JP4083364B2 - 同軸高周波気密窓構体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は同軸高周波気密窓構体に関する。
【0002】
【従来の技術】
同軸高周波気密窓構体は、たとえば同軸線路の一部を大気側と真空側に分離する場合に用いられ、クライストロンの出力用線路や線形加速器のカプラーなどに利用されている。
【0003】
ここで、従来の同軸高周波気密窓構体について図3を参照して説明する。符号31は、同軸線路の外導体の一部を構成する外軸で、外軸31の内側には、同軸線路の内導体の一部を構成する内軸32が設けられている。外軸31と内軸32の間には、同軸線路を大気側と真空側に分ける有孔円板状のセラミック製気密窓部材33がろう付けにより真空気密に接合されている。
【0004】
外軸31は、冷却ジャケット用円筒体34やその内面部分に形成された外軸スリーブ35、この外軸スリーブ35の裏側に環状に形成された冷却水路36などから構成されている。
【0005】
内軸32は、他の内導体部分に接続される内導体接続体37や銅製の内軸スリーブ38、内軸スリーブ38などを冷却するための水路を構成する筒状の冷却回路部品39、冷却回路部品39の端部と接合された結合部材40、冷却回路部品39に冷却水を導入する導入路41、冷却水を導出する導出路42などから構成されている。冷却回路部品39の一部に貫通孔39aが設けられ、矢印Y1、Y2、Y3で示すように、導入路41から導入された冷却水が貫通孔39aを経て導出路42から導出される構成になっている。また、内軸スリーブ38の内周壁のセラミック製気密窓部材33に対応する位置には、隙間解消用のモリブデン(Mo)製のリング部品44がろう接されている。
【0006】
次に、上記した同軸高周波気密窓構体の製造方法について図4を参照して説明する。図4では、主として内軸側の組立方法を説明するが、図3に対応する部分には同じ符号を付し、重複する説明を一部省略する。
【0007】
外軸31内側の中心に、内軸32を構成する内導体接続体37および内軸スリーブ38を配置し、内軸スリーブ38の内側にステンレス鋼製の筒状押さえ治具43が配置される。押さえ治具43には、断面が台形状に突出する突出部43aが環状に設けられている
内軸スリーブ38の内側と押さえ治具43間には、気密窓部材33と内軸スリーブ38との密着性をよくするために、隙間解消用のモリブデン(Mo)製の肉厚の薄いリング部品44を配置し、同時に、リング部品44と内軸スリーブ38間にろう材45が配置される。また、内軸スリーブ38と気密窓部材33との間にもろう材46が配置される。
【0008】
ここで、上記した構成の内軸32部分の横断面構造を図5に示す。図5は、図4の気密窓部材33の内側に対応する位置の内軸スリーブ38から内側を断面にしたもので、図4に対応する部分には同じ符号を付し、重複する説明を一部省略する。図で示すように、押さえ治具43の一部に切り欠き43bが設けられ、また、リング部品44の切れ目44aが切り欠き43aの部分に一致するように配置される。
【0009】
上記した状態で、全体を加熱し、ろう材45、46を溶かして、外軸スリーブ35、内軸スリーブ38および気密窓部材33を真空気密にろう接する。このとき、内軸スリーブ38の内側に隙間解消用のモリブデン製リング部品44が一緒にろう接される。
【0010】
その後、押さえ治具43を取り外し、内導体接続体37および内軸スリーブ38内に、図3に示すように冷却回路部品39や結合部材40、導入路41、導出路42などをろう接する。
【0011】
上記した方法によれば、ろう接時に押さえ治具43の熱膨張などにより、気密窓部材33と内軸スリーブ38の接合箇所が密着し、両者は真空気密にろう接され、リークなどの発生しない同軸高周波気密窓構体が構成される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の同軸高周波気密窓構体は、押さえ治具を用いて内軸スリーブと気密窓部材を気密にろう接し、その後、内軸スリーブ内に冷却回路部品などをろう接して組み立てられている。このため、ろう付け工程が2つになり、生産性が低下する。また、押さえ治具を必要とし、製造に必要な部品点数が増えるという問題がある。
【0013】
本発明は、上記した欠点を解決し、生産性が高く、部品点数の少ない同軸高周波気密窓構体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、同軸線路の外導体部分を構成する外軸スリーブと、この外軸スリーブの内側に位置し前記同軸線路の内導体部分を構成する内軸スリーブと、前記外軸スリーブと前記内軸スリーブとの間に真空気密ろう付けされた誘電体製気密窓部材と、前記内軸スリーブの内側に配置され冷却媒体の通路を構成する冷却回路部品とを具備した同軸高周波気密窓構体において、前記気密窓部材がろう付けされた前記内軸スリーブの裏側部分に隙間解消用リング部品がろう付けされ、このリング部品の内側に組立治具を兼ねた冷却回路部品の外周面が密接または近接されていることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図1を参照して説明する。符号11は、同軸線路の外導体部分を構成する筒状外軸で、外軸11の内側に、同軸線路の内導体部分を構成する内軸12が設けられている。外軸11と内軸12との間には、同軸線路を大気側と真空側に分ける誘電体セラミック製の有孔円板状気密窓部材13が気密に接合されている。
【0016】
外軸11は、冷却ジャケット用円筒体14やその内面部分に形成された銅製の外軸スリーブ15、この外軸スリーブ15の裏側に環状に形成された冷却水路16などから構成されている。
【0017】
内軸12は、他の内導体部分に接続される内導体接続体17や、内導体接続体17の外縁部に接合された銅製の内軸スリーブ18、この内軸スリーブ18の内側に位置し、内軸スリーブ18などを冷却するための水路を構成する冷却回路部品19、冷却回路部品19の端部が結合される結合部材20、冷却回路部品19に冷却水を導入する導入路21aを構成するパイプ21、冷却水を導出する導出路22aを構成するパイプ22などから構成されている。内導体接続体17と冷却回路部品19、冷却回路部品19と結合部材20、結合部材20と導入路用パイプ21、22は、いずれもろう付けによって接合されている。
【0018】
冷却回路部品19は、銅あるいはステンレス鋼などで筒状に形成され、肉厚が厚く断面が台形状の厚肉部分19aやその両側に位置する肉厚の薄い薄肉部分19bから構成されている。厚肉部分19aの外径は内軸スリーブ18の内径よりわずか小さい寸法に形成されている。また、厚肉部分19aにはその一方の側から他方の側を結ぶ開口として、たとえば、外周部分に凹部19cが形成されており、さらにその反対側すなわち図の下側には切欠きからなる貫通孔19dが設けられている。したがって、導入路21から導入された冷却水は、矢印Y1、Y2、Y3、Y4で示すように、貫通孔19dや凹部19cなどを経て導出路22から導出する構造になっている。
【0019】
次に、上記した同軸高周波気密窓構体の製造方法について説明する。まず、図1で示したように、外軸11の内側に、内軸12を構成する部品、たとえば内導体接続体17や内軸スリーブ18、冷却回路部品19、結合部材20、導入路用パイプ21、22などを配置する。このとき、冷却回路部品19の厚肉部分19aが、気密窓部材13と内軸スリーブ18とが接合する部分の内軸スリーブ18の裏側と対向して位置するようにする。
【0020】
そして、冷却回路部品19の厚肉部分19aと内軸スリーブ18との間に、隙間解消用のモリブデン製の肉厚の薄いリング部品23を配置し、同時に、リング部品23と内軸スリーブ18間にろう材24を配置する。また、内軸スリーブ18と気密窓部材13間にもろう材25を配置する。さらに、内導体接続体17と冷却回路部品19、冷却回路部品19と結合部材20、結合部材20とパイプ21、結合部材20とパイプ22のそれぞれの接合箇所にも、ろう材(図示せず)を配置する。
【0021】
なお、リング部品23の切れ目23aが冷却回路部品19の切欠きからなる貫通孔19dの位置にあるようにする。
【0022】
上記した状態で全体を加熱し、ろう材24、25を溶かして、内軸スリーブ18と気密窓部材13間などを真空気密にろう接する。このとき、内軸スリーブ18の内側にモリブデン製の肉厚の薄いリング部品23が一緒にろう接される。そして、組立治具を兼ねた冷却回路部品19の厚肉部分19aの外周は、隙間解消用のリング部品23の内周面に密着または近接しており、あるいは、一部でろう付けされている。
【0023】
上記した内軸12部分の断面構造を図2に示す。図2は、図1を線分a−aの位置で内軸スリーブ18から内側を断面にしたもので、図1に対応する部分には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。ただし、ろう材24または溶融したそのろう材は図示していない。
【0024】
上記した方法によれば、内軸スリーブと気密窓部材の接合および冷却回路部品の接合が1つの工程で行われ、生産性が向上する。また、冷却回路部品が、内軸スリーブと気密窓部材とをろう接する場合の押さえ治具として利用されている。そのため、内軸スリーブと気密窓部材とを接合するための専用の押さえ治具が必要でなくなり、部品点数を減らすことができる。
【0025】
なお、冷却回路部品19は、それに切欠き状の貫通孔19dを形成しないで組立ててもよい。この場合は、薄肉部分19bの一部に冷媒が内外に流通できる貫通孔を形成すればよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、生産性が高く、部品点数の少ない同軸高周波気密窓構体を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための断面図である。
【図2】本発明の内軸部分の構造を示す断面図である。
【図3】従来例を説明するための断面図である。
【図4】従来の製造方法を説明するための断面図である。
【図5】従来例の内軸部分の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
11…外軸
12…内軸
13…気密窓部材
14…冷却ジャケット用円筒体
15…外軸スリーブ
16…冷却水路
17…内導体接続体
18…内軸スリーブ
19…冷却回路部品
19a…冷却回路部品の厚肉部分
19b…冷却回路部品の薄肉部分
19c…冷却回路部品の凹部
19d…冷却回路部品の貫通孔
20…結合部材
21…導入路用パイプ
22…導出路用パイプ
23…リング部品
24、25…ろう材
Claims (3)
- 同軸線路の外導体部分を構成する外軸スリーブと、この外軸スリーブの内側に位置し前記同軸線路の内導体部分を構成する内軸スリーブと、前記外軸スリーブと前記内軸スリーブとの間に真空気密ろう付けされた誘電体製気密窓部材と、前記内軸スリーブの内側に配置され冷却媒体の通路を構成する冷却回路部品とを具備した同軸高周波気密窓構体において、前記気密窓部材がろう付けされた前記内軸スリーブの裏側部分に隙間解消用リング部品がろう付けされ、このリング部品の内側に組立治具を兼ねた冷却回路部品の外周面が密接または近接されていることを特徴とする同軸高周波気密窓構体。
- 前記冷却回路部品は、前記気密窓部材と前記内軸スリーブが接合された部分の前記内軸スリーブの裏側と対向する肉厚が厚い厚肉部分と、この厚肉部分よりも肉厚が薄い薄肉部分とを有している請求項1記載の同軸高周波気密窓構体。
- 冷却回路部品に冷却媒体が内外に流通可能な貫通孔が設けられた請求項2記載の同軸高周波気密窓構体。
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