JPH0590737A - 銅 ポ リ イ ミ ド 基 板 の 製 造 方 法 - Google Patents

銅 ポ リ イ ミ ド 基 板 の 製 造 方 法

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JPH0590737A
JPH0590737A JP27495491A JP27495491A JPH0590737A JP H0590737 A JPH0590737 A JP H0590737A JP 27495491 A JP27495491 A JP 27495491A JP 27495491 A JP27495491 A JP 27495491A JP H0590737 A JPH0590737 A JP H0590737A
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Yukihiro Tamiya
宮 幸 広 田
Akihiro Miyake
宅 明 広 三
Noriyuki Saeki
伯 典 之 佐
Mikimata Takenaka
中 幹 又 竹
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 銅とポリイミド樹脂フィルムとの密着強度を
損なうことなく、高温環境下における長時間放置による
密着強度の低下が無視でき、従来の下地金属層の除去工
程の採用を可能とさせる銅ポリイミド基板を提供する。 【構成】 ポリイミド樹脂フィルムの表面を親水化し、
触媒を付与し、無電解メッキをし、その後無電解銅メッ
キ、あるいは電気銅メッキを行うことにより銅ポリイミ
ド基板を製造する方法において、ポリイミド樹脂フィル
ムの親水化処理に、抱水ヒドラジンを1〜15mol/
l、アルカリ金属水酸化物を0.5〜5mol/lの割
合で含有する10〜50℃の水溶液を用い、触媒付与後
ニッケル、コバルトまたはそれらの合金のうちのいずれ
か一つを無電解メッキし、厚み0.01〜0.1μm
で、不純物品位が10%以下のメッキ層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フレキシブルプリント
配線板(EPC)、テープ自動ボンディング(TAB)
テープなどプリント配線板(PWB)の素材となる銅ポ
リイミド基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、高速化により
プリント配線板においても高配線密度化、高機能化が要
求されている。このためプリント配線板用基板材料にも
誘電率が小さく、絶縁抵抗が高く、耐熱性が良好なこと
が要求されている。この要求を満たすものとしてポリイ
ミド樹脂が注目されEPCやTABテープなどの素材と
して頻繁に使用され、通常、金属層として銅を使用した
銅ポリイミド基板が使用される。
【0003】ポリイミド樹脂フィルムに銅層を形成する
方法として、従来ポリイミド樹脂フィルムと銅箔を接着
剤で貼合わせるラミネート法が採られていたが、接着剤
の存在が電気絶縁性、耐熱性などの悪影響を及ぼすた
め、最近ではポリイミド樹脂フィルム表面にスパッタリ
ング法、イオンプレーティング法、蒸着法、無電解メッ
キ法などにより直接銅を形成する方法が開発されてい
る。
【0004】しかし、ポリイミド樹脂フィルムの表面に
直接銅層を形成して得た銅ポリイミド基板を高温環境下
に長時間放置した場合、銅層とポリイミド樹脂フィルム
との界面の密着強度が低下するという問題が発生する。
この問題に関して種々の検討を行ったところ密着強度の
低下は、銅のポリイミド側への拡散に起因していること
がわかった。そこで、この銅の拡散を防止する方法とし
て無電解メッキにより異種金属を形成しバリアー層を形
成する検討を行った。この異種金属としてニッケルある
いはコバルトまたはそれらの合金を使用する例はすでに
特開昭63−286580に提案されているが、この提
案の目的はハンダ付け時の熱衝撃による密着強度の低下
の防止であり、必要な金属層の膜厚として0.15μm
以上を要求している。
【0005】ところで、銅ポリイミド基板をEPCやT
ABテープ用として使用する場合、サブトラクティブ
法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などによ
って銅リードを形成する必要がある。例えば、銅リード
の形成をサブトラクティブ法で行う場合、ポリイミド樹
脂フィルム表面に無電解メッキにより銅層を設け、要す
れば無電解メッキ後電気銅メッキを行い、この表面にレ
ジストを塗布し、所定のマスクを密接した後、露光し、
現像し、次いでエッチングしてリード部を形成し、レジ
ストを剥離する。
【0006】この場合、上記特開昭63−286580
の開示する方法によって得られた、下地にニッケルなど
の異種金属層を持つ銅ポリイミド基板を用いると、銅と
異種金属層とのエッチング速度が異なるため、従来のエ
ッチング条件でエッチングを行うと、銅リード部分の形
状を良好に維持しようとすれば下地である異種金属層が
ポリイミド樹脂フィルム上に残留しリード間の絶縁抵抗
を低下させる原因となり、下地を完全に溶解除去すると
銅リードまでがエッチングされ、配線の幅が半分程度に
なってしまう。
【0007】また例えば、銅リードの形成をもっとも一
般的なセミアディティブ法で行う場合、ポリイミド樹脂
フィルム表面に無電解メッキにより銅層を設け、これを
下地とし、この下地表面にレジストを塗布し、所定のマ
スクを密接した後、露光し、現像し、次いで露出した金
属表面上に電気銅メッキにより銅を析出させ、リード部
を形成し、レジストを剥離し、そして下地をエッチング
により除去する。
【0008】この場合、上記特開昭63−286580
の開示する方法によって得られた下地にニッケルなどの
異種金属層を持つ銅ポリイミド基板を用いると、銅と異
種金属層とのエッチング速度が異なるため、従来のエッ
チング条件で下地除去を行うと、銅リード部分の形状を
良好に維持しようとすれば下地である異種金属層がポリ
イミド樹脂フィルム上に残留しリード間の絶縁抵抗を低
下させる原因となり、下地を完全に溶解除去すると銅リ
ードがエッチングされすぎ、配線の幅が半分程度になっ
てしまう。
【0009】以上のことから、上記特開昭63−286
580の開示する方法によって得られた下地にニッケル
などの異種金属層を持つ銅ポリイミド基板を用いて配線
板を作成する場合、製造工程にニッケルなどの異種金属
層のみを選択的にエッチングする工程を加えることが必
要となり、リード形成工程を複雑とするという問題があ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は銅とポ
リイミド樹脂フィルムとの密着強度を損なうことなく、
高温環境下における長時間放置による密着強度の低下が
無視でき、従来の下地金属層の除去工程の採用を可能と
させる銅ポリイミド基板を提供するところにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、ポリイミド樹脂フィルムの表面を親水化
し、触媒を付与し、無電解メッキをし、その後無電解銅
メッキ、あるいは電気銅メッキを行うことにより銅ポリ
イミド基板を製造する方法において、ポリイミド樹脂フ
ィルムの親水化処理に、抱水ヒドラジンを1〜15mo
l/l、アルカリ金属水酸化物を0.5〜5mol/l
の割合で含有する10〜50℃の水溶液を用い、触媒付
与後ニッケル、コバルトまたはそれらの合金のうちのい
ずれか一つを無電解メッキし、厚み0.01〜0.1μ
mで、不純物品位が10%以下のメッキ層を形成するも
のである。
【0012】本発明の方法において、使用し得るアルカ
リ金属はナトリウム、カリウム、リチウムなどである。
また、ニッケルあるいはコバルトまたはそれらの合金層
の不純物の種類は特に限定されるものではないが、通常
はリン、ほう素である。
【0013】
【作用】本発明において、銅とポリイミド樹脂フィルム
との界面にニッケルあるいはコバルトまたはそれらの合
金層を設けるのは、これらの層が銅の酸化と銅のポリイ
ミド内部への拡散を防止するためである。
【0014】ポリイミド樹脂フィルムのエッチング液と
して抱水ヒドラジンとアルカリ金属水酸化物の水溶液を
使用するのは、抱水ヒドラジンによるイミド結合の切
断、アルカリ金属水酸化物による加水分解によりポリイ
ミド樹脂フィルム表面を親水性にし、無電解メッキのた
めの触媒核の吸着を容易にするためである。
【0015】抱水ヒドラジンの濃度が1mol/lより
小さい場合イミド結合の切断が十分に行われず、また抱
水ヒドラジン濃度が15mol/lより大きい場合では
無電解メッキ層とポリイミド樹脂フィルムとの密着強度
が低下する為、抱水ヒドラジンの濃度は1〜15mol
/lが良い。また、アルカリ金属水酸化物の場合、アル
カリ金属水酸化物濃度が0.5mol/lより小さい場
合は加水分解が不十分となり、5mol/lより大きい
場合では密着強度を低下する為、アルカリ金属水酸化物
濃度は0.5〜5mol/lが良い。
【0016】親水化の方法は通常のエッチング処理と同
じでよく、必要とされる処理時間は条件等により変り、
一概に特定できないが、通常は30秒〜5分程度であ
る。ニッケルあるいはコバルトまたはそれらの合金層の
厚みを0.01〜0.1μmに限定するのは、0.01
μm以下では銅のポリイミド樹脂フィルム側への拡散を
十分に防止できず、大気中などの酸素を含有する雰囲気
中で150℃程度で長時間放置により銅ポリイミド基板
の密着強度が低下するからであり、0.1μm以上では
サブトラクティブ法、セミアディティブ法により配線板
を作製する場合の下地のエッチング工程において、ニッ
ケルあるいはコバルトまたはそれらの合金層の残留を生
じ、配線間の絶縁抵抗が低下するからである。
【0017】さらに、本発明ではニッケルあるいはコバ
ルトまたはそれらの合金層の不純物含有量は10%以下
としているが、これは銅のエッチング液に対する溶解性
を向上するためであり、不純物含有量が10%を越える
場合、ニッケルあるいはコバルトまたはそれらの合金層
の溶解性が低下し、サブトラクティブ法、セミアディテ
ィブ法により配線板を作製する場合の銅エッチング工程
において、ニッケルあるいはコバルトまたはそれらの合
金層の残留を生じ、配線間の絶縁抵抗が低下するという
問題が発生する。
【0018】なお、本発明は銅の代りに他の金属を用い
ることも可能であり、諸条件は適宜選択すれば良い。
【0019】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を説明する。
【0020】(実施例1)30cm角の東レ・デュポン
社製Kapton 200H型のポリイミド樹脂フィル
ムを5mol/lの泡水ヒドラジンと3mol/lの水
酸化ナトリウムを含有する25℃の水溶液中に60秒間
浸漬してポリイミド樹脂フィルムの表面を親水性にした
後、片側をマスクし通常の触媒活性化処理を施し、以下
に示すニッケルの無電解メッキ処理を行った。
【0021】 (浴組成) NiCl2・6H2O :0.1M NaH2PO2・H2O :0.1M くえん酸ナトリウム :0.2M pH :9
【0022】 (メッキ条件) 温度 :60℃ 時間 :30秒
【0023】得られた無電解ニッケルメッキ層の厚さは
0.05μmであった。また、不純物はリンのみであ
り、リンの含有量は7%であった。その後、核基板を以
下に示す無電解銅メッキ処理を行った。
【0024】 (浴組成) CuSO4・5H2O : 10g/l EDTA・2Na : 30g/l 37%HCHO : 5g/l ジピリジル : 20mg/l PEG#1000 : 0.5g/l
【0025】 (メッキ条件) 温度 : 65℃ 攪拌 : 空気 時間 : 10分
【0026】得られた無電解メッキ層の厚さは0.4μ
mであった。さらに、無電解メッキ層上に以下にしめす
条件で銅の電気メッキを行った。
【0027】 (浴組成) CuSO4・5H2O : 120g/l H2SO4 : 150g/l
【0028】 (電解条件) 温度 : 25℃ 陰極電流密度 : 2A/dm2 攪拌 : 空気攪拌 時間 : 90分
【0029】得られた銅層の厚みは35μmであった。
ここで得られたニッケル層を有する銅−ポリイミド基板
の銅層上にアクリル樹脂系のフォトレジストを10μm
の厚さに均一に塗布し、70℃で30分間焼成した。そ
の後配線幅が200μmとなるように基板上にマスキン
グを施し、フォトレジスト層に300mj/cm の紫
外線を照射した後レジストの現像を行った。
【0030】その後、露出した銅面を以下に示す銅のエ
ッチング液で溶解した。
【0031】 (浴組成) 30 % H22 :100g/l H2SO4 :150g/l
【0032】 (条理条件) 温度 :25℃ 時間 :4分 攪拌 :揺動攪拌
【0033】その後4wt%の水酸化ナトリウム水溶液
を用いて60℃で1分間レジスト層の剥離除去を行い、
配線間の観察及び絶縁抵抗を測定した。その結果、配線
間にはニッケル層の残留は認められず、絶縁抵抗は1×
1010Ω(IPC−TM−650 2.6.3.2 C
24/23/50 に規定された方法による。)であ
り、良好な結果が得られた。また、銅とポリイミド樹脂
フィルムとの密着強度を測定したところ、1100g/
cmと良好な値であった。
【0034】さらにこの基板を大気中で150℃の雰囲
気中に1000hr放置し、密着強度を測定した。その
結果900g/cmと密着強度はほとんど低下していな
かった。
【0035】この結果は本発明の方法で得た銅ポリイミ
ド基板の、厚み0.05μm、不純物含有量7%のニッ
ケル合金層は従来の銅のエッチング条件で完全に溶解
し、かつ金属層とポリイミド樹脂フィルム層との密着強
度は高温放置後でもほとんど低下せず、本発明の方法で
得た銅ポリイミド基板を用いて得た配線板は高い信頼性
を有していることを示している。
【0036】(実施例2)30cm角の東レ・デュポン
社製のKapton 200H型のポリイミド樹脂フィ
ルムの試料基板を10mol/lの抱水ヒドラジンと2
mol/lの水酸化カリウムを含有する25℃の水溶液
中に60秒間浸漬して表面を親水性にした後、片側をマ
スクし通常の触媒活性化処理を施し、以下に示すコバル
トの無電解メッキ処理を行った。
【0037】 (浴組成) CoSO4・7H2O :0.05M NaH2PO2・H2O :0.2M くえん酸ナトリウム :0.2M pH :10
【0038】 (メッキ条件) 温度 :60℃ 時間 :2分
【0039】得られた無電解コバルトメッキ層の厚さは
0.05μmであった。また、不純物はリンのみであ
り、その含有量は3%であった。
【0040】以後は実施例1と同様に銅ポリイミド基板
を作製し、配線を形成した。その後、配線間の観察及び
絶縁抵抗を測定した。その結果、配線間にはコバルト層
の残留は認められず、絶縁抵抗は1×1010Ω(IPC-TM
-650 2.6.3.2 C-24/23/50 に規定された方法による。)
であり、良好な結果が得られた。また、銅とポリイミド
樹脂フィルムとの密着強度を測定したところ、1000
g/cmと良好な値であった。
【0041】さらに、この基板を大気中で150℃の雰
囲気中に1000hr放置し、密着強度を測定した。そ
の結果800g/cmと密着強度はほとんど低下してい
なかった。
【0042】この結果は本発明の方法で得た銅ポリイミ
ド基板の、厚み0.05μm、不純物含有量3%のコバ
ルト合金層は従来の銅のエッチング条件で完全に溶解
し、かつ金属層とポリイミド樹脂フィルム層との密着強
度は高温放置後でもほとんど低下せず、本発明の方法で
得た銅ポリイミド基板を用いて得た配線板は高い信頼性
を有していることを示している。
【0043】(実施例3)ポリイミド樹脂の両面にニッ
ケルの無電解メッキを施した以外は実施例1と同様に銅
ポリイミド基板を作製し、配線を形成した。その後、配
線間の観察及び絶縁抵抗を測定した。その結果、両面共
に配線間にはニツケル層の残留は認められず、絶縁抵抗
はそれぞれ1×1010Ωと2×1010Ω(IPC-TM-650
2.6.3.2 C-24/23/50 に規定された方法による。)であ
り、良好な結果が得られた。また、銅とポリイミド樹脂
フィルムとの密着強度を測定したところ、それぞれ10
50g/cmと950g/cmとなり実用上問題のない
値であった。
【0044】さらに、この基板を大気中で150℃の雰
囲気中に1000hr放置し、密着強度を測定した。そ
の結果密着強度はそれぞれ850g/cmと750g/
cmと密着強度はほとんど低下せず良好な結果であっ
た。
【0045】この結果は本発明の方法で得た銅ポリイミ
ド基板のニッケル合金層は従来の銅のエッチング条件で
完全に溶解し、かつ金属層とポリイミド樹脂フィルム層
との密着強度は高温放置後でもほとんど低下せず、本発
明の方法で得た銅ポリイミド基板を用いて得た配線板は
高い信頼性を有していることを示している。
【0046】(実施例4)ニッケルの無電解メッキ後、
直接銅の電気メッキを行った以外は実施例1と同様な処
理を行い銅ポリイミド基板を作製し、配線を形成した。
その後配線間の観察及び絶縁抵抗を測定した。その結
果、配線間にはニッケル層の残留は認められず、絶縁抵
抗はそれぞれ1×1010Ω(IPC-TM-650 2.6.3.2 C-24/
23/50 に規定された方法による。)であり、良好な結果
が得られた。また、銅とポリイミド樹脂フィルムとの密
着強度を測定したところ、1100g/cmと良好な値
であった。
【0047】さらに、この基板を大気中で150℃の雰
囲気中に1000hr放置し、密着強度を測定した。そ
の結果密着強度は800g/cmと密着強度はほとんど
低下せず実施例1と同じ結果であった。
【0048】この結果は本発明の方法で得た銅ポリイミ
ド基板のニッケル合金層は従来の銅のエッチング条件で
完全に溶解し、かつ金属層とポリイミド樹脂フィルム層
との密着強度は高温放置後でもほとんど低下せず、本発
明の方法で得た銅ポリイミド基板を用いて得た配線板は
高い信頼性を有していることを示している。
【0049】(比較例1)30cm角の東レ・デュポン
社製Kapton 200H型のポリイミド樹脂フィル
ムを0.5mol/lの抱水ヒドラジンと0.3mol
/lの水酸化ナトリウムを含有する25℃の水溶液中に
2分間浸漬して表面を親水性にした後、片側をマスクし
通常の触媒活性化処理を施し、実施例1と同じニッケル
の無電解メッキ処理を行った。その結果、ニッケルの析
出が不均一となり、以後の工程を行うことができなかっ
た。
【0050】この結果は、抱水ヒドラジン及びアルカリ
水酸化物濃度が本発明の濃度範囲以下の場合、無電解メ
ッキ層の形成が不十分となることことを示している。
【0051】(比較例2)30cm角の東レ・デュポン
社製Kapton 200H型のポリイミド樹脂フィル
ムを5mol/lの抱水ヒドラジンと3mlol/lの
水酸化ナトリウムを含有する25℃の水溶液中に60秒
間浸漬して表面を親水性にした後、片側をマスクし通常
の触媒活性化処理を施し、以下に示すニッケルの無電解
メッキ処理を行なった。
【0052】 (浴組成) NiCl2・6H2O :0.1M NaH2PO2・H2O :0.1M くえん酸ナトリウム :0.1M pH :5.6
【0053】 (メッキ条件) 温度 :60℃ 時間 :1分
【0054】得られた無電解ニッケルメッキ層の厚さは
0.05μmであった。また、不純物はリンであり、そ
の含有量は12%であった。
【0055】以後の試験は実施例1と同様の処理を施
し、配線間の観察及び絶縁抵抗を測定した。その結果、
配線間にはニッケル層の残留は認められ、絶縁抵抗は1
×10 4Ω(IPC-TM-650 2.6.3.2 C-24/23/50 に規定さ
れた方法による。)であり、大幅な抵抗の低下がみられ
た。
【0056】この結果は本発明の方法で得た銅ポリイミ
ド基板の、厚み0.05μm、不純物含有量12%のニ
ッケル合金層は従来の銅のエッチング条件で完全に溶解
せず、絶縁抵抗が低下し信頼性が低下することを示して
いる。
【0057】(比較例3)30cm角の東レ・デュポン
社製Kapton 200H型のポリイミド樹脂フィル
ムを5mol/lの抱水ヒドラジンと3mol/lの水
酸化ナトリウムを含有する25℃の水溶液中に30秒間
浸漬して表面を親水性にした後、片側をマスクし通常の
触媒活性化処理を施し、以下に示すニッケルの無電解メ
ッキ処理を行なった。
【0058】 (浴組成) NiCl2・6H2O :0.1M NaH2PO2・H2O :0.1M ピロりん酸ナトリウム :0.2M pH :10 温度 :60℃ 時間 :5分
【0059】得られた無電解ニッケルメッキ層の厚さは
0.15μmであった。また、不純物であるリンの含有
量は3.4%であった。
【0060】以後の試験は実施例1と同様の処理を施
し、配線間の観察及び絶縁抵抗を測定した。その結果、
配線間にはニッケル層の残留は認められ、絶縁抵抗は5
×10 6Ω(IPC-TM-650 2.6.3.2 C-24/23/50 に規定さ
れた方法による。)であり、大幅な抵抗の低下がみられ
た。
【0061】この結果はポリイミド樹脂フィルムの表面
に形成した無電解ニッケル層厚が0.1μmよりも大き
い場合には、不純物含有量が10%以下の場合でも、従
来の銅のエッチング条件ではニッケル層が残留し、絶縁
抵抗が低下し信頼性が低下することを示している。
【0062】(比較例4)30cm角の東レ・デュポン
社製Kapton 200H型のポリイミド樹脂フィル
ムを5mol/lの抱水ヒドラジンと3mol/lの水
酸化ナトリウムを含有する25℃の水溶液中に30秒間
浸漬して表面を親水性にした後、片側をマスクし通常の
触媒活性化処理を施し、以下に示すニッケルの無電解メ
ッキ処理を行なった。
【0063】 (浴組成) NiCl2・6H2O :0.1M NaH2PO2・H2O :0.1M ピロりん酸ナトリウム :0.2M pH :10 温度 :60℃ 時間 :10秒
【0064】得られた無電解ニッケルメッキ層の厚さは
0.005μmであった。また、不純物であるリンの含
有量は3.4%であった。
【0065】以後の試験は実施例1と同様の処理を施
し、配線間の観察及び絶縁抵抗を測定した。その結果、
配線間にはニッケル層の残留は認められず、絶縁抵抗は
1×1014Ω(IPC-TM-650 2.6.3.2 C-24/23/50 に規定
された方法による。)であり、良好な結果が得られた。
しかし、この基板を大気中で150℃の雰囲気中に10
00hr放置した場合、密着強度が1100から100
g/cmと大幅に低下した。
【0066】この結果はポリイミド樹脂フイルムの表面
に形成したニッケル層の厚みが0.01μmよりも小さ
い場合、高温環境下における長期間放置により密着強度
が低下し信頼性が低下することを示している。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、密着強度を低下するこ
となくニッケルあるいはコバルトまたはそれらの合金の
無電解メッキ層を形成することができ、また高温環境下
における密着強度の低下を防止でき、この基板を使用し
てEPCやTABなどを製造する場合、銅エッチング工
程においてニッケルあるいはコバルトまたはそれらの合
金層の残留がなく配線を形成するすることができる。こ
のことは、EPCやTABテープなどのプリント配線板
の高温環境下における信頼性の向上に対して大きく寄与
するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹 中 幹 又 愛 媛 県 新 居 浜 市 星 越 町 12−12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド樹脂フィルムの表面を親水化
    し、触媒を付与し、無電解メッキをし、その後無電解銅
    メッキ、あるいは電気銅メッキを行うことにより銅ポリ
    イミド基板を製造する方法において、 ポリイミド樹脂フィルムの親水化処理に、抱水ヒドラジ
    ンを1〜15mol/l、アルカリ金属水酸化物を0.
    5〜5mol/lの割合で含有する10〜50℃の水溶
    液を用い、触媒付与後ニッケル、コバルトまたはそれら
    の合金のうちのいずれか一つを無電解メッキし、厚み
    0.01〜0.1μmで、不純物品位が10%以下のメ
    ッキ層を形成することを特徴とする銅ポリイミド基板の
    製造方法。
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