JP2000247218A - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents

液圧ブレーキ装置

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JP2000247218A
JP2000247218A JP5330199A JP5330199A JP2000247218A JP 2000247218 A JP2000247218 A JP 2000247218A JP 5330199 A JP5330199 A JP 5330199A JP 5330199 A JP5330199 A JP 5330199A JP 2000247218 A JP2000247218 A JP 2000247218A
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brake
pressure
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hydraulic
wheel
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Kyoji Mizutani
恭司 水谷
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、常に的確なタイミングでブレーキア
シスト機能を発揮する液圧ブレーキ装置を提供すること
を課題とする。 【解決手段】液圧ブレーキ装置が備えるECUは、外気
温センサの出力信号に基づき外気温を検出する。また、
ECUは、BA制御の開始基準となるしきい値αthを
検出した外気温(ブレーキフルードの粘度)に応じた値
に補正する。そして、ECUは、油圧センサ22の出力
信号から検出されるマスタシリンダ圧PM/ C の昇圧率Δ
M/C がしきい値αth以上になった時に緊急ブレーキ
操作が行われたと判断して、BA制御を開始する。ま
た、ECUは、マスタシリンダ圧PM/ C が所定値を下回
った時にBA制御を終了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧ブレーキ装置
に係り、特に、緊急ブレーキ操作が実行された際に、通
常時に比して大きな制動力を発生させる機能を備えた液
圧ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、緊急ブレーキ操作が実行され
た場合に、通常時に比して大きな制動力を発生させる機
能(以下、ブレーキアシスト機能と称す)を備えた液圧
ブレーキ装置が知られている。このような液圧ブレーキ
装置は、一般に、緊急ブレーキ操作を検出する手段と、
高圧のアシスト圧を発生させるアシスト圧生成機構と、
ホイルシリンダを制御する液圧源をマスタシリンダ又は
アシスト圧生成機構に選択的に切り換える電磁弁を備え
ている。
【0003】この液圧ブレーキ装置において、通常ブレ
ーキ操作時には、ブレーキペダルの踏力に応じたマスタ
シリンダ圧が保持ソレノイドを介してホイルシリンダに
供給される。一方、緊急ブレーキ操作が検出された場
合、ホイルシリンダに液圧を供給する液圧源がマスタシ
リンダからアシスト圧生成機構に切り換えられること
で、保持ソレノイドを介してホイルシリンダに高圧のア
シスト圧が供給される。この結果、液圧ブレーキ装置
は、通常時に比して大きな制動力を車輪に対して与え
る。
【0004】緊急ブレーキ操作が行われたことは、油圧
センサの出力信号から算出されるマスタシリンダ圧の上
昇率やペダルストロークセンサの出力信号から算出され
るブレーキペダルの操作速度等に基づき検出される。例
えば、特開平8−40229号には、緊急ブレーキ操作
が行われたか否かの判断基準となるしきい値がアクセル
ペダルの復帰速度やブレーキペダルの操作速度等の情報
に応じて設定される液圧ブレーキ装置が開示されてい
る。この液圧ブレーキ装置は、実際のブレーキ操作速度
等によって求められる値がしきい値を超えた場合にブレ
ーキアシスト機能を発揮して、通常時より大きな制動力
を車輪に与える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ブレーキアシスト機能
を備えた液圧ブレーキ装置が有する保持ソレノイド内に
は、ブレーキフルードの流量を制御するためのオリフィ
スが設けられている。このオリフィスは非常に狭く、液
圧ブレーキ装置の動作時にオリフィス部を通過するブレ
ーキフルードの流量は、ブレーキフルードの粘度が高く
なる程少なくなる。また、ブレーキフルードの粘度は、
外気温に応じて変化する。例えば、低温時には、高温時
に比してブレーキフルードの粘度が高くなる。このた
め、ブレーキペダルの操作速度が同じであっても、低温
時には高温時に比してオリフィス部におけるブレーキフ
ルードの流量が低下して、マスタシリンダ圧の昇圧率が
大きくなる。このように従来の液圧ブレーキ装置では、
外気温に応じてマスタシリンダ圧の昇圧率が変わるた
め、ブレーキペダルの操作速度が同じであってもブレー
キアシスト機能が発揮される時と発揮されない時がある
という事態が発生する可能性がある。具体的には、例え
ば、低温時に通常の速度でブレーキペダルが操作されて
もマスタシリンダ圧の昇圧率がしきい値を超えて、通常
時より大きな制動力が不必要に車輪に与えられてしまう
可能性がある。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、常に的確なタイミングでブレーキアシスト機能
を発揮する液圧ブレーキ装置を提供することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1に
記載する如く、マスタシリンダ圧の昇圧率としきい値と
の比較により緊急ブレーキ操作を検出する手段と、緊急
ブレーキ操作が検出されるとホイルシリンダにアシスト
圧を与えてホイルシリンダ圧を増圧するアシスト圧生成
手段を備える液圧ブレーキ装置において、ブレーキフル
ードの粘度を推定する手段と、ブレーキフルードの粘度
の増加に応じて前記しきい値を高い値に補正するしきい
値補正手段を有する液圧ブレーキ装置により達成され
る。
【0008】本発明の液圧ブレーキ装置によれば、しき
い値補正手段によって、しきい値がブレーキフルードの
粘度の増加に応じた高い値に補正される。このため、ブ
レーキフルードの粘度に係わらず、緊急ブレーキ操作が
正確に検知され、的確なタイミングでホイルシリンダに
アシスト圧が与えられてホイルシリンダが増圧される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2を用いて、本
発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の
一実施例である液圧ブレーキ装置のシステム構成図であ
る。本実施例の液圧ブレーキ装置は、図示しない電子制
御ユニット(以下、ECUと称す)により制御される。
【0010】図1に示す液圧ブレーキ装置は、ブレーキ
ペダル10を備えている。ブレーキペダル10は、運転
者によるブレーキ操作時の踏力を軽減するブレーキブー
スタ12の作動軸14に連結されている。ブレーキブー
スタ12は、ブレーキ踏力に対して所定の倍力比を有す
る助勢力を発生させる。ブレーキブースタ12に連結さ
れたマスタシリンダ16は、その内部に図示しない液圧
室を備えており、液圧室には、ブレーキ踏力とブレーキ
ブースタ12による助勢力との合力に応じたマスタシリ
ンダ圧PM/C が発生する。マスタシリンダ16の上部に
は、リザーバタンク18が配設されている。リザーバタ
ンク18の内部には、所定量のブレーキフルードが貯留
されている。ブレーキペダル10の踏み込みが解除され
ている時には、マスタシリンダ16の液圧室とリザーバ
タンク18とは連通した状態となる。
【0011】ここで、図1に示すように液圧ブレーキ装
置は、右後輪RR及び左前輪FLに係るブレーキ機構
と、左後輪RL及び右前輪FRに係るブレーキ機構とを
有する。そして、右後輪RR及び左前輪FLに係るブレ
ーキ機構と、左後輪RL及び右前輪FRに係るブレーキ
機構は同様の構成である。以下、右後輪RR及び左前輪
FLに係るブレーキ機構について説明し、左後輪RL及
び右前輪FRに係るブレーキ機構の説明を省略する。
【0012】マスタシリンダ16の液圧室には、液圧通
路20が接続されている。液圧通路20には、液圧通路
20内の液圧に応じた信号を出力する油圧センサ22が
連通している。油圧センサ22の出力信号はECUに供
給される。ECUは油圧センサ22の出力信号に基づい
て、マスタシリンダ圧PM/C を検出する。液圧通路20
には、電磁弁24、及び、電磁弁26が連通している。
【0013】電磁弁24は、ECUから駆動信号が供給
されることにより閉弁状態となる常開型の弁であり、逆
止弁24a及びリリーフ弁24bを備えている。逆止弁
24aは、液圧通路20側から液圧通路28側へ向かう
ブレーキフルードの流れのみを許容する一方向弁であ
る。また、リリーフ弁24bは、液圧通路28側の液圧
が液圧通路20側の液圧に比して所定値以上高圧になっ
た場合にのみ開弁状態となって、液圧通路28側から液
圧通路20側にブレーキフルードを流通させる。
【0014】また、電磁弁26は、ECUから駆動信号
が供給されることにより開弁状態となる常閉型の2位置
弁である。図1の電磁弁26は閉弁状態を示す。電磁弁
24には、液圧通路28を介して保持ソレノイド30、
32、及び、逆止弁34、36が連通している。保持ソ
レノイド30、32は、ECUから駆動信号が供給され
ることにより閉弁状態となる常開型の2位置の電磁弁で
ある。図1の保持ソレノイド30、32は開弁状態を示
す。ブレーキフルードは、開弁状態の保持ソレノイド3
0、32内のオリフィスを経由して流れる。
【0015】保持ソレノイド30及び逆止弁34は、車
輪RRを制動するホイルシリンダ38に連通している。
逆止弁34は、ホイルシリンダ38側から液圧通路28
側へ向かうブレーキフルードの流れのみを許容する一方
向弁である。また、保持ソレノイド32及び逆止弁36
は、車輪FLを制動するホイルシリンダ40に連通して
いる。逆止弁36は、ホイルシリンダ40側から液圧通
路28側へ向かうブレーキフルードの流れのみを許容す
る一方向弁である。
【0016】車輪RRには、車輪RRの回転速度に応じ
た信号を出力する車輪速センサ39が設けられている。
また、車輪FLには、車輪FLの回転速度に応じた信号
を出力する車輪速センサ41が設けられている。車輪速
センサ39、41の出力信号はECUに供給される。E
CUは車輪速センサ39、41の出力信号に基づいて、
車輪RR、FLの回転速度を検出する。
【0017】ホイルシリンダ38には、減圧ソレノイド
42が連通しており、ホイルシリンダ40には、減圧ソ
レノイド44が連通している。減圧ソレノイド42、4
4は、ECUから駆動信号が供給されることにより開弁
状態となる常閉型の2位置の電磁弁である。図1の減圧
ソレノイド42、44は閉弁状態を示す。減圧ソレノイ
ド42、44は、共に、補助リザーバ46に連通してい
る。補助リザーバ46は、逆止弁48、50を介してポ
ンプ52の吸入側に連通している。ポンプ52は、逆止
弁54、ダンパ56及び液圧通路28を介して電磁弁2
4及び保持ソレノイド30、32に連通している。ま
た、補助リザーバ46は、逆止弁48を介して電磁弁2
6にも連通している。
【0018】補助リザーバ46の内部には、ピストン5
8及びスプリング60が配設されている。ピストン58
は、スプリング60によって補助リザーバ46の容積が
減少する向きに付勢されている。このため、補助リザー
バ46に貯留されたブレーキフルードには所定の液圧が
発生する。補助リザーバ46内にブレーキフルードが流
入していない場合は、ピストン58は、スプリング60
から受ける付勢力によって図1中最上端位置に位置す
る。
【0019】ポンプ52は、ECUから駆動信号が供給
されるポンプモータ60によって駆動され、補助リザー
バ46から液圧通路28側へブレーキフルードを汲み上
げる。逆止弁48は、補助リザーバ46からポンプ52
及び電磁弁26側へ向かうブレーキフルードの流れのみ
を許容する一方向弁である。また、逆止弁50は、補助
リザーバ46からポンプ52側へ向かうブレーキフルー
ドの流れのみを許容する一方向弁である。更に、逆止弁
54は、ポンプ52からダンパ56側に向かうブレーキ
フルードの流れのみを許容する一方向弁である。
【0020】図1に示す液圧ブレーキ装置は、通常のブ
レーキ装置としての機能(以下、通常ブレーキ機能を称
す)と、ブレーキ操作中に車輪に過大なスリップ率が発
生するのを防止するABS機能、及び、運転者によって
緊急ブレーキ操作が実行された際に、通常時に比して大
きな制動力を発生させるブレーキアシスト機能(以下、
BA機能と称す)を実現する。
【0021】通常のブレーキ操作時に実現される通常ブ
レーキ機能は、図1に示す如く、保持ソレノイド30、
32を開弁状態とし、電磁弁26、減圧ソレノイド4
2、44を閉弁状態とし、且つ、ポンプ52を停止状態
とすることで実現される。以下、この状態を通常ブレー
キ状態と称す。通常ブレーキ状態が実現されると、電磁
弁24及び保持ソレノイド30、32を介してマスタシ
リンダ16とホイルシリンダ38、40とが導通状態と
なる。この時、ホイルシリンダ38、40のホイルシリ
ンダ圧PW/C は、マスタシリンダ圧PM/C と等しくなる
まで昇圧される。従って、通常ブレーキ状態が実現され
ている時には、ホイルシリンダ38、40が車輪RR、
FLに与える制動力は、運転者のブレーキ踏力に応じた
大きさに制御される。
【0022】ブレーキ操作中に車輪RR、FLの何れか
に所定値以上のスリップ率が発生したと判断される場
合、ECUからの指示により電磁弁26、保持ソレノイ
ド30、32、減圧ソレノイド42、44及びポンプ5
2等が制御されてABS機能が発揮される。ABS機能
は、運転者によりブレーキペダル10が踏み込まれてい
る状況下で、電磁弁26を閉弁状態とし、かつ、ポンプ
52を運転させながら保持ソレノイド30、32及び減
圧ソレノイド42、44を適宜開閉させることにより実
現される。以下、この状態をABS状態と称す。
【0023】ブレーキペダル10が踏み込まれている状
況下では、液圧通路20にはブレーキペダル10の踏み
込みに伴って昇圧されたマスタシリンダ圧PM/C が導か
れる。図1に示すように、液圧通路20にマスタシリン
ダ圧PM/C が導かれている場合に、保持ソレノイド30
が開弁状態とされると共に減圧ソレノイド42が閉弁状
態とされると、ホイルシリンダ38とマスタシリンダ1
6とは電磁弁24及び保持ソレノイド30を介して導通
状態となる。このため、ホイルシリンダ38のホイルシ
リンダ圧PW/C は、マスタシリンダ圧PM/C に向けて増
圧され、ホイルシリンダ38による車輪RRの制動力は
増加する。以下、この状態を増圧モードと称す。
【0024】また、保持ソレノイド30及び減圧ソレノ
イド42が共に閉弁状態とされると、ホイルシリンダ3
8のホイルシリンダ圧PW/C は保たれ、ホイルシリンダ
38による車輪RRの制動力は保持される。以下、この
状態を保持モードと称す。更に、保持ソレノイド30が
閉弁状態とされると共に減圧ソレノイド42が開弁状態
とされると、マスタシリンダ16とホイルシリンダ38
との間は遮断され、ホイルシリンダ38と補助リザーバ
46とが減圧ソレノイド42を介して導通状態となる。
この時、ホイルシリンダ38内のブレーキフルードが減
圧ソレノイド42を介して補助リザーバ46側へ流出す
る。このため、ホイルシリンダ38のホイルシリンダ圧
W/C は減圧され、ホイルシリンダ38による車輪Rr
の制動力は減少する。以下、この状態を減圧モードと称
す。
【0025】同様に、ホイルシリンダ40についても、
保持ソレノイド32及び減圧ソレノイド44を適宜開閉
することで、増圧モード、保持モード及び減圧モードを
実現することができる。本実施例の液圧ブレーキ装置で
は、車輪のスリップ率が所定値を越えないように、上記
した増圧モード、保持モード及び減圧モードが適宜実現
される。このため、ABS制御が開始されると、車輪R
R、FLのロック傾向が収束される。
【0026】上述の如く、ABS制御の実行時には、ポ
ンプ52が運転状態とされる。このため、減圧モードに
おいて、ホイルシリンダ38、40から補助リザーバ4
6内に流入したブレーキフルードは、ポンプ52により
汲み上げられ、電磁弁24を介してマスタシリンダ16
に回収される。従って、ABS状態において、マスタシ
リンダ16内のブレーキフルードの量が減少してしまう
ことが防止される。
【0027】BA機能は、運転者によって緊急ブレーキ
操作が実行された場合に、電磁弁24、減圧ソレノイド
42、44を閉弁状態とし、電磁弁26、保持ソレノイ
ド30、32を開弁状態とし、かつ、ポンプ52を運転
状態とすることで実現される。この状態を、以下、BA
状態と称す。また、BA状態を実現するための制御を、
以下、BA制御と称す。
【0028】緊急ブレーキ操作が行われたことは、例え
ば、油圧センサ22が検出するマスタシリンダ圧PM/C
の昇圧率ΔPM/C が所定のしきい値以上になったことを
もって検出される。ブレーキペダル10が踏み込まれて
いる状況下で電磁弁26が開弁状態とされると、マスタ
シリンダ16から補助リザーバ46側へブレーキフルー
ドが流入する。この時、運転状態とされたポンプ52
は、マスタシリンダ16側からブレーキフルードを汲み
上げて液圧通路28側へ供給する。従って、BA状態時
には、液圧通路28にはポンプ52を液圧源として高圧
のブレーキフルードが導かれる。
【0029】BA状態において液圧通路28に導かれた
高圧のブレーキフルードは、開弁状態の保持ソレノイド
30、32を介して、それぞれ、ホイルシリンダ38、
40に供給される。このため、BA制御が開始される
と、ホイルシリンダ圧PW/C は速やかにマスタシリンダ
圧PM/C に比して高い液圧へと増圧される。このよう
に、BA制御によれば、緊急ブレーキ操作が開始された
後、ホイルシリンダ圧PW/ C を速やかに立ち上げること
ができる。
【0030】また、BA制御の実行中に運転者がブレー
キ踏力を緩めてブレーキ戻し操作を行った場合、液圧通
路28側の液圧が液圧通路20側の液圧に比して所定値
以上高圧になるので、リリーフ電磁弁24bを介してホ
イルシリンダ38、40からマスタシリンダ16側にブ
レーキフルードが流出する。この結果、ホイルシリンダ
圧PW/C が速やかに減圧される。なお、ブレーキ戻し操
作が行われたことは、油圧センサ22が検出するマスタ
シリンダ圧PM/C が減少したこと、すなわち、マスタシ
リンダ圧PM/C の昇圧率ΔPM/C が負の値になったこと
をもって検出することができる。
【0031】ところで、上述の如く、保持ソレノイド3
0、32の開弁時には、内部のオリフィスを経由してブ
レーキフルードが流れる。このオリフィスは非常に狭
く、液圧ブレーキ装置の動作時のオリフィス部における
ブレーキフルードの流量は、ブレーキフルードの粘度が
高くなる程少なくなる。また、ブレーキフルードの粘度
は、外気温に応じて変化する。例えば、低温時には、高
温時に比してブレーキフルードの粘度が高くなる。この
ため、ブレーキペダル10の操作速度が同じであって
も、低温時には高温時に比してオリフィス部におけるブ
レーキフルードの流量が低下して、マスタシリンダ圧P
M/C の昇圧率ΔPM/C が大きくなる。外気温に応じてマ
スタシリンダ圧PM/C の昇圧率ΔPM/C が変わると、ブ
レーキペダル10の操作速度が同じであってもBA制御
が実行される時とBA制御が実行されない時があるとい
う事態が発生する可能性がある。具体的には、例えば、
低温時に通常の速度でブレーキペダル10が操作されて
もマスタシリンダ圧PM/C の昇圧率ΔPM/C がしきい値
を超えて、不必要にBA制御が行われてしまう可能性が
ある。
【0032】そこで、本発明の液圧ブレーキ装置では、
ECUが外気温に応じてBA制御を開始する基準となる
しきい値を補正し、補正したしきい値に基づき常に最適
なタイミングでBA制御を実行する構成になっている。
以下、図1及び図2を用いてBA制御の際にECUが行
うルーチンについて説明する。図2は、BA制御の際に
ECUが行うルーチンを説明するためのフローチャート
である。図2に示すルーチンは、所定時間間隔で起動さ
れる定時割り込みルーチンである。
【0033】図2に示すルーチンが起動されると、先
ず、ステップ100の処理が実行される。ステップ10
0では、図示しない外気温センサの出力信号に基づき外
気温が検出される。そして、次に、ステップ102の処
理が実行される。ステップ102では、ステップ100
で検出された外気温に基づきBA制御の開始基準となる
しきい値αthが設定される。しきい値αthは、外気
温が低い程、高い値に設定される。この設定は、例え
ば、外気温と、しきい値αthとの関係を示した図示し
ないマップMに基づいて行われる。ここで、ブレーキフ
ルードの粘度は、ブレーキフルードの温度に応じて変化
し、ブレーキフルードの温度は、外気温に応じて変化す
る。従って、ステップ102では、外気温に基づいてブ
レーキフルードの粘度に応じたしきい値αthが設定さ
れることになる。なお、ステップ102では、図示しな
い吸気温センサの出力信号に基づいてしきい値αthを
設定する構成としてもよい。ステップ102の処理が終
了すると、次に、ステップ104の処理が実行される。
【0034】ステップ104では、BA制御が実行中で
あるか否かが判別される。この判別の結果、BA制御が
実行中であると判断されるならば、次に、ステップ10
6の処理が実行される。一方、ステップ104におい
て、BA制御が実行されていないと判断されるならば、
次に、ステップ108の処理が実行される。ステップ1
08では、図1に示す油圧センサ22の出力信号に基づ
き検出されるマスタシリンダ圧PM/C の昇圧率ΔPM/C
がステップ102で設定されたしきい値αth以上であ
るか否かが判別される。この判別の結果、ΔPM/C <α
thが成立するならば、BA制御は行われずに今回のル
ーチンは終了となる。一方、ステップ108の判別の結
果、ΔPM/C ≧αthが成立するならば、次に、ステッ
プ110の処理が実行される。
【0035】ステップ110では、BA制御が開始され
る。上述の如く、BA制御が実行されることによって、
図1に示すホイルシリンダ38、40のホイルシリンダ
圧P W/C は速やかにマスタシリンダ圧PM/C に比して高
い液圧へと増圧される。この結果、通常時に比して大き
な制動力が車輪RR、FLに与えられる。ステップ11
0の処理が終了すると、次に、ステップ106の処理が
実行される。
【0036】ステップ106では、BA制御終了条件が
成立するか否かが判別される。かかる判別は、例えば、
図1に示す油圧センサ22の出力信号に基づき検出され
るマスタシリンダ圧PM/C が所定値を下回ったか否かに
基づいて行われる。ステップ106において、BA制御
終了条件が成立しないと判断されると、再びステップ1
06の処理が実行される。従って、BA制御は、ステッ
プ106においてBA制御終了条件が成立するまで実行
される。一方、ステップ106において、BA制御終了
条件が成立すると判断されるならば、次に、ステップ1
12の処理が実行される。
【0037】ステップ112では、BA制御を終了させ
るための処理、すなわち、電磁弁24、電磁弁26をオ
フ状態とし、ポンプ52を停止状態とするための処理が
実行される。このステップ112の処理が終了すると、
今回のルーチンは終了となる。上記の如く、BA制御の
際には、ステップ102においてしきい値αthが外気
温(ブレーキフルードの粘度)に応じた値に補正され
る。従って、本発明の液圧ブレーキ装置によれば、ブレ
ーキフルードの粘度に係わらず、緊急ブレーキ操作を正
確に検知し、的確なタイミングでBA制御を実行するこ
とができる。その結果、例えば、低温時において通常の
速度でブレーキペダル10が操作された際に、マスタシ
リンダ圧PM/C の昇圧率ΔPM/C がしきい値を超えて不
必要にBA制御が行われるという事態の発生が防止され
る。
【0038】なお、ステップ100、102では、ブレ
ーキフルードの温度や粘度を直接検出し、その値に応じ
てしきい値αthを補正する構成にしてもよい。上記実
施例において、マスタシリンダ圧PM/C の昇圧率ΔP
M/C が特許請求の範囲に記載の「ブレーキペダルの操作
に応じた出力値」に相当し、ECUによる図2のステッ
プ108の処理が特許請求の範囲に記載の「緊急ブレー
キ操作を検出する手段」に相当し、ECUによる図2の
ステップ110の処理が特許請求の範囲に記載の「アシ
スト圧生成手段」に相当する。また、図2のステップ1
02の処理が特許請求の範囲に記載の「しきい値補正手
段」に相当する。
【0039】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、しきい値補正手段によって、しきい値がブレーキフ
ルードの粘度の増加に応じた高い値に補正される。この
ため、ブレーキフルードの粘度に係わらず、緊急ブレー
キ操作を正確に検知し、的確なタイミングでホイルシリ
ンダにアシスト圧を与えてホイルシリンダを増圧するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である液圧ブレーキ装置のシ
ステム構成図である。
【図2】BA制御の際にECUが行うルーチンを説明す
るためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル 12 ブレーキブースタ 16 マスタシリンダ 20、28 液圧通路 22 油圧センサ 24、26 電磁弁 30、32 保持ソレノイド 42、44 減圧ソレノイド 38、40 ホイルシリンダ 39、41 車輪速センサ 46 補助リザーバ 52 ポンプ 62 ポンプモータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダ圧の昇圧率としきい値と
    の比較により緊急ブレーキ操作を検出する手段と、緊急
    ブレーキ操作が検出されるとホイルシリンダにアシスト
    圧を与えてホイルシリンダ圧を増圧するアシスト圧生成
    手段を備える液圧ブレーキ装置において、 ブレーキフルードの粘度を推定する手段と、 ブレーキフルードの粘度の増加に応じて前記しきい値を
    高い値に補正するしきい値補正手段を有することを特徴
    とする液圧ブレーキ装置。
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