JP4091760B2 - 排便器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自力で排出することができない人の便を容易な操作で強制的に排出する排便器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直腸内から便を強制的に排出するには処置する人が便を指で掻き出していた。人の指で処置することは処置される人にとって不快であり、処置に時間を要するという問題もあった。
そこで、本発明人は破砕刃によって便を徐々に破砕して排出させる排便器具を発明し、実用に供している。
この排便器具を繰り返し使用することは、洗浄等を行っていても患者にとって不快なものであった。しかし、排便器具を使い捨てにするとコストが高くなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、非常に容易な操作で強制的に排便でき、装置を使い捨て可能になるようコストを抑制できる排便器具を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 肛門から腸内に挿入できる筒体を先端側から長尺の袋体内に挿入し、袋体の先端部分を筒体内部から外方へ引張する引張部材を設け、肛門から腸内に挿入しながら筒体の先端を便に押し付け、かつ引張部材で袋体を筒体内部へ引き込み、腸内の便を筒体内部の袋体内部へ取り込むようにして、筒体後部から袋体に便を収容した状態で体外に強制的に排出するようにした排便器具
2) 袋体の後端部に袋体の径を筒体の外径より大巾に小さくする弾性体を設け、筒体の内側に向かう際に強く収縮し、便を強く捕捉できるようにした前記1)記載の排便器具
3) 袋体の中間の所定間隔離した複数箇所に筒体の外径より小さく収縮するようにした弾性体を設け、筒体の内側に向かう際に強く収縮し、便を強く保持できるようにした前記1)又は2)記載の排便器具
4) 肛門の外周肌に付着できて肛門から洩れた汚物を外部に洩れないようにするシール部を袋体後端部に取り付けた前記1)〜3)いずれかに記載の排便器具
5) シール部に屎尿を吸収する吸収パッドを設けた前記1)〜4)いずれかに記載の排便器具
6) 筒体の先端を拡巾する拡巾機構を設ける構造にした前記1)〜5)いずれかに記載の排便器具
7) 拡巾機構が、空気の注入・注出で拡縮するバルーンを筒体の先端部外周に設ける構造にした前記6)記載の排便器具
8) 拡巾機構が、弾性がある材質で拡巾した形状の拡巾部を設け、腸内で拡巾部を開くよう拡巾部を弾性変形で収縮した状態に保持する保持手段を設ける構造にした前記6)記載の排便器具
9) 拡巾機構が、筒体の先端に拡縮片を拡縮自在に複数設け、複数の拡縮片に保護シートを張り渡し、筒体内部に拡縮片と係合して拡げる係合部材を進退自在に設ける構造にした前記6)記載の排便器具
10) 袋体の先端に筒体の内部を通過できる大きさの板状部材を設けた構造にした前記1)〜9)いずれかに記載の排便器具
11) 筒体及び筒体外周を覆う袋体を内部に挿入するようにして外筒を取り付けた前記1)〜10)いずれかに記載の排便器具
12) 筒体を内部に挿入するようにして外筒を取り付け、外筒を取り付けた状態で袋体に挿入するようにした前記1)〜10)いずれかに記載の排便器具
13) 引張部材を駆動で引張する構造にした前記1)〜12)いずれかに記載の排便器具
14) 操作しやすいよう筒体に持手を設ける構造にした前記1)〜13)いずれかに記載の排便器具
15) 袋体の途中を折り重ねるようにした前記1)〜14)いずれかに記載の排便器具にある。
【0005】
【作用】
本発明では、排便器具を処置される人の肛門から腸内へ挿入して行く。この際には、排便器具の挿入に合わせて、引張部材を筒体の後方に引く。引張部材を引くことによって、また筒体が挿入されることによって筒体の外周側に位置する袋体が前方に引き寄せられ、筒体の先端でターンして袋体が筒体の先端から筒体内部に引き込まれて行く。排便器具を腸内へ挿入することによって筒体の内部に腸内の便が入って行く。ここで筒体内部に入って行く便は、筒体の先端から内部に取り込まれて行く袋体の内部に入って行くことにもなる。このようにして便を筒体内部に取り込みながら、筒体後方に引張部材を引いて行くと、筒体の後端から袋体に収容された状態で便が排出される。
排便器具を腸内の所定位置まで挿入した後にさらに袋体を筒体内部に引き込むようにしたものは、袋体が筒体の外周側を前方に移動し、筒体内部に引き込まれる動きによって、袋体に接触した便を筒体に取り込むようにしてさらに多くの便を筒体内部に取り込んで排出できるようにする。
袋体の後端部に弾性体を設けたものは、袋体に便を十分に収容し、袋体の後端部が筒体の先端でターンすると、弾性体が収縮して袋体の後端部の径を筒体の外径より大巾に小さくする。これにより、収容された便の後端面の大部分も袋体の一部で覆い強く捕捉することとなる。
袋体の複数箇所に弾性体を設けたものは、便を収容した状態の袋体の複数箇所を弾性体の弾性力で筒体の外径より小さく収縮することにより、便を複数箇所で把持するようにして、便を強く保持する。
シール部を袋体後端部に取り付けたものは、排便器具を肛門との間から汚物が洩れた際に肛門のまわりの狭い範囲にシールして外部に洩れないようにする。
シール部に吸収パッドを設けたものは、肛門から洩れた汚物を吸収パッドに吸収して取り扱いが容易にできるようにする。
このように、本発明は筒体を袋体に挿入し、引張部材を設けて排便器具としたもので、非常にシンプルな構造の排便器具となる。
拡巾機構を設けたものは、腸内へ挿入した筒体の先端を拡巾し、面積広く便を筒体内部に誘導して多くの便を筒体内部に取り込めるようにする。
拡巾機構がバルーンであるものは、肛門から腸内に筒体を挿入した後にバルーンに空気を注入してバルーンを膨張させ、便を多く取り込むようにし、筒体の肛門への挿入・取出時には、バルーンから空気を注出してバルーンを収縮するようにする。
拡巾機構が弾性のある材質で拡巾部を設けたものは、拡巾部を保持手段により収縮した状態で保持し、腸内で保持手段を解除して弾性により拡巾部を拡巾させるようにする。
拡巾機構が、拡縮片を拡縮自在に設けるものは、拡縮片が腸内に位置するよう筒体を挿入し、係合部材を進行させて拡縮片に係合させて拡縮片を拡巾させるようにする。
袋体の先端に板状部材を設けたものは、筒体内部に引き込まれる袋体が便を取り込む空間を形成しやすいようにする。
外筒を設けるようにしたものは、外筒を肛門に挿入し、この内穴で筒体を進退させてスムーズに作業を行う。
引張部材を駆動するものは、駆動により引張部材を引張して人の手によらず便を袋体内に取り込む動きができるようにする。
筒体に持手を設けたものは、処置する人が持手を持つようにして筒体を操作しやすくする。
袋体の途中を折り重ねるようにしたものは、筒体の外周に短い長さで取り付けられるようにできる。
【0006】
【発明の実施の形態】
袋体の材質としては、樹脂フィルムや樹脂フィルムより厚い樹脂シート、薄いゴム、シリコンゴムなどがあり、防水性を有し人体に害を与えない材質のものが好ましい。
引張部材としては、紐体や棒体、袋体を結束したものなどがあり、強度やコスト等から決めればよい。
本発明において、筒体内部の袋体内に便を収容する動きとしては、筒体を腸内の便に押し込む動きをさせて袋体をフリーにし、筒体の動きで筒体内部に便が入って行くことにより袋体を筒体内に入るよう移動させるものや、筒体を腸内の便に押し込みながら、筒体内に袋体を引張するものや、筒体を腸内の所定の位置に保持し、袋体を筒体内に向かうようにするものがあり、状況に応じて使い分けるようにすればよい。また、筒体を複数回進退させるようにしてもよく、筒体の方向を変えながら行うようにしてもよい。
処置を行う際には、処置される人の肛門又は排便器具にクリームやゼリーを塗って、肛門を傷つけないように、かつ円滑に排便器具を肛門から腸内に挿入できるようにするのが望ましい。
筒体の径は成人の場合、20mm程度であり、年齢、体格等に合わせて変えるようにするのが好ましい。
筒体は、人体に害を与えない材質で腸壁などを傷めない形状、硬さのものが好ましい。
袋体の底部は袋体のままでもよいし、紐体で引くことが行いやすいように板状の底板を設けるようにしてもよい。また、底部を袋体の厚手の同一材質として底板を形成するようにしてもよい。
袋体に設ける弾性体には、ゴム、紐ゴムなどがあり、腸や肛門を傷つけない軟らかいものが好ましく、かつ、十分な弾性力を得やすいものがよい。また、袋体を弾性力のある部材で構成し、一部を肉厚な環状部分にして環状な弾性体としてもよい。
拡巾機構には、筒体を内筒と外筒の2重筒とし、内筒の先端が拡巾した形状になるようにし、弾性変形させて外筒内に収容するようにし、外筒の先端から内筒の先端を突出させて弾性により拡巾するものや、筒体の先端を拡巾可能な形状にし、外部で紐状物を引くことで筒体の先端を拡巾させるものなどがあり、省スペースでかつ簡単な機構のものが好ましい。
袋体の表面には、便を多く取り込むことができるように凹凸や筋目を設けるようにしてもよい。
【0007】
【実施例】
本発明の各実施例について図面を参照して具体的に説明する。
実施例1(図1〜6参照)
図1〜6に示すのは、後端部及び中間の複数箇所に弾性体を設けた袋体の先端に板状部材を設け、この袋体内に筒体を挿入するようにし、筒体の基端側に持手を設け、袋体の途中を折り重ねるようにし、袋体後端部に吸収パッドを備えたシール部を設けた排便器具の例であって、筒体を肛門から腸内に挿入しながら袋体を筒体内部に引き込み、さらに筒体挿入後に袋体を筒体内部に引き込むようにして腸内の便を筒体内部の袋体内部へ取り込むようにし、強制的に排便する排便器具の例である。
図1は実施例1の排便器具の断面図である。図2は実施例1の排便器具の説明図である。図3〜5は実施例1の排便器具を使用している状態を示す説明図である。図6は実施例1の排便器具で袋体に便を収容した状態を示す説明図である。
図中、1は排便器具、2は筒体、2aはフランジ部、2bは持手として用いた持手部、3は袋体、3aは板状部材として用いた底板、3bは引張部材として用いた結束部、3cは後端部、4はシール部、4aは環状の粘着部、4bは環状の吸収パッド、5は弾性体として用いた袋体後端の環状ゴム、6は弾性体として用いた袋体中間の環状ゴム、Bは便、hは人である。
【0008】
実施例1の排便器具1では、まず肛門から腸内の所定位置まで挿入できる径、長さの筒体2を設ける。筒体2の先端は、肛門や腸を傷つけないよう角のない丸みを帯びる形状にし、筒体2の後端には鍔状のフランジ部2aを設けている。さらにフランジ部2aから後方に筒体2を延長し、持手部2bとする。
次に、筒体2を覆うことができ、さらに長さが筒体2よりも十分に長く細い袋体3を設ける。袋体3の後端部3cには、弾性によって袋体3の後端を閉じるよう力を加える環状ゴム5を後端部3cに沿って設ける。さらに袋体3の途中に所定間隔離して環状ゴム6を複数設ける。
この袋体3の後端部3cの環状ゴム5及び途中の環状ゴム6を拡げるようにし、筒体2を先端から挿入するようにして、筒体2に袋体3を取り付ける。環状ゴム5はフランジ部2a近くに位置させ、後端部3c近くの袋体3は折り返すように重ねて所定量の長さの袋体3部分が筒体2の外周に位置するようにする。
次に、筒体2の先端で、袋体3を折り返すようにターンさせ、筒体2の内穴を貫通させるようにする。この折り返し部分に、袋体がターンして筒体内に形成する空間を閉じるよう底板3aを設ける。底板3aより後方でかつ筒体内部に位置することとなる袋体3は、小さく束ねるようにして結束部3bで結束させ、筒体2の後端から後方に突出させ、袋体3を後方に引張する引張部材とする。
次に、袋体3の後端部3cにシール部4を設ける。シール部4は、袋体3の後端部3cを後方に延長しかつ徐々に拡径する部分を設けて短く折り返し、さらに外周側に円板状に形成し、外周縁近くに環状の粘着部4aを設け、その内側に環状の吸収パッド4bを設ける。
【0009】
本実施例1の排便器具1を用いて強制的な排便を行うには、まず、処置される人の肛門に滑りやすくして肛門を保護するクリームを塗って、排便器具1を持手部2bを持つようにして肛門から腸内に向って徐々に挿入して行く(図3(a))。筒体2が腸内の便に押しつけられることによって、便Bが円筒状にくり抜かれるようになる。この際に、腸内に挿入する筒体2の挿入長さに合わせるようにして体外で袋体3の結束部3bを引くようにする。これにより、腸内の便Bを筒体2の内部で袋体3内部に取り込んで行く。また、袋体3が筒体2の内部に取り込まれることによって、筒体2を覆った袋体3がその分筒体前側に移動する。この袋体3の動きは、袋体3の結束部3bを後方に引張することによってスムーズに行われる(図3(b),(c))。これによって筒体2の腸内への挿入長さに応じた量の便Bを袋体3内に収容することができる。
【0010】
また、図3(c)に示すように、所定の深さまで筒体2を腸内に挿入したならば、シール部4の吸収パッド4bが肛門外周側の人肌に接触するとともに、粘着部4aが吸収パッド4bの外側で人肌に粘着する。
また、袋体3が便Bを収容しながら筒体2内部に移動する際には、図2に示すように袋体3の途中に設けた環状ゴム6が筒体外周から内穴に移動する際にフリーな状態となった際に袋体3の径を小さくするよう収縮する。この環状ゴム6は複数箇所に設けているので図6に示すように便を収容した袋体3の複数箇所の径を小さくして便を確実に保持する。
【0011】
筒体2の腸内への挿入が、終了したならば、その位置を保って、さらに結束部3bを後方に引いて行く。結束部3bを後方に引くことにより、袋体3は、筒体2の外周で徐々に前方に移動し、筒体2の先端から筒体2の内穴の内部に移動していく動きをする。これによって、筒体2の外周側で袋体3に付着した便が徐々に前方に移動し、筒体2の先端で袋体3によって内部に取り込まれていく。また、腸の動き等によっては、便に密着した袋体が筒体に引き込まれることにより吸引され便が引き込まれるようにもなる。このようにして便を取り込んで行き、袋体3の縮めた分が移動して行くと、袋体3の環状ゴム5がその弾性による収縮力で適度に筒体2に保持されながらスライドするように前方に移動して行く(図4(a))。環状ゴム5が筒体2の先端から内側がフリーになる位置まで移動すると、環状ゴム5の弾性による収縮によって、袋体3の外径が大巾に小さくなる(図4(b))。これによって、筒体2の内部で袋体3内に取り込んだ便Bを確実に袋体3内に収容し捕捉した状態にできる。また、この際には、シール部4に設けた袋体3の延長部分が前方に送り出されることになる。
【0012】
環状ゴム5が筒体2の前端で収縮すると、袋体3への便の収容が終了となる。この位置は袋体3に印などをつけて処置する人にわかるようにするのが好ましい。
このように袋体3への便の収容が終了したならば、筒体2を図5(a)に示すように肛門より外部に引き出すようにする。図5(a)で分かるように、このように筒体2を引き抜くようにすると、筒体2は直接、肛門や腸内の便に触れることがないので、筒体2の再利用が衛生的にできる。また筒体2を肛門から引き抜く場合には、筒体2を引き抜くのに従ってある程度便を収容した袋体を途中まで引き抜くようにしてもよい。筒体2を肛門から引き抜いたならば、便を収容した袋体を肛門から体外へ引き抜くよう結束部3b又は便を収容した袋体部分を体外で引張する(図5(b),(c))。この際に、便が付着していることがありえる袋体の面は、この時点で露出している面とならないので、衛生的である。また、この際に肛門から汚物が洩れ出た場合にも、肛門の外周でシール部4でシールしているので外部に洩れ出るようなことがなく衛生的に処理できる。また、洩れた汚物の水分は、吸収パッド4bで吸収されるので、より洩れ出ることを防げるとともに、その後の処理を容易にできる。
さらに、袋体3に収容した便を体外に排出した後に、シール部4を肛門外周の人肌からはがすように取りはずす。この際には、吸収パッド4bで肛門及びその外周を拭くようにすればさらに衛生的で患者も不快に感じることなく処理が行える。
このようにして強制的に排出した便は、袋体に収容された状態なので、そのまま廃棄すればよい。排便器具1はコストを非常に抑えているので使い捨てにしても処置コストを抑制できる。
このように本実施例1の排便器具では、容易な操作で効果高く多くの便を強制的に排便でき、非常に有用である。
【0013】
図7〜9に示す実施例1の他の例は、シール部を設けないようにした排便器具の例である。
実施例1の他の例では、図7に示すようにシール部を設けないようにし、図8,9に示すように、袋体の端部分が環状ゴム5で径を大巾に小さくするようにして便を保持し、筒体2を肛門から引き抜く前に便を収容した袋体3を体外に取り出すようにしている。このように筒体2を最後に肛門から取り出すようにしてもよい。
【0014】
図10に示す実施例1の他の例は、シール部を設けないようにし、袋体の途中に弾性体を設けず、引張部材として紐体を設けた例である。
図中、8は紐体である。
図10に示す実施例1の他の例では、シール部を設けないようにし、袋体の途中に弾性体を設けず、引張部材として紐体8を用いている。このようによりシンプルな構造にしてさらにコストの抑制ができるようにしてもよい。
【0015】
実施例2(図11参照)
図11に示す実施例2は、バルーンによる拡巾機構を設けた排便器具の例である。
図11は実施例2の排便器具の説明図である。
図中、10はバルーン、10aは空気注入出路である。
実施例2では、筒体2の先端外周に、外周側、斜め前方に拡がる環状のバルーン10を設けている。バルーン10には、筒体2の内穴又は筒体2内部に設ける空気注入出路10aによって筒体2後方の外部の図示しない空気送り装置によって空気が注入・注出される。処置を行う際には、腸内に位置させた後に、図示しない空気送り装置により空気注入出路10aを介してバルーン10を空気を送ってバルーン10を膨張させる。このバルーン10を膨張させた状態で便に筒体を押しつけることにより腸内の多くの便をバルーンにより筒体内部へ誘導でき、さらに多くの量の便を一度に処理できる。処置後に筒体2を体外に引き抜く際には、バルーン10より空気を注出してバルーン10が収縮した状態にすればよい。
その他、符号、作用、使い方は実施例1と同じである。
【0016】
実施例3(図12参照)
図12に示す実施例3は、拡巾機構として筒体の先端で拡縮片を機構で動かして拡縮するようにした排便器具の例である。
図12は実施例3の排便器具の説明図である。
図中、12は内筒、13は拡縮片、14は保護シートである。
実施例3の排便器具では、図12に示すように筒体先端に拡縮する動きができる拡縮片13を筒体先端の円周に沿って複数設け、複数の拡縮片の内側・外側を覆うように保護シート14を設ける。さらに筒体2の内部に進退自在な内筒12を設ける。拡縮片13は後端部を内径側に突出するようにして、内筒12先端で後端部を前方に押されることにより拡縮片13が拡巾するようにする。このように拡縮片13と内筒12によって拡巾するようにしてもよい。
その他符号、作用、使い方は実施例1と同じである。
【0017】
実施例4(図13参照)
図13に示す実施例4は、拡巾機構として弾性のある材質で拡巾部を設け、拡巾部を弾性変形で収縮した状態に保持する保持手段を設けた排便器具の例である。
図13は実施例4の排便器具の説明図である。
図中、16は内筒、17は拡巾部である。
実施例4では、筒体2の内穴に進退自在に内筒16を設け、内筒16の先端に弾性のある材質で拡巾部を設ける。使用前の状態では、拡巾部17を弾性変形させて筒体内に収容するようにし、筒体2を保持手段としている。腸内に挿入した際には、筒体2に対して内筒16を進行させて、拡巾部17を筒体の前方に突出させ、拡巾部17が弾性による復元力によって拡巾した形状になるようにし、強制的な排便を行った後には、内筒16を退行させて拡巾部17を筒体内に弾性変形させて収容して体外に取り出すようにする。
その他符号、構成、作用、使い方は実施例1と同じである。
【0018】
実施例5(図14参照)
図14に示す実施例5は、外筒を設け、外筒と筒体の間で袋体が前方に移動するようにした排便器具の例である。
図14は実施例5の排便器具の断面図である。
図中、18は外筒、19はガイド棒である。
実施例5の排便器具では、筒体2の外周を覆う袋体3のさらに外周を覆うように外筒18を設けている。処置を行う際には、外筒18を肛門に挿入して、外筒18内で筒体2をスムーズに進退させて処置を行えば、より容易に使用できる排便器具となる。
その他符号、構成、作用、使い方は実施例1と同じである。
【0019】
実施例6(図15参照)
図15に示す実施例6は、筒体と筒体を覆う袋体の間に外筒を設けるようにした排便器具の例である。
図15は実施例6の排便器具の断面図である。
図中、21は外筒である。
実施例6の排便器具では、筒体2の外周を覆う外筒21を設け、筒体2及び外筒21を覆うように袋体3を取り付けるようにしている。このように筒体と袋体の間に外筒21を設けるようにしてもよい。
その他符号、構成、作用、使い方は実施例1と同じである。
【0020】
実施例7(図16参照)
図16に示す実施例7は、引張部材を駆動で引張する排便器具の例である。
図16は実施例7の排便器具の断面図である。
図中、22は内筒、23はローラー、24はローラー、25はギア、26はモーターである。
実施例7の排便器具では、引張部材として内筒22を設け、筒体の後方に内筒22を突出させて、この突出部分を挾むようにローラー23,24を設け、ローラー23をモーター26で駆動するようにギア25を設けている。挾むようにローラー23,24を設けることで、内筒だけでなく、便を収容した袋体もある程度引張できるようにしている。このように駆動で袋体を引張するようにしてもよい。
その他符号、構成、作用、使い方は実施例1と同じである。
【0021】
実施例8(図17参照)
図17に示す実施例8は、筒体と筒体を覆う袋体の間に外筒を設けるようにした排便器具の例である。
図17は実施例8の排便器具の断面図である。
実施例8の排便器具では、筒体2の外周を覆う外筒21を設け、筒体2及び外筒21を覆うように袋体3を取り付け、袋体3の後端が外筒21の後端部に位置するようにしている。このように外筒21を設けるようにしてもよい。
その他符号、構成、作用、使い方は実施例6と同じである。
【0022】
図18〜21に示すのは実施例の排便器具に用いた袋体の他の例を示す説明図である。
図18〜21に示すように、袋体には、単なる袋状のもの、弾性体を設けたもの、シール部を設けたものがあり、状況やコストによって決めればよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、非常に容易な操作で強制的に排便でき、装置を使い捨て可能になるようコストを抑制できる。
排便器具を腸内の所定位置まで挿入した後さらに袋体を筒体内部に引き込むようにしたものは、さらに多くの便を一度に排出でき、効果高く処置できる。
袋体の後端部に弾性体を設けたものと、袋体の複数箇所に弾性体を設けたものは、より確実に袋体に収容した便を袋体とともに排出できるようにする。
シール部を袋体後端部に取り付けたものと、シール部に吸収パッドを設けたものは、より衛生的に処置を行うようにできる。
拡巾機構を設けたものは、より多くの便を排出でき、さらに効果高く処置が行える。
拡巾機構がバルーンであるものは、より安全に使用できる拡巾機構にできる。
拡巾機構が弾性のある材質で拡巾部を設けたものは、操作が簡単でコストを抑制した拡巾機構にできる。
拡巾機構が拡縮片を拡縮自在に設けるものは、確実に拡巾できる拡巾機構にできる。
袋体の先端に板状部材を設けたものは、より確実に便を袋体内に収容できる。
外筒を設けるようにしたものは、よりスムーズに処置を行うことができ、より容易に処置できる。
引張部材を駆動するものは、より容易な操作で処置が行える。
持手を設けたものは、より操作性を向上させて処置が行える。
袋体の途中を折り重ねるようにしたものは、より小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の排便器具の断面図である。
【図2】 実施例1の排便器具の説明図である。
【図3】 実施例1の排便器具を使用している状態を示す説明図である。
【図4】 実施例1の排便器具を使用している状態を示す説明図である。
【図5】 実施例1の排便器具を使用している状態を示す説明図である。
【図6】 実施例1の排便器具で袋体に便を収容した状態を示す説明図である。
【図7】 実施例1の排便器具の他の例の排便器具の断面図である。
【図8】 実施例1の排便器具の他の例を使用している状態を示す説明図である。
【図9】 実施例1の排便器具の他の例を使用している状態を示す説明図である。
【図10】 実施例1の排便器具の他の例の断面図である。
【図11】 実施例2の排便器具の説明図である。
【図12】 実施例3の排便器具の説明図である。
【図13】 実施例4の排便器具の説明図である。
【図14】 実施例5の排便器具の断面図である。
【図15】 実施例6の排便器具の断面図である。
【図16】 実施例7の排便器具の断面図である。
【図17】 実施例8の排便器具の断面図である。
【図18】 実施例の排便器具に用いた袋体の他の例を示す説明図である。
【図19】 実施例の排便器具に用いた袋体の他の例を示す説明図である。
【図20】 実施例の排便器具に用いた袋体の他の例を示す説明図である。
【図21】 実施例の排便器具に用いた袋体の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 排便器具
2 筒体
2a フランジ部
2b 持手部
3 袋体
3a 底板
3b 結束部
3c 後端部
4 シール部
4a (環状の)粘着部
4b (環状の)吸収パッド
5 (袋体後端の)環状ゴム
6 (袋体中間の)環状ゴム
8 紐体
10 バルーン
10a 空気注入出路
12 内筒
13 拡縮片
14 保護シート
16 内筒
17 拡巾部
18 外筒
19 ガイド棒
21 外筒
22 内筒
23 ローラー
24 ローラー
25 ギア
26 モーター
B 便
h 人
Claims (15)
- 肛門から腸内に挿入できる筒体を先端側から長尺の袋体内に挿入し、袋体の先端部分を筒体内部から外方へ引張する引張部材を設け、肛門から腸内に挿入しながら筒体の先端を便に押し付け、かつ引張部材で袋体を筒体内部へ引き込み、腸内の便を筒体内部の袋体内部へ取り込むようにして、筒体後部から袋体に便を収容した状態で体外に強制的に排出するようにした排便器具。
- 袋体の後端部に袋体の径を筒体の外径より大巾に小さくする弾性体を設け、筒体の内側に向かう際に強く収縮し、便を強く捕捉できるようにした請求項1記載の排便器具。
- 袋体の中間の所定間隔離した複数箇所に筒体の外径より小さく収縮するようにした弾性体を設け、筒体の内側に向かう際に強く収縮し、便を強く保持できるようにした請求項1又は2記載の排便器具。
- 肛門の外周肌に付着できて肛門から洩れた汚物を外部に洩れないようにするシール部を袋体後端部に取り付けた請求項1〜3いずれかに記載の排便器具。
- シール部に屎尿を吸収する吸収パッドを設けた請求項1〜4いずれかに記載の排便器具。
- 筒体の先端を拡巾する拡巾機構を設ける構造にした請求項1〜5いずれかに記載の排便器具。
- 拡巾機構が、空気の注入・注出で拡縮するバルーンを筒体の先端部外周に設ける構造にした請求項6記載の排便器具。
- 拡巾機構が、弾性がある材質で拡巾した形状の拡巾部を設け、腸内で拡巾部を開くよう拡巾部を弾性変形で収縮した状態に保持する保持手段を設ける構造にした請求項6記載の排便器具。
- 拡巾機構が、筒体の先端に拡縮片を拡縮自在に複数設け、複数の拡縮片に保護シートを張り渡し、筒体内部に拡縮片と係合して拡げる係合部材を進退自在に設ける構造にした請求項6記載の排便器具。
- 袋体の先端に筒体の内部を通過できる大きさの板状部材を設けた構造にした請求項1〜9いずれかに記載の排便器具。
- 筒体及び筒体外周を覆う袋体を内部に挿入するようにして外筒を取り付けた請求項1〜10いずれかに記載の排便器具。
- 筒体を内部に挿入するようにして外筒を取り付け、外筒を取り付けた状態で袋体に挿入するようにした請求項1〜10いずれかに記載の排便器具。
- 引張部材を駆動で引張する構造にした請求項1〜12いずれかに記載の排便器具。
- 操作しやすいよう筒体に持手を設ける構造にした請求項1〜13いずれかに記載の排便器具。
- 袋体の途中を折り重ねるようにした請求項1〜14いずれかに記載の排便器具。
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