JP4081576B2 - 無電解めっき皮膜の形成方法、それに用いる置換触媒溶液、並びにプリント配線基板及び放熱めっき部材 - Google Patents

無電解めっき皮膜の形成方法、それに用いる置換触媒溶液、並びにプリント配線基板及び放熱めっき部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板やAl−SiC複合素材などの被めっき面として金属材料部と非導電性材料部とを有する基材の非導電性材料部上に無電解めっき皮膜を形成する方法、その方法に用いるのに好適な置換触媒溶液、並びに上記無電解めっき皮膜の形成方法を用いて作製されたプリント配線基板及び放熱めっき部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品分野など様々な分野において、被めっき面が金属材料部と非導電性材料部とからなる基材上への無電解めっき皮膜を形成することが行われている。
【0003】
例えば、電子部品分野で使用されるプリント基板は、回路となる銅と基板素材である樹脂とで構成されており、この基板上に、無電解銅めっきなどの無電解めっき皮膜を形成する。
【0004】
また、ヒートシンク等の放熱板となる放熱めっき部材も、近年では、SiC等の非導電性材料からなる多孔体に、銅やアルミニウムが含浸されたような基材が用いられており、当該基材上に、はんだ濡れ性付与を目的として、無電解ニッケルめっき皮膜を形成する。
【0005】
上記のような基材上へ無電解めっき皮膜を形成する場合、基材の被めっき面に非導電性材料部が存在しているため、触媒金属を付与することが必要であり、従来からセンシタイジング−アクチベーティング法、キャタリスト法、アルカリキャタリスト法、キャタリスティング−アクセレレーティング法などが用いられている。
【0006】
しかし、近年、形成される無電解めっき皮膜に要求される様々な皮膜特性は更に厳しさを増しており、上述したような従来の触媒金属を付与する方法を単に用いただけでは、その要求を満たすことができなかった。
【0007】
その理由は、基材の被めっき面が非導電性材料部と金属材料部とが混在した状態となっているためであると考えられる。つまり、異なる材料上へ触媒付与処理や無電解めっき処理を施すが、非導電性材料部と金属材料部とでは、各処理の反応性等が異なり、それぞれの材料部上へ形成される触媒層や無電解めっき皮膜に微妙な差が生じ、これが原因となって皮膜特性が悪くなると考えられる。
【0008】
例えば、上述したヒートシンク部材を作製する場合においては、形成された無電解ニッケルめっき皮膜にボイドが発生したり、均一性が悪かったりするため、はんだ濡れ性が悪くなるという欠点や耐熱性が悪いという欠点を有している。
【0009】
また、電子部品分野のプリント基板においては、スルホールやビアホール壁に無めっきが生じるという欠点を有している。更には、形成した回路の電気抵抗が悪い、皮膜外観にムラが生じる、最終的に形成される厚付用の電気銅めっき皮膜と無電解銅めっき皮膜間の密着性が悪いという欠点を有する。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−131760号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、被めっき面が金属材料部と非導電性材料部とから構成されている複合基材に対して、無めっき現象もなく、密着性の良好な無電解めっき皮膜を形成でき、放熱めっき部材、プリント配線基板等の作製に好適な無電解めっき皮膜の形成方法、それに用いる置換触媒溶液、プリント配線基板、及び放熱めっき部材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、被めっき面が金属材料部と非導電性材料部とで構成される基材に対して、上記金属材料部、非導電性材料部それぞれに対して、触媒付与処理を別途行い、かつ両材料部上に対して同時に(両材料部上への触媒金属付与をコントロールした基材を、無電解めっき浴に浸漬して、両材料上へ一括で)無電解めっき皮膜を形成することが有効であると着想し、置換触媒溶液という上記金属材料部へ触媒付与をすることを目的とする触媒付与工程と、従来からの非導電性材料部上への触媒付与をすることを目的とした触媒付与工程とを組み合わせることで、容易に各種特性に優れた無電解めっき皮膜を形成できることを知見した。
【0013】
また、特に、プリント配線基板を作製するにあたり、上記両触媒付与工程によって銅(金属材料部)上に付与される触媒金属量をある一定範囲内とすることで、電子部品という特に要求の高い分野においても、高い要求を満たすことができることを知見し、本発明をなすに至った。
【0014】
従って、本発明は下記の無電解めっき皮膜の形成方法、それに用いる置換触媒溶液、並びにプリント配線基板及び放熱めっき部材を提供する。
請求項1:
被めっき面として金属材料部及び非導電性材料部を有する基材に対し、無電解めっき皮膜を形成する方法であって、
前記金属材料部上に置換触媒溶液を用いて、前記金属材料部に置換析出して前記無電解めっきの触媒となるAu、Pt、Pd、Ag、Ni、Co、Cu、Znから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属を付与する第1触媒工程を行い、続いて
前記非導電性材料部に触媒溶液を用いて前記無電解めっきの触媒となる触媒金属を付与する工程として、(1)酸性Pd−Snコロイド溶液で処理する方法、(2)酸性Pd−Snコロイド溶液で処理した後、酸溶液で処理する方法、又は(3)Pd、Ag、Pt、Au、Ni、Coから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属のアルカリ性の触媒金属イオン溶液で処理した後、還元剤液で処理する方法による第2触媒工程を行い、その後
無電解めっき液を用いて、前記金属材料部及び非導電性材料部に同時に無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき工程を行うことを特徴とする無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項2:
被めっき面として銅である金属材料部、及び樹脂又はセラミックである非導電性材料部を有するプリント配線基板に対し、無電解めっき皮膜を形成する方法であって、
前記金属材料部上に置換触媒溶液を用いて、前記金属材料部に置換析出して前記無電解めっきの触媒となるPd、Pt、Au、Ni、Coから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属を付与する第1触媒工程を行い、続いて
前記非導電性材料部に触媒溶液を用いて前記無電解めっきの触媒となる触媒金属を付与する工程として、(3)Pd、Ag、Pt、Au、Ni、Coから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属のアルカリ性の触媒金属イオン溶液で処理した後、還元剤液で処理する方法による第2触媒工程を行い、その後
無電解めっき液を用いて、前記金属材料部及び非導電性材料部に同時に無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき工程を行うことを特徴とする請求項1記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項3:
前記第1触媒工程における触媒金属がPdであることを特徴とする請求項2記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項4:
前記第2触媒工程における(3)の方法の触媒金属がPdであることを特徴とする請求項2又は3記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項5:
前記第2触媒工程後において、前記プリント配線基板の銅部分に付着した触媒金属量が10〜120μg/dm 2 であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項6:
前記無電解めっき工程が、無電解銅めっき液を用いて無電解銅めっき皮膜を形成する工程であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項7:
前記無電解めっき工程が、錯化剤として非アミン系化合物を含有し、アミン系錯化剤を使用せず、ホルムアルデヒドを還元剤とする無電解銅めっき液を用いて無電解銅めっき皮膜を形成する工程であることを特徴とする請求項6記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項8:
前記無電解めっき工程が、錯化剤としてロッシェル塩を含有する無電解銅めっき液を用いて無電解銅めっき皮膜を形成する工程であることを特徴とする請求項6記載の無電解め っき皮膜の形成方法。
請求項9:
Alである金属材料部、及び樹脂又はガラスセラミックである非導電性材料部からなる放熱めっき部材用複合材料に、無電解めっき皮膜を形成する方法であって、
前記金属材料部上にZn置換触媒溶液を用いてZnである触媒金属を付与する第1触媒工程を行い、続いて
前記非導電性材料部に触媒溶液を用いて前記無電解めっきの触媒となる触媒金属を付与する工程として、(2)酸性Pd−Snコロイド溶液で処理した後、酸溶液で処理する方法、又は(3)Pd、Ag、Pt、Au、Ni、Coから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属のアルカリ性の触媒金属イオン溶液で処理した後、還元剤液で処理する方法による第2触媒工程を行い、その後
無電解めっき液を用いて、前記金属材料部及び非導電性材料部に同時に無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき工程を行うことを特徴とする請求項1記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項10:
Cuである金属材料部、及び樹脂又はガラスセラミックである非導電性材料部からなる放熱めっき部材用複合材料に、無電解めっき皮膜を形成する方法であって、
前記金属材料部上にPd置換触媒溶液を用いてPdである触媒金属を付与する第1触媒工程を行い、続いて
前記非導電性材料部に触媒溶液を用いて前記無電解めっきの触媒となる触媒金属を付与する工程として、(2)酸性Pd−Snコロイド溶液で処理した後、酸溶液で処理する方法、又は(3)Pd、Ag、Pt、Au、Ni、Coから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属のアルカリ性の触媒金属イオン溶液で処理した後、還元剤液で処理する方法による第2触媒工程を行い、その後
無電解めっき液を用いて、前記金属材料部及び非導電性材料部に同時に無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき工程を行うことを特徴とする請求項1記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項11:
前記無電解めっき工程が、無電解ニッケルめっき液を用いて無電解ニッケルめっき皮膜を形成する工程であることを特徴とする請求項9記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項12:
前記無電解めっき工程が、無電解ニッケル−リンめっき液を用いて無電解ニッケル−リンめっき皮膜を形成した後、無電解ニッケル−ボロンめっき液を用いて無電解ニッケル−ボロンめっき皮膜を形成する工程であることを特徴とする請求項9又は10記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項13:
前記第2触媒工程における(3)の方法の触媒金属がPdであることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項14:
前記置換触媒溶液が、アミン化合物を含有しないことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
請求項15:
請求項14記載の無電解めっき皮膜の形成方法に用いる置換触媒溶液であって、アミン化合物を含有しないことを特徴とする置換触媒溶液。
請求項16:
請求項2乃至8のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法を用いて作製されたことを特徴とする無電解めっき皮膜が形成されたプリント配線基板。
請求項17:
請求項9乃至13のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法を用いて作製されたことを特徴とする放熱めっき部材。
【0015】
この場合、特に、プリント基板の無電解めっき方法については、銅張りプリント基板→銅面上にPd置換→スルホール(樹脂部)にアルカリ性のPdイオン溶液でPd付与→還元剤液での処理→ロッシェル塩を錯化剤とする無電解銅めっきという工程、方法が好適に採用し得、放熱部材の無電解めっき方法については、Al−SiC複合素材の基体→Al上にZn置換→SiC上にアルカリ性のPdイオン溶液でPd付与→還元剤液での処理→無電解ニッケルめっきという工程、方法が好適に採用し得る。
【0016】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の無電解めっき皮膜の形成方法は、金属材料部及び非導電性材料部とを有する基材に、必要により適宜な前処理を行った後、第1触媒工程、第2触媒工程を順次行い、最後に無電解めっき工程を行うものである。
【0017】
(I)基材
基材としては、被めっき面が、非導電性材料部と金属材料部とからなる基材であれば特に制限はなく、非導電性材料部が樹脂、セラミック等で形成されたもの、金属材料部が各種金属で形成されたものが挙げられるが、本発明は、金属材料部が例えばCuやAl等の空気中で酸化し易い金属で形成されたものが有効に用いられる。また、形状も制限はなく、板状、シート状、粉粒状、成形品などが挙げられる。
【0018】
この場合、基材としては、ヒートシンク等の放熱部材、プリント配線基板などが好適なものとして挙げられる。
【0019】
ここで、ヒートシンク等の放熱部材において、非導電性材料としては、SiCなどのガラスセラミックや樹脂が採用できる。金属としては、AlやCuなどが挙げられるが、これに制限されない。特には、ガラスセラミックの多孔体又は網状構造体に、AlやCuを含浸させたものを好適に採用できる。形状としては、板状、シート状、粉粒体等、制限はない。
【0020】
一方、プリント配線基板を作製する場合、被めっき面に、銅部分を有する基材が挙げられる。基材は、樹脂製(エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂など)、セラミック製などであり、被めっき面は、上記樹脂部分/セラミック部分と銅部分の2種が混在しても、銅部分が、表面の全面であってもよい。この場合、樹脂部分はスルホールやビアホール部分である。形状は、板状、シート状等であってもよい。
【0021】
なお、上記銅部分は、無電解めっきや電気めっきやスパッタリング等の乾式めっきで形成されていてもよく、銅箔を貼って形成されていてもよい。
【0022】
具体的には、特にスルホールやビアホールを有する銅張りプリント基板(両面板、多層板、ビルドアップ基板など)を挙げることができる。
【0023】
(II)前処理
上記基材の前処理としては、脱脂、表面調整工程などがあり、基材の種類、使用目的等に応じた公知の前処理法を採用し得る。ヒートシンク等の放熱めっき部材を作製するための基材の洗浄には、超音波洗浄を行うことが好ましい。
【0024】
(III)第1触媒工程
第1触媒工程は、上記基材の金属材料部上に触媒となる金属の水溶性塩を含有する置換触媒溶液を用いて触媒金属を付与する工程であって、本工程は基本的に複合基材中の金属に触媒を付与することを目的としており、非導電性材料へは触媒が付与されない。上記置換触媒溶液は、置換法により基材の金属材料部上に触媒金属を付与するもので、当該置換触媒溶液は、アミン化合物を含有しないことが好ましい。アミン化合物を含有していると、触媒溶液の持ち込みや基材表面に付着するなどして、次の第2触媒溶液中にアミン化合物が混入し、第2触媒工程での触媒溶液中の触媒金属をアミン化合物が錯化してしまい、非導電性材料部に触媒が付与されないおそれがあり、その結果形成される無電解めっき皮膜にボイドや無めっきが生じるおそれがある。触媒となる金属としては、Au、Pt、Pd、Ag、Ni、Co、Cu、Znなどが挙げられ、当該触媒となる金属は、上記基材の金属材料部の金属種に応じて、適宜置換析出するものを選択する。また、1種であっても、2種以上であってもよい。
【0025】
例えば、放熱めっき部材を形成する場合、その複合基材の金属部がAlである場合はZn、Cuである場合はPdが好適なものとして選ばれる。
この場合、Al金属部に対するZn置換触媒溶液としては、アルミニウムに対してめっきを行う場合に従来から用いられている亜鉛置換めっき液を使用することができる。なお、本発明において、このZn置換触媒溶液の組成としては、Znイオン100mg/L〜100g/L、好ましくは5〜20g/L、pH8以上、好ましくは10以上(NaOH等で調整)であり、pH14の強アルカリであってもよい。Zn塩としては、硝酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛等公知のものが採用できる。また処理条件は10〜30℃で数秒〜1分間であることが好ましい。
【0026】
一方、Cu金属部に対するPd置換触媒溶液としては、Pdイオン10mg/L〜10g/L、好ましくは100〜500mg/L、Pd塩としては、硫酸塩、硝酸塩、酸化物、塩化物及びそれらの無機複合物、無機酸としては、硫酸、硝酸、塩酸等が使用でき、界面活性剤を添加してもよい。処理条件は20〜50℃で1〜10分間であることが好ましい。
なお、上記Zn置換触媒溶液、Pd置換触媒溶液としては、市販品を使用することができる。
【0027】
また、プリント配線基板を作製する場合の第1触媒工程において、触媒金属としては、Pd、Pt、Au、Ni、Coなどの1種又は2種以上が挙げられ、置換触媒溶液は、上記触媒金属の水溶性塩と無機酸を基本組成とする。また、上述したように、上記置換触媒溶液は、アミン系化合物を含有しないことが好ましく、アミン系化合物は、錯化力が強いため、次工程のアルカリキャタリスト法で触媒を付与する場合に、触媒金属の吸着が生じないおそれがあり、スルホールなどの樹脂部に無めっきが生じるおそれがある。その他、界面活性剤や各種添加剤を添加してもよい。
【0028】
具体的には、この場合の置換触媒溶液の組成としては、公知のPd触媒溶液を用いることができる。Pd塩としては、硫酸塩、硝酸塩、酸化物、塩化物及びそれらの無機複合物、無機酸としては、硫酸、硝酸、塩酸等が使用でき、界面活性剤を添加してもよい。Pdイオンとしては、例えばPdイオン10mg/L〜10g/Lが好ましい。処理条件は通常の処理条件を採用できるが、第1、第2触媒工程終了後の銅上のPd置換量を10〜120μg/dm2、好ましくは20〜90μg/dm2となるように処理することが好ましい。
【0029】
なお、この第1触媒工程は、次の第2触媒工程より先に行うことが重要である。例えば、放熱めっき部材を作製する場合に、第2触媒工程は吸着現象での触媒付与であるため、第1触媒工程が後であると吸着した触媒が流失してしまい、ボイドが発生し易い、皮膜の平滑性が悪くなる、放熱性用途の利用度が悪くなる、はんだ濡れ性が悪くなるという問題が生じる。
【0030】
また、プリント配線基板を作製する場合も、第1触媒工程を第2触媒工程のアルカリキャタリスト法の後で行うと、第2触媒工程でスルホール等の樹脂部やセラミック部に付与された触媒金属が流失し、樹脂部やセラミック部に無めっきが生じたりするおそれがある。
【0031】
(IV)第2触媒工程
この第2触媒工程は、水溶性金属塩を含有する触媒溶液を用いて、吸着現象によって基材の非導電性材料部に触媒金属を付与する工程である。この場合、この触媒金属は、上記金属材料部にも付着してよい。
【0032】
本第2触媒工程としては、次の3方法を採用できる。
(1)酸性Pd−Snコロイド溶液で処理する方法。
(2)酸性Pd−Snコロイド溶液で処理した後、酸溶液で処理する方法。
(3)アルカリ性の触媒金属イオン溶液で処理した後、還元剤液で処理する方法。
上記3つの方法のうち、どれを利用するかはそれぞれが持つ特徴をもとに、例えば、基材への侵食や形成される無電解めっき皮膜に要求される特性などへの影響を考慮して選択すればよい。この場合、上記方法は以下の特徴を有する。
(1)と(2)の方法は、(3)の方法に比較して、非導電性材料部上、金属材料部上へ付与される触媒金属量が多い。
(1)と(2)の方法は、Snが付着する。
(2)の方法は、(1)の方法に比較して、Snの付着量が少ない。
(3)の方法は、金属材料部上へ付着する触媒金属量が少ない。
(3)の方法は、Snが付着しない。
この第2触媒工程としては、ヒートシンク等の放熱めっき部材を作製する際は、下記の方法が挙げられる。
(2)酸性Pd−Snコロイド溶液で処理した後、酸溶液で処理する方法。
(3)アルカリ性の触媒金属イオン溶液で処理した後、還元剤液で処理する方法。
特に、(3)の方法が好ましい。
一方、プリント配線基板を作製する際は、第2触媒工程は、アルカリ性の触媒金属イオン溶液での処理が好ましい。
【0033】
ここで、上記(1)、(2)の酸性Pd−Snコロイド溶液としては、公知の酸性Pd−Snコロイドキャタリスト溶液が使用し得、市販品を用いてもよい。また、(2)の方法における酸溶液としては、塩酸溶液、硫酸溶液等の公知のアクセレレーター酸溶液が使用し得る。更に、(1)、(2)の方法を行う場合の処理条件としては、公知の方法が採用し得る。
【0034】
一方、(3)の方法において、触媒金属としては、Pd、Ag、Pt、Au、Ni、Coなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0035】
この場合、このアルカリ性触媒金属イオン溶液としては、上記触媒金属水溶性塩を金属、特にパラジウムとして0.01〜10g/L、特にプリント基板を処理する場合には50〜500mg/L、好ましくは100〜300mg/L含有し、pHが8〜11であるものを使用することができる。この溶液は公知のものでよく、市販品を使用することができる。また、処理条件は公知の条件を採用でき、通常20〜65℃で1〜10分の浸漬条件とすることができる。
【0036】
なお、特にプリント配線基板を作製する際、第1及び第2触媒工程が終了した時点で、基材の銅部分上に付着した触媒金属量は、10〜120μg/dm2(特には20〜90μg/dm2)とすることが好ましい。この触媒金属量は、第1触媒工程で付与された触媒金属+第2触媒工程で付与された触媒金属の合計である。
【0037】
10μg/dm2未満であると、基材の銅部分上に無電解銅めっき皮膜が形成されないおそれがあり、スルホール等の樹脂部に無めっきが発生する、銅皮膜が変色するなどが生じるおそれがある。一方、120μg/dm2より多いと、回路の短絡が発生するおそれがある。また、無電解銅めっき皮膜の密着性が悪くなるおそれがある。
【0038】
(V)還元剤液での処理工程
この工程は、上記第2触媒付与工程において、(3)のアルカリ性触媒金属イオン溶液で処理した場合に、その後工程として行うもので、主として付与された触媒の金属化を目的として行うものである。また、場合によっては、複合基材中の金属材料に形成された酸化皮膜を除去する役割を果たしたり、基材の銅部分を活性化する役割を果たす。
【0039】
還元剤液での処理は、次の3方法を採用できる。
(1)還元剤液で処理する。
(2)還元剤液で処理した後、特開2001−131760号公報記載の還元剤と界面活性剤とを含み、pH調整剤によりpHを1〜7に調整した活性化溶液で、活性化処理を行う。
(3)上記活性化溶液で処理する。
上記のうち、(1)、(2)の工程が好ましく、特にプリント配線基板を作製する場合は、銅部分上により確実に無電解銅めっき皮膜を形成できるため、無電解銅めっき皮膜が形成されない又は形成されるまでに時間がかかるのを防止でき、銅の変色、樹脂部の無めっきを防止することができる点から(2)の工程が好ましい。
【0040】
なお、上記(1)、(2)の還元剤液は、公知の還元剤を含有する溶液であればよい。
【0041】
還元剤としては、ジメチルアミンボラン(DMAB)や水素化ホウ素化合物等のボラン系還元剤、ヒドラジン、ホルムアルデヒド等が挙げられる。なお、還元剤の濃度は0.1〜10g/L、特に1〜3g/Lで、pHは3〜12、特に3〜5であることが好ましい。また、この還元剤液での処理条件は、20〜40℃で1〜10分の浸漬条件とすることができる。また、上記活性化溶液も同様の処理条件とすることができる。
【0042】
(VI)無電解めっき工程
無電解めっき工程では、無電解めっき皮膜を形成する。
無電解めっきの種類は、特に制限はなく、無電解Ni−P、無電解Ni−B、無電解Co、無電解Cu、無電解Ag、無電解Au、無電解Sn、各種合金めっき、無電解複合めっき等が挙げられ、公知の組成のめっき液を用いて公知の条件でめっきを行うことができる。
【0043】
この場合、放熱板やヒートシンク等を作製する場合には、通常無電解ニッケル−リンめっき液で処理した後、無電解ニッケル−ボロンめっき液で処理することが好ましい。
【0044】
また、プリント配線基板を作製する場合には、無電解銅めっきが好ましい。この場合、この無電解めっき液としては、錯化剤としてロッシェル塩等の非アミン系錯化剤を用い、アミン系錯化剤を使用していないホルムアルデヒドを還元剤とするタイプのものが好ましい。
【0045】
なお、上記無電解めっき皮膜は、厚さ0.1〜2.0μm、特に0.3〜1.0μmとすることができるが、これに制限されるものではない。
【0046】
本発明によれば、被めっき面に非導電性材料と金属材料が混在していても、密着性や均一性などの皮膜特性に優れた無電解めっき皮膜を形成することができる。
【0047】
例えば、基材が複合素材からなる複合基材であっても、密着性がよく、ボイドの発生がなく、均一な無電解めっき皮膜を形成することができ、特に、電子部品が実装される放熱板のような放熱めっき部材を作製する上で好適に用いることができ、はんだ濡れ性が良好であり、放熱特性に優れた放熱めっき部材を得ることができる。
【0048】
また、特に、プリント基板を処理する場合において、被めっき面の銅部分、スルホール等の樹脂部分両方に良好な無電解銅めっき皮膜を形成できる上、回路形成においても絶縁樹脂中にPdなどが混入することを防げ、信頼性の高い回路基板を作製することができる。
【0049】
更に、アミン系錯化剤を用いずに無電解銅めっき皮膜を形成するときに、めっき反応が瞬時に開始し、無めっきの発生を防止できる。また、基材の銅部分が長時間空気に晒されても、めっき反応が開始するため、使用する生産ライン(装置)に制限が少ない。しかも、アミン類の廃液処理が必要なく、工業上の利用に有利である上、コスト面でも有利である。また、ロッシェル塩のような錯化力の弱い錯化剤を使用した無電解銅めっき液を用いても、上記利点が得られる。
【0050】
更には、置換触媒溶液処理の諸条件を変更することで、容易に被めっき面の銅部分に付着する触媒金属量を制御できる。
【0051】
本発明において、置換触媒溶液は、アルカリキャタリスト法での触媒付与に悪影響を及ぼさず、被めっき面に樹脂部やセラミック部がある場合にも、本発明の無電解めっき皮膜の形成方法を用いたときの効果を確実に得ることができる。
【0052】
更に、本発明の方法によりプリント基板を得る場合、例えば、ロッシェル塩などの非アミン系錯化剤を使用した無電解銅めっき液を用いて無電解銅めっき皮膜を形成する場合に、プリント基板が長時間空気中に晒されても確実にめっき反応を開始することができる、そのため、生産に使用されるラインや装置への制限が少ない。また、電子回路を形成する場合に、回路の短絡や電気抵抗の悪化を招くことがない上、電気銅めっき皮膜と無電解銅めっき皮膜との密着性を向上させることができるため、高密度化しても信頼性の高い回路基板を得ることができる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0054】
[実施例1]
複合基材としてAl−SiC複合基材を用い、下記工程に従って無電解めっきを行った。形成された無電解めっき皮膜のボイドの有無、はんだ濡れ性、密着性について評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004081576
【0055】
[実施例2]
実施例1において、(6)亜鉛置換の工程後、下記工程を行い、その後(7)アルカリキャタリスト工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に処理した。得られた無電解めっき皮膜のボイドの有無、はんだ濡れ性、密着性について評価を行った。結果を表1に示す。
(6’)亜鉛置換 Znイオン16g/L,NaOH140g/L,強アルカ性,15℃,90秒
(6’’)酸洗浄 硝酸800ml/L,室温,30秒
【0056】
[比較例1]
実施例1において、(7)アルカリキャタリスト工程と(8)レデューサー工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に処理した。得られた無電解めっき皮膜のボイドの有無、はんだ濡れ性、密着性について評価を行った。結果を表1に示す。
【0057】
[比較例2]
実施例1において、(6)亜鉛置換工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に処理した。得られた無電解めっき皮膜のボイドの有無、はんだ濡れ性、密着性について評価を行った。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 0004081576
【0059】
[実施例3]
190mm×140mm×3mmに研削加工されたSiC多孔体にAlを含浸させたAl−SiC複合基材(SiC;40体積%)を、実施例1と同様に処理し、IGBT用放熱基板を作製した。得られた放熱基板表面にはんだペーストをスクリーン印刷し、当該はんだペースト上にSi34からなるセラミック基板を載置し、300℃のリフロー炉で5分間加熱処理してセラミック基板を接合させた。
【0060】
このセラミック基板を接合した放熱基板を、厚さ20mmのAl板にボルトにより固定し、−40℃〜+125℃を1サイクルとして1,000サイクルの冷熱サイクル試験を行った。試験後、はんだ層の破壊、熱流路の遮断はみられなかった。
【0061】
実験、比較実験
基材として銅箔を使用し、銅箔をエッチング液によって銅を数μm溶解し、水洗後、酸による洗浄を行い、水洗後、25℃で2分間酸濃度0.1NとしたPd置換触媒溶液(PdCl2:表2に示す濃度,HCl:0.1N)に浸漬し、水洗後、60℃で5分間アルカリ性Pdイオン触媒溶液(Pdイオン0.2g/L,キレート剤0.01M,pH11)に浸漬し、水洗を行い、35℃で3分間還元剤液(DMAB2g/L)に浸漬し、水洗を行い、25℃で1分間活性化溶液(特開2001−131760号公報に記載の活性化溶液)に浸漬し、ロッシェル塩タイプのホルムアルデヒドを還元剤とした無電解銅めっき液(上村工業(株)製スルカップPEA)中に浸漬する工程を標準工程とし、表2に示すように実施した。
【0062】
無電解銅めっき浴中において、析出電位測定を行い、銅上のめっき反応性の差異を確認した。なお、析出電位評価方法としては、Ag/AgCl参照電極を使用したとき、銅箔を無電解銅めっき浴に浸漬した後、瞬時に−800mV以上に達した場合を合格(○)とし、それ未満を不合格(×)とした。
【0063】
【表2】
Figure 0004081576
【0064】
以上から、実験のようにPd置換析出を行った場合、180秒間銅箔が空気中に晒されても、瞬時に銅箔上に無電解銅のめっき反応が開始することがわかる。
一方、比較実験のようにPd置換析出を行わない場合、活性化処理を行うと、銅箔が空気中に晒される時間が増えてもめっき反応が開始するが、60秒間銅箔が空気中に晒されると、めっき反応が瞬時に開始しなくなることがわかる。
上記から、本発明の処理方法によれば、EDTA等のアミン系錯化剤を用いなくとも、長時間空気に晒された銅上で瞬時に無電解めっき反応が開始するので、生産性が高くなる。また、装置を非酸化性雰囲気下においたりするなどの必要がなく、経済的である。更には、アミン化合物の廃液処理も必要ないので、コスト面でも有利である。
【0065】
【0001】
[実施例13、比較例
基材として市販のFR−4銅張り積層板を使用し、該基板を公知のエッチング液を用いて銅を数μm溶解した。その後、水洗し、Pd置換析出を表3に示す条件で行った以外は、実験と同様の前処理を行った。この処理後の基板の銅上のPd付着量を測定した。これら基板を36℃で30分間ロッシェル塩タイプのホルムアルデヒドを還元剤とした無電解銅めっき液(上村工業(株)製スルカップPEA)中に浸漬して、無電解銅めっき皮膜を基板の銅上及びスルホール壁に形成した。その後、公知の硫酸銅電気めっき液を用いて30μmの銅めっき皮膜を形成し、150℃で1時間熱処理を施した。無めっきの有無、無電解銅めっき皮膜と電気銅めっき皮膜間の密着性を確認した。結果を表3に示す。
【0066】
また、無めっきの有無は、スルホール断面をSEMにより確認し、無めっき部がある場合を不合格(×)、無めっき部がない場合を合格(○)とした。
無電解銅めっき皮膜と電気銅めっき皮膜間の密着性の評価は、上記基板から引き剥がした銅箔(FR−4銅張り積層基板の表面層の銅、無電解銅めっき皮膜及び電気銅めっき皮膜がめっき処理により重なったもの)にバーナー熱衝撃試験法を用いて、該銅箔が炎により赤くなった時点で炎から該銅箔を離し、放置冷却後、銅箔にふくれが生じた場合を不合格(×)、ふくれが生じない場合を合格(○)とした。
【0067】
【表3】
Figure 0004081576
【0068】
以上から、本発明の方法を用いてプリント配線基板を作製した場合、その信頼性が高いことがわかる。また、被めっき面の銅部分上のPd付着量が少なすぎると無めっきの発生が生じることがわかる。更には、被めっき面の銅部分上のPd付着量が多すぎると無電解銅めっき皮膜自体の形成には何ら問題はないが、その後の電気銅めっき皮膜との密着性が悪くなることがわかる
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、被めっき面が金属材料部と非導電性材料部とから構成されている複合基材に対して、無めっき現象もなく、密着性の良好な無電解めっき皮膜を形成できる。

Claims (17)

  1. 被めっき面として金属材料部及び非導電性材料部を有する基材に対し、無電解めっき皮膜を形成する方法であって、
    前記金属材料部上に置換触媒溶液を用いて、前記金属材料部に置換析出して前記無電解めっきの触媒となるAu、Pt、Pd、Ag、Ni、Co、Cu、Znから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属を付与する第1触媒工程を行い、続いて
    前記非導電性材料部に触媒溶液を用いて前記無電解めっきの触媒となる触媒金属を付与する工程として、(1)酸性Pd−Snコロイド溶液で処理する方法、(2)酸性Pd−Snコロイド溶液で処理した後、酸溶液で処理する方法、又は(3)Pd、Ag、Pt、Au、Ni、Coから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属のアルカリ性の触媒金属イオン溶液で処理した後、還元剤液で処理する方法による第2触媒工程を行い、その後
    無電解めっき液を用いて、前記金属材料部及び非導電性材料部に同時に無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき工程を行うことを特徴とする無電解めっき皮膜の形成方法。
  2. 被めっき面として銅である金属材料部及び樹脂又はセラミックである非導電性材料部を有するプリント配線基板に対し、無電解めっき皮膜を形成する方法であって、
    前記金属材料部上に置換触媒溶液を用いて、前記金属材料部に置換析出して前記無電解めっきの触媒となるPd、Pt、Au、Ni、Coから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属を付与する第1触媒工程を行い、続いて
    前記非導電性材料部に触媒溶液を用いて前記無電解めっきの触媒となる触媒金属を付与する工程として、(3)Pd、Ag、Pt、Au、Ni、Coから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属のアルカリ性触媒金属イオン溶液で処理した後、還元剤液で処理する方法による第2触媒工程を行い、その
    電解めっき液を用いて、前記金属材料部及び非導電性材料部に同時に無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき工程を行うことを特徴とする請求項1記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  3. 前記第1触媒工程における触媒金属がPdであることを特徴とする請求項2記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  4. 前記第2触媒工程における(3)の方法の触媒金属がPdであることを特徴とする請求項2又は3記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  5. 前記第2触媒工程後において、前記プリント配線基板の銅部分に付着した触媒金属量が10〜120μg/dm 2 であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  6. 前記無電解めっき工程が、無電解銅めっき液を用いて無電解銅めっき皮膜を形成する工程であることを特徴とする請求項2乃至のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  7. 前記無電解めっき工程が、錯化剤として非アミン系化合物を含有し、アミン系錯化剤を使用せず、ホルムアルデヒドを還元剤とする無電解銅めっき液を用いて無電解銅めっき皮膜を形成する工程であることを特徴とする請求項6記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  8. 前記無電解めっき工程が、錯化剤としてロッシェル塩を含有する無電解銅めっき液を用いて無電解銅めっき皮膜を形成する工程であることを特徴とする請求項6記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  9. Alである金属材料部、及び樹脂又はガラスセラミックである非導電性材料からなる放熱めっき部材用複合材料に、無電解めっき皮膜を形成する方法であって、
    前記金属材料部上にZn置換触媒溶液を用いてZnである触媒金属を付与する第1触媒工程を行い、続いて
    前記非導電性材料部に触媒溶液を用いて前記無電解めっきの触媒となる触媒金属を付与する工程として、(2)酸性Pd−Snコロイド溶液で処理した後、酸溶液で処理する方法 、又は(3)Pd、Ag、Pt、Au、Ni、Coから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属のアルカリ性の触媒金属イオン溶液で処理した後、還元剤液で処理する方法による第2触媒工程を行い、その後
    無電解めっき液を用いて、前記金属材料部及び非導電性材料部に同時に無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき工程を行うことを特徴とする請求項1記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  10. Cuである金属材料部、及び樹脂又はガラスセラミックである非導電性材料部からなる放熱めっき部材用複合材料に、無電解めっき皮膜を形成する方法であって、
    前記金属材料部上にPd置換触媒溶液を用いてPdである触媒金属を付与する第1触媒工程を行い、続いて
    前記非導電性材料部に触媒溶液を用いて前記無電解めっきの触媒となる触媒金属を付与する工程として、(2)酸性Pd−Snコロイド溶液で処理した後、酸溶液で処理する方法、又は(3)Pd、Ag、Pt、Au、Ni、Coから選ばれる1種又は2種以上の触媒金属のアルカリ性の触媒金属イオン溶液で処理した後、還元剤液で処理する方法による第2触媒工程を行い、その後
    無電解めっき液を用いて、前記金属材料部及び非導電性材料部に同時に無電解めっき皮膜を形成する無電解めっき工程を行うことを特徴とする請求項1記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  11. 前記無電解めっき工程が、無電解ニッケルめっき液を用いて無電解ニッケルめっき皮膜を形成する工程であることを特徴とする請求項記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  12. 前記無電解めっき工程が、無電解ニッケル−リンめっき液を用いて無電解ニッケル−リンめっき皮膜を形成した後、無電解ニッケル−ボロンめっき液を用いて無電解ニッケル−ボロンめっき皮膜を形成する工程であることを特徴とする請求項9又は10記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  13. 前記第2触媒工程における(3)の方法の触媒金属がPdであることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  14. 前記置換触媒溶液が、アミン化合物を含有しないことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法。
  15. 請求項14記載の無電解めっき皮膜の形成方法に用いる置換触媒溶液であって、アミン化合物を含有しないことを特徴とする置換触媒溶液。
  16. 請求項2乃至8のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法を用いて作製されたことを特徴とする無電解めっき皮膜が形成されたプリント配線基板。
  17. 請求項乃至13のいずれか1項に記載の無電解めっき皮膜の形成方法を用いて作製されたことを特徴とする放熱めっき部材。
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