くすることなく、所望の大きな直径を有する被覆構造体を実現することが出来る。
ロープとしたときの縦剛性を確保するために、素線を撚り合せて構造体を製作する工程、被覆構造体を撚り合せてロープを製作する工程では、夫々素線や被覆構造体に適切な張力を作用させながら撚り合せる。これにより素線か或いは被覆構造体間に無駄な空間がなくなり、製品であるロープに張力が作用しても、ロープの伸びを小さくできる。
素線を撚り合せて構成する構造体に被覆を成形する場合、素線と被覆材である有機材料とは接着効果がほとんどない。そこで、素線と被覆との間の接合力を確保するために、構造体を洗浄し、洗浄用の溶剤を乾燥させた後に接着剤を塗布、その上に被覆材である有機材料を構造体を引き出しながら被覆(内層被覆)を押し出し成形する。このようにして製作した被覆構造体を張力を掛けながら撚り合せてロープとし、その外側にさらに有機材料による被覆(外層被覆)を成形する。このとき被覆構造体を撚り合せて製作したロープを事前に一定温度まで加熱しておくことによって、外層被覆を成形する時、内層被覆材と外層被覆材とが融着し、両者が一体化する。これにより、シーブからの駆動力を受けた時、その力は外層被覆→内層被覆→構造体(強度部材)と伝達され、内層被覆と外層被覆との間で、或いは内層被覆と構造体の間で滑ることはなく力が伝達され、乗りかごを駆動できる。
構造体に被覆する場合接着のほかに、素線に表面処理をしておき、その外側を覆う被覆材の成分と素線の表面にある成分との間で化学反応を生じさせて、素線と被覆材とを化学的に結合する方法もある。この場合は一般に接着による方法よりも強固に両者を接着できる。
内層被覆の目的は隣接する構造体の素線が互いに接触しないようにすることであり、ロープ断面積に占める強度部材の断面積を大きくして小径・高強度ロープとするためには、その目的を達成できる範囲で極力薄くしたほうが良い。そのためには0.2〜0.5mmの範囲が良い。外層被覆の目的はシーブからの動力をロープの強度部材に伝達し、且つ長期に渡るシーブとの接触によっても摩耗が小さいことであり、その厚さは摩耗に耐えるだけの厚さが必要である。そのためにはロープの使われる種々の条件を加味して、0.5〜1.0mmの範囲が良い。
上記本発明の実施形態になるロープでは、細径の金属製素線を使用しているので、剛性が高く経年劣化がないのは勿論、柔軟性に優れており、小径シーブに巻きかけて使用する場合にも強度部材に無理な力が働かない。また金属製素線を撚り合せた構造体に被覆を施した被覆構造体を撚り合わせてロープにしているので、構造体間で素線が直接接触、滑ることがないので、耐摩耗性に優れ長寿命を実現できる。
更にこの被覆構造体を撚り合せたロープに被覆を施してロープとしているので、シーブとの摩擦係数を適切にできると共に内層被覆の摩耗ひいては素線の摩耗を防止できる。構造体に施す被覆とロープに施す被覆を別にし、2層被覆構造にしているので、各々の被覆に必要な機能を実現できるようにその材料を最適化でき、設計自由度の向上と共に製造上の容易さを実現できる。
更に、素線と内層被覆とを接着しているので、ロープの繰り返し屈曲に対しても素線と内層被覆間の滑りがなく内層被覆の摩耗を防止でき、ロープの長寿命化を実現できる。
また、本発明になるロープは小径シーブでの使用でも、シーブとの間の摩擦係数を適正化でき、且つ長寿命を実現できるので、駆動装置及びそれに付随した要素機器、例えばプーリを小型化できる。これにより省スペースで且つロープ交換周期の長いエレベータを実現できる。この結果エレベータの初期コストと共に保守コストの削減が可能になる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、金属製素線を撚り合わせ構成したため、剛性が高く、経年変化の少ないロープとすることができるばかりか、これを被覆材で被覆するようにしたため、素線が直接接触、滑ることのない耐摩耗性に優れた長寿命のロープを提供できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明になるロープを適用したエレベータの一実施例を示す全体構成図である。図2は本発明の一実施形態になるロープを示す断面図である。図3は図2のロープを構成する被覆構造体の一実施形態を示す断面図である。図4は図2のロープを構成する被覆構造体の他の実施形態を示す断面図である。図5は図2のロープを構成する被覆構造体の更に他の実施形態を示す断面図である。図6は図2のロープを構成する被覆構造体の更に他の実施形態を示す断面図である。図7は本発明の他の実施形態にロープの断面図である。図8は本発明の更に他の実施形態になるロープの断面図である。図9は図2に示すロープの詳細断面図である。図10は図6に示すロープの詳細断面図である。図11は図7に示すロープの詳細断面図である。図12は本発明の更に他の実施形態になるロープの断面図である。
Claims (5)
- 互いに接する複数の金属製素線と該金属製素線を被覆しかつ該金属製素線と接着する第一の被覆材で構成した第一の被覆構造体と、
互いに接する複数の金属製素線と該金属製素線を被覆しかつ該金属製素線と接着する第二の被覆材で構成した第二の被覆構造体とを有して、
複数の第二の被覆構造体が隣接する第二の被覆構造体の間に隙間が設けられて、第一の被覆構造体を中心として第一の被覆構造体の周囲に配置され、
複数の第二の被覆構造体の周囲を被覆する第三の被覆材が設けられ、
該第三の被覆材が成形される時に、第三の被覆材の一部が前記隙間を介して第二の被覆構造体間を浸透して第二の被覆構造体および第一の被覆構造体に接触することによって第二の被覆構造体および第一の被覆構造体の第二の被覆材および第一の被覆材と融着した構成が形成され、
前記金属製素線の直径は前記第三の被覆材が設けられる前のロープ径の1/100〜1/15であり、
前記第一および第二の被覆材並びに前記第三の被覆材が弾性を有する有機材料であることを特徴とするエレベータ用ロープ。 - 第一の被覆構造体および第二の被覆構造体は前記金属製素線を撚り合わせたストランド構造または前記金属製素線を撚り合わせて構成するストランドを複数本撚り合わせたシェンケル構造であることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ロープ。
- 第二の被覆材は、第二の構造体との接合を可能にする材料からなる内層被覆材で構成し、第三の被覆材はシーブとの摩擦係数を適性にする材料からなる外層被覆で構成したことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ロープ。
- 第一および第二の被覆材の厚さを、0.2〜0.5mmとしたことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ロープ。
- 第一の被覆材または第二の被覆材は、接着剤によって接着または前記金属製素線になされたメッキとの化学的結合によって前記金属製素線に接合されたことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ロープ。
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