JP4084544B2 - 半導体基板及び半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン(Si)より形成された下地基板上にIII族窒化物系化合物半導体から成る結晶を成長させることにより、半導体基板を得る方法に関する。また、本発明は、この様な半導体基板を結晶成長基板として製造されるIII族窒化物系化合物半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に、Si基板(下地基板)上に結晶成長した従来の半導体結晶の模式的な断面図を例示する。この結晶成長工程には、MOCVD法が採用された。本図5に例示する様に、従来の技術によりSi基板(下地基板)上に高温成長した半導体結晶(GaN結晶等)には、「反応部」や転位、クラック等が生じている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
転位やクラックは、異種材料間における熱膨張係数差や格子定数差に基づいて発生した応力が作用した結果生じたものであり、この様な結晶成長基板で各種の半導体デバイスを製造した場合、デバイス特性の劣化を引き起こす。
また、例えばシリコン(Si)等から成る下地基板を除去し、成長層のみを残して、独立した基板(結晶)を得ようとする場合、上記の転位やクラック等の作用により、大面積(1cm2以上)のものを得ることは殆ど不可能である。
【0004】
また、目的の半導体基板(半導体結晶A)の結晶成長温度である1000℃〜1150℃付近では、シリコン(Si)と窒化ガリウム(GaN)とが反応し、多結晶のGaN(図中の「反応部」)を形成してしまうことがある。このため、高温の結晶成長過程を経て単結晶のGaN基板を得ることが容易でない等の問題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、比較的安価なシリコン(Si)を下地基板として用いて、クラックや多結晶塊(反応部)のない高品質の半導体結晶を得ることである。また、本発明の更なる目的は、高品質に製造された上記の半導体結晶を結晶成長基板として用いることにより、高品質の半導体デバイスを製造することである。
【0006】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の効果】
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、第1の手段は、横方向結晶成長作用を利用して、シリコン(Si)より形成された下地基板上に組成式が「Al x Ga y In (1-x-y) N(0≦x<1,0<y≦1,x+y≦1)」を満たすIII族窒化物系化合物半導体から成る半導体結晶Aを成長させる、半導体基板の製造工程において、下地基板上に半導体結晶Aよりも融点又は耐熱性が高い、炭化シリコン(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、スピネル(MgAl 2 O 4 )、又はアルミニウム組成比が少なくとも 0. 30以上のAlGaN、AlInN、或いはAlGaInNから成る晶質材料Bより成る反応防止層を成膜する反応防止工程と、化学的又は物理的なエッチングにより、反応防止層が成膜された側の片面に下地基板を露出させずにこの反応防止層から多数の突起部を形成する突起部形成工程と、この突起部の表面の少なくとも一部を半導体結晶Aが結晶成長を開始する最初の成長面とし、この成長面が各々互いに連結されて少なくとも一連の略平面に成長するまで半導体結晶Aを結晶成長させる結晶成長工程とを設けることである。
【0007】
ただし、上記の半導体結晶Aから構成される上記の半導体基板は、単層構造であっても複層構造(多層構造)であっても良い。
また、ここで言う「III族窒化物系化合物半導体」一般には、2元、3元、又は4元の「AlxGayIn(1-x-y)N(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)」成る一般式で表される任意の混晶比の半導体が含まれ、更に、p型或いはn型の不純物が添加された半導体も、本明細書の「III族窒化物系化合物半導体」の範疇とする。
また、上記のIII族元素(Al,Ga,In)の内の一部をボロン(B)やタリウム(Tl)等で置換したり、或いは、窒素(N)の一部をリン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等で置換したりした半導体等もまた、本明細書の「III族窒化物系化合物半導体」の範疇とする。
【0008】
また、上記のp型の不純物としては、例えば、マグネシウム(Mg)や、或いはカルシウム(Ca)等を添加することができる。
また、上記のn型の不純物としては、例えば、シリコン(Si)や、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、或いはゲルマニウム(Ge)等を添加することができる。
また、これらの不純物は、同時に2元素以上を添加しても良いし、同時に両型(p型とn型)を添加しても良い。
【0009】
図1は、本発明の基本概念を例示的に説明する半導体結晶の製造工程における模式的な断面図である。この反応防止層は、Siと窒化ガリウム系の半導体との反応を防止するためのものであり、この様に、下地基板(Si基板)上に窒化ガリウム系の半導体(半導体結晶A)よりも融点又は耐熱性が高い例えばSiCやAlN等より成る反応防止層(晶質材料B)を成膜することにより、窒化ガリウム系の半導体(半導体結晶A)を長時間結晶成長させる場合においても、シリコン界面付近に前記の「反応部」が形成されることが無くなる。晶質材料Bとしては、格子定数が 3.18 Å未満の原子間結合力の比較的強固な耐熱性(融点)の高い安定した材料を選択することが望ましい。
【0010】
また、突起部を多数形成することにより、窒化ガリウム系の半導体(半導体結晶A)は、突起部の平頂部を起点として横方向にも成長する。これにより、反応防止層と窒化ガリウム系の半導体結晶Aとの間の格子定数差に基づく応力が発生し難くなり、応力が大幅に緩和される。
【0011】
また、突起部を多数形成することにより、反応防止層に作用する応力が緩和され、これらの応力は反応防止層に縦方向のクラックを形成する様には働き難くなり、よって、反応防止層には縦方向に貫通したクラックが発生し難くなる。このため、縦方向に貫通したクラックの無い反応防止層で、下地基板(Si基板)と窒化ガリウム系の半導体(半導体結晶A)とを完全に遮断することができるので、上記の様な「反応部」の発生をより確実に防止することができる。
【0012】
また、例えば、上記の様な突起部を形成することにより、反応防止層と半導体基板(即ち、所望の半導体結晶層A)との接触部位が狭く限定されるため、両者の格子定数差に基づく歪が大きくなり難く、「下地基板と半導体基板の間の格子定数差に基づく応力」が緩和される。このため、半導体基板(所望の半導体結晶A)が結晶成長する際に、成長中の半導体基板に働く不要な応力が抑制されて転位やクラックの発生密度が低減される。
即ち、以上の応力緩和作用により、窒化ガリウム系の半導体(半導体結晶A)には転位が発生し難くなり、また、クラックの発生密度も格段に削減できる。
【0013】
以上の作用と相乗効果により、上記の「反応部」やクラックの無い、転位密度の十分抑制された高品質の半導体基板(半導体結晶A)を得ることが可能又は容易となる。
【0014】
尚、本図におけるバッファ層Cは、必要に応じて挿入する形態を採れば良いものであって、本発明を実施する上でこの様なバッファ層は、必ずしも必要となる構成要素ではない。即ち、バッファ層を設けない場合においても本発明の作用・効果を一定以上に得ることが可能である。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
また、第2の手段は、上記の第1の手段において、成長面を横方向に成長させて各々互いに連結させることにより、突起部間に、半導体結晶Aが積層されていない空洞を形成することである。
この様な空洞は、大きくできる程望ましいが、余り大き過ぎると連結後に略平面状の成長面が得られ難くなる場合があるため、注意を要する。また、小さ過ぎると、横方向成長による応力緩和作用も小さくなるため、注意を要する。
【0019】
また、第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、突起部間の反応防止層の谷部における膜厚を0.1μm以上、2μm以下に形成することである。
【0020】
この厚さが薄過ぎると、膜厚にはムラが伴うため、或いは、反応防止層を形成する上記の晶質材料Bも十分には安定な物質ではないため、ガリウム(Ga)若しくは窒化ガリウム(GaN)とシリコン(Si)とを完全には遮断することができなくなる。従って、これらの反応に基づく「反応部(多結晶のGaN)」の形成を防止する効果が十分には得られなくなる。
【0021】
また、反応防止層の谷部における膜厚が厚過ぎると、反応防止層の谷部にクラックが入り易くなり、ガリウム(Ga)若しくは窒化ガリウム(GaN)とシリコン(Si)とを完全には遮断することができなくなる。従って、これらの反応に基づく「反応部」の形成を防止する効果が十分には得られなくなる。
また、反応防止層の谷部における膜厚が厚過ぎると、その分だけ反応防止層の積層時間や積層材料が余計に必要となるので、生産コスト等の面でも望ましくない。
【0022】
また、第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段の突起部形成工程において、突起部の縦方向の高さを0.5μm以上、20μm以下に形成することである。より望ましくは、突起部の縦方向の高さは1μm以上、5μm以下が良い。
【0023】
この突起部が低過ぎると、前記の空洞が小さくなったり、半導体結晶Aの横方向成長が不十分となったりして、応力緩和作用が不十分となり望ましくない。また、この突起部が高過ぎると、その分だけ反応防止層の積層時間やエッチング時間、或いは積層材料等が余計に必要となるので、生産コスト等の面で望ましくない。
【0024】
また、第5の手段は、上記の第1乃至第4の何れか1つの手段の突起部形成工程において、突起部の横方向の太さ、幅、又は直径を0.1μm以上、10μm以下に形成することである。より望ましくは、結晶成長の実施条件にも依存するが、突起部の横方向の太さ、幅、又は直径は、0.5〜5μm程度が良い。
【0025】
この太さが太過ぎると、格子定数差に基づいて半導体基板(成長層)に働く応力の影響が大きくなり、半導体基板の転位数が増加し易くなる。また、細過ぎると、突起部自身の形成が困難となるか、或いは、突起部の頭頂部の結晶成長速度bが遅くなり、望ましくない。
【0026】
また、第6の手段は、上記の第1乃至第5の何れか1つの手段において、半導体結晶Aと下地基板とを冷却または加熱することにより、半導体結晶Aと下地基板との熱膨張係数差に基づく応力を発生させ、この応力を利用して突起部を破断することにより半導体結晶Aと下地基板とを分離する分離工程を設けることである。
【0027】
例えば、図1に例示する様に、多数の突起部を有する下地基板上にIII族窒化物系化合物より成る半導体基板(半導体結晶A)を成長させる場合、突起部の大きさや配置間隔や結晶成長諸条件等を調整することにより、各突起部間(突起部の側方)に、半導体結晶Aが積層されていない「空洞」が形成可能である。このため、突起部の高さに比して半導体基板(半導体結晶A)を十分に厚くすれば、内部応力または外部応力がこの突起部に集中的に作用し易くなる。その結果、特にこれらの応力は、突起部に対する剪断応力等として作用し、この応力が大きくなった時に、突起部が破断する。
従って、この応力を利用すれば、容易に下地基板と半導体基板とを分離(剥離)することが可能となる。また、上記の「空洞」が大きく形成される程、突起部に応力(剪断応力)が集中し易くなる。
即ち、上記の第6の手段によれば、上記の応力を容易に生成することができるため、半導体結晶Aと下地基板とを容易に分離することができる。
【0028】
尚、下地基板と半導体基板とを分離(剥離)する際に、下地基板側に半導体基板の一部が残っても良いし、或いは、半導体基板側に下地基板の一部(例:突起部の破断残骸)が残っても良い。即ち、上記の分離工程は、これらの材料の一部の残骸を皆無とする様な各材料の完全な分離を前提(必要条件)とするものではない。
この様な破断残骸等の除去は、必要に応じてラッピングやエッチング等の周知の手段を用いて実施することもできる。
【0029】
また、第7の手段は、上記の第1乃至第6の何れか1つの手段の結晶成長工程において、半導体結晶Aを50μm以上積層することである。
この厚さが厚い程、半導体基板(半導体結晶A)に対する引っ張り応力が緩和されて、半導体基板の転位やクラックの発生密度を減少でき、同時に半導体基板を強固にできるため、上記の応力を上記の突起部に集中させ易くなる。
【0030】
また、下地基板(Si基板)の厚さは、300μm以下が望ましい。この厚さが薄い程、半導体基板(半導体結晶A)に対する引っ張り応力が緩和されて、半導体基板の転位やクラックの発生密度が減少する。ただし、下地基板の厚さを50μm未満とすると、下地基板自身の絶対的な強度に問題が生じ、高い生産性を維持することが難しくなる。したがって、製造する結晶成長基板の品質と生産性を確保するためには、下地基板の厚さは、50μm以上300μm以下が望ましい。
【0031】
また、相対的には、結晶成長させる半導体基板(半導体結晶A)の厚さは、下地基板(Si基板)の厚さと略同等とするか、或いはそれ以上とすることが望ましい。この様な設定により、半導体基板に対する引っ張り応力が緩和され易くなり、半導体基板の転位やクラックの発生を従来よりも大幅に抑制することが可能となる。この効果は、相対的に半導体基板を厚くする程大きくなる。
【0032】
また、第8の手段は、上記の第1乃至第7の何れか1つの手段の結晶成長工程において、III族窒化物系化合物半導体の原料供給量qを調整することにより、下地基板の突起部間の谷部の少なくとも一部の被浸食領域におけるIII族窒化物系化合物半導体の結晶成長速度aと、突起部の頭頂部における結晶成長速度bとの差分(b−a)を略最大値に制御することである。
【0033】
この手段によれば、突起部の頭頂部付近の結晶成長速度が相対的に大きくなり、上記の被浸食領域付近の結晶成長は比較的抑制されて、頭頂部付近からの結晶成長が支配的となる。この結果、突起部の頭頂部付近から開始される半導体基板(半導体結晶A)の横方向成長が顕著となり、半導体基板の結晶成長時に半導体基板に働く「反応防止層と半導体基板の間の格子定数差に基づく応力」が緩和される。従って、半導体基板の結晶構造が安定し、半導体基板に転位やクラックが発生し難くなる。
また、半導体基板の横方向成長(ELO)が顕著となれば、例えば、突起部の側方(各突起部間)に比較的大きな空洞ができ易くなる。
【0034】
適当な大きさ、間隔、或いは周期で下地基板の表面上に凹凸を形成した場合、一般に、下地基板の外周側壁付近の周辺部分以外では、凸部(突起部)の上面付近に比べて、凹部(谷部)の方が結晶材料の単位時間・単位面積当たりの供給量は少なくなり易い。この傾向は、結晶材料のガス流の流量、温度、方向等にも依存するが、これらの諸条件を最適、或いは好適に制御することにより、上記の差分(b−a)を略最大値に制御することが可能となる。
【0035】
また、第9の手段は、上記の第8の手段において、原料供給量qを1μmol/min以上、100μmol/min以下に設定することである。
【0036】
より望ましくは、上記の原料供給量qは、5μmol/min以上、90μmol/min以下が良い。更に望ましい値としては、形成される突起部の大きさや形、配置間隔等の下地基板の仕様や、供給原料の種類や供給流方向、結晶成長法等の諸条件にも依るが、概ね10〜80μmol/min程度が理想的である。この値は、大き過ぎると上記の差分(b−a)を略最大値に制御することが難しくなるので、各突起部間(突起部の側方)に大きな空洞を形成することが難しくなる。従って、この様な場合には、格子定数差に基づく結晶内の応力が比較的緩和され難く、転位が発生する等、半導体基板の単結晶の結晶性が劣化し易くなってしまい望ましくない。
【0037】
また、応力(剪断応力)により、下地基板と半導体基板とを分離する際にも、突起部側方の空洞が無いか或いはこの空洞が小さいと、突起部に応力が集中し難くなり、突起部の破断が起り難くなってしまい望ましくない。
一方、原料供給量qが小さ過ぎると、結晶成長時間が掛かり過ぎて生産性の面で不利となり、望ましくない。
【0038】
また、第10の手段は、上記の第1乃至第9の何れか1つの手段において、突起部形成工程後に、少なくとも突起部の表面に「AlxGa1-xN(0<x≦1)」より成るバッファ層Cを形成する工程を設けることである。
【0039】
ただし、上記のバッファ層Cとは、400℃〜1100℃付近で成長するAlNやAlGaN等の半導体層のことであり、このバッファ層Cとは別に、更に、上記のバッファ層Cと略同組成(例:AlNや、AlGaN)の中間層(以下、単に「バッファ層」と言う場合がある。)を周期的に、又は他の層と交互に、或いは、多層構造が構成される様に、半導体基板(半導体結晶A)中に積層しても良い。
【0040】
これらのバッファ層(或いは、中間層)の積層により、格子定数差に起因する半導体基板(成長層)に働く応力を緩和できる等の従来と同様の作用原理により、結晶性を向上させることが可能となる。
また、この様な作用・効果は、反応防止層を構成する晶質材料Bが炭化シリコン(SiC)等の場合に、特に顕著である。
【0041】
また、第11の手段は、上記の第10の手段において、バッファ層Cの膜厚を0.01μm以上、1μm以下に形成することである。
【0042】
この手段により、バッファ層の上に形成される所望の半導体結晶A(例:GaN層)のみを良質に横方向に成長させることができる。
【0043】
尚、バッファ層の膜厚は、上記の通りおよそ0.01μm〜1μm程度が概ね妥当な範囲であるが、より望ましくは、0.1μm以上、0.5μm以下が良い。この膜厚が厚過ぎると、空洞が小さくなり易くなり望ましくない。また、この膜厚を薄くし過ぎると、略均一にバッファ層を成膜することが困難となる。特に、突起部の上部付近においてバッファ層の成膜ムラ(十分に成膜されない部位)が生じると、結晶性にもムラが生じ易くなり、望ましくない。
【0044】
また、第12の手段は、上記の第1乃至第11の何れか1つの手段の突起部形成工程において、突起部が略等間隔または略一定周期で配置される様に突起部を形成することである。
【0045】
これにより、横方向成長の成長条件が全体的に略均等となり、結晶性の良否にムラが生じ難くなる。
また、本手段により、上記の空洞が各々略均等な大きさとなり、上記の剪断応力を各突起部に略均等に分配することが可能となるため、全突起部の破断がムラなく生じ、下地基板と半導体基板との分離が確実に実施できる様になる。
また、突起部間の谷部の上方が、半導体基板によって完全に覆われるまでの時間に、局所的なバラツキが生じ難くなるため、例えば、結晶成長速度の遅い結晶成長法から、結晶成長速度の速い結晶成長法に、途中で結晶成長法を変更する場合に、その時期を的確に、早期に、或いは一意に決定することが容易となる。
【0046】
また、第13の手段は、上記の第12の手段の突起部形成工程において、1辺が0.1μm以上の略正三角形を基調とする2次元三角格子の格子点上に突起部を形成することである。
【0047】
この手段により、上記の第12の手段をより具体的に正確、確実に実施でき、よって、転位の数を確実に低減することができる。
【0048】
また、第14の手段は、上記の第1乃至第13の何れか1つの手段の突起部形成工程において、突起部の水平断面形状を、略正三角形、略正六角形、略円形、略矩形、略菱形、又は略平行四辺形にすることである。
【0049】
この手段により、III族窒化物系化合物半導体より形成される結晶の結晶軸の方向が各部で揃い易くなるため、或いは、任意の水平方向に対して突起部の水平方向の長さ(太さ)を略一様に制限できるため、転位の数を抑制することができる。特に、正六角形や正三角形や平行四辺形等は、半導体結晶の結晶構造と合致し易いのでより望ましい。また、円形や矩形は製造技術の面で形成し易いと言う、現行一般の加工技術水準の現状に照らしたメリットが有る。
【0050】
また、第15の手段は、上記の第1乃至第14の何れか1つの手段の突起部形成工程において、突起部の配置間隔を0.1μm以上、10μm以下に形成することである。より望ましくは、結晶成長の実施条件にも依存するが、突起部の配置間隔は、0.5〜8μm程度が良い。ただし、この配置間隔とは、互いに接近する各突起部の中心点間の距離のことを言う。
【0051】
この手段により、突起部の谷部の上方を目的の半導体基板(半導体結晶A)で覆うことが可能となると同時に、突起部間(突起部の谷部)に空洞を形成することが可能となる。
この値が小さ過ぎると、ELOの作用が殆ど得られなくなり、応力緩和作用を十分には得られず、結晶性が劣化する。また、形成される空洞が小さくなり過ぎて、半導体基板の膜厚を必要以上に大きくしない限り、突起部を容易に破断することができなくなる。
【0052】
また、この値が大きくなり過ぎると、確実に突起部の谷部の上方を半導体基板で覆うことができなくなり、結晶性が均質かつ良質の半導体基板(半導体結晶A)が得られなくなる。
或いは、この値が更に大き過ぎると、谷部の露出面が広大となり過ぎて、ELOの作用が殆ど得られなくなり、また、空洞が全く形成されなくなる。
【0053】
また、第16の手段は、上記の第1乃至第15の何れか1つの手段の反応防止工程において、反応防止層を下地基板上の表裏両面に成膜することである。
これにより、反応防止工程後に生じる下地基板(Si基板)の反り(湾曲)を防止若しくは緩和することができる。
【0054】
【0055】
また、第17の手段は、において、上記の第1乃至第16の何れか1つの手段により製造された半導体結晶を結晶成長基板とした結晶成長によりIII族窒化物系化合物半導体素子を製造することである。
この手段によれば、結晶性が良質で、内部応力の少ない半導体より、III族窒化物系化合物半導体素子を製造することが可能又は容易となる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
本発明を実施するに当り、次の中から個々の製造条件をそれぞれ任意に選択しても良い。また、これらの各製造条件は、任意に組み合わせても良い。
まず、最初に、III族窒化物系化合物半導体層を形成する方法としては、有機金属気相成長法(MOCVD又はMOVPE)が好ましい。しかしながら、分子線気相成長法(MBE)、ハライド気相成長法(Halide VPE)、液相成長法(LPE)等を用いても良く、また、各層を各々異なる成長方法で形成しても良い。
【0057】
また、バッファ層については、格子不整合を是正する等の理由から、結晶成長基板中、或いは下地基板等に形成することが好ましい。
特に、半導体基板(半導体結晶A)中にバッファ層(前記の中間層)を積層する場合、これらのバッファ層としては、低温で形成させたIII族窒化物系化合物半導体AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)、より好ましくはAlxGa1-xN(0≦x≦1)を用いることができる。このバッファ層は単層でも良く、組成等の異なる多重層としても良い。バッファ層の形成方法は、380〜420℃の低温で形成するものでも良く、逆に1000〜1180℃の範囲で、MOCVD法で形成しても良い。また、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、高純度金属アルミニウムと窒素ガスを原材料として、リアクティブスパッタ法によりAlNから成るバッファ層を形成することもできる。
【0058】
同様に一般式AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1、組成比は任意)のバッファ層を形成することができる。更には蒸着法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法、ECR法を用いることができる。物理蒸着法によるバッファ層は、200〜600℃で行うのが望ましい。さらに望ましくは300〜600℃であり、さらに望ましくは350〜450℃である。これらのスパッタリング法等の物理蒸着法を用いた場合には、バッファ層の厚さは、100〜3000Åが望ましい。さらに望ましくは、100〜400Åが望ましく、最も望ましくは、100〜300Åである。
【0059】
多重層としては、例えばAlxGa1-xN(0≦x≦1)から成る層とGaN層とを交互に形成する、組成の同じ層を形成温度を例えば600℃以下と1000℃以上として交互に形成するなどの方法がある。勿論、これらを組み合わせても良く、多重層は3種以上のIII族窒化物系化合物半導体AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)を積層しても良い。一般的には緩衝層は非晶質であり、中間層は単結晶である。緩衝層と中間層を1周期として複数周期形成しても良く、繰り返しは任意周期で良い。繰り返しは多いほど結晶性が良くなる。
【0060】
バッファ層及び上層のIII族窒化物系化合物半導体は、III族元素の組成の一部は、ボロン(B)、タリウム(Tl)で置き換えても、また、窒素(N)の組成一部をリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)で置き換えても本発明を実質的に適用できる。また、これら元素を組成に表示できない程度のドープをしたものでも良い。例えば組成にインジウム(In)、ヒ素(As)を有しないIII族窒化物系化合物半導体であるAlxGa1-xN(0≦x≦1)に、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)よりも原子半径の大きなインジウム(In)、又は窒素(N)よりも原子半径の大きなヒ素(As)をドープすることで、窒素原子の抜けによる結晶の拡張歪みを圧縮歪みで補償し結晶性を良くしても良い。
【0061】
この場合はアクセプタ不純物がIII族原子の位置に容易に入るため、p型結晶をアズグローンで得ることもできる。このようにして結晶性を良くすることで本願発明と合わせて更に貫通転位を100乃至1000分の1程度にまで下げることもできる。バッファ層とIII族窒化物系化合物半導体層とが2周期以上で形成されている基底層の場合、各III族窒化物系化合物半導体層に主たる構成元素よりも原子半径の大きな元素をドープすると更に良い。なお、発光素子として構成する場合は、本来III族窒化物系化合物半導体の2元系、若しくは3元系を用いることが望ましい。
【0062】
n型のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する場合には、n型不純物として、Si、Ge、Se、Te、C等IV族元素又はVI族元素を添加することができる。また、p型不純物としては、Zn、Mg、Be、Ca、Sr、Ba等II族元素又はIV族元素を添加することができる。これらを複数或いはn型不純物とp型不純物を同一層にドープしても良い。
【0063】
横方向エピタキシャル成長を用いてIII族窒化物系化合物半導体層の転位を減じることも任意である。この際、マスクを用いるもの、エッチングにより段差を埋めるもの任意の方法を取ることができる。
【0064】
エッチングマスクは、多結晶シリコン、多結晶窒化物半導体等の多結晶半導体、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化チタン(TiOX)、酸化ジルコニウム(ZrOX)等の酸化物、窒化物、チタン(Ti)、タングステン(W)のような高融点金属、これらの多層膜をもちいることができる。これらの成膜方法は蒸着、スパッタ、CVD等の気相成長法の他、任意である。
【0065】
エッチングをする際には、反応性イオンビームエッチング(RIBE)が望ましいが、任意のエッチング方法を用いることができる。基板面に垂直な側面を有する段差を形成するのでないものとして、異方性エッチングにより例えば段差の底部に底面の無い、断面がV字状のものを形成しても良い。
【0066】
III族窒化物系化合物半導体にFET、発光素子等の半導体素子を形成することができる。発光素子の場合は、発光層は多重量子井戸構造(MQW)、単一量子井戸構造(SQW)の他、ホモ構造、ヘテロ構造、ダブルヘテロ構造のものが考えられるが、pin接合或いはpn接合等により形成しても良い。
【0067】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
(第1実施例)
以下、本発明の実施例における半導体結晶(結晶成長基板)の製造手順の概要を例示する。
【0068】
〔1〕反応防止工程
本反応防止工程は、下地基板(Si基板)上に反応防止層を積層する製造工程である。
本反応防止工程では、まず最初に、Si(111)基板上に気相成長法(MOVPE)により、炭化シリコン(SiC)より成る反応防止層を約1.5μm成膜する。尚、ウエハの反りを防止するために、SiC膜の成膜を表裏両面に行っても良い。
【0069】
〔2〕突起部形成工程
上記の反応防止層の上に、フォトリソグラフィーを利用したドライエッチングにより、直径約1μm、高さ約1μmの略円柱形状の突起部B1を約2μmの配置間隔で形成する(図2)。配列形態としては、一辺が約2μmの略正三角形を基調とする2次元三角格子の各格子点上に突起部B1の円柱底面の中心が配置される様に、突起部B1を形成する。ただし、下地基板の厚さは約200μmとする。
【0070】
〔3〕結晶成長工程
本結晶成長工程では、図4に示す様に、結晶の成長面が、突起部B1の上面(初期状態)から各々互いに連結されて一連の略平面状に成長するまでの成長工程を有機金属化合物気相成長法(MOVPE法)に従って実施し、その後、この半導体基板(結晶層)が200μm程度の厚膜に成長するまでの成長工程をハイドライド気相成長法(HVPE法)に従って実施する。
尚、本結晶成長工程では、アンモニア(NH3)ガス、キャリアガス(H2,N2)、トリメチルガリウム(Ga(CH3)3)ガス(以下「TMG」と記す)、及びトリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)ガス(以下「TMA」と記す)を用いる。
【0071】
(a)まず、上記の突起部B1が設けられた下地基板(図2)を有機洗浄及び酸処理により洗浄し、結晶成長装置の反応室に載置されたサセプタに装着し、常圧でH2を反応室に流しながら温度1100℃で下地基板をベーキングする。
(b)次に、上記の下地基板の上に、MOVPE法に従って、H2,NH3,TMG,TMAを供給して、AlGaNバッファ層(バッファ層C)を成膜する。このAlGaNバッファ層Cの結晶成長温度は、約1100℃、膜厚は約0.2μmである。(図3)
【0072】
(c)このAlGaNバッファ層(バッファ層C)の上に、半導体基板の一部、即ち、膜厚約5μmのGaN層Aを、H2、NH3及びTMGを供給して、成長温度1075℃で結晶成長させた。この工程により、図4に示す様に、半導体基板(GaN層A)の一部が横方向成長し、谷部即ち突起部B1の側方に大きな空洞ができる。
尚、この時のTMG供給速度は、概ね40μmol/min程度であり、GaN層(半導体結晶A)の結晶成長速度は、約1μm/Hr程度である。
【0073】
(d)その後、ハイドライド気相成長法(HVPE法)に従って、上記のGaN層(半導体結晶A)を、更に、200μmまで結晶成長させた。このHVPE法におけるGaN層の結晶成長速度は、凡そ45μm/Hr程度である。
【0074】
〔4〕分離工程
(a)上記の結晶成長工程の後、アンモニア(NH3)ガスを結晶成長装置の反応室に流したまま、下地基板(Si基板)を有するウエハを略常温まで冷却する。この時の冷却速度は、概ね「−50℃/min〜−5℃/min」程度とすれば良い。
【0075】
(b)その後、これらを結晶成長装置の反応室から取り出すと、下地基板(Si基板)から剥離したGaN結晶(半導体結晶A)が得られた。ただし、この結晶は、GaN層(半導体基板)の裏面に、AlGaNバッファ層Cの小さな一部分の残骸と突起部B1の破断残骸とが残留したままのものである。
【0076】
〔5〕破断残骸除去工程
上記の分離工程の後、ラッピング処理により、GaN結晶の裏面に残ったSiより成る突起部B1の破断残骸を除去する。
ただし、本破断残骸除去工程は、フッ酸に硝酸を加えた混合液等を用いたエッチング処理により実施しても良い。
【0077】
以上の製造方法により、膜厚約200μmの結晶性の非常に優れた良質のGaN結晶(GaN層)、即ち、下地基板から独立した所望の半導体基板(半導体結晶A)を得ることができる。
【0078】
尚、反応防止層を形成する晶質材料Bとしては、AlN、AlxGa1-xN(0.30≦x≦1)等でも、上記の実施例と略同様の作用・効果が得られる。より一般には、反応防止層を形成する晶質材料Bとして、炭化シリコン(SiC,3C−SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、スピネル(MgAl2O4)、或いは、アルミニウム組成比が少なくとも0.30以上のAlGaN、AlInN又はAlGaInNを用いることができる。
【0079】
また、目的の半導体基板を形成する半導体結晶Aは、窒化ガリウム(GaN)に限定されるものではなく、前記の一般の「III族窒化物系化合物半導体」を任意に選択することができる。
また、目的の半導体基板(半導体結晶A)は、多層構造を有するものとしても良い。
【0080】
また、上記の実施例では、図2に例示した様に、下地基板の突起部や谷部は鉛直面と水平面により構成されているが、これらは任意の斜面や曲面等から形成しても良い。従って、図2(c)に例示した下地基板上に形成される谷部の断面形状は、略矩形の凹字型以外にも、例えば、略U字型や略V字型等の形に形成しても良く、一般にこれらの形状、大きさ、間隔、配置、配向等は任意である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本概念を例示的に説明する半導体結晶の製造工程における模式的な断面図。
【図2】 本発明の実施例に係わる、下地基板(Si基板)の部分的な断片の模式的な斜視図(a)、平面図(b)、及び断面図(c)。
【図3】 バッファ層C(AlGaN層)が成膜された下地基板の模式的な斜視図(a)、平面図(b)、及び断面図(c)。
【図4】 半導体基板(半導体結晶A)が積層された下地基板の模式的な斜視図(a)、平面図(b)、及び断面図(c)。
【図5】 Si基板(下地基板)上に結晶成長した従来の半導体結晶を例示する模式的な断面図。
【符号の説明】
Si … シリコン基板(下地基板)
A … 半導体結晶(目的の半導体基板)
B … 反応防止層(晶質材料)
B1… 突起部(反応防止層の一部分)
C … バッファ層
Claims (17)
- 横方向結晶成長作用を利用して、シリコン(Si)より形成された下地基板上に組成式が「Al x Ga y In (1-x-y) N(0≦x<1,0<y≦1,x+y≦1)」を満たすIII族窒化物系化合物半導体から成る半導体結晶Aを成長させることにより、半導体基板を得る方法であって、
前記下地基板上に、前記半導体結晶Aよりも融点又は耐熱性が高い、炭化シリコン(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、スピネル(MgAl 2 O 4 )、又はアルミニウム組成比が少なくとも 0. 30以上のAlGaN、AlInN、或いはAlGaInNより成る晶質材料Bより成る反応防止層を成膜する反応防止工程と、
化学的又は物理的なエッチングにより、前記反応防止層が成膜された側の片面に前記下地基板を露出させずに前記反応防止層から多数の突起部を形成する突起部形成工程と、
前記突起部の表面の少なくとも一部を前記半導体結晶Aが結晶成長を開始する最初の成長面とし、この成長面が各々互いに連結されて少なくとも一連の略平面に成長するまで、前記半導体結晶Aを結晶成長させる結晶成長工程とを有することを特徴とする半導体結晶の製造方法。 - 前記成長面を横方向に成長させて各々互いに連結させることにより、前記突起部間に、前記半導体結晶Aが積層されていない空洞を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記突起部間の前記反応防止層の谷部における膜厚を0.1μm以上、2μm以下に形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記突起部形成工程において、前記突起部の縦方向の高さを0.5μm以上、20μm以下に形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記突起部形成工程において、前記突起部の横方向の太さ、幅、又は直径を0.1μm以上、10μm以下に形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記半導体結晶Aと前記下地基板とを冷却または加熱することにより、前記半導体結晶Aと前記下地基板との熱膨張係数差に基づく応力を発生させ、この応力を利用して前記突起部を破断することにより、前記半導体結晶Aと前記下地基板とを分離する分離工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記結晶成長工程において、前記半導体結晶Aを50μm以上積層することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記結晶成長工程において、前記III族窒化物系化合物半導体の原料供給量qを調整することにより、
前記下地基板の前記突起部間の谷部の少なくとも一部の被浸食領域における前記III族窒化物系化合物半導体の結晶成長速度aと、前記突起部の頭頂部における結晶成長速度bとの差分(b−a)を略最大値に制御する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の半導体結晶の製造方法。 - 前記原料供給量qを1μmol/min以上、100μmol/min以下に設定することを特徴とする請求項8に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記突起部形成工程後、少なくとも前記突起部の表面に「AlxGa1-xN(0<x≦1)」より成るバッファ層Cを形成する工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記バッファ層Cの膜厚を0.1μm以上、1μm以下に形成することを特徴とする請求項10に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記突起部形成工程において、前記突起部が略等間隔または略一定周期で配置される様に前記突起部を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記突起部形成工程において、
1辺が0.1μm以上の略正三角形を基調とする2次元三角格子の格子点上に前記突起部を形成することを特徴とする請求項12に記載の半導体結晶の製造方法。 - 前記突起部形成工程において、前記突起部の水平断面形状は、略正三角形、略正六角形、略円形、略矩形、略菱形、又は略平行四辺形であることを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記突起部形成工程において、前記突起部の配置間隔を0.1μm以上、10μm以下に形成することを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記反応防止工程において、前記反応防止層を前記下地基板上の表裏両面に成膜することを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
- 請求項1乃至請求項16の何れか1項に記載の半導体結晶の製造方法を用いて製造された前記半導体結晶を結晶成長基板として、結晶成長により製造することを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法。
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