JP2000016278A - 車両の制動力制御装置 - Google Patents

車両の制動力制御装置

Info

Publication number
JP2000016278A
JP2000016278A JP10188702A JP18870298A JP2000016278A JP 2000016278 A JP2000016278 A JP 2000016278A JP 10188702 A JP10188702 A JP 10188702A JP 18870298 A JP18870298 A JP 18870298A JP 2000016278 A JP2000016278 A JP 2000016278A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
master cylinder
speed
inflection point
assisting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10188702A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunori Yamamoto
康典 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP10188702A priority Critical patent/JP2000016278A/ja
Publication of JP2000016278A publication Critical patent/JP2000016278A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 緊急時用のブレーキアシストシステムを備え
た車両において、油圧ポンプを適切なタイミングで駆動
させて、ブレーキアシスト装置のアシストの応答遅れや
不要なポンプの作動に伴う運転者の違和感を抑制するこ
と。 【解決手段】 ブレーキペダルの踏み込み操作により倍
力装置を介して発生する制動力を助成するブレーキ助成
手段が備えられた構成において、マスタシリンダ圧Pの
上昇速度vPが所定速度V0より高いか否かを判定し、
vP>V0のとき、つまりブレーキペダルが急速に踏み
込まれたときにモータをONにするというように、モー
タ及びポンプを、車両の制動に必要なマスタシリンダ圧
が発生するときには、上記ポンプがアシストに必要な油
圧を供給するようにし、ブレーキアシストシステムによ
るアシストの応答遅れを防止するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の制動力制御
装置、特に緊急時に制動力を助勢する制動力助勢手段が
備えられた装置に関し、車両の制動技術の分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、車両を運転する運転者の種々の操
作をアシストする装置が開発、搭載されており、その中
の一つとして、特開平8−34326号公報に開示され
ているように、運転者がブレーキペダルを踏み込んで車
両を減速、停止させようとするときに、その制動力をア
シストするブレーキアシスト装置がある。このブレーキ
アシスト装置は、必要時に十分な制動力が得られるよう
にして、走行安定性を向上させるためのもので、上記公
報には、ブレーキやステアリング等の操作状態から緊急
度を判断する緊急度判断手段と、障害物との距離や相対
速度等から衝突の危険度を判断する物理的危険度判断手
段とが設けられており、上記物理的危険度判断手段によ
り障害物との衝突の危険性があると判断され、かつ、上
記緊急度判断手段により運転者の操作に緊急度があると
判断された場合に、最大限の制動力が得られる所謂フル
ブレーキを自動的に行うように構成されたブレーキアシ
スト装置が開示されている。
【0003】また、特に緊急度判定のためのブレーキの
操作状態として、ブレーキペダルの踏込強さと踏込速度
の少なくとも一方を検出し、踏込強さが所定の閾値より
大きいとき、または踏込速度が所定の閾値より大きいと
きに緊急度大と判定するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブレーキペ
ダルが踏み込まれると、マスタシリンダが車両の制動を
行うためのマスタシリンダ圧を発生させるようになって
いるのであるが、このマスタシリンダ圧は、図9に示す
ように、通常の走行中のブレーキ操作のようにブレーキ
ペダルの踏込速度が小さいときには、ほぼ一定の割合で
緩やかに増加するように変化し、一方、緊急時のブレー
キ操作のようにブレーキペダルの踏込速度が大きいとき
には、踏込開始直後に立ち上がった後、エンジンのブー
スト圧を利用した倍力装置の作動の応答遅れによってそ
の上昇率が減少して一時的に停滞し、その後、上記ブー
スト圧の作用により倍力装置が作動し始めると上昇率が
再び増加して本格的に立ち上がるように変化する。
【0005】これによって、ブレーキペダルの踏込速度
が大きいときには、マスタシリンダ圧の上昇率が増加か
ら減少に転じる減少側変曲点と減少から増加に転じる増
加側変曲点とが発生し、実質的には、倍力装置の倍力動
作が開始する増加側変曲点の発生以降のマスタシリンダ
圧によって車両の制動が行われるようになっており、ブ
レーキアシスト装置によるアシストが、その増加側変曲
点が発生したときに開始されれば車両を最大限制動する
ことができることになる。
【0006】その場合に、上記ブレーキアシスト装置に
は、車両の制動をアシストするための油圧を発生させる
油圧ポンプが設けられることがあるが、この油圧ポンプ
の作動開始のタイミングが問題となる。つまり、該ポン
プの作動が開始してからアシスト用の油圧を発生させる
までにタイムラグがあるため、上記増加側変曲点が発生
してから油圧ポンプの作動を開始させたのでは、ブレー
キアシスト装置によるアシストが遅れ、車両を最大限制
動することができなくなり、また、ブレーキペダルを踏
み込んだ瞬間から上記油圧ポンプを作動させるようにす
ると、上記油圧ポンプは、増加側変曲点の発生時にはア
シスト用の油圧を発生させる状態となるが、ブレーキ操
作が通常走行中のものか緊急時のものかの識別が行われ
ないので、油圧ポンプが通常の走行時にも作動すること
になると共に、ブレーキ操作が緊急時のものであっても
必要以上に油圧ポンプを長く作動させることになる。こ
れにより、無駄に動力を消費することになると共に、上
記油圧ポンプの作動により生じる振動や騒音を違和感と
して感じる時間が長くなることにもなる。
【0007】これらのことから、倍力装置の倍力動作が
開始するときには油圧ポンプが必要な油圧を発生してい
る状態となっており、かつ、より上記油圧ポンプの作動
時間が短いのが望ましい。
【0008】そこで、本発明は、上記油圧ポンプを適切
なタイミングで駆動させて、ブレーキアシスト装置のア
シストの応答遅れや不要な油圧ポンプの作動に伴う運転
者の違和感を抑制することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、次のように構成したことを特徴とする。
【0010】まず、本願の請求項1に記載の発明(以
下、「第1発明」という。)は、ブレーキペダルの踏込
操作により発生するマスタシリンダ圧を発生させるマス
タシリンダと、上記マスタシリンダ圧に基づく制動力を
助勢するブレーキ助勢手段と、該ブレーキ助勢手段によ
る助勢を行うための油圧を発生させる油圧源とを有する
車両の制動力制御装置において、ブレーキペダルの踏込
速度に関連する値を検出する踏込速度関連値検出手段
と、上記ブレーキペダルの踏込速度に関連する値が所定
値以上のときに上記油圧源の作動を開始させる油圧源制
御手段とが設けられていることを特徴とする。
【0011】次に、請求項2に記載の発明(以下、「第
2発明」という。)は、ブレーキペダルの踏込操作によ
り倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマス
タシリンダと、上記マスタシリンダ圧に基づく制動力を
助勢するブレーキ助勢手段と、該ブレーキ助勢手段によ
る助勢を行うための油圧を発生させる油圧源とを有する
車両の制動力制御装置において、マスタシリンダ圧の上
昇速度が減少する減少側変曲点の発生を検出する変曲点
検出手段と、上記減少側変曲点の発生を検出したときに
油圧源の作動を開始させる油圧源制御手段とが設けられ
ていることを特徴とする。
【0012】また、請求項3に記載の発明(以下、「第
3発明」という。)は、ブレーキペダルの踏込操作によ
り倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマス
タシリンダと、上記マスタシリンダ圧に基づく制動力を
助勢するブレーキ助勢手段と、該ブレーキ助勢手段によ
る助勢を行うための油圧を発生させる油圧源とを有する
車両の制動力制御装置において、マスタシリンダ圧の上
昇速度が減少する減少側変曲点及びその上昇速度が増加
する増加側変曲点の発生を検出する変曲点検出手段と、
上記減少側変曲点の発生から増加側変曲点の発生までの
間に上記油圧源の作動を開始させる油圧源制御手段とが
設けられていることを特徴とする。
【0013】そして、請求項4に記載の発明(以下、
「第4発明」という。)は、ブレーキペダルの踏込操作
により倍力装置を介してマスタシリンダ圧を発生させる
マスタシリンダと、上記マスタシリンダ圧に基づく制動
力を助勢するブレーキ助勢手段と、該ブレーキ助勢手段
による助勢を行うための油圧を発生させる油圧源とを有
する車両の制動力制御装置において、車速を検出する車
速検出手段と、マスタシリンダ圧の上昇速度が減少する
減少側変曲点及びその上昇速度が増加する増加側変曲点
の発生を検出する変曲点検出手段と、ブレーキペダルの
踏込速度に関連する値とブレーキペダルの踏込量に関連
する値の少なくとも一方を検出する踏込状態関連値検出
手段と、車速が所定車速以下のときは、ブレーキペダル
の踏込速度に関連する値が所定値以上であっても油圧源
の作動を開始させず、上記増加側変曲点の発生を検出し
たのち、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値及びブ
レーキペダルの踏込量に関連する値がそれぞれ所定値以
上になったときに、油圧源の作動を開始させる油圧源制
御手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】上記第1〜第4発明により、次のような作
用が得られる。
【0015】まず、第1発明の制動力制御装置によれ
ば、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値を検出する
踏込速度関連値検出手段と、上記ブレーキペダルの踏込
速度に関連する値が所定値以上のときに上記油圧源の作
動を開始させる油圧源制御手段とを設けたので、倍力装
置の倍力動作が開始するときには、上記油圧源によって
助勢に必要な油圧が供給され、ブレーキ助勢手段による
助勢の応答遅れを防止することができると共に、ブレー
キペダル踏込時から油圧源の作動を開始させるという場
合に比べて油圧源の作動時間が短くなり、無駄な動力の
消費及び油圧源の作動により発生する騒音や振動を削減
することができる。また、通常の走行時はブレーキペダ
ルの踏込速度が小さいので、通常走行中のブレーキ操作
時には油圧源が作動せず、これによっても、無駄な動力
の消費及び上記騒音や振動を削減することができること
になる。
【0016】次に、第2発明の制動力制御装置によれ
ば、マスタシリンダ圧の上昇速度が減少する減少側変曲
点の発生を検出する変曲点検出手段と、上記減少側変曲
点の発生を検出したときに油圧源の作動を開始させる油
圧源制御手段とを設けたので、上記第1発明と同様に、
倍力装置の倍力動作が開始するときには、上記油圧源に
よって助勢に必要な油圧が供給され、ブレーキ助勢手段
による助勢の応答遅れを防止することができると共に、
ブレーキペダル踏込時から油圧源の作動を開始させると
いう場合に比べて油圧源の作動時間が短くなり、無駄な
動力の消費及び油圧源の作動により発生する騒音や振動
を削減することができる。特に、本発明によれば、油圧
源の作動が減少側変曲点の発生の検出により開始される
ので、油圧源の作動のタイミングが明確化されることに
なる。
【0017】また、通常の走行時はブレーキペダルの踏
込速度が小さいので、通常走行中のブレーキ操作時には
油圧源が作動せず、これによっても、無駄な動力の消費
及び上記騒音や振動を削減することができることにな
る。
【0018】そして、第3発明の制動力制御装置によれ
ば、マスタシリンダ圧の上昇速度が減少する減少側変曲
点及びその上昇速度が増加する増加側変曲点の発生を検
出する変曲点検出手段と、上記減少側変曲点の発生から
増加側変曲点の発生までの間に上記油圧源の作動を開始
させる油圧源制御手段とを設けたので、上記第1、第2
発明と同様に、倍力装置の倍力動作が開始するときに
は、油圧源によって助勢に必要な油圧が供給され、ブレ
ーキ助勢手段による助勢の応答遅れを防止することがで
きると共に、ブレーキペダル踏込時から油圧源の作動を
開始させるという場合に比べて油圧源の作動時間が短く
なり、無駄な動力の消費及び油圧源の作動により発生す
る騒音や振動を削減することができる。特に、本発明に
よれば、減少側変曲点の発生から増加側変曲点の発生ま
での間に上記油圧源の作動を開始させるので、油圧源の
作動時間を上記第2発明よりさらに短縮することがで
き、よって、より無駄な動力の消費及び上記騒音や振動
を削減することができる。
【0019】また、通常の走行時はブレーキペダルの踏
込速度が小さいので、通常走行中のブレーキ操作時には
油圧源が作動せず、これによっても、無駄な動力の消費
及び上記騒音や振動を削減することができることにな
る。
【0020】そして、第4発明の制動力制御装置によれ
ば、車速を検出する車速検出手段と、マスタシリンダ圧
の上昇速度が減少する減少側変曲点及びその上昇速度が
増加する増加側変曲点の発生を検出する変曲点検出手段
と、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値とブレーキ
ペダルの踏込量に関連する値の少なくとも一方を検出す
る踏込状態関連値検出手段と、車速が所定車速以下のと
きは、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値が所定値
以上であっても油圧源の作動を開始させず、上記増加側
変曲点の発生を検出したのち、ブレーキペダルの踏込速
度に関連する値及びブレーキペダルの踏込量に関連する
値がそれぞれ所定値以上になったときに、油圧源の作動
を開始させる油圧源制御手段とを設けたので、油圧源の
作動開始からブレーキ助勢手段の作動開始までのタイム
ラグによるブレーキ助勢手段の応答遅れが影響しない所
定車速以下のときは、車両を制動するために必要なマス
タシリンダ圧が発生したときから油圧源の作動を開始さ
せることにより、無駄な動力の消費及び油圧源の作動に
より発生する騒音や振動を削減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0022】図1に示すように、この実施の形態に係る
車両の制動装置は、基本的には、運転者によって踏み込
み操作されるブレーキペダル1と、該ペダル1の踏み込
み操作により倍力装置2を介してマスタシリンダ圧を発
生させるマスタシリンダ3と、各車輪4…4(1つのみ
図示)にそれぞれ備えられたディスクロータ5aとキャ
リパ5b等でなるブレーキ装置5と、上記マスタシリン
ダ圧がブレーキ系統6を介して供給されたときに上記ブ
レーキ装置5を作動させて当該車輪4に制動力を付与す
るホイールシリンダ7とで構成されている。
【0023】ここで、上記倍力装置2の概略の構成を説
明すると、図2に示すように、この倍力装置2は、ケー
ス11内をダイアフラム12により負圧室13と大気室
14とに画成すると共に、ブレーキペダル1の踏込時
に、該ペダル1に連結された第1プッシュロッド15に
より、上記ダイアフラム12及び該ダイアフラム12に
取り付けられた第2プッシュロッド16を介してマスタ
シリンダ3のピストン3aを押圧するように構成されて
いる。
【0024】そして、通常はエンジンからのブースト圧
(負圧)を上記負圧室13及び大気室14の両者に導入
して、ダイアフラム12の両側の圧力をバランスさせた
状態に保持すると共に、ブレーキペダルが踏み込まれた
ときには、上記第1プッシュロッド15に設けられた弁
体15aがケース11側の弁座11aから離反すること
により、大気室14に大気圧を導入させて、ダイヤフラ
ム12にブレーキペダル1の踏み込み方向の力を作用さ
せ、この力をブレーキペダル1に加えられた踏み込み力
に付加してマスタシリンダ3のピストン3aに伝達する
ようになっている。
【0025】また、図1に示すように、この制動装置に
は、アンチスキッドブレーキシステム(以下、ABSと
いう)及びブレーキアシストシステム(以下、BASと
いう)が組み込まれている。
【0026】これらのシステムの構成要素として、上記
ブレーキ系統6のマスタシリンダ3側に配置されて該系
統6を開通または遮断するカットバルブ21と、その下
流側(ホイールシリンダ7側)に配置されて、ブレーキ
系統6を開通または遮断する増圧バルブ22と、さらそ
の下流側から分岐されてオイルパン23に至る減圧ライ
ン24上に配置されて、該減圧ライン24を開通または
遮断する減圧バルブ25とが備えられている。
【0027】また、上記ブレーキ系統6におけるカット
バルブ21と増圧バルブ22との間には、増圧ライン2
6が接続され、該ライン26上に、モータ27によって
駆動されてブレーキ液を上記オイルパン23からブレー
キ系統6に供給するポンプ28が設置されていると共
に、その吐出側には、増圧ライン26をオリフィス29
aにより絞った状態と絞らない状態とに切り換えるオリ
フィス切り換え弁29が設置されている。
【0028】なお、上記マスタシリンダ3にはリザーバ
タンク30が備えられ、このリザーバタンク30からオ
イルパン23にかけてブレーキ液の回収管31が設けら
れている。
【0029】そして、ABS及びBASの制御用のコン
トローラ40が備えられ、このコントローラ40に、各
車輪4…4の回転速度(車輪速)をそれぞれ検出する車
輪速センサ41…41(1つのみ図示)からの信号と、
ブレーキペダル1の踏み込みを検出するブレーキスイッ
チ42からの信号と、アクセルペダル(図示せず)の踏
み込みを検出するアイドルスイッチ43からの信号等が
入力されるようになっており、また、後述するBASの
作動開始判定制御用として、上記マスタシリンダ3で発
生されるマスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧
センサ44が備えられ、該センサ44からの信号もコン
トローラ40に入力されるようになっている。
【0030】ここで、ABSの動作を簡単に説明する
と、コントローラ40は、制動時に各車輪速センサ41
…41からの信号で車速に対して車輪速が不自然に低下
した車輪があることを検出したときに、その車輪に対し
ては、減圧バルブ25を開いてホイールシリンダ7内の
ブレーキ液を減圧ライン24を介してドレンされること
により、制動力を低下させ、これによりスキッド状態を
解消しもしくは未然に回避すると共に、制動力の低下に
よりその車輪の車輪速が上昇すれば、上記減圧バルブ2
5を閉じると同時に増圧バルブ22を開いてポンプ28
から増圧ライン26を介して上記ホイールシリンダ7に
ブレーキ液を供給することにより制動力を高める。そし
て、車輪速に応じて繰り返すことにより、当該車輪のス
キッド状態を防止しながら所要の制動力が得られるよう
に制御するのである。
【0031】なお、この実施の形態においては、上記の
ようなABS作動時にカットバルブ21を閉じることに
より、ホイールシリンダ7側で生じる制動圧の脈動がブ
レーキペダル1に伝達して運転者に不快感を与えること
を防止するようになっている。また、ABS作動中は増
圧ライン26上のオリフィス切り換え弁29は該ライン
26を絞らない状態に保持される。
【0032】また、緊急時のためのBASの動作を簡単
に説明すると、コントローラ40は、マスタシリンダ圧
センサ43からの信号に基づいて、BASを作動させる
べきであると判断したときに、各車輪4…4について、
増圧バルブ22を開き、かつ減圧バルブ25を閉じた状
態で、ポンプ28の駆動用モータ27を作動させること
により、オイルパン23から増圧ライン26及びブレー
キ系統6を介して各車輪4…4のホイールシリンダ7…
7にブレーキ液を一斉に供給し、これにより、緊急時に
当該車両全体として所要の制動力が得られるようにす
る。
【0033】その場合、ブレーキ系統6上のカットバル
ブ21は開状態に保持され、上記ポンプ28から供給さ
れるブレーキ液によるアシスト圧がブレーキペダル1な
いしマスタシリンダ3からの制動圧に付加されることに
なるが、ブレーキアシスト時にこのカットバルブ21を
閉状態に保持する場合もある。
【0034】また、上記オリフィス切り換えバルブ29
は、通常はオリフィス29aにより増圧ライン26を絞
った状態とすることにより、アシスト圧の供給速度を適
切に調整する一方、緊急時であると判定されているにも
拘らず、運転者によるブレーキペダル1の踏み込み速度
が十分でないと判断したときには、オリフィス29aを
除去して、アシスト圧の上昇速度を高めるようになって
いる。また、緊急時であると判定されているにも拘ら
ず、運転者によるブレーキペダル1の踏み込み量が十分
でないと判断したときに、ポンプ駆動用モータ17の回
転速度を上昇させて制動力を増大させる制御も行われ
る。
【0035】さらに、上記アイドルスイッチ43は、緊
急時におけるブレーキ操作時に誤ってアクセルペダルも
踏み込んだときに、アシスト圧を高める等の制御を行う
ためのものであり、これに代えてエンジンのスロットル
開度を検出するスロットル開度センサを用いることも可
能である。
【0036】次に、上記コントローラ40によるポンプ
28の駆動用モータ27の具体的動作の一例について説
明する。
【0037】なお、ブレーキペダルの踏込速度が大きい
ときのマスタシリンダ圧は、図3に示すように、ブレー
キペダルの踏込開始直後の立ち上がり後、エンジンのブ
ースト圧を利用した倍力装置2の作動の応答遅れのため
上昇率が減少して一時的に停滞すると共に、その停滞
後、上記ブースト圧の作用により倍力装置2が作動し始
めると上昇率が再び増加して本格的に立ち上がるように
変化する。
【0038】そして、マスタシリンダ圧Pの上昇率が増
加から減少に転じる減少側変曲点Xdと減少から増加に
転じる増加側変曲点Xiとが発生し、実質的には、倍力
装置2の倍力動作が開始する増加側変曲点Xiの発生以
降のマスタシリンダ圧Pによって車両の制動が行われる
ようになっている。
【0039】図4のフローチャートは、第1の実施の形
態における制御動作を示すもので、まず、ステップS1
で、図1に示すブレーキスイッチ42、アイドルスイッ
チ43及びマスタシリンダ圧センサ44からの信号を入
力する。
【0040】次に、ステップS2で、ブレーキスイッチ
42がONか否か、即ちブレーキペダル1が踏み込まれ
たか否かを判定し、ブレーキペダル1が踏み込まれ、上
記ブレーキスイッチ42がONになると、ステップS2
からステップS3を実行して、上記モータ27がOFF
か否かを判定する。
【0041】そして、モータ27がOFFであると、ス
テップS4を実行し、現時点のマスタシリンダ圧Pの上
昇速度vPが所定速度V0より高いか否かを判定する。
そして、vP>V0のとき、換言すればブレーキペダル
1が急速に踏み込まれたときにステップS5でモータ2
7をONにする。
【0042】これにより、ポンプ28が作動することに
なるが、この場合は、ABSシステムは非作動の状態に
あって、いずれの車輪についても増圧バルブ22は開、
減圧バルブ25は閉の状態にあるから、上記ポンプ28
の作動により発生した油圧が各車輪4…4のホイールシ
リンダ7…7に供給されることになり、各車輪4…4に
ブレーキペダル1の踏み込みに基づく制動力とポンプ2
8の作動に基づく制動力とが付与されることになる。
【0043】以上のように、マスタシリンダ圧Pの上昇
速度についての判定を行って、ブレーキ操作が緊急時の
ものであるか通常走行中のものであるかの識別を行って
おり、踏込速度が小さい通常走行中のブレーキ操作の場
合はモータ27が作動しないようになっているから、動
力の浪費及びモータ27やポンプ28の作動により発生
する振動や騒音を削減することができる。
【0044】また、ブレーキ操作が緊急時のものである
場合においても、ブレーキペダル1の踏込みと同時にモ
ータ27を作動させる場合に比べてモータ27の作動時
間が短いので、これにより動力の浪費及び上記振動や騒
音を削減することができる。
【0045】さらに、倍力装置2の倍力動作が開始する
ときには、上記ポンプ28がアシストに必要な油圧を供
給することができることになり、BASによるアシスト
の応答遅れを防止することができる。
【0046】なお、以上のようにして、モータ28がO
NになってBASが作動すれば、その後は、ステップS
3からステップS6を実行し、図3に示すように、マス
タシリンダ圧Pが所定圧P0より所定値pだけ低い圧力
(P0−p)より低下したか否かを判定し、ブレーキペ
ダル1の踏み込み力の減少等に伴い、この圧力(P0−
p)より低下した時点で、ステップS7を実行してモー
タ28をOFFにし、ブレーキアシストを終了する(図
3の符号ア参照)。
【0047】その場合に、この終了の条件としての圧力
を所定圧P0より所定値pだけ低く設定したことによ
り、マスタシリンダ圧Pがこの所定圧P0の近辺で変動
する場合の制御のハンチングが防止される。
【0048】次に、図5にフローチャートを示す第2の
実施の形態に係る駆動用モータ27の作動開始の判定制
御について説明する。
【0049】この実施の形態においては、まず、ステッ
プS11で、以下の制御で用いるマスタシリンダ圧の減
少側変曲点検出用の減少カウンタCdecと、増加側変
曲点検出用の増加カウンタCincとを0にクリアする
と共に、ステップS12で、図1に示すブレーキスイッ
チ42、アイドルスイッチ43及びマスタシリンダ圧セ
ンサ44からの信号を入力する。また、ステップ13
で、上記センサ44によって検出される今回の制御サイ
クル時におけるマスタシリンダ圧Pの前回の制御サイク
ル時におけるマスタシリンダ圧P’に対する増分dP
(=P−P’)と、その増分dPを制御周期tで割るこ
とにより得られるマスタシリンダ圧Pの上昇速度vPと
を算出する。
【0050】次に、ステップS14でブレーキスイッチ
42がONか否か、即ちブレーキペダル1が踏み込まれ
たか否かを判定し、踏み込まれていない場合には、ステ
ップS15,S16で、上記減少カウンタCdec及び
増加カウンタCincを改めてクリアすると共に、モー
タ27をOFFに保持する。
【0051】一方、ブレーキペダル1が踏み込まれ、上
記ブレーキスイッチ42がONになると、ステップS1
4からステップS17を実行して、上記モータ27がO
FFか否かを判定する。そして、ブレーキペダル1の踏
み込み直後においては該モータ27はOFFの状態にあ
るから、次にステップS18,S19で、上記増加カウ
ンタCinc及び減少カウンタCdecの値をそれぞれ
判定する。
【0052】これらのカウンタCinc,Cdecは、
ブレーキペダル1の踏み込み直後は0にクリアされた状
態にあるから、上記ステップS18,S19からステッ
プS20を実行して、今回の制御サイクル時に求めたマ
スタシリンダ圧Pの増分dPと前回の制御サイクル時に
求めた増分dP’とを比較し、今回の増分dPが前回の
増分dP’より小さいか否かを判定する。そして、小さ
くない場合には、ステップS21で、減少カウンタCd
ecを0に保持する。
【0053】一方、図6に符号イで示すように、マスタ
シリンダ圧Pの今回の増分dPが前回の増分dP’より
小さくなったときには、ステップS22で減少カウンタ
Cdecに1を加えることにより、その値を1とする。
そして、次の制御サイクルにおいても、そのサイクルで
求めた増分dPが前回の増分dP’より小さくなってい
るときは、上記ステップS22で再び減少カウンタCd
ecに1を加えることにより、その値を2とする。
【0054】このようにして2回連続して今回の増分d
Pが前回の増分dP’より小さくなったときに、マスタ
シリンダ圧Pの上昇速度が増加側から減少側に移行し、
該マスタシリンダ圧Pの減少側変曲点Xdが発生したも
のと判断する。
【0055】その場合に、マスタシリンダ圧Pの今回の
増分dPが前回の増分dP’より一旦小さくなっても、
そのサイクルで求めた増分dPがその前の増分dP’以
上となったときには、ステップS21で減少カウンタC
decがクリアされるので、さらに次のサイクルで求め
た増分dPがその前の増分dP’より再び小さくなって
も、減少側変曲点Xdが発生したとは判断せず、上記の
ように、2回連続して今回の増分dPが前回の増分d
P’より小さくなったときに初めて減少側変曲点Xdが
発生したものと判断するのである。これは、検出データ
の外乱等によるばらつきを排除し、変曲点を正確に判断
するためである。
【0056】上記のようにして、減少カウンタCdec
が2になり、減少側変曲点Xdが発生したものと判断す
れば、次は上記ステップS19からステップS23,S
24を実行し、今度は、現時点のマスタシリンダ圧Pの
上昇速度vPが所定速度V1より大きいか否か、及び車
速Sが所定速度S0より大きいか否かを判定する。そし
て、vP>V1であり、かつS>S0のときに、ステッ
プS25でモータ27をONにする。
【0057】これにより、上記第1の実施の形態と同様
に、ポンプ28が作動することになり、各車輪4…4に
ブレーキペダル1の踏み込みに基づく制動力とポンプ2
8の作動に基づく制動力とが付与されることになる。
【0058】このように、上記減少側変曲点Xdの有無
についての判定を行うことにより、ブレーキ操作が緊急
時のものであるか通常走行中のものであるかの識別を行
っており、減少側変曲点Xdが発生しない場合は、モー
タ27は作動しないようになっているから、上記第1の
実施の形態と同様に、動力の浪費及びモータ27及びポ
ンプ28の作動により発生する振動や騒音を削減するこ
とができる。
【0059】また、ブレーキペダル1の踏込みと同時に
作動させる場合に比べてモータ27及びポンプ28の作
動時間が短いので、これにより動力の浪費及び上記振動
や騒音を削減することができる。
【0060】特に、本実施の形態においては、減少側変
曲点Xdが発生した時点でモータ27の作動を開始させ
ているので、マスタシリンダ圧Pの上昇速度vPが所定
速度V0より高いか否かの判定によりモータ27をON
させる第1の実施の形態よりさらにモータ27の作動時
間を短くすることができる。
【0061】さらに、倍力装置2の倍力動作が開始する
ときには、上記ポンプ28がアシストに必要な油圧を供
給することができることになり、BASによるアシスト
の応答遅れを防止することができる。
【0062】一方、上昇速度vPが所定速度V1より大
きくない場合、及び、車速SがS0より大きくない場合
にはモータ27を作動させないでステップ26を実行す
るようになっているが、車速SがS0より大きくない場
合は車速が小さい場合であるので、車両の制動に必要な
マスタシリンダ圧が発生するときに作動させれば十分で
あるということから、この時点でモータ27を作動させ
ないようになっている。
【0063】なお、上昇速度が所定速度を超えているか
否か、及び、車速が所定車速を超えているか否かが判定
要素として加えられているが、いずれか一方のみを加え
たものであっても良い。
【0064】その後、ステップS25によりモータ27
がONされた場合、上昇速度vPが所定速度V1より大
きくないと判定された場合、及び、車速がS0より大き
くないと判定された場合にはステップS26を実行し、
今回の制御サイクルで求めたマスタシリンダ圧Pの増分
dpが前回の制御サイクル時に求めた増分dP’より大
きいか否かを判定する。そして、大きくない場合には、
ステップS27で、増加カウンタCincを0に保持す
る。
【0065】一方、図7に符号ウで示すように、マスタ
シリンダ圧Pの今回の増分dPが前回の増分dP’より
大きくなったときには、ステップS28で増加カウンタ
Cincに1を加えることにより、その値を1とする。
そして、次の制御サイクルにおいても、そのサイクルで
求めた増分dPが前回の増分dP’より大きくなってい
るときは、上記ステップS28で再び増加カウンタCi
ncに1を加えることにより、その値を2とする。
【0066】このようにして、減少カウンタCdecの
場合と同様に、2回連続して今回の増分dPが前回の増
分dP’より大きくなったときに、マスタシリンダ圧P
の上昇速度が減少側から増加側に移行し、該マスタシリ
ンダ圧Pの増加側変曲点Xiが発生したものと判断す
る。その場合に、2回連続して今回の増分dPが前回の
増分dP’より大きくなったときに初めて増加側変曲点
Xiが発生したものと判断するのは、減少側変曲点Xd
の場合と同様である。
【0067】以上のようにして、減少カウンタCdec
及び増加カウンタCincの値のいずれもが2となり、
図3に示すように、マスタシリンダ圧Pがブレーキペダ
ル1の踏み込み直後に立ち上がった後、減少側変曲点X
d及び増加側変曲点Xiを経由し、倍力装置2の倍力動
作開始に伴ってマスタシリンダ圧Pが本格的に上昇を開
始すれば、次にステップS29,S30を実行し、現時
点のマスタシリンダ圧Pが所定圧P0より高いか否か、
及びその上昇速度vPが所定速度V0より大きいか否か
を判定する。そして、P>P0であり、かつvP>V0
のとき、換言すればブレーキペダル1が大きく、かつ急
速に踏み込まれたときに、ステップS31でモータ27
をONにする。
【0068】また、マスタシリンダ圧PがP0より大き
くない場合、及び、その上昇速度がV0より大きくない
場合は、ステップS16を実行して、モータ27がOF
Fされることになる。
【0069】そして、ステップS31でモータ27がO
Nになって作動が開始されれば、その後は、第1の実施
の形態と同様に、図5のフローチャートのステップS1
7からステップS32を実行し、マスタシリンダ圧Pが
上記のモータ作動開始の条件の所定圧P0より所定値p
だけ低い圧力(P0−p)より低下したか否かを判定す
る。そして、ブレーキペダル1の踏み込み力の減少等に
伴い、マスタシリンダ圧Pが上記圧力(P0−p)より
低下した時点で、ステップS32を実行してモータ27
をOFFにし、ブレーキアシストを終了する(図3の符
号ア参照)。
【0070】その場合に、この終了の条件としての圧力
を開始の条件としての所定圧P0より所定値pだけ低く
設定したことにより、マスタシリンダ圧Pがこの所定圧
P0の近辺で変動する場合の制御のハンチングが防止さ
れる。
【0071】なお、ステップS25でモータ27がON
されると、次回にはステップS17からステップS32
が実行され、マスタシリンダ圧Pが(P0−p)より小
さくなるまでモータ27が作動することになる。
【0072】また、ステップS17以降のステップで示
されるモータ27の作動開始判定中及びその作動中であ
っても、ブレーキペダル1が戻されてブレーキスイッチ
42がOFFになれば、ステップS15,S16によ
り、その時点で減少カウンタCdec及び増加カウンタ
Cincがクリアされて次のブレーキ操作時に備えられ
ると共に、モータ27がOFFとなってブレーキアシス
トの制御が終了する。
【0073】次に、第3の実施の形態に係る駆動用モー
タ27の作動開始の判定制御について説明する。
【0074】この実施の形態に係る駆動用モータ27の
作動開始の判定制御は、上記第2の実施の形態に対し
て、Cdecが2となった後の判定制御が異なるので、
その部分についてのみ説明する。
【0075】本実施の形態においては、予め減少側変曲
点Xdの発生からの所定時間T1を増加側変曲点Xiが
発生するまでの範囲で任意に設定する。
【0076】そして、まず、図8に示すように、Cde
cが2になり、減少側変曲点Xdが発生したものと判断
すれば、上記ステップS53を実行してはじめに所定時
間T1を設定したのち、ステップS54で時間Tから1
を減算し、ステップS55でその減算した時間Tが0以
下か否かを判定する。そして、時間Tが0以下でない場
合は、ステップS54に戻って、再び、ステップS5
4,S55を実行する。そして、この動作を時間Tが0
以下になるまで繰り返す。
【0077】そして、ステップS55で時間Tが0以下
になったと判定すると、ステップS56を実行してモー
タ27をONして作動を開始させる。
【0078】これにより、上記第1,第2の実施の形態
と同様に、上記減少側変曲点Xdの有無についての判定
を行って、ブレーキ操作が緊急時のものであるか通常走
行中のものであるかの識別を行っており、減少側変曲点
Xdが発生しない場合は、モータ27は作動しないよう
になっているから、上記第1の実施の形態と同様に、動
力の浪費及びモータ27及びポンプ28の作動により発
生する振動や騒音を削減することができる。
【0079】また、ブレーキペダル1の踏込みと同時に
作動させる場合に比べてモータ27及びポンプ28の作
動時間が短いので、動力の浪費及びモータ27及びポン
プ28の作動により発生する振動や騒音を削減すること
ができる。
【0080】特に、本実施の形態においては、ステップ
S53〜S55を実行させることにより、ステップS5
6で行うモータ27の作動を所定時間T1だけ遅らせた
ので、減少側変曲点Xdの発生時にモータ27の作動を
開始した第2の実施の形態よりさらにモータ27の作動
時間を短くすることができることになる。
【0081】さらに、倍力装置2の倍力動作が開始する
ときには、上記ポンプ28がアシストに必要な油圧を供
給することができることになり、BASによるアシスト
の応答遅れを防止することができる。
【0082】
【発明の効果】まず、第1発明の制動力制御装置によれ
ば、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値を検出する
踏込速度関連値検出手段と、上記ブレーキペダルの踏込
速度に関連する値が所定値以上のときに上記油圧源の作
動を開始させる油圧源制御手段とを設けたので、倍力装
置の倍力動作が開始するときには、上記油圧源によって
助勢に必要な油圧が供給され、ブレーキ助勢手段による
助勢の応答遅れを防止することができると共に、ブレー
キペダル踏込時から油圧源の作動を開始させるという場
合に比べて油圧源の作動時間が短くなり、無駄な動力の
消費及び油圧源の作動により発生する騒音や振動を削減
することができる。また、通常の走行時はブレーキペダ
ルの踏込速度が小さいので、通常走行中のブレーキ操作
時には油圧源が作動せず、これによっても、無駄な動力
の消費及び上記騒音や振動を削減することができること
になる。
【0083】次に、第2発明の制動力制御装置によれ
ば、マスタシリンダ圧の上昇速度が減少する減少側変曲
点の発生を検出する変曲点検出手段と、上記減少側変曲
点の発生を検出したときに油圧源の作動を開始させる油
圧源制御手段とを設けたので、上記第1発明と同様に、
倍力装置の倍力動作が開始するときには、上記油圧源に
よって助勢に必要な油圧が供給され、ブレーキ助勢手段
による助勢の応答遅れを防止することができると共に、
ブレーキペダル踏込時から油圧源の作動を開始させると
いう場合に比べて油圧源の作動時間が短くなり、無駄な
動力の消費及び油圧源の作動により発生する騒音や振動
を削減することができる。特に、本発明によれば、油圧
源の作動が減少側変曲点の発生の検出により開始される
ので、油圧源の作動のタイミングが明確化されることに
なる。
【0084】また、通常の走行時はブレーキペダルの踏
込速度が小さいので、通常走行中のブレーキ操作時には
油圧源が作動せず、これによっても、無駄な動力の消費
及び上記騒音や振動を削減することができることにな
る。
【0085】そして、第3発明の制動力制御装置によれ
ば、マスタシリンダ圧の上昇速度が減少する減少側変曲
点及びその上昇速度が増加する増加側変曲点の発生を検
出する変曲点検出手段と、上記減少側変曲点の発生から
増加側変曲点の発生までの間に上記油圧源の作動を開始
させる油圧源制御手段とを設けたので、上記第1、第2
発明と同様に、倍力装置の倍力動作が開始するときに
は、油圧源によって助勢に必要な油圧が供給され、ブレ
ーキ助勢手段による助勢の応答遅れを防止することがで
きると共に、ブレーキペダル踏込時から油圧源の作動を
開始させるという場合に比べて油圧源の作動時間が短く
なり、無駄な動力の消費及び油圧源の作動により発生す
る騒音や振動を削減することができる。特に、本発明に
よれば、減少側変曲点の発生から増加側変曲点の発生ま
での間に上記油圧源の作動を開始させるので、油圧源の
作動時間を上記第2発明よりさらに短縮することがで
き、よって、より無駄な動力の消費及び上記騒音や振動
を削減することができる。
【0086】また、通常の走行時はブレーキペダルの踏
込速度が小さいので、通常走行中のブレーキ操作時には
油圧源が作動せず、これによっても、無駄な動力の消費
及び上記騒音や振動を削減することができることにな
る。
【0087】そして、第4発明の制動力制御装置によれ
ば、車速を検出する車速検出手段と、マスタシリンダ圧
の上昇速度が減少する減少側変曲点及びその上昇速度が
増加する増加側変曲点の発生を検出する変曲点検出手段
と、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値とブレーキ
ペダルの踏込量に関連する値の少なくとも一方を検出す
る踏込状態関連値検出手段と、車速が所定車速以下のと
きは、ブレーキペダルの踏込速度に関連する値が所定値
以上であっても油圧源の作動を開始させず、上記増加側
変曲点の発生を検出したのち、ブレーキペダルの踏込速
度に関連する値及びブレーキペダルの踏込量に関連する
値がそれぞれ所定値以上になったときに、油圧源の作動
を開始させる油圧源制御手段とを設けたので、油圧源の
作動開始からブレーキ助勢手段の作動開始までのタイム
ラグによるブレーキ助勢手段の応答遅れが影響しない所
定車速以下のときは、車両を制動するために必要なマス
タシリンダ圧が発生したときから油圧源の作動を開始さ
せることにより、無駄な動力の消費及び油圧源の作動に
より発生する騒音や振動を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る制動装置のシステ
ム図である。
【図2】 同システムに用いられる倍力装置の概略図で
ある。
【図3】 緊急時等におけるブレーキ操作時のマスタシ
リンダ圧の変化を示す図である。
【図4】 第1の実施の形態の動作を示すフローチャー
トである。
【図5】 第2の実施の形態の動作を示すフローチャー
トである。
【図6】 同実施の形態における減少側変曲点の検出動
作の説明図である。
【図7】 同じく増加側変曲点の検出動作の説明図であ
る。
【図8】 第3の実施の形態の動作を示すフローチャー
トである。
【図9】 緊急時と通常走行中におけるブレーキ操作時
のそれぞれのマスタシリンダ圧の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 倍力装置 27 ポンプ駆動用モータ 40 コントローラ(制御手段) 42 ブレーキスイッチ 44 マスタシリンダ圧センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏込操作により発生す
    る制動力を助勢するブレーキ助勢手段と、該ブレーキ助
    勢手段による助勢を行うための油圧を発生させる油圧源
    とを有する車両の制動力制御装置であって、ブレーキペ
    ダルの踏込速度に関連する値を検出する踏込速度関連値
    検出手段と、上記ブレーキペダルの踏込速度に関連する
    値が所定値以上のときに上記油圧源の作動を開始させる
    油圧源制御手段とが設けられていることを特徴とする車
    両の制動力制御装置。
  2. 【請求項2】 ブレーキペダルの踏込操作により倍力装
    置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリン
    ダと、上記マスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢する
    ブレーキ助勢手段と、該ブレーキ助勢手段による助勢を
    行うための油圧を発生させる油圧源とを有する車両の制
    動力制御装置であって、マスタシリンダ圧の上昇速度が
    減少する減少側変曲点の発生を検出する変曲点検出手段
    と、上記減少側変曲点の発生を検出したときに油圧源の
    作動を開始させる油圧源制御手段とが設けられているこ
    とを特徴とする車両の制動力制御装置。
  3. 【請求項3】 ブレーキペダルの踏込操作により倍力装
    置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリン
    ダと、上記マスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢する
    ブレーキ助勢手段と、該ブレーキ助勢手段による助勢を
    行うための油圧を発生させる油圧源とを有する車両の制
    動力制御装置であって、マスタシリンダ圧の上昇速度が
    減少する減少側変曲点及びその上昇速度が増加する増加
    側変曲点の発生を検出する変曲点検出手段と、上記減少
    側変曲点の発生から増加側変曲点の発生までの間に上記
    油圧源の作動を開始させる油圧源制御手段とが設けられ
    ていることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  4. 【請求項4】 ブレーキペダルの踏込操作により倍力装
    置を介してマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリン
    ダと、上記マスタシリンダ圧に基づく制動力を助勢する
    ブレーキ助勢手段と、該ブレーキ助勢手段による助勢を
    行うための油圧を発生させる油圧源とを有する車両の制
    動力制御装置であって、車速を検出する車速検出手段
    と、マスタシリンダ圧の上昇速度が減少する減少側変曲
    点及びその上昇速度が増加する増加側変曲点の発生を検
    出する変曲点検出手段と、ブレーキペダルの踏込速度に
    関連する値とブレーキペダルの踏込量に関連する値の少
    なくとも一方を検出する踏込状態関連値検出手段と、車
    速が所定車速以下のときは、ブレーキペダルの踏込速度
    に関連する値が所定値以上であっても油圧源の作動を開
    始させず、上記増加側変曲点の発生を検出したのち、ブ
    レーキペダルの踏込速度に関連する値及びブレーキペダ
    ルの踏込量に関連する値がそれぞれ所定値以上になった
    ときに、油圧源の作動を開始させる油圧源制御手段とが
    設けられていることを特徴とする車両の制動力制御装
    置。
JP10188702A 1998-07-03 1998-07-03 車両の制動力制御装置 Pending JP2000016278A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10188702A JP2000016278A (ja) 1998-07-03 1998-07-03 車両の制動力制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10188702A JP2000016278A (ja) 1998-07-03 1998-07-03 車両の制動力制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000016278A true JP2000016278A (ja) 2000-01-18

Family

ID=16228327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10188702A Pending JP2000016278A (ja) 1998-07-03 1998-07-03 車両の制動力制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000016278A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6655751B2 (en) * 2000-05-24 2003-12-02 Sumitomo (Sei) Brake Systems, Inc. Method of controlling vehicle hydraulic brake system
US7934779B2 (en) 2006-05-18 2011-05-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle and control method of vehicle
CN108944877A (zh) * 2017-05-18 2018-12-07 罗伯特·博世有限公司 控制设备和用于运行车辆的液压制动系统的方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6655751B2 (en) * 2000-05-24 2003-12-02 Sumitomo (Sei) Brake Systems, Inc. Method of controlling vehicle hydraulic brake system
US7934779B2 (en) 2006-05-18 2011-05-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle and control method of vehicle
CN108944877A (zh) * 2017-05-18 2018-12-07 罗伯特·博世有限公司 控制设备和用于运行车辆的液压制动系统的方法
CN108944877B (zh) * 2017-05-18 2022-11-08 罗伯特·博世有限公司 控制设备和用于运行车辆的液压制动系统的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4835471B2 (ja) 車両の制動装置
JP2000264097A (ja) 車両の制御装置
JPH11348747A (ja) 車両の制動制御装置
JP2002104173A (ja) 車両の液圧ブレーキ装置
JP2003231459A (ja) 車輌用制動力制御装置
JP4089016B2 (ja) 車両の制動力制御装置
JP2001055127A (ja) ブレーキ制御装置
JP2000016278A (ja) 車両の制動力制御装置
JP2009166754A (ja) ブレーキ制御装置
JP2008213800A (ja) ブレーキ制御装置
JPH11180281A (ja) 制動力配分制御方法
US7188914B1 (en) Method for operating a power-assist braking system
JPH1191521A (ja) ブレーキ装置
JPH10329693A (ja) アンチスキッドブレーキ制御装置
JP4151114B2 (ja) 車両の制動力制御装置
JP4258922B2 (ja) 車両の制動装置
JP2000280880A (ja) アンチスキッドブレーキ制御装置
JP2007099274A (ja) ブレーキ制御装置
JP3451874B2 (ja) 制動力制御装置
JP2000016260A (ja) 車両の制動力制御装置
JP3393202B2 (ja) 車両制動装置
JP2000247218A (ja) 液圧ブレーキ装置
JP4661313B2 (ja) 車両のブレーキ制御装置
JP4821740B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP4282465B2 (ja) 車両制動方法及び車両制動装置