JP4087114B2 - B型肝炎及び肝硬変治療組成物 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、黄栢皮とオミナエシ(敗醤)との混合抽出物からなるB型肝炎及び肝硬変治療に効果のある医薬組成物に関し、より詳しくは、黄栢皮(Phellodendron amurense RUPRCHT cortex)とオミナエシ(Patrinia scabiosaefllia FISCH.)との混合抽出物を有効成分とするB型肝炎ウィルス活性及び肝硬変治療に効果のある物質で抗ウィルス効果、免疫増強作用、繊維化した肝細胞を再生させる効果を奏する医薬組成物とその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
B型肝炎ウィルス(HBV)は、DNAウィルスであるにも拘わらず、変異し易いウィルスである。HBVゲノムは、約3.2kbの二本鎖環状(double strand circular)DNAであり、極めて圧縮された構造となっている。オープンリーディングフレーム(ORF)は、それぞれ一つのORFが他のORFと全体的に、或いは一部分が重なり合い、それぞれ異なる遺伝情報を保持するように巧妙に作られている。HBVは、他のDNAウィルスとは異なって、感染された細胞内で複製(replication)される時、逆転写(reverse transcription)過程を経由する。即ち、元のゲノムの長さより長い3.5kbのプレゲノム(pregenome)と呼ばれる複製中間体を作り出し、ウィルス自体の逆転写酵素/DNA活性による二本鎖DNAを複製する。
【0003】
このような複製様式は、DNA鎖をそのまま複製する通常のDNAウィルスとの異なって、先ず宿主の逆転写酵素によりDNA鎖からRNA鎖に転写され、ウィルス固有のRNAポリメラーゼにより反応が進められる。そのため、HBVは、DNAウィルスでありながらも、一般のRNAウィルスに匹敵するほどの高い変異性を示す。HBV遺伝子の変異は任意に起こるが、増殖速度と頻度が一定である。
【0004】
一方、宿主側でもHBV由来の蛋白質に対し体液性及び細胞性免疫反応を示すため、そのような反応から残存したウィルスの変異が持続的に起こる。逆転写酵素活性を有するHBVのDNAポリメラーゼがプレゲノムRNAを逆転写し、ウィルスDNAを複製している。一連の複製は、宿主染色体とは独立して行われる。しかし、ウィルスDNAの一部は、宿主の染色体に入り込むことが明らかになった。HBV DNAが宿主の染色体に入り込むと、遺伝子が不安定となり、そこから発現するX蛋白質により宿主細胞の転写が促進し、P53遺伝子機能が低下する可能性が高い。かかる状況が持続的に進むと、肝細胞がんに発展しかねない。
【0005】
原発性肝細胞がんの多くは、ウィルス性肝炎から始まる。肝炎ウィルス種は、A型からE型の5種であったが、最近、ウィルス遺伝子がクローニングされ、G型を合わせて6種が知られているが、このうち、疫学的に肝臓の発がんとの関係が指摘されているものはB型肝炎ウィルス(HBV)とC型肝炎ウィルス(HCV)の2種である。HBVの外皮は、ウィルス粒子表面に露出されており、宿主の免疫系と直接関係する部分である。
【0006】
それで、宿主の免疫反応から離脱し、存続するために、HBVは、表面抗原の構造を変化させている。抗原構造の変化は様々に起こり、病気の進展や持続感染を決める重要な因子となっている。ウィルスに対する宿主の免疫反応が適切でないかT細胞の機能欠如、ステロイドのような内分泌機能、薬物などの要因により急性肝炎から慢性肝炎に発展する。
【0007】
肝炎の症状が6ヶ月以上持続し、生化学的検査と血清学的検査の改善がないと慢性肝炎と呼ぶ。慢性肝炎は、更に慢性持続性肝炎と慢性活動性肝炎とに分けられ、そのうちの慢性活動性肝炎は、肝組織の損傷が漸進的に進み、肝硬変、肝機能不全、致死に至るようになる。B型やC型肝炎ウィルスによる慢性肝炎は、肝硬変に罹患する割合が高く、ここから更に進展すると肝細胞がんに発展する。肝硬変の原因は様々で、ウィルス感染、寄生虫、後天性梅毒、飲酒、薬物や化学物質の毒性、胆管閉鎖、鬱血、血色素症、ウィルソン病などである。
【0008】
種々の原因により肝硬変に進むと、肝実質組織細胞が損失し、血管湾曲を伴う網状組織の崩れと繊維組織の増殖、そして残留肝細胞の増殖と広範囲に分布した結合組織の増殖が起こり、漸進的に萎縮する。肝蛭が増殖する一方、実質には壊死と再生が起こる肝は、正常的な構造を失い、蘇葉が結合組織の増殖により分割するか、または合併などにより改築する。この改築は、門脈における中心静脈の血流路を妨害するため、循環障害を起こして門脈圧亢進症を誘発して腹水、側副循環(食道静脈瘤または臍静脈の拡張により、いわゆるメズサの頭を形成する)、脾腫などを引き起こす。HBV陽性の肝硬変結節は、増殖パターンが緊密な細胞で構成され、前がん状態とみなし得る段階で既にクローンのような細胞群が存在することが見られる。しかし、この状態では、がんの始発(initiation)に係る遺伝子の異常はない。
【0009】
HBVによるB型慢性肝炎の治療に使用されている薬剤としては、作用機序によって抗ウィルス製剤と免疫増強剤とがある。抗ウィルス製剤としては、Ara−A、Ara−Amp、アシクロビル、スラミンなどがある。B型慢性肝炎に対する新しい治療法として、最近、ラミブジン(lamivudine、3TC)が臨床試験に使用されている。ラミブジンは、ヘキサン誘導体としての経口抗ウィルス剤であり、HIV(後天性免疫欠乏症ウィルス)の逆転写酵素の活性を特異的に阻害し、AIDS治療剤として1995年から欧米で使用されてきた。ラミブジンは、最初にジエンスタス(Dienstas)などによりB型慢性肝炎患者に試験的に使用されたところ、投与中にHBV DNAが陰性化し、19%の患者でALT値が正常化して、持続的な血中HBV DNAの陰性化が認められた。しかし、ラミブジンは、薬物自体の毒性のため、長期間使用し難いという短所があり、薬の服用を中止すると、抑えられていたウィルスの増殖が継続し、元の状態に戻ってしまう。最近、6ヶ月〜12ヶ月の長期間のラミブジン投与に対する抵抗性を示した患者から、この薬物に対して耐性を示すHBV変異種が出現するという事実が明らかになった。
【0010】
免疫増強剤のインターフェロンもB型肝炎治療に使用しているが、その有効性は極めて少ない。しかし、3ヶ月乃至6ヶ月間の投与が標準となっており、長期間の投与時により有用な結果が予想されるが、副作用が大きく、薬物投与を中断すると、ウィルスの増殖が再び増加して元の状態に戻ってしまう。B型慢性肝炎の治療に当たって、ALT値の改善と同時にHBe抗原の陰性化が治療の指標となる。しかし、そのうちには、血中のHBe抗原が陰性であるにも拘わらず、活動性肝炎の状態が継続する場合もある。
【0011】
ところが、現在まで知られている如何なる医療的方法においても、肝硬変に対する実質的な治療方法は知られていない実情である。
【0012】
そこで、本発明の目的は、B型慢性肝炎に治療効果を示す組成物を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、肝硬変に治療効果を示す組成物を提供することである。
【0014】
本発明のまた他の目的は、抗体の力価の増加とT細胞の増殖に効果を奏する組成物を提供することである。
【0015】
本発明の更なる目的は、B型肝炎治療用組成物を製造する方法を提供することである。
【0016】
このような本発明の目的は、黄栢皮とオミナエシとの混合抽出物を治療的有効量含有するB型肝炎治療用組成物により達成することができる。また、本発明により黄栢皮とオミナエシとの混合抽出物を治療的有効量含有する組成物は、肝硬変治療用組成物として有用であり、抗体生成時に力価の増加及びT細胞の増殖効果を有する医薬組成物として有用である。
【0017】
本発明に使用されるオミナエシは、一名を敗醤とも呼ばれており、オミナエシ(Patrinia scabiosaefolia FISCH.)、オトコエシ(白花敗醤;Patrinia villosa JUSS.)、チシマキンレイカ(イワ敗醤;Patrinia sibirica JUSS.)などの種類がある。オミナエシは、韓国を始めとして世界各地の温帯地方の山野で自生する多年生の草本植物である。全草を使用し、漢方では、眼疾患、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogens)、浮腫、帯下症などの消炎に用いる。
【0018】
また、オミナエシの熱抽出物は、 抗腫瘍効果(例えば、子宮がん、食道がん、胃がん、腸がん、肺がんなど)があるということが報告されたところがあり、試験管内の試験で黄色ぶどう状球菌、連鎖球菌などの発育を強力に抑える。そして、損傷された肝細胞の再生能を有しているためその変性を防止し、門脈の循環を改善して肝細胞の再生を促進する効果を奏するものとして知られている。中枢神経系にも作用して神経を安定させ、強力な鎮痛効果を示し、血圧降下効果と抗利尿(antidiuretic)効果を有するものとして知られている。
【0019】
オミナエシの根には、精油、多様なサポニン、炭水化物及びキューマリン(cumarin)のような微量のアルカロイドが入っている。根の真皮層には、酢酸、ホルム酸、吉草酸などがあり、カチニン(Chatinine)及びバレリアニン(valerianine)などのアルカロイドが含有されている。このうちで吉草酸(valeric acid)は、非常に強力な鎮痛効果を有するものとして知られている。乾燥された種子には、19.4〜19.9%の蛋白質と30〜34.4%の脂肪が含有されている。しかし、未だオミナエシの活性成分やそれによる薬理効果に対する具体的な研究がなされていない。
【0020】
本発明に使用されるさらに異なる植物である黄栢皮は、日本、韓国、中国などで自生するオオバキハダあるいは黄栢木の幹の皮であり、黄栢木の代表的なものは、キハダ(Phellodendron amurense RUPRECHT)である。その変種としては、ラチホリオラトムナカイカワモト、ジャポニカムオイ、フェロデンドロンインシュラルナカイ、フェロデンドロンモレナカイ、フェロデンドロンサカリネンスサルジェンドなどがある。黄栢皮には、黄色あるいは黄褐色の色素物質と数種のアルカロイド成分が1.5〜4.5%含まれている。アルカロイドの主成分は、ベルベリン(berberine)である。その他に、パルマチン(palmatine)、マグノフロリン(magnoflorine)、グアニジン(guanidine)、ジャテオリジン(jateorrizine)、フェロデンドリン(phellodendrine)、カンジシン(candicine)、メニスぺリン(menisperine)などが含まれており、苦味質としては、オウバクノン(obakunone)及びオウバクラクトン(obakulactone)、β−シトステロール(β−sitosterol)などが含まれているものとして知られている。これら成分は、強い抗菌作用、血圧降下作用、中枢神経抑制作用、アセチルコリン増強作用及び抗炎作用があって、本草綱目や薬学では、骨疾患及び黄疸に使用された。更に、腸チフス、コレラにも効果があり、健胃、整腸にも効果的である。一方、これらの樹皮は、苦味健胃剤、整腸剤消炎性収斂薬として胃腸炎、腹痛、黄疸などにも使用されてきた。
【0021】
本発明は、生薬剤であって、B型肝炎ウィルスを減少させるのみならず、肝硬変に対しても効果を示す重要な特徴を有する。オミナエシと黄栢皮との混合抽出物を用いた本発明の組成物は、B型肝炎ウィルスの感染による肝炎に対して直接的な抗ウィルス効果を示すと同時に炎症を治療し、宿主の免疫体系のうちのTヘルパー細胞(helper cells)を強化させる効果がある。また、繊維化した肝組織のうちの肝細胞の再生を通じて肝細胞内の中心静脈を回復させることにより、肝硬変に対する治療効果を示す。
【0022】
本発明による組成物は、黄栢皮とオミナエシとの混合抽出物を治療的有効量含有する。ここで、混合抽出物は、黄栢皮とオミナエシとを混合してこれらを抽出することも可能であり、黄栢皮の抽出物とオミナエシの抽出物とを混合してもよい。
【0023】
本発明は、これら2種の植物の抽出物が混合された状態における相乗効果により卓越した治療効果を示すため、これら2種の植物の黄栢皮とオミナエシの組成比は、2:5ないし5:2の重量比の範囲にするのが好ましい。この範囲でこれらの2種の植物の有効成分の抽出物が混合される時、本発明の抗ウィルス、肝硬変及び免疫増強の効果を極大化させることができる。
【0024】
本発明の組成物は、直接的なanti−HBV効果を有すると同時にT細胞が関与する免疫体系を強化させることにより、B型肝炎に対する治療効果が高く、繊維化した肝細胞を再生させる効果がありながら毒性は極めて低く、最も理想的な薬物として評価される。
【0025】
本発明の他の特徴により、黄栢皮とオミナエシを水性溶媒で混合抽出して濾過し;濾液を高圧下で飽和させ、生成された凝固蛋白質の沈殿物を遠心分離して除去し;濾液に有機溶媒を加えて有機溶媒−可溶性物質を除去した後、水層を分離して乾燥させるステップ;を含む医薬組成物の製造方法が提供される。
【0026】
本発明の組成物において有効成分として使用される黄栢皮とオミナエシの総抽出物は、オミナエシと黄栢皮とを1:1(重量比)に混合して粉末化した後、上水または蒸留水を使用して高圧下で加熱抽出した後、抽出物を遠心分離して沈殿物を除去し、この抽出物は、再び高圧下で沸かして残存する蛋白質を凝固させた後、濾過して除去する。濾液を再び蒸気圧下で飽和させて残存の蛋白質を凝固させ、遠心分離して沈殿物を除去した後に濾過する。濾液に溶媒、例えばクロロホルムとヘキサンを加えて濾液に溶解された状態で残存する樹脂、繊維質などの溶媒で抽出できる全ての抽出物を除去した後に、水層をタルクなどを用いて精製し、凍結乾燥させて総抽出物の粉末を収得する。
【0027】
前記のような方法により収得した本発明による混合抽出物は、治療学的有効量を単独であるいは薬剤学的に許容される担体と共に適する薬剤学的組成物の形態に剤形化し、経口投与するか注射することによりB型肝炎及び肝硬変に対する治療剤として使用することができる。
【0028】
本発明による混合抽出物の有効量の範囲は、目的とする効果が何かに応じて異なり得るが、一般には、成人に対する経口投与の場合、体重1kg当り一日に5ないし50mg、好ましくは、10ないし40mgの用量を投与することができる。更に、本発明による抽出物は、必要に応じて肝炎治療剤、抗炎症剤、抗ウィルス剤などのような薬剤と配合あるいは併用することができる。本発明による組成物と併用できる薬剤としては、DDB(ジフェニルジメチルジカルボキシレート(diphenyl dimethyl dicarboxylate))やニンニク油(galic oil)、グリチルリチン、シリマリンなどを挙げることができる。
【0029】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、実施例及び実験例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、これらは単に本発明を説明するために提供されるものであり、本発明がこれらによって何ら限定されるものではない。
【0030】
実施例1:混合抽出物の製造
乾燥した黄栢皮(Phellodendron amurense RUPRECHT)とオミナエシ(Patrinia scabiosaefolia FISCH.)とを重量基準で1:1に混合して粉砕機で粉砕した。この混合粉末から100gを分取し、ここに蒸留水3,000mlを加えて高圧下で50分間飽和抽出した後、抽出液は分取し、残渣は除去した。抽出液は遠心分離して沈殿物を除去し、水液は濾過した後に全量が1,500mlになるように濃縮し濾過した。更に高圧(121℃、15pound/in a2)下で15分間飽和させ生成された凝固物質、特に蛋白質を含む沈殿物を遠心分離して除去した後に濾過した。濾液を分液漏斗に入れ、クロロホルム400mlを加えて樹脂及び繊維質などを溶出させてクロロホルム層を分離除去した。このような方法を2回繰り返した後、水層に再びn−ヘキサン200mlを加えて残存する蛋白質、樹脂、繊維質及びn−ヘキサン可溶性物質などを溶出させた。水層を回収して60ないし80℃で加温した後にタルク500gを加えて攪拌した。これを再び減圧濾過してタルクを除去し、濾液は再び徐々に濾過し、該濾液を凍結乾燥させて粉末化した。この方法によって黄栢皮とオミナエシとの混合物より約15%の歩留まり(乾燥重量基準)で混合抽出物約15gを収得した。
【0031】
実施例2:アルコールによる抽出物の製造
乾燥した黄栢皮とオミナエシとを重量基準で1:1に混合したものを粉砕機で粉砕した粉末100gを分取し、ここに70%メタノール1,500mlを加えて度々攪拌しながら60時間放置した後、これを減圧濾過し、残渣を除去してアルコール抽出物を収得した。還流冷却装置を用いてアルコールを回収し、残留するアルコール抽出物に蒸留水1,000mlを加えて混合し、水溶化するために100℃で5分間加熱した。この混濁抽出物に適量のタルクを加えて攪拌した後、減圧濾過して1次精製した。精製された濾液を分液漏斗に入れ、クロロホルム300mlを加えて樹脂及び繊維質などを溶出させ、クロロホルム層を分離除去した後、水層に再びn−ヘキサン200mlを加えて残存する蛋白質、樹脂、繊維質及びn−ヘキサン可溶性物質などを溶出させた。水層を回収して60〜80℃で加温した後に再び適量のタルクを加えて攪拌した後、減圧濾過してタルクを除去し、濾液を再び徐々に濾過させた後、凍結乾燥させて粉末化した。この方法によって黄栢皮とオミナエシとの混合抽出物より約10%の歩留まり(乾燥重量基準)で混合抽出物約10gを収得した。
【0032】
組成例1:錠剤
実施例1で製造された本発明の凍結乾燥された粉末状の混合抽出物250mgを賦形剤直打用ラクトース260mgとアビセル(微細結晶セルロース)35mg、崩壊助剤であるナトリウム澱粉グリコネート(glyconate)15mg、結合剤である直打用L−HPC(Low−hydroxyprophylcellulose)80mgを掻き混ぜてU型混合機に入れて20分間混合した。混合完了後、滑沢剤であるマグネシウムステアレート10mgを更に加えて3分間混合した。定量試験と耐湿性試験を経て打錠しフィルムコーティングして、1錠当り混合抽出物250mgを含有する錠剤を製造した。
【0033】
組成例2:シロップ剤
一定量の水に適当量の白糖を溶解させ、そこに保存剤としてパラオキシメチルベンゾエート80mg及びパラ−オキシプロピルベンゾエート16mgを加え、実施例1で製造された本発明の凍結乾燥された粉末状の混合抽出物4.5gを入れ、60℃に維持しながら完全に溶解させた後、冷却させ、蒸留水を加えて150mlにつくってシロップ剤を製造した。
【0034】
組成例3:カプセル剤
実施例1で製造された本発明の凍結乾燥された粉末状の混合抽出物500mgを硬質ゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。
【0035】
組成例4:飲料
実施例1で製造された本発明の凍結乾燥された粉末状の混合抽出物500mgを適当量の水に溶解させた後に補助成分としてビタミンC、矯味剤としてクエン酸、クエン酸ナトリウム、高果糖を適当量加え、保存剤として適当量の安息香酸ナトリウムを加えた後に水を加え、全量を100mlにつくって飲料用組成物を製造した。
【0036】
組成例5:注射剤
実施例1で製造された本発明の凍結乾燥された粉末状の混合抽出物200mgを1%のポリオキシエチレン水素化ヒマシ油を含有する生理食塩水200mgに加熱溶解させ、混合抽出物を0.1%の濃度含有する注射製剤を製造した。
【0037】
臨床例1:本発明の組成物をB型肝炎患者に投与
実施例1で製造された本発明の組成物を含むカプセルを38才の男子の慢性的なB型肝炎患者に1日に2回2カプセルずつ経口投与した。その結果を図1に示す。図1は、anti−HBV抗体をRIA(放射性同位元素分析)方法にて調査した結果であって、本発明のB型肝炎に対する治療効果を示す(図1a:HBe抗原、図1b:HBs抗原)。
【0038】
臨床例2:B型慢性肝炎患者に対する投与
B型慢性肝炎と診断された36才の男性患者に本発明の組成物カプセルを1日に2回2カプセルずつ(1日に2,000mg)11ヶ月間経口投与した結果、B型肝炎ウィルスに対する抗体が生成され、HBe抗原とHBs抗原のいずれもが殆どなくなり、抗原力価(antigen titer)が0近くに落ちるか減少することを見ることができる。臨床例2(図2a、図2b)の場合には、B型慢性肝炎であり、治療前に抗原が多く検出されたが、本発明の組成物を投与した結果、HBe抗原に対する抗体が生成され、HBe抗原が減少し、これと同様にHBs抗原も減少して6ヶ月後は、0近くに落ちたことが観察された。
【0039】
臨床例3
HBVによる慢性肝炎患者(34才、男子)に本発明の組成物カプセルを1日に2回2カプセルずつ(1日に2,000mg)8ヶ月間経口投与した。その結果を図3a及び図3bに示す。この図面から、HBVに対する抗原値が0近くに落ちたことが分かる。
【0040】
これらの臨床例の結果からみて、本発明の組成物は、B型肝炎治療に卓越した効果を奏することが分かる。
【0041】
実験例1:本発明品の肝硬変に対する治療効果
本発明による組成物の肝硬変に対する効果を調査するために、白鼠を対象にしてDMN(N−ニトロソジメチルアミン)40mg/kgを腹腔内に1回注射して肝硬変を誘発した。DMNは、人間の肝硬変と最も類似する組織の変化をもたらす物質であって、肝硬変実験に多く使用されるモデルである。
【0042】
24匹の白鼠を6匹ずつ4つの群に分け、1群は対照群、2群には、DMN40mg/kgだけを投与し、3群には、DMN40mg/kgを投与し、更に本発明の組成物を150mg/kg用量で2週間にかけて投与し、4群には、DMN40mg/kgを投与し、更に本発明品を500mg/kg用量で2週間投与した。対照群とDMNだけを投与した群には、生理食塩水を同一期間投与した。
【0043】
2週後、全ての動物を犠牲して血液を採取し、肝を摘出して4%のホルマリン溶液に固定した。血液からは、ALT、AST、ビリルビン、アルブミンなどの指標を調査し、肝組織は、病変の進行過程による組織のモルフォロジーを観察するために、硝子質変性(hyaline degeneration)、繊維素(fibrin)などのような病的産物に染色されるAZAN染色を施して顕微鏡下で観察した。
【0044】
AZAN(アゾカルミン)染色を施すために、媒染剤(mordant:10%重クロム酸カリウム(K2Cr2O7)水溶液50ml+10%トリクロロアセト酸(CCl2COOH)水溶液50ml)に浸漬した後、アゾカルミン溶液で高温下で処理した。染色後、冷ましてアニリン−アルコール溶液で核が明らかに区別できるまで分別し、酢酸−アルコールにて停止させた。アニリンブルー−オレンジG溶液で処理した後、100%エタノールで分別及び脱水させ、封じ込んでスライドを完成した。
【0045】
顕微鏡下で検査した結果を図4に示す。図4−1は、正常的な肝組織であって、中心静脈がはっきりと見える。図4−2は、DMNを与えて肝硬変を誘発したものであって、繊維化された肝組織が青い色を示す。図4−3は、本発明の組成物150mg/kgを投与した時、肝硬変の程度が緩和して青い色に染色された部分が減少した。図4−4は、本発明品500mg/kgを投与した時、繊維化した部分がほぼ正常に戻ったことが観察できる。中心静脈も徐々に回復していく様子を示した。
【0046】
以上の結果から、本発明の組成物が繊維化した肝細胞の再生能力があり、肝硬変に対する治療効果があることが明らかに立証された。
【0047】
実験例2:本発明による組成物の構成成分である黄栢皮とオミナエシの単独抽出物と本発明の組成物の免疫増強効果の比較(生体内でのT細胞依存性抗体生成反応に対する上昇効果)
体重が17〜20g程度のBalb/cマウス25匹を各群当り5匹ずつ5群に分け、SRBC(ヒツジ赤血球)2.4×108細胞を腹腔内に移植し、本発明の組成物の構成物質である黄栢皮とオミナエシのそれぞれの抽出物及び本発明の組成物粉末を水に溶かし、移植初日から3日間、体重1kg当り3〜100mgの量を経口投与した(0、1、2日)。
【0048】
対照群には、生理食塩水を経口投与した。4日後、動物を犠牲させて無菌的に脾臓を摘出した後、組織を細かく切り、メッシュ(mesh)を使用して脾臓細胞を分離し、HBSS(ハンクスの平衡食塩水(Hank’s balanced salt solution))3mlが入っているペトリ皿で注射器のプランジャ(plunger)を利用して細胞を遊離させた。
【0049】
細胞懸濁液を15mlのコニカルチューブに移して5分間放置した後、2mlの上澄液を取り、1200rpmで10分間遠心分離した。上澄液を捨て残留物を再びEBSS2mlに懸濁させた後、EBSSで30倍希釈し、この脾臓細胞希釈液を一回にプラーク形成細胞分析に100μlずつ使用した。かくして収得した脾臓細胞希釈液100μlをEBSSで洗浄したSRBC(25μl、標的細胞)、EBSSで2倍希釈したギニアブタ補体(guinea pig complement 25μl)及びアガロース(EBSS中0.85%、350μl)と混合した後、ペトリ皿に注ぎ固化させて37℃のCO2培養器で約1時間放置した。その後、抗体生成細胞(antibody forming cells)の数は、変形されたジャニプラーク分析方法(modified jerne plaque assay)を使用して測定した。プラーク数及び細胞数を計数し、その結果を、106細胞当り抗体生成細胞の数で示した。
【0050】
その結果、表1に示すように、本発明の組成物を投与した場合の抗体生成細胞の数が、構成成分のそれぞれを投与した場合のそれより遥かに増加したことが分かる。
【0051】
【表1】
【0052】
実験例3:本発明による組成物のT細胞活性化反応に対する効果
本発明による組成物のT細胞活性化反応に対する効果を混合免疫細胞反応法で測定した。主組織適合性遺伝子複合体(MHC:major histocompatibility complex)抗原が相互異なる2種のマウスから免疫細胞を分離して混合すると、相手方の細胞の抗原を認識するT細胞は増殖をする。
【0053】
主組織適合性遺伝子複合体抗原が相互異なるB6C3F1(H−2k)とBDF1(H−2d)の2種のマウスから脾臓を無菌的に摘出し、脾臓細胞を遊離させた。分離した免疫細胞は、2.5×106cell/mlになるように調節した後に96ウェルプレートにそれぞれウェル当り100μlずつ入れ、最終的に200μlにつくった。
【0054】
ここに、本発明の組成物を0.01ないし100μg/mlの濃度で処理した後、37℃、CO2培養器で3日間培養した。培養が終わる18時間前に各ウェル当り1μCiの[3H]チミジンを添加した。自動細胞回収機(automatic cell harvestor)を用いて細胞を収去した後に、[3H]チミジンの吸収程度を測定することにより免疫細胞の増殖程度を測定した。
【0055】
その結果、表2に示したように、本発明品の濃度に応じてT細胞の増殖が増加した。
【0056】
【表2】
【0057】
実験例4:急性毒性実験
正常ICRマウス(♀、19±1g)30匹を1群当り6匹ずつAないしEの5群に分け、最初のA群には体重1kg当り3gを投与することから等差的に量を増加させ、B群には6g、C群には9g、D群には12g及びE群には15gずつそれぞれ経口投与し、ベーレンスカルバー(Behrens−Krber)法(参考文献:高木敬次郎外:薬物実験、南山堂、日本、p131、1960)によって本発明の混合抽出物の経口(p.o.)投与によるLD50値を測定した。LD50(致死量)は、薬物の急性毒性を示す指標となる重要な意味のある数値であって、本発明品の安全度を示すものである。
【0058】
結果は、下記の表3から分かるように、本発明品を体重1kg当り15gを経口投与した群からは1匹の動物も死亡せずLD50値を測定することができなかった。従って、本発明の混合抽出物の経口投与によるLD50値は、15g/kg体重以上であり、本発明品が生体に非常に安全であることを立証する。即ち、本発明の混合抽出物は、毒性の殆どない安全投与できるものであることが明らかに分かる。
【0059】
剖検及び病理組織学的試験方法は、以下の通りである。試験終了の際に全生存動物に対してエーテル麻酔後に放血致死させた後、臓器を摘出して肉眼的に全ての臓器の異常を検査した。病理組織検査のために剖検した全臓器を10%中性ホルマリン溶液に10以上固定させた後、脱水過程を経てパラフィン包埋機(Fisher、Histomatic Tissue Processor、166A)により包埋した後、ロタリーミクロトーム(AO Rotary Microtome)で5μl切片をつくりヘマトキシリン(Hematoxylin)とエオシン(Eosin)染色して観察した。
【0060】
各群の全ての動物を解剖して顕微鏡で調査した病理組織学的所見は、以下の通りである。本発明の組成物をマウス体重1kg当り15gまで投与した時、肝組織における薬物の投与による異常所見は観察されなかった。また、腎臓と心筋細胞、胃腸菅、膵臓、肺臓、脾臓、副腎、脳、睾丸、卵巣、骨髄などにおいても薬物投与による異常所見は観察されず、本発明による組成物をマウスに投与できる最大用量である体重1kg当り15gの投与時にも全臓器に対して急性毒性による副作用がなく、またいかなる毒性も誘発しない安全な薬物であるものと判断される。
【0061】
【表3】
【0062】
実験例5.UV吸光度による本発明の抽出物の特性
本発明のオミナエシと黄栢皮との混合抽出物を紫外線分光光度計(Spectrophotometer;Pharmacia、Ultrospec 2000)とHPLC(HP1090)を使用して調査した結果は、以下の通りである。図5は、オミナエシ抽出物(0.5mg/ml)のUV吸光度検索結果を示すが、282nmで吸光度が上昇する結果を示す。図6は、黄栢皮抽出物(0.25mg/ml)のUV吸光度を測定した結果であるが、黄栢皮抽出物は、278nm、325nmで吸光度が増加する。図7は、本発明のオミナエシと黄栢皮との混合抽出物(0.5mg/ml)のUVスペクトルであって、281nm、316nmで吸光度が増加する結果を示した。
【0063】
実験例6.HPLC(高性能液体クロマトグラフィ)分析による本組成物の特性 本発明のオミナエシと黄栢皮との混合抽出物及びオミナエシと黄栢皮のそれぞれの抽出物をHPLCで分離するために、各抽出物を10mg/mlの濃度で水に溶かした。溶解された抽出物溶液10μlを取り、HPLC(HP1090)を使用して分析した。
【0064】
(分析条件)
カラム:Luna 5u C18;4.6 mm i.d.×250mmL(Phenomenex)
移動相:2%アセト酸とメタノールの勾配システム
流速:1ml/min
検出:フォトジオイドアレイ検出器(photodioid array detector)により254nmで測定
【0065】
繰り返しの実験で各抽出物における特徴的なピークが観察された。図8は、オミナエシ抽出物のHPLCプロフィールであって、オミナエシ抽出物は、上記の分析条件下において、10.245分、12.772分、14.104分、17.087分、18.769分に特徴的なピークが観察された。そのうち、10.952分に示したピークは、3,4−ジヒドロキシ安息香酸で、その含量が0.022%であって、17.087分に示したピークは、クロロゲン酸で、その含量が0.238%であった。18.769分に検出されたピークは、カフェイン酸で、その含量は0.107%であった。同じ条件下において、本発明の組成物をHPLCにて分析した結果は、図9に示したように、オミナエシからの前記の3種の物質が、それぞれ3,4−ジヒドロキシ安息香酸を0.020%、クロロゲン酸を0.270%、カフェイン酸を0.044%含有しており、その他に、17.299分、22.048分、22.449分で特徴的なピークが表れた。
【0066】
黄栢皮抽出物に多量含有されているアルカロイドのベルベリンとパルマチンを分析するために、以下のような条件を使用した。
【0067】
(分析条件)
カラム:Luna 5u C18;4.6 mm i.d.×250mmL(Phenomenex)
移動相:アセトニトリル:水:KH2PO4:SDS=500:500:3.4:1.7
流速:1ml/min
検出:フォトジオイドアレイ検出器により254nmで測定
【0068】
HPLC分析の結果、黄栢皮抽出物には、図10に示したように、パルマチンは、10.629分で検出され、その含量が0.988%、ベルベリンは11.314分で検出され、その含量が1.963%であったが、本発明の組成物では、パルマチンが11.751分で検出され、その含量が0.229%で、ベルベリンは12.650分で検出され、その含量が0.405%であって、混合抽出する時に歩留まりが減少する傾向を示した(図11)。
【0069】
【産業上の利用可能性】
本発明による組成物は、B型肝炎ウィルスを抑制し、肝硬変により繊維化した肝細胞を再生する効果を奏する。特に、副作用がなく、薬物耐性も誘発しないため、長期間投与することもでき、長期間の投与によっても組成物の活性が持続するという特徴がある。従って、B型肝炎及び肝硬変の治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 図1aは、臨床例1(HBe抗原)の治療効果を示すグラフである。
【図1b】 図1bは、臨床例1(HBs抗原)の治療効果を示すグラフである。
【図2a】 図2aは、臨床例2(HBe抗原)の治療効果を示すグラフである。
【図2b】 図2bは、臨床例2(HBs抗原)の治療効果を示すグラフである。
【図3a】 図3aは、臨床例3(HBe抗原)の治療効果を示すグラフである。
【図3b】 図3bは、臨床例3(HBs抗原)の治療効果を示すグラフである。
【図4】 図4aないし4dは、対照群、DMN投与群、DMN+本発明の組成物150mg/kg投与群及びDMN+本発明品500mg/kg投与群に対する肝硬変の治療効果を示す写真である。
【図5】 図5は、オミナエシ抽出物のUV検索図である。
【図6】 図6は、黄栢皮抽出物のUV検索図である。
【図7】 図7は、本発明のオミナエシと黄栢皮との混合抽出物のUV検索図である。
【図8】 図8は、オミナエシ抽出物のHPLC分析図である。
【図9】 図9は、本発明によるオミナエシと黄栢皮との混合抽出物のHPLC分析図である。
【図10】 図10は、黄栢皮抽出物のHPLC分析図である。
【図11】 図11は、本発明によるオミナエシと黄栢皮との混合抽出物のHPLC分析図である。
Claims (4)
- 黄栢皮とオミナエシとの混合抽出物を治療的有効量含有する肝硬変治療用組成物であって、該混合抽出物が、黄栢皮とオミナエシとを混合し、ついで黄栢皮とオミナエシとの混合物を抽出することにより調製される組成物。
- 前記黄栢皮とオミナエシとの混合物における黄栢皮とオミナエシとの重量比が、乾燥重量基準で1:0.2ないし1:5である請求項1記載の組成物。
- 第1項において、黄栢皮とオミナエシとの混合抽出物を成人体重の1kg当り10ないし50mgの量で投与する組成物。
- 第1項において、錠剤、カプセル剤、溶液剤、懸濁剤またはシロップ剤の形態で製剤学的に許容される賦形剤を加えて剤形化した組成物。
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