JP2000280880A - アンチスキッドブレーキ制御装置 - Google Patents

アンチスキッドブレーキ制御装置

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JP2000280880A
JP2000280880A JP11091800A JP9180099A JP2000280880A JP 2000280880 A JP2000280880 A JP 2000280880A JP 11091800 A JP11091800 A JP 11091800A JP 9180099 A JP9180099 A JP 9180099A JP 2000280880 A JP2000280880 A JP 2000280880A
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pressure
brake
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JP11091800A
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Chiaki Fujimoto
千明 藤本
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスタシリンダ圧の過剰状態検出時に速やか
にマスタシリンダ圧を低減することができ、ブレーキペ
ダルの振動を抑制してスムーズなフィーリングを実現し
たアンチスキッドブレーキ制御装置を得る。 【解決手段】 車輪速センサ2aと、マスタシリンダ6
と、ブレーキペダル4の操作に応動してマスタシリンダ
圧PMを倍力するブースタ5と、ブースタの倍力率を調
整するブースタバルブ9と、ABS制御中におけるブレ
ーキ圧Paを調整するソレノイドバルブ12、13と、
車輪速に基づいて車輪1aのロック傾向を防止するよう
に制御信号Ca、CMを生成するECU11Aとを備
え、ECUは、ABS制御中におけるマスタシリンダ圧
が過剰状態を示す場合に、ブースタバルブに対する制御
信号CMを生成してブースタの倍力率を低減させる倍力
率補正手段を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ブレーキ圧を倍
力するブースタを用いるとともに車両の制動時に走行路
面に対して車輪がロック傾向になるのを解消するアンチ
スキッドブレーキ制御装置に関し、特にマスタシリンダ
圧が過剰状態の場合にブースタの倍力率を速やかに低減
してブレーキ操作時のABS制御による違和感を解消し
たアンチスキッドブレーキ制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、マスタシリンダからのマスタ
シリンダ圧を、ソレノイドバルブを介して適宜に減圧さ
れたブレーキ圧として車輪に印加するアンチスキッドブ
レーキ制御装置(ABSと称される)はよく知られてお
り、たとえば特開平8−239024号公報などで参照
することができる。
【0003】この種のアンチスキッドブレーキ制御装置
においては、制動時に車輪速を検出し、または車輪速か
ら車輪加速度およびスリップ量などを推測演算して、車
輪のロック傾向が検出された場合には、ABS制御によ
りブレーキ圧を減圧してロック状態を回避するようにな
っている。
【0004】また、従来より、たとえば特開平8−85
441号公報などに参照されるように、ブレーキ圧を倍
力するブースタを用いて、ロック傾向を回避しながらブ
レーキ圧を制御するように構成された比較的安価なアン
チスキッドブレーキ制御装置も提案されている。
【0005】図5はブースタを備えた従来のアンチスキ
ッドブレーキ制御装置を概略的に示す構成図であり、1
つの車輪のみに注目した場合のABS制御用アクチュエ
ータの油圧経路を示している。
【0006】図5において、1aは4輪自動車の1つの
車輪であり、煩雑さを避けるために他の車輪およびその
周辺構成は図示を省略している。2aは車輪1aの回転
速度を車輪速信号Vaとして検出する車輪速センサであ
り、たとえば車輪1aに近接配置された電磁ピックアッ
プ式のセンサからなる。
【0007】3aは車輪1aに設けられたブレーキ装置
であり、ブレーキ圧(油圧)Paにより制動力を発生す
るホイールシリンダからなる。車輪速センサ2aおよび
ブレーキ装置3aは、図示されない他の車輪毎に個別に
設けられている。
【0008】4は制動時に運転者により踏み込まれるブ
レーキペダル、5はブレーキペダル4の操作に応動する
ブースタ、6はブースタ5に連結されたマスタシリンダ
である。
【0009】ブレーキペダル4に連結されたブースタ5
は、マスタシリンダ6内の油圧(マスタシリンダ圧P
M)を所定の倍力率で増圧し、結果的に、ブレーキ装置
3aに対するブレーキ圧Paを増圧する。
【0010】7はマスタシリンダ6に対する給油を行う
マスタリザーバ、8はブースタ5を作動させるために吸
気管(図示せず)から導出された負圧源である。
【0011】11はマイクロコンピュータからなるEC
U(電子式制御ユニット)であり、車輪速信号Vaに基
づいてABS制御用のアクチュエータ(後述する)に対
する制御信号Caを生成する。ECU11は、ブレーキ
操作時の車輪速に基づいて、車輪1aのロック傾向を防
止するように、アクチュエータの制御量を演算する。
【0012】12はブレーキ圧Paを保持するためのソ
レノイドバルブ、13はブレーキ圧Paを減圧するため
のソレノイドバルブ、14は減圧用のソレノイドバルブ
13に接続されたリザーバタンクである。
【0013】各ソレノイドバルブ12、13およびリザ
ーバタンク14は、マスタシリンダ圧PMに関連して車
輪1aに対するブレーキ圧Paを調整するためのABS
制御用の油圧式アクチュエータを構成している。他の車
輪に対するアクチュエータも、同様に個別に構成されて
いる。
【0014】15はリザーバタンク14に連通された逆
止弁であり、油圧導出側の一端がマスタシリンダ6側の
油圧経路に連通されており、必要に応じてマスタリザー
バ7への油圧の回収を行う。
【0015】ここでは、逆止弁15を用いたポンプレス
タイプの油圧アクチュエータが示されているが、逆止弁
15に代えて、低吐出能力ポンプ(図示せず)を用いる
こともできる。
【0016】保持用のソレノイドバルブ12は、マスタ
シリンダ6からブレーキ装置3aまでのインレット油圧
経路に設けられている。また、減圧用のソレノイドバル
ブ13は、ブレーキ装置3aからリザーバタンク14へ
のアウトレット油圧経路に設けられ、リザーバタンク1
4および逆止弁15を介して、マスタシリンダ6への液
圧回収経路に設けられている。
【0017】各ソレノイドバルブ12および13は、A
BS制御中において、ECU11からの制御信号Caに
応答して通電または遮断され、ブレーキ圧Paの保持、
加圧または減圧などの切り換えを行う。
【0018】通常、ソレノイドバルブ12および13
(アクチュエータ)の非駆動時においては、図5に示さ
れたように、保持用ソレノイドバルブ12は開放され、
減圧用ソレノイドバルブ13は閉成されており、ブレー
キ圧Paは増圧状態となっている。
【0019】ECU11は、車輪1aを含む各車輪のロ
ック傾向を防止するための演算を行うCPU、RAMお
よびROMを含み、車輪速信号Vaに基づく車輪速から
各車輪のロック傾向に対応した車輪減速度するととも
に、車輪速から基本車速を演算して各車輪の車輪加速
度、スリップ量および路面摩擦係数などを演算し、これ
らの演算結果に基づいて各ソレノイドバルブ12、13
に対する制御量に応じた制御信号Caを出力する。
【0020】次に、図6および図7のタイミングチャー
トを参照しながら、図5に示した従来のアンチスキッド
ブレーキ制御装置による制動時(ブレーキ操作時)のA
BS制御動作について説明する。
【0021】図6および図7はABS制御中の制御信号
Caに応じたブレーキ圧Paの変化を示しており、各図
において、tは増圧時の制御信号Caのパルス幅、一点
鎖線はマスタシリンダ圧PMを示す。また、図6は通常
の路面走行中のABS制御動作状態を示し、図7は摩擦
係数の低い路面を走行中のABS制御動作状態を示す。
【0022】まず、運転者がブレーキペダル4を踏み込
むと、ブースタ5を介してマスタシリンダ6に倍力され
た油圧が供給され、マスタシリンダ6から送出されたブ
レーキ液は、アクチュエータ内の保持用ソレノイドバル
ブ12を介してブレーキ装置3aに流入し、ブレーキ圧
Paを上昇させて車輪1aに制動力を発生する。
【0023】一方、ECU11は、メモリ内容などを初
期設定した後、車輪速信号Vaから車輪1aの車輪速を
求め、車輪速の時間変化(微分波形)から各車輪毎の車
輪減速度を演算するとともに、車輪速に基づいて基本車
速を推定演算する。
【0024】また、ECU11は、車輪速と基本車速と
の偏差から、各車輪のスリップ量を推定演算し、ブレー
キ操作時の基本車速の時間変化(微分波形)をフィルタ
処理して摩擦係数を推定演算し、スリップ量、車輪減速
度および摩擦係数に応じた制御信号Caにより、ソレノ
イドバルブ12、13のABS制御を行う。
【0025】このとき、ソレノイドバルブ12、13
は、周知のように、車輪1aのロック傾向を防止するよ
うにブレーキ圧Paを減圧させる手段と、ロック防止範
囲内でブレーキ圧Paを保持または増圧側に復帰させる
手段とを構成している。
【0026】すなわち、図6において、ブレーキ圧Pa
は、ブレーキ操作の直後はマスタシリンダ圧PMに沿っ
て上昇するが、車輪速信号Vaからスリップまたはロッ
クを検出すると、スリップおよびロックを回避するため
にABS制御が作動して減圧される。
【0027】このとき、制御信号Caは最大レベルのパ
ルス信号となり、ソレノイドバルブ12および13は、
図5の状態から両方とも駆動される。したがって、ソレ
ノイドバルブ12は閉成され且つソレノイドバルブ13
は開放されて、ブレーキ圧Paを発生する油はリザーバ
14に回収される。
【0028】続いて、ブレーキ圧Paの減圧により車輪
1aが路面に粘着したことを検出すると、ブレーキ圧P
aは、保持状態を介して再び増圧される。保持状態にお
いて、制御信号Caは中間レベルのパルス信号となり、
ソレノイドバルブ13のみに対する励磁が解除されて、
ソレノイドバルブ12および13は閉成状態となる。
【0029】また、ブレーキ圧Paの増圧期間におい
て、制御信号Caは最小レベル(初期状態)に復帰し、
ソレノイドバルブ12および13の両方に対する励磁が
解除されて図5の状態に戻る。増圧制御中において、ブ
レーキ圧Paは、周知のように、所定パルス幅tの増圧
期間と保持状態とを繰り返しながら上昇していく。
【0030】一方、摩擦係数の低い路面を走行中の場
合、図7のように、ABS制御により減圧された後のブ
レーキ圧Paが比較的低く制御されるので、ブレーキ圧
Paとマスタシリンダ圧PMとの差圧は、通常路面走行
中の場合(図6参照)よりも大きくなる。
【0031】したがって、図7内の増圧期間tにおい
て、マスタシリンダ圧PMが急峻にブレーキ装置3aに
供給されるので、ブレーキ圧Paは前述(図6参照)よ
りも急峻に増大する。
【0032】このように増圧期間tにおける増圧量が大
きいことから、ブレーキ圧Paの増圧ステップを十分な
回数分だけ繰り返す前に、直ちにスリップまたはロック
が検出されて、再び減圧状態となってしまう。
【0033】すなわち、ABS制御中のブレーキ圧Pa
に対してマスタシリンダ圧PMが高すぎる場合には、ソ
レノイドバルブ12および13の駆動可能な最小時間で
のブレーキ圧Paの増圧量が大きくなりすぎてしまい、
ブレーキ圧Paの増減圧を繰り返す周期が短くなってし
まう。
【0034】これにより、マスタシリンダ6およびブー
スタ5を介してブレーキペダル4が激しく振動し、運転
者に対するフィーリングは悪化することになる。また、
図7のように、短い周期でブレーキ圧Paの増減圧が頻
繁に繰り返されることにより、ブレーキ液をリザーバ1
4に蓄積する量が増えて、減圧が不可能な状態にもなり
得る。
【0035】また、たとえば特開平11−11284号
公報に参照されるように、ブースタ5の倍力を補正して
マスタシリンダ圧PMを制御するために、ブースタバル
ブを設けたアンチスキッドブレーキ制御装置も提案され
ている。
【0036】しかしながら、上記公報に記載された従来
装置の場合、ECU11内で推定演算される摩擦係数に
応じてブースタバルブを制御しているので、摩擦係数の
演算時のフィルタ処理により演算遅れが生じることか
ら、マスタシリンダ圧PMの制御応答性が悪く、フィー
リングを十分に改善することができない。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】従来のアンチスキッド
ブレーキ制御装置は以上のように、ABS制御中のブレ
ーキ圧Paに対してマスタシリンダ圧PMが高すぎる場
合(図7参照)には、ABS制御中に短い周期でブレー
キ圧Paの増減圧が繰り返されるので、ブレーキペダル
4が激しく振動して運転者のフィーリングを著しく損な
ううえ、リザーバ14にブレーキ液が蓄積されすぎて十
分に減圧することができなくなるという問題点があっ
た。
【0038】また、特開平11−11284号公報に参
照されるように、ブースタ5の倍力を補正するためのブ
ースタバルブを設けた場合には、摩擦係数に基づいてブ
ースタバルブを制御しているので、摩擦係数の推定演算
に要する遅れ時間によってマスタシリンダ圧PMの制御
応答性が悪くなり、運転者のフィーリングを十分に改善
することができないという問題点があった。
【0039】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、マスタシリンダ圧の過剰状態検
出時に速やかにマスタシリンダ圧を低減することによ
り、ブレーキペダルの振動を確実に抑制してスムーズな
フィーリングを実現したアンチスキッドブレーキ制御装
置を得ることを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るアンチスキッドブレーキ制御装置は、車輪に近接配置
されて車輪速を検出する車輪速センサと、車輪に対する
ブレーキ圧を供給するためのマスタシリンダ圧を生成す
るマスタシリンダと、ブレーキペダルの操作に応動して
マスタシリンダ圧を倍力するブースタと、ブースタの倍
力率を調整するブースタバルブと、ブレーキ操作時のA
BS制御中におけるブレーキ圧を調整するソレノイドバ
ルブと、ブレーキ操作時の車輪速に基づいて、車輪のロ
ック傾向を防止するように、ブースタバルブおよびソレ
ノイドバルブに対する制御信号を生成するECUとを備
え、ECUは、ABS制御中におけるマスタシリンダ圧
が過剰状態を示す場合に、ブースタバルブに対する制御
信号を生成してブースタの倍力率を低減させる倍力率補
正手段を含むものである。
【0041】また、この発明の請求項2に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、請求項1において、倍力率
補正手段は、ABS制御中のブレーキ圧の増圧状態また
は減圧状態に基づいて、マスタシリンダ圧の過剰状態を
判定するものである。
【0042】また、この発明の請求項3に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、請求項2において、倍力率
補正手段は、ABS制御中の所定期間におけるブレーキ
圧の連続増圧回数を所定回数と比較する比較手段を含
み、連続増圧回数が所定回数以下の場合には、マスタシ
リンダ圧の過剰状態を判定して、ブースタバルブに対す
る制御信号を生成してブースタの倍力率を低減させ、連
続増圧回数が所定回数よりも大きい場合には、ブースタ
バルブに対する制御信号をオフしてブースタの倍力率を
増大させるものである。
【0043】また、この発明の請求項4に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、請求項2において、倍力率
補正手段は、ABS制御中の所定期間におけるブレーキ
圧の増圧量を所定量と比較する比較手段を含み、増圧量
が所定量よりも大きい場合には、マスタシリンダ圧の過
剰状態を判定して、ブースタバルブに対する制御信号を
生成してブースタの倍力率を低減させ、増圧量が所定量
以下の場合には、ブースタバルブに対する制御信号をオ
フしてブースタの倍力率を増大させるものである。
【0044】また、この発明の請求項5に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、請求項2において、倍力率
補正手段は、ABS制御中におけるブレーキ圧の1回分
の増圧期間の長さを所定期間と比較する比較手段を含
み、増圧期間が所定期間よりも長い場合には、マスタシ
リンダ圧の過剰状態を判定して、ブースタバルブに対す
る制御信号を生成してブースタの倍力率を低減させ、増
圧期間が所定期間以下の場合には、ブースタバルブに対
する制御信号をオフしてブースタの倍力率を増大させる
ものである。
【0045】また、この発明の請求項6に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、請求項2において、倍力率
補正手段は、ABS制御中の所定期間におけるブレーキ
圧の減圧量を所定量と比較する比較手段を含み、減圧量
が所定量以上の場合には、マスタシリンダ圧の過剰状態
を判定して、ブースタバルブに対する制御信号を生成し
てブースタの倍力率を低減させ、減圧量が所定量よりも
小さい場合には、ブースタバルブに対する制御信号をオ
フしてブースタの倍力率を増大させるものである。
【0046】また、この発明の請求項7に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、請求項2において、倍力率
補正手段は、ABS制御中におけるブレーキ圧の1回分
の減圧期間の長さを所定期間と比較する比較手段を含
み、減圧期間が所定期間以上の場合には、マスタシリン
ダ圧の過剰状態を判定して、ブースタバルブに対する制
御信号を生成してブースタの倍力率を低減させ、減圧期
間が所定期間よりも短い場合には、ブースタバルブに対
する制御信号をオフしてブースタの倍力率を増大させる
ものである。
【0047】また、この発明の請求項8に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、請求項2において、ブレー
キ圧を検出するための油圧センサを備え、倍力率補正手
段は、油圧センサにより検出されるブレーキ圧の変化量
に基づいて、マスタシリンダ圧の過剰状態を判定するも
のである。
【0048】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図について説明する。図1はこの発明の
実施の形態1を概略的に示す構成図であり、ECU11
Aは前述(図5参照)のECU11に対応しており、前
述と同様の構成については、同一符号を付して詳述を省
略する。
【0049】図1において、9はブースタ5と負圧源8
および大気との連通状態を切り換えるブースタバルブで
あり、ブースタ5の操作(ブレーキペダル4)側に連通
される気圧を変化させてブースタ5の倍力率を調整す
る。
【0050】ブースタバルブ9は、ECU11Aからの
制御信号CMにより選択的に駆動され、非駆動時におい
ては、図1に示されるように、ブースタ5の操作側に大
気を連通しており、ブレーキペダル4の操作時における
ブースタ5の倍力率が最大となるように設定されてい
る。
【0051】一方、制御信号CMによる励磁によって駆
動されると、ブースタバルブ9は、図1の状態から切り
換えられ、ブースタ5の操作側に負圧を連通して、ブレ
ーキペダル4の操作時におけるブースタ5の倍力率を低
減するように設定される。
【0052】この場合、ECU11Aは、路面摩擦係数
の推定演算を実行せず、また、車輪速信号Vaに基づい
て、ソレノイドバルブ12および13に対する制御信号
Caのみならず、ブースタバルブ9に対する制御信号C
Mを生成するものとする。
【0053】ECU11Aは、前述と同様にABS制御
機能を有し、ブレーキ操作時の車輪速に基づいて、各車
輪のロック傾向を防止するようにソレノイドバルブ12
および13の制御量を演算するとともに、ブレーキ圧P
aの増減圧状態に基づいてブースタバルブ9の制御量を
演算する。
【0054】すなわち、ECU11Aは、倍力率補正手
段を含み、ABS制御中におけるマスタシリンダ圧PM
が過剰状態を示す場合に、ブースタバルブ5に対する制
御信号CMを生成してブースタ5の倍力率を低減させ
る。
【0055】また、ECU11A内の倍力率補正手段
は、ABS制御中のブレーキ圧の増圧状態に基づいてマ
スタシリンダ圧PMの過剰状態を判定するために、AB
S制御中の所定期間Taにおけるブレーキ圧Paの連続
増圧回数を所定回数αと比較する比較手段を含む。
【0056】すなわち、倍力率補正手段は、連続増圧回
数が所定回数α以下の場合には、マスタシリンダ圧PM
の過剰状態を判定して、ブースタバルブ9に対する制御
信号CMを生成してブースタ5の倍力率を低減させ、連
続増圧回数が所定回数αよりも大きい場合には、ブース
タバルブ9に対する制御信号CMをオフしてブースタ5
の倍力率を増大させる。
【0057】以下、図2のフローチャートおよび図3の
タイミングチャートを参照しながら、図1に示したこの
発明の実施の形態1の動作について説明する。図2にお
いて、ECU11Aは、まず、現在のブレーキ圧Paが
ABS制御による減圧状態か否かを判定する(ステップ
S1)。
【0058】もし、ブレーキ圧Paが減圧中である(す
なわち、YES)と判定されれば、カウンタ値Aを
「0」にクリアし(ステップS2)、減圧中でない(す
なわち、NO)と判定されれば、ステップS2をスキッ
プする。
【0059】続いて、ブレーキ圧Paが増圧状態か否か
を判定して(ステップS3)、増圧中である(すなわ
ち、YES)と判定されれば、カウンタ値Aをインクリ
メントし(ステップS4)、増圧中でない(すなわち、
NO)と判定されれば、ステップS4をスキップする。
【0060】次に、所定期間Taにおけるカウンタ値A
を所定回数αと比較し、カウンタ値Aが所定回数α以下
であるか否かを判定する(ステップS5)。ここで、所
定回数αは、マスタシリンダ圧PMの過剰状態を判定す
るための基準値に相当する。
【0061】もし、ステップS5において、A≦α(す
なわち、YES)と判定されれば、ABS制御中におけ
るブレーキ圧Paの増圧回数が異常に少ないので、EC
U11Aは、マスタシリンダ圧PMの過剰状態と見なし
て制御信号CMを生成し、ブースタバルブ9を駆動して
(ステップS6)、図2の処理ルーチンをリターンす
る。
【0062】たとえば、所定回数αを「1」に設定した
場合、図3のように、ABS制御中のブレーキ圧Paの
増圧開始から所定期間Ta経過後に、増圧回数Aが
「1」であれば、図2内のステップS5において、A≦
1(マスタシリンダ圧PMの過剰状態)が判定される。
【0063】このとき、「Hレベル」の制御信号CMが
生成されることにより、ブースタバルブ9は、図1の状
態から切り換えられて、ブースタ5の倍力率を低減して
マスタシリンダ圧PMを減圧させる。したがって、制御
信号Caの1回の増圧パルスの増圧量ΔPは、適正量に
抑制される。
【0064】一方、図2内のステップS5において、A
>α(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS6
を実行せずに、図2の処理ルーチンをリターンする。し
たがって、この場合、ブースタバルブ9は図1の状態か
ら駆動されず、ブースタ5の倍力率が低減されないの
で、マスタシリンダ圧PMは減圧されない。
【0065】このように、所定期間Ta内の増圧回数
(カウンタ値)Aに応じて、制御信号CMを選択的に生
成することにより、ブースタバルブ9を切り換えてブー
スタ5の倍力率を抑制することができる。
【0066】したがって、マスタシリンダ圧PMが過剰
状態を示す場合に、ブレーキペダル4の踏み込み量に対
する倍力率を制限してマスタシリンダ圧PMを最適値に
低減させ、ブレーキ圧Paの1回の増圧量ΔPを抑制す
ることができる。
【0067】この結果、ブースタ5からブレーキペダル
4側へのブレーキ圧Paの入り込みが抑制されて、ブレ
ーキペダル4の振動が小さくスムーズなフィーリングの
ABS制御を提供することができ、運転者のペダルフィ
ーリングを向上させることができる。
【0068】また、ブースタ5の倍力率を制御してマス
タシリンダ圧PMを低減することにより、ソレノイドバ
ルブ12、13が駆動できる最小時間において微少な増
庄を行うことができ、きめ細かいブレーキ圧Paの制御
を実現することができる。したがって、増減圧周期を低
下させることができ、ブレーキペダル4の振動をさらに
抑制して、スムーズなフィーリングを実現することがで
きる。
【0069】また、ポンプレスタイプのABS制御シス
テムの場合には、リザーバ14ヘのブレーキ液の蓄積量
を低減し、リザーバ14がブレーキ液で満たされるまで
の制御可能な範囲を拡大することができる。
【0070】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、所定期間Taにおける増圧回数Aからマスタシリン
ダ圧PMの過剰状態を判定したが、増減圧を繰り返すA
BS制御中での1回の増圧期間tにおける増圧量ΔPか
らマスタシリンダ圧PMの過剰状態を判定してもよい。
【0071】この場合、増圧量ΔPを検出するために、
ブレーキ圧Paを検出するための油圧センサを設けても
よい。また、ECU11A内の倍力率補正手段は、AB
S制御中の所定期間におけるブレーキ圧Paの増圧量Δ
Pを所定量と比較する比較手段を含む。
【0072】倍力率補正手段は、増圧量ΔPが閾値(所
定量)以下の場合には、マスタシリンダ圧PMが低すぎ
て1回の増圧量ΔPが少ない状態と見なし、マスタシリ
ンダ圧PMを増大させるために、ブースタバルブ9を駆
動せずにブースタ5の倍力率を増加させる。
【0073】逆に、増圧量ΔPが閾値以上であるとき、
マスタシリンダ圧PMが過剰で1回の増圧量ΔPが多い
状態と見なし、マスタシリンダ圧PMを下げるために、
制御信号CMを生成してブースタバルブ9を駆動し、ブ
ースタ5の倍力率を低下させる。これにより、前述と同
等の作用効果を奏することができる。
【0074】実施の形態3.また、上記実施の形態2で
は、1回分の増圧期間tの増圧量ΔPからマスタシリン
ダ圧PMの過剰状態を判定したが、増圧量ΔPに応じて
増圧期間tの長さが可変制御される装置においては、1
回分の増圧期間tの長さからマスタシリンダ圧PMの過
剰状態を判定してもよい。
【0075】この場合、ECU11A内の倍力率補正手
段は、ABS制御中におけるブレーキ圧Paの1回分の
増圧期間tの長さを所定期間と比較する比較手段を含
む。また、増圧期間tの長さは、1回分の増圧量ΔPが
多い場合には短縮され、1回分の増圧量ΔPが少ない場
合には延長されるようになっている。
【0076】したがって、倍力率補正手段は、増圧期間
tが所定期間よりも長い場合には、マスタシリンダ圧P
Mの過剰状態を判定して、ブースタバルブ9に対する制
御信号CMを生成してブースタ5の倍力率を低減させ、
増圧期間tが所定期間以下の場合には、ブースタバルブ
9に対する制御信号CMをオフしてブースタ5の倍力率
を増大させるこれにより、前述と同等の作用効果を奏す
ることができる。
【0077】実施の形態4.また、上記実施の形態2で
は、ブレーキ圧Paの増圧制御に注目して、1回分の増
圧期間tの増圧量ΔPからマスタシリンダ圧PMの過剰
状態を判定したが、ABS制御中の所定期間におけるブ
レーキ圧Paの減圧量からマスタシリンダ圧PMの過剰
状態を判定してもよい。
【0078】この場合、ECU11A内の倍力率補正手
段は、ABS制御中の所定期間におけるブレーキ圧Pa
の減圧量を所定量と比較する比較手段を含み、減圧量が
所定量以上の場合には、マスタシリンダ圧PMの過剰状
態を判定し、制御信号CMを生成してブースタ5の倍力
率を低減させ、減圧量が所定量よりも小さい場合には、
制御信号CMをオフしてブースタ5の倍力率を増大させ
る。これにより、前述と同等の作用効果を奏することが
できる。
【0079】実施の形態5.なお、上記実施の形態4で
は、所定期間におけるブレーキ圧Paの減圧量からマス
タシリンダ圧PMの過剰状態を判定したが、ABS制御
中の1回分のブレーキ圧Paの減圧期間の長さからマス
タシリンダ圧PMの過剰状態を判定してもよい。
【0080】この場合、ECU11A内の倍力率補正手
段は、ABS制御中におけるブレーキ圧Paの1回分の
減圧期間の長さを所定期間βと比較する比較手段を含
み、減圧期間Bが所定期間β以上の場合には、マスタシ
リンダ圧PMの過剰状態を判定し、制御信号CMを生成
してブースタ5の倍力率を低減させ、減圧期間Bが所定
期間βよりも短い場合には、制御信号CMをオフしてブ
ースタ5の倍力率を増大させる。
【0081】図4は減圧期間の長さからマスタシリンダ
圧PMの過剰状態を判定したこの発明の実施の形態5に
よる動作を示すフローチャートである。図4において、
ECU11Aは、まず、現在のブレーキ圧PaがABS
制御による増圧状態か否かを判定する(ステップS1
1)。
【0082】もし、ブレーキ圧Paが増圧中である(す
なわち、YES)と判定されれば、減圧期間の長さを示
すカウンタ値Bを「0」にクリアし(ステップS1
2)、増圧中でない(すなわち、NO)と判定されれ
ば、ステップS12をスキップする。
【0083】続いて、ブレーキ圧Paが減圧状態か否か
を判定して(ステップS13)、減圧中である(すなわ
ち、YES)と判定されれば、減圧期間に対応したカウ
ンタ値Bをインクリメントし(ステップS14)、減圧
中でない(すなわち、NO)と判定されれば、ステップ
S14をスキップする。
【0084】次に、1回分の減圧期間の長さに相当する
カウンタ値Bを所定期間βと比較し、カウンタ値Bが所
定回数β以上であるか否かを判定する(ステップS1
5)。ここで、所定期間βは、マスタシリンダ圧PMの
過剰状態を判定するための基準値に相当する。
【0085】もし、ステップS15において、B≧β
(すなわち、YES)と判定されれば、ABS制御中に
おける1回分の減圧期間(カウンタ値B)が異常に長い
ので、ECU11Aは、マスタシリンダ圧PMの過剰状
態と見なして制御信号CMを生成し、ブースタバルブ9
を駆動して(ステップS16)、図4の処理ルーチンを
リターンする。
【0086】一方、図4内のステップS15において、
B<β(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS
16を実行せずに、図4の処理ルーチンをリターンす
る。したがって、この場合、ブースタバルブ9は図1の
状態から駆動されず、ブースタ5の倍力率が低減されな
いので、マスタシリンダ圧PMは減圧されない。これに
より、前述と同等の作用効果を奏することができる。
【0087】なお、ABS制御中のブレーキ圧Paの減
圧制御に注目してマスタシリンダ圧PMの過剰状態を判
定する場合においても、前述と同様に、ブレーキ圧Pa
を検出するための油圧センサを設けてもよい。この場
合、ECU11A内の倍力率補正手段は、油圧センサに
より検出されるブレーキ圧Paの変化量に基づいて、マ
スタシリンダ圧PMの過剰状態を判定することができ
る。
【0088】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、車輪に近接配置されて車輪速を検出する車輪速セン
サと、車輪に対するブレーキ圧を供給するためのマスタ
シリンダ圧を生成するマスタシリンダと、ブレーキペダ
ルの操作に応動してマスタシリンダ圧を倍力するブース
タと、ブースタの倍力率を調整するブースタバルブと、
ブレーキ操作時のABS制御中におけるブレーキ圧を調
整するソレノイドバルブと、ブレーキ操作時の車輪速に
基づいて、車輪のロック傾向を防止するように、ブース
タバルブおよびソレノイドバルブに対する制御信号を生
成するECUとを備え、ECUは、ABS制御中におけ
るマスタシリンダ圧が過剰状態を示す場合に、ブースタ
バルブに対する制御信号を生成してブースタの倍力率を
低減させる倍力率補正手段を含むようにしたので、マス
タシリンダ圧の過剰状態検出時に速やかにマスタシリン
ダ圧を低減することができ、ブレーキペダルの振動を抑
制してスムーズなフィーリングを実現したアンチスキッ
ドブレーキ制御装置が得られる効果がある。
【0089】また、この発明の請求項2によれば、請求
項1において、倍力率補正手段は、ABS制御中のブレ
ーキ圧の増圧状態または減圧状態に基づいて、マスタシ
リンダ圧の過剰状態を判定するようにしたので、マスタ
シリンダ圧の過剰状態検出時に速やかにマスタシリンダ
圧を低減することができ、ブレーキペダルの振動を抑制
してスムーズなフィーリングを実現したアンチスキッド
ブレーキ制御装置が得られる効果がある。
【0090】また、この発明の請求項3によれば、請求
項2において、倍力率補正手段は、ABS制御中の所定
期間におけるブレーキ圧の連続増圧回数を所定回数と比
較する比較手段を含み、連続増圧回数が所定回数以下の
場合には、マスタシリンダ圧の過剰状態を判定して、ブ
ースタバルブに対する制御信号を生成してブースタの倍
力率を低減させ、連続増圧回数が所定回数よりも大きい
場合には、ブースタバルブに対する制御信号をオフして
ブースタの倍力率を増大させるようにしたので、マスタ
シリンダ圧の過剰状態検出時に速やかにマスタシリンダ
圧を低減することができ、ブレーキペダルの振動を抑制
してスムーズなフィーリングを実現したアンチスキッド
ブレーキ制御装置が得られる効果がある。
【0091】また、この発明の請求項4によれば、請求
項2において、倍力率補正手段は、ABS制御中の所定
期間におけるブレーキ圧の増圧量を所定量と比較する比
較手段を含み、増圧量が所定量よりも大きい場合には、
マスタシリンダ圧の過剰状態を判定して、ブースタバル
ブに対する制御信号を生成してブースタの倍力率を低減
させ、増圧量が所定量以下の場合には、ブースタバルブ
に対する制御信号をオフしてブースタの倍力率を増大さ
せるようにしたので、マスタシリンダ圧の過剰状態検出
時に速やかにマスタシリンダ圧を低減することができ、
ブレーキペダルの振動を抑制してスムーズなフィーリン
グを実現したアンチスキッドブレーキ制御装置が得られ
る効果がある。
【0092】また、この発明の請求項5によれば、請求
項2において、倍力率補正手段は、ABS制御中におけ
るブレーキ圧の1回分の増圧期間の長さを所定期間と比
較する比較手段を含み、増圧期間が所定期間よりも長い
場合には、マスタシリンダ圧の過剰状態を判定して、ブ
ースタバルブに対する制御信号を生成してブースタの倍
力率を低減させ、増圧期間が所定期間以下の場合には、
ブースタバルブに対する制御信号をオフしてブースタの
倍力率を増大させるようにしたので、マスタシリンダ圧
の過剰状態検出時に速やかにマスタシリンダ圧を低減す
ることができ、ブレーキペダルの振動を抑制してスムー
ズなフィーリングを実現したアンチスキッドブレーキ制
御装置が得られる効果がある。
【0093】また、この発明の請求項6に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、請求項2において、倍力率
補正手段は、ABS制御中の所定期間におけるブレーキ
圧の減圧量を所定量と比較する比較手段を含み、減圧量
が所定量以上の場合には、マスタシリンダ圧の過剰状態
を判定して、ブースタバルブに対する制御信号を生成し
てブースタの倍力率を低減させ、減圧量が所定量よりも
小さい場合には、ブースタバルブに対する制御信号をオ
フしてブースタの倍力率を増大させるようにしたので、
マスタシリンダ圧の過剰状態検出時に速やかにマスタシ
リンダ圧を低減することができ、ブレーキペダルの振動
を抑制してスムーズなフィーリングを実現したアンチス
キッドブレーキ制御装置が得られる効果がある。
【0094】また、この発明の請求項7に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、請求項2において、倍力率
補正手段は、ABS制御中におけるブレーキ圧の1回分
の減圧期間の長さを所定期間と比較する比較手段を含
み、減圧期間が所定期間以上の場合には、マスタシリン
ダ圧の過剰状態を判定して、ブースタバルブに対する制
御信号を生成してブースタの倍力率を低減させ、減圧期
間が所定期間よりも短い場合には、ブースタバルブに対
する制御信号をオフしてブースタの倍力率を増大させる
ようにしたので、マスタシリンダ圧の過剰状態検出時に
速やかにマスタシリンダ圧を低減することができ、ブレ
ーキペダルの振動を抑制してスムーズなフィーリングを
実現したアンチスキッドブレーキ制御装置が得られる効
果がある。
【0095】また、この発明の請求項8に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、請求項2において、ブレー
キ圧を検出するための油圧センサを備え、倍力率補正手
段は、油圧センサにより検出されるブレーキ圧の変化量
に基づいて、マスタシリンダ圧の過剰状態を判定するよ
うにしたので、マスタシリンダ圧の過剰状態を確実に検
出して速やかにマスタシリンダ圧を低減することがで
き、ブレーキペダルの振動を抑制してスムーズなフィー
リングを実現したアンチスキッドブレーキ制御装置が得
られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の油圧経路を一系統
に注目して示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるABS制御中
のブースタバルブの駆動制御動作を示すフローチャート
である。
【図3】 この発明の実施の形態1によるABS制御中
のブースタバルブ駆動制御動作を示すタイミングチャー
トである。
【図4】 この発明の実施の形態5によるABS制御中
のブースタバルブ駆動制御動作を示すフローチャートで
ある。
【図5】 従来のアンチスキッドブレーキ制御装置の油
圧経路を一系統に注目して示す構成図である。
【図6】 従来のアンチスキッドブレーキ制御装置によ
るABS制御中の通常動作を示すタイミングチャートで
ある。
【図7】 従来のアンチスキッドブレーキ制御装置によ
るABS制御中のマスタシリンダ圧過剰状態での動作を
示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1a 車輪、2a 車輪速センサ、3a ブレーキ装
置、4 ブレーキペダル、5 ブースタ、6 マスタシ
リンダ、9 ブースタバルブ、11A ECU、12、
13 ソレノイドバルブ、14 リザーバ、15 逆止
弁、A ブレーキ圧の連続増圧回数、α 所定回数、B
ブレーキ圧の減圧期間の長さ、β 所定期間、Ca
ソレノイドバルブに対する制御信号、CM ブースタバ
ルブに対する制御信号、Pa ブレーキ圧、PM マス
タシリンダ圧、Va 車輪速信号、S1、S13 減圧
状態を判定するステップ、S3、S11 増圧状態を判
定するステップ、S5、S15 マスタシリンダ圧の過
剰状態を判定するステップ、S6、S16 ブースタの
倍力率を低減させるステップ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪に近接配置されて車輪速を検出する
    車輪速センサと、 前記車輪に対するブレーキ圧を供給するためのマスタシ
    リンダ圧を生成するマスタシリンダと、 ブレーキペダルの操作に応動して前記マスタシリンダ圧
    を倍力するブースタと、 前記ブースタの倍力率を調整するブースタバルブと、 ブレーキ操作時のABS制御中における前記ブレーキ圧
    を調整するソレノイドバルブと、 前記ブレーキ操作時の車輪速に基づいて、前記車輪のロ
    ック傾向を防止するように、前記ブースタバルブおよび
    前記ソレノイドバルブに対する制御信号を生成するEC
    Uとを備え、 前記ECUは、前記ABS制御中における前記マスタシ
    リンダ圧が過剰状態を示す場合に、前記ブースタバルブ
    に対する制御信号を生成して前記ブースタの倍力率を低
    減させる倍力率補正手段を含むことを特徴とするアンチ
    スキッドブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記倍力率補正手段は、前記ABS制御
    中の前記ブレーキ圧の増圧状態または減圧状態に基づい
    て、前記マスタシリンダ圧の過剰状態を判定することを
    特徴とする請求項1に記載のアンチスキッドブレーキ制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記倍力率補正手段は、 前記ABS制御中の所定期間における前記ブレーキ圧の
    連続増圧回数を所定回数と比較する比較手段を含み、 前記連続増圧回数が前記所定回数以下の場合には、前記
    マスタシリンダ圧の過剰状態を判定して、前記ブースタ
    バルブに対する制御信号を生成して前記ブースタの倍力
    率を低減させ、 前記連続増圧回数が前記所定回数よりも大きい場合に
    は、前記ブースタバルブに対する制御信号をオフして前
    記ブースタの倍力率を増大させることを特徴とする請求
    項2に記載のアンチスキッドブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記倍力率補正手段は、 前記ABS制御中の所定期間における前記ブレーキ圧の
    増圧量を所定量と比較する比較手段を含み、 前記増圧量が前記所定量よりも大きい場合には、前記マ
    スタシリンダ圧の過剰状態を判定して、前記ブースタバ
    ルブに対する制御信号を生成して前記ブースタの倍力率
    を低減させ、 前記増圧量が前記所定量以下の場合には、前記ブースタ
    バルブに対する制御信号をオフして前記ブースタの倍力
    率を増大させることを特徴とする請求項2に記載のアン
    チスキッドブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記倍力率補正手段は、 前記ABS制御中における前記ブレーキ圧の1回分の増
    圧期間の長さを所定期間と比較する比較手段を含み、 前記増圧期間が前記所定期間よりも長い場合には、前記
    マスタシリンダ圧の過剰状態を判定して、前記ブースタ
    バルブに対する制御信号を生成して前記ブースタの倍力
    率を低減させ、 前記増圧期間が前記所定期間以下の場合には、前記ブー
    スタバルブに対する制御信号をオフして前記ブースタの
    倍力率を増大させることを特徴とする請求項2に記載の
    アンチスキッドブレーキ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記倍力率補正手段は、 前記ABS制御中の所定期間における前記ブレーキ圧の
    減圧量を所定量と比較する比較手段を含み、 前記減圧量が前記所定量以上の場合には、前記マスタシ
    リンダ圧の過剰状態を判定して、前記ブースタバルブに
    対する制御信号を生成して前記ブースタの倍力率を低減
    させ、 前記減圧量が前記所定量よりも小さい場合には、前記ブ
    ースタバルブに対する制御信号をオフして前記ブースタ
    の倍力率を増大させることを特徴とする請求項2に記載
    のアンチスキッドブレーキ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記倍力率補正手段は、 前記ABS制御中における前記ブレーキ圧の1回分の減
    圧期間の長さを所定期間と比較する比較手段を含み、 前記減圧期間が前記所定期間以上の場合には、前記マス
    タシリンダ圧の過剰状態を判定して、前記ブースタバル
    ブに対する制御信号を生成して前記ブースタの倍力率を
    低減させ、 前記減圧期間が前記所定期間よりも短い場合には、前記
    ブースタバルブに対する制御信号をオフして前記ブース
    タの倍力率を増大させることを特徴とする請求項2に記
    載のアンチスキッドブレーキ制御装置。
  8. 【請求項8】 前記ブレーキ圧を検出するための油圧セ
    ンサを備え、 前記倍力率補正手段は、前記油圧センサにより検出され
    るブレーキ圧の変化量に基づいて、前記マスタシリンダ
    圧の過剰状態を判定することを特徴とする請求項2に記
    載のアンチスキッドブレーキ制御装置。
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