JP2004358998A - ブレーキシステム - Google Patents

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清貴 森泉
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Abstract

【課題】運転者の制動操作における特性である制動操作特性を取得し、アシスト装置を備えたブレーキシステムの制御に利用する。
【解決手段】運転者の制動操作特性を、早めに減速し、余裕を持って停止させる早期制動型Aと、減速開始が遅く、急制動ぎみに停止させる急制動型Cと、それら早期制動型と急制動型との中間の型である標準型Bとの3つに分けて取得する。この取得は、例えば、車速が制動開始時の車速の半分まで低下してから車両が停止するまでの時間の長さや、制動開始時における先行車両との車間距離の長さや、追従走行時における車間距離の長さに基づいて行うことができる。早期制動型である場合には、標準型である場合に比較して、アシスト装置の作動を早期に開始させ、アシスト量を比較的小さくする。急制動型である場合には、標準型である場合に比較して、アシスト装置の作動を遅く開始させ、アシスト量を比較的大きくする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキシステムに関するものであり、特に、運転者によるブレーキ操作部材の操作状態に基づいて運転者の性質や運転技量を取得する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブレーキシステムの中には、運転者によるブレーキ操作部材の操作力に対するブレーキの作動力を増大させるアシスト装置を備えたものがある。この種のブレーキシステムは、例えば、下記特許文献1〜3等により既に知られている。これら文献に記載されたブレーキシステムにおいては、アシスト装置の制御を状況に応じて変化させることも行われている。特許文献1には、レーザレーダにより、歩行者や自転車等低速で移動中の物体や停止物が、所定の頻度を超えて、かつ、所定時間継続して検出された場合に、アシスト装置を作動し易くしたり、自動ブレーキを作動させたりすることが記載されている。特許文献2には、路面の滑り易さを検出する路面センサや道路のカーブを事前に検出するナビゲーション装置を設け、それらの検出結果に基づいて、アシスト装置の援助度合い(アシスト度合い)を変更することが記載されている。さらに、特許文献3には、ブレーキペダル操作が急激に行われた場合には、緩やかに行われた場合に比較して、アシスト装置の初期ジャンプ量を大きくすることが記載されている。車速が大きい場合や車両の重量が大きい場合にジャンプ量を大きくすることも記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−255087号公報
【特許文献2】
特開平2002−96720号公報
【特許文献3】
特開平2002−67926号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
本発明は、以上の事情を背景とし、アシスト装置を備えたブレーキシステムをさらに改善することを直接の課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様のブレーキシステムが得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0005】
なお、以下の各項において、 (1)項が請求項1に相当し、 (2)項と(3)項とを組み合わせたものが請求項2に、 (4)項が請求項3に、 (9)項,(10)項および(11)項を組み合わせたものが請求項4に、(12)項ないし(15)項がそれぞれ請求項5,6,7および8に、(20)項が請求項9に、(22)項が請求項10に、(23)項が請求項11にそれぞれ相当する。
【0006】
(1)運転者により操作されるブレーキ操作部材と、そのブレーキ操作部材の操作に基づいて作動するブレーキとを含むブレーキシステムであって、
運転者が前記ブレーキ操作部材を操作して車両を制動する際のその運転者の特性である制動操作特性を取得する制動操作特性取得部を含むことを特徴とするブレーキシステム。
本発明は、前述のように、アシスト装置を備えたブレーキシステムをさらに改善することを直接の課題としてなされたものであるが、その結果案出された制動操作特性取得部は、アシスト装置を備えないブレーキシステムにも適用可能であることが判明した。アシスト装置の制御に利用することが、制動操作特性の代表的な利用例であるが不可欠ではないのである。制動操作特性は運転者の性質や運転技量と深い関係を有しているため、アシスト装置を備えないブレーキシステムは勿論、車両に搭載された他の装置、例えば、ステアリングシステム,追従走行システム,車両駆動源,トランスミッション,サスペンションシステム等の制御に利用すれば、各運転者の性質や運転技量に適した制御を実現することが可能となるのである。
なお、同じ運転者であっても、車両の走行速度によって制動操作特性が変わることがあるため、制動開始時の走行速度(車速)を複数の範囲に分け、各範囲に対して制動操作特性が取得されるようにすることが望ましい。
【0007】
(2)制動操作特性取得部により取得された制動操作特性を当該ブレーキシステムの制御に利用するブレーキシステム制御部を含む (1)項に記載のブレーキシステム。
(3)当該ブレーキシステムが、前記ブレーキ操作部材の操作力に対する前記ブレーキの作動力を増大させるアシスト装置を含み、前記ブレーキシステム制御部が、前記制動操作特性取得部により取得された制動操作特性に応じて、前記アシスト装置の作動特性であるアシスト特性を複数種類に変更するアシスト特性変更部を含む (2)項に記載のブレーキシステム。
前述のように、特許文献1〜3には、車両の走行環境,走行している道路の状態,緊急制動か否か,車両の走行速度あるいは重量等に基づいて、アシスト装置のアシスト特性を変更することが記載されており、それぞれの場合に適したブレーキアシストが得られる。しかしながら、車両は種々の性質あるいは運転技量の運転者によって運転されるのであり、アシスト装置の制御特性を一律としたのでは、すべての運転者にアシスト特性が適切であると感じさせることは難しい。運転者の制動操作特性は、運転者の性質や運転技量によって変わり、アシスト装置の適切なアシスト特性は、制動操作特性によって変わるからである。
それに対し、本発明に係るブレーキシステムにおいては、制動操作特性取得部が運転者の制動操作特性を取得し、その取得された制動操作特性に応じてアシスト特性変更部が、アシスト装置のアシスト特性を複数種類に変更する。そのため、運転者の制動操作特性に適したアシストが得られる。
【0008】
(4)前記制動操作特性取得部が、前記制動操作特性として、 (a)早めに減速し、余裕を持って停止させる早期制動型と、 (b)減速開始が遅く、急制動ぎみに停止させる急制動型と、 (c)それら早期制動型と急制動型との中間の型である標準型とのうちの少なくとも2つを取得するものである (1)項ないし (3)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
標準的で運転に慣れた運転者の制動操作特性を基準にした場合、慎重な運転者や不慣れな運転者の制動操作特性は、早めに減速し、余裕を持って停止させる早期制動型であることが多い。それに対し、大胆な運転者の制動操作特性は減速開始が遅く、急制動ぎみに停止させる急制動型であることが多い。したがって、制動操作特性取得部を、早期制動型,標準型および急制動型の3つの制動操作特性を取得するものとすれば、ほぼすべての運転者の制動操作特性を取得し得ることとなる。4段階以上の制動操作特性(無数段階、すなわち連続的な値で表される制動操作特性を含む)で取得するものとすれば、さらに効果が大きい。しかし、少なくとも、早期制動型とその他の型との2つ、急制動型とその他の型との2つ、あるいは早期制動型と急制動型との2つのいずれかの組合わせの制動操作特性を取得するものとすれば、早期制動型と急制動型との少なくとも一方の運転者が、装置の制御、例えばアシスト特性が不適切であると感じることを回避あるいは軽減することができる。運転者が早期制動型で有る場合は、他の型である場合に比較して、制動開始から車両停止までの走行距離(停止距離と称する)が長いのが普通であり、急制動型である場合は短いのが普通である。したがって、早期制動型を長停止距離型、急制動型を短停止距離型と称することもできる。
【0009】
(5)前記アシスト特性変更部が、前記制動操作特性が前記早期制動型である場合に、他の型である場合に比較して、前記アシスト装置に早期にアシストを開始させるものである (4)項に記載のブレーキシステム。
例えば、アシスト開始判定基準が緩い場合には、アシスト装置が早期にアシストを開始し、厳しい場合には遅く開始する。さらに具体的には、車両が対象物と衝突するまでの推定時間が設定時間以下になった場合に、衝突予知装置が衝突を予知し、少なくとも、その衝突予知と運転者によるブレーキ操作(ブレーキを作用させるためのブレーキ操作部材の操作)との両条件が揃った場合に、アシスト装置が作動するようにされているブレーキシステムにおいては、上記設定時間が長めに設定されれば、アシスト装置がアシストを早期に(早めに)開始し、短めに設定されれば、遅めに開始する。したがって、運転者が急制動型あるいは標準型の制動操作特性を有する場合に、アシスト装置がアシストを早期に開始するようにされれば、運転者はアシスト装置が不要な作動を行い過ぎると感じ、早期制動型あるいは標準型の制動操作特性を有する場合に、アシスト装置がアシストを遅めに開始するようにされれば、アシスト効果が不十分となってしまう。それに対し、本項のブレーキシステムにおいては後者が回避され、 (7)項のブレーキシステムにおいては前者が回避される。本項のブレーキシステムにおいては、アシスト特性変更部が早期アシスト開始部を備えると考えることもできる。
(6)前記アシスト特性変更部が、前記制動操作特性が前記早期制動型である場合に、他の型である場合に比較して、前記アシスト装置のアシスト量を少なくするものである (4)項または (5)項に記載のブレーキシステム。
制動操作特性が早期制動型である場合には、他の型である場合に比較して、アシスト量が少なくて済む場合が多い。車両が停止するまでの時間および走行距離が長いからである。本項のブレーキシステムにおいては、アシスト特性変更部がアシスト量低減部を備えると考えることもできる。
(7)前記アシスト特性変更部が、前記制動操作特性が前記急制動型である場合に、他の型である場合に比較して、前記アシスト装置のアシスト開始を遅らせるものである (4)項ないし (6)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
例えば、アシスト特性変更部を、制動操作特性が急制動型である場合に、アシスト開始判定基準を厳しくするものにするのである。本項のブレーキシステムにおいては、アシスト特性変更部がアシスト開始遅延部を含むと考えることもできる。
(8)前記アシスト特性変更部が、前記制動操作特性が前記急制動型である場合に、他の型である場合に比較して、前記アシスト装置のアシスト量を多くするものである (4)項ないし (7)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
本項のブレーキシステムにおいては、アシスト特性変更部がアシスト量増大部を備えると考えることもできる。
【0010】
(9)前記制動操作特性取得部が前記制動操作特性を3種類以上に分けて取得するものである (1)項ないし (8)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
(10)前記制動操作特性取得部が、前記制動操作特性を、 (a)早めに減速し、余裕を持って停止させる早期制動型と、 (b)減速開始が遅く、急制動ぎみに停止させる急制動型と、 (c)それら早期制動型と急制動型との中間の型である標準型との3種類に分けて取得するものである (9)項に記載のブレーキシステム。
(11)前記アシスト特性変更部が、前記制動操作特性が前記標準型の制御条件を標準条件として有し、前記制動操作特性が前記早期制動型および前記急制動型である場合に前記標準条件をそれぞれの型に適したものに変更するものである(10)項に記載のブレーキシステム。
例えば、アシスト特性変更部を、 (5)項ないし (8)項のいずれかに記載の態様で変更するものとするのであり、その場合、前記「他の型」を標準型と読み替えるものとする。
(12)前記制動操作特性取得部が、当該ブレーキシステムによる車両制動中の少なくとも1時点における前記ブレーキ操作部材の運転者による操作力であるブレーキ操作力に比例する量である操作力関連量,車速および減速度の少なくとも1つに基づいて前記制動操作特性を取得する操作力関連量等依拠特性取得部を含む (1)項ないし(11)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
「車両制動中の少なくとも1時点」としては、例えば、制動開始時点(ブレーキ操作部材の操作開始時点あるいは実質的に制動効果が生じ始めた時点)あるいは車速が設定車速まで低下した時点から設定時間が経過した時点や、車両停止時点より設定時間前の時点を採用することができる。操作力関連量や減速度に基づいて制動操作特性が取得される場合には、「車両制動中の少なくとも1時点」を「制動開始時の車速に1より小さい設定値を乗じた大きさまで車速が低下した時点」を採用することもできる。制動操作特性の取得に車速を用いる場合には、例えば、各時点の車速と、制動開始時の車速あるいは予め設定された設定車速との関係に基づいて、制動操作特性を取得することができる。さらに具体的には、例えば、車速が制動開始時の車速の半分(一般的には、制動開始時の車速に1より小さい設定値を乗じた大きさ)まで低下してから停止するまでの時間の長さを、制動開始から停止までの時間で除した比に基づいて、制動操作特性を取得するのである。「操作力関連量」には、ブレーキ操作力自体は勿論、マスタシリンダ液圧やブレーキ操作ストローク(ただし、マスタシリンダ液圧と比例するとみなし得る場合)等も含まれる。本項の操作力関連量等依拠特性取得部は、制動開始から停止までの期間における経過時間と、ブレーキ操作力関連量,車速あるいは減速度との関係を示す曲線である制動曲線の形状に基づいて、制動操作特性を取得する制動曲線依拠制動特性取得部であると考えることもできる。例えば、制動曲線が下に凸の曲線である場合には、早期制動型であるとされるようにするのである。
【0011】
(13)前記操作力関連量等依拠特性取得部が、前記ブレーキ操作部材の一操作により車両が停止させられた場合の前記操作力関連量,車速および減速度の少なくとも1つに基づいて前記制動操作特性を取得する停車制動時操作力関連量等依拠特性取得部を含む(12)項に記載のブレーキシステム。
単に車両を減速させるために行われる制動操作は、必ずしも各運転者の制動操作特性を示さない。先行車両の走行速度に自車両の走行速度を合わせ、あるいは道路の湾曲に適した車速に減速する等の目的で行われる制動操作は、各運転者の制動操作特性を示さないことが多いのである。したがって、制動操作特性は、車両が最終的に停止させられた場合の制動操作のみに基づいて取得されるようにすることが望ましい。制動操作の開始時には車両が最終的に停止させられるかどうかは判らないため、すべての制動操作時に制動操作特性取得のための制動関連データ取得が行われ、最終的に車両が停止させられた制動操作について取得された制動関連データに基づいてのみ制動操作特性取得が行われるようにするのである。
(14)前記停車制動時操作力関連量等依拠特性取得部が、車速が制動開始時の車速に1より小さい設定値を乗じた大きさまで低下してから停止するまでの時間の長さを、制動開始から停止までの時間で除した比に基づいて、前記制動操作特性を取得する時間比依拠特性取得部を含む(13)項に記載のブレーキシステム。
【0012】
(15)前記制動操作特性取得部が、車速が予め定められた条件を満たす大きさまで低下した時点以降の少なくとも1時点における前記操作力関連量,車速および減速度の少なくとも1つに基づいて制動操作特性を取得する車速低下時点操作力関連量等依拠特性取得部を含む(12)項ないし(14)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
上記「予め定められた条件を満たす大きさ」としては、例えば、制動開始時速に1より小さい設定値を乗じた大きさや、設定車速と等しい大きさを採用することができる。
(16)前記制動操作特性取得部が、当該ブレーキシステムが制動を開始した時点における車速である制動開始時車速と1より小さい設定値との積まで実際の車速が低下したことを前記予め定められた条件として制動操作特性を取得するものである(15)項に記載のブレーキシステム。
(17)前記設定係数が1/2である(16)項に記載のブレーキシステム。
【0013】
(18)前記制動操作特性取得部が、車が走り出してから止まるまでを1制動単位として、複数制動単位における制動に関連したデータである制動関連データを取得し、その取得した制動関連データに基づいて運転者の前記制動操作特性を取得するものである (1)項ないし(17)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
(19)前記制動操作特性取得部が、当該ブレーキシステムが車両の制動を開始してから車両が停止するまでの期間の前半におけるブレーキ操作部材の操作力またはそれにほぼ比例する量である操作力関連量と車両減速度との少なくとも一方が後半のそれより大きい場合に、前記制動操作特性が、早めに減速し、余裕を持って停止させる早期制動型であると判定する (1)項ないし(18)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
【0014】
(20)前記制動操作特性取得部が、少なくとも、当該ブレーキシステムによる車両の制動開始時点における前方物体との距離に基づいて前記制動操作特性を取得する制動開始時前方距離依拠特性取得部を含む (1)項ないし(19)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
運転者の制動操作特性は、車両の制動開始時点における前方物体との距離とも深い関係を有している。早期制動型の運転者は前方物体との距離が未だ比較的大きい時点に制動を開始し、急制動型の運転者は前方物体との距離が比較的小さくなってから制動を開始するのが普通であるからである。前方物体には、例えば、前方を同方向に走行している先行車両や、静止物体(停止中の車両も含む)が含まれる。制動開始時点における前方物体との距離は、車両の走行速度によって変わるのが普通であるため、制動操作特性の取得には自車両の走行速度も考慮されることが望ましい。また、制動開始時点における車両の走行速度は、前方物体が先行車両である場合と静止物体である場合とでも異なるため、制動操作特性の取得にはそのことも考慮されることが望ましい。
制動操作特性取得部が前述の操作力関連量等依拠特性取得部を含み、その操作力関連量等依拠特性取得部が前記停車制動時操作力関連量等依拠特性取得部を含む場合には、車両が少なくとも1度は停止させられないと制動操作特性を取得することができない。それに対して、本項の制動開始時前方距離依拠特性取得部によれば車両が停止させられなくても制動操作特性を取得することができる。特に、前方物体が先行車両である場合に制動操作が行われる機会は比較的多いため、制動操作特性取得部が停車制動時操作力関連量等依拠特性取得部と本項の制動開始時前方距離依拠特性取得部との両方を含むものとされることが望ましい。
(21)前記制動開始時前方距離依拠制動操作特性取得部が、前方を同方向に走行している車両である先行車両を前記前方物体として前記制動操作特性を取得する制動開始時車間距離依拠特性取得部を含む(20)項に記載のブレーキシステム。
【0015】
(22)前記制動操作特性取得部が、当該ブレーキシステムが搭載された車両が非制動状態で、前方を走行中の先行車両に追従して走行している際の先行車両との距離である追従走行時車間距離に基づいて、前記制動操作特性を取得する追従走行時車間距離依拠特性取得部を含む (1)項ないし(21)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
運転者の制動操作特性は追従走行時車間距離とも深い関係を有している。早期制動型の運転者は追従走行時車間距離を比較的大きく保ち、急制動型の運転者は比較的小さく保つのが普通であるからである。追従走行時車間距離の取得は、前記制動開始時前方距離の取得よりさらに頻繁に実行可能であるのが普通であるため、制動操作特性取得部を追従走行時車間距離依拠特性取得部を含むものとすることは有効である。制動操作特性取得部を操作力関連量等依拠特性取得部,制動開始時車間距離依拠特性取得部および追従走行時車間距離依拠特性取得部の3つを含むものとし、それらにより取得された制動操作特性を例えば次項以下に示すように適宜使用してアシスト装置のアシスト特性を複数種類に変更することが特に望ましいのであるが、それらの少なくとも2つを含むものとしても制動操作特性の信頼性を高くすることができる。
【0016】
(23)前記制動操作特性取得部が、
互いに異なる情報に基づいてそれぞれ前記制動操作特性を暫定制動操作特性として取得する複数の暫定制動操作特性取得部と、
それら複数の暫定制動操作特性取得部により取得された複数の暫定制動操作特性に基づいて最終的な制動操作特性である最終制動操作特性を決定する最終制動操作特性決定部と
を含む (1)項ないし(22)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
複数の暫定特性取得部により得られた暫定制動操作特性に基づいて最終制動操作特性を決定すれば、最終制動操作特性の信頼性を高めることができる。暫定特性取得部により取得される暫定制動操作特性の段階数と、最終制動操作特性決定部により決定される最終制動操作特性の段階数とが同じであることは不可欠ではない。後者を前者より多くしたり少なくしたりすることができるのである。例えば、実施形態の項において後述するように、暫定制動操作特性の段階の中央にも最終制動操作特性の段階を設定することが可能なのである。
(24)前記複数の暫定制動操作特性取得部が、
当該ブレーキシステムによる車両制動中の少なくとも1時点における前記ブレーキ操作部材のブレーキ操作力に比例する量である操作力関連量,車速および減速度の少なくとも1つに基づいて暫定制動操作特性を取得する操作力関連量等依拠暫定特性取得部と、
少なくとも、当該ブレーキシステムによる車両の制動開始時点における前方物体との距離に基づいて暫定制動操作特性を取得する制動開始時前方距離依拠暫定特性取得部と、
当該ブレーキシステムが搭載された車両が非制動状態で、前方を走行中の先行車両に追従して走行している際の先行車両との距離である追従走行時車間距離に基づいて、暫定制動操作特性を取得する追従走行時車間距離依拠暫定特性取得部と
の2つ以上を含む(23)項に記載のブレーキシステム。
【0017】
(25)前記制動操作特性取得部が、取得した制動操作特性を記憶する特性記憶部を含み、その特性記憶部に記憶されている制動操作特性である旧制動操作特性と、新たに取得した制動操作特性である新制動操作特性とに基づいて最終的な制動操作特性を決定する部分を含む (1)項ないし(24)項に記載のブレーキシステム。
特性記憶部は、車両が同一の運転者により運転されていると推定される期間に取得された制動操作特性のみを記憶するものとしたり、運転者交替の可能性がある複数の期間の制動操作特性をも記憶するものとしたりすることができる。後者は、複数の運転者の各々と対応付けて制動操作特性を記憶するものとすることが望ましい。いずれにしても、最終制動操作特性を決定するために、旧制動操作特性を利用することが可能となり、1つの新制動操作特性のみによる場合に比較して、制御に使用される制動操作特性(最終制動操作特性)の信頼性を高めることができる。
本項のブレーキシステムにおいては、制動操作特性取得部が、(a)新たな制動操作特性を取得する新制動操作特性取得部と、(b)その新制動操作特性取得部により前回以前に取得された制動操作特性を記憶する特性記憶部と、(c)その特性記憶部に記憶されている制動操作特性である旧制動操作特性と、前記新制動操作特性取得部により新たに取得された制動操作特性である新制動操作特性とに基づいて最終的な制動操作特性を決定する最終制動操作特性決定部とを含むと考えることもできる。
【0018】
(26)運転者交替の可能性があることを検出する運転者交替可能性検出部を含み、前記制動操作特性取得部が、その運転者交替可能性検出部により運転者交替の可能性が検出される前の制動操作特性を記憶する運転者交替前特性記憶部を含み、その運転者交替前特性記憶部に記憶されている制動操作特性とあらたに取得した制動操作特性とに基づいて最終的な制動特性を決定する部分を含む (1)項ないし(25)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
運転者交替可能性検出部は、例えば、運転席のドアが開かれたことを検出する運転席ドア開検出部、運転車の座席の荷重が設定値(人が運転席に座っていればあり得ない大きさ)以下となったことを検出する荷重減少検出部、イグニッションスイッチがOFFにされたことを検出するイグニッションOFF検出部、運転者が交替した場合に操作すべきことが義務付けられた交替入力スイッチの少なくとも1つを含むものとすることができる。
上記運転者交替可能性検出部と共に、あるいはそれに代えて、運転者が誰であるかを特定する運転者特定部を設けることも可能である。例えば、各運転者が持っている物(例えば、運転者カード,運転免許証)から情報を読み取る情報読取装置や、各運転者が持っている物や身に付けている者から無線で送信される情報を受信する情報受信装置を運転者特定部とすることができる。運転者を特定できれば、確実にその運転者用の過去の情報を利用することができる。運転者が各自持っている物の代わりに、あるいはそれと共に、シートの位置,シートにかかる負荷等のシート情報から運転者を推定するシート情報利用運転者推定部を設けることも可能である。
複数ではあるが、人数が限定されている運転者が同じ車を運転する場合には、ブレーキシステムを、例えば、少回数の制動操作に基づいてどの運転者であるかを推定する運転者推定部と、その運転者推定部により推定された運転者の過去の情報を利用する過去情報利用部とを含むものとすることもできる。
【0019】
(27)前記制動操作特性取得部が、
当該ブレーキシステムによる車両制動中の少なくとも1時点における前記ブレーキ操作部材のブレーキ操作量,車速および減速度の少なくとも1つに基づいて前記制動操作特性を取得する操作力関連量等依拠特性取得部と、
少なくとも、当該ブレーキシステムによる車両の制動開始時点における前方物体との距離に基づいて前記制動操作特性を取得する制動開始時前方距離依拠特性取得部と、
当該ブレーキシステムが搭載された車両が非制動状態で、前方を走行中の先行車両に追従して走行している際の先行車両との距離である追従走行時車間距離に基づいて、制動操作特性を取得する追従走行時車間距離依拠特性取得部と
の少なくとも1つを含む (1)項ないし(26)項のいずれかに記載のブレーキシステム。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に本発明の一実施形態であるブレーキシステムの液圧回路を示す。この液圧回路は、ブレーキ操作部材の一例としてのブレーキペダル12と、そのブレーキペダル12の運転者による踏込操作に応じて液圧を発生させるマスタシリンダ14と、動力液圧源16とを備えている。マスタシリンダ14は、シリンダハウジング20に2つの加圧ピストン22、24が直列に配設され、各加圧ピストン22,24の前方にそれぞれ加圧室26,28が形成されたタンデム式である。加圧ピストン22,24はシリンダハウジング20に液密かつ摺動可能に嵌合されており、後方の加圧室28の後方にはアシスト圧室30が形成されている。このアシスト圧室30に動力液圧源16の出力圧が供給されることにより、ブレーキペダル10の操作力としての踏力による加圧ピストン24の作動力が援助(アシスト)される。シリンダハウジング20と加圧ピストン24の後部とによって、アシストシリンダが構成されており、そのアシストシリンダが、ブレーキペダル12によるマスタシリンダ14の駆動を援助すると考えることもできる。ブレーキペダル12の操作状態はブレーキスイッチ32により検出される。ブレーキペダル12が原位置から僅かに(設定距離以上)踏み込まれれば、ブレーキスイッチ32からON信号が発せられるのである。
【0021】
動力液圧源16は、リザーバ38から作動液を汲み上げて圧送するポンプ40と、そのポンプ40の吐出圧、すなわち動力液圧源16の出力圧を制御する出力圧制御弁42とを備えている。出力圧制御弁42は、詳細な構造の図示は省略するが、ポンプ40の吐出圧を開弁方向に受けるシート弁と、そのシート弁を常時閉方向に付勢する弾性部材と、シート弁を開く向きの電磁力を発生する電磁力発生装置とを備えたものであって、電磁力発生装置への供給電流の制御により、開弁圧、すなわちポンプ40の吐出圧を制御し得るものである。ポンプ40とアシスト圧室30との間には、後者から前者への作動液の流れを阻止する逆止弁44が設けられ、それらポンプ40と逆止弁44との直列回路に対して並列に、リザーバ38からアシスト圧室30への作動液の流れは許容するが、逆向きの流れは阻止する逆止弁46を備えた負圧発生防止回路48が接続されている。動力液圧源16の出力圧(ポンプ40の吐出圧)、すなわちアシスト圧はアシスト圧センサ50によって検出される。
【0022】
マスタシリンダ14の2つの加圧室26,28には、それぞれ2系統の液通路56,58により、左右前輪FL,FRおよび左右後輪RL,RRを制動するブレーキ62のホイールシリンダ64が接続されている。そして、液通路56,58の、それぞれ各ホイールシリンダ64に接続された分岐通路の各々には増圧弁66と減圧弁68とが設けられている。増圧弁66は常開の電磁開閉弁、減圧弁68は常閉の電磁開閉弁であり、増圧弁66の開状態(減圧弁68は閉状態)ではホイールシリンダ64への作動液の流入が許容されて増圧が行われ、減圧弁68の開状態(増圧弁66は閉状態)ではホイールシリンダ64からの作動液の流出が許容されて減圧が行われ、増圧弁66および減圧弁68の閉状態ではホイールシリンダ64の液圧が保持される。ホイールシリンダ64から減圧弁68を経て流出した作動液はリザーバ70に収容され、ポンプ72により汲み上げられて、マスタシリンダ14に戻される。ポンプ72は往復動型であり、それの吐出脈動はダンパ74および絞り76により低減させられる。マスタシリンダ14のマスタ圧がマスタ圧センサ78によって検出される。
【0023】
本液圧回路においては、マスタシリンダ14および動力液圧源16が液圧源装置80を構成しており、この液圧源装置80は、通常制動時にはブレーキペダル12の踏力に対応する液圧を発生させる。踏力に基づく操作入力と、アシスト圧室30のアシスト圧に基づく加圧ピストン24の作動力との和に対応するマスタシリンダ圧(マスタ圧と略称する)を発生させるのである。アシスト圧はブレーキペダル12の踏力に比例させることができるが、不可欠ではなく、非線形の制御特性を持たせることも可能である。いずれにしても、通常制動時には液圧源装置80がブレーキペダル12の踏力に対応する液圧を発生させることに違いはない。それに対して、緊急制動時には動力液圧源16の出力液圧が通常より高くされ、通常より高いマスタ圧が発生させられる。また、制動時に車輪のスリップが過大となるアンチロック制御や、加速時に駆動輪のスリップが過大となるトラクション制御のための、各ホイールシリンダ64の液圧の独立制御は、それぞれ前記増圧弁66および減圧弁68により構成される個別液圧制御弁装置82の各々により行われる。
【0024】
以上のように構成された液圧回路は図2に示すコントローラ90と共同してブレーキシステムを構成している。ただし、図2には、本発明と関連が深い部分、すなわちアシスト制御を行う部分のみを示し、個別液圧制御弁装置82の制御によるアンチロック制御およびトラクション制御を行う部分は省略する。コントローラ90の主体は、ブレーキ電子制御ユニット(ブレーキECUと略称する)92であり、アシスト制御はブレーキECU92による出力圧制御弁42の制御によって行われる。そのために、ブレーキECU92には、前記マスタ圧センサ78およびブレーキスイッチ32と共に、車速センサ94,シートポジションセンサ96および車間距離検出電子制御ユニット(車間距離ECUと略称する)98が接続されている。シートポジションセンサ96は、運転席のシートの位置を検出する検出器であり、シートの位置に基づいて運転者を推定するために設けられている。車間距離ECU98は、ミリ波レーダ100と共に車間距離検出装置102を構成しており、自車両の前方に存在する対象物(殆どの場合が他車両、すなわち同方向に走行している先行車両、対向して走行している対向車両、停止している他車両であるが、車両以外の静止物を含んでも差し支えない)までの距離(車間距離と総称する)と相対移動速度とを検出するとともに、車間距離が、自車両と対象物との相対移動速度との関係において過小であって、自車両が対象物と衝突する可能性が高い場合に、衝突予知情報を作成し、ブレーキECU92に供給する。
【0025】
ブレーキECU92は、運転者による毎回の制動操作、つまりブレーキペダル12の操作に関するデータを収集し、その収集したデータに基づいて、各運転者の制動操作特性が早期制動型A,標準型B、急制動型Cのいずれであるかを決定する制動操作特性決定機能と、その決定した制動操作特性に応じてアシスト制御を複数種類に変更するアシスト特性変更機能とを備えている。図3 (a), (b)に示すように、早期制動型Aは、早めに減速し、余裕を持って停止させる制動操作特性であり、急制動型Cは、減速開始が遅く、急制動ぎみに停止させる制動操作特性であり、標準型Bは早期制動型と急制動型との中間の制動操作特性である。各運転者の制動操作特性がいずれの型に属するかは、各運転者の制動操作特性が図3に示す3つの型のいずれに最も近いかによって決定することができ、種々の決定方法があるが、本実施形態においては、実際の車速が、制動開始時の車速である制動開始時車速の1/2まで低下してから車両が停止するまでの時間の長さによって、いずれの型に属するかが決定されるようになっている。ただし、この時間の長さは、制動操作特性が同じであっても、制動開始時車速の大きさによって変わるため、本実施形態においては、制動開始時車速を複数の領域に分け、各領域毎に別個に制動操作特性が決定されるようになっている。
【0026】
上記制動操作特性の決定は、ブレーキECU92のコンピュータのROMに格納されている図4および図5のフローチャートで表される制動操作特性決定プログラムの実行によって行われる。このプログラムはイグニッションスイッチがONにされている間、微小な設定時間毎に繰り返し実行される。まず、ステップ1(以下S1と略記する。他のステップについても同様とする)において、車両が走行中か否かが判定され、走行中であればS2以降が実行される。S2およびS3において、ブレーキスイッチ32がOFFからONに変化すること、すなわちブレーキペダル12が踏み込まれることが待たれ、踏み込まれればS4において、その時点の車速、つまり制動開始時車速が車速センサ94から読み込まれる。それとともにフラグFが立てられるため、以後はS3およびS4がバイパスされる。続いてS5およびS6において、車速が制動開始時車速の1/2より小さくなることが待たれる。1/2より小さくなれば、S7においてタイマがスタートさせられる。それとともにフラグFが立てられるため、以後はS6およびS7がバイパスされる。
【0027】
タイマスタート後、S8およびS9において車両が停止することが待たれる。車両が停止すれば、S10においてタイマが停止させられるとともに、その時点のカウント値を維持させられる。すなわち車速が制動開始時車速の1/2まで低下してから車両が停止するまでの時間が計時され、保持されるのである。1回のブレーキペダル12の踏込みによって車両が停止させられる場合(この制動を停止制動と称することとする)には、以上の計時が行われるのであるが、一旦ブレーキペダル12が踏み込まれた後、停止前に踏込みが解除された場合、あるいは実際の車速が回復し、制動開始時車速より大きくなった場合には、S11の判定結果がNOとなるか、S8の判定結果がYESとなって、S12においてタイマが0にリセットされ、S4で記憶された車速がクリアされ、かつ、フラグF,Fが倒される。一旦制動が開始されても車両が停止させられない場合には、制動操作特性の取得が中止されるのである。
【0028】
車両が停止した場合には、前記S10の実行後、S13をはじめとする複数の判定ステップの実行により、制動開始時車速が複数段階の範囲のいずれに属するかが判定され、車速範囲毎に今回の制動時における制動操作特性の判定が行われる。図5には制動開始時車速がV以上V未満である車速範囲である場合の制動操作特性の判定が代表的に図示され、他の車速範囲である場合の判定は省略されている。制動開始時車速がV以上V未満である場合には、S14〜S16において、今回の制動操作が早期制動型A,標準型B、急制動型Cのいずれであったかが判定される。S10において保持された時間、つまり車速が制動開始時車速の1/2まで低下してから車両が停止するまでの時間Tが、しきい時間T以上であれば早期制動型A、しきい時間T以下であれば急制動型、しきい時間Tとしきい時間Tとの間の大きさであれば、標準型であると判定されるのである。そして、いずれかの判定が行われた場合には、その型であると判定された回数を示すA,B,Cの値が1増加させられる。
【0029】
その後、S20〜22において、今回の判定結果と前回までの判定結果とに基づいて、運転者の制動操作特性の総合的な判定が行われる。上記S17〜19におけるカウント値A,B,Cと、予め設定されている係数K,K,Kとに基づいて、各判定ステップに記載されている条件が満たされるか否かによって、制動操作特性の総合的な判定が行われるのである。すなわち、ブレーキアシスト制御上(緊急制動時)は早期制動型あるいは急制動型とされるべき運転者であっても、通常制動時には標準型の制動操作を行う場合が多いため、それにもかかわらず、正しく早期制動型あるいは急制動型に決定されるようにすべく、重み付け係数が各カウント値A,B,Cに掛けられた上で、総合的な制動操作特性判定が行われるようにされているのである。したがって、係数K,K,Kは、ブレーキアシスト制御上、それぞれ早期制動型,標準型および急制動型とされるべき運転者が、実際にそれらの型の制動操作を行う確率が低い型の係数ほど大きい値に決定されており、係数K,K,Kの値がK=2,K=1,K=5に設定されている。換言すれば、各回の停止制動について、急制動型Cであるとの判定がなされる回数が他の型であると判定される回数より相当少なくても、急制動型Cであるとの総合的な判定が行われ、早期制動型Aであるとの判定がなされる回数が標準型であるとの判定がなされる回数より少なくても早期制動型Aであるとの総合的な判定が行われるようにされているのである。S20,S21,S22のいずれかの判定結果がYESとなる毎に、S23,S24,S25のいずれかにおいて早期制動型A,標準型B,急制動型Cのいずれかの判定が行われる。
【0030】
以上のようにして行われた制動操作特性の総合的な判定の結果は、本ブレーキシステムのアシスト特性の変更に使用される。このアシスト特性の変更は、図6に示すアシスト特性変更プログラムの実行により行われる。本プログラムは、最初に(例えば、イグニッションスイッチON時に)S31が1回実行され、その後S32以降が微小な設定時間毎に繰り返し実行される。S31において、過去のデータ、すなわち過去に早期制動型A,標準型B,急制動型C各々の判定が行われた回数A″,B″,C″が読み込まれる。本ブレーキシステムを備えた車両は、比較的少数の運転者のみによって運転されることが予定されており、運転席のシートの位置がシートポジションセンサ96により検出されることによって、運転者の推定が行われるようになっている。具体的には、シートポジションセンサ96により検出されるシートの位置毎に運転者が異なると推定され、シートの位置毎に制動操作特性が取得され、管理されるようになっているのである。したがって、S31において読み込まれる過去のデータは、現在、シートポジションセンサ96によって検出されているシートの位置に対応付けて、過去データメモリに格納されている早期制動型A,標準型B,急制動型Cの各判定回数A″,B″,C″である。
【0031】
S32においては、新しい制動操作特性が入手されたか否かの判定が行われる。前記制動操作特性決定プログラムのS23,S24,S25のいずれかにおいて制動操作特性が早期制動型A,標準型B,急制動型Cのいずれかに決定されたか否かが判定されるのである。判定の結果がYESの場合には、S33〜S37の実行により、早期制動型A,標準型B,急制動型Cのうち今回その型であると判定された制動操作特性の判定回数A′,B′,C′が1増加させられる。この判定回数A′,B′,C′は、S31において読み込まれた過去の判定回数A″,B″,C″とは別個にカウントされる。続いて、S38においてS32以降の実施によって取得された判定回数A′,B′,C′の総和が予め設定されている設定値以上となったか否かの判定が行われ、判定の結果がYESであった場合には、S39において、過去データメモリに記憶されている過去の判定回数A″,B″,C″がクリアされる。これは、S32以降の実施によって取得された、つまり図4および図5の制動操作特性決定プログラムの実行によって取得された判定回数A′,B′,C′の総和が設定値以上になれば、現に車両を運転している者の制動操作特性が、十分な回数の制動操作の観察結果に基づいて取得されたことになるため、過去データメモリに格納されている過去の判定回数A″,B″,C″をアシスト制御に利用する必要がなくなるからである。
【0032】
続いてS40において、制動操作特性の最終的な判定が行われる。過去データメモリに記憶されている過去の判定回数A″,B″,C″と、S32以降の実施によって取得された判定回数A′,B′,C′とのそれぞれの和(A″+A′),(B″+B′),(C″+C′)のうち最大のものに対応する制動操作特性が最終的な制動操作特性に決定されるのである。ただし、S39において過去の判定回数A″,B″,C″がクリアされた後は、S32以降の実施によって取得された判定回数A′,B′,C′のうちの最大のものが最終的な制動操作特性に決定される。
【0033】
以上のようにして、運転者の制動操作特性が早期制動型A,標準型B,急制動型Cのいずれかに決定されれば、その決定に応じて、アシスト特性が変更される。その変更は図7および図8に示すように行われる。アシスト制御は、車間距離ECU98からブレーキECU92への衝突予知情報の供給と、ブレーキペダル12の踏込みとの両方が生じた場合に行われるが、S41において、最終的な制動操作特性が車間距離ECU98に送信され、車間距離ECU98においては、その送信された制動操作特性に応じて、図7に示すように、衝突予知情報作成のしきい値(しきい車間距離)が変更される。しきい値は、車間距離ECU98が衝突予知情報を作成してブレーキECU92に送信すべき車間距離、すなわち自車両とその前方に存在する対象物との間の距離であり、それら自車両と対象物との相対移動速度が大きいほど大きい値とされるのであるが、それのみではなく、図7から明らかなように、現に自車両を運転している運転者の制動操作特性が早期制動型である場合には他の型である場合に比較して大きい値とされ、制動操作特性が急制動型である場合には小さい値とされるようになっている。したがって、運転者の制動操作特性が早期制動型である場合には他の型である場合に比較して大きい車間距離で、すなわち早期に衝突予知情報が作成され、制動操作特性が急制動型である場合には小さい車間距離で、すなわち遅い時期に衝突予知情報が作成されることとなる。このように、衝突予知情報の作成時期が変更されれば、アシスト制御の開始時期が変わるため、衝突予知情報の作成時期の変更は実質的にアシスト制御特性の変更の一つであることになる。
【0034】
また、ブレーキECU92においては、運転者の制動操作特性が早期制動型A,標準型B,急制動型Cのいずれであるかによって、マスタ圧センサ78により検出されたマスタ圧に対するアシスト圧が変更される。換言すれば、ブレーキペダル12の踏力に対する動力液圧源16の出力圧が変更されるのである。アシスト圧は、運転者の制動操作特性が早期制動型A,標準型B,急制動型Cと後のものになるほど高くされる。アシスト制御は、ブレーキペダル12の踏込みが行われている限り、車間距離ECU98からの衝突予知情報の供給に応じて開始されるのであるが、前述のように、制動操作特性が早期制動型A,標準型B,急制動型Cと後のものになるほど遅い時期に供給されるため、後のものほどアシスト制御の効果が大きくなるようにされるのである。
【0035】
以上のアシスト制御特性の変更によって、運転者が早期制動型の制動操作特性を有する場合に、アシストが不十分であると感じること、および、運転者が急制動型の制動操作特性を有する場合に、アシスト装置が不要な作動を行い過ぎると感じることを共に回避することができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、S20〜22において使用される係数が、自車両の車速いかんを問わず一定とされているが、制動操作特性は自車両の車速によっても変わる。車速が低いほど、早期制動型や急制動型の傾向が現れにくいのである。したがって、車速に応じて係数が変えられるようにすることが望ましい。具体的には、例えば、車速が低いほど前記係数K,K,Kに大きな係数を掛ける係数補正が行われるようにしたり、複数の車速領域の各々に対して、予め適切な係数K,K,Kを設定しておき、それらが選択的に使用されるようにしたりするのである。
【0037】
本発明は、上記実施形態におけるように、マスタシリンダの作動力が、動力液圧源の出力圧により援助される形式のブレーキシステムのみならず、マスタシリンダの出力圧であるマスタ圧が、動力増圧装置により増圧される形式のブレーキシステムにも適用可能である。その一例を、図9に示す。図において、符号110はマスタシリンダを示し、マスタシリンダはブレーキペダル112の踏力に応じたマスタ圧を発生させる。マスタシリンダ110は前記実施形態におけると同様にタンデム式であり、2つの独立した加圧室にそれぞれ独立の液圧経路により2つずつのブレーキのホイールシリンダ114が接続されているが、これら2つの系統は実質的に同じであるため、一方の系統(図9において左側の系統)についてのみ説明する。マスタシリンダ110とホイールシリンダ114とを接続する主液通路116の途中には、その主液通路116を遮断する遮断弁118が設けられている。主液通路116は、この遮断弁118よりホイールシリンダ114側において、二股に分岐しており、各分岐通路120にそれぞれ1個ずつのホイールシリンダ114が接続されている。各分岐通路120にはそれぞれ、増圧弁126および減圧弁128を備えた液圧制御弁装置130が設けられている。減圧弁128によりホイールシリンダ114から流出させられた作動液は、一旦副リザーバ134に収容されるが、ポンプ136により汲み上げられ、増圧弁126と遮断弁118との間へ供給される。ポンプ136は吸入弁140を備えた吸入通路142によりマスタシリンダ110に接続されており、マスタシリンダ110の作動液を汲み上げ可能とされている。なお、マスタ圧はマスタ圧センサ148により検出され、ブレーキ圧はブレーキ圧センサ150により検出される。
【0038】
通常は、遮断弁118および増圧弁126が共に開状態にあり、マスタシリンダ110とホールシリンダ114とが連通させられていて、マスタ圧がそのままホイールシリンダ114に供給される。吸入弁140は閉状態にある。そして、アシスト制御が必要になった場合には、遮断弁118が閉状態とされる一方、吸入弁140が開状態とされ、かつ、ポンプ136が作動させられて、図9に矢印で示すように、マスタシリンダ110の作動液がポンプ136により加圧されてホイールシリンダ114に供給される。この際、マスタシリンダ110の作動液はブレーキペダル112の踏力に基づいて既に加圧されているため、ポンプ136はマスタ圧を増圧することとなる。ホイールシリンダ114の液圧であるブレーキ圧は、減圧弁128の制御により制御される。本実施形態においても、前記実施形態におけると同様にして運転者の制動操作特性が取得され、その制動操作特性に基づいて上記減圧弁128への供給電流の制御が変更されて、アシスト特性が変更されるのであるが、この点に関しては、前記実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態においては、遮断弁118,吸入弁140,ポンプ136および減圧弁128がアシスト装置の一種としての動力増圧装置を構成しているのである。
【0039】
図9の実施形態において、減圧弁128の制御の代わりにポンプ136を駆動する電動モータの制御、例えば、供給電流量の制御等により、ポンプ136の吐出圧を制御することによって、アシスト圧を制御することも可能である。同様のことは図1の実施形態においても可能である。
【0040】
前記実施形態においては、ブレーキECU92において、車間距離ECU98により作成される衝突予知情報に基づいてアシスト特性の変更が行われるようになっていたが、それとともにあるいはそれに代えて、車間距離ECU98から供給される車間距離情報が使用されるようにすることも可能である。その一例を図10に示す。本実施形態においては、前記実施形態と同様にして運転者の制動操作特性が取得されるとともに、制動開始時における先行車両と自車両との車間距離(先行車両のみならず静止物等も含む前方物体と自車両との間の距離である前方距離とすることも可能である)と相対移動速度(前方物体と自車両との相対移動速度とすることもできる)とに基づいて運転者の制動操作特性が取得される。
【0041】
図10の制動操作特性取得プログラムにおいては、S51において、制動が開始されることが待たれる。前記ブレーキスイッチ32または前記マスタ圧センサ78からの信号に基づいて、制動が開始されたことが判明した場合には、S52において車間距離および相対移動速度が読み込まれる。S53において車間距離が設定距離以下であるか否かが判定され、判定の結果がYESの場合には、S54において、車間距離と相対移動速度とに基づいて制動操作特性の判定が行われる。相対移動速度が複数の領域に分けられ、各相対移動速度領域毎に、予め設定されている車間距離の複数(本実施形態においては2つ)のしきい値と実際の車間距離との比較により、運転者の制動操作特性が前記早期制動型,標準型および急制動型のいずれであるかが判定(実際の車間距離が大きい領域から順に早期制動型,標準型,急制動型に対応する)されるのである。上記複数のしきい値は、相対移動速度が大きい場合には小さい場合より大きい値に設定される。
【0042】
以上のようにして判定される毎回の制動操作特性は、前記実施形態におけるS14〜S16で判定される制動操作特性に対応するものであり、前記S20〜S25およびS31〜S40におけると同様にして、最終的な制動操作特性が決定される。しかしながら、本実施形態においては、S40におけると同様にして決定された最終的な制動操作特性がそのままアシスト制御に使用されるのではなく、前記実施形態のS40において最終的に決定された制動操作特性(制動開始時の車速である制動開始時車速の1/2まで低下してから車両が停止するまでの時間に基づく制動操作特性の判定であり、「停止所要時間に基づく制動操作特性判定」と称することとする)と、上述のように、制動開始時車間距離に基づいて最終的に決定(「制動開始時車間距離に基づく制動操作特性判定」と称する)された制動操作特性との両方がアシスト制御に使用される。
【0043】
すなわち、本実施形態においては、上記「停止所要時間に基づく制動操作特性判定」により決定された制動操作特性(前記実施形態においてはこれが最終制動操作特性であったが、本実施形態においては暫定的な制動操作特性として使用される)を第一暫定制動操作特性、上記「制動開始時車間距離に基づく制動操作特性判定」により決定された制動操作特性を第二暫定制動操作特性とし、それら2つの暫定制動操作特性に基づいて、図11に示す規則により最終制動操作特性が決定され、それがアシスト制御に使用されるのである。
【0044】
図11に示す規則は、第一,第二暫定制動操作特性が同じ型であれば、最終制動操作特性をその同じ型の特性に決定し、第一、第二暫定制動操作特性が早期制動型と急制動型との両端に分かれた場合には中間の標準型に決定し、早期制動型と標準型あるいは標準型と急制動型のように、互いに隣接する型に分かれた場合には、比較的信頼性の高い第一暫定制動操作特性を最終制動操作特性に決定するものである。
【0045】
上記のように、早期制動型と標準型あるいは標準型と急制動型のように、互いに隣接する型に分かれた場合には、それらの中間の制動操作特性であるとして、互いに隣接する型に対応する2つのアシスト制御の中間の制御が行われるようにすることも可能である。例えば、中間制動操作特性決定部と中間アシスト制御実行部との少なくとも一方を設けるのである。
【0046】
第二暫定制動操作特性として、図12のフローチャートで表される制動操作特性決定プログラム(暫定制動操作決定プログラム)により決定される制動操作特性を採用することも可能である。このプログラムは、運転者が自車両を先行車両に追従して走行させる場合における車間距離と制動操作特性との間に相関性があること、すなわち早期制動型,標準型,急制動型と記載の順序が早いものほど車間距離が長いことを利用して、運転者の制動操作特性を取得するものである。まず、S61において車間距離の読込みが行われる。車間距離ECU98から先行車両との車間距離の情報が読み込まれるのである。次に、S62において追従走行中であるか否かが判定される。この判定は、例えば、車間距離ECU98からブレーキECU92に、自車両と先行車両との車間距離の変動量が設定範囲以内である状態が設定時間以上継続した場合に、追従走行中であると判定されるようにすることができる。続いて、S63ないしS68の実行により、追従走行中、設定時間が経過する毎に、その設定時間経過時に制動が行われていなければ、S61において読み込まれた車間距離と、前記車速センサ94により検出された自車両の車速とに基づいて制動操作特性が判定される。自車両の車速が複数の領域に分けられ、各車速領域毎に、予め設定されている車間距離の複数(本実施形態においては2つ)のしきい値と実際の車間距離との比較により、運転者の制動操作特性が前記早期制動型,標準型および急制動型のいずれであるかが判定されるのである。このように判定される制動操作特性は、前記実施形態におけるS14〜S16で判定される制動操作特性に対応するものであり、その判定結果に基づいて前記実施形態におけると同様にして第二暫定制動操作特性が取得される。前方に走行車両が無く、追従走行中でない場合はフラグFが倒され(S69)、追従走行状態になったときにタイマのリセット・スタートが行われる(S63,64)。
【0047】
このようにして取得された第二暫定制動操作特性は前記図10のプログラムの実行により取得される第二暫定制動操作特性の代わりに使用されるようにすることができる。図11の「第二暫定制動操作特性(制動開始時車間距離に基づく判定)」の代わりに、図12のプログラムの実行により取得される第二暫定制動操作特性を用いて最終制動操作特性が決定されるようにするのである。
【0048】
あるいは、以上説明した3つの第二暫定制動操作特性をすべて用いて最終制動操作特性が決定されるようにすることもできる。例えば、2つ以上の暫定制動操作特性が一致した場合は、その一致した制動操作特性を最終制動操作特性に決定し、3つの暫定制動操作特性がすべて互いに異なっている場合には、標準型に決定するのである。また、図11において、第一暫定制動操作特性と第二暫定制動操作特性とが互い隣接する型同士であった場合に、図12のプログラムの実行により取得される第二暫定制動操作特性と同じものが最終制動操作特性に決定されるようにしてもよい。さらに、通常、図12のプログラムの実行による第二暫定制動操作特性が最も早期に十分な数取得されるため、当初はこれが最終制動操作特性に決定され、次に、図10のプログラムの実行による第二暫定制動操作特性が多く取得されるため、これも使用して最終制動操作特性が決定され、図4および図5のプログラムの実行による第二暫定制動操作特性が最も取得されにくいため、最後にこれが最終制動操作特性の決定に使用されるようにすることも可能である。また、図5のS14〜16、図10および図12において取得される生の(S20〜S25の処理等、統計的処理が行われる前の)制動操作特性の数が設定値を超えた暫定制動操作特性から順に最終制動操作特性の決定に使用されるようにすることも可能である。
【0049】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるブレーキシステムの液圧回路を示す回路図である。
【図2】上記ブレーキシステムのコントローラを示すブロック図である。
【図3】運転者の制動操作特性の典型的なものを示すグラフである。
【図4】上記コントローラの一構成要素であるブレーキECUのROMに格納されている制動操作特性決定プログラムの一部を示すフローチャートである。
【図5】上記プログラムの別の一部を示すフローチャートである。
【図6】上記ブレーキECUのROMに格納されているアシスト特性変更プログラムを示すフローチャートである。
【図7】上記アシスト特性変更プログラムの実行に基づいて行われる衝突予知情報の作成時期の変更を示すグラフである。
【図8】上記アシスト特性変更プログラムの実行に基づいて行われるアシスト量の変更を示すグラフである。
【図9】本発明の別の実施形態であるブレーキシステムの液圧回路を示す回路図である。
【図10】本発明のさらに別の実施形態であるブレーキシステムにおける制動操作特性決定プログラムの一部を示すフローチャートである。
【図11】上記実施形態における最終制動操作特性の決定規則を示す図表である。
【図12】本発明のさらに別の実施形態であるブレーキシステムにおける制動操作特性決定プログラムの一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
12:ブレーキペダル 14:マスタシリンダ 16:動力液圧源 20:シリンダハウジング 22,24:加圧ピストン 26,28:加圧室
30:アシスト圧室 32:ブレーキスイッチ 38:リザーバ 40:ポンプ 42:出力圧制御弁 62:ブレーキ 64:ホイールシリンダ 78:マスタ圧センサ 80:液圧源装置 82:個別液圧制御弁装置 90:コントローラ 92:ブレーキ電子制御ユニット(ブレーキECU) 94:車速センサ 96:シートポジションセンサ 98:車間距離電子制御ユニット(車間距離ECU) 102:車間距離検出装置 110:マスタシリンダ 112:ブレーキペダル 114:ホイールシリンダ
116:主液通路 118:遮断弁 120:分岐通路 126:増圧弁 128:減圧弁 130:液圧制御弁装置 136:ポンプ 148:マスタ圧センサ 150:ブレーキ圧センサ

Claims (11)

  1. 運転者により操作されるブレーキ操作部材と、そのブレーキ操作部材の操作に基づいて作動するブレーキとを含むブレーキシステムであって、
    運転者が前記ブレーキ操作部材を操作して車両を制動する際のその運転者の特性である制動操作特性を取得する制動操作特性取得部を含むことを特徴とするブレーキシステム。
  2. 当該ブレーキシステムが、前記ブレーキ操作部材の操作力に対する前記ブレーキの作動力を増大させるアシスト装置と、そのアシスト装置の作動特性であるアシスト特性を前記制動操作特性取得部により取得された制動操作特性に応じて複数種類に変更するアシスト特性変更部とを含む請求項1に記載のブレーキシステム。
  3. 前記制動操作特性取得部が、前記制動操作特性として、 (a)早めに減速し、余裕を持って停止させる早期制動型と、(b)減速開始が遅く、急制動ぎみに停止させる急制動型と、 (c)それら早期制動型と急制動型との中間の型である標準型とのうちの少なくとも2つを取得するものである請求項1または2に記載のブレーキシステム。
  4. 前記制動操作特性取得部が、前記制動操作特性を、少なくとも、 (a)早めに減速し、余裕を持って停止させる早期制動型と、 (b)減速開始が遅く、急制動ぎみに停止させる急制動型と、 (c)それら早期制動型と急制動型との中間の型である標準型との3種類に分けて取得するものであり、前記アシスト特性変更部が、前記制動操作特性が前記標準型の制御条件を標準条件として有し、前記制動操作特性が前記早期制動型および前記急制動型である場合に前記標準条件をそれぞれの型に適したものに変更するものである請求項1または2に記載のブレーキシステム。
  5. 前記制動操作特性取得部が、当該ブレーキシステムによる車両制動中の少なくとも1時点における前記ブレーキ操作部材の運転者による操作力であるブレーキ操作力に比例する量である操作力関連量,車速および減速度の少なくとも1つに基づいて前記制動操作特性を取得する操作力関連量等依拠特性取得部を含む請求項1ないし4のいずれかに記載のブレーキシステム。
  6. 前記操作力関連量等依拠特性取得部が、前記ブレーキ操作部材の一操作により車両が停止させられた場合の前記操作力関連量,車速および減速度の少なくとも1つに基づいて前記制動操作特性を取得する停車制動時操作力関連量等依拠特性取得部を含む請求項5に記載のブレーキシステム。
  7. 前記停車制動時操作力関連量等依拠特性取得部が、車速が制動開始時の車速に1より小さい設定値を乗じた大きさまで低下してから停止するまでの時間の長さを、制動開始から停止までの時間で除した比に基づいて、前記制動操作特性を取得する時間比依拠特性取得部を含む請求項6に記載のブレーキシステム。
  8. 前記制動操作特性取得部が、車速が予め定められた条件を満たす大きさまで低下した時点以降の少なくとも1時点における前記操作力関連量,車速および減速度の少なくとも1つに基づいて制動操作特性を取得する車速低下時点操作力関連量等依拠特性取得部を含む請求項5ないし7のいずれかに記載のブレーキシステム。
  9. 前記制動操作特性取得部が、少なくとも、当該ブレーキシステムによる車両の制動開始時点における前方物体との距離に基づいて前記制動操作特性を取得する制動開始時前方距離依拠特性取得部を含む請求項1ないし8のいずれかに記載のブレーキシステム。
  10. 前記制動操作特性取得部が、当該ブレーキシステムが搭載された車両が非制動状態で、前方を走行中の先行車両に追従して走行している際の先行車両との距離である追従走行時車間距離に基づいて、前記制動操作特性を取得する追従走行時車間距離依拠特性取得部を含む請求項1ないし9のいずれかに記載のブレーキシステム。
  11. 前記制動操作特性取得部が、
    互いに異なる情報に基づいてそれぞれ前記制動操作特性を暫定制動操作特性として取得する複数の暫定制動操作特性取得部と、
    それら複数の暫定制動操作特性取得部により取得された複数の暫定制動操作特性に基づいて最終的な制動操作特性である最終制動操作特性を決定する最終制動操作特性決定部と
    を含む請求項1ないし10のいずれかに記載のブレーキシステム。
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