JP2006347832A - GaN系化合物半導体層の形成方法、及び、GaN系半導体発光素子の製造方法 - Google Patents
GaN系化合物半導体層の形成方法、及び、GaN系半導体発光素子の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】GaN系化合物半導体層の形成方法は、(A)サファイア基板10のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層11を複数形成した後、(B)頂面が、A面であり、且つ、サファイア基板10のR面に対して略平行な状態にあるGaN系化合物半導体層12,14を、各シード層11から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、(C)GaN系化合物半導体層12,14の頂面14Aを研磨して、サファイア基板10のR面に対して傾斜した状態とする工程を具備する。
【選択図】 図2
Description
と平行となる。尚、このような結晶面を、便宜上、以下、{11−20}面と表記する。また、六方晶系における例えば以下に例示する結晶面の表記、
を、便宜上、本明細書においては、{hk−il}面、{h−kil}面と表記し、以下に例示する方向の表記、
を、便宜上、本明細書においては、<hk−il>方向、<h−kil>方向と表記する。
(A)サファイア基板のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層を複数形成した後、
(B)頂面が、A面であり、且つ、サファイア基板のR面に対して略平行な状態にあるGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、
(C)GaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態とする、
工程を具備することを特徴とする。
(A)サファイア基板のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層を複数形成した後、
(B)頂面が、A面であり、且つ、サファイア基板のR面に対して略平行な状態にあるGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、
(C)GaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態とし、その後、
(D)GaN系化合物半導体層の頂面上に、第1導電型を有するGaN系化合物半導体層、GaN系化合物半導体から成る活性層、第2導電型を有するGaN系化合物半導体層を、順次、形成する、
工程を具備することを特徴とする。
(A)サファイア基板のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層を複数形成した後、
(B)頂面が、A面であり、且つ、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態にあるGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、
(C)GaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面と略平行とする、
工程を具備することを特徴とする。
(A)サファイア基板のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層を複数形成した後、
(B)頂面が、A面であり、且つ、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態にあるGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、
(C)GaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面と略平行とし、その後、
(D)GaN系化合物半導体層の頂面上に、第1導電型を有するGaN系化合物半導体層、GaN系化合物半導体から成る活性層、第2導電型を有するGaN系化合物半導体層を、順次、形成する、
工程を具備することを特徴とする。
[ケース11]各シード層に対応したGaN系化合物半導体層の領域毎に付されていてもよいし(即ち、シード層の全数をNとしたとき、N個のGaN系化合物半導体層の領域のそれぞれに付されていてもよいし)、
[ケース12]複数のシード層に対応したGaN系化合物半導体層の領域毎に付されていてもよいし(即ち、シード層の全数をNとしたとき、M個(<N)のGaN系化合物半導体層の領域のそれぞれに付されていてもよいし)、
あるいは又、
[ケース13]GaN系化合物半導体層の全体に1つの傾斜が付されていてもよい。
[ケース31]X方向に配列されたGaN系半導体発光素子列のそれぞれに対応した基体の領域毎に付されていてもよいし(即ち、X方向に配列されたGaN系半導体発光素子列の数をNとしたとき、N個の基体の領域のそれぞれに付されていてもよいし)、
[ケース32]X方向に配列されたGaN系半導体発光素子列の複数に対応した基体の領域毎に付されていてもよいし(即ち、X方向に配列されたGaN系半導体発光素子列の数をNとしたとき、M個(<N)の基体の領域のそれぞれに付されていてもよいし)、
あるいは又、
[ケース33]基体の頂面の全体に1つの傾斜が付されていてもよい。
GaN系化合物半導体層は、第1のGaN系化合物半導体層と、その上に形成された第2のGaN系化合物半導体層から成り、
前記工程(B)は、頂面がA面である第1のGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、(必要に応じて、シード層の上方に位置する第1のGaN系化合物半導体層の頂面の部分にマスク層を形成した後)、第1のGaN系化合物半導体層の頂面上に(また、マスク層を形成した場合には、更に、マスク層上に)、頂面がA面である第2のGaN系化合物半導体層を第1のGaN系化合物半導体層の頂面から横方向エピタキシャル成長させる工程から成り、
前記工程(C)においては、第2のGaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態とする構成(本発明の第1の態様に係る方法)とすることができ、あるいは又、第2のGaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面と略平行とする構成(本発明の第2の態様に係る方法)とすることができる。
0.5≦L/PS≦0.99
好ましくは、
0.6≦L/PS≦0.8
を満足することが、欠陥を減らすといった観点、あるいは、サファイア基板からのGaN系化合物半導体層の剥離を防止するといった観点から望ましい。
1<WM/WS
好ましくは、
1<M/WS≦2
を満足することが一層望ましい。また、複数のシード層の形成ピッチをPSとしたとき、
0.01≦WS/PS≦0.5
好ましくは、
0.1≦WS/PS≦0.3
を満足することが望ましい。1<WM/WSを満足させることによって、得られた第2のGaN系化合物半導体層における結晶欠陥密度を確実に低減させることができる。
1<WM/WS
好ましくは、
1<WM/WS≦2
を満足し、且つ、
WE2/(PS−WM)<1
好ましくは、
WE2/(PS−WM)<0.5
を満足することが更に一層好ましい。1<WM/WSを満足させることによって、得られた第2のGaN系化合物半導体層における結晶欠陥密度を確実に低減させることができるし、WE2/(PS−WM)<1を満足させることによって、一層結晶欠陥密度の少ない第2導電型を有するGaN系化合物半導体層上に第2電極を設けることができる。
tan(θ)=s/d=(a/2d) (1)
となる。ここで、上記の式(1)を変形すると、以下の式(2)のとおりとなる。
d=[a/2tan(θ)] (2)
そして、一般に、ステップ間の平均距離dが大きくなると、そのような基体の表面やGaN系化合物半導体層の表面の上に形成される(成長する)GaN系化合物半導体に異常成長が生じ易くなる。
先ず、サファイア基板10のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層11を複数形成する(図1の(A)参照)。ここで、サファイア基板10のR面とは、{1−102}面である。具体的には、サファイア基板10をMOCVD装置に搬入し、有機ガリウム源ガスとしてトリメチルガリウム(TMG)ガスを使用し、窒素源ガスとしてアンモニアガスを使用したMOCVD法に基づき、窒素源ガスの有機ガリウム源ガスに対する供給モル比であるV/III比を適切に選択することでピット等が出来る限り発生しないように鏡面に成長する条件で、厚さ約2μmの平坦なGaN系化合物半導体層をサファイア基板10のR面上に成膜する。具体的には、頂面がA面であるGaN層をサファイア基板10のR面上に成膜する。但し、このGaN系化合物半導体層には、積層欠陥等の高密度の欠陥が存在している。次いで、サファイア基板10をMOCVD装置から搬出し、リソグラフィ技術及びRIE技術に基づき、このGaN系化合物半導体層を、平面形状が帯状となるようにパターニングすることで、離間したシード層11を複数形成することができる。ここで、シード層11は、<1−100>方向に、図面の紙面垂直方向に延び、シード層11の平面形状を幅WSの帯状とし、複数のシード層の形成ピッチをPSとしたとき、
WS= 5μm
PS=15μm
である。
次いで、頂面が、A面であり、且つ、サファイア基板10のR面に対して略平行な状態にあるGaN系化合物半導体層12,14を、各シード層11から横方向エピタキシャル成長させる。
V/III比 :約500
有機ガリウム源ガスの供給量:4.5×10-6モル・cm-2・min-1
窒素源ガスの供給量 :1SLM
正味の成長速度 :12μm/hr
窒素源ガスを含む全体圧力 :1×104Pa
次いで、サファイア基板10をMOCVD装置から搬出し、シード層11の上方に位置する第1のGaN系化合物半導体層12の頂面12Aの部分に、マスク層13を形成する(図1の(C)参照)。マスク層13は、下から、酸化シリコン層、窒化シリコン層の積層構造を有し、プラズマCVD法、リソグラフィ技術、及び、ウエットエッチング技術に基づき形成することができる。平面形状が帯状のマスク層13の幅WMを8μmとする。即ち、シード層11の射影像は、マスク層13の射影像に含まれ、WM/WS=1.6である。
V/III比 :約8000
窒素源ガスの供給量 :6SLM
横方向成長速度 :4μm/hr
窒素源ガスを含む全体圧力:9×104Pa
その後、第1のGaN系化合物半導体層12の頂面12A上及びマスク層13上に、頂面14AがA面であり、側面14BがC面である第2のGaN系化合物半導体層14を第1のGaN系化合物半導体層12の頂面12A上から横方向エピタキシャル成長させる(図2の(A)参照)。具体的には、サファイア基板10を、再び、MOCVD装置に搬入し、有機ガリウム源ガスとしてトリメチルガリウム(TMG)ガスを使用し、窒素源ガスとしてアンモニアガスを使用したMOCVD法に基づき、頂面14AがA面であり、側面14BがC面である第2のGaN系化合物半導体層14の成膜を、第1のGaN系化合物半導体層12の頂面12Aから開始させ、第2のGaN系化合物半導体層14を横方向に成長させる。成膜条件は表1と同様とすればよい。第2のGaN系化合物半導体層14の頂面14Aは、サファイア基板10のR面に対して略平行となる。
その後、MOCVD装置からサファイア基板10を搬出し、CMP法に基づき、GaN系化合物半導体層の頂面(より具体的には、実施例1にあっては、第2のGaN系化合物半導体層14の頂面14A)を研磨して、サファイア基板10のR面に対して傾斜した状態とする(図2の(B)参照)。ここで、GaN系化合物半導体層の頂面(より具体的には、第2のGaN系化合物半導体層14における頂面14A)のサファイア基板10のR面に対する傾斜角(θ)を2.0度とした。尚、傾斜角(θ)とは、シード層11が延びる方向をX方向(図2の紙面垂直方向)、シード層11の幅方向をY方向、サファイア基板10のR面に対する法線の方向をZ方向としたとき、GaN系化合物半導体層12,14をYZ平面で切断したと仮定したときの傾斜角であり、GaN系化合物半導体層12,14のa軸(図2の(B)に矢印で示す)とGaN系化合物半導体層12,14の法線の成す角度である。また、GaN系化合物半導体層12,14をYZ平面で切断したと仮定したとき、GaN系化合物半導体層の頂面(より具体的には、第2のGaN系化合物半導体層14の頂面14A)の傾斜は、複数のシード層11に対応したGaN系化合物半導体層の領域毎に付されている。より具体的には、シード層の全数をN(例えば、N=1000)としたとき、M個(=N/m、ここで、m=2)のGaN系化合物半導体層の領域のそれぞれに付されている[ケース12]。即ち、GaN系化合物半導体層12,14をYZ平面で切断したと仮定したとき、GaN系化合物半導体層の頂面(より具体的には、第2のGaN系化合物半導体層14の頂面14A)の形状は鋸状であり、このような頂面の形状は、具体的には、ダイヤモンドスラリー、KOH、更には、強い紫外線等の光を照射することを利用したCMP法によって得ることができる。
次に、同じMOCVD装置にサファイア基板10を搬入し、第2のGaN系化合物半導体層14上に、第1導電型を有するGaN系化合物半導体層(具体的には、例えば、Siをドーピングした厚さ約1μmのGaN層)、GaN系化合物半導体から成る活性層(具体的には、例えば、厚さ2〜3nmのInGaN層/厚さ7〜20nmのGaN層が積層された単一量子井戸構造[QW構造]あるいは多重量子井戸構造[MQW構造])、第2導電型を有するGaN系化合物半導体層(具体的には、例えば、Mgをドーピングした厚さ5〜20nmのAlGaN層と、Mgをドーピングした厚さ100nmのGaN層)を、順次、周知のMOCVD法にて形成する。尚、第1導電型を有するGaN系化合物半導体層は、結晶欠陥の少なくなる以下の表3に示す成長条件で成膜することが望ましい。
V/III比 :約5000
窒素源ガスを含む全体圧力:1×104Pa以上
成長温度 :1020゜C
その後、第2導電型(具体的には、p型)を有するGaN系化合物半導体層上に第2電極を形成する。第2電極は、Ni層/Ag層/Au層の積層構造を有し、真空蒸着法にて形成することができる。尚、第2電極を、第1のGaN系化合物半導体層12の頂面12A上に形成された第2のGaN系化合物半導体層14の部分の上方に形成する。第2電極の射影像は、第1のGaN系化合物半導体層12の頂面12A上に形成された第2のGaN系化合物半導体層14の部分の射影像に含まれる。第2電極の平面形状は、帯状、円形、楕円形等とすることができ、第2電極の幅WE2(マスク層13の幅と同じ方向の幅である)を、6μmとする。尚、第2電極は、マスク層13の上方に位置する第2のGaN系化合物半導体層14の部分に形成しないことが好ましく、更には、第2のGaN系化合物半導体層14と第2のGaN系化合物半導体層14との接合部を跨がないように形成することが一層好ましい。
次いで、全面に支持層を形成し、あるいは、全面に支持体を接着した後、シード層11、第1のGaN系化合物半導体層12をサファイア基板10のR面から剥離する。具体的には、サファイア基板10を介して、サファイア基板10とシード層11、第1のGaN系化合物半導体層12との界面にレーザ光(例えば、波長248nmのKrFエキシマレーザ光)を照射すればよい。その後、シード層11、第1のGaN系化合物半導体層12、マスク層13、第2のGaN系化合物半導体層14を、エッチング法及び研磨法を組合せた方法によって除去し、第1導電型を有するGaN系化合物半導体層を露出させる。次に、露出した第1導電型を有するGaN系化合物半導体層上に第1電極を形成する。第1電極は、Ti層/Au層の積層構造を有する。更に、第1電極に接続されたITOから成る透明電極を形成する。
その後、第1導電型を有するGaN系化合物半導体層、GaN系化合物半導体から成る活性層、第2導電型を有するGaN系化合物半導体層から成る積層構造を劈開、切断してLEDチップとし、透明電極が上になるようにマウントし、配線を行い、樹脂モールドを行うことで、砲弾型のLEDデバイスから成るGaN系半導体発光素子を得ることができる。
先ず、実施例1の[工程−100]と同様にして、サファイア基板10のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層11を複数形成する(図4の(A)参照)。
次いで、頂面12AがA面であり、側面12BがC面である第1のGaN系化合物半導体層12を、各シード層11から横方向エピタキシャル成長させる(図4の(B)参照)。実施例2にあっては、第1のGaN系化合物半導体層12を、各シード層11から横方向エピタキシャル成長させ、各第1のGaN系化合物半導体層12の対向する側面12Bが相互に接触する前に、横方向エピタキシャル成長を中止する。具体的には、実施例1の[工程−110]と同様の工程を実行する。但し、成膜時間を、実施例1よりは短くする。
次いで、実施例1の[工程−120]と同様にして、シード層11の上方に位置する第1のGaN系化合物半導体層12の頂面12Aの部分に、マスク層13を形成する(図4の(C)参照)。
その後、実施例1の[工程−130]と同様にして、第2のGaN系化合物半導体層14を第1のGaN系化合物半導体層12の頂面12Aから横方向エピタキシャル成長させると共に、第1のGaN系化合物半導体層12の対向する側面12Bから第3のGaN系化合物半導体層15を横方向エピタキシャル成長させる(図4の(D)参照)。
その後、実施例1の[工程−140]〜[工程−180]と同様の工程を実行することで、GaN系半導体発光素子を得ることができる。
先ず、実施例1の[工程−100]と同様にして、サファイア基板10のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層11を複数形成する。尚、実施例3においては、
WS= 6μm
PS=24μm
とする。
次いで、頂面12AがA面であり、側面12BがC面である第1のGaN系化合物半導体層12を、実施例2の[工程−210]と同様にして、各シード層11から横方向エピタキシャル成長させる。実施例3にあっても、第1のGaN系化合物半導体層12を、各シード層11から横方向エピタキシャル成長させ、各第1のGaN系化合物半導体層12の対向する側面12Bが相互に接触する前に、横方向エピタキシャル成長を中止する。具体的には、実施例1の[工程−110]と同様の工程を実行する。但し、成膜時間を、実施例1よりは短くする。また、表1の成膜条件では、場合によっては、得られた第1のGaN系化合物半導体層12に点欠陥が多く存在し、また、有機ガリウム源ガス中の炭素が第1のGaN系化合物半導体層12に多く含まれ、黄色の発光が増えてしまう場合がある。それ故、実施例3にあっては、表1における窒素源ガスの供給量を1SLMから2SLMへと変更した。尚、実施例1に示した第1のGaN系化合物半導体層12の成長条件では、横方向成長速度が速く、窒素源ガス流量が少ないこともあり、第1のGaN系化合物半導体層12が褐色に着色する場合があるが、実施例3の第1のGaN系化合物半導体層12の成長条件では、第1のGaN系化合物半導体層12が着色せず、透明となる。しかも、窒素源ガス流量を2SLMとすることで、横方向成長速度が相対的に遅くなり、各第1のGaN系化合物半導体層12の対向する側面12Bが相互に接触し難くなる傾向にある。
次いで、実施例1の[工程−120]と同様にして、シード層11の上方に位置する第1のGaN系化合物半導体層12の頂面12Aの部分に、マスク層13を形成する。尚、平面形状が帯状のマスク層13の幅WMを9μmとする。即ち、シード層11の射影像は、マスク層13の射影像に含まれ、WM/WS=1.5である。
その後、実施例1の[工程−130]と同様にして、第2のGaN系化合物半導体層14を第1のGaN系化合物半導体層12の頂面12Aから横方向エピタキシャル成長させると共に、第1のGaN系化合物半導体層12の対向する側面12Bから第3のGaN系化合物半導体層15を横方向エピタキシャル成長させる。
その後、実施例1の[工程−140]〜[工程−180]と同様の工程を実行することで、GaN系半導体発光素子を得ることができる。
先ず、実施例1の[工程−100]と同様にして、サファイア基板40のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層41を複数形成する(図5の(A)参照)。尚、シード層41は<1−100>方向に延び、シード層41の平面形状を幅WSの帯状とし、複数のシード層の形成ピッチをPSとしたとき、
WS=10μm
PS=30μm
である。
次いで、頂面が、A面であり、且つ、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態にあるGaN系化合物半導体層42,44を、各シード層41から横方向エピタキシャル成長させる。
V/III比 :約500
有機ガリウム源ガスの供給量:3×10-6モル・cm-2・min-1
窒素源ガスの供給量 :1SLM
正味の成長速度 :12μm/hr
窒素源ガスを含む全体圧力 :1×104Pa
次いで、サファイア基板40をMOCVD装置から搬出し、シード層41の上方に位置する第1のGaN系化合物半導体層42の頂面42Aの部分に、マスク層43を形成する(図5の(C)参照)。マスク層43は、下から、酸化シリコン層、窒化シリコン層の積層構造を有し、プラズマCVD法、リソグラフィ技術、及び、ウエットエッチング技術に基づき形成することができる。平面形状が帯状のマスク層43の幅WMを12μmとする。即ち、シード層41の射影像は、マスク層43の射影像に含まれ、WM/WS=1.2である。
その後、第1のGaN系化合物半導体層42の頂面42A上及びマスク層43上に、頂面44AがA面であり、側面44BがC面である第2のGaN系化合物半導体層44を第1のGaN系化合物半導体層42の頂面42A上から横方向エピタキシャル成長させる(図6の(A)参照)。具体的には、サファイア基板40を、再び、MOCVD装置に搬入し、有機ガリウム源ガスとしてトリメチルガリウム(TMG)ガスを使用し、窒素源ガスとしてアンモニアガスを使用したMOCVD法に基づき、頂面44AがA面であり、側面44BがC面である第2のGaN系化合物半導体層44の成膜を、第1のGaN系化合物半導体層42の頂面42Aから開始させ、第2のGaN系化合物半導体層44を横方向に成長させる。成膜条件は表4と同様とすればよい。
その後、MOCVD装置からサファイア基板40を搬出し、CMP法に基づき、GaN系化合物半導体層の頂面(より具体的には、実施例4にあっては、第2のGaN系化合物半導体層44の頂面44A)をCMP法に基づき研磨して、サファイア基板40のR面と略平行とする(図6の(B)参照)。尚、第2のGaN系化合物半導体層44の頂面を研磨して、サファイア基板40のR面と略平行とした状態にあっては、第2のGaN系化合物半導体層44の頂面の法線は、第2のGaN系化合物半導体層44のa軸(図6の(B)に矢印で示す)に対して概ね傾斜角(θ)だけ傾斜した状態となる。
その後、実施例1の[工程−140]〜[工程−180]と同様の工程を実行することで、GaN系半導体発光素子を得ることができる。
先ず、GaN基板をダイサーで切断することで、頂面がA面であるバルク状のGaN基板60を準備する。そして、例えばCMP法に基づきGaN基板60の頂面を研磨することで、A面に対して所定の傾斜角θ(例えば2.0度)を有する頂面60Aを備えたGaNから成る基体(より具体的には、実施例5にあっては、GaN基板60)を得ることができる。尚、GaN基板をダイサーで切断することで、直接、A面に対して所定の傾斜角θ(例えば2.0度)を有する頂面60Aを備えたGaNから成る基体(GaN基板60)を得ることもできる。この状態を、図7の(A)に示すが、点線は、GaN基板60のA面を示す。また、図7の(A)〜(C)において、矢印は、a軸を示す。尚、GaN基板の表面に極性が反転している領域などがあれば、その部分を避けてGaN系半導体発光素子を製造することが望ましい。
そして、このGaN基板60をMOCVD装置に搬入し、A面に対して所定の傾斜角θを有する頂面60Aを備えたGaNから成る基体(GaN基板60)の頂面60A上に、第1導電型を有するGaN系化合物半導体層66(具体的には、例えば、Siをドーピングした厚さ約1μmのGaN層)、GaN系化合物半導体から成る活性層67(具体的には、例えば、厚さ2〜3nmのInGaN層/厚さ7〜20nmのGaN層が積層された単一量子井戸構造[QW構造]あるいは多重量子井戸構造[MQW構造])、第2導電型を有するGaN系化合物半導体層68(具体的には、例えば、Mgをドーピングした厚さ5〜20nmのAlGaN層と、Mgをドーピングした厚さ100nmのGaN層)を、順次、周知のMOCVD法にて形成する。尚、第1導電型を有するGaN系化合物半導体層は、結晶欠陥の少なくなる表3に示した成長条件で成膜することが望ましい。
その後、第2導電型(具体的には、p型)を有するGaN系化合物半導体層68上に第2電極69Bを形成する。第2電極69Bは、Ni層/Ag層/Au層の積層構造を有し、真空蒸着法にて形成することができる。次に、GaN基板60の裏面に、第1電極69Aを形成する。第1電極69Aは、Ti層/Au層の積層構造を有し、真空蒸着法にて形成することができる。更に、第1電極69Aに接続されたITOから成る透明電極を形成する。その後、GaN基板60を劈開することで、個々のGaN系半導体発光素子に分離する。こうして、図7の(C)に示すGaN系半導体発光素子(LED)を得ることができる。そして、得られたLEDチップを、透明電極が上になるようにマウントし、配線を行い、樹脂モールドを行うことで、砲弾型のLEDデバイスから成るGaN系半導体発光素子を得ることができる。
Claims (14)
- (A)サファイア基板のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層を複数形成した後、
(B)頂面が、A面であり、且つ、サファイア基板のR面に対して略平行な状態にあるGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、
(C)GaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態とする、
工程を具備することを特徴とするGaN系化合物半導体層の形成方法。 - 前記工程(C)において得られたGaN系化合物半導体層における頂面のサファイア基板のR面に対する傾斜角を0.2度乃至4度とすることを特徴とする請求項1に記載のGaN系化合物半導体層の形成方法。
- GaN系化合物半導体層は、第1のGaN系化合物半導体層と、その上に形成された第2のGaN系化合物半導体層から成り、
前記工程(B)は、頂面がA面である第1のGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、シード層の上方に位置する第1のGaN系化合物半導体層の頂面の部分にマスク層を形成した後、第1のGaN系化合物半導体層の頂面上及びマスク層上に、頂面がA面である第2のGaN系化合物半導体層を第1のGaN系化合物半導体層の頂面から横方向エピタキシャル成長させる工程から成り、
前記工程(C)においては、第2のGaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態とすることを特徴とする請求項1に記載のGaN系化合物半導体層の形成方法。 - (A)サファイア基板のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層を複数形成した後、
(B)頂面が、A面であり、且つ、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態にあるGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、
(C)GaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面と略平行とする、
工程を具備することを特徴とするGaN系化合物半導体層の形成方法。 - 前記工程(B)において得られたGaN系化合物半導体層における頂面のサファイア基板のR面に対する傾斜角を0.2度乃至4度とすることを特徴とする請求項4に記載のGaN系化合物半導体層の形成方法。
- GaN系化合物半導体層は、第1のGaN系化合物半導体層と、その上に形成された第2のGaN系化合物半導体層から成り、
前記工程(B)は、頂面がA面である第1のGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、シード層の上方に位置する第1のGaN系化合物半導体層の頂面の部分にマスク層を形成した後、第1のGaN系化合物半導体層の頂面上及びマスク層上に、頂面がA面である第2のGaN系化合物半導体層を第1のGaN系化合物半導体層の頂面から横方向エピタキシャル成長させる工程から成り、
前記工程(C)においては、第2のGaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面と略平行とすることを特徴とする請求項4に記載のGaN系化合物半導体層の形成方法。 - (A)サファイア基板のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層を複数形成した後、
(B)頂面が、A面であり、且つ、サファイア基板のR面に対して略平行な状態にあるGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、
(C)GaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態とし、その後、
(D)GaN系化合物半導体層の頂面上に、第1導電型を有するGaN系化合物半導体層、GaN系化合物半導体から成る活性層、第2導電型を有するGaN系化合物半導体層を、順次、形成する、
工程を具備することを特徴とするGaN系半導体発光素子の製造方法。 - 前記工程(C)において得られたGaN系化合物半導体層における頂面のサファイア基板のR面に対する傾斜角を0.2度乃至4度とすることを特徴とする請求項7に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
- GaN系化合物半導体層は、第1のGaN系化合物半導体層と、その上に形成された第2のGaN系化合物半導体層から成り、
前記工程(B)は、頂面がA面である第1のGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、シード層の上方に位置する第1のGaN系化合物半導体層の頂面の部分にマスク層を形成した後、第1のGaN系化合物半導体層の頂面上及びマスク層上に、頂面がA面である第2のGaN系化合物半導体層を第1のGaN系化合物半導体層の頂面から横方向エピタキシャル成長させる工程から成り、
前記工程(C)においては、第2のGaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態とすることを特徴とする請求項7に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。 - (A)サファイア基板のR面上に、GaN系化合物半導体から成り、離間したシード層を複数形成した後、
(B)頂面が、A面であり、且つ、サファイア基板のR面に対して傾斜した状態にあるGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、
(C)GaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面と略平行とし、その後、
(D)GaN系化合物半導体層の頂面上に、第1導電型を有するGaN系化合物半導体層、GaN系化合物半導体から成る活性層、第2導電型を有するGaN系化合物半導体層を、順次、形成する、
工程を具備することを特徴とするGaN系半導体発光素子の製造方法。 - 前記工程(B)において得られたGaN系化合物半導体層における頂面のサファイア基板のR面に対する傾斜角を0.2度乃至4度とすることを特徴とする請求項10に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
- GaN系化合物半導体層は、第1のGaN系化合物半導体層と、その上に形成された第2のGaN系化合物半導体層から成り、
前記工程(B)は、頂面がA面である第1のGaN系化合物半導体層を、各シード層から横方向エピタキシャル成長させ、次いで、シード層の上方に位置する第1のGaN系化合物半導体層の頂面の部分にマスク層を形成した後、第1のGaN系化合物半導体層の頂面上及びマスク層上に、頂面がA面である第2のGaN系化合物半導体層を第1のGaN系化合物半導体層の頂面から横方向エピタキシャル成長させる工程から成り、
前記工程(C)においては、第2のGaN系化合物半導体層の頂面を研磨して、サファイア基板のR面と略平行とすることを特徴とする請求項10に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。 - A面に対して所定の傾斜角を有する頂面を備えたGaNから成る基体の該頂面上に、第1導電型を有するGaN系化合物半導体層、GaN系化合物半導体から成る活性層、第2導電型を有するGaN系化合物半導体層を、順次、形成する工程を具備することを特徴とするGaN系半導体発光素子の製造方法。
- 所定の傾斜角を0.2度乃至4度とすることを特徴とする請求項13に記載のGaN系半導体発光素子の製造方法。
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