JP4092524B2 - ゴム組成物、これを含有する樹脂改質剤組成物および樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂改質剤の有効成分となるゴム組成物、該ゴム組成物を含有する樹脂改質剤組成物および該樹脂改質剤組成物を含有する樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)は、ポリスチレン樹脂に共役ジエン系共重合体などのゴム状重合体を樹脂改質剤として用いて、耐衝撃性を改善したものである。耐衝撃性、光沢、剛性、成形加工性に優れることや安価であることから、電気機器、事務機器、包装容器、雑貨などの分野で広く用いられている。
【0003】
耐衝撃性ポリスチレン樹脂においては、高い耐衝撃性を示すものは光沢が悪い場合が多い。光沢などが改良された耐衝撃性ポリスチレン樹脂として、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を樹脂改質剤として含有する耐衝撃性ポリスチレン樹脂が提案されている(特公昭48−18594号公報、特公昭60−57443号公報など)。しかし、この耐衝撃性ポリスチレン樹脂は、耐衝撃性が不十分であり、用途が限られるという問題があった。
【0004】
耐衝撃性ポリスチレン樹脂の耐衝撃性と光沢の両方を改良する方法として、有機アルカリ金属などを用いて製造される1,4−シス結合が25〜40重量%であるポリブタジエンとスチレン−ブタジエンブロック共重合体とを含有するゴム組成物を樹脂改質剤として用いる方法などが提案されており、この場合、ポリブタジエンとしてカップリング処理したものを用いることによって耐衝撃性をさらに改良することも提案されている(特開平2−34611号公報、特開平2−34612号公報など)。しかし、これらの方法によって得られる耐衝撃性ポリスチレン樹脂は、従来の耐衝撃性ポリスチレン樹脂に比べて耐衝撃性と光沢とが共に改良が不十分であるか、耐衝撃性の改良に比べて、光沢の改良が不十分であった。また、高温環境下では、耐衝撃性ポリスチレン樹脂の光沢が低下しやすいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐衝撃性と光沢に優れ、高温環境下でも光沢が低下しにくい耐衝撃性芳香族ビニル樹脂を提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は、上記のような耐衝撃性芳香族ビニル樹脂を得るのに用いられる樹脂改質剤の有効成分として用いられるゴム組成物を提供することにある。
【0007】
本発明者らは、従来のもの以上に耐衝撃性と光沢に優れた耐衝撃性芳香族ビニル樹脂を得ることを目的として、鋭意研究した結果、共役ジエン単量体単位中特定量のビニル単位を含有し、特定のカップリング率を有する共役ジエン系重合体(a)と、特定量の芳香族ビニル単量体単位を含有する芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)とを、特定の割合で含有するゴム組成物を有効成分とする樹脂改質剤組成物を用いれば、優れた特性を有する耐衝撃性芳香族ビニル樹脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、共役ジエン単量体単位中ビニル結合単位量が30%以上、カップリング率75重量%以上の共役ジエン系重合体(a)2〜40重量%と芳香族ビニル単量体単位量が25〜50重量%であり、ブロック芳香族ビニル単量体単位量が50重量%以上である芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)98〜60重量%とを含有するゴム組成物を有効成分として含有する樹脂改質剤組成物が提供される。
【0009】
さらに、本発明によれば、上記樹脂改質剤組成物と樹脂とを含んでなる樹脂組成物、およびゴム組成物を含有するゴム成分の存在下で、芳香族ビニル単量体を重合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
(共役ジエン系重合体)ゴム組成物に成分(a)として含有される共役ジエン系重合体は、共役ジエン単量体単位中ビニル結合単位量が30%以上、カップリング率75重量%以上の共役ジエン系重合体である。
【0011】
共役ジエン単量体としては、格別な制限はなく、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。これらの中でも1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンが好ましく、特に1,3−ブタジエンが好ましい。これらの共役ジエン単量体は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
また、共役ジエン系重合体(a)は、共役ジエン単量体および芳香族ビニル単量体との共重合体であってもよい。芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−プチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレンなどを挙げることができ、これらの中でも、スチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル単量体は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
共役ジエン系重合体(a)中の共役ジエン単量体単位量の下限は、好ましくは55重量%、より好ましくは75重量%であり、共役ジエン系重合体(a)中の芳香族ビニル単量体単位量の上限は、好ましくは45重量%、より好ましくは25重量%である。共役ジエン単量体単位量が少なすぎ、芳香族ビニル単量体単位量が多すぎると、樹脂改質の効果が少ない場合がある。
【0014】
共役ジエン系重合体(a)に含有される共役ジエン単位中のビニル結合単位量の下限は、30%、好ましくは60%、より好ましくは70%、上限は、好ましくは90%、より好ましくは80%である。共役ジエン単位中のビニル結合単位量が少なすぎると得られる樹脂組成物の光沢が低下し、光沢の熱安定性も低下し、多すぎると得られる樹脂組成物の衝撃強度、特に低温での衝撃強度が低下する場合がある。
【0015】
なお、ビニル結合単位は、1,2−ビニル結合した共役ジエン単位または3,4−ビニル結合した共役ジエン単位である。ビニル結合単位以外の共役ジエン単位は、1,4−結合した共役ジエン単位である。1,4−結合した共役ジエン単位は、1,4−シス結合した共役ジエン単位または1,4−トランス結合した共役ジエン単位であり、どちらであってもよく、両者が存在してもよい。
【0016】
共役ジエン系重合体(a)のカップリング率の下限は、75重量%、好ましくは80重量%、上限は、好ましくは90重量%である。カップリング率が低すぎると、得られる樹脂組成物の衝撃強度が不十分となる場合がある。カップリング率が高すぎると処理に必要な時間が長くなり生産性が問題となる。なお、カップリング率は、重合体中のカップリングした重合体分子の割合を重量基準で示したものである。カップリング率は、カップリング処理後に、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィにおいて示差屈折率計により検出される重合体のピークの内、カップリング処理前の重合体のピークよりも高分子量の重合体ピークの占める面積の、全重合体ピークに面積に対する割合として測定される。
【0017】
共役ジエン系重合体(a)の5重量%スチレン溶液粘度の下限は、好ましくは3cps、より好ましくは10cps、上限は、好ましくは1000cps、より好ましくは200cpsである。溶液粘度が低すぎると得られる樹脂組成物の衝撃強度が低下する場合があり、溶液粘度が高すぎると得られる樹脂組成物の光沢及び光沢の熱安定性が低下する場合がある。
【0018】
共役ジエン系重合体(a)の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、炭化水素溶媒中、有機活性金属化合物を開始剤とし、ビニル化剤を用いて、共役ジエン単量体と必要に応じて芳香族ビニル単量体を単独重合または共重合し、カップリング処理することにより、共役ジエン系重合体(a)を得ることができる。
【0019】
カップリング処理は、有機活性金属化合物を開始剤として重合した共役ジエン系重合体の場合であれば、有機活性金属は、重合反応中の共役ジエン系重合体鎖の末端に結合しており、そこを反応部位として多官能カップリング剤と反応させればよい。そのため、カップリング処理をする場合は、アルコールなどを添加する重合反応停止処理によって重合体鎖末端から有機活性金属が脱落する前に行う。
【0020】
多官能カップリング剤は、特に制限されず、例えば、ジブロモエタンや四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、四塩化ケイ素や四塩化すずなどのハロゲン化金属類、テトラメトキシシランやテトラエトキシスズなどのアルコキシ金属類などがあげられる。
【0021】
カップリング反応を行う温度の下限は、好ましくは0℃、より好ましくは20℃、特に好ましくは40℃、上限は、好ましくは100℃、より好ましくは80℃、特に好ましくは70℃である。
【0022】
カップリング処理終了後、停止剤としてメタノール、イソプロパノールなどのアルコール類を添加して反応を停止する。必要に応じて、酸化防止剤やクラム化剤を加えた後、溶液を加熱して溶媒を乾燥させる方法やスチームストリッピングなどの方法で溶媒を除去し、乾燥して、共役ジエン系重合体(a)を得ることができる。
【0023】
(芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体)ゴム組成物に成分(b)として含有される芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体ゴムは、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体との共重合体であって、芳香族ビニル単量体単位量が25〜50重量%のものである。
【0024】
芳香族ビニル単量体は、上記の共役ジエン系重合体(a)の説明において、説明した芳香族ビニル単量体と同じものであり、2種以上を併用してもよい点も同じである。
【0025】
共役ジエン単量体も、上記の共役ジエン系重合体(a)の説明において、説明した共役ジエン単量体と同じものであり、2種以上を併用してもよい点も同じである。
【0026】
芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)中の芳香族ビニル単量体単位量の下限は、25重量%、好ましくは30重量%、上限は、50重量%、好ましくは40重量%である。芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)中の共役ジエン単量体単位量の下限は、好ましくは50重量%、より好ましくは60重量%、上限は、75重量%、より好ましくは70重量%である。芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)中の芳香族ビニル単量体単位量が少なすぎ、共役ジエン単量体単位量が多すぎると、得られる樹脂組成物の光沢および光沢の熱安定性が低下し、芳香族ビニル単量体単位量が多すぎ、共役ジエン単量体単位量が少なすぎると、得られる樹脂組成物の低温での衝撃強度が低下する。
【0027】
芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)中の共役ジエン単量体単位中のビニル結合単位は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、かつ好ましくは30重量%未満であり、より好ましくは20重量%未満、特に好ましくは15重量%未満である。ビニル結合単位量が少なすぎても多すぎても、樹脂の衝撃強度が低下する。
【0028】
芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)中のブロック芳香族ビニル単量体単位量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、芳香族ビニル単量体単位量を基準として、50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。ブロック芳香族ビニル単量体単位量が小さすぎると、光沢が低下する場合がある。
【0029】
ブロック芳香族ビニル単量体単位量とは、芳香族ビニル単量体単位を含有する重合体の芳香族ビニル単量体単位量に対するオスミウム酸分解法で得られるポリ芳香族ビニルの重量の割合を百分率で表したものである(I. M. Kolthoff, et al., J. Polym. Sci., 1, 429(1948))。この価が大きいほど、重合体中に芳香族ビニル単量体単位のみが連続している部分が大きいことを示す。
【0030】
芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)の5重量%スチレン溶液粘度の下限は、好ましくは3cps、より好ましくは5cps、特に好ましくは10cps、上限は、好ましくは1000cps、より好ましくは200cps、特に好ましくは100cpsである。溶液粘度が低すぎると得られる樹脂の衝撃強度が低下する場合があり、溶液粘度が高すぎると光沢が低下する場合がある。
【0031】
芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)の製造方法は、格別限定されるものではない。例えば、炭化水素系溶媒中、有機活性金属化合物を開始剤として、ルイス塩基をランダマイザーまたはビニル化剤として用いて、共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とを共重合して行うことができる。共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とを共重合するに当り、芳香族ビニル単量体のみを重合する工程を設けて、ブロック共重合体とすることが好ましい。
【0032】
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物は、共役ジエン系重合体(a)と芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)とを含有するものである。
【0033】
ゴム組成物中の共役ジエン系重合体(a)含有量の下限は、2重量%、好ましくは5重量%、上限は40重量%、好ましくは30重量%である。ゴム組成物中の芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)含有量の下限は、60重量%、好ましくは70重量%、上限は98重量%、好ましくは95重量%である。共役ジエン系重合体(a)含有量が少なすぎ、芳香族ビニル−共役ジエン系重合体(b)含有量が多すぎる場合は、得られる樹脂組成物の衝撃強度性が劣り、共役ジエン系重合体(a)含有量が多すぎ、芳香族ビニル−共役ジエン系重合体(b)含有量が少なすぎる場合は、得られる樹脂組成物の光沢の熱安定性が劣る。
【0034】
(ゴム組成物の製造方法)
共役ジエン系重合体(a)と芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)からなるゴム組成物の製造方法は、特に限定されない。例えば、各々の重合体を溶液として混合する方法や、各々の凝固した重合体を混練などにより混合する方法が挙げられる。
【0035】
各々の重合体を溶液として混合する方法としては、各々の重合体の重合反応終了後の重合溶液または各々の重合体を溶解した有機溶媒溶液を混合し、均一化した後、必要に応じて酸化防止剤やクラム化剤を加えた後、スチームストリッピングなどの方法で溶媒を除去した後、脱水機とエクスパンションドライヤーなどを用いて、ゴム組成物を製造する。
【0036】
各々の凝固した重合体を混練などにより混合する方法としては、重合反応終了後の重合溶液にスチームストリッピング処理して回収した後のクラム、または乾燥後のクラムまたは粉末、ベール状塊状物など、凝固した各々の重合体を機械的に混練し、必要に応じて乾燥してゴム組成物を製造する。
【0037】
溶液として混合する方法としては、各々の重合体の重合反応終了後の重合反応溶液または各々の重合体を溶解した有機溶媒溶液を混合し、均一化した後、必要に応じて酸化防止剤やクラム化剤を加えた後、スチームストリッピングなどの方法で溶媒を除去した後、脱水機とエクスパンションドライヤーなどを用いて、ゴム組成物を調製する。
【0038】
混練などにより混合する方法としては、各々のスチームストリッピング後のクラム、または乾燥後のクラムまたは粉末、ベール状塊状物などを機械的に混練し、混合し、必要に応じて乾燥してゴム組成物を調製する。
【0039】
(樹脂改質剤組成物)
本発明の樹脂改質剤組成物は、上記のゴム組成物を有効成分とするものであって、特に耐衝撃性の改質剤、すなわち、強靭化剤として有用なものであり、また、共役ジエン系重合体(a)、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)以外のゴムやその他の配合剤を、使用目的、本発明の効果などを阻害しない範囲で含有してもよい。
【0040】
その他のゴムとしては、特に制限はなく、例えば、共役ジエン系重合体(a)及び芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)以外の共役ジエン系重合体や芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体などがあげられる。
【0041】
本発明の樹脂改質剤組成物は、必要に応じて、樹脂工業で通常使用される配合剤を含有することができる。樹脂改質剤組成物に含有する配合剤の具体例としては、例えば、ミネラルオイル、流動パラフィンなどがあげられる。樹脂改質剤組成物の存在下で樹脂を重合する場合は、重合反応を阻害したり、得られる樹脂組成物の特性などを低下させないものが好ましい。
【0042】
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、樹脂改質剤組成物と樹脂とを含んでなるものである。
【0043】
樹脂は特に限定されず、芳香族ビニル樹脂、オレフィン樹脂、その他のエンジニアリングプラスチックなどが挙げられ、芳香族ビニル樹脂が好ましい。芳香族ビニル樹脂としては、アクリロニトリル−アクリレート−スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、メチルメタクリレート−スチレン樹脂などがあげられる。オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが、また、エンジニアリングプラスチックとしてポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル等を挙げることができる。これらの樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができるが、なかでもポリスチレン樹脂が広く用いられている。
【0044】
樹脂に対する上記ゴム組成物の割合は、使用目的やゴム組成物に用いられるゴムの種類、割合に応じて適宜選択される。樹脂100重量部に対するゴム組成物の使用量の下限は、好ましくは2重量部、より好ましくは3重量部、特に好ましくは5重量部、上限は、好ましくは30重量部、より好ましくは20重量部、特に好ましくは15重量部である。ゴム組成物の使用量が少なすぎると改質効果が小さくなり、多すぎると得られる樹脂の光沢が低下する。
【0045】
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、樹脂工業で通常使用される配合剤を添加することができる。配合剤としては、前述のミネラルオイル、流動パラフィンのほか、有機または無機の充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤などが挙げられる。
【0046】
これらの配合剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は、本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
【0047】
本発明の樹脂組成物は、樹脂が熱可塑性樹脂の場合、JIS K 6871に準じて、200℃、5kgの荷重で測定した、メルト・フロー・レイトの下限が、好ましくは0.1、より好ましくは0.5、上限が好ましくは20である。メルト・フロー・レイトが小さすぎる、または大きすぎると、混練が困難になり、ゴム成分の分散状態が不均一となるため、樹脂の改質効果が発現されない。
【0048】
(樹脂組成物の製造方法)
本発明の樹脂組成物を製造するには、樹脂改質剤組成物と樹脂とを混合してもよく、また、樹脂改質剤組成物の存在下で、樹脂の製造に用いられる単量体を重合してもよい。
【0049】
樹脂改質剤組成物と樹脂との混合方法は、常法に従えばよく、1軸もしくは2軸などの押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダーなどの各種混練装置を用いて行うことができ、混合温度は、通常100〜250℃の範囲である。
【0050】
樹脂改質剤組成物の存在下で、樹脂の製造に用いられる単量体を重合する場合、樹脂改質剤組成物を樹脂の製造に用いられる単量体に溶解または分散させて単量体溶液を調製し、反応器で重合する。
【0051】
【実施例】
以下に、製造例、実施例、及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。以下の例中の部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。各種物性の測定法は、下記の通りである。
【0052】
(ゴム組成物)本発明で用いられるゴム組成物は、共役ジエン系重合体(a)と芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)とを含有するものである。
【0053】
(2)共役ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロンフランを溶媒にしたゲルパーミエーションクロマトグラフィによって測定されるポリスチレン換算の値で示した。
【0054】
(3)芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体ゴム中の結合芳香族ビニル含有量及び共役ジエン部ビニル結合量は、赤外分光光度計を用いて、ハンプトン法(R.Hampton, Anal. Chem., 21, 923(1949))により測定し、検量線からその量を求めた。
【0055】
(4)ブロック芳香族ビニル(A)量は、I. M. Kolthoff, et a1., J.Polym. Sci., 1, 429(1948)に記載されるオスミウム酸分解法に従って測定した。すなわち、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体ゴム0.05gを四酸化炭素10mlに溶解し、tert−ブチルハイドロパーオキサイドの70%水溶液16mlと四塩化オスミウムの0.05%クロロホルム溶液4mlを加え、90℃バス中にて15分間還流することにより、酸化分解反応を行った。反応終了後、反応溶液を冷却した後、メタノール200mlを撹拌下に加えてブロック芳香族ビニル成分を沈殿させ、これを平均孔径5μmのガラスフィルターにて濾別し、この重量を芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体ゴム中の全芳香族ビニル含有量に対する割合で示した。
【0056】
(5)デュポン衝撃強度は、樹脂組成物のペレットを射出成形機SAV−30/30(山城精機社製;金型温度50℃、ノズル先端温度240℃)にて射出成形して試験片(40mm×70mm×2mm)を作製し、ASTM D3029に従い、 Method F、Geometry FBによって測定した。
【0057】
(6)光沢は、樹脂組成物のベレットを射出成形機SAV−30/30(山城精機社製;金型温度50℃、ノズル先端温度240℃)にて射出成形して試験片を作成し、JIS Z8741に従って入射角60°で測定した。
【0058】
(7)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィは、高速液体クロマトグラフィー装置(東ソー社製、HLC−8020、カラムは、東ソー社製のG4000HXLと東ソー社製のG5000HXLを連結したもの)を使用して測定した。
【0059】
(8)光沢の熱安定性の評価は、試験片の光沢をJIS Z8741に従って測定した。割合を百分率で示した。
【0060】
(参考例1)
撹拌器、リフラックスコンデンサー及びジャケット付きの2キロリットルの反応器を、洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製、乾燥したシクロヘキサン700kg、 N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン1000mmolおよび1,3−ブタジエン60kgをいれて、50℃に昇温してから、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.65mmol/ml)450mlを添加して重合を開始した。重合開始から0.5℃/分の割合で重合温度を60℃まで昇温した。反応転化率が約100%になったところで引き続き、1,3−ブタジエン40kgを添加し、さらに重合した。反応転化率が約100%となったところで、テトラメトキシシラン129mmol添加してカップリング反応を開始し、120分反応させた。イソプロピルアルコール1molを添加して重合を停止し、次いでフェノール系老化防止剤(チバガイギー社製、イルガノックス1076)200gを添加してから、反応混合物10kgを取り出して、一部をスチームストリッピング法により脱溶媒した後、真空乾燥して共役ジエン系重合体iを得た。共役ジエン系重合体iのビニル結合単位量などを表1に示す。
【0061】
(参考例2)
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量を640mmolに変える以外は、参考例1と同様に重合、重合停止、脱溶媒、真空乾燥して共役ジエン系重合体iiを得た。共役ジエン系重合体iiのビニル結合単位量などを表1に示す。
【0062】
(参考例3)
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.65mmol/ml)の量を650mlに、 N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量を250mmolに、テトラメトキシシランの量を183mmolに変える以外は、参考例1と同様に重合、重合停止、脱溶媒、真空乾燥して共役ジエン系重合体iiiを得た。共役ジエン系重合体iiiのビニル結合単位量などを表1に示す。
【0063】
(参考例4)
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.65mmol/ml)の量を900mlに、 N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量を2500mmolに、テトラメトキシシランの量を46mmolに変える以外は、参考例1と同様に重合、重合停止、脱溶媒、真空乾燥して共役ジエン系重合体ivを得た。共役ジエン系重合体ivのビニル結合単位量などを表1に示す。
【0064】
(参考例5)
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.65mmol/ml)の量を1150mlに、 N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量を183mmolに、テトラメトキシシランの量を70mmolに変える以外は、参考例1と同様に重合、重合停止、脱溶媒、真空乾燥して共役ジエン系重合体vを得た。共役ジエン系重合体vのビニル結合単位量などを表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
(参考例6)
撹拌器、リフラックスコンデンサー、及びジャケット付きの2キロリットルの反応器を、洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製、乾燥したシクロヘキサン700kgおよび1,3−ブタジエン60kgをいれて、50℃に昇温してから、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.65mmol/ml)500mlを添加して重合を開始した。重合開始から1.0℃/分の割合で重合温度を70℃まで昇温した。反応転化率が約100%になったところで引き続き、スチレン40kgを追加し、さらに重合した。追加したスチレンの反応転化率が約100%となったところで、イソプロピルアルコール1molを添加して重合を停止し、次いでフェノール系老化防止剤(チバガイギー社製、イルガノックス1076)200gを添加してから、反応混合物10kgを取り出して、その一部をスチームストリッピング法により脱溶媒した後、真空乾燥して芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体Iを得た。芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体Iのスチレン単位量などを表2に示す。
【0067】
(参考例7)
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液の量を450mlにする以外は、参考例6と同様に、重合、重合停止、脱溶媒、真空乾燥して芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIを得た。芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIのスチレン単位量などを表2に示す。
【0068】
(参考例8)
1、3−ブタジエン量を40kgにし、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液の量を450mlにする以外は、参考例6と同様に、重合を開始した。反応転化率が約100%になったところで、スチレン40kgを添加する代わりに、スチレン20kgと1,3−ブタジエン20kgを添加し、さらに参考例6と同様に、重合した。追加添加した単量体の反応転化率が約100%となったところで、スチレン20kgをさらに追加添加し、重合した。二度目の追加添加によるスチレンの反応添加率が約100%となったところで、参考例6と同様に重合停止、脱溶媒、真空乾燥して、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIIを得た。芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIIの芳香族ビニル単量体単位などを表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
(実施例1)
重合停止処理した共役ジエン系重合体iの重合反応液の共役ジエン系重合体i10重量部相当量および重合停止処理した芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIの重合反応液の芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体II90重量部相当量を、攪拌混合して均一化し、ゴム組成物溶液を作製した。得られたゴム組成物溶液にフェノール系老化防止剤(イルガノックス1076)を0.2重量部添加した。得られたゴム組成物溶液をスチームストリッピング法により脱溶媒した後、脱水機とエクスパンションドライヤーで用いて水分を除去し、ゴム組成物Aを得た。
【0071】
10重量部のゴム組成物Aをスチレンモノマー90重量部に溶解し、その溶液に対し、連鎖移動剤(n−ドデシルメルカプタン)300ppmを含有する単量体溶液を調製した。
【0072】
4リットルの撹拌装置つきステンレス製反応機に、単量体溶液を連続的に送液した。反応機出口の固形分濃度が30重量%となるように、重合温度と単量体溶液送液速度を制御した。
【0073】
得られた反応機出口の溶液2300gを回収し、4リットルの撹拌装置つきステンレス製反応機中に仕込み、130℃で固形分濃度が約40重量%となるまで重合を行い、冷却後、内容物を取り出した。
【0074】
取り出した内容物625gと分散剤としてポリビニルアルコール(ゴーセノールGH−20、日本合成化学工業製)0.5重量%水溶液1825gを、4リットルの撹拌装置つきステンレス製反応機中に入れ、攪拌しながら、70℃まで加温した。次いで、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド1.25gとジクミルパーオキサイド0.63gを添加し、70℃で1時間、90℃で1時間、110℃で1時間、さらに130℃で4時間、懸濁重合を行った。重合終了後、20℃まで冷却し、重合体をろ別して重合物を回収し、水洗した。脱水後、12時間60℃で減圧乾燥して、ポリスチレン樹脂組成物SAを得た。
【0075】
得られたポリスチレン樹脂組成物SAを、180℃のロールで練り、シート状に成形し、シートベレタイザーでペレット状にした。このペレット状のサンプルを用いてデュポン衝撃強度、光沢及び光沢の熱安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0076】
(実施例2)
共役ジエン系重合体iの重合反応液の代わりに重合停止処理した共役ジエン系重合体iiの重合反応液(共役ジエン系重合体ii10重量部相当量)を用いる以外は実施例1と同様に処理して、ゴム組成物Bを得た。さらに、ゴム組成物Aに代えてゴム組成物Bを用いる以外は、実施例1と同様に処理して、ポリスチレン樹脂組成物SBを得、デュポン衝撃強度、光沢及び光沢の熱安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0077】
(実施例3)
共役ジエン系重合体iの重合反応液の共役ジエン系重合体i10重量部相当量の代わりに重合停止処理した共役ジエン系重合体iiiの重合反応液の共役ジエン系重合体iii25重量部相当量を用い、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIの重合反応液量を芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体II75重量部相当量にする以外は、実施例1と同様に処理して、ゴム組成物Cを得た。さらに、ゴム組成物Aに代えてゴム組成物Cを用いる以外は、実施例1と同様に処理して、ポリスチレン樹脂組成物SCを得、デュポン衝撃強度、光沢及び光沢の熱安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0078】
(実施例4)
共役ジエン系重合体iの重合反応液の代わりに重合停止処理した共役ジエン系重合体ivの重合反応液(共役ジエン系重合体iv10重量部相当量)を用いる以外は実施例1と同様に処理して、ゴム組成物Dを得た。さらに、ゴム組成物Aに代えてゴム組成物Dを用いる以外は、実施例1と同様に処理して、ポリスチレン樹脂組成物SDを得、デュポン衝撃強度、光沢及び光沢の熱安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0079】
(実施例5)
共役ジエン系重合体iの重合反応液の代わりに重合停止処理した共役ジエン系重合体ivの重合反応液(共役ジエン系重合体iv5重量部相当量)を用い、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIの重合反応液の量を芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体II95重量部相当量に変える以外は実施例1と同様に処理して、ゴム組成物Dを得た。さらに、ゴム組成物Aに代えてゴム組成物Eを用いる以外は、実施例1と同様に処理して、ポリスチレン樹脂組成物SEを得、デュポン衝撃強度、光沢及び光沢の熱安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0080】
(実施例6)
共役ジエン系重合体iの重合反応液の代わりに重合停止処理した共役ジエン系重合体ivの重合反応液(共役ジエン系重合体iv30重量部相当量)を用い、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIの重合反応液の代わりに芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体Iの重合反応液(芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体I70重量部相当量)を用いる以外は実施例1と同様に処理して、ゴム組成物Fを得た。さらに、ゴム組成物Aに代えてゴム組成物Fを用いる以外は、実施例1と同様に処理して、ポリスチレン樹脂組成物SFを得、デュポン衝撃強度、光沢及び光沢の熱安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0081】
(実施例7)
共役ジエン系重合体iの重合反応液の代わりに重合停止処理した共役ジエン系重合体ivの重合反応液(共役ジエン系重合体iv10重量部相当量)を用い、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIの重合反応液の代わりに芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIIの重合反応液(芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体I90重量部相当量)を用いる以外は実施例1と同様に処理して、ゴム組成物Gを得た。さらに、ゴム組成物Aに代えてゴム組成物Gを用いる以外は、実施例1と同様に処理して、ポリスチレン樹脂組成物SGを得、デュポン衝撃強度、光沢及び光沢の熱安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0082】
(比較例1)
ゴム組成物Aの代わりに重合停止処理した重合反応液から脱溶媒、真空乾燥して得た芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン樹脂組成物SHを得、デュポン衝撃強度、光沢及び光沢の熱安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0083】
比較例1で得られるポリスチレン樹脂組成物SHは、共役ジエン系重合体(a)を含有しない。SHは光沢の熱安定性に優れているが、光沢自体と耐衝撃性に劣っている。SHと同様に芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIを含有している本発明の実施例のポリスチレン樹脂組成物SA、SB、SCおよびSDを、SFと比較すると、本発明のポリスチレン樹脂組成物は、光沢の熱安定性は同等であり、衝撃強度と光沢が優れていることがわかる。
【0084】
(比較例2)
共役ジエン系重合体iの重合反応液の代わりに重合停止処理した共役ジエン系重合体ivの重合反応液(共役ジエン系重合体iv50重量部相当量)を用い、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIの重合反応液の代わりに重合停止処理した芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体Iの重合反応液(芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体I50重量部相当量)を用いる以外は実施例1と同様に処理して、ゴム組成物Iを得た。さらに、ゴム組成物Aに代えてゴム組成物Iを用いる以外は、実施例1と同様に処理して、ポリスチレン樹脂組成物SIを得、デュポン衝撃強度、光沢及び光沢の熱安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0085】
比較例2は、共役ジエン系重合体(a)量が、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)量に対して多すぎるゴム組成物を用いて、ポリスチレン樹脂組成物SFを製造している。その結果、得られたポリスチレン樹脂組成物SFは耐衝撃性に非常に優れているが、光沢および光沢の熱安定性はかなり劣っている。 SFと同様に共役ジエン系重合体vと芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIIとを含有している本発明の実施例のポリスチレン樹脂組成物SHを、SFと較すると、本発明のポリスチレン樹脂組成物は、耐衝撃性に若干劣るが、光沢と光沢の熱安定性に優れており、これらの特性をバランスよく有していることがわかる。
【0086】
(比較例3)
共役ジエン系重合体iの重合反応液の代わりに重合停止処理した共役ジエン系重合体vの重合反応液(共役ジエン系重合体iv30重量部相当量)を用い、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体IIの重合反応液の量を70重量部相当量を用いる以外は実施例1と同様に処理して、ゴム組成物Jを得た。さらに、ゴム組成物Aに代えてゴム組成物Jを用いる以外は、実施例1と同様に処理して、ポリスチレン樹脂組成物SJを得、デュポン衝撃強度、光沢及び光沢の熱安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0087】
【表3】
【0088】
比較例3は、共役ジエン系重合体として、共役ジエン単量体単位量も、カップリング率も少なすぎるものを用いている。その結果、得られたポリスチレン樹脂組成物SJは耐衝撃性に優れているが、光沢および光沢の熱安定性は劣っている。 SJに比較すると、本発明のポリスチレン樹脂組成物は、耐衝撃性、光沢および光沢の熱安定性のバランスのよいものとなっている。
【0089】
本発明の樹脂改質剤組成物によって、改質された樹脂は、ポリスチレン樹脂の場合は耐衝撃性や光沢などの、樹脂の特性が改良される。
Claims (3)
- 共役ジエン単量体単位中ビニル結合単位量が30%以上、カップリング率75重量%以上の共役ジエン系重合体(a)2〜40重量%と芳香族ビニル単量体単位量が25〜50重量%であり、ブロック芳香族ビニル単量体単位量が50重量%以上である芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体(b)98〜60重量%とを含有するゴム組成物を有効成分として含有する樹脂改質剤組成物。
- 共役ジエン系重合体(a)が、単量体として1 , 3−ブタジエンのみを重合してなるものである請求項1に記載の樹脂改質剤組成物。
- 請求項1または2に記載の樹脂改質剤組成物と芳香族ビニル樹脂とを含んでなる樹脂組成物。
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