JP4083003B2 - ソーセージを竿に吊り下げる方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソーセージを竿に吊り下げる方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平4−229134号公報及び特開平6−7073号公報には、ソーセージを吊り下げるフックと共に移動する竿支持フックによって竿を支持するソーセージを竿に吊り下げる装置が開示されている。しかし、取り扱いの不注意等によってその長手方向に沿って弓状に曲がった竿を使用する場合、これらの公知装置では竿支持フックで竿を支持するものの、竿の全長に渡って竿を支持しているので、竿は一定した位置に支持されない。その結果、竿がフックから吊り下げられたソーセージのループの中に挿通され難い。加えて、竿の端部が下方へ偏って竿支持フックと交叉して竿支持フックの移動を困難にする。特開昭63−219334号公報に開示された装置は、曲がった竿を竿支持フック上へ供給する竿供給装置に関し、この装置においても竿を竿の全長にわたって竿支持フックで支持するために、竿は一定した位置に支持されない。
【0003】
特開昭62−91138号公報に開示された装置では、ソーセージを吊り下げるフックの下方位置に竿を配置せずに、フックの前方に竿を配置し、そしてフックからその竿へ受け渡されたループは竿上を滑動することによって竿の前端に向けて移動する。この公知技術は竿を取除かなくとも装置への次のソーセージの供給は可能であるが、ソーセージの滑動を起因とした捻り部の捻り戻りの発生を潜在させている。
【0004】
特開平4−229134号公報及び特開平6−7073号公報における公知装置はソーセージを吊り下げるフックの下方位置に竿を支持するフックを備え、竿の前端へ向けてのソーセージの移動はソーセージをフックに吊り下げた状態で行なう。これら装置では、竿の後端がフックに懸吊した先頭ループの前方に位置するように配置されておらず、竿はその後端と先頭ループとが略一致する位置に支持されている。このために竿を取除かないと次のソーセージ供給が不可能であり、竿を取除く前に行なわれるソーセージの両端末処理が終了されるまで、次のソーセージ供給を待たねばならず、生産性の点で問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ソーセージを吊り下げるフックの下方位置に支持されていて曲がった竿を、フックから吊り下がったソーセージループの中に誤りなく挿通可能とするソーセージを竿に吊り下げる方法及び装置を提供することである。その他の目的とするところは、ソーセージの端末処理をしながらソーセージループの中へ竿を挿通可能とするソーセージを竿に吊り下げる方法及び装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明による方法は、無端循環体に設けられて移動する複数のフックの括れ部にソーセージを吊り下げ、竿の後部を支持するための竿支持部材と竿の前部を支持するための竿前部支持手段によって竿を支持し、括れ部の下方に設けられた複数の竿支持部材をフック移動方向と同方向へ移動させ、竿支持部材上に配置した竿を持ち上げてソーセージをフックから竿へ移すソーセージを竿に吊り下げる方法において、第1竿支持部材と第2竿支持部材を含む複数の竿支持部材を竿の後部から竿の前部へ向けて移動し、竿の後部を支持した第1竿支持部材を竿前部支持手段によって支持されている竿の前部へ向けて移動し、第1竿支持部材に後続する第2竿支持部材が竿の後部を支持した後に、第1竿支持部材を竿の側方向へ向けて竿の後部から離す。
【0007】
上記目的を達成するために本発明による装置は、第1回転中心と第2回転中心との回りを循環移動する無端循環体と、無端循環体に設けられてソーセージを吊り下げる括れ部を有するフックと、竿の後部を支持する竿後部支持手段と竿の前部を支持する竿前部支持手段とを有して竿を括れ部の下方位置に配置する竿支持手段とを備えるソーセージを竿に吊り下げる装置において、竿後部支持手段は、竿の後部から竿の前部へ向けて移動する第1竿支持部材と第1竿支持部材に後続する第2竿支持部材を含む複数の竿支持部材と、竿の後部を支持した第1竿支持部材を、第2竿支持部材が竿の後部を支持した後に、竿の側方向へ向けて竿の後部から離す後部竿支持部材作動手段を備えている。
【0008】
本発明による方法と装置は、竿の後部を支持した第1支持部材を竿の側方へ向けて竿の後部から離すので竿支持部材は竿から離れた状態を維持して竿の前部に向かって移動して行くか、あるいは、竿から離れた状態を維持して竿の後部へ向かって戻って行くので、竿がその長手方向に沿って弓状に曲がった形状をしていても、移動する竿支持部材と竿との接触を防ぎ得る。その結果、竿の後部の位置変動を小さくできるので、誤りなく竿の後部をループの中へ挿通できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。なお本発明はこの実施例になんら限定されないのである。
【0015】
図1から図3において、1はソーセージを竿に吊り下げる装置であって、床FLに設置された装置フレーム2と、装置フレーム2上に略水平に配設されたチェーンからなる無端循環体3と、ソーセージを吊り下げる括れ部4Cを有するフック4と、フック4の括れ部4Cの下方位置に竿を配置する竿支持手段5を備えている。無端循環体3はスプロケットからなる回転体3A1と回転体3B1との回りに掛け渡されていて、矢印A方向並びに矢印B方向へ循環移動する。回転体3A1は第1回転中心3A周りに、回転体3B1は第2回転中心3B周りに回転可能に位置して設けられている。無端循環体3はベルト、そして回転体3A1、3B1はプーリーで構成しても良い。フック4は無端循環体3に所定ピッチPで多数設けられている。
【0016】
6は捻り部6Aを有して連鎖したリンク6Bからなるソーセージであって、図示せぬソーセージ供給装置、例えば特公昭40−27509号公報記載のリンク形成装置によって矢印C方向へ移動して、前ループ6C1と後ループ6C2を備えるループ6Cに形成されてフック4から吊り下げられる。7はソーセージ6を吊り下げて熱処理するための竿であって、前部7A、後部7B、中間部7C、前端7D、後端7Eの各部位を有して全長Dからなる棒部材である。竿7は竿支持手段5によって、竿の後端7Eが前ループ6C1に臨む位置に配されるように、領域Mに着脱自在に支持される(図1)。
【0017】
無端循環体3の第1回転中心3Aと第2回転中心3B間の距離Eは、竿7の全長Dと、一本のソーセージ6で形成されたループ6Cを吊り下げるに必要な無端循環体3の懸吊領域長さFFとの和以上の長さに設定されている。第1回転中心3Aから後端7E迄の距離Fは懸吊領域長さFFを超えて設定されている。竿支持手段5は、位置Iに設けられて後部7Bを支持する竿後部支持手段8と、位置IIに設けられて前部7Aを支持する竿前部支持手段9を備えている。距離Eを全長Dの1.5倍から3倍の長さに設定すると、生産性が高く且つ小型な装置となる。
【0018】
図3を参照して、10は無端循環体3に所定ピッチPで設けられたフック4に取り付けられた竿支持部材である。多数の竿支持部材10は第1竿支持部材としての竿支持部材10−1及び10−4、並びに、第2竿支持部材としての竿支持部材10−2及び10−5を含んで、順次、後端7Eの後方から後端7Eを経て前端7Dに向かって矢印B方向へ移動する。竿支持部材10が全てのフック4に対して設けられているから、使用する竿7の長さDの変更に容易に対応できる。
【0019】
竿後部支持手段8は後部7Bを支持する竿支持部材10−4と、竿支持部材10−4を竿7から側方へ向けて矢印H方向へ離反させる後部竿支持部材作動手段11である後部カム部材14を備えている。竿前部支持手段9は前部7Aを支持する竿支持部材10−1と、竿支持部材10−1を竿7の側方から竿7に矢印G方向へ接近させて前部7Aを支持させる前部竿支持部材作動手段12である前部カム部材15と、前端7Dを当接させる竿当接部材13を備えている。
【0020】
竿支持部材10−1並びに10−4は前部カム部材15並びに後部カム部材14によって竿支持位置III迄上昇して、前部7Aと後部7Bを支持する(図5、図6)。竿支持部材10−2並びに10−5はカム部材15並びに14によって、前部7Aと後部7Bに向かって上昇過程にある。竿支持部材10−3は竿7から側方へ矢印H方向へ離反して下降端位置IVにある(図6)。
【0021】
図4を参照して、ここで前部7Aとは前端7Dの近傍部位であって、竿支持部材10−1によって支持される部位と前端7Dとの区間を指し、後部7Bとは後端7Eの近傍部位であって、竿支持部材10−4によって支持される部位と後端7Eとの区間を指す。竿支持部材10−1並びに10−4によって支持される部位は、本例では、前端7Dから前ループ6C1迄の領域並びに後端7Eから後ループ6C2迄の領域にある。
【0022】
図5から図7をも参照して、竿支持部材10はフック形状をした竿載置面10Aと、カム部材14並びに15によって上昇・下降する後部10Bと、先端部10Cを有している。竿支持部材10は竿支持位置IIIと下降端位置IVの間で矢印G・矢印H方向へ回転する。竿支持部材10は括れ部4Cよりも反フック移動方向側(矢印I方向側)に在る右側面4B11の下部位置に、軸16を介して回転可能に取り付けられている。右側面4B11は、フック4のフック進行方向側に在る左側面4B12に設けられた括れ部4Cに対して偏りLをもって移動するので、リンク6B1、6B11、6B12と竿支持部材10との交差を抑制する。
【0023】
後部カム部材14は位置Iに、前部カム部材15は位置IIに配設される様に、ブラケット14B並びにブラケット13Aを介して装置フレーム2に取り付けられている。ブラケット13Aには、前部カム部材15に隣接して竿載置面10Aと相補的な形状を有した竿当接部材13が固着されている。後部カム部材14と前部カム部材15には、竿支持部材10の後部10Bを摺動案内する摺動案内面14Aと摺動案内面15Aが夫々形成されている。カム部材14、15は竿7の支持並びに竿7の支持解除を高い位置精度の下で行なえる。竿支持部材作動手段11並びに12はカム部材に依らずに、例えばエアシリンダのような公知な駆動装置で構成することも出来る。
【0024】
図6及び図7に示されるフック4は、無端循環体3に水平に固着した取り付け基板4Aと、取り付け基板4Aから垂下したアーム4Bと、アーム4Bに設けられてソーセージ6の捻り部6Aを吊り下げる括れ部4Cと、括れ部4Cから吊り下げられたソーセージ6を案内するリンク案内部4Dを備えている。アーム4Bはアーム基板4B1と、下方へ傾斜した丸棒からなる傾斜部4B2を有している。凹部形状をした括れ部4Cは傾斜部4B2の下方部4B3に設けられて、底部4C1を有している。リンク案内部4Dは角度Θをもって交差する様に配置された、薄板で形成された第一案内部4D1と丸棒で形成された第二案内部4D2とからなっている。フック4は第一案内部4D1上にリンク6B1を、第二案内部4D2上にリンク6B2を載せて広い角度でもってソーセージ6を吊り下げるので、竿の後端7Eをループ6Cの中に誤りなく挿通できる。
【0025】
第二案内部4D2は底部4C1より上方に位置した直状の導入部4D21と、略半円状に曲げて形成されて底部4C1より下方に位置した案内部4D22からなっている。導入部4D21は底部4C1よりもフック4の反移動方向(矢印I方向)側に形成されており(図7)、且つ傾斜部4B2に直交する方向(矢印J方向)に底部4C1よりも突出量Kをもって位置し(図6)、括れ部4Cに吊り下げられたリンク6B2を案内部4D22へ向けて滑動させる。
【0026】
図8及び図9に示す別の形態の竿前部支持手段50は、前部7Aを載せて位置決めする凹形状をした竿載置面51Aが形成された竿載置部51と、前端7Dに当接してフック移動方向への竿7の移動を阻止する竿当接部52と、ブラケット53を備えていて、竿支持部材10の竿載置面10Aが竿載置部51の下を通過するように、装置フレーム2に固設されている。前部7Aと後部7Bを竿前部支持手段50と竿支持部材10で支持し、中間部7Cを何ら支持しないので、本例にあっても、曲がった竿7を特定位置に定め得る。
【0027】
図10は竿支持部材10を設けたフック4と竿支持部材10を設けないフック4−1とを交互に2P間隔で無端循環体3に配列させた例である。本例においては、竿支持部材10−1並びに10−4による竿7の支持部位は、ループ6Caとループ6Cb間、並びに、ループ6Ccとループ6Cd間に在る。この様な場合は、より数多くのループ6Cを竿7に吊り下げることが出来る。前ループ6C1がフック4−1に掛けられても、誤りなく後端7Eを前ループ6C1に挿通出来る。竿支持部材10を或る個数毎のフック4に設けるならば、ソーセージ6の端末処理をより容易に行える。
【0028】
図1から図3に基づいて装置1の動作を説明する。フック4には既にループ6Cが吊り下がっている。次のソーセージ6が矢印C方向へ供給される。フック4が矢印A方向へ移動して、ソーセージ6を順次括れ部4Cに吊り下げる。フック4はソーセージ6をループ6CCに形成しながら矢印B方向へ移動して行く。フック4と竿支持部材10とは同期して移動して行き、ループ6Cは竿支持部材10上に載った竿7をその中に挿通して行く。ループ6CC形成が終わると、ループ6Cも領域Mへの移動を完了させていて、ループ6C内への竿7の挿通は完了している。竿7を竿支持部材10上から持ち上げて、フック4からループ6Cを取り外して、ループ6Cを竿7から吊り下げる。フック4に吊り下がったループ6CCのための次の竿7を竿支持部材10上に載せて、新たなソーセージ6の供給を開始する。ループ6CCに対する端末処理を始めとする所要な処理作業は領域Mへのループ6CC移動中に為されるので、新たなソーセージ6供給を即時に開始できる。
【0029】
装置1では、フック移動方向(矢印B方向)へ移動する後ループ6C2が後端7Eを通過する前に、竿7を反フック移動方向(矢印I方向)へ移動させて、後端7Eを後ループ6C2から突出させても良い。この様にして竿7の挿通を完了させると、ソーセージ6毎のループ数のばらつきがあっても、ループ6Cへの竿挿通の待ち時間が生じない。
【0030】
次に竿支持手段5の動作に関して主に図1と図3に基づいて説明する。矢印G方向へ回転しながら後端7Eを通過した竿支持部材10−4は後部7Bを支持しながら矢印B方向へ移動して行く。続いて竿支持部材10−5が後端7Eを通過して後部7Bを支持する。その後、竿支持部材10−4は摺動案内面14Aから外れる位置に達し、その自重によって矢印H方向へ回転して、後部7Bの支持を解除する。多数の竿支持部材10は循環移動しながら順次この動作を繰り返し、後部7Bはループ6Cの各ループに挿通しながら竿支持部材10によって支持される。竿支持部材10−4は後部7Bに下方から当接して支持するので、基線Nから変型量Qをもって大きく曲がった竿7(図4)に対しても、後端7Eに衝突せずに後部7Bを支持する。
【0031】
矢印G方向へ回転して前部7Aを支持した竿支持部材10−1は前部7Aを支持しながら前端7Dへ向かって移動して行く。続いて竿支持部材10−2は前部7Aへ向かって移動ながら矢印G方向へ回転し、そして前部7Aを支持する。竿支持部材10−2が前部7Aを支持しつつ移動すると、竿支持手段10−1は摺動案内面15Aから外れる位置に達し、その自重によって矢印H方向へ回転し、前部7Aの支持を解除する。
【0032】
このように本例は、後部7Bを通過した竿支持部材10を下降端位置IVに維持させながら前部7Aへ向けて移動させるので、前部7Aと後部7Bのみを支持し、中間部7Cを支持しない。尚、前部7A支持は二本以上の竿支持部材10−1で、そして後部7B支持も二本以上の竿支持部材10−4で支持しても良い。
【0033】
図11から図14に示す100は別の形態の竿支持手段を備える装置である。装置100は竿の前部7Aを支持する竿前部支持手段50と、無端循環体3の下方位置に配設された第2無端循環体101を備えている。第2無端循環体101は竿支持部材102を有して第3回転中心101Aと第4回転中心101Bとの回りを循環移動するチェーンからなっている。第3回転中心101Aは無端循環体3の第1回転中心3Aから距離Oを隔てて位置づけられており、第4回転中心101Bは第3回転中心101Aから距離R隔てて設けられている。第2無端循環体101のこの距離Rは、無端循環体3の第1回転中心3Aと第2回転中心3Bとの距離Eよりも短く設定されており、第2無端循環体101は第1回転中心3Aと第2回転中心3Bとの間に位置している。竿前部支持手段50は前述装置1のそれと実質同じ構成なので、説明を省く。
【0034】
第2無端循環体101はスプロケットからなる回転体104、105及び106に掛け渡されている。回転体104は軸104Aを有して第3回転中心101A周りに、回転体105は軸105Aを有して第4回転中心101B周りに、夫々回転可能に設けられている。回転体104と回転体105は第2無端循環体101に直動領域Sを形成している。回転体106は無端循環体3に噛合った駆動回転体110に一体化した駆動軸107に固着している。回転体106は矢印AA方向へ回転して、第2無端循環体101が直動領域Sにおいて無端循環体3に同期して矢印B方向へ移動するように、第2無端循環体101を駆動する。第2無端循環体101はベルト、そして回転体104、105、106はプーリーで構成しても良い。
【0035】
第2無端循環体101に設けられた第1竿支持部材としての隣接した2個の竿支持部材102−1,102−1及び第2竿支持部材としての竿支持部材102−2を含む複数の竿支持部材102は、所定ピッチPで第2無端循環体101に取り付けられた竿支持部材支持体103に軸103Aによって軸支されている。竿支持部材102は略V字形状の竿載置面102A1を有する竿載置部102Aと、後述するカム108に摺動案内される従動部102Bを有している。竿支持部材102は軸103Aを中心に下降端位置Vと竿支持位置VIの間を往復回転して、竿載置部102Aを上昇(矢印T方向)及び下降(矢印U方向)させる。
【0036】
竿支持部材作動手段としてのカム108は摺動案内部108A、108B、108Cを備えていて、直動領域Sに沿って配設されている。摺動案内部108Aは後端7Eを通過した竿支持部材102−1を後部7Bに対して上昇させて竿載置面102−1A1を後部7Bに当接させ、摺動案内部108Bは矢印B方向へ移動する竿載置面102−1A1と後部7Bとの接触を維持させ、摺動案内部108Cは竿載置面102−1A1を竿7に対して下降させる。
【0037】
上記した駆動軸107は装置フレーム2に取り付けられたブラケット109に回転可能に立設している。ブラケット109には更に、軸104A及び軸105A並びにカム108が取り付けられている。これらは竿支持部材102を直動領域Sにおいて上昇開始させる様に配置されている。この上昇開始時期及び直動領域Sの側方に後端7Eを位置づける竿7の配置は、竿支持部材102によるループ6C及び竿7に対する不都合な係合を防ぐ(図13)。
【0038】
装置100の動作について説明する。駆動回転体110が回転して、第2無端循環体101が無端循環体3に同期して移動する。直動領域Sにある竿支持部材102−1は竿7を支持しながら矢印B方向へ移動する。竿支持部材102−2が矢印T方向へ上昇しながら後端7Eを通過して竿7を支持すると、竿支持部材102−1は摺動案内部108Cによる案内を受けて矢印U方向へ下降する。下降端位置V迄回転した竿支持部材102−1は直動領域Sにおいてループ6Cの間から抜け出る。竿支持部材102−1は回転体105、回転体106、回転体104を通過して、再び矢印T方向へ上昇しながら直動領域Sに入って行く。
【0039】
上記装置100では、第2無端循環体101は無端循環体3より短く設定されているが、装置100は、第3回転中心101Aと第4回転中心101Bを第1回転中心3Aと第2回転中心3Bに対して同軸に配置し、竿支持部材102で竿の前部7Aと後部7Bを支持するようにしても良い。
【0040】
図15から図17に示す200は更に別の形態の竿支持手段を備える装置であって、竿支持手段が竿7を移送する竿移送手段に設けられている点に特徴がある。装置200は竿移送手段201と、竿支持部材102を設けて無端循環体3の下方位置に配設された第2無端循環体101を備えている。竿移送手段201は、モータ202と、モータ202に接続して回転軸Xを中心として回転駆動される移送回転体203と、移送回転体203に90度間隔で取り付けられた竿前部支持手段204を備えている。竿前部支持手段204は凹部205Aが形成された筒状部材205で構成されている。第2無端循環体101と竿支持部材102は装置100のそれと実質的に同構成なので、説明を省く。
【0041】
装置200の動作について説明する。位置イにて前部7Aを凹部205Aに挿入して竿7を筒状部材205に装着して、竿支持部材102の下方に竿7を配置する。移送回転体203が間欠的に所定角度で矢印W方向へ回転する。筒状部材205で前部7Aを支持された竿7は矢印Y1方向へ上昇して、竿支持部材102を越える。竿支持部材102は竿7によって矢印Z方向へ回転させられ、竿7の通過後、竿支持位置VIへ戻る。竿支持部材102の上方に達した竿7は矢印WR方向への移送回転体203の回転によって位置ロ迄下降し、位置ロにおいて後部7Bが竿支持部材102上に載る。
【0042】
位置ロにて筒状部材205と竿支持部材102によって支持された竿7は、矢印B方向へ移動するフック4に吊り下げられたループ6Cを挿通する。中間部7Cを支持しないから、曲がった竿7の後端7Eを所定位置に配置できる。その後、矢印W方向への移送回転体203の回転によって、ループ6Cの中に配置された竿7は矢印Y2方向へ上昇しながらループ6Cをフック4から受け取る。位置ハにてソーセージ6を吊り下げた竿7を筒状部材205から取り出す。
【0043】
竿前部支持手段204は開閉可能に分割された筒体からなるチャック体、或いは開閉可能な開閉体からなるチャック体で構成し、竿7移送工程において閉じて竿7を把持し、位置ロにおいて開いて竿7の把持を解除するようにしても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、フックから吊り下がったソーセージループの中に、フックの下方位置に配置された曲がった竿を誤りなく挿通可能とし、更に、ソーセージの端末処理をしながらソーセージループの中へ竿を挿通する方法と装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装置の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1における竿と竿支持手段とフックの配置を示す一部拡大図である。
【図4】図1におけるループに挿通した竿と竿支持部材との配置を示す一部拡大図である。
【図5】図1に示す位置IIにおける主に竿支持手段とフックとを示す拡大左側面図である。
【図6】図1に示す位置Iにおける主に竿支持手段とフックとを示す拡大左側面図である。
【図7】図6に示すフックの拡大正面図である。
【図8】本発明による他の竿支持手段の右側面図である。
【図9】図8の一部拡大平面図である。
【図10】大きな取り付け間隔の竿支持部材を示す図1の一部拡大正面図である。
【図11】本発明による他の装置の正面図である。
【図12】図11の平面図である。
【図13】図12の竿支持手段を示す一部拡大平面図である。
【図14】図13の右側面断面図である。
【図15】本発明による更に他の装置の正面図である。
【図16】図15の一部拡大右側面図である。
【図17】図16における竿に吊り下がったソーセージを示す部分正面図である。
【符号の説明】
1 ソーセージを竿に吊り下げる装置
3 無端循環体
3A 第1回転中心
3B 第2回転中心
4 フック
4C 括れ部
5 竿支持手段
6 ソーセージ
6C ループ
7 竿
7A 前部
7D 前端
7E 後端
10 竿支持部材
10−1、10−4 第1竿支持部材
10−2、10−5 第2竿支持部材
11、12 竿支持部材作動手段
Claims (14)
- 無端循環体に設けられて移動する複数のフックの括れ部にソーセージを吊り下げ、竿の後部を支持するための竿支持部材と竿の前部を支持するための竿前部支持手段によって竿を支持し、括れ部の下方に設けられた複数の竿支持部材をフック移動方向と同方向へ移動させ、竿支持部材上に配置した竿を持ち上げてソーセージをフックから竿へ移すソーセージを竿に吊り下げる方法において、
第1竿支持部材と第2竿支持部材を含む複数の竿支持部材を竿の後部から竿の前部へ向けて移動し、竿の後部を支持した第1竿支持部材を竿前部支持手段によって支持されている竿の前部へ向けて移動し、第1竿支持部材に後続する第2竿支持部材が竿の後部を支持した後に、第1竿支持部材を竿の側方向へ向けて竿の後部から離すことを特徴とするソーセージを竿に吊り下げる方法。 - ソーセージを複数のフックに吊り下げながら前ループと後ループを有したループに形成し、前ループよりフック移動方向前方に位置する竿支持部材で竿の後部を支持して竿の後部を前ループに対向した位置に配置し、複数の竿支持部材を竿の前部へ向けて移動し、前ループから後ループへ向けてループの中に竿の後部を挿通させてゆく段階を備えていることを特徴とする請求項1記載のソーセージを竿に吊り下げる方法。
- 第1回転中心と第2回転中心との回りを循環移動する無端循環体と、無端循環体に設けられてソーセージを吊り下げる括れ部を有するフックと、竿の後部を支持する竿後部支持手段と竿の前部を支持する竿前部支持手段とを有して竿を括れ部の下方位置に配置する竿支持手段とを備えるソーセージを竿に吊り下げる装置において、
竿後部支持手段は、竿の後部から竿の前部へ向けて移動する第1竿支持部材と第1竿支持部材に後続する第2竿支持部材を含む複数の竿支持部材と、竿の後部を支持した第1竿支持部材を、第2竿支持部材が竿の後部を支持した後に、竿の側方向へ向けて竿の後部から離す後部竿支持部材作動手段を備えていることを特徴とするソーセージを竿に吊り下げる装置。 - 後部竿支持部材作動手段は、竿の後部から竿の側方に離れた位置にある第1竿支持部材を竿に交叉する方向へ移動させて竿の後部に当接させる手段を有していることを特徴とする請求項3記載のソーセージを竿に吊り下げる装置。
- 竿前部支持手段は、竿の前部へ向って移動する、竿から離れた第1竿支持部材を竿に交叉する方向へ移動させて竿の前部に当接させる前部竿支持部材作動手段を備えていることを特徴とする請求項3又は4記載のソーセージを竿に吊り下げる装置。
- 竿支持部材はフックに回転可能に設けられていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項記載のソーセージを竿に吊り下げる装置。
- フックは括れ部が設けられたアームを有し、竿支持部材は括れ部に対して反フック進行方向側に偏って位置するアームの側面に設けられていることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項記載のソーセージを竿に吊り下げる装置。
- 第1回転中心と第2回転中心との距離は、竿の全長と、前ループと後ループを有したループを吊り下げたフックが取り付いた領域長さとの和より長く設定されており、竿後部支持手段は前ループに臨む位置にその後部を配するように竿の後部を支持しながら竿の前部へ向ってフック移動方向と同方向へ移動する竿支持部材を備えていることを特徴とする請求項3記載のソーセージを竿に吊り下げる装置。
- 竿支持部材は、無端循環体から下方に離れた位置に配されて第3回転中心と第4回転中心の回りを循環移動する第2無端循環体に、竿に関した上下方向に往復回転可能に設けられており、該第2無端循環体は、第2無端循環体に設けられた該竿支持部材が無端循環体に設けられたフックの括れ部から吊り下がったループと共に移動しながら竿の後部を支持するように、後部竿支持部材作動手段に沿って配設されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のソーセージを竿に吊り下げる装置。
- 第2無端循環体の第3回転中心と第4回転中心間距離が無端循環体の第1回転中心と第2回転中心間距離よりも短く設定されていて、第2無端循環体が第1回転中心と第2回転中心との間に配設されていることを特徴とする請求項9記載のソーセージを竿に吊り下げる装置。
- 第2無端循環体は、その第3回転中心が無端循環体の第1回転中心上に、そしてその第4回転中心が無端循環体の第2回転中心上に各々配置されていることを特徴とする請求項9記載のソーセージを竿に吊り下げる装置。
- 竿前部支持手段は、後部竿支持部材作動手段から竿の長手方向に沿った所定距離の場所に設けられていて、竿の長手方向に関して静止した状態で竿の前部を支持する竿前部支持部材を備えていることを特徴とする請求項3,4,8,9のうちのいずれか一項記載のソーセージを竿に吊り下げる装置。
- 竿前部支持手段は、フック移動方向に沿って延びる回転軸を中心として回転駆動される移送回転体に該回転軸を中心とした所定角度間隔で複数設けられており、該移送回転体は、竿前部支持手段によって支持された竿をフックの括れ部の下方位置から括れ部の上方位置へ移送するように、回転軸を中心として竿前部支持手段と共に所定角度回転することを特徴とする請求項3,4,8,9,12のうちのいずれか一項記載のソーセージを竿に吊り下げる装置。
- フックは、無端循環体に水平に固着した取り付け基板と、取り付け基板に対して下方へ傾斜した傾斜部と、傾斜部の下方部に設けられてソーセージを吊り下げる底部を有して凹部形状をした括れ部と、括れ部よりも下方に位置していると共に下方に向って拡がる角度をもって交差するように配置された第一案内部と第二案内部を有し括れ部から吊り下ったソーセージを載せるリンク案内部とを備えており、括れ部から括れ部の両側に吊り下がった一対のソーセージのリンクの間隔を括れ部から下方に向って拡げるように、第一案内部は下方に傾斜して無端循環体側にそして第二案内部は下方に傾斜して反無端循環体側にそれぞれ延びており、該第二案内部は底部より取り付け基板側に位置した直状の導入部を有し、該導入部は傾斜部に直交する方向に底部よりも上方側に突出して位置していることを特徴とする請求項3に記載のソーセージを竿に吊り下げる装置。
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