JP4087320B2 - 内燃機関用シリンダブロック - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用のシリンダブロックに関し、特に鉄製のスリーブを一体的に鋳込んだAl合金製のシリンダブロックにおける熱的歪の解消に視点がおかれた空冷式内燃機関用シリンダブロックの改良技術に関する。
内燃機関用シリンダブロックの一般的なものは、その外形形状が図7の斜視図で示されるようなものであり、その多くはその横断面が真円である鉄製(鋳鉄製)スリーブをAl合金等の軽合金で一体的に鋳込むことで、もしくはAl合金等の軽合金で鋳造されたシリンダブロックに鉄製(鋳鉄製)スリーブを圧入して製作されているが、これらの多くは鉄製スリーブを包み込むスリーブ周辺部の軽合金鋳造部における熱的影響を考慮した肉厚の均一化については必ずしも充分な配慮がなされていない。
一般的にシリンダブロックのクランクケースおよびシリンダヘッド部への締付けに供される締付ボルト穴周辺部はその締付けのための剛性増大の要求もあることから肉厚鋳造部とされ、とりわけスリーブ外周部から締付ボルト穴の位置が離れた構造のものにおいては該ボルト穴周辺が幅広の肉厚鋳造部となる傾向があり、スリーブを鋳包む軽合金鋳造部の肉厚の厚さは場所により大きく異なるものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
こうした中で、鋳鉄製のシリンダスリーブを軽合金のシリンダバレルで鋳包むシリンダブロックにおいて、鋳鉄製のシリンダスリーブの外周部にボス部を突設させ、このボス部にシリンダブロック締付ボルト穴を形成して、該締付ボルト穴周辺の剛性の強化を図り、これによりシリンダブロックのスリーブ外周部と締付ボルト穴とを近接させて、結果として幅広厚肉の鋳造部を減らしているものがある(例えば、特許文献2参照)。
実開昭62−175249号公報(第1頁、第1図) 実開昭63−119849号公報(第1頁−第2頁、第1図−第2図)
図5に図示される上述の特許文献1に記載の発明のシリンダブロック01においては、軽合金により鋳造されたシリンダブロック01にスリーブ02が圧入されたものであるが、スリーブ02の外周部02aから締付ボルト穴03aないし03dの位置がスリーブ外周部02aから離れており、このような鋳造シリンダブロック01においては図示のようにスリーブ外周部02aを覆うAl合金等の軽合金鋳造部の肉厚が締付ボルト穴03aないし03d周辺部で著しく幅広の厚肉鋳造部04aないし04dとなっていて、さらに、該締付ボルト穴03aないし03d周辺部の厚肉鋳造部04aないし04bとスリーブ外周部02a間を連絡する鋳造部も幅広厚肉の鋳造連絡部06aないし06dとされている。
シリンダブロックの軽合金鋳造における上述の幅広厚肉の鋳造部の存在は、スリーブ外周部を包み込むAl合金等の軽合金鋳造部における肉厚のばらつきを生じさせ、このような鋳造部における肉厚の不均一性の拡大は、シリンダブロックの鋳造時におけるAl合金等軽合金鋳造部の凝固時間の時間差を増大させるものであり、該凝固時間差の増大は軽合金鋳造部における厚肉鋳造部に収縮による所謂ヒケを発生せしめ、熱的な歪が残り、軽合金鋳造部によりその外周部が覆われるスリーブに不均一な力が作用して該スリーブに悪影響を与えることになる。とりわけ鉄製(鋳鉄製)等のスリーブがシリンダブロックに一体的に鋳込まれたものにおいては、その影響が大きなものであり、スリーブを覆い抱え込む力の不均一は、機関運転時の高熱発生時等にシリンダ孔(シリンダボア)の歪を大きくする恐れがある。
そして、上述した幅広厚肉の鋳造部の存在による悪影響の除去の視点は定かでないが、図6に図示される特許文献2に記載の発明のシリンダブロック01においては、鋳鉄製の鋳込みスリーブ02の外周部に該ブロック01締付のためのボルト孔(ボルト穴)03aないし03dを開口したボス部04aないし04dを設けて、これによりボルト孔03aないし03d周辺部の剛性を確保して、ボルト孔03aないし03dをスリーブ外周部02aに近づけることで結果として幅広肉厚の鋳造部の解消が図られた構造が開示されている。しかしながらこのシリンダブロック01においては、スリーブ02に締付ボルト孔03aないし03dのためのボス部04aないし04dが設けられるという特別な構造のスリーブ02が要求されるものである。
上述したような状況の中で、鉄製(鋳鉄製)鋳込みシリンダスリーブを有するAl合金等軽合金製のシリンダブロックが前提とされて、単純な構造変更でかつ鋳造における作業の良好性が保たれる中で、その鋳造時における鋳込み合金の凝固における時間差が解消され、鋳造における熱的歪がなく鋳込みスリーブを均一な力で抱え込むことができ、かつ内燃機関運転時の高熱発生時においてもシリンダ孔(シリンダボア)が変形しない前記シリンダブロックの開発が待たれている。
本発明は、上述した課題を解決するための内燃機関用シリンダブロックの改良構造に関し、請求項1に係る発明は、鉄製のシリンダスリーブを一体に鋳込んでなる内燃機関用シリンダブロックにおいて、シリンダブロック外側の締付ボルト穴周辺部の幅広厚肉の鋳造部と前記スリーブ外周部近傍の肉厚鋳造部との間を連絡する幅広厚肉の鋳造連絡部に、シリンダブロックの上面部および下面部のそれぞれからシリンダブロックの縦方向に向かって互いに対向する方向に所定の深さまで延伸する肉抜きを設けたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、鉄製のシリンダスリーブを一体に鋳込んでなる内燃機関用シリンダブロックにおいて、シリンダブロック外側の締付ボルト穴周辺部の幅広厚肉の鋳造部と前記スリーブ外周部近傍の肉厚鋳造部との間を連絡する幅広厚肉の鋳造連絡部が設けられ、前記鋳造連絡部は、前記スリーブの中心から径方向外方に指向して延びる線を挟んで左右対称もしくはほぼ対称な形状をもって前記線上に延びており、前記鋳造連絡部に、前記線を跨ぐように肉抜き部が設けられたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の内燃機関用シリンダブロックにおいて、前記シリンダブロックの締付けボルト穴周辺部の幅広厚肉の鋳造部には、前記ボルト穴に沿って、冷却フィンが設けられることを特徴とする。
請求項1に係る発明は、シリンダブロック締付ボルト穴周辺部の幅広厚肉の鋳造部と前記スリーブ外周部近傍の肉厚鋳造部間を連絡する幅広厚肉の鋳造連絡部に肉抜きを設け、さらに、肉抜き孔を、シリンダブロックの上面部および下面部のそれぞれからシリンダブロックの縦方向に向かって互いに対向する方向に所定の深さまで延伸するようにしたから、シリンダスリーブを包み込む該スリーブ周辺部における鋳造部の肉厚の均一化を図ることができ、鋳造時における鋳造部の部分的な凝固時間差を解消して、該鋳造部における凝固の時間差による熱的な歪やヒケの発生を防止することができる。
したがって、スリーブ周辺部のAl鋳造部が該スリーブを抱く力の均一化が図られるので、機関運転における高温時に鋳造部と共に鉄製スリーブが均一に熱膨張するため鉄製スリーブの歪が少なくその変形が抑えられ、結果として、オイルの消費やブローバイガス量の減少を図ることができ、また、ピストンのスラップ音等の発生が抑制される。
請求項2に係る発明は、鋳造連絡部は、前記スリーブの中心から径方向外方に指向して延びる線を挟んで左右対称もしくはほぼ対称な形状をもって前記線上に延びており、前記鋳造連絡部に、前記線を跨ぐように肉抜き部が設けられたことにより、単純な肉抜き構造の採用により鋳造における作業性を損なうことなく、鋳造部の凝固の時間差を解消することができる。
請求項3に係る発明は、ボルト穴に沿って冷却フィンが設けられることにより冷却効果が向上する。
Fc製シリンダスリーブがAl合金鋳造部に鋳込まれる内燃機関のシリンダブロックにおいて実施される。
図に基づいて本発明の実施例1について説明する。
先ず、本実施例においてその改良の対象とされるシリンダブロック部10の構造と、その周辺構造について説明することにする。
図1には、内燃機関Eにおけるシリンダブロック部10とその近傍における部分構造が図示されている。
シリンダブロック部10は、図1の図示においてその下部がクランクケース部20に締付けされ、またその上部がシリンダヘッド部30に締付けされ、結局クランクケース部20、シリンダブロック部10およびシリンダヘッド30は互いにスタッドボルトBにより一体的に締付けされている。
クランクケース部20内にはその一部が図示されるクランクシャフト21が軸受22を介して回転可能に支持されており、図1において左方側の軸受としてボールベアリング22aが使用され、右方側の軸受22としてローラベアリング22bが使用される様子が一部図示されている。また、クランクシャフト21のクランクピン21aにはコンロッド23がその大端部23aを介して取付けられ、該コンロッド23aの図示されない小端部にはピストンピンを介してピストンが取付けられ、このピストンは前記シリンダブロック部10に形成されたシリンダ孔2(図2参照)内を往復摺動する。そして、これらの構造は既によく知られたところである。
なお、図1において、クランクシャフト21に取付けられた符号24で示されるものはカムチエーン駆動用のスプロケットであり、また、クランクケース部20からシリンダブロック部10を通過し、さらに、シリンダヘッド部30にかけて延伸する部材25は、カムチエーンガイドである。
図2には、内燃機関Eの上記シリンダブロック部10の肉抜きのための改良が施される前のシリンダブロック1の上下方向中央部における横方向断面図が図示されている。シリンダブロック1はその断面視において、2つの長い側面A1,A2と2つの短い側面B1,B2とを備える略矩形状の外形形状を有しており、その外形形状の輪郭そのものは実質的に該シリンダブロック1を空気冷却するためのフィンFにより形作られている。
冷却フィンFは、図2において図示される断面と実質的に平行な所定間隔で配設される複数の平面において、シリンダブロック1の外周部、すなわちシリンダブロック1の前記長い側面および短い側面からそれぞれ外方へと向って延出する複数枚の横方向フィンF1(図1参照)と、横方向フィンF1に直交して前記ブロック1の外周部、すなわちシリンダブロック1の前記長い側面および短い側面からそれぞれ外方へ向って延出し上下の横方向フィンF1間を連結する複数枚の縦方向フィンF2とからなる。
シリンダブロック1の略中央部にはシリンダ孔1aが形成され、このシリンダ孔1aは、シリンダブロック1をその縦方向において貫通しており、周知のように、また既述のように該孔1aは図示されないピストンの摺動嵌合のために供される孔1aである。そして、シリンダ孔1aと前記シリンダブロック1の略矩形状の外形を形作る一方の短い側面B2との間にも、シリンダブロック1をその縦方向において貫通する開口部1bが形成されており、この開口部1bは図示されないカムチエーンの回転移動のために供される開口部1bである。
ところで、シリンダブロック1はAl合金からなり、鋳造により製造され、鉄製、たとえば、Fc製の横断面が真円である筒状のシリンダスリーブ2が該鋳造に際しAl合金と共に鋳込まれたものであり、シリンダブロック1には、図2に示されるように、また、既述のように、その上下方向における中央部の横方向断面視において、該ブロック1の略中央部で開口するように縦方向略中央部を貫通して、図示されないピストンのためのシリンダ孔1aが設けられるが、そのために前記Fc製のシリンダスリーブ2は前記シリンダブロック1の略中央部に一体的に鋳込まれている。
シリンダスリーブ2の周辺部は、その全面が完全にAl合金の鋳造部により覆われており、シリンダスリーブ2の外周部2aには、該外周部2aの長手方向(縦方向)に等間隔で延伸する複数のリブ状突部2bが設けられており、このリブ状突部2bは鋳造におけるAl合金との鋳込みの強化に寄与するものである。
そして、シリンダスリーブ2のシリンダ孔1aを挟んで互いに対向して配置する2対のボルト穴3a,3cと3b,3dが形成されており、これらのボルト穴3aないし3dはその対をなすもの、すなわち3a,3cと3b,3dが前記シリンダ孔1aを挟んで互いに対称位置に形成され、そして、これら各ボルト穴3aないし3dは、シリンダ孔1aの中心Oを回転軸として互いに略90°に近い角度間隔をなして該中心Oから径方向外方に指向して延びる線L1ないしL4上にそれぞれ形成されている。
これらのボルト穴3aないし3dは、シリンダブロック1を該ブロック1の縦方向において貫通しており、これら4つのボルト穴3aないし3dは、シリンダブロック1を上述した内燃機関Eにおけるシリンダブロック部10としてクランクケース部20およびシリンダブロック30に締付けするためのスタッドボルトBに供されるボルト穴である(図1参照)。
スタッドボルトBによるシリンダブロック1の前記締付けに供される4つのボルト穴3a,3b,3c,3dはその周辺部が、前記ボルトBによる締付けに供されることから、その強度維持と締付けにおける安定度の増大のためにそれぞれ幅広厚肉の鋳造部4aないし4dとされ、この幅広厚肉の鋳造部4aないし4dは、シリンダスリーブ2の外周部2aを直接抱え込む肉厚鋳造部5aないし5dに幅広厚肉の鋳造連絡部6aないし6dを介して連絡されている。
各ボルト穴3aないし3d周辺部の幅広厚肉の鋳造部4aないし4dとシリンダスリーブ外周部2a近傍の肉厚鋳造部5aないし5dとを連絡する幅広厚肉の鋳造連絡部6aないし6dは、図2に図示されるように緩やかな曲線を描いており、結局、これらが連絡されて形成される4つの幅広厚肉の鋳造形成部7aないし7dは、それぞれシリンダスリーブ2の中心Oから径方向外方に指向して延びる前記4つの線L1ないしL4上において該線を挟んで左右対称にもしくは略対称な幅広形状をもって該線L1ないしL4上で延びている。
そして、前記4つの線L1ないしL4上で延びる各幅広厚肉の鋳造形成部7aないし7dのそれぞれの先端部に前記スタッドボルトBの締付ボルト穴3aないし3dが形成されるというものであり、これら4つの線L1ないしL4上で延伸する幅広厚肉の鋳造形成部7aないし7dは図2から理解できるように、シリンダスリーブ2を包み込む他のAl合金鋳造部の幅に比しかなり幅広の鋳造肉厚部を形成している。締付ボルト穴3aないし3dの外側には冷却フィン10aを設けることができる。
本実施例1における改良前のシリンダブロック1は上述の構造であり、本実施例1においては図3に図示されるように、該シリンダブロック1における鋳造時の熱的悪影響の解消を図るために、Fc製のシリンダスリーブ2周辺部を包み込むAl合金鋳造部における肉厚の均一化に視点がおかれた改良が施されるものであり、前記Al合金鋳造部における肉厚の均一化のために以下のようなシリンダブロック1の改良構造が採用される。
すなわち、上述のようにシリンダブロック1には、その前記4つの線L1ないしL4上においてそれぞれ延びる前記幅広厚肉の鋳造形成部7aないし7dが形成されており、この幅広厚肉の鋳造形成部7aないし7dそれぞれの先端部のスタッドボルトB締付ボルト穴3aないし3d周辺部の厚肉鋳造部4aないし4dと、シリンダスリーブ2の外周部2a近傍の鋳造部5aないし5dとの略中間部、つまり、該両者間を連絡する幅広厚肉の鋳造連絡部6aないし6dの略中間部に肉抜き部8aないし8dが形成される。
この肉抜き部8aないし8dは、図1に図示されるように、シリンダブロック1の上面部から、また、下面部からそれぞれシリンダブロック1の縦方向に向かって互いに対向するように所定の深さまで延伸する肉抜き孔9aないし9dとして形成され、肉抜き孔9aないし9dは、その断面形状がやや中央部が括れた瓢箪に類似した形状を呈している(図3参照)。しかしながら、この孔9aないし9dの前記断面形状は一例であって、肉抜き孔9aないし9dの断面形状は勿論この形状に限定されるものではなく、適宜Al合金鋳造部の肉厚の均一化や鋳造における作業性等が考慮されてそのための最適な形状が選択されるものである。
本実施例1においては、Fc製シリンダスリーブ2を包み込む該スリーブ2周辺部のAl合金鋳造部の幅広厚肉の鋳造形成部7aないし7d、すなわち、スタッドボルトBの締付ボルト穴3aないし3d周辺部の幅広厚肉の鋳造部4aないし4dとスリーブ2の外周部2a近傍の鋳造部5aないし5d間を連絡する幅広厚肉の鋳造連絡部6aないし6dに肉抜き孔9aないし9dを形成したので、図2に図示される改良前のシリンダブロック1に比較して、シリンダスリーブ2周辺部におけるAl合金鋳造部の肉厚の均一化を図ることができる。
したがって、シリンダブロック1の鋳造時におけるAl合金鋳造部の肉厚の差によるAl合金凝固における時間差を略完全に解消することができ、前記鋳造における熱的歪の発生を抑え、厚肉の鋳込み部におけるヒケの発生が抑えられ、Al合金の鋳造部がFc製シリンダスリーブ2を抱く力の均一化が図られ、また、機関運転における高温時におけるシリンダ孔1a(シリンダボア)の変形や歪の発生が防止される。
実施例2は、Fc製シリンダスリーブ2を鋳込んだシリンダブロック1におけるAl合金鋳造部の肉抜きの構造において実施例1と異なるものであるが、他の構造部については実質異なることがないので、以下、Fc製シリンダスリーブ2を鋳込んだシリンダブロック1におけるAl合金鋳造部の肉抜き部8aないし8dの構造を中心に図4に基づいて該実施例2の説明を行なうことにする。なお、実施例1における構造部材と実質的に同一の構造部材については同じ符号が使用される。
本実施例2においては、図2に図示される改良前のシリンダブロック1における肉厚均一化のための肉抜き部8aないし8dが、前記4つの線L1ないしL4上における幅広厚肉の鋳造形成部7aないし7d、すなわち、より具体的には、シリンダスリーブ2の外周部2a近傍のAl合金鋳造部5aないし5dとスタッドボルトBの締付ボルト穴3aないし3d周辺部の幅広厚肉の鋳造部4aないし4dとが幅広厚肉の鋳造連絡部6aないし6dにより連絡される幅広厚肉の鋳造形成部7aないし7dにおける肉抜き部8aないし8dである点においては実施例1における肉抜きとは差異のないところである。
この実施例における肉抜きは図4に図示されるように、前記4つの線L1ないしL4上における幅広厚肉の鋳造形成部7aないし7dのスタッドボルトBの締付ボルト穴3aないし3d周辺部の厚肉鋳造部4aないし4dおよび幅広厚肉の連絡鋳造部6aないし6dに対して横方向から肉抜き8aないし8dを施して、これら鋳造部の横幅の拡がりを抑えて該鋳造部のスリム化を図り、シリンダスリーブ2周辺部を包み込むAl合金鋳造部の肉厚のばらつきを可能な限り抑えてその均一化を図るものである。
図4においては、シリンダブロック1の略左半部のみが図示されるに過ぎず、2つの線上L1,L4における幅広厚肉の鋳造形成部7a,7dの肉抜き部8a,8dの様子のみが示されているが、他の図示されないシリンダブロック1右半部の2つの線L2,L3上における幅広厚肉の鋳造形成部7b,7cの肉抜き部8b,8cについても全く同様である。
そして、この肉抜き構造は比較的単純なものであるから、該肉抜きのための鋳造における作業性を損なうことなく、鉄製、すなわちFc製シリンダスリーブ2の周辺を包み込むAl合金鋳造部における肉厚の均一化を容易に達成することができ、実施例1における発明と同様、鋳造における熱的な残留歪のない鉄製シリンダスリーブ2が鋳込まれたシリンダブロック1が容易に得られるものである。
鉄製の部材が一体に鋳込まれた車両用部品等の軽合金鋳造部品への適用が可能である。
本発明の改良技術が施されるシリンダブロックを備える内燃機関の該シリンダブロック周辺構造を示す側断面図である。 本発明の改良前のシリンダブロック横断面構造を示す主要図である。 本発明の改良が施されたシリンダブロック横断面構造を示す主要図である。(実施例1) 本発明の別の改良が施されたシリンダブロック横断面構造を示す主要図である。(実施例2) 従来のシリンダブロックを示す図であり、シリンダブロックの上面図である。 従来の別のシリンダブロックを示す図であり、シリンダブロックの上面図である。 従来の一般的なシリンダブロックを示す斜視図である。
符号の説明
1・・・シリンダブロック、1a・・・シリンダ孔、1b・・・カムチエーンのための開口部、2・・・シリンダスリーブ、2a・・・スリーブ外周部、2b・・・突状部、3a,3b,3c,3d、・・・締付ボルト穴、4a,4b,4c,4d・・・ボルト穴周辺部の幅広厚肉の鋳造部、5a,5b,5c,5d・・・スリーブ外周部近傍の肉厚鋳造部、6a,6b,6c,6d・・・幅広厚肉の鋳造連絡部、7a,7b,7c,7d・・・幅広厚肉の鋳造形成部、8a,8b,8c,8d・・・肉抜き部、9a,9b,9c,9d・・・肉抜き孔、10・・・シリンダブロック部、20・・・クランクケース部、21・・・クランクシャフト、21a・・・クランクピン、22・・・軸受、22a・・・ボールベアリング、22b・・・ローラベアリング、23・・・コンロッド、23a・・・コンロッド大端部、24・・・カムチエーン駆動用スプロケット、25・・・チエーンガイド、30・・・シリンダヘッド部、40・・・シリンダヘッドカバー、A1,A2・・・長い側面、B・・・スタッドボルト、B1,B2・・・短い側面、E・・・内燃機関、F,F1,F2・・・冷却フィン、L1,L2,L3,L4・・・線。

Claims (3)

  1. 鉄製のシリンダスリーブを一体に鋳込んでなる内燃機関用シリンダブロックにおいて、
    シリンダブロック外側の締付ボルト穴周辺部の幅広厚肉の鋳造部と前記スリーブ外周部近傍の肉厚鋳造部との間を連絡する幅広厚肉の鋳造連絡部に、シリンダブロックの上面部および下面部のそれぞれからシリンダブロックの縦方向に向かって互いに対向する方向に所定の深さまで延伸する肉抜きを設けたことを特徴とする内燃機関用シリンダブロック。
  2. 鉄製のシリンダスリーブを一体に鋳込んでなる内燃機関用シリンダブロックにおいて、
    シリンダブロック外側の締付ボルト穴周辺部の幅広厚肉の鋳造部と前記スリーブ外周部近傍の肉厚鋳造部との間を連絡する幅広厚肉の鋳造連絡部が設けられ、前記鋳造連絡部は、前記スリーブの中心から径方向外方に指向して延びる線を挟んで左右対称もしくはほぼ対称な形状をもって前記線上に延びており、
    前記鋳造連絡部に、前記線を跨ぐように肉抜き部が設けられ
    たことを特徴とする内燃機関用シリンダブロック。
  3. 前記シリンダブロックの締付けボルト穴周辺部の幅広厚肉の鋳造部には、前記ボルト穴に沿って、冷却フィンが設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関用シリンダブロック。
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