JP4083898B2 - カートリッジフィルターハウジング - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は工業用水や水道水等の粗濾過フィルターや、純水あるいは超純水中に僅かに混在している微粒子の濾過フィルター、薬品中の微粒子濾過フィルター等のカートリッジフィルターハウジングにおけるシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
残留塩素除去、有機物除去、濁質成分等微粒子除去、細菌除去等の目的で水を使用する様々な分野でカートリッジフィルターが用いられている。
図3は従来のカートリッジ式濾過器の構造の一例を示す縦断面図であり、図中20は被処理水の入口部21及び処理水の出口部22を形成したキャップ、23はカートリッジフィルター24を着脱自在に収納する容器本体、25は前記キャップ20と容器本体23を接続するための筒型ナット、26はキャップ20と容器本体23をシールするOリングをそれぞれ示す。
【0003】
キャップ20はその首部27の外周面に雄ねじ28を形成してあって、この雄ねじ28に筒型ナット25の上部内周面に形成した雌ねじが螺着されるようになっており、筒型ナット25の雌ねじが雄ねじ28に螺着され上方に移動するに伴って、筒型ナット25の下端環状折曲部29が容器本体23の上部に形成してある段部30に当接し、容器本体23の全体を上方に押し上げてキャップ20と密に嵌合できる構造となっている。
【0004】
このように、筒型ナット25をキャップ20にねじ付けることによってキャップ20と容器本体23の接続が図られる構造となっているが、キャップ20と容器本体23の接続部から液漏れが生ずるのを防止するため、キャップ20の首部27の外周面に環状をなすようにして2つの凹溝を凹設し、この凹溝内にOリング26,26を挿着して両者をシールするようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、従来はキャップ20と容器本体23の接続部から液漏れするのを防ぐため、キャップ20の首部27に環状をなすように2つの凹溝を凹設し、この凹溝内にそれぞれOリング26,26を挿着するダブルOリングを採用している。
【0006】
しかしながら、ダブルOリングといっても、従来は2つのOリングをキャップと容器本体における接続部の同一の面上に並設したものに過ぎず、Oリングの圧縮方向も常に同一となるため、容器本体23内の圧力が上昇したようなとき液漏れを生ずるというおそれがあった。
【0007】
そこで本発明は、キャップと容器本体の従来のシール構造の不具合を解消し、2個のOリングをそれぞれ異なった面上、すなわち、ダブルOリングのうちの1個を、キャップの下端縁に形成した斜面部と容器本体の内側に形成した段部及び垂直壁とによって形成される断面が略三角形状の隔室内に挿着することによって、接続部からの液漏れを完全に防止できるようになしたカートリッジフィルターハウジングにおけるシール構造を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の構成を詳述すれば、被処理水の入口部と処理水の出口部を形成した頭部及び下方部が容器本体の上端開口部内に嵌合し得る首部を有するキャップと、カートリッジフィルターを収納する容器本体と、キャップと容器本体を接続するための筒型ナットと、キャップと容器本体をシールするOリングとを有してなるカートリッジフィルターハウジングにおいて、キャップと容器本体のシール部が、キャップの首部外周面に凹設した環状凹溝内に挿着する第1のOリングと、キャップの首部下端縁に形成した斜面部と、容器本体の内側に形成した水平状の段部及び垂直壁とによって形成される断面略三角形状の隔室内に挿着する第2のOリングによって構成されていることを特徴とするカートリッジフィルターハウジングである。
【0009】
上記したように、第2のOリングはキャップの首部下端縁に設けた斜面部と、容器本体の内側に設けた段部及び垂直壁とによって形成される断面略三角形状の隔室内で三方向から圧縮され、第1のOリングとは異なった面上においてシールが図られることによって、キャップと容器本体の接続部からの液漏れを完璧に防止することができ、高信頼性のカートリッジフィルターハウジングを提供することができるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明カートリッジフィルターハウジングにおけるシール構造の具体的構成を図示の実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本発明カートリッジフィルターハウジングにおけるシール構造の一実施例を示す縦断面図、図2はキャップと容器本体のシール部の詳細図である。
【0011】
図中1はキャップ、2は容器本体、3はこの容器本体2の内部に交換可能に収納されるカートリッジフィルター、4はキャップ1と容器本体2を接続するための筒型ナットである。
【0012】
先ず、キャップ1は頭部5と首部6を含んでおり、頭部5には被処理水の入口部7と処理水の出口部8を設けてある。また、首部6の上部外周面には雄ねじ9を形成してあって、この雄ねじ9に筒型ナット4の上部内周面に形成した雌ねじが螺着されるようになっている。なお、首部6の下方部は、大径状となっている容器本体2の上端開口部内に嵌合し得るよう上方部より僅かに薄肉状となっている。
【0013】
筒型ナット4の下端部は内側に折曲げられていて、キャップ1の前記雄ねじ9に螺着されていくと、当該下端環状折曲部10が容器本体2の上部に形成してある段部11の下面に当接し、容器本体2の全体を上方に押し上げてキャップ1と密に嵌合できる構造となっている。
【0014】
なお、被処理水はキャップ1の頭部5に設けてある入口部7を通じて容器本体2内に入り、カートリッジフィルター3を通過するときに、濁質成分等が除去され、処理水はカートリッジフィルター3の中心部よりキャップ1の出口部8を介して各用途先に送られる。
【0015】
このようなカートリッジフィルターハウジングにおけるシール構造として、本発明では、キャップ1の首部6の外周面に凹設した凹溝12内に第1のOリング13を挿着すると共に、キャップ1の首部6下端縁に形成した斜面部14と、容器本体2の内側に設けた水平状の段部15及び垂直壁16とによって形成される断面略三角形状の隔室17内に第2のOリング18を挿着するようにしたものである。
【0016】
前記したように、筒型ナット4をキャップ1の前記雄ねじ9に螺着していくと、筒型ナット4の下端環状折曲部10が容器本体2の段部11の下面に当接し、容器本体2の全体が上方に押し上げられてキャップ1と密に嵌合するが、その際、図2に示すように、第1のOリング13はキャップ1の首部外周面に凹設した環状凹溝12内において、当該凹溝12に対向する容器本体2の内周面に圧着されてシール効果を発揮すると共に、第2のOリング18は断面略三角形状の隔室17内で、キャップ1の下端縁に形成してある斜面部14によって斜め方向から圧着され、且つ容器本体2の内側の水平状段部15及び垂直壁16が交わるコーナー部に圧着され、結局三方向からの圧縮力を受けてキャップ1と容器本体2の接続部からの液漏れを完全に防止することができるものである。
【0017】
前記したように、従来のダブルOリングはキャップの首部外周面に並設した2本の環状凹溝内にそれぞれOリングを挿着した同一面上でのシール構造に過ぎなかったが、本発明においては、第1のOリング13は、従来と同様に凹溝12に対向する容器本体2の内周面に圧着されるものの、第2のOリング18は、隔室17内で第1のOリング13とは異なった方向からの圧縮力を受け、両者の相乗作用によって一層のシール効果が得られるのである。
【0018】
【発明の効果】
上記したとおり、本発明によった場合、キャップと容器本体のシール部が、従来のダブルOリングの構造と異なり、同一の面上ではなく、キャップと容器本体のそれぞれ異なった面上においてシールする構造となっているので、キャップと容器本体の接続部からの液漏れを完璧に防止することができ高信頼性のカートリッジフィルターハウジングを提供することができる。特に、第2のOリングをキャップの下端縁に形成した斜面部と容器本体の内側に設けた水平状段部及び垂直壁によって形成される断面略三角形状の隔室内に挿着するようにしたものであるから、第1のOリングとの相乗作用によって従来より格段に優れたシール効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカートリッジフィルターハウジングにおけるシール構造の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】キャップと容器本体のシール部の詳細図である。
【図3】従来のカートリッジフィルターハウジング構造の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:キャップ 2:容器本体
3:カートリッジフィルター 4:筒型ナット
5:頭部 6:首部
7:入口部 8:出口部
9:雄ねじ 10:下端環状折曲部
11:段部 12:環状凹溝
13:第1のOリング 14:斜面部
15:水平状段部 16:垂直壁
17:隔室 18:第2のOリング

Claims (1)

  1. 被処理水の入口部と処理水の出口部を形成した頭部及び下方部が容器本体の上端開口部内に嵌合し得る首部を有するキャップと、カートリッジフィルターを収納する容器本体と、キャップと容器本体を接続するための筒型ナットと、キャップと容器本体をシールするOリングとを有してなるカートリッジフィルターハウジングにおいて、キャップと容器本体のシール部が、キャップの首部外周面に凹設した環状凹溝内に挿着する第1のOリングと、キャップの首部下端縁に形成した斜面部と、容器本体の内側に形成した水平状の段部及び垂直壁とによって形成される断面略三角形状の隔室内に挿着する第2のOリングによって構成されていることを特徴とするカートリッジフィルターハウジング。
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