JP4089016B2 - 車両の制動力制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は車両の制動力制御装置、特に緊急時に制動力を助勢するブレーキ助勢手段が備えられた制動力制御装置の改良に関し、車両の制動技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年、運転者のブレーキ操作を助勢(アシスト)して、緊急時に所要の制動力が確実に得られるようにするブレーキアシストシステムを搭載した車両が実用化されつつあり、その一例として、例えば特開平8−34326号公報に開示された車両の自動制動装置に関する発明がある。
【0003】
この発明は、運転者によるブレーキ及びステアリングの操作状態に基づいて緊急度を判定し、緊急度大と判定されたときに、ブレーキを制動力が最大となるフルブレーキ状態に自動的に作動させるようにしたものである。その場合に、緊急度判定のためのブレーキの操作状態、つまりブレーキペダルの操作状態としては、ブレーキペダルの踏込強さ又は踏込速度の少なくとも一方が検出され、そして、その値が所定値より大きいときに緊急度が大であると判定されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、ペダルの踏込強さ(踏込量)や踏込速度といったブレーキの操作状態には、ドライバーの身体的特徴に起因する踏込力やシートポジション等、時と場合によっていろいろと差異が出るものである。その結果、ペダルの踏込量等が相対的に大きい場合は、該踏込量に応じて発生する制動力もまた相対的に大きく充分なものとなるが、逆に、ペダルの踏込量等が相対的に小さい場合には、制動力もまた相対的に小さく不足しがちとなる。したがって、ペダルの踏込量等が所定値より大きく、緊急度が大であると判定されて、ブレーキアシストの作動が開始されたときに、その助勢力の付与のしかたが一律であると、次のような不具合が生じる。すなわち、緊急度が大であると判定されても、特に、ペダルの踏込量等が相対的に小さかった場合には、大きかった場合に比べて、ブレーキアシストの作動開始までに発生していた制動力が相対的に小さかったのであるから、アシスト開始後においてフルブレーキ状態となるまでに時間がかかり、助勢応答性の点で好ましくない。そして、このような不具合に対処し得る技術は、上記公報を含め、現在のところ知られていないのである。
【0005】
そこで、本発明は、緊急時に制動力を助勢するブレーキ助勢手段が備えられた車両に関する上記のような不具合に対処するもので、ブレーキペダルの操作状態の差異によって発生するブレーキアシスト開始前の制動力の大きさの違いの影響を抑制し、ブレーキアシスト開始後は常に同程度のタイミングでフルブレーキ状態が実現するようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では次のような手段を用いる。
【0009】
まず、本願の請求項1に記載の発明(以下「第1発明」という。)は、ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値を検出する踏込速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が減少する減少側変曲点の発生を検出する減少側変曲点検出手段と、該検出手段による減少側変曲点の発生検出前におけるブレーキペダルの踏込速度に関連する値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする。
【0010】
次に、本願の請求項2に記載の発明(以下「第2発明」という。)は、ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値を検出する踏込速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が減少する減少側変曲点の発生時点までの時間に相当する所定時間の経過前におけるブレーキペダルの踏込速度に関連する値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項3に記載の発明(以下「第3発明」という。)は、ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値を検出する踏込速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が増加する増加側変曲点の発生を検出する増加側変曲点検出手段と、該検出手段による増加側変曲点の発生検出後におけるブレーキペダルの踏込速度に関連する値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする。
【0012】
次に、本願の請求項4に記載の発明(以下「第4発明」という。)は、ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値を検出する踏込速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が増加する増加側変曲点の発生時点までの時間に相当する所定時間の経過後におけるブレーキペダルの踏込速度に関連する値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項5に記載の発明(以下「第5発明」という。)は、ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、減速度に関連する値を検出する減速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が増加する増加側変曲点の発生を検出する増加側変曲点検出手段と、該検出手段による増加側変曲点の発生検出前における減速度に関連する値の平均値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする。
【0014】
次に、本願の請求項6に記載の発明(以下「第6発明」という。)は、ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、減速度に関連する値を検出する減速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が増加する増加側変曲点の発生時点までの時間に相当する所定時間の経過前における減速度に関連する値の平均値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項7に記載の発明(以下「第7発明」という。)は、ブレーキペダルの踏込操作により発生する制動力を助勢するブレーキ助勢手段が備えられた車両の制動力制御装置であって、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を変更する変更手段と、ブレーキペダルの踏込操作を検出するブレーキペダル踏込操作検出手段と、アクセルペダルの踏込操作を検出するアクセルペダル踏込操作検出手段と、これらの検出手段で上記両ペダルの踏込操作がともに検出されたときは、ブレーキペダルの踏込操作のみが検出されたときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方が大きくなるように上記変更手段を制御する制御手段とが設けられていることを特徴とする。
【0016】
そして、本願の請求項8に記載の発明(以下「第8発明」という。)は、上記第1発明ないし第7発明のいずれかにおいて、ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方が大きくされると共に、当該車両の変速機の変速段がシフトダウンされるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
上記手段を用いることにより、本願各発明によれば、それぞれ次のような作用が得られる。
【0020】
まず、第 1 発明によれば、ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられるが、このように、マスタシリンダ圧が倍力装置を介して発生するように構成されたものにおいては、緊急時のブレーキ操作と、そうでないときのブレーキ操作とで、次のような差異が生じる。
【0021】
つまり、図16に示すように、ブレーキペダルの踏込量あるいは踏込速度がそれほど大きくない通常のブレーキ操作では、マスタシリンダで発生するマスタシリンダ圧はブレーキペダルの踏込量等によく追随するものとなってほぼリニアに増加していくのに対して、ブレーキペダルの踏込量あるいは踏込速度が大きい緊急時のブレーキ操作では、マスタシリンダ圧は、いったんブレーキペダルの踏込開始直後に急激に立ち上がったのち、エンジンのブースト圧を利用した倍力装置の作動の応答遅れのためにその上昇速度(上昇率)が減少して一時的に停滞し、その停滞後、上記ブースト圧の作用により倍力装置が作動し始めた段階で再び上昇速度が増加して本格的に立ち上がるという挙動を示すのである。
【0022】
したがって、緊急時のブレーキ操作では、マスタシリンダ圧に、該マスタシリンダ圧の上昇速度が減少する減少側変曲点と、該マスタシリンダ圧の上昇速度が増加する増加側変曲点とが発生する。
【0023】
そして、その場合に、ブレーキペダルの踏込が開始されてから上記マスタシリンダ圧の減少側変曲点が発生するまでの期間(図16中、符号Taで示す。)における該マスタシリンダ圧の上昇速度や、上記マスタシリンダ圧の増加側変曲点が発生したのち(図16中、符号Tbで示す。)における該マスタシリンダ圧の上昇速度、あるいはブレーキペダルの踏込が開始されてから上記マスタシリンダ圧の増加側変曲点が発生するまでの期間(図16中、符号Tcで示す。)におけるマスタシリンダ圧の平均値、換言すれば、その期間における減速度の平均値等が、それぞれブレーキペダルの踏込速度や踏込量等といったブレーキペダルの操作状態に対応するものとなる。
【0024】
この第1発明から第6発明は、以上のようなマスタシリンダ圧の挙動、及び各変曲点で画成される上記各期間における該マスタシリンダ圧の上昇速度等とブレーキペダルの操作状態との対応関係に着目してなされたものである
【0025】
まず、第1発明によれば、以上のような構成において、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値を検出する踏込速度関連値検出手段が設けられている。ここで、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値には、文字通りブレーキペダルの踏込速度をはじめ、それに対応するマスタシリンダ圧の上昇速度や、前後加速度(前後G)、あるいは倍力装置におけるブースト率等が含まれる。
【0026】
そして、ブレーキペダルの踏込開始後、マスタシリンダ圧の上昇速度が減少する減少側変曲点の発生が検出される前における上記のようなブレーキペダル踏込速度関連値が小さいときは、大きいときに比べて、ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段が設けられている。
【0027】
すなわち、上記図16中に符号Taで示す期間において、ブレーキペダルの踏込速度が小さく、その結果、マスタシリンダ圧の上昇速度もまた小さく、したがって、ブレーキアシストの作動開始までに発生する制動力もまた相対的に小さく不足しがちとなって、より大きな制動力の助勢が必要とされるときには、ブレーキアシストが大きく作用することになる。したがって、これにより、ブレーキアシスト開始後においてフルブレーキ状態となるまでに時間がかかるというような不具合が是正されて、助勢応答性についての問題が抑制される。
【0028】
次に、第2発明によれば、上記第1発明のようにマスタシリンダ圧の減少側変曲点の発生を検出する代わりに、ブレーキペダルの踏込開始後、該変曲点が発生するまでの時間に相当する所定時間の経過前におけるブレーキペダル踏込速度関連値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段が設けられているから、上記第1発明と同様の作用が、該第1発明におけるような減少側変曲点検出手段を設けずとも得られることになる。
【0029】
また、第3発明によれば、ブレーキペダルの踏込開始後、マスタシリンダ圧の上昇速度が増加する増加側変曲点の発生が検出された後における上記のようなブレーキペダル踏込速度関連値が小さいときは、大きいときに比べて、ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段が設けられている。
【0030】
すなわち、上記図16中に符号Tbで示す期間において、ブレーキペダルの踏込速度が小さく、その結果、マスタシリンダ圧の上昇速度もまた小さく、したがって、ブレーキアシストの作動開始までに発生する制動力もまた相対的に小さく不足しがちとなって、より大きな制動力の助勢が必要とされるときには、ブレーキアシストが大きく作用することになる。したがって、これにより、ブレーキアシスト開始後においてフルブレーキ状態となるまでに時間がかかるというような不具合が是正されて、助勢応答性についての問題が抑制される。
【0031】
次に、第4発明によれば、上記第3発明のようにマスタシリンダ圧の増加側変曲点の発生を検出する代わりに、ブレーキペダルの踏込開始後、該変曲点が発生するまでの時間に相当する所定時間の経過後におけるブレーキペダル踏込速度関連値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段が設けられているから、上記第3発明と同様の作用が、該第3発明におけるような増加側変曲点検出手段を設けずとも得られることになる。
【0032】
また、第5発明によれば、減速度に関連する値を検出する減速度関連値検出手段が設けられている。ここで、減速度に関連する値には、文字通り減速度をはじめ、それに対応するマスタシリンダ圧等が含まれる。
【0033】
そして、ブレーキペダルの踏込開始後、マスタシリンダ圧の上昇速度が増加する増加側変曲点の発生が検出される前における上記のような減速度関連値の平均値が小さいときは、大きいときに比べて、ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段が設けられている。
【0034】
すなわち、上記図16中に符号Tcで示す期間において、ブレーキペダルの踏込量が小さく、その結果、減速度やマスタシリンダ圧の平均値もまた小さく、したがって、ブレーキアシストの作動開始までに発生する制動力もまた相対的に小さく不足しがちとなって、より大きな制動力の助勢が必要とされるときには、ブレーキアシストが大きく作用することになる。したがって、これにより、ブレーキアシスト開始後においてフルブレーキ状態となるまでに時間がかかるというような不具合が是正されて、助勢応答性についての問題が抑制される。
【0035】
次に、第6発明によれば、上記第5発明のようにマスタシリンダ圧の増加側変曲点の発生を検出する代わりに、ブレーキペダルの踏込開始後、該変曲点が発生するまでの時間に相当する所定時間の経過前における減速度関連値の平均値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段が設けられているから、上記第5発明と同様の作用が、該第5発明におけるような増加側変曲点検出手段を設けずとも得られることになる。
【0036】
一方、第7発明によれば、ブレーキ助勢手段による制動力の助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を変更する変更手段が設けられていると共に、ブレーキペダルとアクセルペダルの両ペダルがともに踏込操作されたときには、ブレーキペダルのみが踏込操作されたときに比べて、上記助勢量又は助勢速度の少なくとも一方が大きくなるように上記変更手段を制御する制御手段が設けられている。したがって、例えば、緊急時にあわててアクセルペダルも同時に踏み込んでしまい、その結果、制動力が効き難くなるといったような場合に、該制動力がより大きく助勢されて助勢力不足が解消され、ひいては助勢応答性についての不具合が抑制される。
【0037】
そして、第8発明によれば、特に、ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方が大きくされるときには、当該車両の変速機においては、変速段がエンジンブレーキが作動する低速側変速段にシフトダウンされるから、変速機との協調によって、より大きな制動力の助勢が必要とされるときには、同時により大きなエンジンブレーキも得られることになり、これらが相まって車両に全体として大きな制動力が有効に働くことになる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0039】
図1に示すように、この実施の形態に係る車両の制動装置は、基本的には、運転者によって踏み込み操作されるブレーキペダル1と、該ペダル1の踏み込み操作により倍力装置2を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダ3と、各車輪4…4(1つのみ図示)にそれぞれ備えられたディスクロータ5aとキャリパ5b等でなるブレーキ装置5と、上記マスタシリンダ圧がブレーキ系統6を介して供給されたときに上記ブレーキ装置5を作動させて当該車輪4に制動力を付与するホイールシリンダ7とで構成されている。
【0040】
ここで、上記倍力装置2の概略の構成を説明すると、図2に示すように、この倍力装置2は、ケース11内をダイアフラム12により負圧室13と大気室14とに画成すると共に、ブレーキペダル1の踏み込み時に、該ペダル1に連結された第1プッシュロッド15により、上記ダイアフラム12及び該ダイアフラム12に取り付けられた第2プッシュロッド16を介してマスタシリンダ3のピストン3aを押圧するように構成されている。
【0041】
そして、通常はエンジンからのブースト圧(負圧)を上記負圧室13及び大気室14の両者に導入して、ダイアフラム12の両側の圧力をバランスさせた状態に保持すると共に、ブレーキペダル1が踏み込まれたときには、上記第1プッシュロッド15に設けられた弁体15aがケース11側の弁座11aから離反することにより、大気室14に大気圧を導入させて、ダイヤフラム12にブレーキペダル1の踏み込み方向の力を作用させ、この力をブレーキペダル1に加えられた踏み込み力に付加してマスタシリンダ3のピストン3aに伝達するようになっている。
【0042】
また、図1に示すように、この制動装置には、アンチスキッドブレーキシステム(以下「ABS」という。)及びブレーキアシストシステム(以下「BAS」という。)が組み込まれている。
【0043】
これらのシステムの構成要素として、上記ブレーキ系統6のマスタシリンダ3側に配置されて該系統6を開通または遮断するカットバルブ21と、その下流側(ホイールシリンダ7側)に配置されて、ブレーキ系統6を開通または遮断する増圧バルブ22と、さらその下流側から分岐されてオイルパン23に至る減圧ライン24上に配置されて、該減圧ライン24を開通または遮断する減圧バルブ25とが備えられている。
【0044】
また、上記ブレーキ系統6におけるカットバルブ21と増圧バルブ22との間には、増圧ライン26が接続され、該ライン26上に、モータ27によって駆動されてブレーキ液を上記オイルパン23からブレーキ系統6に供給するポンプ28が設置されていると共に、その吐出側には、増圧ライン26をオリフィス29aにより絞った状態と絞らない状態とに切り換えるオリフィス切換バルブ29が設置されている。
【0045】
なお、上記マスタシリンダ3にはリザーバタンク30が備えられ、このリザーバタンク30からオイルパン23にかけてブレーキ液の回収管31が設けられている。
【0046】
そして、ABS及びBASの制御用のコントローラ40が備えられ、このコントローラ40に、各車輪4…4の回転速度(車輪速)をそれぞれ検出する車輪速センサ41…41(1つのみ図示)からの信号と、ブレーキペダル1の踏込みを検出するブレーキスイッチ42からの信号と、アクセルペダル(図示せず)の踏込みを検出するアイドルスイッチ43からの信号等が入力されるようになっており、また、後述するBASの作動開始判定制御用として、上記マスタシリンダ3で発生されるマスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサ44が備えられ、該センサ44からの信号もコントローラ40に入力されるようになっている。
【0047】
ここで、ABSの動作を簡単に説明すると、コントローラ40は、制動時に各車輪速センサ41…41からの信号で車速に対して車輪速が不自然に低下した車輪があることを検出したときに、その車輪に対しては、減圧バルブ25を開いてホイールシリンダ7内のブレーキ液を減圧ライン24を介してドレンさせることにより制動力を低下させ、これによりスキッド状態を解消しもしくは未然に回避すると共に、制動力の低下によりその車輪の車輪速が上昇すれば、上記減圧バルブ25を閉じると同時に増圧バルブ22を開いてポンプ28から増圧ライン26を介して上記ホイールシリンダ7にブレーキ液を供給することにより制動力を高める。そして、これを車輪速に応じて繰り返すことにより、当該車輪のスキッド状態を防止しながら所要の制動力が得られるように制御するのである。
【0048】
なお、この実施の形態においては、上記のようなABS作動時にカットバルブ21を閉じることにより、ホイールシリンダ7側で生じる制動圧の脈動がブレーキペダル1に伝達して運転者に不快感を与えることを防止するようになっている。また、ABS作動中は増圧ライン26上のオリフィス切換バルブ29は該ライン26を絞らない状態に保持される。
【0049】
以下、本発明の特徴部分である上記コントローラ40による緊急時のためのBASの動作を詳しく説述するが、先に、該動作の概要を簡単に説明するとおよそ次のようになる。すなわち、コントローラ40は、マスタシリンダ圧センサ44からの信号に基づいて、ブレーキアシスト手段を作動させるべきであると判断したときに、各車輪4…4について、増圧バルブ22を開き、かつ減圧バルブ25を閉じた状態で、ポンプ28の駆動用モータ27を作動させることにより、オイルパン23から増圧ライン26及びブレーキ系統6を介して各車輪4…4のホイールシリンダ7…7にブレーキ液を一斉に供給し、これにより、緊急時に当該車両全体として所要の制動力が得られるようにする。その場合に、ブレーキ系統6上のカットバルブ21は開状態に保持され、上記ポンプ28から供給されるブレーキ液によるアシスト圧がブレーキペダル1ないしマスタシリンダ3からの制動圧に付加されることになるが、ブレーキアシスト時にこのカットバルブ21を閉状態に保持する場合もある。
【0050】
そして、上記オリフィス切換バルブ29は、通常はオリフィス29aにより増圧ライン26を絞った状態とすることにより、アシスト圧の供給速度を適切に調整する一方、緊急時であると判定されているにも拘らず、運転者によるブレーキペダル1の踏込速度が十分でないと判断したときや、緊急時であると判定されているにも拘らず、運転者によるブレーキペダル1の踏込量が十分でないと判断したとき等には、オリフィス29aを除去して、アシスト圧の上昇速度(昇圧レート)、すなわち助勢速度を高める制御が行われる。あるいは、それに代えて、又はそれと共に、ポンプ駆動用モータ17の回転速度を上昇させて、アシスト圧自体、すなわち助勢量を増大させる制御が行われる。
【0051】
さらに、上記アイドルスイッチ43は、緊急時におけるブレーキ操作時に誤ってアクセルペダルも踏み込んだときに、アシスト圧を高める等の制御を行うためのものであり、これに代えてエンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度センサを用いることも可能である。
【0052】
図3のフローチャートは、第1実施の形態における制御動作を示すもので、まず、ステップS1で、以下の制御で用いるマスタシリンダ圧の減少側変曲点検出用の減少カウンタCdと、増加側変曲点検出用の増加カウンタCiとを0にクリアすると共に、ステップS2で、図1に示すブレーキスイッチ42、アイドルスイッチ43及びマスタシリンダ圧センサ44からの信号を入力する。
【0053】
また、ステップS3で、マスタシリンダ圧センサ44によって検出される今回の制御サイクル時におけるマスタシリンダ圧Pの前回の制御サイクル時における値P′に対する増分dP(=P−P′)と、その増分dPを制御周期tで割ることにより得られるマスタシリンダ圧Pの上昇速度vPとを算出する。
【0054】
次に、ステップS4でブレーキスイッチ(BrSw)42がオンか否か、すなわちブレーキペダル1が踏み込まれたか否かを判定し、踏み込まれていない場合には、ステップS5,S6で、上記減少カウンタCd及び増加カウンタCiを改めてクリアすると共に、ポンプ駆動用モータ27をオフに保持する。
【0055】
一方、ブレーキペダル1が踏み込まれ、上記ブレーキスイッチ42がオンになると、ステップS4からステップS7を実行し、上記モータ27がオフか否かを判定する。そして、ブレーキペダル1の踏込直後においては該モータ27はオフの状態にあるから、次にステップS8,S9で、上記増加カウンタCi及び減少カウンタCdの値が2であるか否かをそれぞれ判定する。
【0056】
これらのカウンタCi,Cdは、ブレーキペダル1の踏込直後は0にクリアされた状態にあるから、上記ステップS8,S9からステップS10を実行して、今回の制御サイクル時に求めたマスタシリンダ圧Pの上昇速度vPと前回の制御サイクル時に求めた上昇速度vP′とを比較し、今回の上昇速度vPが前回の上昇速度vP′より大きいか否かを判定する。そして、大きい場合には、ステップS11で、その値vPをマスタシリンダ圧Pの減少側変曲点前における最大上昇速度vP1に代入する。
【0057】
次に、ステップS12で、今回の制御サイクル時に求めたマスタシリンダ圧Pの増分dPと前回の制御サイクル時に求めた増分dP′とを比較し、今回の増分dPが前回の増分dP′より小さいか否かを判定する。そして、小さくない場合には、ステップS13で減少カウンタCdを0に保持する。
【0058】
一方、図4に符号アで示すように、マスタシリンダ圧Pの今回の増分dPが前回の増分dP′より小さくなったときには、ステップS14で減少カウンタCdに1を加えることにより、その値を1とする。そして、次の制御サイクルにおいても、そのサイクルで求めた増分dPが前回の増分dP′より小さくなっているときは、上記ステップS14で再び減少カウンタCdに1を加え、その値を2とする。
【0059】
このようにして2回連続して今回の増分dPが前回の増分dP′より小さくなったときに、マスタシリンダ圧Pの上昇速度が増加側から減少側に移行し、該マスタシリンダ圧Pの減少側変曲点Xdが発生したものと判断する。
【0060】
その場合に、マスタシリンダ圧Pの今回の増分dPが前回の増分dP′よりいったん小さくなっても、次の制御サイクルで求めた増分dPがその前の増分dP′以上となったときには、ステップS13で減少カウンタCdがクリアされるので、さらに次のサイクルで求めた増分dPがその前の増分dP′より再び小さくなっても、減少側変曲点Xdが発生したとは判断せず、上記のように、2回連続して今回の増分dPが前回の増分dP′より小さくなったときに初めて減少側変曲点Xdが発生したものと判断するのである。これは、検出データの外乱等によるばらつきを排除し、変曲点を正確に検出するためである。
【0061】
そして、上記のようにして、減少カウンタCdが2になり、減少側変曲点Xdが発生したものと判断されるまで、上記ステップS10,S11において、マスタシリンダ圧Pの減少側変曲点前における最大上昇速度vP1の値が更新され続ける。
【0062】
次に、減少側変曲点Xdが発生したものと判断したのちは、上記ステップS9からステップS15を実行し、今度は、今回の制御サイクルで求めたマスタシリンダ圧Pの増分dPが前回の制御サイクル時に求めた増分dP′より大きいか否かを判定する。そして、大きくない場合には、ステップS16で、増加カウンタCiを0に保持する。
【0063】
一方、図5に符号イで示すように、マスタシリンダ圧Pの今回の増分dPが前回の増分dP′より大きくなったときには、ステップS17で増加カウンタCiに1を加えることにより、その値を1とする。そして、次の制御サイクルにおいても、そのサイクルで求めた増分dPが前回の増分dP′より大きくなっているときは、上記ステップS17で再び増加カウンタCiに1を加えることにより、その値を2とする。
【0064】
このようにして、減少カウンタCdの場合と同様に、2回連続して今回の増分dPが前回の増分dP′より大きくなったときに、マスタシリンダ圧Pの上昇速度が減少側から増加側に移行し、該マスタシリンダ圧Pの増加側変曲点Xiが発生したものと判断する。その場合に、2回連続して今回の増分dPが前回の増分dP′より大きくなったときに初めて増加側変曲点Xiが発生したものと判断するのは、減少側変曲点Xdの場合と同様である。
【0065】
以上のようにして、減少カウンタCd及び増加カウンタCiの値がいずれも2となり、図6に示すように、マスタシリンダ圧Pがブレーキペダル1の踏込直後に立ち上がった後、減少側変曲点Xd及び増加側変曲点Xiを経由し、倍力装置2の倍力動作開始に伴って該マスタシリンダ圧Pが本格的に上昇を開始すれば、次にステップS18,S19を実行し、その時点のマスタシリンダ圧Pの上昇速度vPが所定速度V0より大きいか否か、及びその時点のマスタシリンダ圧Pが所定圧P0より高いか否かを判定する。そして、vP>V0であり、かつP>P0のとき、換言すればブレーキペダル1が大きく、かつ急速に踏み込まれて、緊急時であると判断されるときに、以下のステップS21でモータ27をオンにするのであるが、その前に、ステップS20において、上記ステップS10,S11で更新したマスタシリンダ圧Pの減少側変曲点前における最大上昇速度vP1の値に基づいて、助勢速度、すなわちアシスト圧の上昇速度(昇圧レート)を設定する。
【0066】
この助勢速度の設定は図7に示すフローチャートに従って行なわれ、ステップS20aで、上記最大上昇速度vP1の値が所定値V1より大きいか否かを判定して、大きいとき、つまり運転者がブレーキペダル1を充分大きな踏込速度で踏み込んでいるときは、ステップS20bでアシスト圧の昇圧レートを通常加圧とする。すなわち、増圧ライン26をオリフィス切換バルブ29のオリフィス29aによって絞った状態とする。一方、最大上昇速度vP1の値が所定値V1より大きくないとき、つまり緊急時であると判定されているにも拘らず、運転者がブレーキペダル1を充分大きな踏込速度で踏み込んでいないときは、ステップS20cでアシスト圧の昇圧レートを急加圧とする。すなわち、オリフィス29aを除去して、増圧ライン26をオリフィス切換バルブ29で絞らない状態とする。
【0067】
以上により、図1に示すポンプ28が作動することになるが、この場合は、ABSシステムは非作動の状態にあって、いずれの車輪についても増圧バルブ22は開、減圧バルブ25は閉の状態にあるから、上記ポンプ28の作動により発生した油圧が各車輪4…4のホイールシリンダ7…7に供給されることになり、各車輪4…4にブレーキペダル1の踏込みに基づく制動力とポンプ28の作動に基づく制動力とが付与されることになる。
【0068】
その場合に、上記のように、マスタシリンダ圧の減少側変曲点前(図6に符号Taで示す期間)における運転者のブレーキペダル1の踏込速度が不足しているときは、アシスト圧の昇圧レートを急として、助勢速度を大きくするようにしたから、ブレーキアシストが短期間の間により大きく作用し、制動力がより大きく助勢されて、フルブレーキ状態が早期に実現し、助勢応答性が向上することになる。
【0069】
なお、上記のように、ポンプ駆動用モータ27を作動させるか否かの判定、すなわちマスタシリンダ圧の上昇速度vPが所定速度V0より大きいか否かの判定、及びマスタシリンダ圧Pが所定圧P0より高いか否かの判定を、マスタシリンダ圧Pの減少側変曲点Xd及び増加側変曲点Xiを経過した後に行うようにしたのは、上記モータ27を、目的とする緊急時のブレーキ操作時にのみ作動させ、例えば急な登坂降坂を繰り返す所謂ワインディング走行等のスポーツ走行時のブレーキ操作時に不必要に作動させないようにするためである。
【0070】
以上のようにして、モータ27がオンになってブレーキアシストが開始されれば、その後は、図3のフローチャートのステップS7からステップS22を実行し、マスタシリンダ圧Pが上記のモータ作動開始の条件の所定圧P0より所定値pだけ低い圧力(P0−p)より低下したか否かを判定する。そして、ブレーキペダル1の踏込力の減少等に伴い、マスタシリンダ圧Pが上記圧力(P0−p)より低下した時点で、ステップS23を実行してモータ27をオフにし、ブレーキアシストを終了する(図6の符号ウ参照)。
【0071】
その場合に、この終了の条件としての圧力を開始の条件としての所定圧P0より所定値pだけ低く設定したことにより、マスタシリンダ圧Pがこの所定圧P0の近辺で変動する場合の制御のハンチングが防止される。
【0072】
なお、ステップS7以降のステップで示されるモータ27の作動開始判定中及びその作動中であっても、ブレーキペダル1が戻されてブレーキスイッチ42がオフになれば、ステップS4からステップS5,S6に進んで、その時点で減少カウンタCd及び増加カウンタCiがクリアされて次のブレーキ操作時に備えられると共に、モータ27がオフとなってブレーキアシストの制御が終了する。
【0073】
また、ステップS20における助勢速度の設定を図8や図9に示すフローチャートに従って行なってもよい。
【0074】
すなわち、図8に示す場合では、ステップS20aで最大上昇速度vP1が所定値V1より大きくないときには、ステップS20cでアシスト圧の昇圧レートを急加圧とすることに加えて、ステップS20dにおいて、当該車両に設けられている(自動)変速機(図示せず)の変速段をエンジンブレーキが作動する低速側変速段にシフトダウンさせる。これによって、上記変速機との協調により、より大きな制動力の助勢が必要とされるときには、同時により大きなエンジンブレーキも得られることになり、これらが相まって車両に全体として大きな制動力が有効に働くことになる。
【0075】
また、図9に示す場合では、アイドルスイッチ(IdSw)43がオンか否か、つまりアクセルペダルが踏み込まれていないかどうかの判定ステップS20eが追加され、ステップS20aで最大上昇速度vP1が所定値V1より大きいことに加えて、このステップS20eでアクセルペダルが踏み込まれていないこともまた条件にして、ステップS20bでアシスト圧の昇圧レートを通常加圧とし、たとえステップS20aで最大上昇速度vP1が所定値V1より大きくても、このステップS20eでアクセルペダルが踏み込まれているときには、ステップS20cに進んでアシスト圧の昇圧レートを急加圧とする。これによって、緊急時にあわててブレーキペダル1と共にアクセルペダルもまた同時に踏み込んでしまい、その結果、制動力が効き難くなるといったような場合に、該制動力がより大きく助勢されて助勢力不足が解消され、ひいては助勢応答性についての不具合が抑制されることになる。
【0076】
次に、図10にフローチャートを示す第2実施の形態に係る緊急時のBAS動作の制御について説明する。
【0077】
この実施の形態においては、上記第1実施の形態のようにマスタシリンダ圧Pの減少側変曲点Xdを減少カウンタCdの値で検出する代わりにタイマーの計測で検出しようとするものであって、基本的なプログラムの流れは第1実施の形態の場合とほぼ同様である。
【0078】
すなわち、まずステップS31でタイマTをクリアしたのち、ステップS32でブレーキスイッチ42等からの信号を入力し、次いで、ステップS33でマスタシリンダ圧の増分dPとマスタシリンダ圧の上昇速度vPとを算出する。ステップS34でブレーキスイッチ42がオンでない場合は、ステップS35,S36で、上記タイマTを改めてクリアすると共に、ポンプ駆動用のモータ27をオフに保持する。一方、ブレーキペダル1が踏み込まれ、上記ブレーキスイッチ42がオンになると、ステップS34からステップS37を実行して、上記モータ27がオフの場合は、ステップS38で上記タイマTの値が所定値T1より小さいか否かを判定する。
【0079】
この所定値T1は、ブレーキペダル1の踏込開始時からマスタシリンダ圧Pの減少側変曲点Xdが発生するまでの時間として予め実験等により求められた時間に相当し、ブレーキペダル1の踏込開始直後はT<T1であるから、次にステップS39で、このタイマTの値を1だけ増加させる。併せて、タイマTの値が所定値T1より小さい間は、ステップS40,S41で、マスタシリンダ圧Pの減少側変曲点前における最大上昇速度vP1の値が更新され続ける。
【0080】
そして、タイマTの値が所定値T1より大きくなったとき、すなわちブレーキペダル1の踏み込み開始時からマスタシリンダ圧Pの減少側変曲点Xdが発生するまでの時間が経過したときに、ステップS42,S43で、その時点のマスタシリンダ圧の上昇速度vPが所定速度V0より大きいか否か、及びマスタシリンダ圧Pが所定圧P0より高いか否かを判定し、その結果、vP>V0であり、かつP>P0のときに、ステップS44で助勢速度を設定したうえで、ステップS45でモータ27をオンにする。
【0081】
そして、モータ27がオンになってブレーキアシストが開始されれば、その後は、ステップS37からステップS46,S47を実行し、マスタシリンダ圧Pが上記のモータ作動開始条件の所定圧P0より所定値pだけ低い圧力(P0−p)より低下した時点で、ブレーキアシストを終了する。
【0082】
なお、この実施の形態においても、モータ27の作動開始判定中及びその作動中にブレーキペダル1が戻されてブレーキスイッチ42がオフになれば、ステップS35,S36により、その時点でタイマTがクリアされて次のブレーキ操作時に備えられると共に、モータ27がオフとなってブレーキアシストの制御が終了する。
【0083】
これにより、減少側変曲点Xdの発生を、第1実施の形態の場合のようにマスタシリンダ圧の増分dPの変化に基づいて実際に検出することなく、タイマーの計測で検出することによって、第1実施の形態の場合と同様の作用効果が得られることになる。
【0084】
次に、図11にフローチャートを示す第3実施の形態に係る緊急時のBAS動作の制御について説明する。
【0085】
上記第1、第2実施の形態では、マスタシリンダ圧の減少側変曲点Xd発生前(図6に符号Taで示す期間)の最大上昇速度vP1の値を更新していき、そして、その減少側変曲点前の最大上昇速度vP1に応じて助勢速度を設定したが、この実施の形態においては、マスタシリンダ圧の増加側変曲点Xi発生後(図6に符号Tbで示す期間)の最大上昇速度vP2の値を更新していき、そして、その増加側変曲点後の最大上昇速度vP2に応じて助勢速度を設定する。その他の点についてのプログラムの流れはいままでとほぼ同様である。
【0086】
すなわち、まずステップS51で減少カウンタCd及び増加カウンタCiをクリアしたのち、ステップS52でブレーキスイッチ42等からの信号を入力し、次いで、ステップS53でマスタシリンダ圧の増分dPとマスタシリンダ圧の上昇速度vPとを算出する。ステップS54でブレーキスイッチ42がオンでない場合は、ステップS55,S56で、減少カウンタCd及び増加カウンタCiを改めてクリアすると共に、ポンプ駆動用のモータ27をオフに保持する。一方、ブレーキペダル1が踏み込まれ、上記ブレーキスイッチ42がオンになると、ステップS54からステップS57を実行して、上記モータ27がオフの場合は、ステップS58を経由して、ステップS59ないしS65で減少側変曲点Xd及び増加側変曲点Xiの発生を検出する。
【0087】
そして、増加側変曲点Xiの発生を検出したのちは、ステップS58からステップS66,S67を実行して、その時点のマスタシリンダ圧の上昇速度vPが所定速度V0より大きく、かつマスタシリンダ圧Pが所定圧P0より高いときに、ステップS68で助勢速度を設定したうえで、ステップS69でモータ27をオンにする。
【0088】
これに対し、このようなモータ作動開始条件が成立しない間は、ステップS70,S71で、マスタシリンダ圧Pの増加側変曲点後における最大上昇速度vP2の値が更新され続ける。
【0089】
そして、モータ27がオンになってブレーキアシストが開始されれば、その後は、ステップS57からステップS72,S73を実行し、マスタシリンダ圧Pが上記のモータ作動開始条件の所定圧P0より所定値pだけ低い圧力(P0−p)より低下した時点で、ブレーキアシストを終了する。
【0090】
なお、この実施の形態においても、モータ27の作動開始判定中及びその作動中にブレーキペダル1が戻されてブレーキスイッチ42がオフになれば、ステップS55,S56により、その時点で減少カウンタCd及び増加カウンタCiがクリアされて次のブレーキ操作時に備えられると共に、モータ27がオフとなってブレーキアシストの制御が終了する。
【0091】
このように、マスタシリンダ圧の増加側変曲点後(図6に符号Tbで示す期間)における運転者のブレーキペダル1の踏込速度が不足しているときは、アシスト圧の昇圧レートを急として、助勢速度を大きくするようにしたから、ブレーキアシストが短期間の間により大きく作用し、制動力がより大きく助勢されて、フルブレーキ状態が早期に実現し、助勢応答性が向上することになる。
【0092】
次に、図12にフローチャートを示す第4実施の形態に係る緊急時のBAS動作の制御について説明する。
【0093】
この実施の形態においては、上記第3実施の形態のようにマスタシリンダ圧Pの増加側変曲点Xiを増加カウンタCiの値で検出する代わりにタイマーの計測で検出しようとするものであって、基本的なプログラムの流れは第3実施の形態の場合とほぼ同様である。
【0094】
すなわち、まずステップS81でタイマTをクリアしたのち、ステップS82でブレーキスイッチ42等からの信号を入力し、次いで、ステップS83でマスタシリンダ圧の増分dPとマスタシリンダ圧の上昇速度vPとを算出する。ステップS84でブレーキスイッチ42がオンでない場合は、ステップS85,S86で、上記タイマTを改めてクリアすると共に、ポンプ駆動用のモータ27をオフに保持する。一方、ブレーキペダル1が踏み込まれ、上記ブレーキスイッチ42がオンになると、ステップS84からステップS87を実行して、上記モータ27がオフの場合は、ステップS88で上記タイマTの値が所定値T2より小さいか否かを判定する。
【0095】
このときの所定値T2は、ブレーキペダル1の踏込開始時からマスタシリンダ圧Pの増加側変曲点Xiが発生するまでの時間として予め実験等により求められた時間に相当し、ブレーキペダル1の踏込開始直後はT<T2であるから、次にステップS89で、このタイマTの値を1だけ増加させる。
【0096】
そして、タイマTの値が所定値T2より大きくなったとき、すなわちブレーキペダル1の踏み込み開始時からマスタシリンダ圧Pの増加側変曲点Xiが発生するまでの時間が経過したときに、ステップS90,S91で、その時点のマスタシリンダ圧の上昇速度vPが所定速度V0より大きいか否か、及びマスタシリンダ圧Pが所定圧P0より高いか否かを判定し、その結果、vP>V0であり、かつP>P0のときに、ステップS92で助勢速度を設定したうえで、ステップS93でモータ27をオンにする。
【0097】
これに対し、このようなモータ作動開始条件が成立しない間は、ステップS94,S95で、マスタシリンダ圧Pの増加側変曲点後における最大上昇速度vP2の値が更新され続ける。
【0098】
そして、モータ27がオンになってブレーキアシストが開始されれば、その後は、ステップS87からステップS96,S97を実行し、マスタシリンダ圧Pが上記のモータ作動開始条件の所定圧P0より所定値pだけ低い圧力(P0−p)より低下した時点で、ブレーキアシストを終了する。
【0099】
なお、この実施の形態においても、モータ27の作動開始判定中及びその作動中にブレーキペダル1が戻されてブレーキスイッチ42がオフになれば、ステップS85,S86により、その時点でタイマTがクリアされて次のブレーキ操作時に備えられると共に、モータ27がオフとなってブレーキアシストの制御が終了する。
【0100】
これにより、増加側変曲点Xiの発生を、第3実施の形態の場合のようにマスタシリンダ圧の増分dPの変化に基づいて実際に検出することなく、タイマーの計測で検出することによって、第3実施の形態の場合と同様の作用効果が得られることになる。
【0101】
次に、図13にフローチャートを示す第5実施の形態に係る緊急時のBAS動作の制御について説明する。
【0102】
上記第1、第2実施の形態では、マスタシリンダ圧の減少側変曲点Xd発生前(図6に符号Taで示す期間)の最大上昇速度vP1の値に応じて助勢速度を設定し、また、第3、第4実施の形態では、マスタシリンダ圧の増加側変曲点Xi発生後(図6に符号Tbで示す期間)の最大上昇速度vP2の値に応じて助勢速度を設定したが、この実施の形態においては、マスタシリンダ圧の増加側変曲点Xi発生前(図6に符号Tcで示す期間)のマスタシリンダ圧の平均値Paを求め、そして、その増加側変曲点前のマスタシリンダ圧の平均値Paに応じて助勢速度を設定する。その他の点についてのプログラムの流れはいままでとほぼ同様である。
【0103】
すなわち、まずステップS101で減少カウンタCd及び増加カウンタCiをクリアしたのち、ステップS102でブレーキスイッチ42等からの信号を入力し、次いで、ステップS103でマスタシリンダ圧の増分dPとマスタシリンダ圧の上昇速度vPとを算出する。ステップS104でブレーキスイッチ42がオンでない場合は、ステップS105,S106で、減少カウンタCd及び増加カウンタCiを改めてクリアすると共に、ポンプ駆動用のモータ27をオフに保持する。一方、ブレーキペダル1が踏み込まれ、上記ブレーキスイッチ42がオンになると、ステップS104からステップS107を実行して、上記モータ27がオフの場合は、ステップS108を経由して、ステップS110ないしS116で減少側変曲点Xd及び増加側変曲点Xiの発生を検出するが、最終的に増加側変曲点Xiの発生を検出して、ステップS108からステップS117に進むまでの間、ステップS109を繰り返し実行して、いままでの各制御サイクルで検出したマスタシリンダ圧Pの相加平均値Paを求める。
【0104】
そして、増加側変曲点Xiの発生を検出したのちは、ステップS108からステップS117,S118を実行して、その時点のマスタシリンダ圧の上昇速度vPが所定速度V0より大きく、かつマスタシリンダ圧Pが所定圧P0より高いときに、ステップS119で助勢速度を設定したうえで、ステップS120でモータ27をオンにする。
【0105】
ここで、上記ステップS119における助勢速度の設定は図14に示すフローチャートに従って行なわれ、ステップS119aで、上記マスタシリンダ圧Pの平均値Paが所定値Pa0より大きいか否かを判定して、大きいとき、つまり運転者がブレーキペダル1を充分大きな踏込量で踏み込んでおり、したがって充分大きな減速度が平均として発生しているときは、ステップS119bでアシスト圧の昇圧レートを通常加圧とする。すなわち、増圧ライン26をオリフィス切換バルブ29のオリフィス29aによって絞った状態とする。一方、マスタシリンダ圧Pの平均値Paが所定値Pa0より大きくないとき、つまり緊急時であると判定されているにも拘らず、運転者がブレーキペダル1を充分大きな踏込量で踏み込んでおらず、したがって充分大きな減速度が平均として発生していないときは、ステップS119cでアシスト圧の昇圧レートを急加圧とする。すなわち、オリフィス29aを除去して、増圧ライン26をオリフィス切換バルブ29で絞らない状態とする。
【0106】
そして、モータ27がオンになってブレーキアシストが開始されれば、その後は、ステップS107からステップS121,S122を実行し、マスタシリンダ圧Pが上記のモータ作動開始条件の所定圧P0より所定値pだけ低い圧力(P0−p)より低下した時点で、ブレーキアシストを終了する。
【0107】
なお、この実施の形態においても、モータ27の作動開始判定中及びその作動中にブレーキペダル1が戻されてブレーキスイッチ42がオフになれば、ステップS105,S106により、その時点で減少カウンタCd及び増加カウンタCiがクリアされて次のブレーキ操作時に備えられると共に、モータ27がオフとなってブレーキアシストの制御が終了する。
【0108】
このように、制動開始後、マスタシリンダ圧の増加側変曲点前(図6に符号Tcで示す期間)における運転者のブレーキペダル1の踏込量が不足し、その結果、マスタシリンダ圧の平均値Pa、つまり減速度の平均値が不足しているときは、アシスト圧の昇圧レートを急として、助勢速度を大きくするようにしたから、ブレーキアシストが短期間の間により大きく作用し、制動力がより大きく助勢されて、フルブレーキ状態が早期に実現し、助勢応答性が向上することになる。
【0109】
次に、図15にフローチャートを示す第6実施の形態に係る緊急時のBAS動作の制御について説明する。
【0110】
この実施の形態においては、上記第5実施の形態のようにマスタシリンダ圧Pの増加側変曲点Xiを増加カウンタCiの値で検出する代わりにタイマーの計測で検出しようとするものであって、基本的なプログラムの流れは第5実施の形態の場合とほぼ同様である。
【0111】
すなわち、まずステップS131でタイマTをクリアしたのち、ステップS132でブレーキスイッチ42等からの信号を入力し、次いで、ステップS133でマスタシリンダ圧の増分dPとマスタシリンダ圧の上昇速度vPとを算出する。ステップS134でブレーキスイッチ42がオンでない場合は、ステップS135,S136で、上記タイマTを改めてクリアすると共に、ポンプ駆動用のモータ27をオフに保持する。一方、ブレーキペダル1が踏み込まれ、上記ブレーキスイッチ42がオンになると、ステップS134からステップS137を実行して、上記モータ27がオフの場合は、ステップS138で上記タイマTの値が所定値T2より小さいか否かを判定する。
【0112】
このときの所定値T2は、上記第4実施の形態の場合と同様、ブレーキペダル1の踏込開始時からマスタシリンダ圧Pの増加側変曲点Xiが発生するまでの時間として予め実験等により求められた時間に相当し、ブレーキペダル1の踏込開始直後はT<T2であるから、次にステップS139で、このタイマTの値を1だけ増加させる。併せて、タイマTの値が所定値T2より小さい間は、ステップS140で、マスタシリンダ圧Pの平均値Paを更新していく。
【0113】
そして、タイマTの値が所定値T2より大きくなったとき、すなわちブレーキペダル1の踏み込み開始時からマスタシリンダ圧Pの増加側変曲点Xiが発生するまでの時間が経過したときに、ステップS141,S142で、その時点のマスタシリンダ圧の上昇速度vPが所定速度V0より大きいか否か、及びマスタシリンダ圧Pが所定圧P0より高いか否かを判定し、その結果、vP>V0であり、かつP>P0のときに、ステップS143で助勢速度を設定したうえで、ステップS144でモータ27をオンにする。
【0114】
そして、モータ27がオンになってブレーキアシストが開始されれば、その後は、ステップS137からステップS145,S146を実行し、マスタシリンダ圧Pが上記のモータ作動開始条件の所定圧P0より所定値pだけ低い圧力(P0−p)より低下した時点で、ブレーキアシストを終了する。
【0115】
なお、この実施の形態においても、モータ27の作動開始判定中及びその作動中にブレーキペダル1が戻されてブレーキスイッチ42がオフになれば、ステップS135,S136により、その時点でタイマTがクリアされて次のブレーキ操作時に備えられると共に、モータ27がオフとなってブレーキアシストの制御が終了する。
【0116】
これにより、増加側変曲点Xiの発生を、第5実施の形態の場合のようにマスタシリンダ圧の増分dPの変化に基づいて実際に検出することなく、タイマーの計測で検出することによって、第5実施の形態の場合と同様の作用効果が得られることになる。
【0117】
なお、以上の各実施の形態においては、オリフィス切換バルブ29の切換えによって助勢速度を変更し、これにより助勢力の付加のしかたを変更するようにしたが、それに代えて、又はそれと共に、ポンプ駆動用モータ17の回転速度の変更によって助勢量、つまり助勢力の元圧の大きさ、強さを変更し、これにより助勢力の付加のしかたを変更するようにしてもよい。
【0118】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ブレーキアシストシステムの助勢量や助勢速度をそのときどきのブレーキ操作状態に応じて変更するように構成したから、常に適切なブレーキアシストが実現し、例えば身体的にペダル踏力の弱い女性や高齢者の場合でも充分な制動力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る制動装置のシステム図である。
【図2】 同システムに用いられる倍力装置の概略図である。
【図3】 第1実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図4】 同実施の形態における減少側変曲点の検出動作の説明図である。
【図5】 同じく増加側変曲点の検出動作の説明図である。
【図6】 緊急時等におけるブレーキ操作時のマスタシリンダ圧の変化を示す図である。
【図7】 上記フローチャートにおける助勢速度設定のサブルーティンを示すフローチャートである。
【図8】 助勢速度設定の別の態様のサブルーティンを示すフローチャートである。
【図9】 助勢速度設定のさらに別の態様のサブルーティンを示すフローチャートである。
【図10】 第2実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図11】 第3実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図12】 第4実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図13】 第5実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図14】 上記フローチャートにおける助勢速度設定のサブルーティンを示すフローチャートである。
【図15】 第6実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図16】 ブレーキ操作をしたときのマスタシリンダ圧の変化を緊急時と通常時とを対比して示す図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル
2 倍力装置
27 ポンプ駆動用モータ
28 ポンプ
29 オリフィス切換バルブ
40 コントローラ
42 ブレーキスイッチ
43 アイドルスイッチ
44 マスタシリンダ圧センサ

Claims (8)

  1. ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値を検出する踏込速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が減少する減少側変曲点の発生を検出する減少側変曲点検出手段と、該検出手段による減少側変曲点の発生検出前におけるブレーキペダルの踏込速度に関連する値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  2. ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値を検出する踏込速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が減少する減少側変曲点の発生時点までの時間に相当する所定時間の経過前におけるブレーキペダルの踏込速度に関連する値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  3. ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値を検出する踏込速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が増加する増加側変曲点の発生を検出する増加側変曲点検出手段と、該検出手段による増加側変曲点の発生検出後におけるブレーキペダルの踏込速度に関連する値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  4. ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値を検出する踏込速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が増加する増加側変曲点の発生時点までの時間に相当する所定時間の経過後におけるブレーキペダルの踏込速度に関連する値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  5. ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、減速度に関連する値を検出する減速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が増加する増加側変曲点の発生を検出する増加側変曲点検出手段と、該検出手段による増加側変曲点の発生検出前における減速度に関連する値の平均値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  6. ブレーキペダルの踏込操作により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダと、このマスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢するブレーキ助勢手段とが備えられた車両の制動力制御装置であって、上記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、減速度に関連する値を検出する減速度関連値検出手段と、ブレーキペダルの踏込開始後、上記マスタシリンダ圧検出手段によって検出されるマスタシリンダ圧の上昇速度が増加する増加側変曲点の発生時点までの時間に相当する所定時間の経過前における減速度に関連する値の平均値が小さいときは、大きいときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を大きくする制御手段とが設けられていることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  7. ブレーキペダルの踏込操作により発生する制動力を助勢するブレーキ助勢手段が備えられた車両の制動力制御装置であって、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方を変更する変更手段と、ブレーキペダルの踏込操作を検出するブレーキペダル踏込操作検出手段と、アクセルペダルの踏込操作を検出するアクセルペダル踏込操作検出手段と、これらの検出手段で上記両ペダルの踏込操作がともに検出されたときは、ブレーキペダルの踏込操作のみが検出されたときに比べて、上記ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方が大きくなるように上記変更手段を制御する制御手段とが設けられていることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  8. ブレーキ助勢手段による助勢量又は助勢速度の少なくとも一方が大きくされると共に、当該車両の変速機の変速段がシフトダウンされるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の車両の制動力制御装置。
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