JP2007106331A - 制動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度良く運転者のブレーキ操作特性を判定して、適切なブレーキアシスト制御を実行させること。
【解決手段】運転中に検出された運転者によるブレーキ操作の状態量と所定のブレーキアシスト制御開始閾値とを比較してブレーキアシスト制御の開始判定を行うブレーキアシスト制御開始判定手段61と、このブレーキアシスト制御開始判定手段61の判定結果に応じて制動力発生装置(制動手段20FL,20FR,20RL,20RR等)に対してブレーキアシスト制御を実行させるブレーキアシスト制御実行手段62と、停車中に検出された運転者によるブレーキ操作の状態量に基づいて当該運転者のブレーキ操作特性を判定するブレーキ操作特性判定手段63と、このブレーキ操作特性判定手段63の判定結果に応じてブレーキアシスト制御の開始条件を設定するブレーキアシスト制御開始条件設定手段64とを設けること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車輌に制動力を発生させる制動力発生装置に対して制御を行う制動力制御装置に関する。
従来、運転者による緊急ブレーキ操作時に制動液圧を増圧させて通常ブレーキ操作時よりも大きな制動力を発生させる所謂ブレーキアシストシステムを具備した制動力発生装置が知られている。例えば、この種の制動力発生装置を制御する制動力制御装置においては、運転者のブレーキ操作速度やブレーキ操作量と所定のブレーキアシスト制御開始閾値とを比較して緊急ブレーキであるのか通常ブレーキであるのかを判断している。そして、この制動力制御装置においては、ブレーキ操作速度やブレーキ操作量が所定のブレーキアシスト制御開始閾値に達していなければ、通常ブレーキ時であると判断して通常ブレーキを実行させ、ブレーキ操作速度やブレーキ操作量が所定のブレーキアシスト制御開始閾値に達していれば、緊急ブレーキ時であると判断してブレーキアシスト制御を実行させる。このような制動力制御装置は、例えば下記の特許文献1に開示されている。
しかしながら、そのブレーキアシスト制御の開始判定を行う為のブレーキ操作速度やブレーキ操作量には運転者毎に個人差があり(即ち、運転者毎にブレーキ操作特性が異なり)、適切に緊急ブレーキ時であるか通常ブレーキ時であるかを判別することができない。
そこで、下記の特許文献2には、かかる不都合を改善する為に、車輪速センサの検出信号に基づいて求めた最大減速度の変化傾向から運転者のブレーキ操作特性を推定し、この推定したブレーキ操作特性に応じてブレーキアシスト制御開始閾値を変更する、という技術が開示されている。
特許第2725452号公報 特開平11−48951号公報
しかしながら、上記特許文献2の如くして推定される運転者のブレーキ操作特性は、あらゆる状況の下で精度良く推定されたものではない。即ち、通常、制動力発生装置においては、使用に伴いブレーキパッドの摩耗やブレーキ液の劣化等が起こり、徐々に制動特性が変化していく。これが為、その変化の前後において運転者が同じブレーキ操作速度やブレーキ操作量等でブレーキ操作を行っても、その際に車輪速センサの検出信号に基づいて求められる夫々の最大減速度は一定のものとはならず、夫々に異なる運転者のブレーキ操作特性として推定されてしまう。
そして、そのような的確でないブレーキ操作特性に基づいて変更されたブレーキアシスト制御開始閾値(ブレーキアシスト制御の開始条件)はこれもまた的確なものではなく、ブレーキパッドの摩耗等により制動特性が変化してしまうと、緊急ブレーキ時であるか通常ブレーキ時であるかを適切に判別することができなくなってしまい、妥当なブレーキアシスト制御が実行されなくなる。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、精度良く運転者のブレーキ操作特性を判定することができ、且つ、これに基づいて適切なブレーキアシスト制御を実行させることが可能な制動力制御装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、運転中に検出された運転者によるブレーキ操作の状態量と所定のブレーキアシスト制御開始閾値とを比較してブレーキアシスト制御の開始判定を行うブレーキアシスト制御開始判定手段と、このブレーキアシスト制御開始判定手段の判定結果に応じて制動力発生装置に対してブレーキアシスト制御を実行させるブレーキアシスト制御実行手段と、停車中に検出された運転者によるブレーキ操作の状態量に基づいて当該運転者のブレーキ操作特性を判定するブレーキ操作特性判定手段と、このブレーキ操作特性判定手段の判定結果に応じてブレーキアシスト制御の開始条件を設定するブレーキアシスト制御開始条件設定手段と、を設けている。
この請求項1記載の制動力制御装置によれば、停車中のブレーキ操作の状態量を用いて運転者のブレーキ操作特性を判定するので、ブレーキパッドの摩耗やブレーキ液の劣化等により制動特性が変化しても、この制動特性の変化に拘わらず運転者のブレーキ操作特性を精度良く判定することができる。そして、そのような精度の良い運転者のブレーキ操作特性に応じてブレーキアシスト制御の開始条件を設定するので、個々の運転者のブレーキ操作特性に応じた適切な開始時期でブレーキアシスト制御を実行することができる。
例えば、そのブレーキアシスト制御開始条件設定手段は、請求項2記載の制動力制御装置の如く、ブレーキ操作特性判定手段により判定された運転者のブレーキ操作特性に応じてブレーキアシスト制御の開始条件たるブレーキアシスト制御開始閾値を設定するよう構成することができる。
また例えば、そのブレーキアシスト制御開始条件設定手段は、請求項3記載の制動力制御装置の如く、ブレーキ操作特性判定手段により判定された運転者のブレーキ操作特性に応じて運転中に検出された運転者によるブレーキ操作の状態量に対してのブレーキアシスト制御の開始条件たる補正値を設定するよう構成することができる。
ここで、請求項4記載の発明では、上記請求項1,2又は3に記載の制動力制御装置において、停車中に検出された運転者によるブレーキ操作の状態量と所定のブレーキ操作特性判定閾値とを比較して、そのブレーキ操作の状態量が所定のブレーキ操作特性判定閾値と同値であれば当該運転者は平均的な運転者と同じブレーキ操作特性を有すると判定し、そのブレーキ操作の状態量が所定のブレーキ操作特性判定閾値と異なれば当該運転者は平均的な運転者とは異なるブレーキ操作特性を有すると判定するようブレーキアシスト制御開始条件設定手段を構成している。これにより、平均的な運転者と同じブレーキ操作特性を有する者に対しては平均的な開始時期でブレーキアシスト制御を実行することができ、平均的な運転者とは異なるブレーキ操作特性を有する者に対しては当該ブレーキ操作特性に応じた適切な開始時期でブレーキアシスト制御を実行することができる。
更に、上記請求項1,2,3又は4に記載の制動力制御装置においてブレーキ操作特性判定手段が判定時に用いる停車中における運転者のブレーキ操作の状態量としては、請求項5記載の発明の如く、ブレーキ踏力又はブレーキ操作速度を利用することができる。
また、上記目的を達成する為、請求項6記載の発明では、上記請求項1から5の内の何れか1つに記載の制動力制御装置において、車輌前後方向傾斜角度検出手段からの検出信号に応じて車輌前後方向の傾斜角度を判定し、この判定結果に応じてブレーキアシスト制御の開始条件を設定させるか否か判定する車輌前後方向傾斜角度判定手段を設けている。
例えば、一般に、運転者は、坂道において平坦路よりも強くブレーキペダルを踏み込む傾向にあり、その坂道の勾配が急になればなるほどブレーキ踏力が大きくなる。これが為、坂道においては運転者のブレーキ操作特性を判定することができない。この請求項6記載の発明によれば、車輌前後方向の傾斜角度に応じて,即ち、坂道であるか平坦路であるかに応じてブレーキアシスト制御の開始条件を設定させるか否かを判定するので、坂道において誤ったブレーキアシスト制御の開始条件が設定されず、誤判定による好ましくない開始時期でのブレーキアシスト制御を回避することができる。
また、上記目的を達成する為、請求項7記載の発明では、上記請求項1から5の内の何れか1つに記載の制動力制御装置において、車輌前後方向傾斜角度検出手段からの検出信号に応じて車輌前後方向の傾斜角度を判定する車輌前後方向傾斜角度判定手段を設け、この車輌前後方向傾斜角度判定手段の判定結果に応じて運転者のブレーキ操作特性の判定を行うようブレーキ操作特性判定手段を構成している。
この請求項7記載の制動力制御装置によれば、坂道であっても運転者のブレーキ操作特性をブレーキパッドの摩耗やブレーキ液の劣化等による制動特性の変化に拘わらず精度良く判定することができる。
本発明に係る制動力制御装置は、停車中のブレーキ操作の状態量を用いることによって、運転者のブレーキ操作特性をブレーキパッドの摩耗やブレーキ液の劣化等による制動特性の変化に拘わらず精度良く判定することができ、個々の運転者のブレーキ操作特性に応じた適切な開始時期でのブレーキアシスト制御が可能になる。
以下に、本発明に係る制動力制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る制動力制御装置の実施例1を図1から図5に基づいて説明する。
最初に、本実施例1における制動力制御装置の制御対象たる制動力発生装置の一例について示す。
本実施例1にて例示する制動力発生装置は、図1に示す如く、運転者が操作するブレーキ操作部材(ここでは、ブレーキペダルを例示する。)10と、このブレーキペダル10に入力されたブレーキ踏力を倍化させる制動倍力手段(ブレーキブースタ)11と、この制動倍力手段11により倍化されたブレーキ踏力をブレーキ液の液圧へと変換するマスタシリンダ12と、ブレーキ液の液圧が供給されて夫々の車輪80FL,80FR,80RL,80RRに制動力を発生させる制動手段20FL,20FR,20RL,20RRとを備えている。例えば、その制動手段20FL,20FR,20RL,20RRとしては、ブレーキキャリパやディスクロータからなる所謂ディスクブレーキもあれば、ホイールシリンダやブレーキシューからなる所謂ドラム式ブレーキもある。
ここで、本実施例1の制動力発生装置には、運転者による緊急ブレーキ操作時にブレーキ液の液圧を増圧させて通常ブレーキ操作時よりも大きな制動力を発生させる所謂ブレーキアシストシステムが具備されている。このブレーキアシストシステムとしては、当該技術分野において周知のものが適用される。
例えば、本実施例1の制動力発生装置においては、通常ブレーキ時(ブレーキアシスト非制御時)の第1液圧供給経路と、緊急ブレーキ時(ブレーキアシスト制御時)の第2液圧供給経路と、その第1及び第2の液圧供給経路の切り替えを適宜行う流路切替弁30とを設けて以下の如く構成されるブレーキアシストシステムを例示する。
先ず、第1液圧供給経路は、マスタシリンダ12と流路切替弁30とを接続する液圧通路41、その流路切替弁30から制動手段20FL,20FR,20RL,20RRに向けて液圧を供給する液圧通路42、この液圧通路42から分岐して左右前輪80FL,80FRの各制動手段20FL,20FRへと液圧を供給する液圧通路43及びその液圧通路42から分岐して左右後輪80RL,80RRの各制動手段20RL,20RRへと液圧を供給する液圧通路44を備えている。通常ブレーキ時には、流路切替弁30が液圧通路41と液圧通路42とを連通させるよう切り替えられ、この第1液圧供給経路を経てマスタシリンダ12からのブレーキ液の液圧が各制動手段20FL,20FR,20RL,20RRに供給される。
また、第2液圧供給経路にはブレーキ液の液圧を増圧させる液圧調節手段(ブレーキアクチュエータ)50が設けられており、その液圧調節手段50により増圧されたブレーキ液を緊急ブレーキ時に各制動手段20FL,20FR,20RL,20RRへと供給して、通常ブレーキ時よりも大きな制動力を発生させる。
例えば、本実施例1の液圧調節手段50としては、リザーブタンク13内のブレーキ液を液圧通路45を介して汲み上げるポンプ51と、このポンプ51を駆動させるモータ52と、そのポンプ51により汲み上げられたブレーキ液を一定の範囲内の液圧で蓄えるアキュムレータ53と、このアキュムレータ53におけるブレーキ液の液圧を必要に応じて増減させる電磁弁等の電磁液圧制御弁54とを備えたものを用いる。本実施例1にあっては、その電磁液圧制御弁54により増減制御された液圧のブレーキ液が液圧通路46を介して流路切替弁30へと供給される。
緊急ブレーキ時には、マスタシリンダ12の液圧よりも高圧となるよう電磁液圧制御弁54が制御され、更に、流路切替弁30が液圧通路46と液圧通路42とを連通させるよう切り替えられることによって、マスタシリンダ12の液圧よりも高圧のブレーキ液が上記第1液圧供給経路と共通の液圧通路42〜44を介して各制動手段20FL,20FR,20RL,20RRに供給される。これにより、この制動力発生装置においては、緊急ブレーキ時に通常ブレーキ時よりも大きな制動力を発生させることができる。
尚、この液圧調節手段50は、上記のリザーブタンク13内のブレーキ液を利用せずに、これ自体にマスタシリンダ12からブレーキ液が供給されるリザーバを設け、このリザーバのブレーキ液をポンプ51で汲み上げるように構成してもよい。
また、この第2液圧供給経路は、必ずしも緊急ブレーキ時(ブレーキアシスト制御時)のみに使用されるものとして限定する必要はなく、例えば、旋回時の車輌姿勢制御や所謂トラクションコントロールシステムのスリップ抑制制御等にも使用することができる。
ところで、ここで例示した流路切替弁30は、後述する電子制御装置60の制御信号に基づいて第1液圧供給経路と第2液圧供給経路の切り替え動作を実行するものであってもよく、また、その第1又は第2の液圧供給経路の内の液圧の高い方へと切り替えるものであってもよい。ここでは、前者の電子制御装置60により駆動制御される流路切替弁30を例示する。
このように構成された制動力発生装置は、電子制御装置(ECU)60の一機能として設けられた制動力制御装置により制御され、緊急ブレーキ時において通常ブレーキ時よりも大きな制動力を各制動手段20FL,20FR,20RL,20RRに対して発生させる。以下に、その制動力制御装置を構成する為に電子制御装置60に設けられた各種演算処理手段について詳述する。
尚、その電子制御装置60は、図示しないCPU(中央演算処理装置),所定の制御プログラム等を予め記憶しているROM(Read Only Memory),CPUの演算結果を一時記憶するRAM(Random Access Memory),予め用意された情報等を記憶するバックアップRAM等で構成されている。
先ず、この電子制御装置60には、運転者による運転中のブレーキ操作が通常ブレーキであるのか緊急ブレーキであるのかを判定する(換言すれば、ブレーキアシスト制御を開始するか否かの判定を行う)ブレーキアシスト制御開始判定手段61が設けられている。このブレーキアシスト制御開始判定手段61は、運転者による運転中のブレーキ操作の状態量と所定のブレーキアシスト制御開始閾値SBAとを比較して、そのブレーキ操作の状態量がブレーキアシスト制御開始閾値SBAに達していなければ通常ブレーキ時と判断し、そのブレーキ操作の状態量がブレーキアシスト制御開始閾値SBA以上であれば緊急ブレーキ時と判断するように構成されている。
ここで、本実施例1にあっては、運転者によるブレーキ操作の状態量を検出して、その検出信号を電子制御装置60へと送信するブレーキ操作状態量検出手段が制動力発生装置に設けられている。
一般に、緊急ブレーキを行う際の運転者はブレーキペダル10を通常ブレーキ時よりも素早く踏み込むことが知られているので、運転者が素早くブレーキペダル10を踏み込んだときを緊急ブレーキ時として捉えることができる。従って、ブレーキアシスト制御開始判定手段61が判定時に用いるブレーキ操作の状態量としては、運転者によるブレーキペダル10の操作速度(以下、「ブレーキ操作速度」という。)BSを利用することができる。
これが為、本実施例1にあっては、運転者によるブレーキ操作速度BSを検出する図1に示すブレーキ操作速度検出手段71が上述したブレーキアシスト制御の開始判定を行う際のブレーキ操作状態量検出手段として設けられている。例えば、このブレーキ操作速度検出手段71としては、ブレーキペダル10の基端部近傍に配設されて、このブレーキペダル10の支点を中心とした回転速度を検出するエンコーダを用いる。この種のブレーキ操作速度検出手段71においては、ブレーキペダル10が一定の微小角度回動する度に1個のパルス信号を電子制御装置60へと送信する。これにより、その電子制御装置60は、受信したパルス信号のカウントによってブレーキ操作速度BSを算出することができる。
そこで、本実施例1においては、そのブレーキ操作速度検出手段71から検出された運転中のブレーキ操作速度BSdrが所定のブレーキ操作速度(ブレーキアシスト制御開始閾値SBAs)以上であるか否かを判定して、通常ブレーキであるのか緊急ブレーキであるのかを判断するよう上述したブレーキアシスト制御開始判定手段61を構成する。
また、本実施例1の電子制御装置60には、制動力発生装置に対してブレーキアシスト制御を実行させるブレーキアシスト制御実行手段62が設けられている。例えば、このブレーキアシスト制御実行手段62は、当該技術分野において周知の手法によりブレーキアシスト制御を実行させる。
例えば、本実施例1のブレーキアシスト制御実行手段62は、上述した2つの液圧通路42,46が連通するよう流路切替弁30を制御し、第2液圧供給経路から各制動手段20FL,20FR,20RL,20RRに対してブレーキ液を供給させる。これにより、各制動手段20FL,20FR,20RL,20RRには、マスタシリンダ12における液圧よりも高圧のブレーキ液が供給される。その際、このブレーキアシスト制御実行手段62は、現在の車速や目標減速度等に基づいて制動力発生装置の電磁液圧制御弁54の開閉制御を行い、速やかに目標減速度となるようブレーキ液の液圧を調節させる。
ところで、前述したが如く、脚力の違いや癖等により運転者毎にブレーキ操作特性(ブレーキ操作速度BSやブレーキ踏力BP等の特性)が異なる。これが為、異なる運転者が全く同じ状況の下で同じ減速度を発生させるべくブレーキ操作を行ったとしても、ブレーキアシスト制御の開始条件(ここでは、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAs)が一律に固定されたものである場合には、適切にブレーキアシスト制御を実行することができなくなってしまう。
例えば、そのブレーキアシスト制御の開始条件(ブレーキアシスト制御開始閾値SBAs)が平均的なブレーキ操作速度BSaveでブレーキペダル10を踏み込む運転者に合わせて設定されたものと仮定し、その平均的な運転者とは異なるブレーキ操作速度BSで普段からブレーキ操作を行う運転者(即ち、平均的な運転者とは異なるブレーキ操作特性でブレーキ操作を行う運転者)に同一の車輌を運転させる。
そして、その各運転者に全く同じ状況の下で同じ減速度を発生させるべく緊急ブレーキを行わせる。かかる場合、普段から平均的な運転者よりも速いブレーキ操作速度BSでブレーキ操作を行う運転者であれば、その際に検出されたブレーキ操作速度BSscがブレーキアシスト制御開始閾値SBAs以上になるので、緊急ブレーキ時と判断されてブレーキアシスト制御を開始させることができる。一方、普段から平均的な運転者よりも遅いブレーキ操作速度BSでブレーキ操作を行う運転者の場合には、その際のブレーキ操作速度BSscがブレーキアシスト制御開始閾値SBAsに達することができず、緊急ブレーキであるにも拘わらず通常ブレーキ時と判断されてブレーキアシスト制御が開始されない可能性がある。
また、その各運転者に全く同じ状況の下で同じ減速度を発生させるべく通常ブレーキを行わせたとする。かかる場合、普段のブレーキ操作速度BSが平均的な運転者よりも遅い運転者であれば問題無く通常ブレーキが行われるが、その平均的な運転者よりも速いブレーキ操作速度BSで普段からブレーキ操作を行う運転者については、その際に検出されたブレーキ操作速度BSがブレーキアシスト制御開始閾値SBAs以上になってしまい、通常ブレーキであるにも拘わらず緊急ブレーキ時と判断されてブレーキアシスト制御が開始されてしまう可能性がある。
そこで、本実施例1にあっては、運転者のブレーキ操作特性を判定するブレーキ操作特性判定手段63と、その運転者のブレーキ操作特性に応じてブレーキアシスト制御の開始条件(ブレーキアシスト制御開始閾値SBAs)を設定するブレーキアシスト制御開始条件設定手段64を設けている。これにより、その運転者のブレーキ操作特性に応じてブレーキアシスト制御の開始条件の適正化を図ることができ、通常ブレーキ時よりも大きな制動力が必要とされる緊急ブレーキ時においては適切にブレーキアシスト制御が実行され、ブレーキアシスト制御が必要ないときには通常ブレーキが実行されるようになる。
ここで、運転者のブレーキ操作特性とはブレーキ操作時におけるブレーキ操作速度BSの高低やブレーキ踏力BPの大小等の運転者固有の特性のことをいい、そのブレーキ操作特性は、運転者によるブレーキ操作の状態量(ブレーキ操作速度BSやブレーキ踏力BP等)を検出することで直接的に判断することができる。しかしながら、ブレーキ操作の状態量は同じ運転者でも運転中においては様々な状況によって変化するので、そのブレーキ操作の状態量を運転中に検出しても適切なブレーキ操作特性を判断することはできない。これが為、本実施例1にあっては、運転者によるブレーキ操作の状態量を停車中に検出し、これに基づいて運転者のブレーキ操作特性を判定させる。
例えば、上述したが如く運転者によるブレーキ操作の状態量としてはブレーキ操作速度BSやブレーキ踏力BP等があるが、ここでは、停車中のブレーキ操作速度BSstに基づいて運転者のブレーキ操作特性を判定させるようブレーキ操作特性判定手段63を構成する。
ところで、一般に、運転者は、図2に示す如く、停車中のブレーキ操作速度BSstが速いほど緊急ブレーキ時のブレーキ操作速度BSscも速くなるというブレーキ操作特性を有している。この図2は、複数人の運転者について停車中におけるブレーキ操作速度BSstと緊急ブレーキ時のブレーキ操作速度BSscを測定し、その各運転者の測定結果D1〜D7を示したものである。また、本実施例1のブレーキアシスト制御の開始条件としては、運転中のブレーキ操作速度BSdrと比較されるブレーキアシスト制御開始閾値SBAsが用いられている。これが為、運転者のブレーキ操作特性にはブレーキ操作速度BSの高低やブレーキ踏力BPの大小等があるが、本実施例1のブレーキ操作特性判定手段63は、運転者によるブレーキ操作速度BSの高低をブレーキ操作特性として判定させるよう構成する。
即ち、本実施例1にあっては、停車中のブレーキ操作速度BSstと所定のブレーキ操作特性判定閾値SBOsとを比較して運転者のブレーキ操作速度BSの高低を判定するようブレーキ操作特性判定手段63を構成し、その判定結果に応じてブレーキアシスト制御の開始条件(ブレーキアシスト制御開始閾値SBAs)の適正化を図るようブレーキアシスト制御開始条件設定手段64を構成する。
具体的に、本実施例1にあっては、停車中のブレーキ操作速度BSstが所定のブレーキ操作特性判定閾値SBOsよりも速ければ、その運転者のブレーキ操作速度BSが速いと判定し、通常ブレーキ時にブレーキアシスト制御が開始されないようブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを高速側の高い値に補正する。一方、停車中のブレーキ操作速度BSstが所定のブレーキ操作特性判定閾値SBOsよりも低いときには、その運転者のブレーキ操作速度BSが遅いと判定し、緊急ブレーキ時に適正にブレーキアシスト制御が開始されるようブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを低速側の低い値に補正する。
例えば、図2と同様の比例関係からなる図3に示す停車中のブレーキ操作速度BSstとブレーキアシスト制御開始閾値SBAsとの対応関係のマップを予め用意し、このマップに基づいて本実施例1のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64にブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを設定させる。
ここで、本実施例1においては、平均的な運転者の停車中におけるブレーキ操作速度BSstaveがブレーキ操作特性判定閾値SBOsとして設定されており、このブレーキ操作特性判定閾値SBOs(=BSstave)に対応する図3のマップ上のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsが平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveとして設定されている。本実施例1のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、そのブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveを基準にし、検出された停車中のブレーキ操作速度BSstの高低(即ち、ブレーキ操作特性)に応じてブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを変更する。
尚、本実施例1の制動力発生装置においては、運転者によるブレーキ踏力BPを検出する図1に示すブレーキ踏力検出手段72もブレーキ操作状態量検出手段として設けられている。例えば、そのブレーキ踏力検出手段72としては、ブレーキペダル10に配設されたブレーキ踏力検出センサやブレーキ踏力検出スイッチ等がある。
以下に、上述したが如く構成した制動力制御装置の動作について図4及び図5のフローチャートに基づき説明する。その図4のフローチャートはブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64による演算処理動作を示すものであり、図5のフローチャートはブレーキアシスト制御開始判定手段61とブレーキアシスト制御実行手段62による演算処理動作及び制動力発生装置に対する制御動作を示すものである。
最初に、本実施例1のブレーキ操作特性判定手段63とブレーキアシスト制御開始条件設定手段64による演算処理動作について説明する。
先ず、そのブレーキ操作特性判定手段63は、図4のフローチャートに示す如く、例えば車速センサ73の検出信号から車輌が停車中か否か判断する(ステップST1)。
ここで、車輌が停車中でなければブレーキ操作特性判定手段63による演算処理を終了し、停車中であれば、このブレーキ操作特性判定手段63は、次に運転者によるブレーキ操作の有無をブレーキ操作速度検出手段71やブレーキ踏力検出手段72の検出信号から判断する(ステップST2)。
そして、このブレーキ操作特性判定手段63は、ブレーキ操作されていなければ上記ステップST1に戻り、ブレーキ操作された場合にはブレーキ操作速度検出手段71の検出信号に基づいて停車中の運転者によるブレーキ操作速度BSstを検出する(ステップST3)。
しかる後、このブレーキ操作特性判定手段63は、その停車中のブレーキ操作速度BSstとブレーキ操作特性判定閾値SBOs(=平均的な運転者の停車中におけるブレーキ操作速度BSstave)とを比較し、この運転者のブレーキ操作特性について判定する(ステップST4)。
このブレーキ操作特性判定手段63は、このステップST4において停車中のブレーキ操作速度BSstがブレーキ操作特性判定閾値SBOsよりも低ければ、この運転者はブレーキ操作速度BSが平均的な運転者よりも遅いという特性を有していると判定する。これが為、かかる判定が為されると、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、例えば、その停車中のブレーキ操作速度BSstを上述した図3に示すマップに照らし合わせて、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAsをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveよりも低速側の低い値に補正する(ステップST5)。
一方、上記ステップST4において停車中のブレーキ操作速度BSstがブレーキ操作特性判定閾値SBOsよりも高い場合、このブレーキ操作特性判定手段63は、この運転者はブレーキ操作速度BSが平均的な運転者よりも速いという特性を有していると判定する。これが為、かかる判定が為されると、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、例えば、その停車中のブレーキ操作速度BSstと図3に示すマップとに基づいて、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAsをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveよりも高速側の高い値に補正する(ステップST6)。
また、上記ステップST4において停車中のブレーキ操作速度BSstがブレーキ操作特性判定閾値SBOsと同値の場合、このブレーキ操作特性判定手段63は、この運転者は平均的な運転者と同じブレーキ操作速度BSでブレーキ操作を行うと判定する。これが為、かかる判定が為されると、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、例えば、その停車中のブレーキ操作速度BSst(=BSstave)と図3に示すマップとに基づいて、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAsをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveに設定する(ステップST7)。
次に、ブレーキアシスト制御開始判定手段61とブレーキアシスト制御実行手段62による演算処理動作及び制動力発生装置に対する制御動作について説明する。
先ず、本実施例1のブレーキアシスト制御開始判定手段61は、図5のフローチャートに示す如く、運転中における運転者によるブレーキ操作の有無をブレーキ操作速度検出手段71やブレーキ踏力検出手段72の検出信号から判断する(ステップST11)。
そして、このブレーキアシスト制御開始判定手段61は、ブレーキ操作されていなければこのステップST11を繰り返し、ブレーキ操作された場合にはブレーキ操作速度検出手段71の検出信号に基づいて運転者による運転中のブレーキ操作速度BSdrを検出する(ステップST12)。
しかる後、このブレーキアシスト制御開始判定手段61は、その検出したブレーキ操作速度BSdrと上記ステップST5,ステップST6又はステップST7で設定されたブレーキアシスト制御開始閾値SBAsとを比較し、このブレーキ操作速度BSdrがブレーキアシスト制御開始閾値SBAs以上であるか否かを判定する(ステップST13)。
このステップST13にて運転中のブレーキ操作速度BSdrがブレーキアシスト制御開始閾値SBAs以上であると判定された場合、このブレーキアシスト制御開始判定手段61は緊急ブレーキ時であるとしてブレーキアシスト制御実行手段62に処理を渡し、このブレーキアシスト制御実行手段62がブレーキアシスト制御を実行する(ステップST14)。
一方、ステップST13にて運転中のブレーキ操作速度BSdrがブレーキアシスト制御開始閾値SBAsよりも低いと判定された場合、ブレーキアシスト制御開始判定手段61は通常ブレーキ時であるとして上記ステップST11に戻る。
以上示した如く、本実施例1の制動力制御装置においては、停車中の運転者によるブレーキ操作の状態量(ブレーキ操作速度BSst)を検出し、これに基づいて当該運転者のブレーキ操作特性(ブレーキ操作速度BSの高低)の判定を行うように構成している。これが為、この制動力制御装置によれば、運転者固有のブレーキ操作特性を的確に判定することができる。また、その判定の際に運転者による停車中のブレーキ操作の状態量を用いているので、ブレーキパッドの摩耗やブレーキ液の劣化等により制動特性が変化しても、この制動特性の変化に拘わらず運転者のブレーキ操作特性を精度良く判定することができる。
また、本実施例1の制動力制御装置においては、そのようにして判定された精度の良い運転者固有のブレーキ操作特性に応じてブレーキアシスト制御の開始条件たるブレーキアシスト制御開始閾値SBAsの設定を行っているので、その運転者のブレーキ操作特性に応じた適切な開始時期でブレーキアシスト制御を実行させることができる。これが為、ブレーキ操作特性の異なる運転者が本実施例1に係る同一の車輌を運転しても、緊急ブレーキを行ったときにはブレーキアシスト制御が実行され、通常ブレーキを行ったときには通常ブレーキが実行されるので、緊急ブレーキを行っているにも拘わらず制動力が増加しない又は通常ブレーキを行っているにも拘わらず制動力が増加してしまうという夫々の運転者への違和感を解消することができる。
次に、本発明に係る制動力制御装置の実施例2を図6から図8に基づいて説明する。本実施例2の制動力制御装置は、前述した実施例1と同様の構成からなる制動力発生装置を制御対象としたものについて例示する。
本実施例2にあっても、その制動力制御装置は、ブレーキアシスト制御開始判定手段61,ブレーキアシスト制御実行手段62,ブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64を備え、前述した実施例1と同様に電子制御装置60の一機能として設けられている。そして、本実施例2にあっては、そのブレーキ操作特性判定手段63とブレーキアシスト制御開始条件設定手段64について以下の如く実施例1に対して変更している。尚、そのブレーキアシスト制御開始判定手段61及びブレーキアシスト制御実行手段62に関しては実施例1と同様のものが用意されている。
前述した実施例1においては、運転者による停車中のブレーキ操作速度BSstに基づいて当該運転者のブレーキ操作特性を判定し、この判定結果に応じてブレーキアシスト制御の開始条件(ブレーキアシスト制御開始閾値SBAs)を補正するようブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64を構成している。しかしながら、停車中にブレーキ操作速度BSstを検出する為には、運転者に対して特定の操作を行わせる必要があり、運転者への利便性との観点からすれば好ましくない。
例えば、自動変速機が搭載されている車輌においては、原動機(エンジン)を始動させる際に安全性の面からブレーキペダル10を踏み込んでおかなければならず、原動機を始動させた後で車輌が動き出さないギアポジションのままブレーキペダル10を踏み直させなければ停車中のブレーキ操作速度BSstを検出することができない(手動変速機が搭載されている一部の車輌においても同様)。また、そのようなブレーキペダル10の踏み直しを行わせずに停車中のブレーキ操作速度BSstを検出する為には、原動機を始動させる前に一旦イグニッションキーを「ON」や「ACC」の位置で停止させ、その後でブレーキペダル10を踏み込ませなければならない。
更に、信号待ち等の原動機が始動している状態での停車中においては、車輌の前進又は後退を抑える為にブレーキペダル10を踏み続けなければならず、そのときに停車中のブレーキ操作速度BSstを検出するには、例えば、変速機を車輌が動き出さないギアポジションにして、更にサイドブレーキを引くなどした後でブレーキペダル10を踏み直させなければならない。
一方、ブレーキ操作速度BS以外のブレーキ操作の状態量としてはブレーキ踏力BPがあり、これを利用しても運転者のブレーキ操作特性の判定を行うことができる。そして、そのブレーキ踏力BPは、ブレーキペダル10が踏み込まれている状態であればブレーキ踏力検出手段72の検出信号から検出可能であるので、ブレーキペダル10の踏み直し等を行わずとも検出することができる。
また、本実施例2のブレーキアシスト制御開始判定手段61についても、運転中のブレーキ操作速度BSdrとブレーキアシスト制御開始閾値SBAsとを比較してブレーキアシスト制御の開始判定を実行するよう構成されている。従って、本実施例2にあっても、そのブレーキアシスト制御開始閾値SBAsがブレーキアシスト制御の開始条件となり、このブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを本実施例2のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64がブレーキ操作特性(ブレーキ踏力BPの大小)に応じて設定することになる。
ここで、本実施例2においては、停車中のブレーキ踏力BPstと緊急ブレーキ時のブレーキ操作速度BSscとの関係について図6を用いて考察する。この図6は、複数人の運転者について停車中におけるブレーキ踏力BPstと緊急ブレーキ時のブレーキ操作速度BSscを測定し、その各運転者の測定結果D1〜D7を示したものである。この図6の各測定結果D1〜D7によれば、運転者は、停車中のブレーキ踏力BPstが大きいほど緊急ブレーキ時のブレーキ操作速度BSscも速くなるというブレーキ操作特性を有していることが判る。
そこで、本実施例2にあっては、停車中のブレーキ踏力BPstに基づいて運転者のブレーキ操作特性(ブレーキ踏力BPの大小)を判定させるようにブレーキ操作特性判定手段63を構成する。
具体的に、本実施例2のブレーキ操作特性判定手段63は、停車中のブレーキ踏力BPstが所定のブレーキ操作特性判定閾値SBOpよりも大きければ、その運転者のブレーキ操作速度BSが速いとの判定を行うよう構成する。一方、停車中のブレーキ踏力BPstが所定のブレーキ操作特性判定閾値SBOpよりも小さいときには、その運転者のブレーキ操作速度BSscが遅いとの判定を行うよう構成する。
また、本実施例2のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64については、例えば、図6と同様の比例関係からなる停車中のブレーキ踏力BPst毎に対応させた図7に示すブレーキアシスト制御開始閾値SBAsのマップを予め用意し、このマップに基づいてブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを設定させる。
ここで、本実施例2においては、平均的な運転者の停車中におけるブレーキ踏力BPstaveがブレーキ操作特性判定閾値SBOpとして設定されており、このブレーキ操作特性判定閾値SBOp(=BPstave)に対応する図7のマップ上のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsが平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveとして設定されている。本実施例2のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、そのブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveを基準にし、検出された停車中のブレーキ踏力BPstの大小(即ち、ブレーキ操作特性)に応じてブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを変更する。
以下に、上述したが如く構成した制動力制御装置の動作について図8のフローチャートに基づき説明する。この図8のフローチャートは、本実施例2のブレーキ操作特性判定手段63とブレーキアシスト制御開始条件設定手段64による演算処理動作を示すものである。尚、ブレーキアシスト制御開始判定手段61とブレーキアシスト制御実行手段62による演算処理動作及び制動力発生装置に対する制御動作については実施例1と同様にして実行されるので、ここでの説明は省略する。
先ず、本実施例2のブレーキ操作特性判定手段63は、実施例1と同様に、車輌が停車中か否かの判断(ステップST21)と停車中であれば運転者によるブレーキ操作の有無の判断(ステップST22)を行う。
そして、このブレーキ操作特性判定手段63は、車輌が停車中で且つ運転者によるブレーキ操作が行われた場合に、ブレーキ踏力検出手段72の検出信号に基づいて停車中の運転者によるブレーキ踏力BPstを検出する(ステップST23)。
しかる後、このブレーキ操作特性判定手段63は、その停車中のブレーキ踏力BPstとブレーキ操作特性判定閾値SBOp(=平均的な運転者の停車中におけるブレーキ踏力BPstave)とを比較し、この運転者のブレーキ操作特性について判定する(ステップST24)。
このブレーキ操作特性判定手段63は、このステップST24において停車中のブレーキ踏力BPstがブレーキ操作特性判定閾値SBOpよりも小さければ、この運転者はブレーキ操作速度BSが平均的な運転者よりも遅いという特性を有していると判定する。これが為、かかる判定が為されると、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、例えば、その停車中のブレーキ踏力BPstを上述した図7に示すマップに照らし合わせて、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAsをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveよりも低速側の低い値に補正する(ステップST25)。
一方、上記ステップST24において停車中のブレーキ踏力BPstがブレーキ操作特性判定閾値SBOpよりも大きい場合、このブレーキ操作特性判定手段63は、この運転者はブレーキ操作速度BSが平均的な運転者よりも速いという特性を有していると判定する。これが為、かかる判定が為されると、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、例えば、その停車中のブレーキ踏力BPstと図7に示すマップとに基づいて、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAsをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveよりも高速側の高い値に補正する(ステップST26)。
また、上記ステップST24において停車中のブレーキ踏力BPstがブレーキ操作特性判定閾値SBOpと同値の場合、このブレーキ操作特性判定手段63は、この運転者は平均的な運転者と同じブレーキ踏力BPでブレーキ操作を行うと判定する。これが為、かかる判定が為されると、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、例えば、その停車中のブレーキ踏力BPst(=BPstave)と図7に示すマップとに基づいて、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAsをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveに設定する(ステップST27)。
以上示した如く、本実施例2の制動力制御装置においては、停車中の運転者によるブレーキ操作の状態量(ブレーキ踏力BPst)を検出し、これに基づいて当該運転者のブレーキ操作特性(ブレーキ操作速度BSの高低)の判定を行うように構成している。これが為、この制動力制御装置によれば、実施例1と同様に運転者固有のブレーキ操作特性を的確に判定することができる。また、その判定の際に実施例1と同様の運転者による停車中のブレーキ操作の状態量を用いているので、ブレーキパッドの摩耗やブレーキ液の劣化等により制動特性が変化しても、この制動特性の変化に拘わらず実施例1と同様に運転者のブレーキ操作特性を精度良く判定することができる。
また、本実施例2の制動力制御装置においては、実施例1と同様に、そのようにして判定された精度の良い運転者固有のブレーキ操作特性に基づいてブレーキアシスト制御の開始条件たるブレーキアシスト制御開始閾値SBAsの設定を行っているので、その運転者のブレーキ操作特性に応じた適切な開始時期でブレーキアシスト制御を実行させることができる。これが為、ブレーキ操作特性の異なる運転者が本実施例2に係る同一の車輌を運転しても、緊急ブレーキを行ったときにはブレーキアシスト制御が実行され、通常ブレーキを行ったときには通常ブレーキが実行されるので、緊急ブレーキを行っているにも拘わらず制動力が増加しない又は通常ブレーキを行っているにも拘わらず制動力が増加してしまうという夫々の運転者への違和感を解消することができる。
次に、本発明に係る制動力制御装置の実施例3を図9及び図10に基づいて説明する。本実施例3の制動力制御装置は、前述した実施例1,2と同様の構成からなる制動力発生装置を制御対象としたものについて例示する。
本実施例3にあっても、その制動力制御装置は、ブレーキアシスト制御開始判定手段61,ブレーキアシスト制御実行手段62,ブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64を備え、前述した実施例1,2と同様に電子制御装置60の一機能として設けられている。そして、本実施例3にあっては、以下の如く、実施例1に対してブレーキアシスト制御開始判定手段61,ブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64を変更している。尚、ブレーキアシスト制御実行手段62に関しては実施例1,2と同様のものが用意されている。
先ず、本実施例3のブレーキアシスト制御開始判定手段61について説明する。
前述した実施例1のブレーキアシスト制御開始判定手段61は、運転中の運転者によるブレーキ操作速度BSdrに基づいてブレーキアシスト制御の開始判定を行うよう構成している。これは、前述したが如く、緊急ブレーキを行う際の運転者は一般にブレーキペダル10を通常ブレーキ時よりも素早く踏み込むものであり、運転中のブレーキ操作速度BSdrを検知することによって緊急ブレーキ時と通常ブレーキ時とを判別することができるからである。
他方、緊急ブレーキを行う際の運転者は一般に通常ブレーキ時よりもブレーキペダル10を強く踏み込むことが知られており、運転中のブレーキ踏力BPdrからも緊急ブレーキ時と通常ブレーキ時とを判別することが可能である。
そこで、本実施例3のブレーキアシスト制御開始判定手段61については、ブレーキ踏力検出手段72から検出された運転中のブレーキ踏力BPdrが所定のブレーキ踏力(ブレーキアシスト制御開始閾値SBAp)以上であるか否かを判定して、通常ブレーキであるのか緊急ブレーキであるのかを判断するよう構成する。
続いて、本実施例3のブレーキ操作特性判定手段63とブレーキアシスト制御開始条件設定手段64について説明する。
上述したが如く、本実施例3のブレーキアシスト制御開始判定手段61は、運転中のブレーキ踏力BPdrとブレーキアシスト制御開始閾値SBApとを比較してブレーキアシスト制御の開始判定を実行する。従って、本実施例3にあっては、そのブレーキアシスト制御開始閾値SBApがブレーキアシスト制御の開始条件となり、これを本実施例3のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64がブレーキ操作の状態量から判定したブレーキ操作特性に応じて補正することになる。
ここで、本実施例3のブレーキ操作特性判定手段63がブレーキ操作特性の判定に用いるブレーキ操作の状態量としては、実施例1と同様に停車中のブレーキ操作速度BSstを利用するものとし、その停車中のブレーキ操作速度BSstと緊急ブレーキ時のブレーキ踏力BPscとの関係について図9を用いて考察する。この図9は、複数人の運転者について停車中におけるブレーキ操作速度BSstと緊急ブレーキ時のブレーキ踏力BPscを測定し、その各運転者の測定結果D1〜D7を示したものである。この図9の各測定結果D1〜D7によれば、運転者は、停車中のブレーキ操作速度BSstが速いほど緊急ブレーキ時のブレーキ踏力BPscも大きくなるというブレーキ操作特性を有していることが判る。
そこで、本実施例3のブレーキ操作特性判定手段63は、停車中のブレーキ操作速度BSstが所定のブレーキ操作特性判定閾値SBOsよりも高ければ、その運転者のブレーキ踏力BPstが大きいと判定し、その停車中のブレーキ操作速度BSstが所定のブレーキ操作特性判定閾値SBOsよりも低ければ、その運転者のブレーキ踏力BPstが小さいと判定するよう構成する。
また、本実施例3のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64については、そのブレーキ操作特性判定手段63により運転者のブレーキ踏力BPstが大きいと判定されたときに、通常ブレーキ時におけるブレーキアシスト制御の実行を回避すべくブレーキアシスト制御開始閾値SBApを高くし、そのブレーキ操作特性判定手段63により運転者のブレーキ踏力BPstが小さいと判定されたときに、緊急ブレーキ時に適正にブレーキアシスト制御を開始すべくブレーキアシスト制御開始閾値SBApを低くするよう構成する。
例えば、図9と同様の比例関係からなる停車中のブレーキ操作速度BSst毎に対応させた図10に示すブレーキアシスト制御開始閾値SBApのマップを予め用意し、このマップに基づいて本実施例3のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64にブレーキアシスト制御開始閾値SBApを設定させる。
ここで、本実施例3においては、実施例1と同様に平均的な運転者の停車中におけるブレーキ操作速度BSstaveをブレーキ操作特性判定閾値SBOsとして設定し、このブレーキ操作特性判定閾値SBOs(=BSstave)に対応する図10のマップ上のブレーキアシスト制御開始閾値SBApが平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBApaveとして設定されている。本実施例3のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、そのブレーキアシスト制御開始閾値SBApaveを基準にし、検出された停車中のブレーキ操作速度BSstの高低(即ち、ブレーキ操作特性)に応じてブレーキアシスト制御開始閾値SBApを変更する。
以下に、上述したが如く構成した本実施例3の制動力制御装置の動作について図4及び図5のフローチャートを代用して説明する。尚、ここでは、その各図における「ブレーキアシスト制御開始閾値SBAs」を「ブレーキアシスト制御開始閾値SBAp」と読み替え、図5の「ブレーキ操作速度BSdr」を「ブレーキ踏力BPdr」と読み替える。
先ず、本実施例3のブレーキ操作特性判定手段63は、実施例1と同様に図4のステップST1〜ST4までの演算処理を実行し、停車中のブレーキ操作速度BSstに基づいて運転者のブレーキ操作特性を判定する。
ここで、このブレーキ操作特性判定手段63は、停車中のブレーキ操作速度BSstがブレーキ操作特性判定閾値SBOsよりも低ければ、この運転者はブレーキ踏力BPが平均的な運転者よりも小さいという特性を有していると判定する。これが為、かかる判定が為されると、本実施例3のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、ステップST5にて、例えば、その停車中のブレーキ操作速度BSstを上述した図10に示すマップに照らし合わせ、ブレーキアシスト制御開始閾値SBApをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBApaveよりも小さい値に補正する。
一方、停車中のブレーキ操作速度BSstがブレーキ操作特性判定閾値SBOsよりも速い場合、このブレーキ操作特性判定手段63は、この運転者はブレーキ踏力BPが平均的な運転者よりも大きいという特性を有していると判定する。これが為、かかる判定が為されると、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、ステップST6にて、例えば、その停車中のブレーキ操作速度BSstと図10に示すマップとに基づいて、ブレーキアシスト制御開始閾値SBApをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBApaveよりも大きな値に補正する。
また、停車中のブレーキ操作速度BSstがブレーキ操作特性判定閾値SBOsと同値の場合、このブレーキ操作特性判定手段63は、この運転者は平均的な運転者と同じブレーキ踏力BPでブレーキ操作を行うと判定する。これが為、かかる判定が為されると、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、ステップST7にて、例えば、その停車中のブレーキ操作速度BSst(=BSstave)と図10に示すマップとに基づいて、ブレーキアシスト制御開始閾値SBApをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBApaveに設定する。
続いて、本実施例1のブレーキアシスト制御開始判定手段61は、図5のステップST11と同様に運転中におけるブレーキ操作の有無を判断し、ブレーキ操作が為されている場合、ステップST12にて、ブレーキ踏力検出手段72の検出信号に基づき運転者による運転中のブレーキ踏力BPdrを検出する。
しかる後、このブレーキアシスト制御開始判定手段61は、ステップST13にてその検出したブレーキ踏力BPdrと上記ステップST5,ステップST6又はステップST7で設定されたブレーキアシスト制御開始閾値SBApとを比較し、このブレーキ踏力BPdrがブレーキアシスト制御開始閾値SBAp以上であるか否かを判定する。
そして、運転中のブレーキ踏力BPdrがブレーキアシスト制御開始閾値SBAp以上であると判定された場合、このブレーキアシスト制御開始判定手段61は緊急ブレーキ時であるとしてブレーキアシスト制御実行手段62に処理を渡し、このブレーキアシスト制御実行手段62がステップST14にてブレーキアシスト制御を実行する。
一方、運転中のブレーキ踏力BPdrがブレーキアシスト制御開始閾値SBApよりも小さいと判定された場合、ブレーキアシスト制御開始判定手段61は通常ブレーキ時であるとして上記ステップST11に戻る。
以上示した如く、本実施例3の制動力制御装置においては、停車中の運転者によるブレーキ操作の状態量(ブレーキ操作速度BSst)を検出し、これに基づいて当該運転者のブレーキ操作特性(ブレーキ踏力BPの大小)の判定を行うように構成している。これが為、この制動力制御装置によれば、実施例1,2と同様に運転者固有のブレーキ操作特性を的確に判定することができる。また、その判定の際に実施例1,2と同様の運転者による停車中のブレーキ操作の状態量を用いているので、ブレーキパッドの摩耗やブレーキ液の劣化等により制動特性が変化しても、この制動特性の変化に拘わらず実施例1,2と同様に運転者のブレーキ操作特性を精度良く判定することができる。
また、本実施例3の制動力制御装置においては、実施例1,2と同様に、そのようにして判定された精度の良い運転者固有のブレーキ操作特性に基づいてブレーキアシスト制御の開始条件たるブレーキアシスト制御開始閾値SBApの設定を行っているので、その運転者のブレーキ操作特性に応じた適切な開始時期でブレーキアシスト制御を実行させることができる。これが為、ブレーキ操作特性の異なる運転者が本実施例3に係る同一の車輌を運転しても、緊急ブレーキを行ったときにはブレーキアシスト制御が実行され、通常ブレーキを行ったときには通常ブレーキが実行されるので、緊急ブレーキを行っているにも拘わらず制動力が増加しない又は通常ブレーキを行っているにも拘わらず制動力が増加してしまうという夫々の運転者への違和感を解消することができる。
次に、本発明に係る制動力制御装置の実施例4を図11及び図12に基づいて説明する。本実施例4の制動力制御装置は、前述した実施例1〜3と同様の構成からなる制動力発生装置を制御対象としたものについて例示する。
本実施例4にあっても、その制動力制御装置は、ブレーキアシスト制御開始判定手段61,ブレーキアシスト制御実行手段62,ブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64を備え、前述した実施例1〜3と同様に電子制御装置60の一機能として設けられている。そして、本実施例4にあっては、以下の如く、実施例3に対してブレーキ操作特性判定手段63を変更している。
ここで、本実施例4のブレーキアシスト制御開始判定手段61とブレーキアシスト制御実行手段62に関しては実施例3と同様のものが用意されている。これが為、本実施例4にあっては、実施例3と同様に、運転中のブレーキ踏力BPdrと比較されるブレーキアシスト制御開始閾値SBApがブレーキアシスト制御の開始条件となり、これをブレーキ操作の状態量から判定したブレーキ操作特性に応じてブレーキアシスト制御開始条件設定手段64に補正させる。また、本実施例4のブレーキ操作特性判定手段63がブレーキ操作特性の判定に用いるブレーキ操作の状態量としては、実施例2と同様に停車中のブレーキ踏力BPstを利用するものとする。
従って、本実施例4にあっては、その停車中のブレーキ踏力BPstと緊急ブレーキ時のブレーキ踏力BPscとの関係について観てみる。これらの関係は、図11に示しており、この図11は、複数人の運転者について停車中におけるブレーキ踏力BPstと緊急ブレーキ時のブレーキ踏力BPscを測定し、その各運転者の測定結果D1〜D7を表したものである。この図11の各測定結果D1〜D7によれば、運転者は、停車中のブレーキ踏力BPstが大きいほど緊急ブレーキ時のブレーキ踏力BPscも大きくなるというブレーキ操作特性を有していることが判る。
そこで、本実施例4のブレーキ操作特性判定手段63は、停車中のブレーキ踏力BPstが所定のブレーキ操作特性判定閾値SBOpよりも大きければ、その運転者のブレーキ踏力BPstが大きいと判定し、その停車中のブレーキ踏力BPstが所定のブレーキ操作特性判定閾値SBOpよりも小さければ、その運転者のブレーキ踏力BPstが小さいと判定するよう構成する。
ところで、本実施例4にあっては、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64についても実施例3と同様に構成する。これが為、例えば、図11と同様の比例関係からなる停車中のブレーキ踏力BPst毎に対応させた図12に示すブレーキアシスト制御開始閾値SBApのマップを予め用意し、このマップに基づいてブレーキアシスト制御開始条件設定手段64にブレーキアシスト制御開始閾値SBApを設定させる。
ここで、本実施例4においては、実施例2と同様に平均的な運転者の停車中におけるブレーキ踏力BPstaveをブレーキ操作特性判定閾値SBOpとして設定し、このブレーキ操作特性判定閾値SBOp(=BPstave)に対応する図12のマップ上のブレーキアシスト制御開始閾値SBApが平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBApaveとして設定されている。本実施例4のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、そのブレーキアシスト制御開始閾値SBApaveを基準にし、検出された停車中のブレーキ踏力BPstの大小(即ち、ブレーキ操作特性)に応じてブレーキアシスト制御開始閾値SBApを変更する。
以下に、上述したが如く構成した本実施例4の制動力制御装置の動作について図8のフローチャートを代用して説明する。ここでは、その図8における「ブレーキアシスト制御開始閾値SBAs」を「ブレーキアシスト制御開始閾値SBAp」と読み替える。尚、ブレーキアシスト制御開始判定手段61とブレーキアシスト制御実行手段62による演算処理動作及び制動力発生装置に対する制御動作については実施例3と同様にして実行されるので、ここでの説明は省略する。
先ず、本実施例4のブレーキ操作特性判定手段63は、実施例2と同様に図8のステップST21〜ST24までの演算処理を実行し、停車中のブレーキ踏力BPstに基づいて運転者のブレーキ操作特性を判定する。
ここで、このブレーキ操作特性判定手段63は、停車中のブレーキ踏力BPstがブレーキ操作特性判定閾値SBOpよりも小さければ、この運転者はブレーキ踏力BPが平均的な運転者よりも小さいという特性を有していると判定する。これが為、かかる判定が為されると、本実施例4のブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、ステップST25にて、例えば、その停車中のブレーキ踏力BPstを上述した図12に示すマップに照らし合わせ、ブレーキアシスト制御開始閾値SBApをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBApaveよりも小さい値に補正する。
一方、停車中のブレーキ踏力BPstがブレーキ操作特性判定閾値SBOpよりも大きい場合、このブレーキ操作特性判定手段63は、この運転者はブレーキ踏力BPが平均的な運転者よりも大きいという特性を有していると判定する。これが為、かかる判定が為されると、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、ステップST26にて、例えば、その停車中のブレーキ踏力BPstと図12に示すマップとに基づいて、ブレーキアシスト制御開始閾値SBApをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBApaveよりも大きな値に補正する。
また、停車中のブレーキ踏力BPstがブレーキ操作特性判定閾値SBOpと同値の場合、このブレーキ操作特性判定手段63は、この運転者は平均的な運転者と同じブレーキ操作速度BSでブレーキ操作を行うと判定する。これが為、かかる判定が為されると、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、ステップST27にて、例えば、その停車中のブレーキ踏力BPst(=BPstave)と図12に示すマップとに基づいて、ブレーキアシスト制御開始閾値SBApをその平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBApaveに設定する。
以上示した如く、本実施例4の制動力制御装置においては、停車中の運転者によるブレーキ操作の状態量(ブレーキ踏力BPst)を検出し、これに基づいて当該運転者のブレーキ操作特性(ブレーキ踏力BPの大小)の判定を行うように構成している。これが為、この制動力制御装置によれば、実施例1〜3と同様に運転者固有のブレーキ操作特性を的確に判定することができる。また、その判定の際に実施例1〜3と同様の運転者による停車中のブレーキ操作の状態量を用いているので、ブレーキパッドの摩耗やブレーキ液の劣化等により制動特性が変化しても、この制動特性の変化に拘わらず実施例1〜3と同様に運転者のブレーキ操作特性を精度良く判定することができる。
また、本実施例4の制動力制御装置においては、実施例1〜3と同様に、そのようにして判定された精度の良い運転者固有のブレーキ操作特性に基づいてブレーキアシスト制御の開始条件たるブレーキアシスト制御開始閾値SBApの設定を行っているので、その運転者のブレーキ操作特性に応じた適切な開始時期でブレーキアシスト制御を実行させることができる。これが為、ブレーキ操作特性の異なる運転者が本実施例4に係る同一の車輌を運転しても、緊急ブレーキを行ったときにはブレーキアシスト制御が実行され、通常ブレーキを行ったときには通常ブレーキが実行されるので、緊急ブレーキを行っているにも拘わらず制動力が増加しない又は通常ブレーキを行っているにも拘わらず制動力が増加してしまうという夫々の運転者への違和感を解消することができる。
次に、本発明に係る制動力制御装置の実施例5を図13から図15に基づいて説明する。本実施例5の制動力制御装置は、前述した実施例1と同様の構成からなる制動力発生装置を制御対象としたものについて例示する。
ここで、前述した実施例1にあってはブレーキアシスト制御の開始条件たるブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを運転者のブレーキ操作特性に応じて変更し、このブレーキアシスト制御開始閾値SBAsと運転中のブレーキ操作速度BSdrとを比較することによってブレーキアシスト制御を実行するか否か判定しているが、そのブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを一定に保ったまま、検出された運転中のブレーキ操作速度BSdrを運転者のブレーキ操作特性に応じて補正することによっても同様の判定を行うことができる。
そこで、本実施例5にあっては、運転中に検出されたブレーキ操作速度BSdrに対しての補正値BSco(ブレーキアシスト制御の開始条件)を運転者のブレーキ操作特性に応じて設定するようブレーキアシスト制御開始条件設定手段64を構成する。
例えば、かかるブレーキアシスト制御開始条件設定手段64には、停車中のブレーキ操作速度BSst毎に対応させた図13に示す補正値BScoのマップを予め用意し、検出された停車中のブレーキ操作速度BSstを当該マップに照らし合わせて上記の補正値BScoを設定させる。この図13に示すマップは、前述した実施例1の図3のマップにおいて、平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveを「補正値BSco=0」に置き換えたものに相当する。
また、このようにブレーキアシスト制御開始条件設定手段64が構成された場合、ブレーキアシスト制御開始判定手段61は、その補正値BScoを用いて運転中に検出されたブレーキ操作速度BSdrを下記の式1に基づいて補正し、これをブレーキアシスト制御開始閾値SBAsと比較するように構成する。この式1の「BSdrco」は、補正後の運転中のブレーキ操作速度を示している。また、そのブレーキアシスト制御開始閾値SBAsは、上記において平均的な運転者用に設定されたブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveと同値である。
BSdrco=BSdr−BSco … (1)
本実施例5においては、次のようにして制動力制御装置が動作する。尚、ここでは、そのブレーキアシスト制御開始条件設定手段64に上述したブレーキ操作特性判定手段63の演算処理機能を持たせるものとして説明する。
先ず、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、図14のフローチャートに示す如く、実施例1のステップST1〜ST3までと同様に、車輌が停車中か否かの判断(ステップST31)と停車中であれば運転者によるブレーキ操作の有無の判断(ステップST32)を行い、車輌が停車中で且つ運転者によりブレーキ操作が行われていれば停車中のブレーキ操作速度BSstを検出する(ステップST33)。
そして、このブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、その停車中のブレーキ操作速度BSstを図13のマップに照らし合わせて補正値BScoを設定する(ステップST34)。
例えば、このステップST34において、検出された停車中のブレーキ操作速度BSstが平均的な運転者の停車中のブレーキ操作速度BSstaveよりも低ければ、この運転者はブレーキ操作速度BSが平均的な運転者よりも遅いという特性を有していると判定される。これが為、その際には、負の値からなる補正値BScoが設定される。
また、そのステップST34において、検出された停車中のブレーキ操作速度BSstが平均的な運転者の停車中のブレーキ操作速度BSstaveよりも高ければ、この運転者はブレーキ操作速度BSが平均的な運転者よりも速いという特性を有していると判定される。これが為、その際には、正の値からなる補正値BScoが設定される。
また、そのステップST34において、検出された停車中のブレーキ操作速度BSstが平均的な運転者の停車中のブレーキ操作速度BSstaveと同値であれば、この運転者は平均的な運転者と同じブレーキ操作速度BSでブレーキ操作を行うと判定される。これが為、その際には、補正値BScoが「0」に設定される。
続いて、本実施例5のブレーキアシスト制御開始判定手段61は、図15のフローチャートに示す如く、実施例1のステップST11〜ST12までと同様に、ブレーキ操作の有無の判断(ステップST41)を行い、運転者によりブレーキ操作が行われていれば運転中のブレーキ操作速度BSdrを検出する(ステップST42)。
そして、このブレーキアシスト制御開始判定手段61は、その検出されたブレーキ操作速度BSdrと上記ステップST34で設定した補正値BScoを上述した式1に代入し、補正後の運転中のブレーキ操作速度BSdrcoを求める(ステップST43)。
しかる後、このブレーキアシスト制御開始判定手段61は、その補正後の運転中のブレーキ操作速度BSdrcoが所定のブレーキアシスト制御開始閾値SBAs(=SBAsave)以上であるか否かを判定(ステップST44)し、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAs以上であればブレーキアシスト制御実行手段62がブレーキアシスト制御を実行する一方(ステップST45)、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAsよりも低ければ上記ステップST41に戻る。
このようにしても、前述した実施例1と同様の効果を奏することができる。
ところで、前述した各実施例2〜4においても、この本実施例5と同様の考えに基づいて運転者のブレーキ操作特性に応じた補正値BScoを求め、これを用いてブレーキアシスト制御の開始判定を行わせることができ、夫々の実施例2〜4と同様の効果を奏することができる。かかる場合、各実施例2〜4においては、夫々にて例示したマップにおける平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsave,SBApaveを「補正値BSco=0」に置き換えたマップを用意し、そのマップを用いて補正値BScoを求めるように構成する。
次に、本発明に係る制動力制御装置の実施例6を図16から図19に基づいて説明する。本実施例6の制動力制御装置は、前述した実施例1と同様の構成からなる制動力発生装置を制御対象としたものについて例示する。
本実施例6にあっても、その制動力制御装置は、ブレーキアシスト制御開始判定手段61,ブレーキアシスト制御実行手段62,ブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64を備え、前述した実施例1と同様に電子制御装置60の一機能として設けられている。
ここで、一般に、運転者は、図16に示す如く坂道において平坦路よりも強くブレーキペダル10を踏み込む傾向にあり、その坂道の勾配が急になればなるほどブレーキ踏力BPが大きくなる。この図16は、車輌前後方向傾斜角度(所謂ピッチ角)θpを変化させ、その度に測定したある運転者についての停車中におけるブレーキ踏力BPstの測定結果D1〜D13を示したものである。
これが為、坂道で前述した実施例2,4の如く停車中にブレーキ踏力BPstを検出し、この停車中のブレーキ踏力BPstに基づいて運転者のブレーキ操作特性(ブレーキ操作速度BSの高低やブレーキ踏力BPの大小)を判定しても、この判定結果は平坦路におけるものに対して正確性に欠け、ブレーキ操作特性に応じた的確なブレーキアシスト制御開始閾値SBAs,SBAp(ブレーキアシスト制御の開始条件)を設定することができないので、適切なブレーキアシスト制御を実行することができない。また、その実施例2,4に対して前述した実施例5の補正値BScoを用いた考えが適用された場合(以下、「実施例2,4の変形例」という。)についても同様に、ブレーキ操作特性に応じた的確な補正値BSco(ブレーキアシスト制御の開始条件)を求めることができず、適切なブレーキアシスト制御を実行することができない。
そこで、本実施例6にあっては、車輌が坂道に居る場合には実施例2,4や実施例2,4の変形例においてブレーキアシスト制御の開始条件を設定させないように構成する。
これが為、先ず、本実施例6の車輌には、図17に示す如く、ピッチ角センサ等の車輌前後方向傾斜角度θpの検出を行う車輌前後方向傾斜角度検出手段74を設ける。
また、本実施例6の電子制御装置には、その車輌前後方向傾斜角度検出手段74からの検出信号に基づいて車輌前後方向傾斜角度θpの判定を行う(即ち、坂道であるのか平坦路であるのかの判定を行う)図17に示す車輌前後方向傾斜角度判定手段65を設ける。この車輌前後方向傾斜角度判定手段65は、その判定の後、坂道であればブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64の全ての演算処理を終了させ、平坦路であればブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64の演算処理を実行させる。即ち、この車輌前後方向傾斜角度判定手段65は、車輌前後方向傾斜角度検出手段74からの検出信号に基づいて車輌前後方向傾斜角度θpを判定し、この判定結果に応じてブレーキアシスト制御の開始条件を設定させるか否か判定するよう構成されている。
例えば、この車輌前後方向傾斜角度判定手段65は、実施例2,4や実施例2,4の変形例において如何様な時機に車輌前後方向傾斜角度θpの判定を行ってもよく、例えば、図4のステップST1や図8のステップST21の前後,図4のステップST2や図8のステップST22の後に行うことができる。
これにより、坂道においては誤ったブレーキアシスト制御の開始条件(ブレーキアシスト制御開始閾値SBAs,SBAp、補正値BSco)が設定されなくなり、誤判定による好ましくない開始時期でのブレーキアシスト制御を回避することができる。一方、平坦路においては、実施例2,4や実施例2,4の変形例と同様に的確なブレーキアシスト制御の開始条件が設定されるので、これらと同様の効果を奏することができる。
ここで、坂道であり、ブレーキアシスト制御の開始条件を設定しない場合には、平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsave,SBApaveが設定されるようにブレーキアシスト制御開始条件設定手段64を構成しておく。
ところで、上述した例示においては平坦路であるか坂道であるか(即ち、車輌前後方向傾斜角度θpが0度であるか0度以外であるか)に応じてブレーキアシスト制御の開始条件の設定要否を判断させたが、必ずしもかかる態様に限定するものではない。例えば、図16に示す如く僅かな傾斜であれば、ブレーキ踏力BPは平坦路に対して差が殆ど無い。これが為、車輌前後方向傾斜角度判定手段65は、車輌前後方向傾斜角度θpが0度近傍の所定の範囲内にあれば、これを平坦路相当と判断してブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64の演算処理を実行させ、その範囲を超えていればブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64の全ての演算処理を終了させるよう構成してもよい。
また、上述した例示においては坂道の勾配が急になればなるほどブレーキ踏力BPが大きくなるとの観点に基づいて制動力制御装置を構成したが、これと同様に、坂道の勾配が急になればなるほど、運転者のブレーキ操作速度BSが速くなるという傾向もある。これが為、実施例1,3,5や実施例3に対して前述した実施例5の補正値BScoを用いた考えが適用された場合(以下、「実施例3の変形例」という。)においても、上述した車輌前後方向傾斜角度検出手段74と車輌前後方向傾斜角度判定手段65とを設けてよく、これにより、上記例示と同様の効果を奏することができる。
更に、上述した例示においては坂道の場合にブレーキアシスト制御の開始条件の設定を行わせないよう構成したが、以下の如くしてブレーキアシスト制御の開始条件を設定させてもよい。
ブレーキ踏力BPは、図16に示す如く、坂道の勾配が急になればなるほど一定の比例係数で大きくなる。そして、そのブレーキ踏力BP自体は運転者毎に異なるが、その比例係数は、様々な運転者において略共通するものである。これが為、その図16と同様の比例関係からなる車輌前後方向傾斜角度θp毎に対応させた図18に示す停車中のブレーキ踏力BPstへの補正値BPCOのマップを予め用意し、このマップに基づいてその補正値BPCOをブレーキ操作特性判定手段63に設定させる。
また、このブレーキ操作特性判定手段63は、坂道で検出した停車中のブレーキ踏力BPstを上記の補正値BPCOを用いて補正するように構成する。例えば、このブレーキ操作特性判定手段63は、下記の式2を用いて補正後の停車中のブレーキ踏力BPstCOを算出する。
BPstco=BPst−BPCO … (2)
例えば、かかる補正値BPCOの補正機能を実施例2のブレーキ操作特性判定手段63に設けた場合について図19のフローチャートに基づき説明する。
先ず、そのブレーキ操作特性判定手段63は、実施例2と同様に、車輌が停車中か否かの判断(ステップST51)と停車中であれば運転者によるブレーキ操作の有無の判断(ステップST52)を行い、車輌が停車中で且つ運転者によるブレーキ操作が行われていれば、停車中の運転者によるブレーキ踏力BPstを検出する(ステップST53)。
そして、車輌前後方向傾斜角度判定手段65が、車輌前後方向傾斜角度検出手段74からの検出信号に基づいて車輌前後方向傾斜角度θpを検出し、坂道であるか平坦路(又は上述した平坦路相当)であるかを判断する(ステップST54)。
ここで、平坦路(又は上述した平坦路相当)であれば、ブレーキ操作特性判定手段63は、実施例2のステップST4と同様に、上記ステップST53で検出した停車中のブレーキ踏力BPstとブレーキ操作特性判定閾値SBOpとを比較し、この運転者のブレーキ操作特性について判定する(ステップST55)。
一方、坂道であれば、ブレーキ操作特性判定手段63は、上記ステップST54で検出した車輌前後方向傾斜角度θpを上記の図18のマップに照らし合わせて補正値BPCOの設定を行い、これと上記ステップST53で検出した停車中のブレーキ踏力BPstとを上記の式2に代入して、そのブレーキ踏力BPstを補正する(ステップST56)。そして、このブレーキ操作特性判定手段63は、ステップST55に進み、その補正後の停車中のブレーキ踏力BPstCOとブレーキ操作特性判定閾値SBOpとを比較して、この運転者のブレーキ操作特性を判定する。
このブレーキ操作特性判定手段63は、そのステップST55において停車中のブレーキ踏力BPst(又は補正後の停車中のブレーキ踏力BPstCO)がブレーキ操作特性判定閾値SBOpよりも小さければ、この運転者はブレーキ操作速度BSが平均的な運転者よりも遅いという特性を有していると判定する。これが為、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、例えば、実施例2と同様に、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveよりも低速側の低い値に補正する(ステップST56)。
一方、ステップST55において停車中のブレーキ踏力BPst(又は補正後の停車中のブレーキ踏力BPstCO)がブレーキ操作特性判定閾値SBOpよりも大きい場合、このブレーキ操作特性判定手段63は、この運転者はブレーキ操作速度BSが平均的な運転者よりも速いという特性を有していると判定する。これが為、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、例えば、実施例2と同様に、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveよりも高速側の高い値に補正する(ステップST57)。
また、ステップST55において停車中のブレーキ踏力BPst(又は補正後の停車中のブレーキ踏力BPstCO)がブレーキ操作特性判定閾値SBOpと同値の場合、このブレーキ操作特性判定手段63は、この運転者は平均的な運転者と同じブレーキ踏力BPでブレーキ操作を行うと判定する。これが為、かかる判定が為されると、ブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、例えば、実施例2と同様に、ブレーキアシスト制御開始閾値SBAsを平均的な運転者用のブレーキアシスト制御開始閾値SBAsaveに設定する(ステップST58)。
このように制動力制御装置を構成することによって、坂道であっても運転者のブレーキ操作特性をブレーキパッドの摩耗やブレーキ液の劣化等による制動特性の変化に拘わらず精度良く判定することができる。これが為、この制動力制御装置によれば、その運転者のブレーキ操作特性に応じた適切な開始時期でブレーキアシスト制御を実行させることができるので、ブレーキ操作特性の異なる運転者が当該車輌を運転しても、緊急ブレーキを行ったときにはブレーキアシスト制御が実行され、通常ブレーキを行ったときには通常ブレーキが実行される。そして、これにより、緊急ブレーキを行っているにも拘わらず制動力が増加しない又は通常ブレーキを行っているにも拘わらず制動力が増加してしまうという夫々の運転者への違和感を解消することができる。
尚、上述した坂道の勾配が急になればなるほど運転者のブレーキ操作速度BSが速くなるとの観点に基づいて、実施例1,3,5や実施例3の変形例に対しても坂道でブレーキアシスト制御の開始条件を設定させるよう構成してよい。
ここで、上述した各実施例1〜6においては、運転者毎に異なるブレーキ操作特性に着目して、ブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64によりブレーキ操作特性に応じてブレーキアシスト制御の開始条件の設定を行った。しかしながら、その各実施例1〜6で例示したものは、例えば原動機の始動時以降に1度だけブレーキアシスト制御の開始条件を設定するものであり、例えば、同じ運転者であっても長時間の運転による疲労度合いの進行によりブレーキ操作特性が変化するので、また、ブレーキアシスト制御の開始条件が設定された後に原動機を始動させたまま運転者が入れ替わってもブレーキ操作特性が変化するので、ブレーキアシスト制御の開始条件を設定し直す必要がある。
そこで、かかる状況に対応させる為、ブレーキ操作特性判定手段63及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段64は、夫々の実施例1〜6において、ブレーキ操作によって車輌が停止させられる度に又は所定時間経過後のブレーキ操作によって車輌が停止させられた際にブレーキアシスト制御の開始条件の設定処理を実行させることが好ましい。これにより、より適切に様々な状況変化に適応させたブレーキアシスト制御を実行させることができる。
尚、前述した実施例1,3等においては、ブレーキアシスト制御開始判定手段61がブレーキアシスト制御の開始判定を行う際に運転中のブレーキ操作速度BSdrを運転者によるブレーキ操作の状態量として用いているが、必ずしもこれに限定するものではない。例えば、そのブレーキ操作の状態量としては、そのブレーキ操作速度BSdrと相関関係を持つマスタシリンダ12の圧力の変化率を利用してもよい。
また、上述した各実施例1〜6の制動力発生装置に設けたブレーキアシストシステムは、液圧調節手段50を用いてマスタシリンダ12の液圧よりも増圧させたブレーキ液を各制動手段20FL,20FR,20RL,20RRに供給するものを例示しているが、必ずしもかかる態様のものに限定されない。例えば、このブレーキアシストシステムは、緊急ブレーキ時に制動倍力手段11の倍化率を増加させることによりマスタシリンダ12の液圧を高くし、この高圧化されたブレーキ液をマスタシリンダ12から各制動手段20FL,20FR,20RL,20RRに供給するものであってもよい。
以上のように、本発明に係る制動力制御装置は、的確にブレーキ操作特性を判定させる技術として有用であり、特に、その的確なブレーキ操作特性に基づいてブレーキアシスト制御を適切な開始時期に実行させ得る技術に適している。
本発明に係る制動力制御装置の実施例1〜5の構成について示す図である。 停車中のブレーキ操作速度と緊急ブレーキ時のブレーキ操作速度との関係を示す図である。 停車中のブレーキ操作速度とブレーキアシスト制御開始閾値との対応関係を表した実施例1のマップを示す図である。 実施例1の制動力制御装置(ブレーキ操作特性判定手段及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段)の動作について説明するフローチャートである。 実施例1の制動力制御装置(ブレーキアシスト制御開始判定手段及びブレーキアシスト制御実行手段)の動作について説明するフローチャートである。 停車中のブレーキ踏力と緊急ブレーキ時のブレーキ操作速度との関係を示す図である。 停車中のブレーキ踏力とブレーキアシスト制御開始閾値との対応関係を表した実施例2のマップを示す図である。 実施例2の制動力制御装置(ブレーキ操作特性判定手段及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段)の動作について説明するフローチャートである。 停車中のブレーキ操作速度と緊急ブレーキ時のブレーキ踏力との関係を示す図である。 停車中のブレーキ操作速度とブレーキアシスト制御開始閾値との対応関係を表した実施例3のマップを示す図である。 停車中のブレーキ踏力と緊急ブレーキ時のブレーキ踏力との関係を示す図である。 停車中のブレーキ踏力とブレーキアシスト制御開始閾値との対応関係を表した実施例4のマップを示す図である。 停車中のブレーキ操作速度と運転中のブレーキ操作速度に対する補正値との対応関係を表した実施例5のマップを示す図である。 実施例5の制動力制御装置(ブレーキ操作特性判定手段及びブレーキアシスト制御開始条件設定手段)の動作について説明するフローチャートである。 実施例5の制動力制御装置(ブレーキアシスト制御開始判定手段及びブレーキアシスト制御実行手段)の動作について説明するフローチャートである。 車輌前後方向傾斜角度と停車中のブレーキ踏力との関係を示す図である。 本発明に係る制動力制御装置の実施例6の構成について示す図である。 車輌前後方向傾斜角度と停車中のブレーキ踏力に対する補正値との対応関係を表した実施例6のマップを示す図である。 実施例6の制動力制御装置(ブレーキ操作特性判定手段,ブレーキアシスト制御開始条件設定手段及び車輌前後方向傾斜角度判定手段)の動作について説明するフローチャートである。
符号の説明
60 電子制御装置(ECU)
61 ブレーキアシスト制御開始判定手段
62 ブレーキアシスト制御実行手段
63 ブレーキ操作特性判定手段
64 ブレーキアシスト制御開始条件設定手段
65 車輌前後方向傾斜角度判定手段
71 ブレーキ操作速度検出手段
72 ブレーキ踏力検出手段
74 車輌前後方向傾斜角度検出手段
BP ブレーキ踏力(運転者によるブレーキ操作の状態量)
BPdr 運転中のブレーキ踏力(運転中の運転者によるブレーキ操作の状態量)
BPsc 緊急ブレーキ時のブレーキ踏力(緊急ブレーキ時の運転者によるブレーキ操作の状態量)
BPst 停車中のブレーキ踏力(停車中の運転者によるブレーキ操作の状態量)
BS ブレーキ操作速度(運転者によるブレーキ操作の状態量)
BSdr 運転中のブレーキ操作速度(運転中の運転者によるブレーキ操作の状態量)
BSsc 緊急ブレーキ時のブレーキ操作速度(緊急ブレーキ時の運転者によるブレーキ操作の状態量)
BSst 停車中のブレーキ操作速度(停車中の運転者によるブレーキ操作の状態量)
SBA,SBAp,SBAsブレーキアシスト制御開始閾値
SBOp,SBOs ブレーキ操作特性判定閾値
θp 車輌前後方向傾斜角度

Claims (7)

  1. 運転中に検出された運転者によるブレーキ操作の状態量と所定のブレーキアシスト制御開始閾値とを比較してブレーキアシスト制御の開始判定を行うブレーキアシスト制御開始判定手段と、
    このブレーキアシスト制御開始判定手段の判定結果に応じて制動力発生装置に対してブレーキアシスト制御を実行させるブレーキアシスト制御実行手段と、
    停車中に検出された運転者によるブレーキ操作の状態量に基づいて当該運転者のブレーキ操作特性を判定するブレーキ操作特性判定手段と、
    このブレーキ操作特性判定手段の判定結果に応じてブレーキアシスト制御の開始条件を設定するブレーキアシスト制御開始条件設定手段と、
    を設けたことを特徴とする制動力制御装置。
  2. 前記ブレーキアシスト制御開始条件設定手段は、前記ブレーキ操作特性判定手段により判定された運転者のブレーキ操作特性に応じて前記ブレーキアシスト制御開始閾値を設定するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の制動力制御装置。
  3. 前記ブレーキアシスト制御開始条件設定手段は、前記ブレーキ操作特性判定手段により判定された運転者のブレーキ操作特性に応じて運転中に検出された運転者によるブレーキ操作の状態量に対しての補正値を設定するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の制動力制御装置。
  4. 前記ブレーキ操作特性判定手段は、停車中に検出された運転者によるブレーキ操作の状態量と所定のブレーキ操作特性判定閾値とを比較して、該ブレーキ操作の状態量が所定のブレーキ操作特性判定閾値と同値であれば当該運転者は平均的な運転者と同じブレーキ操作特性を有すると判定し、該ブレーキ操作の状態量が所定のブレーキ操作特性判定閾値と異なれば当該運転者は平均的な運転者とは異なるブレーキ操作特性を有すると判定するよう構成したことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の制動力制御装置。
  5. 前記ブレーキ操作特性判定手段が判定時に用いる停車中における運転者のブレーキ操作の状態量は、ブレーキ踏力又はブレーキ操作速度であることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の制動力制御装置。
  6. 車輌前後方向傾斜角度検出手段からの検出信号に応じて車輌前後方向の傾斜角度を判定し、該判定結果に応じて前記ブレーキアシスト制御の開始条件を設定させるか否か判定する車輌前後方向傾斜角度判定手段を設けたことを特徴とする請求項1から5の内の何れか1つに記載の制動力制御装置。
  7. 車輌前後方向傾斜角度検出手段からの検出信号に応じて車輌前後方向の傾斜角度を判定する車輌前後方向傾斜角度判定手段を設け、
    この車輌前後方向傾斜角度判定手段の判定結果に応じて前記運転者のブレーキ操作特性の判定を行うよう前記ブレーキ操作特性判定手段を構成したことを特徴とする請求項1から5の内の何れか1つに記載の制動力制御装置。
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