JP4091689B2 - メチルメタクリレート系重合体の製造方法およびプラスチック光ファイバの製造方法 - Google Patents

メチルメタクリレート系重合体の製造方法およびプラスチック光ファイバの製造方法 Download PDF

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    • C08F20/12Esters of monohydric alcohols or phenols
    • C08F20/14Methyl esters, e.g. methyl (meth)acrylate

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学特性に優れたメチルメタクリレート系重合体の製造方法、及びプラスチック光ファイバの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メチルメタクリレート系重合体の重合方法には、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法などがあるが、重合体中の粉塵、夾雑物などの光散乱物質を低減させるには塊状重合法、溶液重合法が有利である。なかでも、溶液重合法では未反応単量体のみならず溶剤も除去する必要があるため、塊状重合法が最も有利である。
【0003】
特公平5−32722号公報においては、粉塵や夾雑物などの光散乱物質および過酸化物やオリゴマ類などの光吸収物質の含有量が少ない光学特性に優れたメチルメタクリレート系重合体を完全混合型反応器一基をもちいて塊状重合法により製造し、その重合体を芯成分としてプラスチック光ファイバを製造する方法が提案されている。この方法においては、下記の化学式(II)で表されるラジカル重合開始剤(以下「開始剤(II)」という)を用い、重合開始剤濃度と重合温度との関係が特定条件を満たすようにして重合体を製造している。
【0004】
【化3】
Figure 0004091689
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特公平5−32722号公報に記載の開始剤IIは、十時間半減期温度が110℃と高く、望ましい重合温度において分解速度が遅い。そのため、この開始剤IIを用いて、完全混合型反応器一基で重合を行うと、反応器から取り出される反応混合物中には未分解の開始剤IIがかなりの量で残存していることになる。このため、揮発物除去工程に送られるまでの間、及び揮発物除去工程において、反応域よりも高い温度雰囲気下で後重合が進む。これが重合体の散乱損失増加の原因となっており、この重合体を用いて光ファイバを製造した場合、この光ファイバの伝送性能は不十分であった。
【0006】
そこで本発明の目的は、光学特性が十分に優れたメチルメタクリレート系重合体を製造する方法、及び伝送性能に優れたプラスチック光ファイバの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、完全混合型反応器の反応域Aと完全混合型反応器もしくは管型反応器の反応域Bが直列に配置された反応装置を用いた重合方法であって、
メチルメタクリレートが60重量%以上含まれている単量体、ニトリル基不含のアゾ化合物の一種以上および連鎖移動剤としてアルキルメルカプタンを反応域Aに連続的に供給して重合温度110℃〜160℃で重合を行った後、反応混合物を連続的に反応域Bを通過させる重合工程と、反応域Bを通過した反応混合物を連続的に揮発物除去工程に供給する供給工程と、反応混合物から揮発物を分離除去する揮発物除去工程を有し、
反応域Bを通過後の反応混合物の重合体含有率が30〜60重量%であり、
反応域Bを通過した反応混合物中の未分解アゾ化合物が1.0×10-6モル/単量体1モル以下であり、
前記ニトリル基不含のアゾ化合物が、化学式(I)または化学式( II
【化4】
Figure 0004091689
【化5】
Figure 0004091689
で示される化合物のいずれか或いはこれらの両方であるメチルメタクリレート系重合体の製造方法に関する。
【0008】
また本発明は、上記の方法で重合体を得、この重合体と他の屈折率が異なる重合体とを複合紡糸ノズルに供給して紡糸するプラスチック光ファイバの製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明においてはニトリル基不含のアゾ化合物をラジカル重合開始剤として用いて重合を行う。
【0010】
一般にラジカル重合開始剤としては、パーオキサイド系化合物やアゾ系化合物が用いられる。しかしながら、パーオキサイド系化合物ではメルカプタン存在下で光学特性に優れたプラスチック光ファイバーに使用し得る重合体を製造することは非常に困難であった。また、アゾ系化合物のうちニトリル基を持った化合物では加熱による着色が著しく、光ファイバーに使用できるような極めて光学特性に優れた重合体が得られなかった。
【0011】
アゾ化合物のうち、ニトリル基を含まない化合物を用いることにより真に光学特性に優れたメチルメタクリレート系重合体を製造できる。特に、化学式(I)及び(II)で示される化合物(それぞれ、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)及び2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン))を用いることにより極めて光学特性に優れたメチルメタクリレート系重合体を製造でき、この重合体を芯材として製造したプラスチック光ファイバーは極めて伝送性能に優れたものである。化学式(I)で示される化合物(開始剤(I))がより好ましい。
【0013】
かし、単純にニトリル基不含のアゾ化合物を用いて重合を行うだけでは、光学特性に優れた重合体は得られない。本発明の要件を満足することにより初めて光学特性に優れたメチルメタクリレート系重合体を製造することができる。
【0014】
すなわち、本発明においては、重合体の分子量を調整する目的で連鎖移動剤としてアルキルメルカプタンを適当量使用する。炭素数が3〜6個のアルキルメルカプタンを使用することが好ましい。
【0015】
さらに、本発明では、直列に配置された完全混合型反応器一基とそれに続く完全混合型反応器または管型反応器を用いて連続的に重合を行うことが極めて重要である。
【0016】
一段目の反応域Aに完全混合型反応器を用いることにより、反応混合物中の重合体のほとんどを少量の開始剤で一定温度で安定に製造することを可能にする。一段目に管型反応器を用いると多量の開始剤が必要になるばかりか、耐熱分解性に優れた重合体が得られない。さらに管型反応器の閉塞が起こるために安定に運転することが困難である。
【0017】
二段目の反応域Bに用いる反応器は、完全混合型反応器または管型反応器のどちらでもよく、残存する未分解のラジカル開始剤を一段目の反応器の重合温度と同じか比較的近い温度で分解させる。これにより、これに引き続く揮発物除去工程に供給する供給工程と、反応混合物から揮発物を分離除去する揮発物除去工程において、高温下で後重合することを防止することができ、重合体の光学特性の低下を防ぐことができる。
【0018】
また、本発明は、塵や埃の混入の少ない塊状重合法または溶液重合法を用いて連続的に重合を行うことが好ましく、溶剤を除去する工程を必要としない塊状重合法を連続的に行うことが最も好ましい。
【0019】
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
【0020】
本発明で使用するラジカル開始剤は、異物を除去してから用いることが好ましい。異物を除去するためには例えば公知のフィルタを用いて開始剤を濾過する。この開始剤(I)、(II)は、常温で液体であることから異物除去が容易である。また、一般に市販の開始剤を用いた場合、通常製品中に開始剤以外のものが含まれている。この場合、開始剤の純度、即ち製品中に含まれる開始剤の濃度は95重量%以上であることが好ましく、97重量%以上であることが更に好ましい。ここで、「異物」とは、ゴミや粉塵などをいい、特に0.02μm以上のものをフィルタで濾過することが好ましい。また、「開始剤以外のもの」とは、開始剤の製品中に含まれる合成原料や副生成物などの残留化合物をいう。
【0021】
本発明に用いるメチルメタクリレート(MMA)を主成分とする単量体とは、MMA単独、またはMMAと他の単量体との混合物であってMMAを主成分とするものである。MMAと混合する他の単量体は特に限定されないが、フルオロアルキルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレートなどの各種(メタ)アクリレート系単量体などが好ましく用いられる。混合物の場合、メチルメタクリレートは60重量%以上含まれていることが好ましく、80重量%以上がより好ましい。
【0022】
このような開始剤および単量体、並びに後述のメルカプタンは、予め窒素等の不活性ガスを導入したり、減圧下に一定時間保持したりすることにより十分に溶存酸素を取り除いた後、一段目の完全混合型反応器に供給する。これらが反応器内に供給される前に重合が進行することを防ぐため、開始剤は通常、反応器の直前で混合されて供給される。反応器に供給された開始剤、メルカプタン及び単量体は反応器内で攪拌混合される。その際、反応器内に窒素などの不活性ガスを導入して、反応液の蒸気圧以上に加圧することが好ましい。
【0023】
本発明に用いる完全混合型反応器は、内容物の濃度斑および温度斑が実質的になくなる程度に内容物の攪拌混合が可能な反応器であって、公知のものが用いられるが、その内部を加熱および冷却できるようにジャケットを有しているものを使用することが好ましい。攪拌装置は公知のものが使用可能であり、例えばダブルヘリカルリボン翼、マックスブレンド翼(住友重機械工業(株))等が好ましい。また、攪拌動力を、1kW/m3〜5kW/m3の範囲として運転を行うことが好ましい。
【0024】
1段目の完全混合型反応器の重合温度は110℃〜160℃の範囲から適宜選択される。この重合温度が160℃を超えると二量体の生成量が多くなる。この二量体は通常の揮発物の除去方法では完全に分離しにくく、重合体に残存して密度ゆらぎの原因となり、重合体の光学特性の劣化を招く。これを防ぐため、二量体を除去しようとした場合、揮発物を除去する際に反応混合物に加える熱を大きくしなければならず、その熱が重合体の着色原因となる。光学特性がより優れた重合体を製造するためには重合温度を140℃以下とすることが好ましい。130℃以下とすることがさらに好ましい。一方、この重合温度が110℃を下回ると重合体の分子量が不均一となり重合体の収率が悪化するおそれがある。
【0025】
なお、重合温度は、所望の温度が一定に維持されるように、反応器のジャケット温度、及び単量体の供給温度を調節すること等により制御される。
【0026】
本発明の方法において反応域Bを通過後の重合体含有率は、反応混合物中の二量体の生成量を低減するため30重量%以上が好ましい。また、反応混合物中の重合体の分子量を均一にし、反応混合物の重合温度を制御しやすくするため、反応混合物中の重合体含有率は60重量%以下とすることが望ましい。
【0027】
さらに安定に重合を行うために、一段目の反応域Aにおいて、重合温度110℃〜140℃で、反応域Aにおける重合体含有率が30〜50重量%であることが好ましい。
【0028】
本発明における重合開始剤の使用量は、反応域Bを通過後の反応混合物中の重合体含有率が30〜60重量%の範囲になるように適宜決定され、その使用量については特に限定されない。また、本発明においては、重合開始剤として化合物(I)および化合物(II)のいずれか一方を単独で使用してもよいが、化合物(I)と化合物(II)の両方を混合して使用することも可能である。さらに、二段目の反応域Bに改めて重合開始剤を追加することも可能である。
【0029】
二段目の反応域Bの重合温度は、一段目の反応温度との差が20℃以下であることが好ましい。温度差が20℃を超えると、1段目の反応域Aと2段目の反応域Bでそれぞれ生成した重合体の立体規則性の違いが大きくなるため散乱損失が大きくなる。そのため、重合温度は1段目の反応域Aと2段目の反応域Bは同じであることが最も好ましい。
【0030】
二段目の反応域Bにおいては、反応域Bから出た反応混合物中に残存する未分解の開始剤が1.0×10-6モル/単量体1モル(反応混合物中の重合体も単量体量に換算して算出した。)以下となるような条件に設定することが好ましい。これは、反応域Bにおける反応混合物の滞在時間により制御することができる。また、この滞在時間に基づいて反応域Bの容積も決定される。残存する未分解の開始剤が1.0×10-6モル/単量体1モル以下にすることにより、前述の効果がさらに発現するため好ましい。
【0031】
二段目の反応域Bには、完全混合型反応器または管型反応器を用いるが、反応域の容積が小さくてすむ管型反応器がより好ましい。ここで、管型反応器とは、流れ方向に実質的に逆混合を起こさないような反応器であれば特に制限はないが、例えば、円筒空パイプ、または内部にスタティックミキサーを内装した円筒パイプ等が好ましい。パイプに内装するスタティックミキサーは、市販のものを使用することが可能で、例えばノリタケカンパニー(株)市販のスタティックミキサー、住友重機械工業(株)市販のスルーザミキサーが好ましい。
【0032】
平均滞在時間は、一段目の反応域Aでは2時間〜6時間程度が適当な範囲であり、二段目の反応域Bでは二量体の増加を抑えるため1時間以下であることが好ましい。反応域Bの平均滞在時間の下限は、式(1)〜式(3)で計算される未分解の開始剤濃度が1.0×10-6モル/単量体1モル以下になるように滞在時間を確保する。反応域Bの平均滞在時間は、好ましくは1分以上1時間以下である。
【0033】
残存する開始剤濃度の算出は、公知の方法により可能であり、例えば、一段目の反応域Aの残存開始剤濃度は下記の式(1)式から計算でき、二段目の反応域Bの残存開始剤濃度は下記の式(2)及び式(3)により計算できる。
【0034】
一段目の反応域Aの残存開始剤濃度
1=C0/(1+τ1・kd) (1)
二段目の反応域Bの残存開始剤濃度
完全混合型反応器の場合
2=C1/(1+τ2・kd) (2)
管型反応器の場合
2=C1・exp(−kd・τ2) (3)
0:開始剤の供給濃度[モル/単量体1モル]
1:反応域Aの残存開始剤濃度[モル/単量体1モル]
2:反応域Bの残存開始剤濃度[モル/単量体1モル]
τ1:反応域Aの平均滞在時間[hr]
τ2:反応域Bの平均滞在時間[hr]
d:開始剤の分解速度定数(温度の関数)[1/hr]
本発明では、上記の式(2)又は式(3)で計算される残存開始剤濃度C2が、1.0×10-6モル/単量体1モル以下にすることが好ましく、この残存開始剤濃度が実質的にゼロであることがより好ましい。
【0035】
本発明においては、反応器内に、重合体の分子量を調節するため連鎖移動剤としてアルキルメルカプタンを添加する。しかしながら、アルキルメルカプタンが重合体中に残存すると、メタクリル系樹脂においては成形加工時の熱履歴における着色原因となるため、揮発物除去工程で十分に除去することが望まれる。炭素数の多いメルカプタンは蒸気圧が低いために、揮発物除去工程の負担が大きくなると言う問題がある。そのため本発明では、比較的蒸気圧の高いメルカプタンとして炭素数が3〜6個のアルキルメルカプタンを使用することが好ましい。炭素数が3以上であると常温で気化しにくいためハンドリングが容易である。また、6以下であると蒸気圧が比較的高いため揮発物除去工程の負担を小さくできる。特にn−ブチルメルカプタンが好ましい。またメルカプタンの使用量は限定されず、分子量の調整に見合う量を使用すればよい。
【0036】
このようなアルキルメルカプタンは、常温で液体でありハンドリングが簡単な上、また比較的蒸気圧が高いために揮発物除去工程においてそのほとんどを除去することができる。その結果として、工業的に有利な、非常に不純分の少ない透明性に優れたメタクリル系樹脂の製造が可能となる。
【0037】
重合後、反応器から取り出された反応混合物は、公知のポンプ等を用いて連続的に揮発物除去工程に送られる。
【0038】
揮発物を除去する方法は特に限定されず、公知の方法を用いればよい。例えばベントエクストルーダ型押し出し機などに反応混合物を供給することにより揮発物を除去することができる。その際、押出機内の温度を高くすると揮発物はより効果的に除去されるが、揮発物除去後に得られる重合体が着色するなど劣化のおそれがあるので、押出機内の温度は揮発物を除去できる範囲でできるだけ低くすることが好ましい。具体的には押出機内の温度は190℃〜260℃程度とすることが好ましい。なお、揮発物とは、未反応単量体、二量体、未反応のメルカプタン等をいう。
【0039】
生産性を良くするためには、揮発物の除去装置に反応混合物を連続的に供給することが好ましい。
【0040】
以上、塊状重合を採用した場合を説明したが、本発明において溶液重合法を採用する場合は、単量体、重合開始剤、連鎖移動剤に加えて溶媒を一段目の完全混合型反応器に供給する。
【0041】
溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、エチルベンゼン、メチルイソブチルケトン、酢酸n−ブチルなど公知の溶剤が使用可能である。メタノール、エチルベンゼン、酢酸n−ブチルなどが特に好ましい。
【0042】
また、単量体、開始剤および溶媒の合計量に対する溶媒の含有量は、40重量%以下であり、20重量%以下であることがより好ましい。
【0043】
溶液重合の場合、特に重合開始剤の使用量は限定されず、溶媒使用量と所望の重合体含有率にあわせて、安定に重合を行える範囲で任意に決定することができる。
【0044】
また溶液重合の場合、重合反応域における反応混合物の重合体含有率は工業的に優位に生産するために40〜70重量%であることが好ましい。また、溶媒は揮発物除去工程において揮発物と一緒に回収することが好ましい。その際の方法は特に限定されず、例えばベントエクストルーダ型押出機などに反応混合物を供給する方法が用いられる。押出機内の温度は190℃〜260℃程度とすることが好ましい。
【0045】
これらの点を除いて、塊状重合法の場合と同様にして溶液重合法を用いて本発明を実施することができる。
【0046】
以上のようにして得られた重合体を用いて光ファイバを製造すると、伝送性能に優れた光ファイバを得ることができる。
【0047】
光ファイバの構造は特に限定されず、例えば芯鞘が同心円状に積層され、その界面で屈折率が急激に変化するSI型光ファイバ、中心から外周に向かって屈折率が連続的に変化するGI型光ファイバ、中心から外周に向かって屈折率が段階的に変化する光ファイバなどが挙げられる。本発明により製造された重合体は光学特性に優れているので、光ファイバに光を透過させた際に光が主に通過する部分、例えばSI型光ファイバにおいては芯を構成する成分に用いることが好ましい。
【0048】
光ファイバを製造する際には、複数の材料を同心円状に積層して吐出する複合紡糸ノズルを用いて紡糸することが好ましい。複合紡糸ノズルとしては二層以上のものが適宜用いられる。例えば中心から外周に向かって屈折率が段階的に変化する光ファイバを製造する際には三層以上の複合紡糸ノズルを用いる。またSI型光ファイバを製造する際には二層の複合紡糸ノズルの内層に芯成分を外層に鞘成分をそれぞれ供給して紡糸する。なお、光ファイバの製造方法は複合紡糸ノズルを用いる方法に限定されるものではなく、SI型光ファイバを製造する場合、例えば芯成分のみを紡糸し、その外層に鞘成分を溶融塗布する方法などが用いられる。
【0049】
SI型光ファイバを製造する際の、鞘成分としては例えばフッ化ビニリデンとフルオロアルキルビニルエーテル、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、または酢酸ビニルなどとの共重合体などが使用しうる。また、フッ化アルキルメタクリレート、フッ化アルキルアクリレート等とメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等との共重合体等も使用しうる。好ましいものとして、フッ化ビニリデンを主成分とする重合体が挙げられる。この重合体としては、例えばフッ化ビニリデンを75〜99重量%含有するフッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデン75〜95重量%とテトラフルオロエチレン4〜20重量%とヘキサフルオロプロペン1〜10重量%とからなる共重合体、フッ化ビニリデン75〜95重量%とテトラフルオロエチレン4〜20重量%とフッ化ビニル1〜5重量%とからなる共重合体などが挙げられる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例により更に詳細に本発明を説明する。
【0051】
(実施例1)
精製したMMAに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬製V−601、純度99重量%)を2.0 ×10-5 モル/単量体1モルの割合で、n−ブチルメルカプタン(ELF ATOCHEM NORTH AMERICA INC製、純度99.5重量%)を1.75×10-3 モル/単量体1モルの割合でそれぞれ添加した混合物を一段目の完全混合型反応器に連続的に供給した。重合温度は135℃に制御されており、反応槽内に供給された混合物は攪拌翼により撹拌混合されていた。この平均滞留時間は4時間とした。
【0052】
2段目の反応域Bにはスタティックミキサーを内装した管型反応器を用い、重合温度は135℃、滞在時間は20分で重合を実施した。
【0053】
反応混合物を連続的に取り出し、ポンプを用いて送液し、連続的にベントエクストルーダ型押し出し機に供給して揮発物を分離除去して重合体を得た。
【0054】
360時間の連続運転においても、操業が極めて安定しており、運転終了後に反応器内を観察しても装置への重合体の付着および異物の生成等は認められなかった。
【0055】
管型反応器から取り出された直後の反応混合物の重合体含有率は48重量%であり、二量体含有率は0.05重量%であった。また、反応混合物から揮発物を分離した後の重合体の残存モノマー率は0.1重量%であり、二量体の含有量は0.03重量%以下であった。
【0056】
計算から求められた未分解の残存開始剤濃度は、一段目の完全混合器出口において3.5×10-8モル/単量体1モル、二段目の管型反応器の出口において1.4×10-28モル/単量体1モルである。
【0057】
この重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC法)により測定した重量平均分子量(Mw)は95000であり、また重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は2.0であり、この重合体は極めて分子量分布の狭いものであった。また、熱天秤により測定した加熱減量温度は286℃、走査型示差熱量計により測定したガラス転移点は120℃と高く、この重合体は熱特性的にも良好であった。
【0058】
引き続き、二層の複合紡糸ノズルを用い、この重合体を芯成分として二層の複合紡糸ノズルの内層に、別途製造した2、2、2−トリフルオロエチルメタクリレートの重合体を鞘成分として複合紡糸ノズルの外層に供給し、複合紡糸ノズルの温度を210℃として溶融複合紡糸を行うことにより芯鞘構造を有するプラスチック光ファイバを得た。
【0059】
そのプラスチック光ファイバの透光性能を評価した。波長520nm,570nm,650nmにおける光ファイバの透光損失はそれぞれ70dB/km、62dB/km、133dB/kmと伝送損失が小さく極めて光学特性に優れたものであった。
【0060】
(実施例2)
重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)(和光純薬製VR−110、純度99重量%)を用い、開始剤量を1.2×10-5モル/単量体1モルとし、二段目の管型反応器において145℃で重合を行った以外は実施例1と同様に重合を実施して光ファイバを得た。
【0061】
二段目の管型反応器から取り出された直後の反応混合物の重合体含有率は50重量%であった。また、この反応混合物から揮発物を分離除去した後の重合体の残存モノマー率は0.09重量%であり、二量体の含有量は0.03重量%であった。
【0062】
計算から求められる未分解の残存開始剤濃度は、一段目の完全混合器出口において2.1×10-6モル/単量体1モル、二段目の管型反応器の出口において7.0×10-7モル/単量体1モルである。
【0063】
また、光ファイバーの透光損失は520nm、570nm、650nmの各波長でそれぞれ75dB/km、68dB/km、133dB/kmであり、この光ファイバは極めて光学特性に優れたものであった。
【0064】
(実施例3〜4)
表1に示す条件以外は実施例1と同様の方法により実施した。
【0065】
(比較例1)
ラジカル開始剤として2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)を用い、開始剤量を1.2×10-5モル/単量体1モルとし、完全混合型反応器一基を用いて重合を行い光ファイバを得た。
【0066】
反応器から取り出された直後の反応混合物の重合体含有率は47重量%であり、この反応混合物から揮発物を分離除去した後の重合体の残存モノマー含有率は0.09重量%、二量体の含有率は0.03重量%であった。
【0067】
残存開始剤濃度は、完全混合型反応器出口において2.1×10-6モル/単量体1モルであった。
【0068】
また、光ファイバーの透光損失は570nm、650nmの各波長でそれぞれ83dB/km、140dB/kmであり、その光学特性は十分なものではなかった。
【0069】
表1に重合条件、表2に評価結果をそれぞれ示す。
【0070】
【表1】
Figure 0004091689
【0071】
【表2】
Figure 0004091689
【0072】
【発明の効果】
本発明の方法により、光学特性が十分に優れたメチルメタクリレート系重合体、及び伝送性能に優れたプラスチック光ファイバを製造することができる。

Claims (5)

  1. 完全混合型反応器の反応域Aと完全混合型反応器もしくは管型反応器の反応域Bが直列に配置された反応装置を用いた重合方法であって、
    メチルメタクリレートが60重量%以上含まれている単量体、ニトリル基不含のアゾ化合物の一種以上および連鎖移動剤としてアルキルメルカプタンを反応域Aに連続的に供給して重合温度110℃〜160℃で重合を行った後、反応混合物を連続的に反応域Bを通過させる重合工程と、反応域Bを通過した反応混合物を連続的に揮発物除去工程に供給する供給工程と、反応混合物から揮発物を分離除去する揮発物除去工程を有し、
    反応域Bを通過後の反応混合物の重合体含有率が30〜60重量%であり、
    反応域Bを通過した反応混合物中の未分解アゾ化合物が1.0×10-6モル/単量体1モル以下であり、
    前記ニトリル基不含のアゾ化合物が、化学式(I)または化学式( II
    Figure 0004091689
    Figure 0004091689
    で示される化合物のいずれか或いはこれらの両方であるメチルメタクリレート系重合体の製造方法。
  2. 塊状重合法により重合を行う請求項に記載のメチルメタクリレート系重合体の製造方法。
  3. 反応域Aの重合温度が110℃〜140℃で、かつ反応域Aにおける重合体含有率が30〜50重量%である請求項1又は2に記載のメチルメタクリレート系重合体の製造方法。
  4. 反応域Aと反応域Bにおける重合温度の差が20℃以下である請求項1〜のいずれか1項に記載のメチルメタクリレート系重合体の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法で重合体を得、この重合体と他の屈折率が異なる重合体とを複合紡糸ノズルに供給して紡糸するプラスチック光ファイバの製造方法。
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