JP4082827B2 - 基板の異物除去装置 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、半導体ウエハなどの基板の表面に付着している不要なレジストパターンや、基板に裏面に付着している塵埃など、基板表裏面に付着している異物を除去する除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体のデバイス製造において、シリコンウエハなどの半導体基板上にレジスト材を塗布し、通常のフォトプロセスにより、所定の画像(レジストパターン)が形成される。これをマスクとして、例えばイオン注入、エッチング、ドーピングなどの各種の処理がなされる。その後不要になった画像が除去され、所定の回路が形成される。次いで、次の回路を形成するため、再度レジスト材を塗布するというサイクルが繰り返し行われる。また、各種基板に回路を形成する場合も、画像形成後、不要になった画像が除去される。この際、不要になったレジスト材からなる画像の除去には、プラズマを用いてのアッシング(灰化)や、溶剤(剥離液)、薬品などによって行われるのが一般的である。
【0003】
しかしながら、画像の除去にアッシングを用いると、その作業に多くの時間を要したり、レジスト中の不純物イオンがウエハに注入されるおそれがあった。また、溶剤や薬品を用いると、作業環境を害するという問題を生じていた。そこで、最近では、上記のような不具合なく不要となったレジスト画像の除去する手段として、粘着テープ類をレジスト膜画像の上面に貼付け、この粘着テープ類とレジストを一体に剥離して、レジスト膜画像を除去する方法が提案されている。
【0004】
上記のように粘着テープを利用して基板表面の不要レジストを除去する手段は、基板表面の異物である不要レジストを除去するのみであり、基板裏面に付着した塵埃などの異物を除去するために、別の洗浄処理を施す必要があり、処理工程数の増大、および、生産性を低下する一因となるものであった。
【0005】
そこで、基板の表面および裏面にそれぞれ粘着テープを貼付けて、両粘着テープを同時に剥離して基板表裏面の異物を同時に除去する手段が提案されている(特開平1−31915号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、基板Wの表面は鏡面になっているのに対して裏面は粗面となっていて、表面側の粘着テープの基板に対する粘着力よりも裏面側の粘着テープの基板に対する粘着力が小さいものになっており、その粘着力の差が剥離力の差となり、両粘着テープを同時に剥離すると、その剥離力の差によって基板は剥離力の大きい側、つまり、表面側に曲げ負荷を受け、時には破損してしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような事情に着目してなされたものであって、基板の表裏面に貼付けた粘着テープを同時に剥離して基板表裏面の異物を同時に除去する装置において、基板表裏面におけるテープ剥離力の不均衡に基づく基板の破損を防止して、円滑良好に基板表裏面の異物を除去できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をとる。すなわち、請求項1に記載の発明は、基板表裏面にそれぞれ貼付けた粘着テープを同時に剥離して基板表裏面の異物を除去する装置において、基板表裏面と裏面を比較して、鏡面である基板表面に貼り付けた粘着テープの剥離力を、表面に対して粗面である基板裏面に貼り付けた粘着テープの剥離力よりも低下させ、基板表裏面からの粘着テープを剥離するとき、両粘着テープの剥離力が同等になるように、基板表面側の粘着テープの剥離力および基板裏面側の粘着テープの剥離力の少なくとも一方を調整する剥離力調整手段と、剥離力の調整された両粘着テープを基板から互いに離反する方向に同時に剥離する剥離手段とを備えてあることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記粘着テープに紫外線硬化型のものを使用するとともに、前記剥離力調整手段を、紫外線照射量を調整して粘着テープの剥離力を調整するものに構成してある。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、基板表裏面に貼付けられた粘着テープをそれぞれ剥離ローラを介して剥離するよう構成するとともに、前記剥離力調整手段を、前記両剥離ローラの温度を調整するものに構成してある。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板の異物除去装置において、前記基板は、上下一対のローラからなる貼付け手段により表裏面に粘着テープが同時に貼付けられて保持され、前記剥離力調整手段に搬送されるよう構成してある。
【0011】
【作用】
本発明の作用は次のとおりである。
請求項1に記載の基板の異物除去装置によれば、基板の表裏両面に貼付けられた粘着テープの剥離力を剥離力調整手段によって略均等にすることができ、両粘着テープを同時に剥離しても、基板には剥離力の差に起因する大きい曲げ応力が作用することを回避できる。
【0012】
また、請求項2に記載の基板の異物除去装置によれば、粘着テープに紫外線硬化型のものを使用する場合、この粘着テープに照射する紫外線の量を加減することで、粘着テープにおける粘着剤の硬化具合を調整することができ、これによって剥離力を調整することが可能となる。なお、紫外線照射量を調整する具体的な手段としては、紫外線照射時間の制御、紫外線強度の制御、あるいは、これらを組み合わせることが考えられる。
【0013】
また、請求項3に記載の基板の異物除去装置によれば、剥離ローラの温度を冷却あるいは加熱によって制御することで、粘着テープにおける粘着剤の粘性を調整して、基板からの粘着テープ剥離力を調整することが可能となる。
【0014】
【実施の形態】
以下、本発明を半導体基板に適用した場合のレジスト除去装置の実施形態のいくつかを図面を参照して説明する。
【0015】
〔第1例〕
図1に本発明に係る基板の異物除去装置における主要部の概略正面図が示されている。この基板の異物除去装置には、表面を上向きにした基板Wを載置して搬入するベルト式の基板搬入コンベア1、搬入された基板Wの表面(上面)に向けて粘着テープT1 を供給する表面側粘着テープ供給部2、搬入された基板Wの裏面(下面)に向けて粘着テープT2 供給する裏面側粘着テープ供給部3、基板Wの表面に粘着テープT1 を貼付ける上部貼付けローラ4、基板Wの裏面に粘着テープT2 を貼付ける下部貼付けローラ5、基板Wの表面に貼付けられた粘着テープT1 に紫外線を照射する上部紫外線照射装置6、基板Wの裏面に貼付けられた粘着テープT2 に紫外線を照射する下部紫外線照射装置7、基板Wの表面から粘着テープT1 を剥離する上部剥離ローラ8、基板Wの裏面から粘着テープT2 を剥離する下部剥離ローラ9、剥離した粘着テープT1 を巻き取り回収する上部テープ回収部10、剥離した粘着テープT2 を巻き取り回収する下部テープ回収部11、および、表裏面から粘着テープT1 ,T2 が剥離された基板Wを載置して搬出する処理済み基板搬出コンベア12、などが備えられている。
【0016】
表面側粘着テープ供給部2は、原反ロールTR1 から導出したセパレータ付きテープからセパレータs1 を剥離して、下面に粘着面を露出した紫外線硬化型の粘着テープT1 を上部貼付けローラ4に導くよう構成され、また、裏面側粘着テープ供給部3は、原反ロールTR2 から導出したセパレータ付きテープからセパレータs2 を剥離して、上面に粘着面を露出した紫外線硬化型の粘着テープT2 を下部貼付けローラ5に導くよう構成されている。
【0017】
また、上部紫外線照射装置6は、粘着テープ走行経路の上側において昇降可能に配備されたフード13の内部に、紫外線ランプ14および横方向にスライド開閉駆動されるシャッター15を装備して構成され、また、下部紫外線照射装置7は粘着テープ走行経路の下側において位置固定に配備されたフード16の内部に、紫外線ランプ17および横方向にスライド開閉駆動されるシャッター18を装備して構成されている。そして、両紫外線ランプ14,17、および、シャッター15,18の駆動部15a,18aは、コントローラ19に接続されて制御されるようになっている。後述する説明から明らかになるように、第1例における上部紫外線照射装置6および下部紫外線照射装置7は本発明における剥離力調整手段に相当する。
【0018】
次に、上記構成の異物除去装置によって基板Wの表裏面の異物を除去する工程について、図2を参照して説明する。
【0019】
(1)図2(a)に示すように、表面を上向きにして基板搬入コンベア1に載置されて搬送されてきた基板Wは、突出作動しているガイドピン20に受け止められ、その位置および姿勢が決められる。
【0020】
(2)位置決めが完了すると、図2(b)に示すように、ガイドピン20が下降退入されて基板Wは前進移動し、上部貼付けローラ4と下部貼付けローラ5との間に送り込まれるとともに、上下の粘着テープT1,T2 も基板搬送速度と同調した速度で巻き取り走行され、基板Wの表裏面にそれぞれ粘着テープT1,T2 が貼付けられてゆく。
【0021】
(3)基板Wが紫外線照射位置に到達したことが図示しない光センサなどの検出手段で検知されると、テープ走行が停止されるとともに、図2(c)に示すように、上部紫外線照射装置6が下降され、上部紫外線照射装置6からの紫外線が基板表面に貼付けられた粘着テープT1 に照射されるとともに、下部紫外線照射装置7からの紫外線が基板裏面に貼付けられた粘着テープT2 に照射され、各T1,T2 の粘着剤が硬化される。
【0022】
この場合、上下の粘着テープT1,T2 に対する紫外線照射量は各シャッタ15,18の開放時間によってそれぞれ制御されており、上部紫外線照射装置6からの紫外線照射量の方が下部紫外線照射装置7からの紫外線照射量より多くなるように、各シャッタ15,18の開放時間がコントローラ19のタイマーによって制御されている。これによって、下側の粘着テープT2 における粘着剤の硬化よりも上側の粘着テープT1 における粘着剤の硬化が促進される。
【0023】
紫外線照射が完了すると、図2(d)に示すように、上部紫外線照射装置6が上方に退避されるとともに、上下の粘着テープT1,T2 の同調前進走行が再開され、基板Wは上部剥離ローラ8と下部剥離ローラ9の間から前方に送り出され、基板搬出コンベア12に載置されて搬出されてゆく。
【0024】
この際、上下の粘着テープT1,T2 がそれぞれ上部剥離ローラ8と下部剥離ローラ9を介して互いに反対方向に移動して上部テープ回収部10と下部テープ回収部11に巻き取り回収されることによって、基板Wから粘着テープT1,T2 が同時に剥離され、基板Wの表裏面に付着していた異物は上下の粘着テープT1,T2 に接着して同時に除去されてゆく。
【0025】
ここで、基板Wの表面は鏡面になっているのに対して裏面は粗面となっていて、粘着テープT1 の基板Wに対する粘着力が粘着テープT2 の基板Wに対する粘着力より大きいものになっているが、先の紫外線照射工程において、表面側の粘着テープT1 に対する紫外線照射量を裏面側の粘着テープT2 に対する紫外線照射量よりも多くして、表面側の粘着テープT1 の粘着剤硬化具合を裏面側の粘着テープT2 の粘着剤硬化具合よりも促進させているので、元々粘着力の強い基板表面側の粘着力が裏面側よりも大きく低下して、上下の粘着テープT1,T2 の粘着力は略同等となっている。従って、上下での剥離力の差がほとんど無く、基板Wに上下方向への不当な曲げ応力が作用することなく上下の粘着テープT1,T2 が同時に円滑に剥離されてゆく。
【0026】
〔第2例〕
図3に、本発明に係る基板の異物除去装置の第2例の要部の平面図、また、図4に、その要部の概略正面図がそれぞれ示されている。この基板の異物除去装置には、表面にレジストパターンが被着した基板Wを積層収納しているカセットC1 が装填される基板供給部21、旋回および進退移動するロボットアーム22が装備された搬送機構23、基板Wを位置合わせするアライメントステージ24、基板Wを載置して吸着保持する前後移動および昇降可能な貼付けテーブル25、紫外線硬化型の粘着テープT1 を基板表面へ供給する表面側粘着テープ供給部26、粘着テープT1 を基板表面へ貼付ける貼付けローラ27、基板Wの表面に貼付けられた粘着テープT1 に紫外線を照射する紫外線照射装置28、基板Wの表面から粘着テープT1 を剥離する剥離ローラ29、基板Wの表面から剥離された粘着テープT1 を巻き取り回収するテープ回収部30、紫外線照射処理を受けた後の基板裏面に異物除去用の粘着テープT2 を供給する裏面側粘着テープ供給部31、粘着テープT2 を基板裏面へ貼付けるとともに直ちに剥離する貼付け/剥離ローラ32、基板Wの裏面から剥離された粘着テープT2 を巻き取り回収するテープ回収部33、剥離ローラ29と貼付け/剥離ローラ32との間を通って前方に送り出された基板Wを下方から吸着保持する保持テーブル34、旋回および進退移動するロボットアーム35が装備された搬出機構36、処理済みの基板Wを積層収納するためのカセットC2 が装填される基板回収部37、などが備えられている。
【0027】
基板供給部21は、基板Wをレジストパターンが存在する表面を上向きにした水平姿勢でカセットC1 に積層収納するようになっており、また、基板回収部37は、レジスト除去処理が済んだ基板Wを同様に水平姿勢でカセットC2 に積層収納するようになっている。
【0028】
搬送機構23のロボットアーム22は進退および旋回可能に構成されており、基板供給部21からの基板Wの取り出し、アライメントステージ24への基板Wの供給、アライメントステージ24から貼付けテーブル25への基板Wの搬入を行う。
【0029】
貼付けテーブル25は、一定ストロークで前後移動可能、かつ、昇降可能に構成されており、テーブル上面は真空吸着面に構成されるとともに、テーブル中心には真空吸着パッド25aが出没可能に装備されている。
【0030】
表面側粘着テープ供給部26は、原反ロールRT1 から導出したセパレータ付きテープからセパレータs1 を剥離して、下面に粘着面を露出した紫外線硬化型の粘着テープT1 を貼付けローラ27に導くよう構成され、また、裏面側粘着テープ供給部31は、原反ロールRT1 から導出した粘着テープT2 を貼付け/剥離ローラ32に導くよう構成されている。
【0031】
紫外線照射装置28は、粘着テープ走行経路の上側において昇降可能に配備されたフード38の内部に、紫外線ランプ39および横方向にスライド開閉駆動されるシャッター40を装備して構成されている。
【0032】
保持テーブル34は、前後移動および昇降可能に構成されている。また、搬出機構36のロボットアーム35は進退および旋回可能に構成されており、保持テーブル34から基板Wを取り出して、基板回収部37への搬入を行う。
【0033】
さらに、第2例の特徴的な構成として、図5に示すように、剥離ローラ29および貼付け/剥離ローラ32には、冷却水供給装置45および46からそれぞれ冷却水が供給され、各冷却水の温度を温度コントローラ47によって個別に制御することにより、各ローラ29,32の剥離時の温度を個別に制御できるようになっている。後述する説明から明らかになるように、第2例における冷却水供給装置45、46および温度コントローラ47は本発明における剥離力調整手段に相当する。
【0034】
この例の異物除去装置は以上のように構成されており、以下に、基板表裏面の異物除去処理工程を、図4〜図8を参照しながら説明する。
【0035】
(1)先ず、ロボットアーム22が基板供給部21のカセットC1 から基板Wを1枚吸着保持して取り出してアライメントステージ24上に移載し、ここで基板Wのオリエンテーションフラットおよび/またはノッチ等の検出に基づいて、基板Wの位置合わせが行われる。
【0036】
(2)位置合わせが行われた基板Wは再びロボットアーム22に支持されて、貼付けテーブル25上に供給される。図4に示すように、貼付けテーブル25の中心には真空吸着パッド25aが突出待機しており、この真空吸着パッド25a上にロボットアーム22から基板Wが受け渡された後、真空吸着パッド25aが下降没入して基板Wは貼付けテーブル25上に一定姿勢で載置されて吸着保持される。
【0037】
(3)次に、図6(a)に示すように、基板Wを吸着保持した貼付けテーブル25が図中左方に前進水平移動するとともに粘着テープT1 が繰り出され、相対的に貼付けローラ27が粘着テープT1 を基板Wの表面に押し付けながら転動し、粘着テープT1 を基板Wの表面に貼付ける。この際、貼付けテーブル25に内蔵したヒーター25bで基板Wを適度(室温〜150°C)に加温することで、粘着テープT1 の粘着剤が軟化して基板表面のレジストパターンの凹凸内部に流れ込み、粘着剤とレジストパターンの接触面積が増加する。
【0038】
(4)図6(b)に示すように、貼付けテーブル25は紫外線照射装置28の直下位置で前進を停止し、粘着テープTの貼付けが完了する。
【0039】
(5)次に、図6(c)に示すように、紫外線照射装置28が下降して、基板Wの表面に貼付けた粘着テープT1 に紫外線を設定時間だけ照射する。この紫外線照射によって粘着テープTの粘着剤が硬化し、基板表面の不要レジストと粘着剤との粘着力強化が図られる。
【0040】
(6)紫外線照射行程が終了すると、図7(d)に示すように、紫外線照射装置28が上昇退避し、かつ、貼付けテーブル25の基板吸着が解除されて貼付けテーブル25は下降し、粘着テープT1 が下手側に巻き取り走行され、基板Wは粘着テープT1 の下面に貼付け支持された状態で前進移動し、剥離ローラ29と貼付け/剥離ローラ32との間に導入されてゆく。
【0041】
ここで、粘着テープT1 は基板Wの前進に伴って剥離ローラ29を介して相対的に剥離されて巻き取り回収され、これによって基板表面の異物(不要レジスト)が粘着テープT1 に接着して除去されてゆく。また、粘着テープT2 が貼付け/剥離ローラ32を介して基板Wの裏面に貼付けられ、かつ、直ちに剥離されて巻き取り回収され、これによって基板裏面の異物(塵埃)が粘着テープT2 に接着して除去されてゆく。
【0042】
ここで、基板Wの表面は鏡面になっているのに対して裏面は粗面となっていて、粘着テープT1 の基板Wに対する粘着力が粘着テープT2 の基板Wに対する粘着力より大きいものになるが、この場合、先の紫外線照射工程において、表面側の粘着テープT1 は紫外線照射によって粘着剤が構成されているので、粘着テープT1 と基板Wとの粘着力はある程度低下している。しかし、両粘着テープT1,T2 の基板Wに対する粘着力は必ずしも同じではない。そこで、第2例では、図5に示したように、各ローラ29,32に供給する冷却水の温度を制御して、上下の粘着テープT1 ,T2 の粘着力(剥離力)が同等になるようにしている。すなわち、ローラの温度が低いほど粘着テープの粘着剤の粘性が低下して、粘着力が弱くなるので、例えば粘着テープT1 の基板Wに対する粘着力が粘着テープT2 の基板Wに対する粘着力より大きい場合には、剥離ローラ29に供給する冷却水の温度を貼付け/剥離ローラ32に供給する冷却水の温度よりも低くなるように設定する。その結果、上下での剥離力の差がほとんど無く、基板Wに上下方向への不当な曲げ応力が作用することなく上下の粘着テープT1,T2 が同時に円滑に剥離されてゆく。なお、第1例および第2例において、粘着テープT1,T2 の剥離力は、100〔g/10mm幅〕以下で均等にすることが望ましい。ここで、上記剥離力は、10mm幅の粘着テープを基板に貼付けた後、剥離角30°で剥がした場合の接着力を測定した値のことである。
【0043】
(7)基板Wが剥離ローラ29と貼付け/剥離ローラ32との間から半分以上送り出されると、図7(e)および図8(f)に示すように、下降待機していた保持テーブル34が上昇して基板Wの対角箇所を吸着保持し、基板Wの送り出し速度と同調した速度で前進移動する。
【0044】
(8)図8(g)に示すように、基板Wが剥離ローラ29と貼付け/剥離ローラ32との間から抜け出した後、更に保持テーブル34が前進を続行して搬出機構36に対する受渡し位置にまで移動し、ここで、搬出機構36のロボットアーム35が処理済みの基板Wを保持して、基板回収部37のカセットC2 に収容される。この間、貼付けテーブル25は元の基板供給位置に復帰移動して基板供給を受け、次の処理が行われる。
【0045】
なお、本発明は、以下のような形態で実施することも可能である。
▲1▼ 第1例においては、上部紫外線照射装置6および下部紫外線照射装置7のそれぞれで紫外線照射量を制御して両粘着テープT1,T2 の剥離力を調整しているが、両粘着テープT1,T2 の一方のみの剥離力を調整するようにして実施することも可能である。同様に第2例においても、上下の剥離用のローラのうち、一方のローラの温度だけを制御するようにしてもよい。
【0046】
▲2▼ 第2例では上下の剥離用のローラにそれぞれ冷却水を供給して各ローラの温度を制御するように構成したが、各ローラにヒータを組み込んで各ローラの温度を制御するようにしてもよい。ただし、各ローラを加熱すると粘着剤が軟化するので、剥離時に粘着剤が基板側に残留するおそれがある。したがって、第2例のように各ローラの温度を制御する上では、各ローラを冷却する方が好ましい。なお、冷却手段は冷却水の供給に限らず、例えば冷却空気の供給、あるいはピエゾ素子などで冷却するようにしてもよい。
【0047】
▲3▼ 第1例および第2例では紫外線硬化型の粘着テープを用いたが、第2例の場合、必ずしも紫外線硬化型の粘着テープを用いる必要はなく、通常の感圧タイプの粘着テープを用いることができる。
【0048】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によると次のような効果を期待することができる。
【0049】
請求項1に係る発明の基板の異物除去装置によると、基板の表裏面に貼付けた粘着テープを均等な剥離力で同時に剥離することができ、剥離力の差に起因する基板の破損を招くことなく円滑良好に基板表裏面の異物除去処理を能率よく行うことが可能となった。
【0050】
請求項2に係る発明によると、紫外線硬化型の粘着テープを利用した際に、紫外線照射量を加減することで、粘着テープの粘着剤の硬化具合を簡単かつ微妙に調整することができ、請求項1に係る発明を実用化する上で有効となる。
【0051】
請求項3に係る発明によると、両粘着テープに対する剥離ローラの温度調整によって粘着テープの粘着剤の粘性を調整するので、粘着テープの種類にかかわらず剥離力の調整を行うことが可能となり、紫外線硬化型でない粘着テープを使用する場合でも有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1例における主要部の概略正面図である。
【図2】第1例における基板表裏面の異物を除去する工程図である。
【図3】本発明の第2例を示す平面図である。
【図4】第2例の主要部を示す正面図である。
【図5】第2例における剥離ローラの温度調節手段を示すブロック図である。
【図6】第2例における基板表裏面の異物を除去する工程図である。
【図7】第2例における基板表裏面の異物を除去する工程図である。
【図8】第2例における基板表裏面の異物を除去する工程図である。
【符号の説明】
8 剥離ローラ
9 剥離ローラ
29 剥離ローラ
32 剥離ローラ(貼付け/剥離ローラ)
T1 粘着テープ
T2 粘着テープ
W 基板
Claims (4)
- 基板表裏面にそれぞれ貼付けた粘着テープを同時に剥離して基板表裏面の異物を除去する装置において、
基板表裏面と裏面を比較して、鏡面である基板表面に貼り付けた粘着テープの剥離力を、表面に対して粗面である基板裏面に貼り付けた粘着テープの剥離力よりも低下させ、基板表裏面からの粘着テープを剥離するとき、両粘着テープの剥離力が同等になるように、基板表面側の粘着テープの剥離力および基板裏面側の粘着テープの剥離力の少なくとも一方を調整する剥離力調整手段と、
剥離力の調整された両粘着テープを基板から互いに離反する方向に同時に剥離する剥離手段とを備えてある
ことを特徴とする基板の異物除去装置。 - 請求項1記載の基板の異物除去装置において、前記粘着テープに紫外線硬化型のものを使用するとともに、前記剥離力調整手段を、紫外線照射量を調整して粘着テープの剥離力を調整するものに構成してある基板の異物除去装置。
- 請求項1記載の基板の異物除去装置において、基板表裏面に貼付けられた粘着テープをそれぞれ剥離ローラを介して剥離するよう構成するとともに、前記剥離力調整手段を、前記両剥離ローラの温度を調整するものに構成してある基板の異物除去装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板の異物除去装置において、
前記基板は、上下一対のローラからなる貼付け手段により表裏面に粘着テープが同時に貼付けられて保持され、
前記剥離力調整手段に搬送されるよう構成された
ことを特徴とする基板の異物除去装置。
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