JP2725354B2 - ブロック共重合体およびその組成物 - Google Patents

ブロック共重合体およびその組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、自動車内・外装品などに有用な樹脂組成物
に関し、さらに詳細には、特殊なブロック共重合体およ
び該ブロック共重合体とポリプロピレン樹脂とエチレン
−プロピレン共重合ゴムとからなる加工性、機械的強度
の改良された樹脂組成物に関する。
b.従来の技術 自動車の内・外装品として、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合ゴムからなる組成物は広く使用さ
れている。
該組成物を安定で加工性および機械的特性などの優れ
た組成物とするために、加熱溶融下で加硫により製造す
る方法(例えば、特開昭53−149240、特開昭53−14924
1、特開昭56−125442など)が用いられている。
しかしながら、かかる加硫法のみによる製造方法で
は、例えば、ポリプロピレン含量の多い領域では過酸化
物の存在下でポリプロピレンの分解が進行するため、物
性を維持するためには混練終了前に新たにポリプロピレ
ン樹脂を添加しなければならないとか、あるいはエチレ
ン−プロピレン含量の多い領域では加硫のコントロール
が非常に難しく、良好な加工性を得ることが困難である
といった問題点がある。
c.発明が解決しようとする問題点 本発明は、これらの従来技術の問題点を解決するため
になされた特定なブロック共重合体であり、それを用い
ることによりポリプロピレン樹脂とエチレン−プロピレ
ン共重合ゴムとからなる樹脂組成物が、その広い組成比
にわたって優れた加工性、機械的強度を示し、多様化す
る要求物性に幅広く対応できる組成物を提供することを
目的とする。
d.問題を解決するための手段 本発明者らは、鋭意検討の結果、特定なブロック共重
合体をポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重
合ゴム組成物に添加した後、動的加硫法により処理する
ことにより、本発明の目的が達成されることを見い出
し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ジメチル−1,3−ブタジエン30〜1
00重量%と、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレ
ン70〜0重量%とを重合してなる重合体ブロック20〜80
重量%、およびイソプレンまたはイソプレン50重量%以
上と1,3−ブタジエン50重量%以下とを重合してなる重
合体ブロック80〜20重量%とを有し、数平均分子量が1
0,000〜500,000であるブロック共重合体であって、該ブ
ロック共重合体のオレフィン性不飽和結合の少なくとも
70%が水素添加されているブロック共重合体、並びに該
水素添加されたブロック共重合体をポリオレフィン樹脂
とオレフィン系共重合ゴムと混練してなる組成物を提供
するものである。
本発明に使用されるブロック共重合体は、ジメチル−
1,3−ブタジエン100〜30重量%と、1,3−ブタジエンお
よび/またはイソプレン0〜70重量%とからなる単量体
とを重合した重合体ブロックを1つ以上と、イソプレン
またはイソプレンと1,3−ブタジエンとを例えば有機リ
チウムなどの開始剤を用い、溶媒中でアニオンリビング
重合することにより得られる1つ以上の重合体ブロック
とを有するブロック共重合体を水素添加することにより
得られる。
これらの水素添加される前のブロック共重合体は、多
官能のカップリング剤を用いることにより分岐状ブロッ
ク共重合体を得ることもできるが、好ましくは直鎖のブ
ロック共重合体である。
使用される単量体は、ジメチル−1,3−ブタジエン100
〜30重量%、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレ
ン0〜70重量%からなる単量体とイソプレンまたはイソ
プレンと1,3−ブタジエンである。
ジメチル−1,3−ブタジエンとしては、1,1−ジメチル
−1,3−ブタジエン、1,2−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,4−ジメチル
−1,3−ブタジエン、2,2−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどが挙げられる
が、最も好ましいのは2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン
である。
ジメチル−1,3−ブタジエン系重合体ブロックにおけ
るジメチル−1,3−ブタジエンと、1,3−ブタジエンおよ
び/またはイソプレンとの比率は、好ましくは50〜100/
50〜0、さらに好ましくは80〜100/20〜0(重量%)で
ある。また、1,3−ブタジエンとイソプレンとでは1,3−
ブタジエンの方が好ましい。
イソプレンまたはイソプレンと1,3−ブタジエンとを
重合した重合体ブロック(以下、ポリイソプレン系ブロ
ックという)は、イソプレンまたはイソプレンと1,3−
ブタジエンのほか、他の単量体を少量共重合してもよい
が、イソプレンまたはイソプレンと1,3−ブタジエンの
みを使用することが好ましく、さらに好ましくはイソプ
レンのみの使用である。
重合溶媒は種々のものが使用できるが、ジメチル−1,
3−ブタジエン系重合体ブロック部のビニル構造を低く
おさえるために芳香族炭化水素が好ましく、特にベンゼ
ンあるいはトルエンを使用することが望ましい。
また、ブロック共重合体中の各ブロック部、すなわち
ジメチル−1,3−ブタジエン系重合体ブロック部とポリ
イソプレン系ブロック部の含有比率は20〜80/80〜20
(重量%)であり、好ましくは30〜70/70〜30、さらに
好ましくは35〜65/65〜35であり、特に好ましくは両ブ
ロックがほぼ同じ分子量である方がよい。両ブロック部
の分子量が大きく異なるブロック共重合体では、それを
水添したブロック共重合体をポリオレフィンなどの重合
体混合物に添加した際、重合体混合物中の両相の界面に
移行せず、該水素ブロック共重合体のみで別の分散相を
形成する傾向を示すため、相溶性改質剤としての性能に
劣り好ましくない。
ブロック共重合体の製造においては、通常、有機リチ
ウム系の開始剤が使用できる。
有機リチウム開始剤としては、n−ブチルリチウム、
sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなとが用
いられる。
重合は、バッチ方式でも連続方式でもよいし、カップ
リング剤を使用してもよい。分子量分布が狭く、構造の
明確なブロック体を得るには、バッチ方式でカップリン
グ剤を使用せず、単量体を逐次添加する方法でブロック
共重合体を得る方法が好ましい。
重合は、重合温度が通常0〜120℃で、重合時間は10
分〜12時間で行なわれる。
このようにして重合されたブロック共重合体を水素添
加することにより、本発明の水添ブロック共重合体が得
られる。
本発明の水添ブロック共重合体中のオレフィン性不飽
和結合の水素添加率(水添率)は70%以上であり、好ま
しくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。水
添率が70%未満であると重合体の相溶化剤としての性能
が劣り、かつ耐候性なども悪化するので好ましくない。
水素添加反応は、前記のブロック共重合体を、例えば
炭化水素溶媒中に溶解し、20〜150℃、1〜100kg/cm2
加圧水素下にて水素化触媒の存在下で行なわれる。
水素化触媒としては、パラジウム、ルテニウム、ロジ
ウム、白金などの貴金属をシリカ、カーボン、ケイソウ
土などに担持した触媒、ロジウム、ルテニウム、白金な
どの錯体触媒、コバルト、ニッケルなどの有機カルボン
酸塩と有機アルミニウム、有機リチウムからなる触媒、
ジシクロペンタジエニルチタンジクロリド、ジシクロペ
ンタジエニルジフェニルチタン、ジシクロペンタジエニ
ルチタンジトリル、ジシクロペンタジエニルチタンジベ
ンジルなどのチタン化合物とリチウム、アルミニウムま
たはマグネシウムよりなる有機金属化合物からなる水素
化触媒などが用いられる。
上記のようにして得られた本発明の水添ブロック共重
合体は、実質的にポリプロピレンが主体のブロック部と
エチレン−プロピレン共重合体ブロック部とを有するブ
ロック共重合体である。従って、ポリプロピレンとエチ
レン−プロピレン共重合体からなる重合体混合物に本発
明の水添ブロック共重合体を添加し、加熱溶融混合する
ことにより、水添ブロック共重合体は両重合体の相溶性
改質剤として極めて優れた効果を有し、該重合体混合物
の物性を飛躍的に向上させることができる。
上記使用目的のためには、水素添加前のブロック共重
合体としては、低ビニル構造、狭い分子量分布が好
ましい。
すなわち、各ブロック中のビニル結合含有量は30%以
下が好ましく、さらに好ましくは20%以下である。
また、各ブロックの数平均分子量は、好ましくは5,00
0以上、さらに好ましくは10,000以上、特に好ましくは2
0,000〜200,000である。5,000以上にすることにより、
相溶性改質剤としての性能が優れる。分子量分布は狭い
方が望ましく、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比Mw/Mnは、好ましくは1.4以下、さらに好まし
くは1.3以下、特に好ましくは1.25以下である。
また、ブロック共重合体全体の数平均分子量は、10,0
00〜500,000、好ましくは20,000〜300,000、さらに好ま
しくは30,000〜200,000である。
また、水素添加率も重要な因子となってくる。
ポリプロピレンとオレフィン系共重合ゴムとのブレン
ドの相溶化剤として使用する場合、ブロック共重合体の
水添率は高いものほど好ましく、95%以上の水素添加が
最も好ましい。このような高い水添率下では、ジメチル
−1,3−ブタジエン部がhead−to−tail構造のポリプロ
ピレン連鎖となるため、ポリプロピレンとの相溶性が高
く、ごく少量の添加で最大の効果を期待できる。水素添
加率が95%未満の場合には、添加量を増加させることが
望ましい。
前述のとおり、本発明の水素添加されたブロック共重
合体は、ポリプロピレンなどのポリオレフィンとオレフ
ィン系共重合ゴムとの混合物に添加することにより両者
の相溶性を極めて向上させ、各種の物性の優れた組成物
が得られる。
該組成物に使用されるポリオレフィンとしては、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどが挙げられるが、好まし
いのはポリプロピレンである。ポリプロピレン樹脂は特
に限定されないが、一般にチーグラー・ナッタ触媒と呼
ばれている触媒を用い、プロピレンを単独重合すること
によって得られるプロピレン単独重合体、またはプロピ
レンと少量のエチレンもしくはプロピレンと炭素数4な
いし12のα−オレフィンとを共重合して得られるプロピ
レンとエチレンもしくはα−オレフィンとの共重合体が
用いられる。
上記ポリプロピレン樹脂が共重合体である場合は、該
共重合体中のエチレンもしくはα−オレフィンの共重合
体の割合は、通常3〜25重量%であり、ランダムまたは
ブロック共重合体のいずれであってもよい。
また、ポリプロピレン樹脂のメルトフローレートは、
好ましくは0.3〜100g/10分(230℃)、さらに好ましく
は1〜70g/10分(230℃)である。
また、これらのポリプロピレン樹脂は単独または2種
以上を併用してもよいし、他のオレフィン系重合体、例
えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどを
物性を損なわない程度、好ましくはポリプロピレン樹脂
の30重量%以下程度で添加、混合してもかまわない。
オレフィン系共重合ゴムとしては、エチレン−プロピ
レンコポリマー(EPM)、エチレン−プロピン−非共役
ジエンコポリマー(EPDM)、エチレン−ブタジエンコポ
リマーのようなオレフィンを主成分とする無定形ランダ
ムな弾性共重合体である。これらのうちでは、EPM、EPD
Mが好ましい。
共重合体ゴムのムーニー粘度は特に制限しないが、10
ないし120の範囲のものが好ましい。オレフィン系共重
合ゴムは、単独あるいは種類の異なるものを混合して用
いてもよいし、他の弾性重合体、例えば、BR、SBR、NBR
などを物性を損なわない程度、好ましくはオレフィン系
共重合ゴムの40重量%以下程度で添加混合してもかまわ
ない。
本発明の樹脂組成物中のポリプロピレン樹脂とオレフ
ィン系共重合ゴムの構成比は、通常、ポリプロピレン樹
脂10〜90重量%、オレフィン系共重合ゴム90〜10重量%
である。本発明の水添ブロック共重合体を添加した場合
には、水添ブロック共重合体が相溶化剤として働くた
め、広い構成比範囲で安定な相構造を与えるが、好まし
くはポリプロピレン樹脂20〜80重量%、オレフィン系共
重合ゴム80〜20重量%の範囲内であることが望ましい。
また、水素添加されたブロック共重合体の使用量は、
ポリオレフィンとオレフィン系共重合ゴムとの合計量10
0重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜30重量
部、さらに好ましくは1.5〜20重量部である。
特に水添率が95%以上のブロック共重合体の場合に
は、その使用量は、ジメチル−1,3−ブタジエン量が100
〜90重量%含有されたブロック共重合体では0.5〜6重
量部、90〜60重量%含有ブロック共重合体で5〜15重量
部、60〜30重量%含有ブロック共重合体では15〜30重量
部が好ましい。
上記樹脂組成物は、上記各成分をブラベンダーミキサ
ー、押出器、あるいは熱ロールなどで混練することによ
って製造することができる。これらの混練においては、
架橋剤および必要に応じて架橋助剤の存在下に加熱混練
しながら架橋することが好ましい。
組成物の各成分は同時に混練してよいが、オレフィン
系共重合ゴムと水素添加されたブロック共重合体をまず
混練し、次いでポリオレフィンを加え混練することもで
きる。
また、オイル、可塑剤、酸化防止剤、顔料、無機物充
填剤などの添加剤を適宜ブレンドして使用してもよい
し、物性を損なわない程度で他の重合体、例えば、ポリ
ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴムなどのゴ
ム質重合体、あるいはポリスチレン、ABS樹脂、AES樹脂
などの樹脂重合体などを添加して使用することができ
る。これらの他の重合体添加割合は、本発明の樹脂組成
物100重量部に対して20重量%以下であることが望まし
い。
混練時に添加する架橋剤としては、硫黄および硫黄化
合物やアゾ化合物なども使用できるが、有機過酸化物が
特に好ましい。有機過酸化物としては、その1分間半減
期温度が180℃前後の高温分解型のものが好ましく、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピ
ル)−ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチ
ルパーオキシ)−ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオ
キサイドなどが好ましいものの例である。
使用する有機過酸化物の量は、通常、樹脂組成物100
重量部あたり、好ましくは0.001〜1.5重量部であるが、
さらに好ましくは0.002〜1.0重量部、特に好ましくは0.
005〜0.8重量部である。有機過酸化物の量が1.5重量部
を超えて使用すると、ゴム部のゲル化が著しく進行し、
加工性の悪化や外観不良などが起こる。
また架橋助剤としては、ラジカル重合性の多官能単量
体が好ましく、ジビニルベンゼン、ビスマレイミドなど
は好ましいものの例である。
架橋助剤の使用量は、通常、混合する樹脂組成物100
重量部あたり、好ましくは0.001〜10重量部であるが、
さらに好ましくは0.005〜7重量部、特に好ましくは0.0
1〜5重量部程度使用することが望ましい。10重量部を
超えて使用すると加工性が悪化するので好ましくない。
本発明の水添ブロック共重合体を添加したポリオレフ
ィンとオレフィン系共重合ゴムとの樹脂組成物では、水
添ブロック共重合体が相溶化剤として作用し、安定な相
構造を形成しているので、有機過酸化物、架橋助剤の使
用量は通常のポリオレフィンなどの加硫で用いられる量
よりも少量で十分である。
混練温度は、組成物の構成にもよるが、180〜250℃の
範囲に入る。混練時間は、通常5〜20分であるが、ブラ
ベンダーミキサー、熱ロールを使用する場合には、組成
物が完全に溶融したのを確認後、10分以上混練すること
が望ましい。
以下に本発明をさらに詳細に説明するために実施例を
示す。
実施例1〜6、比較例1、2 水添ブロック共重合体(資料No.1)の製造 攪拌機、触媒注入装置、モノマー注入装置、停止剤注
入装置を持った2オートクレーブに、精製、脱水した
ベンゼン800cm3、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン100g
を高純度窒素気流下、移送した後、t−ブチルリチウム
0.2gを加えて、重合温度30℃で12時間重合を行なった。
転化率がほぼ100%となっていることを確認した後、精
製、脱水したイソプレン100gをモノマー注入装置より、
高純度窒素気流下で圧送し、第2段目の重合を12時間行
なった。転化率がほぼ100%となった後、精製、脱水し
たメタノール4cm3を停止剤注入装置より、高純度窒素気
流下で添加し、反応を停止した。重合溶液を大量のメタ
ノール中に投じ重合物を沈殿回収し、室温下、真空乾燥
機中で72時間乾燥して重合体を得た。
得られた〔2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン〕−イソ
プレンブロック共重合体は、GPC分析による数平均分子
量は80,000、Mw/Mnは1.2であった。
このブロック共重合体40gと精製、脱水したシクロヘ
キサン2000gを3オートクレーブに高純度窒素気流下
で仕込み、あらかじめ別容器で調製したナフテン酸ニッ
ケル:n−ブチルリチウム:テトラヒドロフラン=1:8:20
(モル比)の触媒液をオレフィン部分2000モルに対し、
ニッケルとして1モルになるように仕込んだ。その後、
反応系内に水素を導入し、70℃で水素添加反応を行なっ
た。水素の吸収消費量より水添率をコントロールした
後、窒素で系内の水素を置換し、老化防止剤として2,6
−ジ−tert−ブチルクレゾールを1PHR添加した。脱触、
凝固を行なった後、乾燥して水添ブロック共重合体を得
た。
得られた水添ブロック共重合体の水添率は93%であっ
た(試料No.1)。
以下同様の方法により、種々の水添ブロック共重合体
(試料No.2〜8)を合成した。但し、各試料とも、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエンの転化率がほぼ100%にな
ってから、イソプレンまたはイソプレンと1,3−ブタジ
エンとを注入して重合を行った。その結果を表−1に示
す。
実施例7〜12、比較例3〜6 表−1に示した水添ブロック共重合体(試料No.1〜
8)を用いて、下記ポリプロピレン樹脂およびエチレン
−プロピレン共重合ゴムとを加熱溶融混合を行ない、物
性を評価した。
(1) ポリプロピレン樹脂; 三菱油化社製ポリプロピレン、商品名EX−6(MFR230
℃=1.8) (2) エチレン−プロピレン共重合ゴム; 日本合成ゴム社製EPDM、商品名EP−57P(ムーニー粘
度100℃=88、ヨウ素価15.0) 混合は消費量のポリプロピレン樹脂、エチレン−プロ
ピレン共重合ゴム、水添ブロック共重合体を1の加圧
ニーダーに仕込み、200℃で10分間混練後、所定量の過
酸化物、架橋助剤を添加し、さらに同じ温度で10分間混
練した。得られた樹脂塊をロール通しし、シート状に成
形したものをプレス成形して、一辺10cmの正方形の板と
し、ダンベルカッターで切りぬいて力学物性測定用試験
片とした。
これらの配合比および力学物性測定結果を表−2に示
す。
配合の際、使用した過酸化物としては、化薬ヌーリイ
社製のカヤヘキサADを使用し、架橋助剤としては、ビス
マレイミドを使用した。
表−2から、本発明のブロック共重合体を相溶化剤と
して用いた組成物は、機械的強度に優れた材料であるこ
とがわかる。
比較例として示した本発明以外のブロック共重合体を
用いた場合、およびブロック共重合体を全く使用しない
場合は機械的強度が劣っており、好ましい工業材料とは
いえない。
[発明の効果] 本発明のブロック共重合体を用いた熱可塑性エラスト
マー組成物は、機械的強度に優れた材料であり、工業的
には高品質の要求される自動車の内・外装部材、および
電気・電子材料関連の各種パーツなどの成形品を提供す
るものであり、産業上の利用価値は極めて大きい。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジメチル−1,3−ブタジエン30〜100重量%
    と、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレン70〜0
    重量%とを重合してなる重合体ブロック20〜80重量%、
    およびイソプレンまたはイソプレン50重量%以上と1,3
    −ブタジエン50重量%以下とを重合してなる重合体ブロ
    ック80〜20重量%とを有し、数平均分子量が10,000〜50
    0,000であるブロック共重合体であって、該ブロック共
    重合体のオレフィン性不飽和結合の少なくとも70%が水
    素添加されているブロック共重合体。
  2. 【請求項2】ポリオレフイン樹脂10〜90重量%とオレフ
    イン系共重合ゴム90〜10重量%との合計量100重量部、
    および請求項1の水素添加されたブロック共重合体0.5
    〜40重量%を、架橋剤の存在下に混練してなる組成物。
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