JP3388298B2 - ガラス表面へのめっきにおける前処理用エッチング液、めっき方法及びガラス基板の製造方法 - Google Patents

ガラス表面へのめっきにおける前処理用エッチング液、めっき方法及びガラス基板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス素材にめっきを
施すための前処理液としてのエッチング液、該エッチン
グ液を用いるめっき方法に関し、更に該めっき方法の一
態様として、該エッチング液を用いるガラス基板の製造
方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスは、基板としての電気的に優れた
特性、例えば高周波特性、絶縁性等を有すると同時に、
セラミックと比較しても安価で入手しやすいことから、
ガラス上に導体層を設けてプリント配線板にすることが
試みられている。
【0003】しかしながら、めっきによりガラス上に導
体層を設けることは、これまで実用化されていない。即
ち、めっきによる方法では、ガラス表面が平滑であるた
め、エッチング処理による表面粗化を行わない限り、十
分な密着強度が得られないという事情がある。
【0004】換言すれば、めっき密着性は、めっきすべ
き素材の表面粗度及び表面劣化状態に大きく左右される
ことは、すでに広く承知されているところであり、エッ
チング処理による表面粗化がうまく行えると、表面積が
増大し、めっき皮膜のいわゆる投錨効果(アンカー効
果)により、密着性が向上できると考えられている。と
ころが、これまでのところ、そのための実用的なエッチ
ング液が開発されていない。
【0005】例えば、フッ酸でエッチングするとエッチ
ングのコントロールができず、表面粗度が不十分であっ
たり、オーバーエッチングによりガラス表面強度が低下
し、十分なめっき密着強度が得られない。
【0006】また、表面粗化の化学的方法として、強ア
ルカリエッチングも検討されているが、エッチング条件
が厳しく、実用的ではない。
【0007】また、機械的な表面粗化も検討されている
が、機械的方法では、パターン部分のみの粗化が困難で
ある。
【0008】更に、エッチング乃至表面粗化を行なうこ
となくパターン形成する方法として、スパッタリング等
の乾式法によりパターンを形成する方法があるが、形成
されたパターンは導体厚を確保するために更にめっきを
施す必要があり、工程が複雑でコストがかかる等の問題
点がある。また、スパッタリング等の乾式法では、スル
ーホールの内面への導体形成が困難である。
【0009】一方、めっき以外のパターン形成方法とし
て、電気伝導性ペースト印刷等の方法でパターンを形成
することも行われているが、この方法では、スルーホー
ルの内面への導体形成ができない、半田付けができない
等の実用面での問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガラス素材
に密着強度の高いめっきを施すための前処理である表面
粗化を行うためのエッチング液を提供することを目的と
する。
【0011】また、本発明は、かかるエッチング液を用
いるガラス素材へのめっき方法、特に、ガラス板へ導体
を形成し、ガラス基板を製造する方法を提供することを
目的とする。
【0012】殊に、本発明は、エッチングによりガラス
の表面粗度を一定にすると共にオーバーエッチングを防
止し、ガラス上に密着性の高いめっき乃至導体パターン
を形成することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的達
成のため鋭意研究を重ねた結果、ガラス素材にめっきす
る際の前処理に使用するエッチング液として、フッ化カ
リウム及び酸性フッ化アンモニウムを含有する水溶液が
極めて有効であることを見出した。
【0014】また、このエッチング液でガラス素材を前
処理した後めっきを施す場合は、密着性の高いめっきが
得られ、各種のめっき皮膜がガラス表面に強固に形成で
き、特にガラス板上にプリント基板として必要な回路パ
ターンを形成する各種の方法を用いて銅めっきを施すこ
とにより、従来めっき方法による製造が不可能であった
ガラス基板を製造できることを見出した。本発明は、こ
れらの知見に基づき完成されたものである。
【0015】本発明は、フッ化カリウム及び酸性フッ化
アンモニウムを含有する水溶液からなることを特徴とす
るガラス表面へのめっきを施すための前処理用エッチン
グ液を提供するものである。
【0016】また、本発明は、フッ化カリウム及び酸性
フッ化アンモニウムを含有する水溶液からなるエッチン
グ液を前処理液として用いて、ガラス素材を前処理した
後、該ガラス素材にめっきを施すことを特徴とするめっ
き方法を提供するものでもある。
【0017】特に、本発明は、フッ化カリウム及び酸性
フッ化アンモニウムを含有する水溶液からなるエッチン
グ液を前処理液として用いて、ガラス板を前処理し、導
体めっきを施すことにより該ガラス板に回路パターンを
形成することを特徴とするガラス基板の製造方法を提供
するものである。
【0018】本発明のエッチング液で使用するフッ化カ
リウム及び酸性フッ化アンモニウムは、いずれも公知の
化合物である。フッ化カリウムは、無水塩、二水塩など
いずれの形態でも良い。
【0019】本発明のエッチング液は、これら両成分を
任意の順で、水に溶解させるだけで製造できる。溶解時
の温度は特に限定されず、一般に室温又は若干加熱下で
溶解すればよい。
【0020】これら成分の使用量は、広い範囲から選択
することができるが、一般に、フッ化カリウムは、無水
塩として30〜70g/l程度、好ましくは40〜70
g/l程度、より好ましくは45〜65g/l程度の濃
度で使用するのがよく、酸性フッ化アンモニウムは30
〜70g/l程度、好ましくは40〜70g/l程度、
より好ましくは45〜65g/l程度の濃度で使用する
のがよい。
【0021】フッ化カリウム及び酸性フッ化アンモニウ
ムの使用量は上記範囲を外れても良いが、上記範囲の下
限を下回る場合は、前処理不十分で必要な密着強度が得
にくい、必要な密着性を得るためには前処理時間を長く
する必要があり、生産性が低下する等の傾向が生じ、一
方、上記範囲の上限を上回る場合は、オーバーエッチン
グとなり、ガラス破壊を起こし密着強度が低下する傾向
が生じる。
【0022】また、こうして形成されたエッチング液
は、pH2.5〜4程度、好ましくは、3〜3.8程度
に調整するのが好ましい。このpH調整は、上記フッ化
カリウム及び酸性フッ化アンモニウムの濃度を上記所定
範囲内で調整することにより行うか、又は必要に応じ
て、塩酸、硫酸、フッ化水素酸等の無機酸又はカルボン
酸等の有機酸等を用いて行なうのが好ましい。
【0023】エッチング液のpHも、上記範囲を外れて
も良いが、2.5を下回る場合は、一般に、オーバーエ
ッチングを惹起する傾向が生じ、また、pHが4を越え
るとエッチング不十分となる傾向が生じる。
【0024】本発明のエッチング液によれば、ガラス表
面の不均質なエッチングが生じるためか、めっきに適し
た表面粗度にすることができる。また、本発明のエッチ
ング液のガラスへの接触時間や温度を適宜調整すること
により、フッ酸を用いる場合に見られるオーバーエッチ
ングを防止することができる。
【0025】本発明のエッチング液を使用して前処理で
きるガラス素材としては、各種のものが使用でき、珪酸
を主成分とするガラスであれば、特に制限を受けない。
例えば、珪酸塩ガラス、ソーダ石灰ガラス、ソーダガラ
ス、鉛ガラス、ほうけい酸ガラス等が例示される。
【0026】本発明に従いガラス素材にめっきを施すた
めの前処理をするには、単に、ガラス素材を本発明のエ
ッチング液に接触させるだけで良い。接触の方法として
は、各種の方法が採用でき、例えば、ガラス素材を本発
明のエッチング液に浸漬する、浸漬すると共にエッチン
グ液を揺動する等任意の方法が採用できる。
【0027】前処理の時間および温度は、適切な表面粗
度を得ると共にオーバーエッチングを防止する観点から
適宜選択すればよいが、一般には、温度を50〜90℃
程度、好ましくは60〜80℃程度とし、時間を10〜
120分程度、好ましくは30〜60分程度とすること
により、良好な結果を得ることができる。
【0028】なお、本発明のエッチング液を、繰り返し
使用して各成分及びpHが上記範囲外となった場合は、
系中の固形分を濾過等により除去後、上記フッ化カリウ
ム及び酸性フッ化アンモニウムを上記所定範囲の濃度に
なるように補給し、必要に応じて塩酸などの前記酸を用
いてpH調整をすることにより、繰り返し使用すること
もできる。
【0029】本発明のエッチング液を使用して前処理を
行なったガラス素材は、必要に応じて水洗し、次いで、
各種のめっきを施すことができる。本発明の前処理を行
なったガラスに施すことができるめっきとしては、無電
解めっきできるものであれば特に制限がなく、銅めっ
き、銀めっき、金めっき、ニッケルめっき、コバルトめ
っき、パラジウムめっき、すずめっき、無電解合金めっ
き(例えば、ニッケル−鉄合金めっき)等広い範囲のも
のが採用できる。
【0030】このめっきのために使用するめっき浴も、
従来公知の無電解めっき浴が、いずれも、従来公知の条
件下で使用できる。特に有利なめっき浴としては、次の
ものを例示することができる。
【0031】(1)無電解銅めっき浴 硫酸銅 7〜10g/l ホルマリン 10〜20g/l 錯化剤 20〜25g/l 水酸化ナトリウム 10g/l 安定剤 微量 めっき条件 pH 11〜12 温度 50〜60℃。
【0032】(2)無電解ニッケルめっき浴 硫酸ニッケル 20〜80g/l 次亜りん酸ナトリウム 10〜30g/l 錯化剤 10〜30g/l めっき条件 pH 3.5〜6 温度 75〜90℃。
【0033】(3)無電解コバルトめっき浴 塩化コバルト 30〜35g/l 次亜りん酸ナトリウム 10〜20g/l 錯化剤 10〜35g/l 塩化アンモニウム 50g/l めっき条件 pH 8〜10 温度 85〜100℃。
【0034】(4)無電解金めっき浴 シアン化金カリウム 14g/l 錯化剤 40g/l めっき条件 pH 5〜6 温度 80℃。
【0035】(5)無電解銀めっき浴 シアン化銀 2g/l シアン化ナトリウム 0.2g/l 次亜りん酸ナトリウム 10g/l めっき条件 pH 7 温度 95 ℃。
【0036】(6)無電解すずめっき浴 塩化第一すず 19g/l 水酸化ナトリウム 23g/l シアン化ナトリウム 185g/l めっき条件 pH 12〜13 温度 室温。
【0037】(7)無電解パラジウムめっき浴 塩化パラジウム 2g/l 塩酸 4ml/l アンモニア水 160ml/l 次亜りん酸ナトリウム 10g/l めっき条件 pH 8 温度 55℃。
【0038】(8)無電解ニッケル−鉄合金めっき浴 硫酸ニッケル+硫酸第一鉄 28.3g/l 次亜りん酸ナトリウム 20g/l 錯化剤 40g/l めっき条件 pH 10 温度 80〜95℃。
【0039】上記めっき浴は、単に例示のために記載し
たものであって、上記以外のめっき浴であっても使用で
き、特に、市販の無電解めっき浴はいずれも使用でき
る。
【0040】また、上記の如くして本発明に従いガラス
素材表面に形成された無電解めっき皮膜の上には、更
に、必要に応じて各種の電気めっき、例えば、電気銅め
っき、電気ニッケルめっき、電気金めっき、半田めっ
き、合金めっき等を施すことも可能である。かかる電気
めっきは、通常公知の慣用されている電気めっき浴を、
通常の条件下で使用して形成することができる。
【0041】こうして各種の金属皮膜が形成されたガラ
ス素材は、装飾用途、光や熱の反射の用途、電磁波シー
ルドの用途、ガラス基板の用途等各種の分野で使用でき
る。
【0042】本発明では、上記めっき方法の一態様とし
て、特に、上記エッチング液を前処理液として使用して
前処理されたガラス板を用いて、これに銅その他の導体
金属をめっきすることにより回路パターンを形成する
と、プリント配線板としての回路パターン密着強度およ
びパターン表面状態を得ることができる。
【0043】この場合、ガラス板としては、従来からガ
ラス基板に使用されており、本発明の前処理液でエッチ
ングできる前記ガラスの板状体であればいずれも使用で
き、従来と同様のサイズ、厚さのものを使用すれば良
い。また、ガラス板には、孔を設けてスルーホールを形
成することもできる。
【0044】このガラス板を、本発明の前処理液を用い
て前記のごとく前処理し、次いで、回路パターンを形成
してプリント配線板とするには、従来から行われている
いわゆるアディティブ法の応用など、それ自体公知の各
種の方法が特に重大な変更を要する事なく採用できる。
【0045】例えば、本発明の前処理液でガラス板の全
面を前処理後、銅めっきのための触媒を全面(スルーホ
ールのあるものは孔の内面も含む)に付着させて無電解
銅めっき又は無電解ニッケルめっきを全面に施し、次い
で該無電解銅めっき又は無電解ニッケルめっき皮膜上に
電気銅めっきを施し、回路になるべき部分及びスルーホ
ール部分にエッチングレジスト(例えば、フォトレジス
トフィルム)を貼り、パターンを形成し、不要部分の銅
めっき皮膜をエッチングにより除去する方法が採用でき
る。
【0046】また、本発明の前処理液でガラス板の全面
を前処理後、銅めっきのための触媒を全面に付着させて
全面に亘って無電解銅めっきを行ない、回路になるべき
部分以外にめっきレジストを塗布してパターン形成し、
次いで回路になるべき部分に電気銅めっきを施して厚め
っきにし、該厚めっき上にエッチングレジストとして機
能する半田またはニッケルめっきを施し、上記めっきレ
ジストを除去し、めっきレジストで覆われていた無電解
銅めっきをエッチングにより除去する方法も採用でき
る。
【0047】更に、上記において、触媒付与、非回路部
分にめっきレジスト塗布後、公知の無電解銅めっき液に
浸漬し、所定パターン厚を得た後、レジストを剥離する
方法も適用できる。
【0048】上記いずれの場合も、銅めっきのための触
媒処理は、慣用されている公知の触媒、例えば、パラジ
ウム等を用いて常法に従って行なうことができる。な
お、非スルーホール基板や低アスペクト比基板(基板厚
に比してスルーホール穴が大きい基板)の製造に当たっ
ては、本発明のエッチング液でガラス表面を粗化した
後、スパッタリングや蒸着等の乾式めっきで触媒付与す
ることもできる。無電解銅めっき及び電気銅めっきのた
めのめっき浴、エッチングレジスト、銅めっきの除去の
ためのエッチング液、めっきレジスト等はいずれも、従
来から通常のプリント配線板の製造に慣用されている通
常公知のものが使用できる。
【0049】また、上記とは異なり、本発明の前処理液
でガラス板の全面を前処理するのではなく、予め前処理
の前に、ガラス板の回路となるべき部分を残してガラス
表面を耐酸性のエッチングレジストで覆い、回路となる
べき部分を露出させ、この露出させた部分のガラスを、
本発明の前処理液で前処理し、以下、この部分を常法に
従って触媒処理し、無電解銅めっきを厚く施し、上記耐
酸性のエッチングレジストを除去する方法も採用でき
る。
【0050】この方法において、耐酸性のエッチングレ
ジストとしては、本発明の前処理液に対して抵抗力を有
するものであればどのようなものでも使用でき、例え
ば、通常公知のアディティブ法で使用されているエッチ
ングレジスト等が使用できる。特にガラス面との密着性
が高いものを用いるのが好ましい。かかる耐酸性エッチ
ングレジストとしては、例えば、アクリル系、エポキシ
系のエッチングレジスト等を使用できるが、これらに限
定されるものではない。
【0051】こうして回路パターンが形成されたガラス
基板は、常法に従って、通常の仕上げ工程、例えば、エ
ポキシ系のソルダーレジスト塗布後、レベラー処理或い
はヒュージング処理を行ない、製品とされる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、次のごとき優れた効果
が奏される。
【0053】(1)本発明のフッ化カリウム及び酸性フ
ッ化アンモニウムを含有する水溶液をエッチング液を前
処理液として用いることにより、従来困難であったガラ
ス素材への密着性の高い各種めっき皮膜の形成が可能と
なった。
【0054】(2)特に、本発明のエッチング液及びこ
れを前処理液として使用するめっき方法により、従来め
っきでは製造不可能であった、プリント配線板として必
要な密着強度を有する回路パターンを備えたガラス基板
が、製造可能となった。
【0055】(3)特に、本発明のエッチング液を用い
て前処理したガラス板に、例えば、無電解銅めっき又は
無電解ニッケルめっきを施し、次いで、電気銅めっきを
施した場合、プリント配線板として実用範囲とされる密
着強度(1kg/mm2)又はそれ以上の密着強度を得
ることができる。
【0056】(4)また、上記(3)のごとくして得ら
れた銅メッキ皮膜は、耐熱性が高く、熱によるフクレ、
ハガレが生じにくい。
【0057】(5)更に、本発明によれば、従来のガラ
ス基板製造法では製造困難であったスルーホールガラス
基板も、従来公知の通常のプリント配線板の製法を応用
して容易に製造でき、しかも、従来の設備をそのまま使
用可能である。
【0058】
【実施例】以下、実施例及び比較例を掲げて、本発明を
より一層詳しく説明する。
【0059】実施例1 フッ化カリウム無水塩50g/l、酸性フッ化アンモニ
ウム50g/lを含み、pH約3の水溶液をエッチング
液として用いた。
【0060】ソーダガラスの板状体(10cm×10c
m、厚さ3mm)を、上記エッチング液に70℃で45
分間浸漬し、全面エッチングした。
【0061】次いで、下記組成の無電解銅めっき浴を用
いて、温度55℃にて、30分間を要して、厚さ2μm
の無電解銅めっき皮膜を全面に形成した。
【0062】無電解銅めっき組成 硫酸銅 10g/l EDTA 20g/l ホルマリン 20g/l 水酸化ナトリウム 10g/l pH 12 温度 55℃。
【0063】更に、下記組成の電気硫酸銅めっき浴を用
いて、温度30℃、陰極電流密度2A/dm2にて、8
0分間を要して、厚さ28μmの電気銅めっき皮膜を全
面に形成した。
【0064】電気硫酸銅めっき浴組成 硫酸銅 180g/l 硫酸 45g/l 光沢剤 少量 上記で得られた厚さ30μmの銅めっき皮膜を、密着性
を向上させるべく200℃で60分間熱処理し、次い
で、エッチングにより不要部分の銅めっき皮膜を除去す
ることにより、2mm×2mm角のパターンを20mm
間隔で25個残し、それぞれのパターンの銅皮膜に銅線
を半田付けし、引き剥がし強度を常法により測定した。
【0065】その結果、引き剥がし強度は、25個のパ
ターン中、最大で6.2kg以上、最低でも4kgの強
度が認められ、高い密着性を有することが判明した。
【0066】比較例1 本発明のエッチング液に代えて濃度10重量%のフッ酸
を使用する以外は実施例1と同様にして、銅めっき皮膜
を形成し、次いで200℃で60分間熱処理した。
【0067】しかしながら、銅めっきの時点で、形成さ
れた皮膜が液撹拌により部分的に剥離した。また、形成
された銅めっき皮膜も、熱処理によりフクレが発生した
り、或いは実施例1と同様にして形成された2mm×2
mm角のパターンに銅線を半田付けする際の熱により剥
離が生じた。このような問題を生じること無く引き剥が
し強度が測定できたパターンもあったが、その引き剥が
し強度は最高でも0.5kgに過ぎなかった。
【0068】実施例2 所定箇所に直径1mmの複数の貫通孔を有するソーダガ
ラスの板状体(10cm×10cm、厚さ3mm)を、
下記に示す工程に供してプリント基板を製造した。ま
ず、下記のエッチング液に、70℃にて、45分間浸漬
した。
【0069】 フッ化カリウム無水塩 50g/l 酸性フッ化アンモニウム 50g/l pH 3。 次いで、市販の無電解銅めっき浴に55℃で30分浸漬
し、厚さ2μmの無電解銅めっきを施し、非パターン部
分にアクリル系めっきレジストを塗布し、市販の電気硫
酸銅めっき液を陰極電流密度2A/dm2にて用いて、
80分間めっきし、厚さ28μmの銅めっきを施し、更
に半田めっきを行なった。
【0070】その後、レジストを剥離し、アルカリ銅エ
ッチングを行ない、200℃で1時間熱処理し、260
℃の溶融半田に浸漬してプリント基板とした。この間、
スルーホール内も含めパターン部分には密着不良による
不具合は発生しなかった。
【0071】試験例1 フッ化カリウム(無水塩として)の濃度(g/l)及び
酸性フッ化アンモニウムの濃度(g/l)を下記表1の
ように変化させたエッチング液を用いて、下記のように
して試験を行なった。
【0072】ソーダガラスの板状体(10cm×10c
m、厚さ3mm)を、上記エッチング液に70℃で45
分間浸漬し、全面エッチングした。次いで、下記の無電
解銅めっき浴又は無電解ニッケルめっき浴に浸漬して、
夫々厚さ2μm及び5μmのめっきを形成した。これら
無電解めっき層の上には、更に下記の電気硫酸銅めっき
浴を用いて銅めっきを施し合計厚さ15μmのめっき皮
膜を得た。
【0073】無電解銅めっき浴 硫酸銅 10g/l EDTA 20g/l ホルマリン 20g/l 水酸化ナトリウム 10g/l pH 12 温度 55℃。
【0074】無電解ニッケルめっき浴 硫酸ニッケル 30g/l 錯化剤 10g/l 次亜りん酸ナトリウム 10g/l pH 4.5 温度 85℃。
【0075】電気硫酸銅めっき浴 硫酸銅 180g/l 硫酸 45g/l 光沢剤 少量 温度 30℃ 陰極電流密度 2A/dm2
【0076】こうして得られためっき皮膜を200℃で
1時間加熱し、実施例1と同様にして密着強度を測定し
た。密着強度は無電解ニッケルめっきを使用した場合の
方が無電解銅めっきを使用した場合より高い傾向が認め
られたが、両者に大差は認められなかった。全体の傾向
は下記表1の通りである。
【0077】
【表1】
【0078】表1において、○及び×は次の意味を有す
る: ○:良好な密着性 ×:密着性が悪いか、又は密着性のばらつきが大きい。
【0079】なお、上記試験において、エッチング後の
表面状態を観察すると、フッ化カリウム濃度が高すぎる
と、表面の凹凸が微細となり、アンカー効果を発揮する
表面の微小な穴が少なくなり、良好な密着性は得られな
かった。一方、酸性フッ化アンモニウム濃度が高すぎる
と、めっき剥離面に微細なガラス片が多数観察され、ガ
ラス表面が劣化して密着強度の低下をきたしていること
が認められた。
【0080】試験例2 フッ化カリウム無水塩50g/l、酸性フッ化アンモニ
ウム50g/lを含み、pH3の水溶液をエッチング液
として用いた。
【0081】ソーダガラスの板状体(10cm×10c
m、厚さ3mm)を、上記エッチング液に70℃で45
分間浸漬し、全面エッチングした。
【0082】次いで、下記の各種無電解めっき浴を下記
のめっき条件で使用して、各無電解めっき浴に応じて厚
さ1〜10μmの範囲の無電解めっき皮膜を形成した。
【0083】(1)無電解コバルトめっき浴 塩化コバルト 30g/l 次亜りん酸ナトリウム 10g/l 錯化剤 10g/l 塩化アンモニウム 50g/l めっき条件 pH 9 温度 90℃。
【0084】(2)無電解金めっき浴 シアン化金カリウム 14g/l 錯化剤 40g/l めっき条件 pH 5〜6 温度 80℃。
【0085】(3)無電解銀めっき浴 シアン化銀 2g/l シアン化ナトリウム 0.2g/l 次亜りん酸ナトリウム 10g/l めっき条件 pH 7 温度 95℃。
【0086】(4)無電解すずめっき浴 塩化第一すず 19g/l 水酸化ナトリウム 23g/l シアン化ナトリウム 185g/l めっき条件 pH 12 温度 室温。
【0087】(5)無電解パラジウムめっき浴 塩化パラジウム 2g/l 塩酸 4ml/l アンモニア水 160ml/l 次亜りん酸ナトリウム 10g/l めっき条件 pH 8 温度 55℃。
【0088】(6)無電解ニッケル−鉄合金めっき浴 硫酸ニッケル+硫酸第一鉄 28.3g/l 次亜りん酸ナトリウム 20g/l 錯化剤 40g/l めっき条件 pH 10 温度 80℃。
【0089】次いで、クロスカット法に従い、得られた
めっき皮膜に1mm間隔で縦及び横に切り込み(クロス
カット)を入れ、その部分にセロハンテープを貼り、そ
のテープを急激に引き離し、皮膜の密着性を測定した。
【0090】その結果、上記で得られた無電解めっき皮
膜はいずれも剥離が認められず、良好な密着性を有して
いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西城 信吾 大阪府河内長野市南花台6丁目12−7 (72)発明者 中谷 隆之 大阪府富田林市嬉348 (56)参考文献 特開 平1−164743(JP,A) 特開 昭63−55139(JP,A) 特開 昭62−230652(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 15/00 - 23/00 C23C 18/00 - 20/08 H05K 3/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化カリウム(無水塩として)30〜
    70g/l及び酸性フッ化アンモニウム30〜70g/
    lを含有し、pHが2.5〜4の範囲にある水溶液から
    なることを特徴とするガラス表面へのめっきを施すため
    の前処理用エッチング液。
  2. 【請求項2】 フッ化カリウム(無水塩として)30〜
    70g/l及び酸性フッ化アンモニウム30〜70g/
    lを含有し、pHが2.5〜4の範囲にある水溶液から
    なるエッチング液を前処理液として用いて、ガラス素材
    を前処理した後、該ガラス素材にめっきを施すことを特
    徴とするめっき方法。
  3. 【請求項3】 フッ化カリウム(無水塩として)30〜
    70g/l及び酸性フッ化アンモニウム30〜70g/
    lを含有し、pHが2.5〜4の範囲にある水溶液から
    なるエッチング液を前処理液として用いて、ガラス板を
    前処理し、導体めっきを施すことにより該ガラス板に回
    路パターンを形成することを特徴とするガラス基板の製
    造方法。
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