JP2572227B2 - ブロック共重合体 - Google Patents

ブロック共重合体

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JP2572227B2 JP9230987A JP9230987A JP2572227B2 JP 2572227 B2 JP2572227 B2 JP 2572227B2 JP 9230987 A JP9230987 A JP 9230987A JP 9230987 A JP9230987 A JP 9230987A JP 2572227 B2 JP2572227 B2 JP 2572227B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ビニル芳香族化合物とラクトンを主体と
し、耐油性、耐候性、透明性、反発弾性、永久伸びに優
れた新規なブロック共重合体に関する。
[従来の技術] これまでに知られているラクトンを含むブロック重合
体の例としては、特公昭46−37737号公報に記載されて
いるアニオン重合法によって得られたポリスチレン−ポ
リブタジエン−ポリ(ε−カプロラクトン)ブロック共
重合体がある。このブロック共重合体は結晶性のラクト
ン重合体ブロックを含んでおり耐油性が優れる反面、共
役ジエン重合体ブロックも含んでいるため耐候性が劣
る。特公昭47−27151号公報には、ビニル芳香族化合物
重合体ブロックとラクトン重合体ブロックからなるブロ
ック共重合体が報告されている。しかしながら、このブ
ロック共重合体は結晶性を有するラクトン重合体ブロッ
クが末端にある構造のものが主要成分であるため、耐油
性に加えて耐候性が優れる反面、室温では不透明であ
り、ゴム弾性が劣っている。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、優れた耐油性、耐候性を有するラクトン共
重合体ブロックを含むブロック共重合体の長所を維持し
ながら、透明性、反発弾性、永久伸びの向上を図るもの
である。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明者らは、ラクトン重合体ブロックを含むブロッ
ク共重合体の透明性、反発弾性、永久伸びを向上させる
べく、広範囲に検討した結果、本発明のブロック共重合
体が、耐油性、耐候性に優れ、且つ透明性、反発弾性、
永久伸びの何れの性質にも優れていることを発見し、本
発明を完成させた。
すなわち本発明は、有機リチウム化合物を開始剤とし
て得られるビニル芳香族化合物を主体とするモノマーを
重合して得られる重合体ブロック(以下Aと称する)と
ラクトンを主体とするモノマーを開環重合して得られる
重合体ブロック(以下Bと称する)とのブロック共重合
体〔以下A−O−B(O−Bの結合部分は−O−CO−結
合している)と称する〕のB末端ブロック同士を結合剤
で結合させた一般式が(A−O−BnXで表わされる末
端ブロックがAのみのブロック共重合体を含むことを特
徴とするブロック共重合体である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において上記Bは一般式 R1,R2:水素または炭素数1〜20個のアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アルケニル基 m:2,4,5,6 で表わされるラクトンを主体とするモノマーを開環重合
して得られる重合体ブロックであり、 上記Xは一般式 R3:炭素数1〜20個の脂肪族基、環状脂肪族基、芳香族
基 l:2以上の整数 で表わされる結合剤残基である。
nは2以上l以下の整数を表わす。
上記B末端結合ブロック共重合体は、本発明のブロッ
ク共重合体中に50重量%以上であることが必要であり、
好ましくは70重量%以上である。一般式(A−O−B
nXで表わされる成分が50重量%未満では永久伸びが増加
し、引張強度、反発弾性が低下して好ましくない。
A及びBは本質的にその物理的性質、化学的性質を損
なわない程度にその構造を変化し得る。たとえば、Aの
構造上、共役ジエンがほぼランダムに配置されていても
良い。
本発明のブロック共重合体において、Bの融点Tmは25
℃以下であることが必要である。好ましくは15℃以下で
ある。25℃を超えると室温付近で結晶化が起こり、透明
性、反発弾性、永久伸びが悪化して好ましくない。
また、ブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物
含有量は10〜55重量%である。好ましくは20〜45重量%
である。ビニル芳香族化合物含有量が55重量%を超える
と高硬度となり、反発弾性が低下して好ましくない。10
重量%未満では引張強度が低下して好ましくない。
また本発明においてA−O−Bの数平均分子量(以下
Mnと称する)は10,000〜300,000であり、好ましくは20,
000〜200,000である。Mnが10,000未満では引張強度が著
しく低下して好ましくなく、300,000を超えると加工性
が低下して好ましくない。
さらに、A−O−Bの重量平均分子量(以下Mwと称す
る)とMnとの比(Mw/Mn)は3.0以下であることが必要で
ある。好ましくは2.0以下である。(Mw/Mn)が3.0を超
えると引張強度が低下して好ましくない。本発明で規定
するMn,Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下GPCと
称する)を用いて標準ポリスチレン換算して求めたもの
である。
本発明のブロック共重合体は、有機リチウム化合物を
重合開始剤として使用し、ビニル芳香族化合物を主体と
する第1モノマーを重合して得られた、重合体鎖末端に
リチウム原子の結合した重合体をオキシラン化合物、ア
ルデヒド類またはケトン類と反応させて重合体鎖末端の を−O−Liに変性した後に、特定の重合条件で、ラクト
ンを主体とする第2モノマーを開環重合してA−O−B
を得、その後に特定のハロゲン含有結合剤でB末端同士
を結合させることによって得られる。
本発明で用いる重合体鎖末端にリチウム原子の結合し
たビニル芳香族化合物を主体とする第1モノマーを重合
して得られる重合体ブロックを製造する方法としては、
不活性炭化水素溶媒中、アニオン重合開始剤として有機
リチウム化合物を用い、ビニル芳香族化合物を重合する
方法がある。
本発明で用いる有機リチウム化合物としては、例えば
有機モノリチウム化合物、n−ブチルリチウム、sec−
ブチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウ
ム、イソプロピルリチウム、n−デシルリチウム、フェ
ニルリチウム、2−ナフチルリチウム等がある。これら
は単独で、または二種以上の混合物で使用される。使用
する重合開始剤の量は、モノマー100gあたり通常0.2〜3
0mmolである。
本発明で用いられる不活性炭化水素溶媒としては、n
−ヘキサン、ブタン、ペンタン、ヘプタン、オクタン等
の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン、
メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、及びベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素がある。ま
た、重合モノマーともなり得るα−メチルスチレンを重
合溶液として使用することもできる。これらは単独で、
または二種以上の混合物で使用できる。好ましい溶媒と
しては、ラクトンを主体とする第2モノマーに対する溶
解性の優れた芳香族炭化水素が好ましい。特に好ましい
溶媒としては、ベンゼン、トルエンがある。また重合開
始反応を速くする目的で不活性溶媒中に少量のエーテ
ル、第3級アミン等の極性化合物を共存させておいても
よい。
本発明で用いるビニル芳香族化合物としては、例えば
スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン等が挙げられるが、スチレ
ン、p−メチルスチレンが好ましい。これらは単独で用
いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。ビニル芳
香族化合物の好ましい重合温度範囲は−20〜120℃であ
る。
本発明で用いる重合体鎖末端にリチウム原子の結合し
たビニル芳香族化合物を主体とする第1モノマーを重合
して得られる重合体を、オキシラン化合物、アルデヒド
類またはケトン類と反応させて重合体鎖末端の を−O−Liに変性する方法としては、公知のいかなる方
法でもよく、例えば特公昭46−37737号公報、特公昭47
−27151号公報等に記載された方法が挙げられる。すな
わち、重合体末端 1個当り、分子内にオキシラン基を1個有するオキシラ
ン化合物、分子内に1個のカルボニル基を有するアルデ
ヒド類、ケトン類を1分子以上反応させることにより−
O−Liへ変性する方法である。この変性反応の温度範囲
は−100〜150℃であり、好ましくは−50〜100℃であ
る。
本発明で重合体鎖末端の変性に用いられるオキシラン
化合物、アルデヒド類、ケトン類としては、エピクロル
ヒドリン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、β−ブチレンオキサイド、1,2−エポキシ−3−メ
チルブチレン、1,2−エポキシシクロヘキサン、アセト
アルデヒド、ベンズアルデヒド、デカナール、エイコサ
ナール、2−フェニルブタナール、プロパナール、アセ
トン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アセチルシク
ロヘキサン、シクロペンチルケトン、2−ブタノン、シ
クロペンタノン、シクロヘキサノンなどがある。好まし
い化合物としてはオキシラン化合物があり、特に好まし
い化合物はエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド
である。
本発明のブロック共重合体において、ラクトンを主体
とする第2モノマーを開環重合する際の重合温度の範囲
は−100〜70℃であることが必要である。好ましくは0
〜50℃の範囲である。−100℃以下では重合速度が遅す
ぎて好ましくなく、70℃以上ではラクトン重合中に好ま
しくない副反応が起こり、本発明のブロック共重合体は
得られない。すなわち、70℃以上で重合すると、ブロッ
ク共重合体A−O−BのMwとMnの比(Mw/Mn)の値が3.0
より大きい重合体が生成され、また、B末端同士が結合
したブロック共重合体(A−O−BnXの含有量が、本
発明のブロック共重合体中50重量%未満となって好まし
くない。さらにラクトンを主体とする第2モノマーだけ
からなる単独重合体が生成し好ましくない。このラクト
ンを主体とする単独重合体の量は5重量%以下であるこ
とが好ましい。ラクトンを主体とする第2のモノマーの
重合時間は使用する開始剤、モノマーの種類及び量によ
って変化する。通常の重合時間は1分〜5時間の範囲で
ある。
本発明で用いられるラクトンとしては、β−プロピオ
ラクトン、δ−ヴァレロラクトン、ε−カプロラクト
ン、ピバロラクトン、α−メチル−δ−ヴァレロラクト
ン、β−メチル−δ−ヴァレロラクトン、β−メチル−
ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクト
ン、および次の酸に対応するラクトン類がある。
2−メチル−3−ヒドロキシ−プロピオン酸、2−ド
デシル−3−ヒドロキシプロピオン酸、2−シクロペン
チル−3−ヒドロキシプロピオン酸、3−フェニル−3
−ヒドロキシプロピオン酸、2−ナフチル−3−ヒドロ
キシプロピオン酸、2−n−ブチル−3−シクロヘキシ
ル−3−ヒドロキシプロピオン酸、2−(2−メチルシ
クロペンチル)−3−ヒドロキシプロピオン酸、2−メ
チルフェニル−3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ベン
ジル−3−ヒドロキシプロピオン酸、2,2−ジメチル−
3−ヒドロキシプロピオン酸、3−シクロヘキシル−5
−ヒドロキシヴァレリル酸、4−フェニル−5−ヒドロ
キシヴァレリル酸、2−ヘプチル−4−シクロペンチル
−5−ヒドロキシヴァレリル酸、2−メチル−3−フエ
ニル−5−ヒドロキシヴァレリル酸、3−(2−シクロ
ヘキシルエチル)−5−ヒドロキシヴァレリル酸、2−
(2−フェニルエチル)−4−(4−シクロヘキシルベ
ンジル)−5−ヒドロキシヴァレリル酸、3−エチル−
5−イソプロピル−6−ヒドロキシカプロン酸、2−シ
クロペンチル−4−ヘキシル−6−ヒドロキシカプロン
酸、3−フェニル−6−ヒドロキシカプロン酸、3−
(3,5−ジエチルシクロヘキシル)−5−エチル−6−
ヒドロキシカプロン酸、4−(3−フェニルプロピル)
−6−ヒドロキシカプロン酸、2−ベンジル−5−イソ
ブチル−6−ヒドロキシカプロン酸等がある。
特に好ましいラクトンとしては、β−プロピオラクト
ン、δ−ヴァレロラクトン、ε−カプロラクトンであ
る。これらは、好ましくは二種類以上、各20重量%以上
ずつ含まれ、ラクトンとしてはB中に90重量%以上含ま
れる。また、10重量%以下でラクトン以外の化合物が共
重合しても良い。使用するモノマーの種類や量は、Bの
融点が25℃以下になる様に調整する。
本発明で使用できるラクトンと共重合可能なモノマー
としては、オキシラン化合物、ラクタム、環状シロキサ
ン、環状ウレタン、環状尿素、アルキルビニルケトンな
どがある。好ましいものとしては、オキシラン化合物、
ラクタム、環状シロキサンがあげられる。具体的には、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブ
テンオキサイド、スチレンオキサイド、ε−カプロラク
タム、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オキタメチ
ルシクロテトラシロキサンがある。
本発明で使用するB末端の結合剤としては、具体的に
は一般式 で表わされる結合剤が用いられる。一般式 においてl=2の場合、アジピン酸塩化物、アジピン酸
臭化物、アジピン酸ヨウ化物、フタル酸塩化物、フタル
酸臭化物などがあり、l=3の場合としては、トリメリ
ット酸塩化物、l=4の場合としては、ピロメリット酸
塩化物、ピロメリット酸臭化物、l=5以上の例として
はアクリル酸塩化物のオリゴマーがあげられる。また としては、オキサリルクロリド、 としてはホスゲンがあげられる。好ましいものとしては
酸塩化物であり、アジピン酸塩化物、フタル酸塩化物、
ピロメリット酸塩化物があげられる。結合剤の使用量は
ブロック共重合体末端のリチウム原子1当量に対し0.5
〜2当量、好ましくは0.8〜1.2当量の割合で使用でき
る。B末端結合反応終了後、反応系中が中性となる様に
酸または塩基を添加することは、Bの解重合を防ぎ好ま
しい。
反応で得られたブロック共重合体は反応溶媒中からメ
タノール等の凝固剤の添加で沈澱、水蒸気によるストリ
ッピング、熱ロールによる溶媒の除去などの通常の分離
方法を用いて回収される。
[実施例] 以下に実施例によって本発明を説明するが、これらの
実施例は本発明を限定するものではない。なお、各種特
性は以下の方法にて測定した。
ブロック共重合体の結合スチレンは紫外線分光光度計
(日立UV−200)を用いて測定した。B末端結合反応前
のブロック共重合体A−O−BのMw、Mn、(Mw/Mn)及
びB末端結合反応後得られたブロック共重合体(A−O
−BnXの前ブロック共重合体組成物中に占める含有量
はGPC(ウォーターズ社製M−6000型)を用いて下記の
条件により測定した。
溶 媒:テトラヒドロフラン カラム:デュポン社製 ZORBAX PSM 1000S 2本 PSM 60S 1本 カラム温度:35℃ 送液流量:0.7ml/min 送液圧力:1000psi 試料濃度:1.0g/ 試料液量:0.1ml 検出器:示差屈折計 (A−O−BnXの含有量は、GPCを用いて(A−O
−BnXとA−O−Bとを分離し、クロマトグラム上の
各重合体に対応するピークの面積の割合より求めた。ま
た分子量は、標準ポリスチレンとして、分子量1.44×10
6,4.7×105,1.1×105,3.5×104,8.5×103,2.35×103
6種のポリスチレンを使用して作成した検量線をもと
に、ポリスチレン換算した分子量を求めた。
ブロック共重合体中のBの融点Tmは示差走査熱量計
(セイコー電子工業社製DSC0580、昇温速度10℃/分)
を用いて求めた。メルトフローインデックス(M1,条件
G)はASTM D 1238により測定した。ブロック共重合体
を110℃で加熱プレスを用いて圧縮成形し、厚さ2mmのシ
ートを得、引張強度、伸び、永久伸び、硬さはJIS K 63
01により測定し、反発弾性はBS−903(英国基準)によ
り測定した。HazeはJIS K 6714により測定した。耐油性
試験はJIS 3号オイルを用いて、25℃で200時間浸漬
後の重量変化率を求める方で行なった。
実施例1 内容積10のステンレス製反応器を洗浄、乾燥し、乾
燥窒素を用いて十分置換した後、ベンゼン6000g、スチ
レン350g、テトラヒドロフラン1.5gを仕込み、内容物を
撹拌しながら内容物の温度が70℃になるように加熱昇温
し、70℃になりしだい加熱をやめ、n−ブチルリチウム
(シクロヘキサン溶液)20mmolを添加しスチレンの重合
を開始した。15分後スチレンモノマーがほぼ完全に消費
された時点で、内容物の温度が30℃になるように冷却を
行ない、30℃になった後エチレンオキサイド40mmolを添
加し、5分間撹拌を行なった。次に、内容物の温度を30
℃に保った状態でε−カプロラクトン130gとδ−ヴァレ
ロラクトン520gの混合物を添加した。40分後、ラクトン
モノマーがほぼ完全に消費された時点で、分析用サンプ
ルとしてB末端結合反応前のブロック共重合体A−O−
Bをサンプリングした後に、アジピン酸塩化物7mmolを
添加し、さらに20分間撹拌を続けた。この様にして得ら
れた重合体溶液を反応器より取り出し、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−メチルフェノールとトリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイトをそれぞれ5g添加し、その後熱ロー
ルで乾燥してブロック共重合体を得た。
実施例2〜7 実施例1と同様にして、表−1に示した様に、使用す
るε−カプロラクトンとδ−ヴァレロラクトンの量を変
化させて重合を行った。
実施例8〜16,比較例1〜13 実施例1と同様にして、表−1に示した様に、n−ブ
チルリチウム量、スチレン量、変性剤の種類と量、ε−
カプロラクトンとδ−ヴァレロラクトンの量、ラクトン
の重合温度、重合時間、結合剤の種類、量を変えて重合
を行なった。比較例6では、スチレンに続いてラクトン
重合後、結合剤を用いずに塩酸12mmolを直接反応器中へ
添加して重合を停止した。
比較例1〜4では、BのTmが25℃より高いため、反発
弾性が低下、永久伸び、Hazeが増加して好ましくない。
比較例5,6では、使用する結合剤の量が不足している
ため、比較例7,8では使用する結合剤が適切でないた
め、また比較例9ではラクトンの共重合温度が高いため
(Mw/Mn)が3より大きくなり、いずれも(A−O−B
nXの含有量が50重量%未満となり、永久伸びの増加及
び引張強度、反発弾性の低下を招いた。
比較例10では、スチレン含有量が10重量%未満で、引
張強度が低下した。比較例11では、スチレン含有量が55
重量%を超え、高硬度とり、反発弾性が低下した。
比較例12ではA−O−B部分Mnが10,000未満となり、
引張強度が著しく低下し、比較例13では300,000を超え
て加工性(流動性)が低下した。
実施例1〜16、比較例1〜13の重合条件及び得られた
ブロック共重合体組成物の測定結果を表−1,表−2に示
す。
表−2からわかるように、実施例1〜16の本発明のブ
ロック共重合体は透明性、反発弾性、永久伸びが改良さ
れている。
[発明の効果] 本発明のブロック共重合体は優れた透明性、反発弾
性、永久伸びを有するので、樹脂改質剤、履物用材料、
接着剤、粘着剤、アスファルト改質剤、日用雑貨品、自
動車用部品、レジャー用品、玩具、食肉鮮魚等のトレ
ー、各種フィルムなどに、単独もしくは他の樹脂、ゴ
ム、配合剤、添加剤等をブレンドして用いることがで
き、本発明の工業的意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−196324(JP,A) 特開 昭55−152720(JP,A) 特公 昭43−26629(JP,B1) 特公 昭46−37737(JP,B1) 特公 昭47−27151(JP,B1) 米国特許4038342(US,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機リチウム化合物を開始剤として得られ
    るビニル芳香族化合物を主体とするモノマーを重合して
    得られる重合体ブロックAと、下記一般式で示されるラ
    クトンを主体とするモノマーを開環重合して得られる重
    合体ブロックB R1,R2:水素または炭素数1〜20個のアルキル基、シクロ
    アルキル基、アリール基、アルケニル基 m:2,4,5,6 からなる一般式A−O−B(O−Bの結合部分は−O−
    CO−結合している)で表わされるブロック共重合体であ
    って、以下の(a)〜(d)の性質を有することを特徴
    とするブロック共重合体。 (a)一般式(A−O−BnXで表わされる、B末端が
    結合剤により結合されたブロック共重合体成分を50重量
    %以上含有する。 X:一般式 R3:炭素数1〜20個の脂肪族基、環状脂肪族基、芳香族
    基 l:2以上の整数 で表わされる結合剤残基 n:2以上l以下 (b)該ブロック共重合体のビニル芳香族化合物含有量
    が10重量%以上55重量%以下で、且つ重合体ブロックB
    の融点が25℃以下である。 (c)A−O−Bの数平均分子量が10,000〜300,000で
    ある。 (d)A−O−Bの が3.0以下である。
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