JP2011134948A - 窒化物半導体の成長方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価に、反りの少ない窒化物半導体を成長することができる窒化物半導体の成長方法を提供する。
【解決手段】本発明の窒化物半導体の成長方法は、気相成長法により、基板10上に、窒化物半導体の結晶からなる第1凹凸構造30を形成し、該第1凹凸構造30の凸部の上部から窒化物半導体を選択的に成長させることにより、前記第1凹凸構造30上に、窒化物半導体の結晶からなる第2凹凸構造32を形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体の成長方法に関し、より詳細には空洞を有する窒化物半導体を成長する方法に関する。
近年、窒化物半導体を用いた発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)素子は、一般照明や自動車のヘッドライト、液晶テレビのバックライト等の照明用光源として注目されている。また、窒化物半導体を用いた半導体レーザ(LD:Laser Diode)素子は、ブルーレイディスク等の高密度記録光ディスク装置の書き込み・読み取り用光源として利用されており、これらの窒化物半導体素子の更なる素子特性の向上や低価格化が求められている。
現在、窒化物半導体のLED素子では、主として、サファイアなど窒化物半導体と異なる材料からなる異種基板上に、緩衝層などの下地層を介して素子構造が形成されている。一方、大電流、高出力駆動が必要なLD素子、高効率型のLED素子などにおいては、結晶欠陥、特に貫通転位などの転位密度が素子特性を決定する大きな要因となるため、窒化物半導体の単体基板上に素子構造が形成される。このような窒化物半導体の単体基板は、異種基板上に、横方向成長法(ELO:Epitaxial Lateral Overgrowth)などを用いて結晶性の良好な厚膜の窒化物半導体を成長させた後、異種基板を除去することで作製される。
例えば特許文献1には、基板上にアモルファス状のバッファ層を形成し、昇温して窒素化合物半導体のエピタキシャル成長を行った後、降温することにより、バッファ層中に空孔を発生させる、あるいはバッファ層部分で剥離を生じさせることにより、窒素化合物半導体の歪みと欠陥密度を低減する窒素化合物半導体の製造方法が記載されている。
また特許文献2には、複数のファセットを含む表面を有するIII族窒化物層を形成し、横方向成長の成長速度と縦方向成長の成長速度が異なる成長条件の下、マスク材料源を供給しながらIII族窒化物のエピタキシャル成長を実行することにより、比較的遅い成長速度で形成されたファセット上にマスク材料を選択的に成長させる方法が記載されている。
特開2000−228539号公報 特開2007−243152号公報 特開2003−073197号公報 特開2007−150250号公報
しかしながら、上記特許文献1,2に記載された窒化物半導体の成長方法において、基板と窒化物半導体との格子不整合や熱膨張係数の差等から、窒化物半導体内に応力が発生し、基板上に成長した窒化物半導体やその窒化物半導体を基板から切り離した際に、反りが発生するという問題がある。このような反りは、成長した窒化物半導体において、研磨等による主面の鏡面加工を煩雑にしたり、加工後の面内の結晶軸のバラツキを大きくしたりする虞がある。また上記特許文献2のように、マスク材料を使用する窒化物半導体の成長方法においては、残存するマスク材料により窒化物半導体が汚染される虞があり、また工程が複雑になり、工数や製造費用が増大する問題がある。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、安価に、反りの少ない窒化物半導体を成長することができる窒化物半導体の成長方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記(1)〜(10)の手段により上記課題を解決することができる。
(1)気相成長法により、基板上に、窒化物半導体の結晶からなる第1凹凸構造を形成し、該第1凹凸構造の凸部の上部から窒化物半導体を選択的に成長させることにより、前記第1凹凸構造上に、窒化物半導体の結晶からなる第2凹凸構造を形成する窒化物半導体の成長方法。
(2)前記第1凹凸構造の凹部を前記第2凹凸構造により塞ぐことにより、前記第1凹凸構造の凹部を空洞とする上記(1)に記載の窒化物半導体の成長方法。
(3)前記基板は、窒化物半導体と異なる材料からなる異種基板であって、前記空洞は、前記基板との界面に形成され、前記第2凹凸構造上に窒化物半導体層を成長させた後、降温することにより、前記窒化物半導体層を前記基板から剥離させる上記(2)に記載の窒化物半導体の成長方法。
(4)前記空洞の密度は、前記基板の面内において、中央部より該中央部より外側の外縁部が高い上記(3)に記載の窒化物半導体の成長方法。
(5)気相成長法により、基板上に、凹部の底部が前記基板の表面から離間した窒化物半導体の結晶からなる第1凹凸構造を形成し、該第1凹凸構造の凸部の上部から窒化物半導体を選択的に成長する窒化物半導体の成長方法。
(6)前記第1凹凸構造の凹部を前記第1凹凸構造上に成長される窒化物半導体により塞ぐことにより、前記第1凹凸構造の凹部を空洞とする上記(5)に記載の窒化物半導体の成長方法。
(7)前記第1凹凸構造上に、窒化物半導体の結晶からなる第2凹凸構造を形成し、該第2凹凸構造上に窒化物半導体を成長させ、前記第2凹凸構造の凹部上に空洞を形成する上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の窒化物半導体の成長方法。
(8)前記第1凹凸構造は、非晶質又は多結晶の緩衝層を含み、前記第1凹凸構造上に成長される窒化物半導体は、単結晶である上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の窒化物半導体の成長方法。
(9)前記第1凹凸構造の凸部の上面は、C面(0001)を有する上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の窒化物半導体の成長方法。
(10)前記凹部の側面は、{11−22}面を有する上記(9)に記載の窒化物半導体の成長方法。
本発明によれば、窒化物半導体の積層構造の任意の層内に空洞を形成することができ、窒化物半導体内に発生する応力を低減し、反りの少ない窒化物半導体を安価に成長させることができる。
本発明の一実施の形態に係る窒化物半導体の成長方法の工程(a)〜(f)を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係る窒化物半導体の成長方法の成長条件の一例を示すグラフである。 本発明の一実施の形態に係る窒化物半導体の成長方法の要部を説明する概略断面図(a)及び(b)である。 本発明の一実施の形態に係る窒化物半導体の反りの一例を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係る窒化物半導体の成長方法の工程(a)〜(e)を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係る窒化物半導体の成長方法の工程(a)〜(e)を示す概略断面図である。 本発明の窒化物半導体の成長方法に係る空洞含有層の一例を示す写真(a)〜(d)である。
以下、発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。但し、以下に説明する窒化物半導体の成長方法は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、本発明を以下のものに特定しない。なお、各図面が示す構成要素の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下に記載されている実施の形態は、特に排除する記載が無い限り、各構成等を適宜組み合わせて適用できる。
<実施の形態1>
図1(a)〜(f)は、実施の形態1に係る窒化物半導体の成長方法の各工程を示す概略断面図であり、図2は、その空洞含有層の成長条件の一例を示すグラフである。図1,2に示すように、本発明の窒化物半導体の成長方法は、気相成長の反応装置内における一連の工程として定義される。
まず、図1(a)に示すように、基板10上に緩衝層20を成長させる。緩衝層20は、図2に一例を示すように、450℃以上550℃以下の温度で、窒素源ガスとIII族源ガスとを供給して成長させる。なお、本明細書において、「緩衝層」とは、上記のような比較的低い温度で成長される低温成長層を意味するものとして使用する。この緩衝層20は、成長当初において、非晶質又は多結晶の層として形成される。また、緩衝層20の膜厚は、例えば0.01μm以上5μm以下で形成でき、特に空洞の形成および窒化物半導体の剥離に関しては、0.1μm以上1.5μm以下であることが好ましい。緩衝層20は、AlGa1−xN(0≦x≦1)により形成できる。
次に、図1(b)に示すように、基板10上に、凹凸を有する窒化物半導体の結晶からなる凹凸構造(以下、第1凹凸構造30とする)を形成する。この凹凸構造は、複数の凸状結晶や、それらが面内方向に連なって形成される、表面に凹凸を有する層状の結晶で構成される。緩衝層20の成長温度から昇温して、基板10上に窒素源ガスとIII族源ガスとを供給すると、緩衝層20は、一部に分解を伴って再結晶化しながら、その上に窒化物半導体の結晶が成長される。これにより、層の表面に窒化物半導体の結晶面(ファセット面)が現れ、窒化物半導体の結晶の第1凹凸構造30が形成される。この第1凹凸構造30の形成には、図2に一例を示すように、温度は800℃以上1000℃以下であることが好ましく、成長速度は20nm/min以下(原料ガスの流量では、窒素源ガス:5l/min(リットル/分)以上8l/min以下、III族源ガス:20ml/min(ミリリットル/分)以上50ml/min以下)であることが好ましい。このとき、窒素源ガスのみ(キャリアガスは流す)供給しても凹凸構造を形成可能であるが、好ましくは両原料ガスを供給する。なお、この第1凹凸構造30は、少なくとも凸部表面が窒化物半導体の結晶面であればよく、凹部底面が基板10の表面を有していてもよく、さらには基板10上に窒化物半導体の結晶の凸部が島状に設けられたものでもよい。すなわち、凹凸構造の露出面は、窒化物半導体の結晶、又は窒化物半導体の結晶と基板、の表面から構成される。
次に、図1(c)に示すように、第1凹凸構造30の凸部の上部から選択的に窒化物半導体を成長させ、第1凹凸構造30上に、凹凸を有する窒化物半導体の結晶からなる別の凹凸構造(以下、第2凹凸構造32とする)を形成する。この第2凹凸構造32の窒化物半導体は、単結晶又は多結晶で成長され、好ましくは単結晶とする。なお本明細書において、「単結晶」や「多結晶」は、実質的な意味で用い、実際には結晶欠陥や結晶軸の乱れを含むものである。また、「選択的」とは、その選択される特定の部位のみから結晶を成長させるという意味ではなく、特定の部位から優先的に結晶を成長させる、すなわち特定の部位からの成長速度が、他の部位からの成長速度に比して高い場合も含む意味で用いる。
ここで、図3(a)及び(b)は、実施の形態1に係る窒化物半導体の成長方法の要部を説明する概略断面図である。第1凹凸構造30は、緩衝層20の分解や再結晶化により表面に結晶面を有するが、結晶面の面方位に依存して成長速度が異なり、特に安定面は、自身の成長により比較的不安定な結晶面を消失させながら拡大していく傾向がある。このため、成長条件を調整することによって、図3(a)に示すように、窒化物半導体の結晶(第2凹凸構造32)を、第1凹凸構造30の凸部を構成する特定の結晶面、特に安定面からの成長を選択的に生じさせることができる。また、低温で成長された緩衝層20を含む第1凹凸構造30は、その後高温で成長される第2凹凸構造32に比べて、結晶性が低く、分解されやすい性質を有する。したがって、第2凹凸構造32の成長過程において、第1凹凸構造30の一部で分解を生じる場合がある。このように、第1凹凸構造30の表面において、結晶成長が促進される部位と、結晶成長が抑制される部位と、が設けられ、結晶成長の選択性が得られる。そして、この成長促進部が成長抑制部より上位にあることで、それより下位の成長抑制部を空洞とすることができる。すなわち、このような結晶成長の選択性により、第1凹凸構造30の凹部を埋め込まずに第1凹凸構造30上に窒化物半導体を成長することができ、第1凹凸構造30の凹部を空洞40とすることができる。
このとき、窒化物半導体の成長モードが急激に変化するように、成長温度や原料ガスの流量などの成長条件を調整することが好ましい。例えば、図2にその一例を示すように、第1凹凸構造形成時の条件から、温度を20℃以上100℃以下の範囲で上昇させ、成長速度を5nm/min以上50nm/min以下(原料ガスの流量では、窒素源ガス:5l/min以上8l/min以下、III族源ガス:30ml/min以上60ml/min以下)の範囲で上げることで、成長モードを速やかに転換できる。成長モードが速やかに転換されることで、第1凹凸構造30の凹部が埋め込まれて消失することを抑制し、第1凹凸構造30の形状を維持しやすくすることができる。また、この昇温過程において、III族源ガスの供給を止めてもよく、そうすれば第1凹凸構造30の形状が維持されやすい。
また、このように第1凹凸構造30の凸部の上部からの選択的成長を得るためには、凸部がC面(0001)を有していることが好ましく、さらに凸部の上面にC面を有していることが好ましく、凸部の上面がC面であることがなお好ましい。C面は、窒化物半導体の最も代表的な安定面であり、上述のような成長条件の調整により、C面からの再成長を促すことで、結晶成長の選択性が高められ、成長モードの速やかな転換が得られやすい。これにより、第1凹凸構造30の形状を維持しながら、第1凹凸構造30の凸部上面から窒化物半導体を成長させて第2凹凸構造32を形成することができ、第1凹凸構造30の凹部を空洞としやすくなる。さらには、第1凹凸構造の凹部の側面(凸部の側面)は、基板の表面に対して傾斜した面を有することが好ましく、さらには凹部の側面の全てが傾斜した面であることがより好ましい。第1凹凸構造の凹部の側面が傾斜面を有することにより、その側面が垂直な面である場合に比べ、結晶の側面同士の接合による凹部の消失が抑制されるため、凹部を空洞としやすく、また比較的大きい空洞を形成することができる。特に、第1凹凸構造30の凹部の側面は、{11−22}面を有することが好ましく、さらには凹部の側面の全てが{11−22}面であることがより好ましい。{11−22}面は、C面に次ぐ窒化物半導体の安定面であるため、凹部の埋め込みが抑制され、また結晶成長の選択性が高められ成長モードの転換が制御しやすい。
そして、このようにして形成された第2凹凸構造32は、第1凹凸構造30に比べて、結晶性が高く、結晶成長の選択性が弱まり、その表面の略全領域において窒化物半導体の結晶が成長されやすくなる。したがって、図3(b)に示すように、第2凹凸構造32上に結晶の成長を進行させると、第1凹凸構造30の凹部は、第2凹凸構造32の底面によりその上部を塞がれて、空洞40となって層内に残存することになる。なお、このような第2凹凸構造32からの成長において、第2凹凸構造の凹部上、つまり第1凹凸構造30の凹部により形成される空洞の上位、より詳細には第2凹凸構造32の各凸部から成長される結晶同士が接合する接合部の近傍には、別の空洞が形成される場合がある。
また、第2凹凸構造32の形成工程において、例えば成長条件(温度、原料ガスの流量)を多段階に変化させたり、再度緩衝層を形成したりすることで、第2凹凸構造32の凸部の上部から選択的に結晶を成長させることも可能である。第2凹凸構造32上に窒化物半導体の結晶からなる更に別の凹凸構造(第3凹凸構造)を形成できれば、第2凹凸構造32の凹部を空洞とすることが可能となる。これにより、空洞の数を効率良く増やすことができ、また第1凹凸構造30の凹部と第2凹凸構造32の凹部を連接させて空洞40を拡大させることもできる。以上のように、下層の凹凸構造がその凹部を完全に埋め込まれずに、上層の凹凸構造が形成されることにより、下層の凹凸構造の凹部が空洞に変化する。
次に、図1(d)に示すように、最上層の凹凸構造(ここでは第2凹凸構造)を埋め込んで平坦化し、空洞含有層35を形成する。この空洞含有層35は、積層された凹凸構造が埋め込まれたものであり、少なくとも最下層に第1凹凸構造30を含んでなる。なお、空洞含有層35の「含有」とは、この空洞含有層35が接する上下の層との界面に形成される空洞も含む意味で用いる。凹凸構造を効率良く埋め込むには、横方向への成長を促進させることが好ましく、図2にその一例を示すように、温度は950℃以上1200℃以下とし、成長速度は150nm/min(原料ガスの流量では、窒素源ガス:3l/min以上6l/min以下、III族源ガス:120ml/min以上200ml/min以下)とする。空洞含有層35の膜厚は、例えば5μm以上30μm以下とする。なお、この時の圧力は、760Torr付近の常圧から下げ、200Torr以上500Torr以下の減圧であってもよい。また、空洞含有層35は、AlGa1−xN(0≦x≦1)により形成でき、InGa1−yN(0<y≦1)を含んでもよい。
ここで、空洞40は、上述のように、窒化物半導体の結晶からなる凹凸構造の凹部が塞がれたものであるため、その構成面は窒化物半導体の表面を有する。具体的な空洞40の構成面としては、上述の{11−22}面のほか、C面(0001)、−C面(000−1)、M面{1−100}、A面{11−20}、R面{1−102}などの結晶面、またこれら結晶面に依らない表面がある。空洞40の幅(基板面内方向の長さ)は、特に限定されないが、例えば1μm以上5μm以下程度である。空洞40の高さ(膜厚方向の長さ)は、例えば2μm以上30μm以下程度であり、成長した窒化物半導体の剥離や反りの制御の観点では10μm以上であることが好ましい。
そして、図1(e)に示すように、950℃以上1100℃以下の温度で、窒化物半導体層50(ここでは基板層)を成長させる。「基板層」とは、単結晶の単体基板を形成可能な厚膜の窒化物半導体層である。基板層50は、ノンドープ又はSiドープのGaNとすることが、良好な結晶性を得る上で好ましい。基板層50の膜厚は、ハンドリングのしやすさ、及び割れやクラックの防止のため、500μm以上1500μm以下が好ましく、また下記自然剥離を生じさせるためには700μm以上とすることが好ましい。なお、この基板層50は、後述のように半導体素子の素子構造(52)としてもよい。
最後に、反応炉内を降温する。この「降温」とは、少なくとも上記窒化物半導体層50の成長温度より低い温度に下げることを意味し、好ましくは上記緩衝層20の成長温度より低い温度、より好ましくは室温まで下げる。この過程で、空洞含有層35が基板10との界面に空洞40を有する、すなわち空洞40の構成面が基板10の表面を場合、窒化物半導体に働く応力によって、成長した窒化物半導体層50を基板10から剥離させることができる(以下、「自然剥離」と呼称する場合がある)。このとき、基板10又は成長した窒化物半導体に、適度に衝撃を加えてもよい。なお多くの場合、剥離は、図1(f)に示すように、窒化物半導体(ここでは緩衝層20)と基板10との界面において起こる。基板10の除去は、研磨やレーザリフトオフ等でも実施できるが、反応装置内での自然剥離により実施すれば、工程を簡略化でき、製造費用を大幅に低減できる。
空洞含有層35内における基板10との界面に形成される空洞40の密度は、基板10の面内において中央部より外縁部が高いことが好ましい。これは、成長した窒化物半導体を、割れやクラックを防止しながら良好に自然剥離させるために、剥離が基板10の外縁部から中央部に向かって進行することが好ましいからである。ここで、「空洞の密度」とは、単位体積あたりの空洞が占める体積の割合として定義される。また、「中央部」とは基板10の中心から基板の半径の半分以下の範囲を指すものとし、「外縁部」とは、中央部より外側の残りの領域を指すものとする。このような空洞40の面内分布は、窒化物半導体の成長条件の調整により制御することが可能である。例えば、上記緩衝層20を、基板10面内の中央部より外縁部において膜厚が大きくなるように成長させることで、外縁部の空洞40の密度を中央部より高くすることができる。このような膜厚の緩衝層を成長させるためには、III族源ガスに対する窒素源ガスのモル比(V/III比)を小さくすることが好ましく、例えばV/III比を1000以上1800以下(原料ガスの流量では、窒素源ガス:4.5l/min以上6.5l/min以下、III族源ガス:100ml/min以上120ml/min以下)として、緩衝層20を成長させる。また、緩衝層20の成長温度を低め、例えば480℃以上500℃以下、に設定してもよい。
図4は、実施の形態1に係る窒化物半導体の反りの一例を示す概略断面図である。例えば、C面サファイア基板10上に上述のような空洞含有層35及び基板層50を成長させ、それを自然剥離させると、図4に示すように窒化物半導体の成長面側(ここではIII族元素極性面側)が凹の反りを生じる。反りWは、例えば窒化物半導体の主面の中心部に対する最外縁部の垂直方向の変位量として、市販のレーザ変位計等で測定することができる。なお、このような反りの方向は、窒化物半導体の成長方法や膜厚などに依存し、また基板10の除去前後で変化する場合がある。また、湾曲した窒化物半導体の結晶を平行平板の単体基板(図4の点線部)に加工する際、窒化物半導体の反りが小さいことで、膜厚及び面積が大きく、面内で結晶軸(例えばc軸)の傾きやバラツキが小さい単体基板を得ることができる。このような単体基板上に成長される素子構造は、結晶軸や組成及びそれに起因する発光波長などの面内の偏りが小さいものとなり、半導体素子の歩留まりを向上できる。
以上のように、本発明では、窒化物半導体の成長温度、原料ガスの流量を調整することのみにより、窒化物半導体の結晶性や成長モードを制御することで、空洞含有層35を容易かつ安価に形成でき、それにより窒化物半導体内の応力を緩和させ、また窒化物半導体の反りを低減することができる。特に、空洞含有層35の基板10との界面に形成される空洞40は、反りの低減と共に、主として自然剥離に寄与し、空洞含有層35の内部に形成される空洞40は、主として応力の緩和及び反りの低減に寄与する。また、これらの空洞40には、転位を低減する効果がある。さらに、本発明では、窒化物半導体の成長を妨げるマスク材料を使用することなく結晶成長の選択性が得られるので、吸収係数が小さく、また結晶性の良好な窒化物半導体を安価に成長することができる。
なお、本発明の窒化物半導体の成長方法は、基板10が、窒化物半導体との格子定数、熱膨張係数の差が比較的大きくなる異種基板である場合において特に効果的であるが、窒化物半導体基板である場合においても、応力・反り低減の効果を奏する。さらに、本発明の窒化物半導体の成長方法は、基板10の窒化物半導体をエピタキシャル成長させる主面がC面以外の結晶面である場合にも適用することができる。例えばR面を主面とする基板では、窒化物半導体は、主として基板主面に対して斜めの方向に成長する傾向があるが、第1凹凸構造の凸部の特定の結晶面から選択的に結晶を成長させることで、第1凹凸構造の凹部を空洞とすることが可能である。
以下、本発明の窒化物半導体の成長方法における各構成要素について説明する。
(窒化物半導体)
窒化物半導体は、例えばGaN、AlGaN、InGaNなど、一般式AlInGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)で表されるものである。またIII族元素としてBを用いてもよく、V族元素のNの一部をAs、Pで置換した混晶とすることもできる。また適宜、窒化物半導体に不純物をドープしてもよく、その場合、n型不純物としてはSiやO、p型不純物としてはMgを用いることが好ましい。
(窒化物半導体素子)
窒化物半導体素子の一例として、発光素子では、基板上に、n型半導体層、活性層である発光層、p型半導体層が順にエピタキシャル成長される。n型、p型半導体層は、単層、多層を特に限定されず、活性層は単一(SQW)又は多重量子井戸構造(MQW)が好ましい。青色発光の発光素子の具体例としては、サファイア基板上に、緩衝層などの下地層、例えばGaNの低温成長層とGaNの高温成長層を介して、n型半導体層として、例えばSiドープGaNのn型コンタクト層とGaN/InGaNのn型多層膜層が積層され、続いてInGaN/GaNのMQWの活性層、更にp型半導体層として、例えばMgドープのInGaN/AlGaNのp型多層膜層とMgドープGaNのp型コンタクト層が積層された素子構造がある。
(基板)
基板10は、窒化物半導体のエピタキシャル成長が可能なものであればよい。窒化物半導体の割れやクラックを防止して良好な自然剥離を生じさせるためには、基板10の大きさは直径2インチ以上4インチ以下が好ましく、厚さは0.5mm以上2mm以下が好ましい。窒化物半導体の成長基板10の具体的な材料としては、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイアやスピネル(MgAl)のほか、SiC(6H、4H、3C)、Si、GaAs、ZnS、ZnO、ダイヤモンドなどが挙げられる。このような窒化物半導体と異なる材料からなる異種基板においては、C面を主面とするサファイア基板を使用することが好ましい。このほか、GaNやAlN、AlGaN等の窒化物半導体基板を用いてもよい。また、基板10は、窒化物半導体の成長面となる主面がオフアングルしたものでもよい(例えば、サファイアC面で0.01°以上3.0°以下)。
(気相成長法)
窒化物半導体の成長方法としては、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、ハイドライド気相成長法(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)などの方法が利用できる。MOCVDは、成長速度や膜厚の制御がしやすいため、凹凸構造及び空洞の形成に好ましい方法である。MOCVDでは、原料ガスに、窒素源ガスとしてアンモニア(NH)と、III族源ガスとしてトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)などを用いる。HVPEは、MOCVDに比べ高速成長が可能である。HVPEでは、原料ガスに、NHと、III族元素のハロゲン化物(例えばGaCl)と、を用いる。本発明の窒化物半導体の成長方法は、複数の気相成長法を組み合わせて実施できる。例えば、空洞形成を含む工程(a)〜(d)をMOCVDで行い、比較的厚い結晶を成長させる工程(e)〜(f)をHVPEで行うことが好ましい。他方、結晶成長の全工程を1つの方法、装置で一貫して行えば、より安価に窒化物半導体を成長させることができ、その場合にはHVPEが好ましい。
<実施の形態2>
図5(a)〜(e)は、実施の形態2に係る窒化物半導体の成長方法の各工程を示す概略断面図である。図5に示す例の窒化物半導体の成長方法において、上述の実施の形態1と実質上同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
本発明の窒化物半導体の成長方法において、空洞含有層35の形成箇所、形成数は限定されない。実施の形態2において、空洞含有層35は、2つの窒化物半導体層の間に介在する介在層として形成される。このように、窒化物半導体の積層構造の内部に空洞含有層35を介在させることにより、窒化物半導体内の応力を低減して、さらには反りを低減することができる。
具体的には、まず、図5(a)に示すように、基板10上に下地層25を形成する。この下地層25は、単層、又は多層でもよく、例えば上述のような素子構造のn型半導体層の一部でもよい。次に、図5(b)に示すように、上記緩衝層の成長温度まで一旦降温して、下地層25上に非晶質又は多結晶の緩衝層22を形成する。その後、実施の形態1と同様に、図5(c)〜図4(e)のように、緩衝層22を再結晶化させ、凹部の底部が基板の表面から離間した凹凸を有する第1凹凸構造30を形成する。さらにその後、第1凹凸構造30の凸部の上部より窒化物半導体を選択的に成長させて空洞含有層35を形成し、その上に素子構造52(基板層50でもよい)を形成する。
ここで、第1凹凸構造30は、緩衝層の膜厚や再結晶化・成長条件(温度、時間)により、その形態や形成位置を変化させることができる。例えば、緩衝層22を比較的厚く形成すると(例えば0.1μm以上1.5μm以下)、図5(c)に示すように、第1凹凸構造30の凹部は、その下の層(ここでは下地層)の表面に到達せず、緩衝層22の膜厚の途中までの深さで形成できる。このような形態の第1凹凸構造30において、多くの場合、図5(d)に示すように、空洞40の全てが、その下の層との界面から離間して空洞含有層35の内部に形成される。これにより、意図しない積層界面での剥離を抑えながら、適度に窒化物半導体内の応力を緩和して、反りを低減することができる。
また、空洞含有層35は、窒化物半導体の積層構造に複数形成してもよい。これにより、積層構造の反りを調整することができる。また例えば、基板との界面に空洞を有する第1の空洞含有層と、その上の積層構造の内部に第2の空洞含有層と、を形成することにより、反りを低減しながら基板層を基板から自然剥離させることも可能である。
さらに、空洞含有層35は、半導体素子の一部として形成してもよい。すなわち、図5(e)における積層構造が、半導体素子をなす場合である。これにより、素子内部の応力を低減することができる。また、その半導体素子が発光素子である場合には、活性層から放出される光を空洞40の界面(窒化物半導体の空洞40との界面)で反射させ、光の取り出し効率を高めることができる。上述のように、この空洞40の構成面は、窒化物半導体の結晶面を有しているため、効率良く光を反射させることができる。
<実施の形態3>
図6(a)〜(e)は、実施の形態3に係る窒化物半導体の成長方法の各工程を示す概略断面図である。図5に示す例の窒化物半導体の成長方法において、上述の実施の形態1と実質上同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
実施の形態3において、基板12の窒化物半導体の成長面となる主面には凹凸が形成されている。実施の形態1のように、略平坦な基板上面に一様に成膜された緩衝層の再結晶化を伴って形成される第1凹凸構造は不規則な凹凸となるが、基板12が凹凸を有することにより、第1凹凸構造30を基板の凹凸に依存させて形成することができる。したがって、基板12の凹凸によって、空洞40の形成を制御することが可能となる。また、成長した窒化物半導体と基板12との間に、比較的大きい空洞40を形成することができ、窒化物半導体の反りの低減に加え、自然剥離を生じやすくすることができる。
具体的には、図6(a)に示すように基板12の凹凸面上に緩衝層20を形成した後、図6(b)及び(b)に示すように、昇温して緩衝層20を再結晶化させながら窒化物半導体の結晶を成長させ、基板12の凹凸面上に第1凹凸構造30を形成する。多くの場合、基板12の凹部底面にも結晶は成長するが、凸部上面から横方向成長される結晶が凹部上を徐々に覆うため、凹部に比べ凸部からの成長が促進される。次に、図6(c)に示すように、基板12の凸部上に形成される第1凹凸構造30上の凸部の上部から選択的に結晶を成長させて第2凹凸構造32を形成する。さらに、図6(d)及び(e)に示すように、第2凹凸構造32を埋め込んで平坦化して空洞含有層35を形成し、その上に基板層50(素子構造52でもよい)を形成する。このようにすれば、空洞含有層35に、基板12の凹部に対応した空洞40を設けることができる。
ここで、基板12の凹凸構造は、凸部又は凹部が規則的に配置された構造であることが好ましく、これにより、第1凹凸構造30に規則性を持たせることができる。特に、基板12の凹凸構造は、凸部が周期的に配置されたものが好ましい。
基板12の凸部の上面視形状(パターン)は、縞状、格子状、枠状、島状などに形成することができる。特に、基板12の凸部が島状であれば、基板12と成長した窒化物半導体との接触部が面内に点在し、面内の方向に依らず反りを低減することができ、また自然剥離を生じやすくすることができる。基板12の凸部間の間隔(凹部の幅)は、各凸部上から成長した窒化物半導体同士の接合及び空洞40の形成を良好に行うために、5μm以上60μm以下が好ましい。
また、基板12の凸部の断面視形状は、略平坦な上面を有することが好ましく、その上面がC面(0001)を有することが好ましい。基板12の凸部の側面は、上面に対して結晶成長の選択性が得られれば特に限定されず、上面に対して垂直又は傾斜面の平面でもよく、曲面であってもよい。平面である場合の側面の傾斜角(基板外側から見て、上面を含む基準面となす角度)の好ましい範囲は、40°以上75°以下である。また、基板12の凸部の高さ(凹部の深さ)は、3μm以上(上限値は例えば30μm以下)が好ましい。このような範囲であれば、成長した窒化物半導体と基板12との間に空洞40が良好に形成され好ましい。
なお、このような第1凹凸構造30を形成するための下地となる凹凸構造は、基板自体に設けられるもののほか、エッチングやリフトオフ等により、基板上に予め上記緩衝層をパターニングして設けることでも形成できる。この場合も、凸部の上面視形状、間隔、高さ等の好ましい態様は上記基板の場合と同様である。なお、このとき凹部の底面が基板面であれば、結晶成長の選択性を高められ、好ましい。
<実施例1>
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
まず、MOCVD装置の反応炉内に、直径3インチ、厚さ0.5mmのC面サファイア基板10を設置し、1000℃にて10分間、基板表面のサーマルクリーニングを行う。次に、500℃に降温し、キャリアガスにHを用い(以下同様)、NHガスを流量8.0l/min、TMGガスを流量40ml/minにて60分間供給し、サファイア基板10上に膜厚約1.2μmの緩衝層20を形成する(工程(a))。次に、950℃に昇温し、NHガスを流量6.0l/min、TMGガスを流量30ml/minにて10分間供給して、第1凹凸構造30を形成する(工程(b))。次に、1020℃に昇温し、NHガスを流量6.0l/min、TMGガスを流量45ml/minにて10分間供給して、第2凹凸構造32を形成する(工程(c))。さらに、1080℃に昇温し、NHガスを流量4.6l/min、TMGガスを流量130ml/minにて120分間供給し、第2凹凸構造を埋め込んで、略平坦な表面を有する膜厚約20μmの空洞含有層35を形成する(工程(d))。
その後、空洞含有層35が形成された基板10(ウエハ)を装置から取り出して、HVPE装置の反応炉内に設置し、Gaボートに金属ガリウムを500g程度置き、温度1020℃で、NHガスを流量2.0l/min、HClガスを流量200ml/minにて200分間供給し、膜厚約800μmの基板層50を形成する。最後に、反応炉内を降温していくと、サファイア基板10との界面で基板層50の自然剥離が生じ、GaNの単体基板が得られる。このGaNの単体基板の反りは、空洞含有層35を形成しない場合に比べて、その半分程度に低減される。
なおこの後、空洞含有層35は、研磨やエッチング等で除去することができる。本例では、空洞含有層35の下面は窒素極性面(N面)であり、TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)等でウエットエッチングすることにより、得られた窒化物半導体の単体基板の下面(裏面)を凹凸面としてもよい。
図7(a)〜(d)は、本発明の窒化物半導体の成長方法に係る空洞含有層の一例を示す写真である。本写真は、市販の走査型電子顕微鏡により撮影される。図7(a)は、実施例1の工程(c)の終了時点に対応し、サファイア基板上に形成されたGaNの結晶の第1凹凸構造、及びその上に積層されたGaNの結晶の第2凹凸構造、の上方斜視の状態を示すものである。図7(a)を見ると、この段階では、GaN層の表面に第2凹凸構造の多数の凹部が残存していることがわかる。また、図7(b)は、このような構造の一断面を示すものである。図7(b)を見ると、第1凹凸構造の凹部(又は空洞)上に第2凹凸構造の凹部が位置しており、1つの凹部又は空洞の断面形状は、基板側に頂点を有し上方に末広がりの略三角形になっていることが確認できる。さらに一部においては、第1凹凸構造の凹部と第2凹凸構造の凹部が連接して形成されている。さらに、図7(c)は、このような構造の別の一断面を拡大して示すものである。図7(c)を見ると、第1凹凸構造をなすGaNの凸状結晶の上部から選択的に成長した、第2凹凸構造をなすGaNの結晶が確認できる。また、これらの結晶は、{11−22}面と考えられる傾斜面のファセット面を有している。最後に、図7(d)は、実施例1の工程(d)の終了時点に対応し、サファイア基板上に形成されたGaNの空洞含有層の一断面を拡大して示すものである。図7(d)を見ると、GaN層とサファイア基板との界面に横長の空洞が複数形成されていることが確認できる。
本発明の窒化物半導体の成長方法は、窒化物半導体を用いるLEDやLD等の発光デバイス、電子デバイスなどの半導体素子、及びこれらの半導体素子に使用される基板の製造に適用することができる。
10,12…基板
20,22…緩衝層
25…下地層
30…第1凹凸構造
32…第2凹凸構造
35…空洞含有層
40…空洞
50…窒化物半導体層(基板層)
52…素子構造

Claims (10)

  1. 気相成長法により、基板上に、窒化物半導体の結晶からなる第1凹凸構造を形成し、該第1凹凸構造の凸部の上部から窒化物半導体を選択的に成長させることにより、前記第1凹凸構造上に、窒化物半導体の結晶からなる第2凹凸構造を形成する窒化物半導体の成長方法。
  2. 前記第1凹凸構造の凹部を前記第2凹凸構造により塞ぐことにより、前記第1凹凸構造の凹部を空洞とする請求項1に記載の窒化物半導体の成長方法。
  3. 前記基板は、窒化物半導体と異なる材料からなる異種基板であって、
    前記空洞は、前記基板との界面に形成され、
    前記第2凹凸構造上に窒化物半導体層を成長させた後、降温することにより、前記窒化物半導体層を前記基板から剥離させる請求項2に記載の窒化物半導体の成長方法。
  4. 前記空洞の密度は、前記基板の面内において、中央部より該中央部より外側の外縁部が高い請求項3に記載の窒化物半導体の成長方法。
  5. 気相成長法により、基板上に、凹部の底部が前記基板の表面から離間した窒化物半導体の結晶からなる第1凹凸構造を形成し、該第1凹凸構造の凸部の上部から窒化物半導体を選択的に成長する窒化物半導体の成長方法。
  6. 前記第1凹凸構造の凹部を前記第1凹凸構造上に成長される窒化物半導体により塞ぐことにより、前記第1凹凸構造の凹部を空洞とする請求項5に記載の窒化物半導体の成長方法。
  7. 前記第1凹凸構造上に、窒化物半導体の結晶からなる第2凹凸構造を形成し、該第2凹凸構造上に窒化物半導体を成長させ、前記第2凹凸構造の凹部上に空洞を形成する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の窒化物半導体の成長方法。
  8. 前記第1凹凸構造は、非晶質又は多結晶の緩衝層を含み、
    前記第1凹凸構造上に成長される窒化物半導体は、単結晶である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の窒化物半導体の成長方法。
  9. 前記第1凹凸構造の凸部の上面は、C面(0001)を有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の窒化物半導体の成長方法。
  10. 前記凹部の側面は、{11−22}面を有する請求項9に記載の窒化物半導体の成長方法。
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