JP4089537B2 - 空燃比センサの異常検出装置 - Google Patents

空燃比センサの異常検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4089537B2
JP4089537B2 JP2003273049A JP2003273049A JP4089537B2 JP 4089537 B2 JP4089537 B2 JP 4089537B2 JP 2003273049 A JP2003273049 A JP 2003273049A JP 2003273049 A JP2003273049 A JP 2003273049A JP 4089537 B2 JP4089537 B2 JP 4089537B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
fuel ratio
ratio sensor
output
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003273049A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005030358A (ja
Inventor
靖志 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2003273049A priority Critical patent/JP4089537B2/ja
Publication of JP2005030358A publication Critical patent/JP2005030358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4089537B2 publication Critical patent/JP4089537B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

この発明は空燃比センサの異常検出装置に関し、特に、内燃機関等の排気ガスの酸素濃度を測定する酸素センサの異常検出装置に適用して好適である。
従来から、内燃機関の排気ガス中のエミッションを低下させるために、内燃機関の排気系に取り付けたA/Fセンサ(酸素センサ)の出力信号に基づいて、内燃機関に供給する燃料混合気の空燃比(A/F)が制御されている。
このようなA/Fセンサの異常を判定する方法として、A/Fをリーン/リッチに強制振動させて、そのときのセンサ出力の応答性からA/Fセンサの異常を検出する方法が知られている。
特許第2837690号公報 特開平5−256175号公報 特開平8−254519号公報 特開平8−101161号公報 特開平4−134152号公報
しかしながら、A/Fをリーン/リッチに強制振動させた場合に、正常センサと異常センサのそれぞれの出力に大きな相違が発生しないために、センサの異常検出が困難となる場合がある。図12は、燃料噴射弁からの燃料噴射量を所定の周期Tで増減させて、A/Fをリーン/リッチに強制振動させた場合のA/Fセンサ出力を示す特性図である。図12において、実線100aは正常センサの出力を、破線100bは異常センサの出力を示している。このように、周期Tで燃料噴射量を増減させると、正常センサ、異常センサの出力100a,100bは、理論空燃比に対応する出力102を中心として振動する。
図12に示すように、時刻t11で燃料噴射量がリッチからリーンに切り換わると、出力100a,100bは増加していき、最大値に到達する。時刻t12で燃料噴射量がリーンからリッチに切り換わると、出力100a,100bは減少し、最小値に到達する。
図12に示すように、正常センサは応答性が良好であるため、時刻t11で燃料噴射量がリッチからリーンに切り換わった後、短時間で最大値に到達する。一方、異常センサの出力100bは正常センサの出力100aに比べて応答遅れが生じている。
このとき、周期Tが比較的長い場合は、センサが劣化している場合であっても出力が大きくなるという問題が発生する。すなわち、図12に示すように、応答性の劣化している異常センサの出力100bは、周期Tの間に最大値または最小値に到達し、正常センサの出力100aと同等になる。
センサ出力の応答性からA/Fセンサの異常検出を行う場合、具体的にはセンサ出力の軌跡長、またはセンサ出力と理論空燃比の出力102とで囲まれた領域の面積に基づいて異常検出を行う。図12に示すように、正常センサの出力100aと異常センサの出力100bが同等の出力レベルになると、軌跡長または面積に基づいて異常検出を行うことが困難となる。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、燃料噴射量を周期的に増減して空燃比センサの異常検出を行う場合に、空燃比センサの異常検出を高い精度で行うことを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、オープンループ制御により燃料噴射量を周期的に増減する燃料噴射量増減手段と、空燃比を検出する空燃比センサと、前記空燃比センサの出力に基づいて前記空燃比センサの異常を検出する異常検出手段と、吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、前記吸入空気量に応じて前記燃料噴射量を増減する周期を可変する周期可変手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記周期可変手段は、前記吸入空気量の増加に応じて前記周期を短くすることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記異常検出手段は、前記空燃比センサの出力の軌跡長と所定の基準値とを比較した結果に基づいて前記空燃比センサの異常を検出することを特徴とする。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、前記異常検出手段は、前記空燃比センサの出力から得られる面積と所定の基準値とを比較した結果に基づいて前記空燃比センサの異常を検出することを特徴とする。
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれかにおいて、前記吸入空気量に応じて前記空燃比センサの出力を補正する第1の補正手段を更に備えたことを特徴とする。
第6の発明は、第1〜第5の発明のいずれかにおいて、大気圧を検出する大気圧検出手段と、前記大気圧に応じて前記空燃比センサの出力を補正する第2の補正手段と、を更に備えたことを特徴とする。
第1の発明によれば、吸入空気量に応じて燃料噴射量を増減する周期を可変することができるため、正常センサと異常センサの出力の差を確実に検出することが可能となる。従って、空燃比センサの異常検出を高い精度で行うことが可能となる。
第2の発明によれば、吸入空気量に応じて燃料噴射量を増減する周期を短くすることで、異常センサの出力がピーク値に到達する前に燃料噴射量を切り換える制御が可能となる。従って、正常センサの出力と異常センサの出力が確実に相違することとなり、空燃比センサの異常検出を高い精度で行うことが可能となる。
第3の発明によれば、空燃比センサの出力の軌跡長と所定の基準値とを比較した結果に基づいて空燃比センサの異常を確実に検出することができる。
第4の発明によれば、空燃比センサの出力から得られる面積と所定の基準値とを比較した結果に基づいて前記空燃比センサの異常を検出することができる。
第5の発明によれば、吸入空気量に応じて空燃比センサの出力を補正することができるため、補正した空燃比センサの出力に基づいて高精度に空燃比センサの異常検出を行うことができる。
第6の発明によれば、大気圧に応じて空燃比センサの出力を補正することができるため、補正した空燃比センサの出力に基づいて高精度に空燃比センサの異常検出を行うことができる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の各実施の形態にかかる空燃比センサの異常検出装置及びその周辺の構造を説明するための図である。内燃機関10には吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12は、上流側の端部にエアフィルタ16を備えている。エアフィルタ16には、吸気温THA(すなわち外気温)を検出する吸気温センサ18が組みつけられている。
エアフィルタ16の下流には、エアフロメータ20が配置されている。エアフロメータ20は、吸気通路12を流れる空気流入量Gaを検出するセンサである。エアフロメータ20の下流には、スロットルバルブ22が設けられている。スロットルバルブ22の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットルセンサ24と、スロットルバルブ22が全閉となることでオンとなるアイドルスイッチ26とが配置されている。
スロットルバルブ22の下流には、サージタンク28が設けられている。また、サージタンク28の更に下流には、内燃機関10の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁30が配置されている。
排気通路14には、上流側触媒(スタートキャタリスト)32と下流側触媒(NO吸蔵触媒)34とが直列に配置されている。排気通路14における上流側触媒32の上流には、空燃比センサ(A/Fセンサ)35が配置されている。空燃比センサ35は排気ガス中の酸素濃度を検出するセンサであって、上流側触媒32に流入する排気ガス中の酸素濃度に基づいて内燃機関10で燃焼に付された混合気の空燃比を検出するものである。また、排気通路14における上流側触媒32と下流側触媒34の間には、O2センサ38が配置されている。
図1に示すように、本実施形態の異常検出装置はECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、上述した各種センサおよび燃料噴射弁30に加えて、車速SPDを検出する車速センサ44、大気圧を検出する大気圧センサ46などが接続されている。
本実施形態の異常検出装置は、オープンループ制御により、ベース噴射量を基準として燃料噴射弁30から噴射する燃料噴射量を周期的に増減させる制御(空燃比アクティブ制御)を行い、そのときの空燃比センサ35の応答性からセンサの異常を検出する。オープンループ制御により燃料噴射量を増減させることで、空燃比センサ35の応答性を直接的に検出することができ、異常検出を正確に行うことができる。
図2は、オープンループ制御により空燃比アクティブ制御を行った場合の、燃料噴射量と空燃比センサ35の出力(A/F出力50)を示すタイミングチャートである。ここで、図2(A)は、周期的に増減させた燃料噴射量を、図2(B)は空燃比センサ35から検出されたA/F出力50を、それぞれ示している。
図2(A)に示すように、空燃比アクティブ制御では、ベース燃料噴射量TAUに対して所定の噴射量ΔTauを増量または減量することで、燃料噴射量を周期的に増減させる。ベース燃料噴射量TAUは、ストイキ(=14.6)の空燃比に対応した燃料噴射量であって、吸入空気量Gaに基づいて求められる値である。また、Δtauは、ベース燃料噴射量に所定の比率を乗算して得られる値である。従って、吸入空気量Gaが異なる条件下ではベース燃料噴射量TAUは異なり、ベース燃料噴射量TAUに応じてΔTauの値も異なる値となる。
図2(B)に示すように、A/F出力50は、燃料噴射量の増減に応じてストイキのA/F出力55を中心としてリッチ/リーンに変動する。
図3(A)は、図2(B)のA/F出力50を詳細に示す模式図である。図3(A)において、A/F出力50aは空燃比センサ35が正常な場合の出力を、A/F出力50bは空燃比センサ35が異常な場合の出力をそれぞれ示している。図3(A)に示すように、正常センサのA/F出力50aは、異常センサのA/F出力50bに比べて良好な応答性を示す。本実施形態の異常検出装置は、正常センサのA/F出力50aを基準とし、正常センサのA/F出力50aと異常センサのA/F出力50bの軌跡長を比較することで異常検出を行う。また、正常センサのA/F出力50aとストイキのA/F出力55とによって囲まれる面積と、異常センサのA/F出力50bとストイキのA/F出力55とによって囲まれる面積とを比較することで異常検出を行ってもよい。なお、以下の説明では、A/F出力50とストイキのA/F出力55で囲まれる面積を単に「面積」という。
図3(A)に示すように、時刻t1において燃料噴射量をリッチからリーンに切り換えると、A/F出力50a,50bは増加し、時刻t2で正常センサのA/F出力50aは最大値に到達する。時刻t2で燃料噴射量をリーンからリッチに切り換えると、A/F出力50a,50bは減少し、時刻t3で正常センサのA/F出力50aは最小値に到達する。正常センサのA/F出力50aが最大値に到達した時刻t2の時点では異常センサのA/F出力50bは最大値に到達しておらず、また、正常センサのA/F出力50aが最小値に到達した時刻t3の時点では異常センサのA/F出力50bは最小値に到達していない。従って、時刻t1から時刻t2の間、または時刻t2から時刻t3の間におけるA/F出力50aとA/F出力50bの軌跡長、面積は明確に相違し、軌跡長または面積に基づいて空燃比センサ35の異常判定を正確に行うことができる。
図3(B)は、図3(A)の場合よりも吸入空気量Gaが増加した場合のA/F出力50を示している。吸入空気量Gaが増加すると燃料噴射量の増減に対するA/F出力50の応答性が良好となり、正常センサのA/F出力50aは時刻t4で最大値に到達する。すなわち、燃料噴射量をリッチからリーンに切り換えた後、図3(A)の場合よりも短時間で正常センサのA/F出力50aは最大値に到達する。また、異常センサのA/F出力50bの応答性も良好となり、A/F出力50bは時刻t5で最大値に到達する。
吸入空気量Gaに応じて空燃比センサ35の出力の応答性が変動する要因として、排気輸送遅れ時間の変動と、空燃比センサ35における反応速度の変動を挙げることができる。
燃料噴射弁30において燃料噴射量を増減させた後、燃料の増減分が反映された排気ガスが空燃比センサ35まで到達する時間(排気輸送遅れ時間)は吸入空気量Gaに応じて変動する。そして、吸入空気量Gaが多いほど吸気、排気の流速が速くなるため、排気輸送遅れ時間は短くなる。従って、吸入空気量Gaが増加すると空燃比センサ35の応答性は良好となる。
また、吸入空気量Gaが多くなると、空燃比センサ35の近傍の酸素濃度は高くなる。酸素濃度が高くなると、空燃比センサ35における反応が促進されるため、空燃比センサ35における反応速度は速くなる。従って、吸入空気量Gaが多くなると、空燃比センサ35の応答性は良好となる。
図3(B)に示すように、吸入空気量Gaの増加によって空燃比センサ35の応答性が良好となると、時刻t1で燃料噴射量をリッチからリーンに切り換えた後、次に燃料噴射量をリーンからリッチに切り換えるまでの間に正常センサと異常センサの双方のA/F出力50a,50bが最大値に到達してしまう。従って、正常センサのA/F出力50aと異常センサのA/F出力50bとの間において、軌跡長または面積に殆ど差が生じなくなる。
そこで、本実施形態の異常検出装置では、吸入空気量Gaの変動に応じて、燃料噴射量を増減する周期Tを変動させるようにしている。すなわち、図3(B)に示すように、時刻t1において燃料噴射量をリッチからリーンに切り換えた後、正常センサの出力が最大値に達した時刻t4の時点で燃料噴射量をリーンからリッチに切り換えるようにする。これにより、正常センサの出力がピークに到達する時間(時刻t1からt4までの時間)T’で燃料噴射量の切り換えが行われることとなる。そして、以降の燃料噴射量の切り換え周期をT’として燃料噴射量の増減を行う。
これにより、正常センサの出力が最大値に到達した直後に燃料噴射量を切り換える制御が可能となる。そして、時刻t4の時点では異常センサのA/F出力50bは最大値に到達していないため、正常センサのA/F出力50aと異常センサのA/F出力50bとは明確に相違することとなる。従って、正常センサの軌跡長または面積を基準として、異常判定の対象となる空燃比センサ35の出力の軌跡長、面積と比較することにより、空燃比センサ35の異常検出を正確に行うことが可能となる。
なお、燃料噴射量の増減の周期を図3(B)に示すT’よりも短くすると、正常センサのA/F出力50aと異常センサのA/F出力50bとの差が小さくなる。従って、燃料噴射量をリッチ→リーンまたはリーン→リッチに切り換えた後、正常センサのA/F出力50aが最大値または最小値に到達するのに必要な時間で燃料噴射量を切り換えることが好適である。
図4は、燃料噴射量を増減する周期Tと吸入空気量Gaとの関係を示す特性図である。吸入空気量Gaの増加に伴って空燃比センサ35の出力の応答性が良好となるため、図4に示すように、吸入空気量Gaの増加に伴って周期Tを短くするように制御を行う。図4の特性は、燃料噴射量をリッチ→リーンまたはリーン→リッチに切り換えた後、正常センサのA/F出力50aが最大値または最小値に到達する時間を吸入空気量Ga毎に測定することで得ることができる。ECU40は、図4の特性をマップとして記憶している。図4に基づいて、吸入空気量Gaに応じて周期Tを可変することで、どの吸入空気量域であっても空燃比センサ35の異常検出を正確に行うことが可能となる。
次に、図5のフローチャートに基づいて、本実施形態の異常検出装置における処理の手順を説明する。先ず、ステップS1では、アクティブ制御条件が成立しているか否かを判定する。ここで、アクティブ制御条件の成立している場合とは、定速運転時など負荷変動の少ない場合、空燃比センサ35が活性状態に達している場合、水温、触媒温度が適温に達している場合、などをいう。アクティブ制御条件が成立している場合は、空燃比センサ35の異常検出が可能であるためステップS2へ進む。一方、アクティブ制御条件が成立していない場合は終了する(END)。
ステップS2では、エアフロメータ20から吸入空気量Gaを検出し、次のステップS3では、ステップS2で検出した吸入空気量Gaを図4の特性に当てはめて、燃料噴射量を増減する周期Tを吸入空気量Gaに応じた時間に設定する。
次のステップS4では、ステップS3で設定した周期Tで燃料噴射量を増減させ、空燃比アクティブ制御を行う。次のステップS5では、空燃比アクティブ制御を行っている状態で空燃比センサ35の出力を検出する。
次のステップS6では、検出した空燃比センサ35の出力の軌跡長L1を求める。ここでは、例えば所定回数の燃料噴射量の増減に対応したA/F出力50の軌跡長L1を求める。次のステップS7では、上記所定回数の燃料噴射量に対応した正常センサのA/F出力50aの軌跡長L2を取得する。ここで、正常センサの軌跡長L2は、各吸入空気量Ga毎に予め求めておき、ECU40に記憶させておく。そして、ステップS7では、ステップS2で検出した吸入空気量Gaに対応した軌跡長L2を取得する。
次のステップS8では、ステップS6で求めた軌跡長L1とステップS7で取得した軌跡長L2との差の絶対値|L1−L2|を求め、絶対値|L1−L2|と所定のしきい値との大小関係を比較する。
ステップS8で絶対値|L1−L2|が所定のしきい値以下である場合は、ステップS9へ進み、空燃比センサ35が正常であると判定する。一方、ステップS8で絶対値|L1−L2|が所定のしきい値よりも大きい場合は、ステップS10へ進み、空燃比センサ35が異常であると判定する。
なお、図5のフローチャートでは、空燃比センサ35の出力の軌跡長に基づいて異常検出を行ったが、面積に基づいて異常検出を行っても良い。
以上説明したように実施の形態1によれば、オープンループ制御で燃料噴射量を周期的に増減させて空燃比センサ35の異常検出を行う場合において、吸入空気量Gaの変動に伴う空燃比センサ35の応答性の変動を考慮して、吸入空気量Gaに応じて燃料噴射量を増減する周期Tを変更するようにしたため、正常センサと異常センサの出力の差を確実に検出することが可能となる。従って、空燃比センサ35の異常検出を高い精度で行うことが可能となる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、吸入空気量および大気圧に応じて空燃比センサ35の出力を補正するものである。
図6は、大気圧と空燃比センサ35の出力の軌跡長との関係を示す特性図であって、横軸は大気圧(mmHg)を、縦軸は空燃比センサ35の出力の軌跡長を電圧(V)で示している。図6に示すように、空燃比センサ35の出力の軌跡長は大気圧に応じて変動し、大気圧が高くなると軌跡長が長くなる。これは、大気圧の上昇に応じて排気通路14における排気圧が高くなることに起因している。排気圧が上昇すると、空燃比センサ35近傍における酸素濃度が高くなり、空燃比センサ35での反応が促進され、空燃比センサ35の出力は増加する。
図7は、空燃比センサ35の出力と軌跡長との関係を説明するための模式図である。図7において、出力Bの軌跡長(P1→P2)は出力Aの軌跡長(P1→P3)より長く、大気圧の上昇によって空燃比センサ35の出力が出力Aから出力Bに増加すると、空燃比センサ35の出力の軌跡長は増加する。従って、図6に示すように、大気圧の上昇により空燃比センサ35の出力が増加すると、出力の軌跡長は長くなる。
また、図8は、吸入空気量Gaと空燃比センサ35の出力の軌跡長との関係を示す特性図であって、横軸は吸入空気量(g/sec)を、縦軸は空燃比センサ35の出力の軌跡長を電圧(V)で示している。図8に示すように、空燃比センサ35の出力の軌跡長は吸入空気量Gaに応じて変動し、吸入空気量Gaが多くなると軌跡長が長くなる。これは、実施の形態1で説明したように、吸入空気量Gaの増加により空燃比センサ35近傍における酸素濃度が上昇し、空燃比センサ35における反応が促進され、空燃比センサ35の出力が増加するためである。そして、空燃比センサ35の出力が増加すると、図7で説明したように空燃比センサ35の出力の軌跡長が増加することとなる。
このように、大気圧または吸入空気量Gaの変動に応じて軌跡長は変動し、大気圧または吸入空気量Gaの変動に応じた誤差が空燃比センサ35の出力に含まれることとなる。従って、空燃比センサ35の出力に基づいて異常検出をすると、誤判定が生じる可能性がある。このため、本実施形態では、大気圧または吸入空気量Gaの変動に応じて空燃比センサ35の出力を補正するようにしている。
図9は、空燃比センサ35の出力(軌跡長、面積)を補正するための補正係数k1と大気圧との関係を示す模式図である。図9に示すように、大気圧が高くなるほど補正係数k1は小さな値に設定されている。大気圧が高くなると空燃比センサ35の出力が大きくなるため、大気圧の上昇に応じて減少する補正係数k1を用いて空燃比センサ35の出力を補正することで、正確な異常検出が可能となる。
図10は、空燃比センサ35の出力を補正するための補正係数k2と吸入空気量Gaとの関係を示す模式図である。図10に示すように、吸入空気量Gaが多くなるほど補正係数k2は小さな値に設定されている。吸入空気量Gaが多くなると空燃比センサ35の出力が大きくなるため、吸入空気量Gaの増加に応じて減少する補正係数k2を用いて空燃比センサ35の出力を補正することで、正確な異常検出が可能となる。
ECU40は、図9、図10の関係をマップに記憶しており、空燃比センサ35の出力から求めた軌跡長または面積に補正係数k1、および補正係数k2を乗じて補正を行う。なお、大気圧および吸入空気量Gaから1つの補正係数を決定する2次元マップをECU40に記憶させ、1つの補正係数のみで空燃比センサ35の出力を補正するようにしてもよい。
次に、図11のフローチャートに基づいて、本実施形態の異常検出装置における処理の手順を説明する。先ず、ステップS11では、アクティブ制御条件が成立しているか否かを判定する。アクティブ制御条件が成立している場合はステップS12へ進み、アクティブ制御条件が成立していない場合は終了する(END)。
ステップS12では、エアフロメータ20から吸入空気量Gaを検出し、大気圧センサ46から大気圧を検出する。次のステップS13では、図9、図10に基づいて、吸入空気量Ga及び大気圧に応じた補正係数k1およびk2を取得する。
次のステップS14では、ステップS12で検出した吸入空気量Gaを実施の形態1の図4の特性に当てはめて、燃料噴射量のリッチ/リーンの切り換え周期Tを吸入空気量Gaに応じた時間に設定する。
次のステップS15では、ステップS14で設定した周期Tで燃料噴射量を増減させる。次のステップS16では、燃料噴射量を増減させた状態で空燃比センサ35の出力を検出する。
次のステップS17では、検出した空燃比センサ35の出力の軌跡長L1を求める。ここでは、例えば所定回数の燃料噴射量の増減に対応したA/F出力50の出力の軌跡長L1を求める。次のステップS18では、ステップS13で取得した補正係数k1,k2を用いて軌跡長L1を補正し、軌跡長L1の補正値L1’を算出する。具体的には、軌跡長L1に補正係数k1,k2をそれぞれ乗じて補正値L1’を算出する。
次のステップS19では、上記所定回数の燃料噴射量に対応した正常センサのA/F出力50aの軌跡長L2を取得する。ここで、正常センサの軌跡長L2は各吸入空気量Ga毎に予め求めておき、ECU40に記憶させておく。そして、ステップS19では、ステップS12で検出した吸入空気量Gaに対応した軌跡長L2を取得する。
次のステップS20では、ステップS18で求めた軌跡長L1の補正値L1’とステップS19で取得した軌跡長L2との差の絶対値|L1’−L2|を求め、|L1’−L2|と所定のしきい値との大小関係を比較する。
ステップS20で絶対値|L1’−L2|が所定のしきい値以下の場合は、ステップS21へ進み、空燃比センサ35が正常であると判定する。一方、ステップS20で絶対値|L1’−L2|が所定のしきい値よりも大きい場合は、ステップS22へ進み、空燃比センサ35が異常であると判定する。
なお、図11のフローチャートでは、実施の形態1で説明した吸入空気量Gaに応じた周期Tの設定と、大気圧及び吸入空気量Gaに応じた空燃比センサ35の出力補正との双方を行ったが、周期Tを固定値とし、大気圧及び吸入空気量Gaに応じて空燃比センサ35の出力を補正するようにしてもよい。また、図11のフローチャートでは、空燃比センサ35の出力の軌跡長に基づいて異常検出を行ったが、面積に基づいて異常検出を行っても良い。
以上説明したように実施の形態2によれば、吸入空気量Gaまたは大気圧に応じて空燃比センサ35の出力を補正するようにしたため、吸入空気量Gaまたは大気圧の影響で空燃比センサ35の出力が変動した場合であっても、空燃比センサ35の異常検出を高い精度で行うことが可能となる。
なお、実施の形態2では大気圧に応じて空燃比センサ35の出力を補正することとしたが、例えば排気圧センサを備えた機関の場合、排気圧に基づいて空燃比センサ35の出力を補正してもよい。
本発明の各実施の形態にかかる空燃比センサの異常検出装置及びその周辺の構造を説明するための模式図である。 オープンループ制御により空燃比アクティブ制御を行った場合の、燃料噴射量と空燃比センサの出力を示すタイミングチャートである。 図2(B)のA/F出力を詳細に示す模式図である。 燃料噴射量を増減する周期Tと吸入空気量Gaとの関係を示す特性図である。 実施の形態1の異常検出装置における処理の手順を示すフローチャートである。 大気圧と空燃比センサの出力の軌跡長との関係を示す特性図である。 空燃比センサの出力と軌跡長との関係を説明するための模式図である。 吸入空気量Gaと空燃比センサの出力の軌跡長との関係を示す特性図である。 空燃比センサの出力を補正するための補正係数k1と大気圧との関係を示す模式図である。 空燃比センサ35の出力を補正するための補正係数k2と吸入空気量Gaとの関係を示す模式図である。 実施の形態2の異常検出装置における処理の手順を示すフローチャートである。 A/Fをリーン/リッチに強制振動させた場合のA/Fセンサ出力を示す特性図である。
符号の説明
20 エアフロメータ
30 燃料噴射弁
35 A/Fセンサ
40 ECU
46 大気圧センサ

Claims (6)

  1. オープンループ制御により燃料噴射量を周期的に増減する燃料噴射量増減手段と、
    空燃比を検出する空燃比センサと、
    前記空燃比センサの出力に基づいて前記空燃比センサの異常を検出する異常検出手段と、
    吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
    前記吸入空気量に応じて前記燃料噴射量を増減する周期を可変する周期可変手段と、
    を備えたことを特徴とする空燃比センサの異常検出装置。
  2. 前記周期可変手段は、前記吸入空気量の増加に応じて前記周期を短くすることを特徴とする請求項1記載の空燃比センサの異常検出装置。
  3. 前記異常検出手段は、前記空燃比センサの出力の軌跡長と所定の基準値とを比較した結果に基づいて前記空燃比センサの異常を検出することを特徴とする請求項1又は2記載の空燃比センサの異常検出装置。
  4. 前記異常検出手段は、前記空燃比センサの出力から得られる面積と所定の基準値とを比較した結果に基づいて前記空燃比センサの異常を検出することを特徴とする請求項1又は2記載の空燃比センサの異常検出装置。
  5. 前記吸入空気量に応じて前記空燃比センサの出力を補正する第1の補正手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空燃比センサの異常検出装置。
  6. 大気圧を検出する大気圧検出手段と、
    前記大気圧に応じて前記空燃比センサの出力を補正する第2の補正手段と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空燃比センサの異常検出装置。
JP2003273049A 2003-07-10 2003-07-10 空燃比センサの異常検出装置 Expired - Lifetime JP4089537B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003273049A JP4089537B2 (ja) 2003-07-10 2003-07-10 空燃比センサの異常検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003273049A JP4089537B2 (ja) 2003-07-10 2003-07-10 空燃比センサの異常検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005030358A JP2005030358A (ja) 2005-02-03
JP4089537B2 true JP4089537B2 (ja) 2008-05-28

Family

ID=34210411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003273049A Expired - Lifetime JP4089537B2 (ja) 2003-07-10 2003-07-10 空燃比センサの異常検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4089537B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7751966B2 (en) 2006-12-21 2010-07-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Abnormality diagnostic device and abnormality diagnostic method for air-fuel ratio sensor
JP2008190454A (ja) 2007-02-06 2008-08-21 Toyota Motor Corp 空燃比センサの異常診断装置及び異常診断方法
JP2008261289A (ja) 2007-04-12 2008-10-30 Toyota Motor Corp 空燃比センサの異常診断装置
JP4697201B2 (ja) 2007-07-19 2011-06-08 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の異常検出装置
JP2009250058A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Denso Corp 酸素濃度センサの劣化判定装置及び劣化判定システム
JP4960314B2 (ja) * 2008-07-11 2012-06-27 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサのむだ時間遅れ劣化診断方法、ガスセンサのむだ時間遅れ劣化診断装置
JP5240081B2 (ja) 2009-06-10 2013-07-17 トヨタ自動車株式会社 空燃比センサの異常検出装置
JP4816773B2 (ja) * 2009-07-16 2011-11-16 株式会社デンソー 排気成分濃度センサの応答性検出装置
EP2339338B1 (en) * 2009-12-23 2012-08-29 Iveco Motorenforschung AG Improved control method and device for oxygen pump cells of sensors in internal combustion engines or exhaust gas after treatment systems of such engines
EP2385236B1 (en) * 2010-05-06 2018-07-18 FPT Motorenforschung AG Method and device for monitoring a humidity sensor in a combustion engine, using oxygen measurement of other sensors in the engine, such as nox, lambda and/or oxygen sensors
JP5737261B2 (ja) 2012-10-16 2015-06-17 トヨタ自動車株式会社 車両
JP5983879B2 (ja) 2013-06-26 2016-09-06 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の診断装置
WO2014207843A1 (ja) 2013-06-26 2014-12-31 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の診断装置
US9850840B2 (en) 2013-06-26 2017-12-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Diagnosis system of internal combustion engine
JP2018131943A (ja) * 2017-02-14 2018-08-23 株式会社デンソー 空燃比センサの異常判定装置
CN108107780B (zh) * 2017-12-13 2020-10-09 广东美的制冷设备有限公司 智能家电的断电方法、装置、系统及计算机可读存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005030358A (ja) 2005-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4089537B2 (ja) 空燃比センサの異常検出装置
US6463735B2 (en) Apparatus for detecting deterioration of exhaust gas purifying catalysts
US7742870B2 (en) Air-fuel ratio control device of internal combustion engine
JP4941323B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US6470674B1 (en) Deterioration detecting apparatus and method for engine exhaust gas purifying device
JPH08338286A (ja) 内燃機関の排気系故障診断装置
JP2008144639A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010007534A (ja) 空燃比センサの異常診断装置
US7063081B2 (en) Deterioration determining apparatus and deterioration determining method for oxygen sensor
JP2007309103A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5182109B2 (ja) 空燃比センサの異常判定装置
JP2007211609A (ja) 内燃機関の気筒別空燃比制御装置
JPH06229290A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2004108183A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US8087231B2 (en) Deterioration-determination apparatus for exhaust gas purifying system
JP4525196B2 (ja) 空燃比センサの異常検出装置
JP2000310140A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2005337186A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2004324471A (ja) 酸素センサの劣化判定装置
JP2000205032A (ja) 内燃機関の異常診断装置
JP4291492B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP6971094B2 (ja) 内燃機関の電子制御装置
JP2008038707A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2006083797A (ja) 内燃機関の点火制御装置
JPH0543253Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080218

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4089537

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140307

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term