JP2000205032A - 内燃機関の異常診断装置 - Google Patents

内燃機関の異常診断装置

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JP2000205032A
JP2000205032A JP11003574A JP357499A JP2000205032A JP 2000205032 A JP2000205032 A JP 2000205032A JP 11003574 A JP11003574 A JP 11003574A JP 357499 A JP357499 A JP 357499A JP 2000205032 A JP2000205032 A JP 2000205032A
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fuel ratio
air
abnormality diagnosis
temperature
sensor
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Shujiro Morinaga
森永  修二郎
Hisashi Iida
飯田  寿
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空燃比センサの出力に基づいて実施する異常
診断の精度を向上させる。 【解決手段】 エンジン11の排気管26に限界電流型
の空燃比センサ28を設置する。この空燃比センサ28
の印加電圧を正方向(又は負方向)に変化させたときの
電圧変化量ΔVと電流変化量ΔIとから素子抵抗値Z
(=ΔV/ΔI)を素子温度の代用情報として算出し、
この素子抵抗値Zが完全活性温度範囲の下限温度に相当
する抵抗値(例えば60Ω)よりも低いか否かによって
空燃比センサ28が完全活性状態であるか否かを判定す
る。そして、空燃比センサ28が完全活性状態であると
判定される期間に、空燃比センサ28の出力に基づいて
燃料供給系等の異常診断を行う。このようにすれば、空
燃比センサ28が半活性状態の時に異常診断を行うこと
を防止でき、異常診断精度を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガスの空燃比を
検出する空燃比検出手段の出力に基づいて異常診断を行
う内燃機関の異常診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、内燃機関の排ガスを三元触媒で
浄化するシステムでは、排ガスの空燃比を空燃比センサ
(又は酸素センサ)で検出して、排ガスの空燃比を理論
空燃比近傍にフィードバック制御することで、三元触媒
の排ガス浄化効率を高めるようにしている。このシステ
ムにおいて、もし、燃料供給系が異常になったり、空燃
比センサが異常になると、空燃比センサの出力の挙動が
異常になることから、空燃比センサの出力に基づいて燃
料供給系や空燃比センサ等の異常診断を行うようにした
ものがある。
【0003】空燃比センサは、不活性状態(センサ素子
の温度が低い状態)であると、空燃比を検出できないた
め、空燃比センサの出力に基づく空燃比フィードバック
制御や異常診断は、空燃比センサが活性状態になってか
ら行う必要がある。
【0004】そこで、例えば特開昭61−197738
号公報では、空燃比センサの出力電圧が所定電圧以上に
なったか否かで空燃比センサが活性状態であるか否かを
判定し、活性状態と判定した時に、空燃比フィードバッ
ク制御を開始するようにしている。その他、始動後の経
過時間や空燃比センサの内蔵ヒータの通電時間積算値に
基づいて空燃比センサの活性状態を判定して空燃比フィ
ードバック制御を開始するようにしたものもある。更
に、空燃比センサの出力に基づいて異常診断を行う場合
は、空燃比フィードバック制御実行中であれば、空燃比
センサが活性状態であると判断して、異常診断を行うよ
うにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、空燃比セン
サの活性状態には、センサ素子の昇温が少し不足する半
活性状態と、センサ素子温度が十分に活性温度まで昇温
した完全活性状態とがある。半活性状態でも空燃比を検
出できるが、図2に示すように、半活性状態では、空燃
比センサの検出レンジ(リーン検出限界とリッチ検出限
界との幅)が狭いため、空燃比が異常な値(例えばλ=
1.2)になっても検出できない。しかも、図3に示す
ように、半活性状態では、空燃比センサの応答性が遅い
ため、外乱発生時の空燃比フィードバック制御の収束性
が悪化し、正常であるにも拘らず、異常と判定されてし
まうおそれがある。従って、信頼性の高い異常診断を行
うのに必要な空燃比センサの検出レンジと応答性を確保
するには、空燃比センサを完全活性状態まで昇温させる
必要がある。
【0006】しかし、近年の空燃比フィードバック制御
システムでは、始動後に空燃比フィードバック制御を早
期に開始するために、空燃比センサが半活性状態まで昇
温した時点で空燃比フィードバック制御を開始するよう
にしている。このため、従来のように、空燃比フィード
バック制御中に異常診断を行うと、空燃比センサが半活
性状態の時でも異常診断が行われてしまい、信頼性の高
い異常診断を行うのに必要な空燃比センサの検出レンジ
と応答性を確保することができず、異常診断精度が低下
してしまう。
【0007】また、特公平6−39932号公報では、
触媒の上流側と下流側の両方に空燃比センサを設置し
て、下流側の空燃比センサの出力電圧が所定電圧以上と
なった時に、活性状態と判定して、下流側の空燃比セン
サの出力変化幅から触媒の異常診断を開始するようにし
ている。しかし、空燃比センサの出力電圧は、排ガスの
空燃比によって変化するため、空燃比センサの活性判定
が空燃比の影響を受けてしまう。従って、この場合も、
空燃比センサが半活性状態の時に異常診断が行われてし
まうことがあり、異常診断精度が低下してしまう。
【0008】一方、始動後の経過時間や空燃比センサの
内蔵ヒータの通電時間積算値に基づいて空燃比センサの
活性状態を判定する方法では、空燃比の影響を受けずに
活性判定を行うことができるが、低温始動時や極低温環
境下での走行時等では、空燃比センサの昇温が遅れるた
め、半活性状態で異常診断が開始されてしまうことがあ
り、やはり異常診断精度が低下してしまう。
【0009】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、空燃比検出手段の出
力に基づいて行う異常診断の精度を向上できる内燃機関
の異常診断装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の異常診断装置によれ
ば、排ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段が完全活
性状態であるか否かを完全活性判定手段により判定し、
空燃比検出手段が完全活性状態と判定される期間に、空
燃比検出手段の出力に基づいて異常診断手段により異常
診断を行う。このようにすれば、空燃比検出手段が実際
に完全活性状態になっている期間に異常診断を行うこと
ができるため、異常診断時の空燃比検出手段の空燃比検
出レンジと応答性を確保することができ、空燃比検出手
段の検出精度を高めて異常診断精度を向上できる。
【0011】この場合、空燃比検出手段の活性状態の度
合がセンサ素子の温度(以下「素子温度」という)に応
じて変化することを考慮し、請求項2のように、空燃比
検出手段の素子温度を素子温度検出手段により検出し、
その素子温度に基づいて完全活性状態であるか否かを判
定するようにしても良い。このようにすれば、始動時の
素子温度や外気温度、排ガスの空燃比の影響を受けず
に、素子温度から空燃比検出手段の完全活性状態を精度
良く判定できる。
【0012】この場合、素子温度を温度センサで直接検
出するようにしても良いが、素子温度に応じてセンサ素
子の抵抗値(以下「素子抵抗値」という)が変化するこ
とを考慮し、請求項3のように、素子温度の代用情報と
して素子抵抗値を抵抗値検出手段により検出し、その素
子抵抗値に基づいて素子温度を検出するようにしても良
い。このようにすれば、センサ素子に温度センサを取り
付けなくても、素子抵抗値に基づいて素子温度(活性状
態)を精度良く検出することができる。
【0013】ところで、空燃比検出手段(空燃比セン
サ)の製造メーカーは、空燃比検出手段の仕様(規格)
に応じて、検出精度を保証する温度範囲を保証範囲とし
て設定し、空燃比検出手段がこの保証範囲内に昇温して
いれば、空燃比の検出精度が確保されるようになってい
る。つまり、空燃比検出手段の素子温度が保証範囲より
も低くても高くても、空燃比の検出精度が低下する。
【0014】従って、請求項4のように、空燃比検出手
段がその仕様に応じて設定された保証範囲内に昇温して
いるか否かで完全活性状態であるか否かを判定するよう
にしても良い。このようにすれば、空燃比検出手段の保
証範囲と実際の完全活性状態の範囲とを一致させること
ができ、空燃比検出手段の仕様に応じた適正な活性判定
が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制
御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関である
エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリー
ナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に
は、吸気温度THAを検出する吸気温度センサ14と、
吸入空気量Gaを検出するエアフローメータ10とが設
けられている。このエアフローメータ10の下流側に
は、スロットルバルブ15とスロットル開度THを検出
するスロットル開度センサ16とが設けられている。
【0016】更に、スロットルバルブ15の下流側に
は、吸気管圧力PMを検出する吸気管圧力センサ17が
設けられ、この吸気管圧力センサ17の下流側にサージ
タンク18が設けられている。このサージタンク18に
は、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホ
ールド19が接続され、この吸気マニホールド19の各
気筒の分岐管部に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁
20が取り付けられている。この燃料噴射弁20は、燃
料タンク(図示せず)、燃料ポンプ(図示せず)等と共
に燃料供給系を構成し、燃料タンク内から燃料ポンプで
汲み上げた燃料が燃料配管(図示せず)を通して各気筒
の燃料噴射弁20に分配される。
【0017】また、エンジン11には各気筒毎に点火プ
ラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21には、点火
回路22で発生した高圧電流がディストリビュータ23
を介して供給される。このディストリビュータ23に
は、720℃A(クランク軸2回転)毎に例えば24個
のパルス信号を出力するクランク角センサ24が設けら
れ、このクランク角センサ24の出力パルスの周波数に
よってエンジン回転数Neを検出するようになってい
る。また、エンジン11には、エンジン冷却水温THW
を検出する水温センサ39が取り付けられている。
【0018】一方、エンジン11の排気ポート(図示せ
ず)には、排気マニホールド25を介して排気管26が
接続され、この排気管26の途中に排ガス中のCO,H
C,NOx等を低減させる三元触媒等の触媒27が設け
られている。この触媒27の上流側には、空燃比センサ
28(空燃比検出手段)が設けられている。この空燃比
センサ28は基準電圧を印加したときに排ガス中の酸素
濃度にほぼ比例する限界電流を発生するセンサ素子38
を内蔵し、この限界電流より空燃比λを検出するように
なっている。また、触媒27の下流側には、排ガスの空
燃比が理論空燃比に対してリッチかリーンかによって出
力電圧R/Lが反転する酸素センサ29が設けられてい
る。
【0019】上述した各種のセンサの出力はエンジン制
御回路30内に入力ポート31を介して読み込まれる。
このエンジン制御回路30は、マイクロコンピュータを
主体として構成され、CPU32、ROM33(記憶媒
体)、RAM34、バッテリ(図示せず)でバックアッ
プされたバックアップRAM35等を備え、ROM33
に記憶された後述する図4、図6及び図9に示す燃料噴
射制御用のプログラムや点火制御プログラム(図示せ
ず)を実行することで、各種センサで検出されたエンジ
ン運転パラメータを用いて要求燃料噴射量TAUや点火
時期Ig等を演算し、その演算結果に応じた信号を出力
ポート36から燃料噴射弁20や点火回路22に出力し
てエンジン11の運転を制御する。
【0020】更に、このエンジン制御回路30は、後述
する図10乃至図12に示す燃料供給系異常診断用の各
プログラムや、これらのプログラムに用いる図13の異
常診断基準値マップや初期値等をROM33に記憶し、
これら図10乃至図12に示す各プログラムを実行する
ことで、空燃比センサ28が完全活性状態になっている
か否かを判定し、空燃比センサ28が完全活性状態にな
っている期間に空燃比センサ28の出力に基づいて燃料
供給系の異常の有無を診断する。従って、これら図10
乃至12に示す各プログラムが特許請求の範囲でいう異
常診断手段として機能する。
【0021】[空燃比制御]図4に示す空燃比制御プロ
グラムは、空燃比のフィードバック制御を通じて要求燃
料噴射量TAUを設定するプログラムであり、所定クラ
ンク角毎(例えば360℃A毎)に起動される。本プロ
グラムが起動されると、まずステップ101で、前記各
種センサからの検出信号(例えばエンジン回転数Ne、
吸気管圧力PM、冷却水温THW、空燃比λ、排ガス中
の酸素濃度R/L等)を読み込む。この後、ステップ1
02で、エンジン運転状態(エンジン回転数Neと吸気
管圧力PM等)に応じてマップ等から基本燃料噴射量T
pを演算する。
【0022】そして、次のステップ103で、空燃比フ
ィードバック条件が成立しているか否かを判定する。こ
こで、空燃比フィードバック条件は、次の(A1)〜
(A4)の条件を全て満たした時に成立し、1つでも満
たさない条件があれば、不成立となる。 (A1)各種の燃料増量補正が行われていないこと (A2)燃料カット中でないこと (A3)高負荷運転中でないこと (A4)空燃比センサ28が半活性又は完全活性してい
ること
【0023】尚、上記(A4)の空燃比センサ28が半
活性又は完全活性しているかは、例えば、冷却水温T
HWが所定温度(例えば30℃)以上となっているか否
かで判定したり、始動後の経過時間が所定時間以上と
なっているか否かで判定したり、実際に空燃比センサ
28から出力λが出たか否かで判定したり、或は、後
述する空燃比センサ28の素子抵抗値から判定しても良
い。
【0024】上記ステップ103で、空燃比フィードバ
ック条件が不成立と判定された場合には、ステップ10
4に進み、空燃比補正係数FAF(フィードバック補正
量に相当)を「1.0」に設定して、ステップ109に
進む。この場合は、空燃比の補正は行われない。
【0025】一方、上記ステップ103で、空燃比フィ
ードバック条件成立と判定された場合には、ステップ1
05に進み、触媒28が活性化しているか否かを判定す
る。この触媒28の活性の有無は、例えば、冷却水温T
HWが所定温度(例えば40℃)以上となっているか否
かで判定する。このステップ105で、触媒28が活性
化していると判定された時には、ステップ106に進
み、後述する図6の目標空燃比設定プログラムを実行
し、触媒28下流の酸素センサ29の出力R/Lに基づ
いて目標空燃比λTGを設定してから、ステップ108
に進む。
【0026】これに対し、上記ステップ105におい
て、触媒28が活性化していないと判定された時には、
ステップ107に進み、図5に示す冷却水温THWをパ
ラメータとする目標空燃比マップを検索して、その時点
の冷却水温THWに応じた目標空燃比λTGを設定して
ステップ108に進む。
【0027】以上のようにして、ステップ106又は1
07で目標空燃比λTGを設定した後、ステップ108
に進み、目標空燃比λTGと空燃比センサ28の出力λ
(空燃比)とに基づいて空燃比補正係数FAFを次式に
より算出する。 FAF(k)=K1・λ(k)+K2・FAF(k−
3)+K3・FAF(k−2)+K4・FAF(k−
1)+ZI(k) 但し、ZI(k)=ZI(k−1)+Ka・{λTG−
λ(k)} ここで、kは最初のサンプリング開始からの制御回数を
示す変数、K1〜K4は最適フィードバック定数、Ka
は積分定数である。
【0028】そして、次のステップ109で、基本燃料
噴射量Tp、空燃比補正係数FAF、バックアップRA
M35に格納されている空燃比の学習補正量KGjのう
ちの現在の運転領域に属する学習補正量KGjを用い
て、次式の演算を実行し、要求燃料噴射量TAUを算出
して、本プログラムを終了する。 TAU=Tp・FAF・KGj・FALL ここで、FALLは、空燃比補正係数FAFと学習補正
量KGjによらない他の補正係数(例えばエンジン温度
による補正係数、加減速時の補正係数等)である。
【0029】[目標空燃比設定]図6に示す目標空燃比
設定プログラムは、図4の空燃比制御プログラムのステ
ップ106で実行されるサブルーチンである。本プログ
ラムが起動されると、まずステップ111〜113で、
酸素センサ29の出力R/Lに基づいて、実際の空燃比
と空燃比センサ28の出力λ(検出した空燃比)とのず
れを補正するように、目標空燃比の中央値λTGCを設
定する。具体的には、まずステップ111で、酸素セン
サ29の出力R/Lがリッチ(R)かリーン(L)かを
判別し、リッチ(R)の場合は、ステップ112に進
み、中央値λTGCを所定値λMだけ大きく、すなわち
λMだけリーンに設定する(λTGC←λTGC+λ
M)。
【0030】一方、酸素センサ29の出力R/Lがリー
ン(L)の場合は、ステップ113に進み、中央値λT
GCを所定値λMだけ小さく、すなわちλMだけリッチ
に設定する(λTGC←λTGC一λM)。図7は、こ
のような酸素センサ29の出力R/Lに基づいて目標空
燃比の中央値λTGCを設定する場合の一例を示してい
る。
【0031】以上のようにして、目標空燃比の中央値λ
TGCを設定した後、ステップ114〜123で、いわ
ゆるディザ制御により目標空燃比λTGを次のようにし
て設定する。まず、ステップ114で、ディザ周期カウ
ンタのカウント値CDZAがディザ周期TDZA以上と
なっているか否かを判定する。このディザ周期TDZA
は、当該ディザ制御の分解能を決定する因子であり、後
述するステップ118の処理により、エンジン11の運
転状態に対応した望ましい値がその都度設定される。
【0032】もし、ディザ周期カウンタのカウント値C
DZAがディザ周期TDZAよりも小さければ、ステッ
プ115に進み、ディザ周期カウンタのカウント値CD
ZAを1インクリメントして、ステップ123の処理を
実行する。この場合は、目標空燃比λTGの値を更新す
ることなく、その時点で設定されている目標空燃比λT
Gの値を維持する。
【0033】一方、ディザ周期カウンタのカウント値C
DZAがディザ周期TDZA以上であれば、ステップ1
16に進み、ディザ周期カウンタのカウント値CDZA
を「0」にリセットした後、ディザ制御により目標空燃
比λTGが前記中央値λTGCを中心にしてリッチ/リ
ーン側に交互に階段状に変化するように、以下の処理を
実行する。
【0034】まず、ステップ117,118で、ディザ
振幅λDZAとディザ周期TDZAを設定する。ここ
で、ディザ振幅λDZAは、ディザ制御の制御量を決定
する因子であり、ディザ周期TDZAと同じく、エンジ
ン11の運転状態に対応した望ましい値がその都度設定
される。これらディザ振幅λDZAとディザ周期TDZ
Aは、エンジン回転数Neと吸気管圧力PMとをパラメ
ータとする2次元マップ(図示せず)を検索して、その
時点のエンジン回転数Neと吸気管圧力PMに対応する
ディザ振幅λDZAとディザ周期TDZAを求める。
【0035】この後、ステップ119で、ディザ処理フ
ラグXDZRが「0」であるか否かを判定する。このデ
ィザ処理フラグXDZRは、目標空燃比中央値λTGC
に対して目標空燃比λTGをリッチに設定する場合にX
DZR=1にセットし、リーンに設定する場合にXDZ
R=0にリセットする。
【0036】上記ステップ119で、XDZR=0と判
定された場合、つまり前回のディザ制御で目標空燃比中
央値λTGCに対して目標空燃比λTGがリーンに設定
されている場合には、ステップ120に進み、今回のデ
ィザ制御で目標空燃比λTGがリッチに設定されるよう
に、ディザ処理フラグXDZRを「1」にセットする。
これに対し、上記ステップ119で、XDZR=1と判
定された場合、つまり前回のディザ制御で目標空燃比中
央値λTGCに対して目標空燃比λTGがリッチに設定
されている場合には、ステップ121に進み、今回のデ
ィザ制御で目標空燃比λTGがリーンに設定されるよう
に、ディザ処理フラグXDZRを「0」にリセットす
る。
【0037】このようにして、ステップ120又は12
1で、ディザ処理フラグXDZRを反転させ、更に、X
DZR=1の場合には、ステップ122で、ディザ振幅
λDZAを−値に反転させる(XDZR=0の場合はス
テップ112又は113で設定したディザ振幅λDZA
をそのまま用いる)。この後、ステップ123で、目標
空燃比中央値λTGCとディザ振幅λDZAとから目標
空燃比λTGを設定する。例えば、前回のディザ制御で
目標空燃比中央値λTGCに対して目標空燃比λTGが
リーンに設定された場合には、今回のディザ制御で、目
標空燃比λTGを中央値λTGCに対してディザ振幅λ
DZAだけリッチに設定するように、次式により目標空
燃比λTGを算出する。 λTG=λTGC−λDZA
【0038】逆に、前回のディザ制御で目標空燃比中央
値λTGCに対して目標空燃比λTGがリッチに設定さ
れた場合には、今回のディザ制御で、目標空燃比λTG
を中央値λTGCに対してディザ振幅λDZAだけリー
ンに設定するように、次式により目標空燃比λTGを算
出する。 λTG=λTGC+λDZA
【0039】このようなディザ制御により、図8に示す
ように、目標空燃比λTGが中央値λTGCを中心にし
てリッチ/リーン側に交互にディザ振幅λDZAだけ階
段状に変化するように設定される。
【0040】[空燃比学習]図9に示す空燃比学習プロ
グラムは、所定クランク角毎に起動される。本プログラ
ムが起動されると、まずステップ201で、後述する例
えば8つの運転領域0〜7についての空燃比学習が全て
終了したか否かを判定する。この判定は、各運転領域0
〜7に対応した学習フラグXDOM0〜XDOM7が学
習終了を意味する「1」であるか否かによって行われ
る。8つの運転領域0〜7の空燃比学習が全て終了して
いる場合(XDOM0〜XDOM7=1の場合)には、
ステップ203に進み、学習終了フラグXAFLNを全
領域学習終了を意味する「1」にセットする。
【0041】一方、運転領域0〜7のうちのいずれか1
つでも空燃比学習が終了していない場合には、ステップ
201からステップ202に進み、学習終了フラグXA
FLNを「0」にリセットする。
【0042】この後、ステップ204で、下記の(B
1)〜(B6)の学習条件が成立しているか否かを判定
する。 (B1)空燃比フィードバック制御中であること (B2)冷却水温THWが例えば80℃以上であること (B3)始動後増量が「0」であること (B4)暖機増量が「0」であること (B5)現在の運転領域に入ってから所定クランク角だ
け経過していること (B6)バッテリ電圧が例えば11.5V以上であるこ
と これら(B1)〜(B6)の条件を1つでも満たさない
ものがあれば、学習条件が不成立となり、ステップ20
5以降の学習処理を行うことなく、本プログラムを終了
する。
【0043】一方、(B1)〜(B6)の条件を全て満
たせば、学習条件が成立し、ステップ205以降の学習
処理を次のようにして実行する。まずステップ205
で、RAM34に格納されている空燃比補正係数FAF
の平均値FAFAVを読み込んだ後、ステップ206
で、アイドル時(IDLON)であるか否かを判定し、
アイドル時か走行時かに応じて、以下のような学習処理
を実行する。
【0044】すなわち、走行時である場合には、ステッ
プ207に進み、その時点のエンジン回転数Neが10
00〜3200rpmの範囲内(安定した走行状態)で
あるか否かを判定し、範囲外であれば、以降の処理を行
うことなく、本プログラムを終了する。一方、エンジン
回転数Neが1000〜3200rpmの範囲内であれ
ば、学習処理が可能と判断して、ステップ208に進
み、エンジン11の運転領域が「1」〜「7」のいずれ
の領域に該当するか判定する。この運転領域の判定は、
エンジン11の負荷(例えば吸気管圧力PM)に基づい
て行われ、該負荷の大きさに応じて、運転領域「1」〜
「7」のいずれかの領域を当該学習処理領域として設定
する。この後、ステップ209で、上記ステップ208
で設定した領域i(iは「1」〜「7」のいずれか)に
対応する学習フラグXDOMiをセットする。
【0045】一方、ステップ206において、アイドル
時と判定された場合には、エンジン回転数Neが例え
ば600〜1000rpmの範囲内(安定したアイドル
状態)であるか否か(ステップ210)、また、吸気
管圧力PMが例えば173mmHgより高いか否かを判
定する(ステップ211)。これら2つの条件,の
いずれか一方でも満たさなければ、以降の処理を行うこ
となく、本プログラムを終了する。
【0046】これに対し、2つの条件,を共に満た
せば、学習処理が可能であると判断して、ステップ21
2に進み、その運転領域を領域「0」に設定した後、ス
テップ213で、上記ステップ212で設定した領域
「0」に対応する学習フラグXDOM0をセットする。
【0047】以上のようにして、現在の運転状態に応じ
て学習フラグXDOMi又はXDOM0をセットした
後、ステップ214〜217で、空燃比の学習補正量K
Gj(j=0〜7)の設定、又は既に設定した学習補正
量KGjの更新を実行する。この学習処理は、まずステ
ップ214で、前記ステップ205で読み込んだ空燃比
補正係数の平均値FAFAVの基準値(1.0)からの
ずれ量(1−FAFAV)を判定し、ずれ量が所定値
(例えば2%)以上であれば、当該領域の学習補正量K
Gjを所定値K%だけ補正し(ステップ215)、ずれ
量が所定値(例えば一2%)以下であれば、当該領域の
学習補正量KGjを所定値L%だけ補正する(ステップ
217)。もし、ずれ量が上記所定値内であれば、当該
領域の学習補正量KGjを維持する(ステップ21
6)。
【0048】この後、ステップ218で、上記ステップ
215〜217で設定(更新)した学習補正量KGjの
上下限チェック(ガード処理)を実行する。この上下限
チェックでは、学習補正量KGjの上限値が例えば
「1.2」に設定され、下限値が例えば「0.8」に設
定される。これら上下限値は、上述したエンジン11の
運転領域毎に設定しても良い。このようにして設定され
た学習補正量KGjは、バックアップRAM35に運転
領域毎に格納される。
【0049】[異常診断実行条件判定]図10に示す異
常診断実行条件判定プログラムは、所定時間毎(例えば
256ms毎)に起動され、次のようにして燃料供給系
の異常診断実行条件が成立しているか否かを判定する。
まず、ステップ301で、エンジン始動後の運転状態が
安定したか否かを判定するために、エンジン始動後の経
過時間が例えば60秒を越えたか否かを判定し、経過時
間が60秒に達していなければ、運転状態がまだ不安定
であると判断して、ステップ311に進み、異常診断許
可フラグXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する
「0」にリセットして、本プログラムを終了する。
【0050】一方、エンジン始動後の経過時間が60秒
を越えている場合には、エンジン始動後の運転状態が安
定していると判断して、ステップ301からステップ3
02に進み、空燃比センサ28の素子温度の代用情報と
して求めた素子抵抗値Zが、完全活性温度範囲の下限温
度に相当する抵抗値(例えば60Ω)よりも低いか否か
により、空燃比センサ28が完全活性しているか否かを
判定する。このステップ302の処理が特許請求の範囲
でいう完全活性判定手段として機能する。
【0051】このステップ302では、素子抵抗値Zを
次のようにして算出する。素子抵抗値Zの検出時にセン
サ素子38の印加電圧を一時的に正方向に変化させた
後、負方向に変化させる。そして、印加電圧を正方向
(又は負方向)に変化させたときの電圧変化量ΔVと電
流変化量ΔIとから素子抵抗値Zを次式により算出す
る。 Z=ΔV/ΔI
【0052】尚、この検出方法は一例であって、正負両
側の電圧及び電流の変化量に基づき素子抵抗値Zを検出
したり、負の印加電圧Vnegを印加したときのセンサ
電流Inegから素子抵抗値Z(=Vneg/Ine
g)を算出しても良い。このようにして素子抵抗値Zを
算出する機能が特許請求の範囲でいう抵抗値検出手段に
相当する。
【0053】上記ステップ302で、Z≧60と判定さ
れた場合、つまり、図2及び図3に示すように、空燃比
センサ28が完全活性していない場合には、空燃比セン
サ28の空燃比検出レンジが狭く、しかも応答性が遅い
ため、空燃比センサ28の検出精度が低く、燃料供給系
の異常を誤検出するおそれがある。従って、この場合に
は、ステップ311に進み、異常診断許可フラグXDG
FUELEXを異常診断禁止を意味する「0」にリセッ
トして本プログラムを終了する。一方、上記ステップ3
02で、Z<60と判定されたときには、空燃比センサ
28が完全活性していると判断して、ステップ303に
進む。
【0054】このステップ303では、空燃比フィード
バック制御中(図4のステップ103で空燃比フィード
バック条件が成立している時)であるか否かを判定し、
空燃比フィードバック制御中でない場合は、ステップ3
11に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを
異常診断禁止を意味する「0」にリセットして本プログ
ラムを終了する。
【0055】空燃比フィードバック制御中であれば、ス
テップ303からステップ304に進み、冷却水温TH
Wが例えば70℃<THW<90℃であるか否かを判定
し、THW≦70℃の場合(エンジン暖機完了前)、又
は、THW≧90℃の場合(センサ類やアクチュエータ
類の温度特性の影響が大きくなる高温域)であれば、ス
テップ311に進み、異常診断許可フラグXDGFUE
LEXを異常診断禁止を意味する「0」にリセットして
本プログラムを終了する。
【0056】70℃<THW<90℃であれば、ステッ
プ304からステップ305に進み、吸気温度THAが
例えば−10℃<THA<60℃であるか否かを判定
し、THA≦−10℃の場合(極低温時)、又は、TH
A≧60℃の場合(センサ類やアクチュエータ類の温度
特性の影響が大きくなる高温域)であれば、ステップ3
11に進み、異常診断許可フラグXDGFUELEXを
異常診断禁止を意味する「0」にリセットして本プログ
ラムを終了する。
【0057】−10℃<THA<60℃であれば、ステ
ップ305からステップ306に進み、エンジン回転数
Neが例えば700rpm<Ne<3600rpmであ
るか否かを判定し、Ne≦700rpmの場合、又は、
Ne≧3600rpmの場合には、エンジン11の運転
状態が不安定で、燃料供給系の異常を誤検出するおそれ
があるので、ステップ311に進み、異常診断許可フラ
グXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」
にリセットして本プログラムを終了する。
【0058】700rpm<Ne<3600rpmであ
れば、ステップ306からステップ307に進み、吸気
管圧力PMが例えば200mmHg<PM<630mm
Hgであるか否かを判定し、PM≦200mmHgの場
合、又は、PM≧630mmHgの場合には、エンジン
11の運転状態が不安定で、燃料供給系の異常を誤検出
するおそれがあるので、ステップ311に進み、異常診
断許可フラグXDGFUELEXを異常診断禁止を意味
する「0」にリセットして本プログラムを終了する。
【0059】200mmHg<PM<630mmHgで
あれば、ステップ307からステップ308に進み、吸
気管圧力センサ17、水温センサ39、吸気温度センサ
14、空燃比センサ28等、空燃比に影響する全てのセ
ンサが正常であるか否かを判定し、1つでも異常なセン
サがあれば、燃料供給系の異常を誤検出するおそれがあ
るので、ステップ311に進み、異常診断許可フラグX
DGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」にリ
セットして本プログラムを終了する。
【0060】空燃比に影響する全てのセンサが正常であ
れば、ステップ308からステップ309に進み、失火
検出系とエバポパージ系等、空燃比に影響する全てのシ
ステムが正常であるか否かを判定し、1つでも異常なシ
ステムがあれば、燃料供給系の異常を誤検出するおそれ
があるので、ステップ311に進み、異常診断許可フラ
グXDGFUELEXを異常診断禁止を意味する「0」
にリセットして本プログラムを終了する。
【0061】以上説明したステップ301〜309で判
定する条件が全て満たされた時に、異常診断実行条件が
成立し、ステップ310に進み、異常診断許可フラグX
DGFUELEXを異常診断許可を意味する「1」にセ
ットして本プログラムを終了する。
【0062】[異常診断パラメータ算出]図11に示す
異常診断パラメータ算出プログラムは、所定クランク角
毎(例えば180℃A毎)に起動される。本プログラム
が起動されると、まずステップ401で、異常診断実行
条件が成立しているか否か(つまり異常診断許可フラグ
XDGFUELEXが「1」にセットされているか否
か)を判定し、異常診断実行条件が成立していない場合
(XDGFUELEX=0)には、ステップ408,4
09に進み、異常診断パラメータDGDELAFと異常
診断パラメータなまし値DGDELAFSMを、共に、
異常無しを意味する「1.0」に設定して本プログラム
を終了する。この場合は、燃料供給系の異常は検出され
ない。
【0063】一方、異常診断実行条件が成立している場
合(XDGFUELEX=1)には、ステップ402〜
405において、空燃比補正係数FAF、学習補正量K
Gj、空燃比λ及び目標空燃比λTGを読み込む。この
後、ステップ406で、空燃比センサ28で検出した
空燃比λと目標空燃比λTGとの差と、空燃比補正係
数FAF(フィードバック補正量)と、学習補正量K
Gjとを合計して異常診断パラメータDGDELAFを
求める。 DGDELAF=(λ−λTG)+FAF+KGj
【0064】この後、ステップ407で、異常診断パラ
メータDGDELAFを次式によりなまし処理して異常
診断パラメータなまし値DGDELAFSMを算出す
る。 DGDELAFSM(i) ={3×DGDELAFSM(i
-1)+DGDELAF}/4 上式は、なまし係数が1/4であるが、1/3、1/
6、1/8等であっても良い。
【0065】[異常診断実行]図12に示す異常診断実
行プログラムは、所定時間毎(例えば1024ms毎)
に起動される。本プログラムが起動されると、まずステ
ップ501で、異常診断許可フラグXDGFUELEX
=1(異常診断許可)の状態が例えば20s継続したか
否かを判定し、「No」と判定された場合には、ステッ
プ514,515に進み、リッチ側診断カウンタcDF
AFRとリーン側診断カウンタcDFAFLを「0」に
リセットする。
【0066】その後、異常診断許可フラグXDGFUE
LEX=1の状態が20s継続した時点で、ステップ5
01からステップ502に進み、図11のステップ40
7で算出した異常診断パラメータなまし値DGDELA
FSMを読み込んだ後、ステップ503で、リッチ側異
常診断基準値tDFAFRとリーン側異常診断基準値t
DFAFLを現在の吸入空気量Gaに応じて図13の異
常診断基準値マップより読み込む。
【0067】この後、ステップ504で、異常診断パラ
メータなまし値DGDELAFSMをリッチ側異常診断
基準値tDFAFRと比較し、DGDELAFSM≦t
DFAFR(リッチ側の異常)であれば、ステップ50
9に進み、リッチ側診断カウンタcDFAFRを1イン
クリメントする。そして、次のステップ510で、リッ
チ側診断カウンタcDFAFRのカウント値が例えば2
0以上になった否か、つまり、リッチ側の異常が例えば
20秒継続したか否かを判定し、20秒継続すれば、ス
テップ512に進み、最終的に燃料供給系のリッチ側の
異常と診断してリッチ側異常診断フラグDGFUELR
NGをリッチ側の異常を意味する「1」にセットし、次
のステップ513で、警告ランプ37を点灯して運転者
に警告して本プログラムを終了する。
【0068】上記ステップ510で、リッチ側診断カウ
ンタcDFAFRのカウント値が20未満の場合、つま
り、リッチ側の異常が20秒継続していない場合には、
最終的な診断結果を出さずに本プログラムを終了する。
【0069】また、上記ステップ504で、DGDEL
AFSM>tDFAFR(リッチ側正常)と判定された
場合には、ステップ505に進み、異常診断パラメータ
なまし値DGDELAFSMをリーン側異常診断基準値
tDFAFLと比較し、DGDELAFSM≧tDFA
FL(リーン側の異常)であれば、ステップ506に進
み、リーン側診断カウンタcDFAFLを1インクリメ
ントする。そして、次のステップ507で、リーン側診
断カウンタcDFAFLのカウント値が例えば20以上
になった否か、つまり、リーン側の異常が例えば20秒
継続したか否かを判定し、20秒継続すれば、ステップ
508に進み、最終的に燃料供給系のリーン側の異常と
診断して、リーン側異常診断フラグDGFUELLNG
をリーン側の異常を意味する「1」にセットし、次のス
テップ513で、警告ランプ37を点灯して運転者に警
告して本プログラムを終了する。
【0070】上記ステップ507で、リーン側診断カウ
ンタcDFAFLのカウント値が20未満の場合、つま
り、リーン側の異常が20秒継続していない場合には、
最終的な診断結果を出さずに本プログラムを終了する。
【0071】以上説明したプログラムによって燃料供給
系の異常診断を行った場合の一例を図14に基づいて説
明する。図14の例では、空燃比補正係数FAFが途中
から下限ガード値に張り付いた状態となり、学習補正量
KGjが更新されなくなる。学習補正量KGjが更新さ
れない期間でも、異常診断パラメータなまし値DGDE
LAFSMがリッチ側異常診断基準値tDFAFR以下
になると、リッチ側診断カウンタcDFAFRがインク
リメントされる。このインクリメント動作は、DGDE
LAFSM≦tDFAFRの状態が続く限り約1秒毎に
繰り返され、該カウンタcDFAFRのカウント値が2
0(秒)に達した時点で、リッチ側異常診断フラグDG
FUELRNGが「1」にセットされ、燃料供給系の異
常が検出される。
【0072】以上説明した実施形態によれば、異常診断
実行条件の1つとして、空燃比センサ28が完全活性し
たこと(素子抵抗値Z<60Ω)を追加したので、たと
え空燃比フィードバック制御中であっても、空燃比セン
サ28が完全活性していなければ、燃料供給系の異常診
断が行われず、空燃比センサ28が完全活性してから異
常診断が行われる。これにより、異常診断時の空燃比セ
ンサ28の検出レンジと応答性を確保することができ、
空燃比を精度良く検出することができて、異常診断精度
を向上できる。
【0073】しかも、空燃比センサ28の素子温度に応
じて素子抵抗値Zが変化する特性を利用して、空燃比セ
ンサ28の活性判定を素子抵抗値Zに基づいて行うよう
にしたので、空燃比センサ28に熱電対等の温度センサ
を取り付けなくても、空燃比センサ28の印加電圧変化
量ΔVと電流変化量ΔIとから算出した素子抵抗値Zに
基づいて素子温度(活性状態)を精度良く検出すること
ができ、部品点数削減、低コスト化の要求も満たすこと
ができる。
【0074】しかしながら、本発明は、空燃比センサ2
8に温度センサを設けて、この温度センサで検出した素
子温度に基づいて空燃比センサ28が完全活性したか否
かを判定するようにしても良く、この場合でも、本発明
の所期の目的は十分に達成できる。
【0075】ところで、空燃比センサ28は、素子温度
が高くなるに従って素子抵抗値Zが低下するため、上記
実施形態のように、素子抵抗値Zが所定値(例えば60
Ω)より低いか否かで、完全活性状態であるか否かを判
定すると、素子温度が高温になり過ぎても、完全活性状
態と判定される。しかし、通常の空燃比センサ28は、
素子温度が高温になり過ぎると、検出誤差が大きくなる
ため、空燃比センサ28の製造メーカーは、空燃比セン
サ28の仕様(規格)に応じて検出精度を保証する温度
範囲(素子抵抗値Zの範囲)を保証範囲として設定し、
この保証範囲内でのみ空燃比検出値の信頼性を保証する
ようにしている。従って、素子温度が高温になり過ぎて
素子抵抗値Zが保証範囲の下限値よりも小さくなれば、
空燃比検出値の信頼性が保証されない。
【0076】この点を考慮し、空燃比センサ28の素子
抵抗値Zが保証範囲(例えば20Ω<Z<60Ω)であ
るか否かで完全活性状態であるか否かを判定するように
しても良い。このようにすれば、空燃比センサ28の素
子温度が高温になり過ぎて検出精度が低下した領域で
は、完全活性状態と判定されず、異常診断が行われない
ため、異常診断の信頼性を更に向上できる。
【0077】尚、上記実施形態では、空燃比センサ28
の出力に基づいて燃料供給系の異常診断を行うようにし
たが、例えば、空燃比センサ28の異常診断や触媒27
の異常診断を行うようにしても良い。空燃比センサ28
の異常診断は、例えば空燃比フィードバック制御中の空
燃比の追従性を空燃比センサ28の出力から判定して空
燃比センサ28の応答性に異常がないかを診断したり、
或は、触媒の上流側と下流側の両方に空燃比センサを設
置したシステムでは、一方の空燃比センサの出力と他方
の空燃比センサの出力とを比較して空燃比センサの出力
に異常がないかを診断しても良い。また、触媒の異常診
断は、触媒の上流側と下流側の両方に空燃比センサを設
置したシステムにおいて、上流側の空燃比センサの出力
(上流側の空燃比)と下流側の空燃比センサの出力(下
流側の空燃比)との関係から触媒の劣化を診断しても良
い。これら空燃比センサの異常診断や触媒の異常診断に
おいても、空燃比センサが完全活性した状態で異常診断
を行えば、異常診断精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン制御システ
ム全体の概略構成図
【図2】空燃比センサの素子抵抗値と検出レンジとの関
係を示す図
【図3】空燃比センサの素子抵抗値と応答性との関係を
示す図
【図4】空燃比制御プログラムの処理の流れを示すフロ
ーチャート
【図5】目標空燃比マップを概念的に示す図
【図6】目標空燃比設定プログラムの処理の流れを示す
フローチャート
【図7】酸素センサの出力と目標空燃比の中央値λTG
Cとの関係を示すタイムチャート
【図8】酸素センサの出力と目標空燃比λTGとの関係
を示すタイムチャート
【図9】空燃比学習プログラムの処理の流れを示すフロ
ーチャート
【図10】異常診断実行条件判定プログラムの処理の流
れを示すフローチャート
【図11】異常診断パラメータ算出プログラムの処理の
流れを示すフローチャート
【図12】異常診断実行プログラムの処理の流れを示す
フローチャート
【図13】異常診断基準値マップを概念的に示す図
【図14】燃料供給系の異常診断を行った場合の一例を
示すタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、26…排気管、27…触
媒、28…空燃比センサ(空燃比検出手段)、29…酸
素センサ、30…エンジン制御回路(異常診断手段,完
全活性判定手段,抵抗値検出手段)、37…警告ラン
プ、38…センサ素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01M 15/00 G01M 15/00 Z Fターム(参考) 2G087 AA01 BB21 CC21 CC34 EE21 FF21 3G084 BA09 BA13 BA33 CA01 CA02 DA27 DA28 EA11 EB08 EB12 EB22 EB25 EC04 FA00 FA07 FA11 FA20 FA29 FA33 FA38 3G301 JB09 MA01 NB03 ND01 ND17 PA01Z PA07Z PA10Z PA11Z PD03Z PD06Z PD09A PD09Z PD13Z PE01Z PE03Z PE08Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガスの空燃比を検出する空燃比検出手
    段と、この空燃比検出手段の出力に基づいて異常診断を
    行う異常診断手段とを備えた内燃機関の異常診断装置に
    おいて、 前記空燃比検出手段が完全活性状態であるか否かを判定
    する完全活性判定手段を備え、 前記異常診断手段は、前記完全活性判定手段により前記
    空燃比検出手段が完全活性状態と判定される期間に異常
    診断を実施することを特徴とする内燃機関の異常診断装
    置。
  2. 【請求項2】 前記空燃比検出手段は、排ガスの空燃比
    に応じて出力が変化するセンサ素子を有し、 前記完全活性判定手段は、前記センサ素子の温度を検出
    する素子温度検出手段を有し、前記センサ素子の温度に
    基づいて完全活性状態であるか否かを判定することを特
    徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常診断装置。
  3. 【請求項3】 前記素子温度検出手段は、前記センサ素
    子の抵抗値を検出する抵抗値検出手段を有し、前記セン
    サ素子の抵抗値に基づいて前記センサ素子の温度を検出
    することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の異常
    診断装置。
  4. 【請求項4】 前記完全活性判定手段は、前記空燃比検
    出手段がその仕様に応じて設定された保証範囲内に昇温
    しているか否かで完全活性状態であるか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内
    燃機関の異常診断装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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