JP2007317752A - テンプレート基板 - Google Patents

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広明 岡川
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Abstract

【課題】製造効率の改善されたテンプレート基板と、その製造方法を提供すること。また、大きな反りの発生が防止されたテンプレート基板と、その製造方法を提供すること。
【解決手段】異種基板上に窒化物半導体からなる結晶層を積層してなるテンプレート基板において、該結晶層が横方向成長により形成された結晶を含んでおり、該横方向成長により形成された結晶が、Mgを含む結晶を含んでいる。
Mgの添加は窒化物半導体結晶の横方向成長を促進する効果があるので、テンプレート基板を製造する際に、横方向成長させる窒化物半導体結晶にMgを添加すると、窒化物半導体結晶が異種基板の表面を層状に覆うまでの時間が短かくなるとともに、結晶の横方向の成長速度に対する膜厚方向の成長速度が小さくなるので、より小さな膜厚の窒化物半導体結晶で、異種基板の表面を層状に覆うことが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、異種基板上に窒化物半導体からなる結晶層を積層してなるテンプレート基板に関する。
窒化物半導体は、化学式AlInGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で決定される3族窒化物からなる化合物半導体であって、例えば、GaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN、AlN、InNなど、任意の組成のものが例示される。上記化学式において、3族元素の一部をB(ホウ素)、Tl(タリウム)などで置換したもの、また、N(窒素)の一部をP(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)などで置換したものも、窒化物半導体に含まれる。
異種基板とは、窒化物半導体と異なる材料からなる単結晶基板のことである。窒化物半導体の技術分野において、この呼称は一般的なものとなっている(例えば、特許文献1、特許文献2)。窒化物半導体結晶の成長に適した異種基板として、サファイア基板、SiC基板、Si基板、GaAs基板、GaP基板、スピネル基板、ZnO基板、NGO(NdGaO)基板、LGO(LiGaO)基板、LAO(LaAlO)基板、ZrB基板、TiB基板などが知られている。
本明細書においては、異種基板であって、その結晶成長面に凹部および凸部が設けられた基板を、「加工基板」と呼ぶことにする。
特許文献3には、サファイアからなる加工基板(以下、「サファイア加工基板」ともいう。)の上に、Si添加GaN結晶層を積層してなるテンプレート基板が開示されている。このようなテンプレート基板は、レーザダイオード(LD)素子、発光ダイオード(LED)素子などの窒化物半導体素子を製造するための基板として、好適に用いることができる。また、このようなテンプレート基板の上に、HVPE法等の方法を用いてGaN単結晶を数百μmの膜厚に形成し、その後、サファイア加工基板を適当な方法により除去することによって、GaN基板を製造することができる。
図5に、特許文献3に開示されたテンプレート基板の断面構造を模式的に示す。図5において10はサファイア加工基板であり、20はGaNバッファ層であり、30はSi添加GaN結晶層である。このテンプレート基板は、C面サファイア基板の表面に、幅w1が6μm、深さdが2μmの溝を、周期12μmとなるように(よって、凸部の幅w2が6μmとなるように)、サファイアの[11−20]方向に平行に形成してサファイア加工基板10とし、その上に有機金属化合物気相成長法(MOVPE法)を用いて、膜厚約20nmのGaNバッファ層と、膜厚9μmのSi添加GaN結晶を、順次積層することによって製造される。
図6は、図5に示すテンプレート基板の製造過程におけるSi添加GaN結晶の成長の様子を模式的に示したものである。図6(a)は、サファイア加工基板10上に、基板温度550℃でGaNバッファ層20を形成したところである。GaNバッファ層の形成後、基板温度を1000℃に昇温して、原料ガスとしてアンモニア、トリメチルガリウム(TMG)、シランを供給すると、図6(b)に示すように、Si添加GaN結晶30が最初はサファイア加工基板の凸部上に形成される。引き続き原料ガスを供給すると、図6(c)に示すように、最初に凸部上に形成された結晶(点線で表示)が種結晶となって、その表面から厚さ方向だけでなく横方向(結晶層の厚さ方向に直交する方向)にも結晶が成長し、最終的には、図6(d)に示すように、凸部上から成長したSi添加GaN結晶同士が互いにつながって、サファイア加工基板の表面を覆う結晶層が形成される。なお、図示を省略しているが、Si添加GaN結晶の成長はサファイア加工基板の溝内でも起こる。溝の幅w1に比べて深さdが十分に深い場合には、溝内で成長するSi添加GaN結晶が溝内を充填する前に、凸部上から成長したSi添加GaN結晶が溝を塞ぎ、サファイア加工基板とSi添加GaN結晶層との間に空洞が形成される。
特許第3468082号公報 特許第3714188号公報 特開2000−106455号公報 特開2003−318441号公報
図5に示すテンプレート基板において、Si添加GaN結晶層30はGaNバッファ層20を介してサファイア加工基板10の凸部上面と接合している一方、サファイア加工基板の凹部(溝)上では、Si添加GaN結晶層とサファイア加工基板との間が空洞で隔てられている。そのために、サファイア加工基板の表面において、凸部上面が占める面積を小さくする程、サファイアとGaNとの格子定数差および熱膨張率差に起因してSi添加GaN結晶が受ける応力歪みが小さくなり、Si添加GaN結晶層に欠陥やクラックが発生し難くなる。また、Si添加GaN結晶の結晶性は、凸部上に形成される部分よりも凹部上に形成される部分の方が良好となる。なぜなら、後者には、横方向成長により形成される転位欠陥密度の低い結晶が含まれることになるからである。よって、凸部上面が占める面積を小さくする程、Si添加GaN結晶層中に占める結晶性の良好な部分の割合が大きくなる。また、このテンプレート基板をGaN基板の製造に用いた場合は、凸部上面が占める面積が小さい程、サファイア加工基板をGaN結晶から分離することが容易となる。
このように、加工基板における凸部上面の面積を小さくすることにより得られる利点が多数存在することから、テンプレート基板に用いる加工基板は、凸部間の間隔を大きく設計する(図5に示す例では、凹部の幅w1を大きく設計する)ことが好ましい。
しかしながら、凸部間の間隔を大きくすると、テンプレート基板の製造時に、凸部上から横方向に成長する結晶同士がつながって加工基板の表面を覆うまでに要する時間が長くなるので、テンプレート基板の製造効率が低下する問題がある。
また、凸部間の間隔を大きくすると、テンプレート基板の製造時に、凸部上から横方向に成長する結晶同士がつながって加工基板の表面を覆うまでに要する時間が長くなる結果、該結晶の膜厚が大きくなり、加工基板と窒化物半導体との間に熱膨張率差がある場合には、テンプレート基板に大きな反りが発生するという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものである。
本発明の目的は、ひとつには、製造効率の改善されたテンプレート基板と、その製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、大きな反りの発生が防止されたテンプレート基板と、その製造方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、改善された品質を有する窒化物半導体結晶層を備えたテンプレート基板と、その製造方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、n型窒化物半導体結晶の製造に適したテンプレート基板と、その製造方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、n型窒化物半導体基板の新規な製造方法を提供することである。
第1の発明によれば、異種基板上に窒化物半導体からなる結晶層を積層してなるテンプレート基板において、該結晶層が横方向成長により形成された結晶を含んでおり、該横方向成長により形成された結晶が、Mg(マグネシウム)を含む結晶を含んでいる。
Mgの添加は窒化物半導体結晶の横方向成長を促進する効果があるので、テンプレート基板を製造する際に、横方向成長させる窒化物半導体結晶にMgを添加すると、窒化物半導体結晶が異種基板の表面を層状に覆うまでの時間が短かくなるとともに、結晶の横方向の成長速度に対する膜厚方向の成長速度が小さくなるので、より小さな膜厚の窒化物半導体結晶で、異種基板の表面を層状に覆うことが可能となる。
横方向成長を促進するために窒化物半導体結晶に添加するMgの濃度は、1×1018cm−3以上とすることが好ましく、特に、1×1019cm−3以上となるようにすることが好ましい。ただし、Mgの添加量を多くし過ぎた場合には、結晶性の低下が生じることから、添加するMgの濃度は、1×1021cm−3以下とすることが好ましい。
横方向成長により形成する窒化物半導体結晶の好ましい組成はGaNである。3元結晶であるAlGaN、InGaNよりも、構成元素の数が少ない2元結晶のGaNの方が、欠陥密度の低い高品質の結晶を得る目的に適しているからである。
第2の発明によれば、第1の発明に係るテンプレート基板の製造において、横方向成長により形成する結晶を、異種基板の結晶成長面上に部分的に形成した不純物無添加の窒化物半導体結晶を種結晶として成長させる。横方向成長により形成される結晶の品質は、種結晶の品質に影響されるので、不純物を添加したものよりも結晶性が良好な、無添加の窒化物半導体結晶を種結晶とするわけである。
第3の発明によれば、第1の発明に係るテンプレート基板の製造において、横方向成長により形成する窒化物半導体結晶を、異種基板の結晶成長面上に部分的に形成した、ファセット構造を呈する窒化物半導体結晶を種結晶として成長させる。ここで、ファセット構造を呈する窒化物半導体結晶とは、露出した斜めファセットを表面として有する結晶である。結晶をファセット構造を呈するように成長させると、その成長過程で転位のベンディングが繰り返し発生するため、転位の合体消滅が促進される。従って、ファセット構造を呈する結晶は、ファセット構造を呈さない結晶と比べて、表面近傍の転位密度が低減された、結晶性の良好なものとなる。そこで、横方向成長により形成する結晶の品質向上のために、このような結晶を種結晶として用いるわけである。
特に、窒化物半導体結晶にMgを添加するとファセット構造の形成が難しくなる(ファセット構造の形成が起こる条件が極めて狭くなる)ことから、ファセット構造を呈する結晶は、不純物を添加しないで形成することが好ましい。
第4の発明によれば、第1の発明に係るテンプレート基板において、横方向成長により形成される結晶に含まれる、Mgを含む結晶を覆って、該結晶よりも低いMg濃度を有する窒化物半導体結晶からなる被覆層を設ける。このような被覆層を設けることにより、テンプレート基板上に、無添加のまたはドナーを添加したn型窒化物半導体結晶を成長させたときに、テンプレート基板側から該n型窒化物半導体結晶内へのMgの拡散が阻止される。
この被覆層の内部に、または、この被覆層が被覆するMgを含む結晶とこの被覆層との間には、結晶組成の異なる窒化物半導体結晶間の界面であるヘテロ界面を、ひとつ以上設けることが好ましい。ヘテロ界面は、当該界面を越えてMgが拡散することを抑制する効果を有するからである。
この被覆層の内部に、ドナーを添加してn型導電性とした部分を設けることも、Mgを含む結晶から被覆層の内部にMgが拡散するのを抑制するうえで好ましい。
第5の発明は、窒化物半導体基板の製造方法に関するものであり、Mgが添加された窒化物半導体結晶を含むテンプレート基板の上に、無添加のまたはドナーを添加したn型窒化物半導体結晶を厚膜に成長させた後、まず、窒化物半導体結晶部分からテンプレート基板に含まれる異種基板を除去し、次に、窒化物半導体結晶部分から、Mgが含まれる部分を研磨または研削により除去する。
第6の発明によれば、異種基板上に窒化物半導体からなる結晶層を積層してなるテンプレート基板の製造の際に、異種基板の結晶成長面を選択成長用のマスクで部分的に覆い、該マスクの上方において窒化物半導体結晶を横方向に成長させることによって、横方向成長により形成される結晶の大面積化を図るにあたり、該マスクをMg化合物で形成する。窒化物半導体結晶の成長時にマスクの劣化が発生しても、Mg化合物からなるマスクからは窒化物半導体結晶の横方向成長を促進するMgが放出されるので、該結晶の横方向成長が抑制されることがない。
第1の発明によれば、Mgの添加によって、横方向成長により形成される窒化物半導体結晶が異種基板の表面を層状に覆うまでの時間が短くなるので、テンプレート基板の製造時間が短縮され、その製造効率が改善される。また、より小さな膜厚の窒化物半導体結晶で異種基板の表面を層状に覆うことが可能となるので、テンプレート基板に大きな反りが発生するのを防止することができる。
第2の発明によれば、横方向成長により形成する窒化物半導体結晶を、結晶性の良好な、無添加の窒化物半導体結晶を種結晶として形成するので、テンプレート基板における窒化物半導体結晶層の品質を改善することができる。
第3の発明によれば、横方向成長により形成する窒化物半導体結晶を、結晶性の良好な、ファセット構造を呈する窒化物半導体結晶を種結晶として形成するので、テンプレート基板における窒化物半導体結晶層の品質を改善することができる。
第4の発明によれば、Mgを含む窒化物半導体結晶層を備えながらも、n型窒化物半導体結晶を成長させたときに、当該テンプレート基板側から該n型窒化物半導体結晶内へのMgの拡散が阻止される、n型窒化物半導体結晶の製造に適したテンプレート基板が得られる。
第5の発明によれば、Mgを含む窒化物半導体結晶層を供えたテンプレート基板を用いながらも、Mgにより汚染されていないn型窒化物半導体基板を得ることのできる、n型窒化物半導体基板の製造方法が提供される。
第6の発明によれば、選択成長用のマスクを用いて窒化物半導体結晶の成長を行う際に、該マスクの劣化に起因して結晶の横方向成長が抑制されることが防止されるので、テンプレート基板の製造効率が改善され、また、テンプレート基板における大きな反りの発生を防止することができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るテンプレート基板の断面構造を図1に模式的に示す。
図1において、1はサファイア加工基板であり、2はGaNバッファ層であり、3はGaN結晶層である。サファイア加工基板1の結晶成長面には、幅W1が8μm、深さDが1.5μmの溝が、周期10μmとなるように、すなわち、凸部の幅W2が2μmとなるように、サファイアの[11−20]方向に平行に形成されている。GaNバッファ層2の膜厚は40nmである。
GaN結晶層3は、サファイア加工基板1の凸部上面に、GaNバッファ層2を介して形成されている、無添加のGaNからなる種結晶部3aと、種結晶部3aの表面を起点として成長している、Mg添加GaNからなるMg添加部3bと、Mg添加部3bが上面平坦となるまで成長した後、その上に積層された無添加のGaNからなる被覆層3cと、から構成されている。種結晶部3aは厚さTaが0.4μmであり、ファセット構造を呈するように成長している。Mg添加部3bは、厚さTbが1μmであり、そのMg濃度は1×1020cm−3である。Mg添加部3bは、横方向に成長した部分を含んでいる。被覆層3cは、厚さTcが1μmであり、その表面近傍におけるMg濃度は1×1017cm−3未満である。GaN結晶は、サファイア加工基板の凹部内にも成長しているが(図示を省略している)、該凹部を充填しておらず、該凹部上においてサファイア加工基板とGaN結晶層との間には空洞が存在している。GaN結晶層は、薄いGaNバッファ層を介して、サファイア加工基板の凸部の上部とのみ接している。
図1に示すテンプレート基板は、次のようにして製造することができる。
まず、C面サファイア基板の表面に、フォトリソグラフィ技法を用いて凸部のパターンにパターニングしたエッチングマスクを形成したうえで、サファイア基板の表面を反応性イオンエッチング(RIE)法により加工して溝を形成することにより、サファイア加工基板1を作製する。なお図1では溝の側壁面が垂直面となっているが、斜面となっていてもよい。該側壁面の傾斜は60°以上とすることが望ましい。
次に、周知のMOVPE法を用いて、GaNバッファ層2およびGaN結晶層3を形成する。GaNバッファ層は、基板温度を300℃〜600℃程度として形成する低温バッファ層である。GaNバッファ層2の形成後、基板温度を700〜950℃に設定し、原料としてトリメチルガリウム(TMG)とアンモニアを基板上に供給して、基板の凸部上にファセット構造を呈する無添加のGaN結晶である種結晶部3aを形成する。ファセット構造の形成を促進するには、更に、雰囲気中の水素濃度を高くしたり、成長炉内の圧力を低くする。
種結晶部3aの形成後、基板温度を1000℃以上に上昇させ、原料としてTMGとアンモニアに加えて、Mg源であるビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を基板上に供給して、Mg添加部3bを形成する。横方向成長を促進するうえでは、基板温度は1050℃以上、とりわけ、1100℃以上とすることが好ましい。
Mg添加部3bの形成後、基板温度を室温まで降下させて、基板を一旦MOVPE装置から取り出す。次に、MOVPE装置内を洗浄して、成長系内に残留したCpMgを除去する。その後、再び、MOVPE装置内に基板を戻して、基板温度を1000℃とし、原料としてTMGとアンモニアを供給して、Mg添加部3bの上に被覆層3cを形成する。
このようにして、図1に示すテンプレート基板を製造することができる。
本第1の実施形態において、加工基板の材料はサファイアに限定されるものではなく、窒化物半導体結晶の成長に使用可能な周知の異種基板を加工してなる加工基板を、任意に用いることができる。加工基板の結晶成長面における凹部および凸部のパターンは、平坦な結晶成長面にストライプ状の溝を平行に形成してなるパターンに限定されるものではなく、任意のパターンを採用し得る。例えば、上面形状が三角形、四角形(平行四辺形、方形)、六角形、円形、楕円形等である、角柱状または角錐台状の凸部が、多数、規則的・周期的に分散配置されたパターンや、あるいは、平坦面の中に開口形状が三角形、四角形(平行四辺形、方形)、六角形、円形、楕円形等である窪みが規則的・周期的に分散配置されたパターンが例示される。その他、特許文献3、特許文献4などの公知文献に記載された加工基板の凹部および凸部のパターンを参照してもよい。
どのようなパターンを採用する場合も、加工基板上に成長する窒化物半導体結晶の<1−100>方向に伸びる段差によって凹部と凸部の境界が規定されるように、パターンの方向を設定することが望ましい。
加工基板における、凸部上面の面積の、加工前の平坦な結晶成長面の面積に対する比率を、「凸部上面の面積比」と定義すると(凹部が溝状である図1の例では、W1+W2に対するW2の比となる)、横方向成長により形成される結晶の割合を多くするために、凸部上面の面積比は40%以下とすることが好ましく、30%以下とすることがより好ましく、25%以下とすることが更に好ましい。
凸部上面は、凹凸パターンの形成時に不良が発生しないように、また、該凸部上面において窒化物半導体の結晶成長が正常に生じるように、少なくとも対向する2辺間の距離が1μmである正六角形が包含される大きさに形成することが望ましい。
凹部上において、加工基板とGaN結晶層との間に空洞が確実に形成されるようにするには、凹部の深さに応じて、凸部間の間隔(図1の例ではW1)と、GaN結晶層のMg添加部に添加するMgの濃度を設定する。Mg添加部の横方向成長が最も促進される条件では、凹部の深さを1μm〜1.5μmとしたとき、凸部間の間隔を10μm以下とすれば、凹部上に空洞を形成することができる。凹部をこれよりも深く形成する場合には、凸部間の間隔を更に大きくしても、凹部上に空洞を形成することが可能である。
サファイアのような難加工性の基板では凹部の形成に時間がかかるため、凹部の深さを3μm以下とし、凸部間の間隔を20μm以下とすることが好ましい。
加工基板とGaN結晶層との間のバッファ層はGaNバッファ層に限定されるものではなく、AlN、AlGaN、InGaN、InAlGaN等の窒化物半導体材料からなるバッファ層の他、公知のバッファ層を任意に用いることができる。バッファ層の使用は必須ではない。
加工基板の凸部上に形成する種結晶部の結晶組成はGaNに限定されないが、好ましくは、GaNである。また、種結晶部とそれに続いて成長させるMg添加部との間での欠陥の発生を抑えるために、種結晶部とMg添加部とは結晶組成を同じとすることが好ましい。ファセット構造を呈する結晶が得られる成長条件と、横方向成長が促進される成長条件とは基本的に異なるが、種結晶部をファセット構造を呈するように形成した後、横方向成長が促進される成長条件でMg添加部を横方向に成長させたときに、両部分の結晶組成のずれが発生しないようにするには、両部分を2元結晶のGaNで形成することが望ましい。3元以上の結晶は、同じ組成のものを異なる成長条件で形成することが難しい。
種結晶部は、ファセット構造を呈するように成長させた後、更に、成長温度を上げるなどして成長させることによって、ファセット構造を呈さない形状にしたものであってもよい。種結晶部は、横方向に成長した部分を含んでいてもよく、該部分を加工基板の凹部上に張り出すように形成してもよい。
種結晶部はファセット構造を呈するように成長させることが好ましいが、必須ではない。また、無添加とすることが好ましいが、必須ではない。従って、例えば、種結晶部にもMgを添加し、種結晶部の形成の後、特に成長条件や材料供給条件を変化させることなく、連続してMg添加部の形成を行ってもよい。
Mg添加部の結晶組成はGaNに限定されないが、好ましくは、GaNである。結晶組成中のAlの組成比を大きくすると、窒化物半導体結晶の横方向成長速度が低下する傾向がある。また、Inを組成に含む窒化物半導体結晶は、例えばMOVPE法では基板温度を900℃未満に抑えないと形成できないため、結晶成長速度の絶対値が低い。
Mg添加部は全体にMgを一様な濃度に添加してもよいが、Mg添加部の成長開始時にMg原料の供給量をゼロから一気に大きくすると異常成長が発生する場合があるので、Mg添加部の成長開始時はMg原料の供給量を徐々に増加させていってもよい。
Mg添加部は上面が平坦化するまで成長させることが好ましいが、必須ではなく、例えば、隣接するMg添加部どうしがつながる前にMg添加部の成長を止めて、次の被覆層の成長を開始してもよい。つまり、被覆層の形成を、Mg添加部を表面平坦に成長させてから行うことは必須ではなく、被覆層が横方向成長により形成された結晶を含むようにしてもよい。
上記の例において、Mg添加部を形成後、被覆層を形成する前に基板をいったんMOVPE装置から取り出しているのは、Mg原料であるCpMgの蒸気圧が低く、Mg添加部の成長時に用いた後も配管の内壁等に吸着して成長系内に残留し、その後に成長する結晶に比較的高濃度で混入する現象(いわゆる「メモリー効果」)の影響を避けるためである。従って、装置内を洗浄する代わりに、被覆層の形成だけを、予め洗浄した別の結晶成長装置を用いて行ってもよい。その場合の結晶成長装置はMOVPE装置でなくてもよく、例えば、HVPE装置であってもよい。
なお、被覆層の形成方法はこれに限定されるものではなく、例えば、Mg添加部を形成後、同じ装置を用いて被覆層を厚く形成することによって、メモリー効果により被覆層に混入するMgの濃度を下げていくこともできる。
被覆層の結晶組成はGaNに限定されない。例えば、被覆層をAlGaNで形成すると、Mg添加部と被覆層の間にヘテロ界面が形成され、Mg添加部に含まれるMgの被覆層側への拡散が抑制される。この効果は、恐らく、ヘテロ界面に発生する電荷によって、イオン化されたMgが該界面に吸着されるために生じると考えられる。被覆層中にAlGaN薄膜とGaN薄膜とを交互に積層した部分(超格子構造を含む)を設けると、Mg添加部から被覆層の表面側へのMgの拡散をより効果的に抑制することができる。
被覆層には、Si等のドナーを添加してn型導電性とした部分を設けてもよい。Mg添加部はアクセプターであるMgの働きでp型導電性を示すが、その上に直接または無添加の部分を介して、n型導電性の層を形成すると、電荷移動が発生して内蔵電界が形成され、これが電位障壁となって、イオン化したMgがMg添加部から被覆層に向かって拡散することが抑制される。
第1の実施形態において、サファイア加工基板1の凹部とGaN結晶層3との間に空洞を確実に形成するために、図2に示すように、加工基板の凹部の表面に選択成長用のマスクMを設けておき、その上からGaNバッファ層2とGaN結晶層3の形成を行ってもよい。
選択成長用のマスクは、周知のELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)で一般に用いられているものであり、具体的には、窒化ケイ素、酸化ケイ素、窒化チタン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化イットリウム、タングステンなどからなる非晶質薄膜が挙げられる。
窒化物半導体結晶の成長時の基板温度は一般に高温であり、特にMOVPE法では窒素原料として反応性の高いアンモニアが用いられ、キャリアガスとして還元性の水素ガスが用いられることから、結晶成長時にはマスクの劣化が発生し易い。劣化したマスクから放出される物質は窒化物半導体結晶に取り込まれ、その結晶成長の仕方に影響を与える可能性がある。Siを含むマスクからは、劣化時にSiが放出され、窒化物半導体結晶の横方向成長を阻害する可能性がある。従って、好ましくは、マスクはSiを含まない物質で形成する。本発明者等は好ましいマスクとして、Mg化合物からなるマスクを提案する。Mg化合物からなるマスクは劣化・分解しても、放出される物質に結晶の横方向成長を促進するMgが含まれるので、横方向成長の阻害が生じ難い。好ましいMg化合物としては、熱安定性の高い酸化マグネシウムが例示される。
このように、加工基板の凹部内の表面のうち、少なくとも一部をマスクで覆うことによって、該凹部内での窒化物半導体結晶の成長を抑制できる。よって、マスクを用いない実施形態と比べると、凹部を同じ深さに形成した場合には、凸部間の間隔をより大きくすることができる。
なお、図2に示す例では、加工基板の凹部表面にマスクを形成した後にバッファ層の形成を行っているが、先に加工基板の表面にバッファ層を形成し、次に、凹部表面に形成されたバッファ層上にマスクを形成し、その後、マスクで覆われていない、凸部表面に形成されたバッファ層の上からGaN結晶を成長させてもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るテンプレート基板は、第1の実施形態に係るテンプレート基板と同様に、異種基板の、窒化物半導体結晶層と接する側の表面が凹凸状となっており、その凹部と窒化物半導体結晶層との間には、空洞が存在する。しかしながら、第1の実施形態では、結晶成長面に凹部および凸部を設けた加工基板をまず作製し、その上に窒化物半導体結晶を成長させるのに対して、第2の実施形態では、まず、平坦な結晶成長面を有する異種基板上に窒化物半導体結晶層を積層した後で、加工を行い、その後再び窒化物半導体結晶を成長させる。以下、これを図3を用いて説明する。
第2の実施形態では、まず、図3(a)に示すように、平坦な結晶成長面を有するサファイア基板1上に、GaNバッファ層2を介して、後にその一部が種結晶部3aとなる無添加のGaN結晶3Aを積層する。
次に、このGaN結晶3Aの表面にフォトリソグラフィ技法を用いてパターニングしたエッチングマスクを形成したうえで、RIE法によりエッチング加工を行い、サファイア基板に達する凹部を形成する。それによって、図3(b)に示すように、サファイア基板の表面が凹凸状とされ、その凸部上のみにGaN結晶層3Aの一部が種結晶部3aとして残った状態を得る。このとき、エッチング条件の制御や、エッチングマスクの形状を工夫することなどにより、凸部上に残す種結晶部3aを斜めファセットが露出した形状に形成することも可能である。種結晶部3aを斜めファセットが露出した形状にすると、次にMg添加部3bを横方向に伸びるように成長させたときに、転位のベンディングを発生させることができる。
そして、図3(c)に示すように、この種結晶部3aを起点として、Mgを添加したGaN結晶からなるMg添加部3bを横方向に伸びるように成長させて、図3(d)に示すように、上面が凹凸状となったサファイア基板1上に、GaNバッファ層2を介して、種結晶部3aとMg添加部3bとからなるGaN結晶層3が形成されてなる、テンプレート基板を得る。
第2の実施形態における、異種基板、バッファ層、種結晶部、Mg添加部などの好ましい態様は、基本的に、第1の実施形態の場合と同様である。第2の実施形態においても、Mg添加部を成長させる前に、露出したサファイア基板の表面の少なくとも一部を、選択成長用のマスクで覆ってよい。また、第2の実施形態に係るテンプレート基板においても、Mg添加部を覆う、Mg添加部よりもMg濃度の低い被覆層を設けることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、異種基板の変形を伴う加工を行わない。以下、第3の実施形態に係るテンプレート基板の製造例を、図4を用いて説明する。
まず、図4(a)に示すように、平坦な結晶成長面を有するサファイア基板1上に、選択成長用のマスクMを部分的に形成する。
次に、図4(b)に示すように、マスクMの上から、GaNバッファ層2を介して、無添加のGaN結晶を成長させて、種結晶部3aを形成する。この図の例では、種結晶部がファセット構造を呈するように形成されている。ここまでの工程の具体的詳細については、従来公知のELO法を参照することができる。
次に、図4(c)に示すように、種結晶部3aを起点として、Mgを添加したGaN結晶からなるMg添加部3bを横方向に伸びるように成長させると、やがて、図4(d)に示すように、隣り合った種結晶部から成長したMg添加部3bがつながって、サファイア基板1上に、マスクMを挟んで、種結晶部3aとMg添加部3bとからなるGaN結晶層3が形成されてなるテンプレート基板が得られる。
第3の実施形態に係るテンプレート基板も、Mg添加による横方向成長の促進効果によってMg添加部が短時間でマスク表面を層状に覆うので、効率よく製造することができる。また、Mg添加部が比較的小さな膜厚でマスク表面を覆うので、大きな反りのないテンプレート基板となる。
第3の実施形態に係るテンプレート基板においても、Mg添加部を覆う、Mg添加部よりもMg濃度の低い被覆層を設けることができる。
第3の実施形態では異種基板に凹部を設けないので、横方向に成長する窒化物半導体結晶は、マスクに接した状態で形成される。そのため、第1の態様や第2の態様と比べて、マスクの分解により放出される物質が窒化物半導体結晶に混入し易い。そのために、マスクをMg化合物で形成することによる効果が、第1の態様や第2の態様よりも顕著となる。
[実施例1]
C面サファイア基板上に平行ストライプ状のエッチングマスクを形成後、RIE法によるエッチング加工を行うことにより、C面上に凹部としてサファイアの[11−20]方向に延びる幅8μm、深さ1.5μmの溝が2μm間隔(すなわち、周期10μm)で設けられたサファイア加工基板を作製した。このサファイア加工基板をMOVPE装置に装着し、水素雰囲気下で1100℃まで昇温し、表面のクリーニングを行った。その後基板温度を400℃まで下げ、原料としてTMG、トリメチルアルミニウム(TMA)、アンモニアを供給し、AlGaN低温バッファ層を形成した。
次に、基板温度を800℃に昇温し、原料としてTMGとアンモニアを供給して、サファイア加工基板の凸部上にファセット構造を呈する無添加のGaN結晶を、0.4μmの厚さに形成した。このとき、サファイア加工基板の凹部内にもGaN結晶が形成された。続いて、基板温度を1100℃まで上げ、原料としてTMG、アンモニア、ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム(EtCpMg)を供給し、凸部上のGaN結晶を種結晶として、Mg添加GaN結晶を成長させた。EtCpMgの供給量は得られるMg添加GaN結晶中のMg濃度が1×1020cm−3となるように設定した。このMg添加GaN結晶は横方向に成長し、サファイア加工基板の凹部内から成長した結晶と合体することなく該凹部を塞いで、表面平坦な結晶層を形成した。このようにして、バッファ層を介してサファイア加工基板の凸部の上部とのみ接する厚さ1μmのGaN結晶層を備えたテンプレート基板を得た。
このテンプレート基板に含まれるGaN結晶層について、X線回折装置を用いて(002)面反射ピークの半値幅を測定したところ、350arcsecであった。
[実施例2]
AlGaNバッファ層の形成後、サファイア加工基板の凸部上に無添加のGaN結晶を形成する工程を省略し、AlGaNバッファ層上に直接Mg添加GaN結晶を成長させたこと以外は、実施例1と同様にしてテンプレート基板を作製した。この場合、サファイア加工基板の凸部上にファセット構造を呈するGaN結晶は形成されなかったが、凸部上から横方向に成長したMg添加GaN結晶は凹部内から成長した結晶と合体することなく凹部を塞ぎ、表面平坦な結晶層を形成した。このようにして、バッファ層を介してサファイア加工基板の凸部の上部とのみ接する厚さ1μmのGaN結晶層を備えたテンプレート基板を得た。
このテンプレート基板に含まれるGaN結晶層について、X線回折装置を用いて(002)面反射ピークの半値幅を測定したところ、420arcsecであった。
[比較例1]
Mg添加GaN結晶を成長させる代わりに、無添加のGaN結晶を成長させたことを除き、実施例1と同様の方法によりテンプレート基板の作製を試みた。しかし、基板上の多くの領域で、サファイア加工基板の凸部上から横方向に成長したGaN結晶と、凹部内から成長した結晶とが合体したために、サファイア加工基板の凸部の上部とのみ接するGaN結晶層を備えたテンプレート基板を得ることはできなかった。
[比較例2]
サファイア加工基板における溝の深さを4μmとしたことを除き、比較例1と同様の方法によりテンプレート基板の作製を試みたところ、サファイア加工基板の凸部上から横方向に成長した無添加GaN結晶が、凹部内から成長した結晶と合体することなく凹部を塞ぎ、表面が平坦な結晶層を形成した。すなわち、バッファ層を介してサファイア加工基板の凸部の上部とのみ接するGaN結晶層を備えたテンプレート基板を得ることができた。ただし、無添加GaN結晶を4μm以上の膜厚に成長させる必要があった。そのために、実施例1の場合と比べ、テンプレート基板の製造に要する時間が長くなり、また、テンプレート基板の反りが大きくなった。
[実施例3]
サファイア基板のC面に設ける溝(凹部)の幅を10μm、溝の形成周期を12μm(溝の間隔は2μmのまま)とするとともに、溝の内部表面上に選択成長用マスクとして膜厚0.1μmの酸化マグネシウム膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてテンプレート基板を作製した。なお、溝の内部表面上に酸化マグネシウム製マスクが形成されたサファイア加工基板は、RIE法による溝の加工に続いて、エッチングマスクが形成された状態のサファイア基板上に電子ビーム蒸着法で酸化マグネシウム膜を形成し、その後、エッチングマスクをその上に堆積した酸化マグネシウム膜ごと除去することにより形成した。本実施例では、選択成長用マスクを用いたために、凸部間の間隔を10μmに広げたにもかかわらず、隣接した凸部上から成長したMg添加GaN結晶同士を合体させて、バッファ層を介してサファイア加工基板の凸部の上部とのみ接する厚さ1μmの表面平坦なGaN結晶層を有するテンプレート基板を得ることができた。
[実施例4]
実施例1で得たテンプレート基板を、再び、内部を洗浄済みのMOVPE装置に装着し、該テンプレート基板のMg添加GaN結晶層上に、Siを1×1018cm−3の濃度に添加した膜厚0.2μmのGaN結晶層を形成し、更に、その上に、膜厚0.01μmのGaNとAl0.05Ga0.95Nを交互に10層ずつ積層した超格子層を積層した。このようにして、Mg添加GaN結晶層を被覆する被覆層を形成したテンプレート基板を得た。
上記テンプレート基板をHVPE装置に装着して、その超格子層上に厚さ500μmの無添加GaN結晶を成長させた。次に、サファイア加工基板の裏面側からレーザ光を照射して、レーザリフトオフ法により、サファイア加工基板をGaN結晶から分離した。分離により露出した、テンプレート基板に由来する窒化物半導体層を、超格子層まで含めて全て、研磨によって除去し、無添加GaN基板を得た。
本発明の一実施形態に係るテンプレート基板の構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るテンプレート基板の構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るテンプレート基板の製造方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るテンプレート基板の製造方法を説明するための図である。 従来のテンプレート基板の構造を示す断面図である。 従来のテンプレート基板の製造方法を説明するための図である。
符号の説明
1 サファイア加工基板
2 GaNバッファ層
3 GaN結晶層
3a 種結晶部
3b Mg添加部
3c 被覆層

Claims (11)

  1. 異種基板上に窒化物半導体からなる結晶層を積層してなるテンプレート基板であって、
    前記結晶層が、横方向成長により形成された結晶を含んでおり、
    該横方向成長により形成された結晶が、Mgを含む結晶を含んでいるテンプレート基板。
  2. 前記Mgを含む結晶が、Mgを1×1018cm−3〜1×1021cm−3の濃度で含む結晶である、請求項1に記載のテンプレート基板。
  3. 前記横方向成長により形成された結晶が、前記異種基板の結晶成長面上に部分的に形成された無添加の結晶を種結晶として成長した結晶である、請求項1または2に記載のテンプレート基板。
  4. 前記横方向成長により形成された結晶が、前記異種基板の結晶成長面上に部分的に形成されたファセット構造を呈する結晶を種結晶として成長した結晶である、請求項1〜3のいずれかに記載のテンプレート基板。
  5. 前記結晶層が、前記Mgを含む結晶を覆い、該結晶よりも低いMg濃度を有する被覆層を有している、請求項1〜4のいずれかに記載のテンプレート基板。
  6. 前記被覆層の内部または、前記被覆層と前記Mgを含む結晶との間に、少なくともひとつのヘテロ界面を有する、請求項5に記載のテンプレート基板。
  7. 前記被覆層が、ドナーの添加によりn型伝導性とされた部分を含んでいる、請求項5または6に記載のテンプレート基板。
  8. 前記被覆層の表面近傍のMg濃度が1×1017cm−3以下である、請求項5〜7のいずれかに記載のテンプレート基板。
  9. 前記異種基板と前記横方向成長により形成された結晶との間に空洞が存在している、請求項1〜8のいずれかに記載のテンプレート基板。
  10. 前記異種基板と前記横方向成長により形成された結晶とに挟まれた位置に選択成長用マスクを含んでいる、請求項1〜9のいずれかに記載のテンプレート基板。
  11. 前記選択成長用マスクがMg化合物からなる、請求項10に記載のテンプレート基板。
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