JPH06260758A - プリント回路板の製造方法 - Google Patents
プリント回路板の製造方法Info
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- JPH06260758A JPH06260758A JP4507193A JP4507193A JPH06260758A JP H06260758 A JPH06260758 A JP H06260758A JP 4507193 A JP4507193 A JP 4507193A JP 4507193 A JP4507193 A JP 4507193A JP H06260758 A JPH06260758 A JP H06260758A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ファインパターン化が可能で、銅資源を節約
でき、安価に製造できるプリント回路板の製造方法を提
供する。 【構成】 この製造方法は、両面銅張積層板1の所定個
所にスルーホール4を穿設し、少なくとも前記スルーホ
ール4の壁面に導電性5を付与し、前記両面銅張積層板
1の表面のうち、導体回路部,スルーホールランド部お
よび端子部をそれぞれ形成すべき個所8a,8b,8c
以外にレジストマスク9をパターニングし、露出してい
る導体回路部を形成すべき個所,スルーホールランド部
を形成すべき個所,端子部を形成すべき個所、および、
スルーホールの壁面に、銅めっき,ニッケルめっき、お
よび、金めっきを順次施し、前記レジストマスク9を除
去し、銅エッチャントに浸漬して露出している銅層部分
5,3をエッチング除去し、最後に、スルーホールラン
ド部および端子部を除いた個所を被覆してソルダーレジ
ストをパターニングする。
でき、安価に製造できるプリント回路板の製造方法を提
供する。 【構成】 この製造方法は、両面銅張積層板1の所定個
所にスルーホール4を穿設し、少なくとも前記スルーホ
ール4の壁面に導電性5を付与し、前記両面銅張積層板
1の表面のうち、導体回路部,スルーホールランド部お
よび端子部をそれぞれ形成すべき個所8a,8b,8c
以外にレジストマスク9をパターニングし、露出してい
る導体回路部を形成すべき個所,スルーホールランド部
を形成すべき個所,端子部を形成すべき個所、および、
スルーホールの壁面に、銅めっき,ニッケルめっき、お
よび、金めっきを順次施し、前記レジストマスク9を除
去し、銅エッチャントに浸漬して露出している銅層部分
5,3をエッチング除去し、最後に、スルーホールラン
ド部および端子部を除いた個所を被覆してソルダーレジ
ストをパターニングする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリント回路板の製造方
法に関し、更に詳しくは、回路網のファインパターン化
が可能で、かつ、省資源にも利するプリント回路板の製
造方法に関する。
法に関し、更に詳しくは、回路網のファインパターン化
が可能で、かつ、省資源にも利するプリント回路板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント回路板の製造方法の1つにサブ
トラクティブ法があるが、以下に、その変法の1つを、
両面実装用のプリント回路板の場合につき、図面に則し
て説明する。まず、図1で示したように、例えばガラス
繊維−エポキシ樹脂積層板のような絶縁基材2の両面
に、通常、厚み18μmの銅箔3,3が積層されている
両面銅張積層板1が用意される。
トラクティブ法があるが、以下に、その変法の1つを、
両面実装用のプリント回路板の場合につき、図面に則し
て説明する。まず、図1で示したように、例えばガラス
繊維−エポキシ樹脂積層板のような絶縁基材2の両面
に、通常、厚み18μmの銅箔3,3が積層されている
両面銅張積層板1が用意される。
【0003】ついで、この両面銅張積層板1の表裏を貫
いて、例えば直径0.3〜6mm程度のスルーホール4,4
が穿設され(図2)、その後、全体に公知の無電解銅め
っきが行なわれる。その結果、銅箔3,3の表面および
スルーホール4,4の壁面には化学銅が析出して化学銅
層5が形成され、そのことにより、スルーホール4の壁
面にも導電性が付与される(図3)。その後、全体に電
解めっき法を施すことにより、上記化学銅層5の全表面
を被覆して厚み10〜25μmの銅めっき層6が形成さ
れる(図4)。
いて、例えば直径0.3〜6mm程度のスルーホール4,4
が穿設され(図2)、その後、全体に公知の無電解銅め
っきが行なわれる。その結果、銅箔3,3の表面および
スルーホール4,4の壁面には化学銅が析出して化学銅
層5が形成され、そのことにより、スルーホール4の壁
面にも導電性が付与される(図3)。その後、全体に電
解めっき法を施すことにより、上記化学銅層5の全表面
を被覆して厚み10〜25μmの銅めっき層6が形成さ
れる(図4)。
【0004】ついで、スルーホール4の中に、例えば穴
埋めインクのようなマスク材7を充填してスルーホール
の穴埋めを行なったのち、両面を研磨して、マスク材7
の表面7aと銅めっき層6の表面6aが同一平面を構成
するように処置する(図5)。その後、導体回路を形成
すべき個所8a,スルーホールランド部を形成すべき個
所8b,および回路板の端子部を形成すべき個所8c
に、例えば、熱硬化型インクのようなレジストマスク9
をパターニングする(図6)。
埋めインクのようなマスク材7を充填してスルーホール
の穴埋めを行なったのち、両面を研磨して、マスク材7
の表面7aと銅めっき層6の表面6aが同一平面を構成
するように処置する(図5)。その後、導体回路を形成
すべき個所8a,スルーホールランド部を形成すべき個
所8b,および回路板の端子部を形成すべき個所8c
に、例えば、熱硬化型インクのようなレジストマスク9
をパターニングする(図6)。
【0005】ついで、全体を銅エッチャントに浸漬し、
個所8a,個所8b,個所8c以外の銅層部分をエッチ
ング除去することにより絶縁基材2の表面2aを露出さ
せる(図7)。その後、レジストマスク9を除去し、更
に続けてスルーホール内に充填されているマスク材7を
除去する。その結果、両面銅張積層板1には、いずれも
銅層の3層の積層構造である導体回路部8a’,スルー
ホールランド部にすべき個所8b,端子部にすべき個所
8cがそれぞれ形成される(図8)。
個所8a,個所8b,個所8c以外の銅層部分をエッチ
ング除去することにより絶縁基材2の表面2aを露出さ
せる(図7)。その後、レジストマスク9を除去し、更
に続けてスルーホール内に充填されているマスク材7を
除去する。その結果、両面銅張積層板1には、いずれも
銅層の3層の積層構造である導体回路部8a’,スルー
ホールランド部にすべき個所8b,端子部にすべき個所
8cがそれぞれ形成される(図8)。
【0006】ついで、スルーホールランド部にすべき個
所8b,端子部にすべき個所8cを除いた個所にソルダ
ーレジスト10をパターニングして、導体回路部8a’
と絶縁基材2の表面2aを被覆する(図9)。最後に、
全体に電解めっきを施すことにより、スルーホールラン
ド部にすべき個所8bと端子部にすべき個所8cにおい
て露出している銅めっき層6の表面に、ニッケルめっき
層11,金めっき層12を順次形成して、スルーホール
ランド部8b’,端子部8c’にする(図10)。
所8b,端子部にすべき個所8cを除いた個所にソルダ
ーレジスト10をパターニングして、導体回路部8a’
と絶縁基材2の表面2aを被覆する(図9)。最後に、
全体に電解めっきを施すことにより、スルーホールラン
ド部にすべき個所8bと端子部にすべき個所8cにおい
て露出している銅めっき層6の表面に、ニッケルめっき
層11,金めっき層12を順次形成して、スルーホール
ランド部8b’,端子部8c’にする(図10)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した製
造方法には次のような問題がある。まず、第1の問題は
回路網のファインパターン化が困難なことである。すな
わち、図4で示したように、化学銅層5の全表面に電解
めっき法で銅めっき層6を形成したときに、両面銅張積
層板1は大面積であるため、両面銅張積層板1の面内に
おける銅めっき層6の厚みのばらつきが大きくなり、そ
のため、図7で示したようなエッチング処理を施したと
きに、銅層部分では、過度にエッチング除去されたりま
たはエッチング不足で残留したりすることが起こり、回
路設計時に決めたパターンの形成に難点が生ずるからで
ある。
造方法には次のような問題がある。まず、第1の問題は
回路網のファインパターン化が困難なことである。すな
わち、図4で示したように、化学銅層5の全表面に電解
めっき法で銅めっき層6を形成したときに、両面銅張積
層板1は大面積であるため、両面銅張積層板1の面内に
おける銅めっき層6の厚みのばらつきが大きくなり、そ
のため、図7で示したようなエッチング処理を施したと
きに、銅層部分では、過度にエッチング除去されたりま
たはエッチング不足で残留したりすることが起こり、回
路設計時に決めたパターンの形成に難点が生ずるからで
ある。
【0008】第2の問題は、銅資源が無駄に使用されて
いるという問題である。すなわち、図4で示したよう
に、化学銅層5の全面には電解めっき法によって一旦銅
めっき層6が形成されるが、次に、図7で示したような
エッチング処理時には、上記銅めっき層6のうち、導体
回路部にすべき個所8a,スルーホールランド部にすべ
き個所8b,端子部にすべき個所8cに相当する部分以
外をエッチング除去してしまうので、その部分のめっき
銅は、結果として無駄になってしまう。
いるという問題である。すなわち、図4で示したよう
に、化学銅層5の全面には電解めっき法によって一旦銅
めっき層6が形成されるが、次に、図7で示したような
エッチング処理時には、上記銅めっき層6のうち、導体
回路部にすべき個所8a,スルーホールランド部にすべ
き個所8b,端子部にすべき個所8cに相当する部分以
外をエッチング除去してしまうので、その部分のめっき
銅は、結果として無駄になってしまう。
【0009】第3の問題は、全体の工程の流れにおける
効率が悪いということである。すなわち、図1〜図10
で示した工程においては、図4で示した銅めっき層6の
形成以後、つぎには、穴埋,研磨,レジストマスクのパ
ターニング,エッチング処理,レジストマスクとマスク
体の除去,そしてソルダーレジストの形成を経たのち、
再び、電解めっきのラインにのせている。このことは、
電解めっき工程が分断されていることであり、無電解銅
めっき工程後の処理を考慮すると、ラインの稼働効率を
悪くする要因になっている。
効率が悪いということである。すなわち、図1〜図10
で示した工程においては、図4で示した銅めっき層6の
形成以後、つぎには、穴埋,研磨,レジストマスクのパ
ターニング,エッチング処理,レジストマスクとマスク
体の除去,そしてソルダーレジストの形成を経たのち、
再び、電解めっきのラインにのせている。このことは、
電解めっき工程が分断されていることであり、無電解銅
めっき工程後の処理を考慮すると、ラインの稼働効率を
悪くする要因になっている。
【0010】本発明は、図1〜図10で示した従来の製
造方法における上記した問題を解決し、回路網のファイ
ンパターン化を可能とし、スルーホールへのマスク材の
充填も不要であり、銅の省資源も実現でき、かつ生産ラ
インの高効率稼働を可能にするプリント回路板の製造方
法の提供を目的とする。
造方法における上記した問題を解決し、回路網のファイ
ンパターン化を可能とし、スルーホールへのマスク材の
充填も不要であり、銅の省資源も実現でき、かつ生産ラ
インの高効率稼働を可能にするプリント回路板の製造方
法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、両面銅張積層板の所定個所
にスルーホールを穿設する工程(以下、第1工程とい
う);少なくとも前記スルーホールの壁面に導電性を付
与する工程(以下、第2工程という);前記両面銅張積
層板の表面のうち、導体回路部,スルーホールランド部
および端子部をそれぞれ形成すべき個所以外にレジスト
マスクをパターニングする工程(以下、第3工程とい
う);露出している導体回路部を形成すべき個所,スル
ーホールランド部を形成すべき個所,端子部を形成すべ
き個所、および、スルーホールの壁面に、銅めっき,ニ
ッケルめっき、および、金めっきを順次施す工程(以
下、第4工程という);前記レジストマスクを除去する
工程(以下、第5工程という);銅エッチャントに浸漬
して露出している銅層部分をエッチング除去する工程
(以下、第6工程という);ならびに、形成されたスル
ーホールランド部を形成すべき個所および端子部を形成
すべき個所を除いた個所を被覆してソルダーレジストを
パターニングする工程(以下、第7工程という);を備
えていることを特徴とするプリント回路板の製造方法が
提供される。
ために、本発明においては、両面銅張積層板の所定個所
にスルーホールを穿設する工程(以下、第1工程とい
う);少なくとも前記スルーホールの壁面に導電性を付
与する工程(以下、第2工程という);前記両面銅張積
層板の表面のうち、導体回路部,スルーホールランド部
および端子部をそれぞれ形成すべき個所以外にレジスト
マスクをパターニングする工程(以下、第3工程とい
う);露出している導体回路部を形成すべき個所,スル
ーホールランド部を形成すべき個所,端子部を形成すべ
き個所、および、スルーホールの壁面に、銅めっき,ニ
ッケルめっき、および、金めっきを順次施す工程(以
下、第4工程という);前記レジストマスクを除去する
工程(以下、第5工程という);銅エッチャントに浸漬
して露出している銅層部分をエッチング除去する工程
(以下、第6工程という);ならびに、形成されたスル
ーホールランド部を形成すべき個所および端子部を形成
すべき個所を除いた個所を被覆してソルダーレジストを
パターニングする工程(以下、第7工程という);を備
えていることを特徴とするプリント回路板の製造方法が
提供される。
【0012】以下に、図面に基づいて本発明における各
工程を説明する。まず、第1工程においては、図11で
示したように、両面銅張積層板1が用意され、この積層
板1の所定個所にスルーホール4が穿設される(図1
2)。用いる両面銅張積層板1としては、銅箔3,3の
厚みが35μmであるものが好ましい。
工程を説明する。まず、第1工程においては、図11で
示したように、両面銅張積層板1が用意され、この積層
板1の所定個所にスルーホール4が穿設される(図1
2)。用いる両面銅張積層板1としては、銅箔3,3の
厚みが35μmであるものが好ましい。
【0013】第2工程は、第1工程で得られたスルーホ
ール付きの両面銅張積層板に後述する処理を施すことに
より、少なくとも絶縁基材2が露出しているスルーホー
ル4の壁面に導電性を付与する工程である。スルーホー
ルの壁面に導電性を付与する方法としては次のような方
法をあげることができる。
ール付きの両面銅張積層板に後述する処理を施すことに
より、少なくとも絶縁基材2が露出しているスルーホー
ル4の壁面に導電性を付与する工程である。スルーホー
ルの壁面に導電性を付与する方法としては次のような方
法をあげることができる。
【0014】第1の方法は、公知の無電解銅めっきを施
すことにより、図13で示したように、銅箔3,3の表
面およびスルーホール4の壁面に化学銅を析出させ、化
学銅層5を形成する方法である。具体的には、まず、例
えば、塩化第一すずの塩酸水溶液中に両面銅張積層板を
浸漬してその全面に塩化第一すずを吸着させ、ついで、
塩化パラジウム水溶液中に浸漬することにより、Sn2+
+Pd2+→Sn4++Pd0 の還元反応で金属パラジウム
を全面に析出させたのち、最後に両面銅張積層板を所定
組成の無電解銅めっき浴に浸漬して、Cu2++Pd0 →
Cu0 +Pd2+の還元反応により金属銅を析出させる方
法がある。また、パラジウム微粒子の周囲に第二すずイ
オン(Sn 4+)の保護コロイドが形成されているコロイ
ド溶液(キャタリスト)に両面銅張積層板を浸漬してそ
の全面に上記キャタリストを沈着させ、ついで、硫酸の
ようなアクセレータに浸漬して上記の沈着コロイドを活
性化したのち、所定組成の無電解銅めっき浴に浸漬して
金属銅を析出させるという方法がある。
すことにより、図13で示したように、銅箔3,3の表
面およびスルーホール4の壁面に化学銅を析出させ、化
学銅層5を形成する方法である。具体的には、まず、例
えば、塩化第一すずの塩酸水溶液中に両面銅張積層板を
浸漬してその全面に塩化第一すずを吸着させ、ついで、
塩化パラジウム水溶液中に浸漬することにより、Sn2+
+Pd2+→Sn4++Pd0 の還元反応で金属パラジウム
を全面に析出させたのち、最後に両面銅張積層板を所定
組成の無電解銅めっき浴に浸漬して、Cu2++Pd0 →
Cu0 +Pd2+の還元反応により金属銅を析出させる方
法がある。また、パラジウム微粒子の周囲に第二すずイ
オン(Sn 4+)の保護コロイドが形成されているコロイ
ド溶液(キャタリスト)に両面銅張積層板を浸漬してそ
の全面に上記キャタリストを沈着させ、ついで、硫酸の
ようなアクセレータに浸漬して上記の沈着コロイドを活
性化したのち、所定組成の無電解銅めっき浴に浸漬して
金属銅を析出させるという方法がある。
【0015】これらの方法のうち、後者のキャタリスト
−アクセレータ系を用いる方法は、銅の析出核になるパ
ラジウムの消耗が少ないので、経済性の面で好適であ
る。この化学銅層5は、電解めっきで形成されるめっき
銅層と異なり、その厚みは薄いが、しかし厚みのばらつ
きは極めて小さい。すなわち、この化学銅層5の厚み
は、両面銅張積層板のいずれの場所においてもほとんど
同じであり、かつ薄い。
−アクセレータ系を用いる方法は、銅の析出核になるパ
ラジウムの消耗が少ないので、経済性の面で好適であ
る。この化学銅層5は、電解めっきで形成されるめっき
銅層と異なり、その厚みは薄いが、しかし厚みのばらつ
きは極めて小さい。すなわち、この化学銅層5の厚み
は、両面銅張積層板のいずれの場所においてもほとんど
同じであり、かつ薄い。
【0016】スルーホールの壁面に導電性を付与するた
めの第2の方法としては、上記したキャタリスト−アク
セレータ系を用いる方法において、両面銅張積層板をキ
ャタリストに浸漬するにとどめる方法である。この場合
には、スルーホールの壁面も含めた両面銅張積層の全面
には上記したパラジウムの析出核が沈着しているにとど
まる。この沈着コロイドは非常に薄いが導電性を有して
おり、後述する第4工程において、無電解めっき,電解
めっきのいずれによっても必要とする厚みの銅めっきを
施すことは可能である。
めの第2の方法としては、上記したキャタリスト−アク
セレータ系を用いる方法において、両面銅張積層板をキ
ャタリストに浸漬するにとどめる方法である。この場合
には、スルーホールの壁面も含めた両面銅張積層の全面
には上記したパラジウムの析出核が沈着しているにとど
まる。この沈着コロイドは非常に薄いが導電性を有して
おり、後述する第4工程において、無電解めっき,電解
めっきのいずれによっても必要とする厚みの銅めっきを
施すことは可能である。
【0017】なお、この沈着処理後に、積層板に、例え
ば115〜125℃の温度域で35〜40分間程度の熱
処理を施すと、沈着した析出核が壁面に強固に密着する
ので好適である。第3の方法は、上記したようなめっき
法を適用することなく、少なくともスルーホールの壁面
に導電性皮膜を成膜する方法である。
ば115〜125℃の温度域で35〜40分間程度の熱
処理を施すと、沈着した析出核が壁面に強固に密着する
ので好適である。第3の方法は、上記したようなめっき
法を適用することなく、少なくともスルーホールの壁面
に導電性皮膜を成膜する方法である。
【0018】第3工程は、第2工程で得られた両面銅張
積層板1の両面を研磨したのち、その表面のうち、図1
4で示したように、導体回路部を形成すべき個所8a、
スルーホールランド部を形成すべき個所8bおよび端子
部を形成すべき個所8cを除いた全ての表面にレジスト
マスク9をパターニングする。この第3工程終了後にあ
っては、導体回路部になるべき個所8a,スルーホール
ランド部になるべき個所8b,端子部になるべき個所8
cおよびスルーホール4の壁面はいずれも化学銅5の表
面5aとして露出し、他の部分は全てレジストマスクで
被覆されている。
積層板1の両面を研磨したのち、その表面のうち、図1
4で示したように、導体回路部を形成すべき個所8a、
スルーホールランド部を形成すべき個所8bおよび端子
部を形成すべき個所8cを除いた全ての表面にレジスト
マスク9をパターニングする。この第3工程終了後にあ
っては、導体回路部になるべき個所8a,スルーホール
ランド部になるべき個所8b,端子部になるべき個所8
cおよびスルーホール4の壁面はいずれも化学銅5の表
面5aとして露出し、他の部分は全てレジストマスクで
被覆されている。
【0019】第4工程は、上記したようにして形成され
た導体回路部にすべき個所8a,スルーホールランド部
にすべき個所8b,端子部にすべき個所8c、および、
スルーホール4の壁面に、銅めっき層,ニッケルめっき
層,金めっき層を順次形成する工程である。この場合、
スルーホール4の壁面の導電性が前記した第1の方法に
よる化学銅層で確保されているときには、この化学銅層
5の上に、直接、銅,ニッケル,金を用いた無電解めっ
きまたは電解めっきが上記した順序で施される。通常
は、電解めっきであることが好ましい。
た導体回路部にすべき個所8a,スルーホールランド部
にすべき個所8b,端子部にすべき個所8c、および、
スルーホール4の壁面に、銅めっき層,ニッケルめっき
層,金めっき層を順次形成する工程である。この場合、
スルーホール4の壁面の導電性が前記した第1の方法に
よる化学銅層で確保されているときには、この化学銅層
5の上に、直接、銅,ニッケル,金を用いた無電解めっ
きまたは電解めっきが上記した順序で施される。通常
は、電解めっきであることが好ましい。
【0020】その結果、導体回路部にすべき個所8aの
化学銅層5の上,スルーホールランド部にすべき個所8
bの化学銅層5の上,端子部にすべき個所8cの化学銅
層5の上,スルーホール4の壁面の化学銅層5の表面5
aには、所定厚みの銅めっき層6’,ニッケルめっき層
11,金めっき層12がこの順序で形成される(図1
5)。
化学銅層5の上,スルーホールランド部にすべき個所8
bの化学銅層5の上,端子部にすべき個所8cの化学銅
層5の上,スルーホール4の壁面の化学銅層5の表面5
aには、所定厚みの銅めっき層6’,ニッケルめっき層
11,金めっき層12がこの順序で形成される(図1
5)。
【0021】また、スルーホール壁面の導電性が第2工
程における前記第2の方法によって確保される場合も、
同じく、無電解めっきまたは電解めっきにより、壁面に
付着しているパラジウムの析出核の上に銅めっき層,ニ
ッケルめっき層,金めっき層を順次形成すればよい。な
お、このとき、無電解めっきで上記銅めっき層を形成す
る場合には、まず、第2工程で用いたキャタリストと対
をなすアクセレータで少なくともスルーホールの壁面を
処理することにより、その壁面に沈着しているパラジウ
ムの析出核を活性化したのち、無電解銅めっき浴に浸漬
して銅を析出させる。
程における前記第2の方法によって確保される場合も、
同じく、無電解めっきまたは電解めっきにより、壁面に
付着しているパラジウムの析出核の上に銅めっき層,ニ
ッケルめっき層,金めっき層を順次形成すればよい。な
お、このとき、無電解めっきで上記銅めっき層を形成す
る場合には、まず、第2工程で用いたキャタリストと対
をなすアクセレータで少なくともスルーホールの壁面を
処理することにより、その壁面に沈着しているパラジウ
ムの析出核を活性化したのち、無電解銅めっき浴に浸漬
して銅を析出させる。
【0022】更に、スルーホール壁面の導電性が第2工
程における第3の方法によって確保される場合には、無
電解めっきは適用でないので、電解めっきによって壁面
に銅めっき層6’を形成する。この第4工程において、
銅めっき層6’は、第3工程でレジストマスク9のパタ
ーニングによって形成された必要個所、すなわち、導体
回路部を形成すべき個所,スルーホールランド部を形成
すべき個所,端子部を形成すべき個所にのみ形成される
ので、それに要する銅量は、図4で示した従来の銅めっ
き層6の形成に要する銅量に比べて大幅に節約される。
回路網の密度にもよるが、概ね、1/10程度にまで銅
資源を節約することができる。
程における第3の方法によって確保される場合には、無
電解めっきは適用でないので、電解めっきによって壁面
に銅めっき層6’を形成する。この第4工程において、
銅めっき層6’は、第3工程でレジストマスク9のパタ
ーニングによって形成された必要個所、すなわち、導体
回路部を形成すべき個所,スルーホールランド部を形成
すべき個所,端子部を形成すべき個所にのみ形成される
ので、それに要する銅量は、図4で示した従来の銅めっ
き層6の形成に要する銅量に比べて大幅に節約される。
回路網の密度にもよるが、概ね、1/10程度にまで銅
資源を節約することができる。
【0023】また、第4工程は、銅めっき,ニッケルめ
っき,金めっきをこの順序で進めているので、これらを
めっきラインとして連続化することができる。その結
果、全体の生産ラインにおける効率は向上し、製造コス
トを従来に比べて大幅に低減することができる。第5工
程では、導体回路部にすべき個所8a,スルーホールラ
ンド部にすべき個所8b,端子部にすべき個所8cを除
いた他の部分の各化学銅層の表面5aに添着しているレ
ジストマスク9をエッチング除去する。
っき,金めっきをこの順序で進めているので、これらを
めっきラインとして連続化することができる。その結
果、全体の生産ラインにおける効率は向上し、製造コス
トを従来に比べて大幅に低減することができる。第5工
程では、導体回路部にすべき個所8a,スルーホールラ
ンド部にすべき個所8b,端子部にすべき個所8cを除
いた他の部分の各化学銅層の表面5aに添着しているレ
ジストマスク9をエッチング除去する。
【0024】その結果、図16で示したように、導体回
路部にすべき個所8a,スルーホールランド部にすべき
個所8b,端子部にすべき個所8cが形成され、これら
の部分を除いた個所においては、第2工程で両面銅張積
層板1の表面に形成された化学銅層5の表面5aが露出
する。ついで第6工程では、上記工程で得られた積層板
を銅エッチャントに浸漬し、露出している銅層部分5,
3を順次エッチング除去する。このとき、導体回路部に
すべき個所8a,スルーホールランド部にすべき個所8
b,端子部にすべき個所8cを構成しているニッケルめ
っき層11,金めっき層12はいずれも銅エッチャント
に対するマスク材として機能するので、これら導体回路
部にすべき個所8a,スルーホールランド部にすべき個
所8b,端子部にすべき個所8cのいずれもパターン崩
れを起こすことはない。
路部にすべき個所8a,スルーホールランド部にすべき
個所8b,端子部にすべき個所8cが形成され、これら
の部分を除いた個所においては、第2工程で両面銅張積
層板1の表面に形成された化学銅層5の表面5aが露出
する。ついで第6工程では、上記工程で得られた積層板
を銅エッチャントに浸漬し、露出している銅層部分5,
3を順次エッチング除去する。このとき、導体回路部に
すべき個所8a,スルーホールランド部にすべき個所8
b,端子部にすべき個所8cを構成しているニッケルめ
っき層11,金めっき層12はいずれも銅エッチャント
に対するマスク材として機能するので、これら導体回路
部にすべき個所8a,スルーホールランド部にすべき個
所8b,端子部にすべき個所8cのいずれもパターン崩
れを起こすことはない。
【0025】その結果、図17で示したように、絶縁基
材2の表面2aが露出した状態で、導体回路部8a’,
スルーホールランド部8b’,端子部8c’が形成され
る。この第6工程においては、銅箔3,3の厚みのばら
つきは所定の規格内にあり、また、銅箔3,3の表面に
形成されている化学銅層5の厚みは、前記したように、
薄くかつ厚みのばらつきがほとんどないので、エッチン
グ処理は、従来のようにエッチングの過不足を引き起こ
すことなく、回路設計時の設計基準を実現することがで
きる。すなわち、導体回路部8a’,スルーホールラン
ド部8b’,端子部8c’の寸法精度を高めることがで
き、これらのファイン化が可能になる。
材2の表面2aが露出した状態で、導体回路部8a’,
スルーホールランド部8b’,端子部8c’が形成され
る。この第6工程においては、銅箔3,3の厚みのばら
つきは所定の規格内にあり、また、銅箔3,3の表面に
形成されている化学銅層5の厚みは、前記したように、
薄くかつ厚みのばらつきがほとんどないので、エッチン
グ処理は、従来のようにエッチングの過不足を引き起こ
すことなく、回路設計時の設計基準を実現することがで
きる。すなわち、導体回路部8a’,スルーホールラン
ド部8b’,端子部8c’の寸法精度を高めることがで
き、これらのファイン化が可能になる。
【0026】ついで第7工程においては、スルーホール
ランド部8b’,端子部8c’を除いた他の個所、すな
わち、導体回路部8a’と絶縁基材2の露出表面2aを
被覆してソルダーレジスト10をパターニングする。そ
の結果、図18で示したように、スルーホールランド部
の化学銅層5の上、および端子部の化学銅層5の上に
は、所定厚みの銅めっき層6’,ニッケルめっき層1
1,金めっき層12がこの順序で形成され、他の部分は
ソルダーレジスト10で被覆保護された目的とするプリ
ント回路板が得られる(図19)。
ランド部8b’,端子部8c’を除いた他の個所、すな
わち、導体回路部8a’と絶縁基材2の露出表面2aを
被覆してソルダーレジスト10をパターニングする。そ
の結果、図18で示したように、スルーホールランド部
の化学銅層5の上、および端子部の化学銅層5の上に
は、所定厚みの銅めっき層6’,ニッケルめっき層1
1,金めっき層12がこの順序で形成され、他の部分は
ソルダーレジスト10で被覆保護された目的とするプリ
ント回路板が得られる(図19)。
【0027】
【実施例】実施例1 ガラス繊維−エポキシ樹脂の絶縁基材2の両面に厚み3
5μmの銅箔3,3が積層されている両面銅張積層板1
を用意し、両面を貫通する孔径0.8mmのスルーホール
4,4を電気ドリルで穿設した(図11,図12)。
5μmの銅箔3,3が積層されている両面銅張積層板1
を用意し、両面を貫通する孔径0.8mmのスルーホール
4,4を電気ドリルで穿設した(図11,図12)。
【0028】この両面銅張積層板1を、温度80℃のコ
ンディショナー1175(商品名、シップレー社製)に
浸漬して脱脂処理を施したのち充分に湯洗,水洗を行
い、ついで、HET−100(商品名、日立化成(株)
製)と精製硫酸の混合溶液(液温35℃)に浸漬したの
ち2回水洗し、更に硫酸水素ナトリウムと塩化ナトリウ
ムを含む溶液(室温)に浸漬した。
ンディショナー1175(商品名、シップレー社製)に
浸漬して脱脂処理を施したのち充分に湯洗,水洗を行
い、ついで、HET−100(商品名、日立化成(株)
製)と精製硫酸の混合溶液(液温35℃)に浸漬したの
ち2回水洗し、更に硫酸水素ナトリウムと塩化ナトリウ
ムを含む溶液(室温)に浸漬した。
【0029】上記した前処理終了後の両面銅張積層板
を、つぎに、キャタリスト(商品名、HS−202B、
日立化成(株)製)に温度30±5℃で5〜10分間浸
漬し、更にアクセレータ(商品名、ADP−501、日
立化成(株)製)に温度25±5℃で5〜10分間浸漬
したのち、無電解銅めっき浴(商品名、CUST−AB
C、日立化成(株)製)に温度25±5℃で20±5分
間浸漬して厚みが0.2〜0.3μmの化学銅層5を形成
し、スルーホール4における絶縁基材2の壁面にも導電
性を付与した(図13)。
を、つぎに、キャタリスト(商品名、HS−202B、
日立化成(株)製)に温度30±5℃で5〜10分間浸
漬し、更にアクセレータ(商品名、ADP−501、日
立化成(株)製)に温度25±5℃で5〜10分間浸漬
したのち、無電解銅めっき浴(商品名、CUST−AB
C、日立化成(株)製)に温度25±5℃で20±5分
間浸漬して厚みが0.2〜0.3μmの化学銅層5を形成
し、スルーホール4における絶縁基材2の壁面にも導電
性を付与した(図13)。
【0030】ついで、導体回路部8a’,スルーホール
ランド部8b,端子部8cがそれぞれ形成されるべき個
所を除いた化学銅層5の表面に、レジストマスク9(商
品名、MT−UV−5107T6、三井東圧化学(株)
製)を厚み15〜20μmでパターニングした(図1
4)。全体を電解めっきラインに移送して、電解銅めっ
き,電解ニッケルめっき,電解金めっきをこの順序で行
なった。
ランド部8b,端子部8cがそれぞれ形成されるべき個
所を除いた化学銅層5の表面に、レジストマスク9(商
品名、MT−UV−5107T6、三井東圧化学(株)
製)を厚み15〜20μmでパターニングした(図1
4)。全体を電解めっきラインに移送して、電解銅めっ
き,電解ニッケルめっき,電解金めっきをこの順序で行
なった。
【0031】電解銅めっきは、組成、Cu:70〜95
g/l,H2 SO4 :190±10g/l,Cl- :3
0〜60mg/lのめっき浴を用い、浴温25±5℃,電
流密度2〜3A/dm2 で40分間行なった。電解ニッケ
ルめっきは、組成、硫酸ニッケル:300〜350g/
l,塩化ニッケル:45±15g/l,ホウ酸:45±
15g/lのめっき浴を用い、浴温55±5℃,電流密
度2〜3A/dm2 で6分間行なった。
g/l,H2 SO4 :190±10g/l,Cl- :3
0〜60mg/lのめっき浴を用い、浴温25±5℃,電
流密度2〜3A/dm2 で40分間行なった。電解ニッケ
ルめっきは、組成、硫酸ニッケル:300〜350g/
l,塩化ニッケル:45±15g/l,ホウ酸:45±
15g/lのめっき浴を用い、浴温55±5℃,電流密
度2〜3A/dm2 で6分間行なった。
【0032】更に電解金めっきは、組成、Auとして3.
0〜4.0g/l,pH3.8〜4.5,比重12〜15ボー
メのめっき浴を用い、浴温40±2℃,電流密度0.35
A/dm2 で2分間行なった。その結果、導体回路部にす
べき個所8a,スルーホールランド部にすべき個所8
b,端子部にすべき個所8c,スルーホールの壁面にお
いて露出している化学銅層5の上には、厚み10〜25
μmの銅めっき層6’,厚み2〜3μmのニッケルめっ
き層11,厚み0.05〜0.2μmの金めっき層12が形
成された(図15)。
0〜4.0g/l,pH3.8〜4.5,比重12〜15ボー
メのめっき浴を用い、浴温40±2℃,電流密度0.35
A/dm2 で2分間行なった。その結果、導体回路部にす
べき個所8a,スルーホールランド部にすべき個所8
b,端子部にすべき個所8c,スルーホールの壁面にお
いて露出している化学銅層5の上には、厚み10〜25
μmの銅めっき層6’,厚み2〜3μmのニッケルめっ
き層11,厚み0.05〜0.2μmの金めっき層12が形
成された(図15)。
【0033】その後、全体を3.0%苛性ソーダ溶液に浸
漬して、レジストマスク9をエッチング除去したのち、
濃度135g/lの塩化第二銅水溶液をエッチャントに
してエッチング処理を行ない、露出している化学銅層
5、その下の銅箔3をエッチング除去し、所定パターン
の銅体回路部8a’,スルーホールランド部8b’,端
子部8c’を形成した(図16,図17)。
漬して、レジストマスク9をエッチング除去したのち、
濃度135g/lの塩化第二銅水溶液をエッチャントに
してエッチング処理を行ない、露出している化学銅層
5、その下の銅箔3をエッチング除去し、所定パターン
の銅体回路部8a’,スルーホールランド部8b’,端
子部8c’を形成した(図16,図17)。
【0034】ついで、導体回路部8a’,絶縁基材2の
露出表面2aにのみソルダーレジスト(商品名、UVR
150GR−60、太陽インキ社製)を厚み15〜17
μmでパターニングして、図18で示すプリント回路板
を製造した。なお、比較のために、同じ両面銅張積層板
を用いて図1〜図10に示した従来方法によって、プリ
ント回路板を製造した。
露出表面2aにのみソルダーレジスト(商品名、UVR
150GR−60、太陽インキ社製)を厚み15〜17
μmでパターニングして、図18で示すプリント回路板
を製造した。なお、比較のために、同じ両面銅張積層板
を用いて図1〜図10に示した従来方法によって、プリ
ント回路板を製造した。
【0035】そして、図4における銅めっき層6の形成
に要する銅量と、図15における銅めっき層6’の形成
に要する銅量を比較したところ、前者10に対し、後者
の場合は1であった。すなわち、本発明方法では、使用
する銅資源を大幅に節約することができた。 実施例2 実施例1において、キャタリストに浸漬したのち両面銅
張積層板を取り出し、ただちに、全体を2回水洗し、つ
づけて、120℃の恒温乾燥器に40分間放置した。す
なわち、この両面銅張積層板の表面には、実施例1の場
合のように、化学銅層5,5は形成されておらず、キャ
タリストのパラジウムが沈着しているのみである。
に要する銅量と、図15における銅めっき層6’の形成
に要する銅量を比較したところ、前者10に対し、後者
の場合は1であった。すなわち、本発明方法では、使用
する銅資源を大幅に節約することができた。 実施例2 実施例1において、キャタリストに浸漬したのち両面銅
張積層板を取り出し、ただちに、全体を2回水洗し、つ
づけて、120℃の恒温乾燥器に40分間放置した。す
なわち、この両面銅張積層板の表面には、実施例1の場
合のように、化学銅層5,5は形成されておらず、キャ
タリストのパラジウムが沈着しているのみである。
【0036】ついで、乾燥器から取り出した両面銅張積
層板に対し、実施例1と同様にして、レビストマスク7
のパターニング,電解めっき,レジストマスクの除去,
銅層のエッチング除去,ソルダーレジストの塗布を行な
った。スルーホールランド部,端子部およびスルーホー
ルの壁面に、厚み10〜25μmの銅めっき層,厚み2
〜3μmのニッケルめっき層,厚み0.05〜0.2μmの
金めっき層を形成することができた。
層板に対し、実施例1と同様にして、レビストマスク7
のパターニング,電解めっき,レジストマスクの除去,
銅層のエッチング除去,ソルダーレジストの塗布を行な
った。スルーホールランド部,端子部およびスルーホー
ルの壁面に、厚み10〜25μmの銅めっき層,厚み2
〜3μmのニッケルめっき層,厚み0.05〜0.2μmの
金めっき層を形成することができた。
【0037】実施例3 実施例1と同様にして、まず、両面銅張積層板にスルー
ホールを穿設した。ついで、この積層板を、ブラッシド
DMA(商品名、日本エル・ピー・ダブリュー(株)
製)100g/lと精製硫酸10g/lとから成る混合
溶液(液温25℃)に2分間浸漬して表面をエッチング
し、2回水洗したのち、つぎに、プラソリットDMS2
/4パート(1)(商品名、日本エル・ピー・ダブリュ
ー(株)製)15ml/lとプラソリットDMS2/4パ
ート(2)(商品名、日本エル・ピー・ダブリュー
(株)製)30ml/lとの混合溶液(液温60℃)に5
分間浸漬して脱脂処理を行ない、2回水洗した。
ホールを穿設した。ついで、この積層板を、ブラッシド
DMA(商品名、日本エル・ピー・ダブリュー(株)
製)100g/lと精製硫酸10g/lとから成る混合
溶液(液温25℃)に2分間浸漬して表面をエッチング
し、2回水洗したのち、つぎに、プラソリットDMS2
/4パート(1)(商品名、日本エル・ピー・ダブリュ
ー(株)製)15ml/lとプラソリットDMS2/4パ
ート(2)(商品名、日本エル・ピー・ダブリュー
(株)製)30ml/lとの混合溶液(液温60℃)に5
分間浸漬して脱脂処理を行ない、2回水洗した。
【0038】ついで、濃度60g/lの過マンガン酸カ
リ溶液(液温90℃)に、上記脱脂処理後の積層板を3
分間浸漬して、スルーホールの壁面に露出しているガラ
ス繊維を溶解除去した。処理後の積層板を、つぎに、D
MS2(商品名、日本エル・ピー・ダブリュー(株)
製)の480ml/lの溶液(液温20℃)に1分間浸漬
したのち、ブラッシドDMA(商品名、日本エル・ピー
・ダブリュー(株)製)10g/lと精製硫酸180g
/lとの混合溶液(液温20℃)に1分間浸漬した。ス
ルーホール壁面のうち、絶縁機材の表面に黒色の皮膜が
形成された。
リ溶液(液温90℃)に、上記脱脂処理後の積層板を3
分間浸漬して、スルーホールの壁面に露出しているガラ
ス繊維を溶解除去した。処理後の積層板を、つぎに、D
MS2(商品名、日本エル・ピー・ダブリュー(株)
製)の480ml/lの溶液(液温20℃)に1分間浸漬
したのち、ブラッシドDMA(商品名、日本エル・ピー
・ダブリュー(株)製)10g/lと精製硫酸180g
/lとの混合溶液(液温20℃)に1分間浸漬した。ス
ルーホール壁面のうち、絶縁機材の表面に黒色の皮膜が
形成された。
【0039】ついで、実施例1と同様にして、レジスト
マスクのパターニング,電解めっき処理,レジストマス
クの除去,ソルダーレジストの塗布を行なった。スルー
ホールランド部,端子部およびスルーホールの壁面に、
厚み10〜25μmの銅めっき層,厚み2〜3μmのニ
ッケルめっき層,厚み0.05〜0.2μmの金めっき層を
形成することができた。
マスクのパターニング,電解めっき処理,レジストマス
クの除去,ソルダーレジストの塗布を行なった。スルー
ホールランド部,端子部およびスルーホールの壁面に、
厚み10〜25μmの銅めっき層,厚み2〜3μmのニ
ッケルめっき層,厚み0.05〜0.2μmの金めっき層を
形成することができた。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法においては、図4で示した従来の方法における銅めっ
き層6に相当する銅めっき層6’は、スルーホールラン
ド部にすべき個所8bと端子部にすべき個所8cがそれ
ぞれ所定のパターンとして形成されたのち、その表面に
のみ形成される。
法においては、図4で示した従来の方法における銅めっ
き層6に相当する銅めっき層6’は、スルーホールラン
ド部にすべき個所8bと端子部にすべき個所8cがそれ
ぞれ所定のパターンとして形成されたのち、その表面に
のみ形成される。
【0041】したがって、めっきに要する銅量は、図4
の場合に比べて大幅に減少、銅資源の節約に資する。ま
た、従来の銅めっき層6はその厚みのばらつきが大きい
ため、導体回路部等をエッチングによって形成するとき
にエッチングの過不足が起こりやすく、ファインパター
ンの回路網の形成は困難であるが、本発明方法において
は、規格内ばらつきの銅箔に対してエッチング処理を施
すことにより回路パターンを形成するので、エッチング
の過不足は起こりにくく、その結果、回路網のファイン
化が可能になる。
の場合に比べて大幅に減少、銅資源の節約に資する。ま
た、従来の銅めっき層6はその厚みのばらつきが大きい
ため、導体回路部等をエッチングによって形成するとき
にエッチングの過不足が起こりやすく、ファインパター
ンの回路網の形成は困難であるが、本発明方法において
は、規格内ばらつきの銅箔に対してエッチング処理を施
すことにより回路パターンを形成するので、エッチング
の過不足は起こりにくく、その結果、回路網のファイン
化が可能になる。
【0042】更には、めっき工程を全体工程の中に集中
して配置しかつ連続化することができるので、生産ライ
ンとしては極めて高効率となる。また、従来のように、
スルーホールの穴埋めを行うことが不要となるため、工
程の簡素化が可能で生産コストの低減に資する。以上の
ことから、本発明方法は、ファインパターンのプリント
回路板を高い生産性の下で、したがって安価に製造する
方法としてその工業的価値は極めて大である。
して配置しかつ連続化することができるので、生産ライ
ンとしては極めて高効率となる。また、従来のように、
スルーホールの穴埋めを行うことが不要となるため、工
程の簡素化が可能で生産コストの低減に資する。以上の
ことから、本発明方法は、ファインパターンのプリント
回路板を高い生産性の下で、したがって安価に製造する
方法としてその工業的価値は極めて大である。
【図1】両面銅張積層板を示す断面図である。
【図2】両面銅張積層板にスルーホールを穿設した状態
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図3】両面銅張積層板の両面とスルーホール壁面に化
学銅層を形成した状態を示す断面図である。
学銅層を形成した状態を示す断面図である。
【図4】図3の化学銅層の表面全体に銅めっき層を形成
した状態を示す断面図である。
した状態を示す断面図である。
【図5】図4のスルーホールにマスク材を充填して穴埋
めを行なった状態を示す断面図である。
めを行なった状態を示す断面図である。
【図6】導体回路部,スルーホールランド部,端子部を
それぞれ形成すべき個所にレジストマスクをパターニン
グした状態を示す断面図である。
それぞれ形成すべき個所にレジストマスクをパターニン
グした状態を示す断面図である。
【図7】露出銅層部分をエッチング除去した状態を示す
断面図である。
断面図である。
【図8】レジストマスクとマスク材を除去した状態を示
す断面図である。
す断面図である。
【図9】スルーホールランド部にすべき個所と端子部に
すべき個所以外の個所にソルダーレジストをパターニン
グした状態を示す断面図である。
すべき個所以外の個所にソルダーレジストをパターニン
グした状態を示す断面図である。
【図10】スルーホールランド部にすべき個所と端子部
にすべき個所にニッケルめっき層と金めっき層を順次形
成してスルーホールランド部,端子部にした状態を示す
断面図である。
にすべき個所にニッケルめっき層と金めっき層を順次形
成してスルーホールランド部,端子部にした状態を示す
断面図である。
【図11】両面銅張積層板を示す断面図である。
【図12】両面銅張積層板にスルーホールを穿設した状
態を示す断面図である。
態を示す断面図である。
【図13】両面銅張積層板の両面とスルーホール壁面に
化学銅層を形成した(導電性を付与した)状態を示す断
面図である。
化学銅層を形成した(導電性を付与した)状態を示す断
面図である。
【図14】導体回路部,スルーホールランド部,端子部
をそれぞれ形成すべき個所以外の個所にレジストマスク
をパターニングした状態を示す断面図である。
をそれぞれ形成すべき個所以外の個所にレジストマスク
をパターニングした状態を示す断面図である。
【図15】導体回路部を形成すべき個所,スルーホール
ランド部を形成すべき個所,端子部を形成すべき個所に
銅めっき層,ニッケルめっき層と金めっき層を順次形成
した状態を示す断面図である。
ランド部を形成すべき個所,端子部を形成すべき個所に
銅めっき層,ニッケルめっき層と金めっき層を順次形成
した状態を示す断面図である。
【図16】レジストマスクを除去した状態を示す断面図
である。
である。
【図17】露出銅層部分をエッチング除去した状態を示
す断面図である。
す断面図である。
【図18】形成されたスルーホールランド部と端子部以
外の個所にソルダーレジストをパターニングした状態を
示す断面図である。
外の個所にソルダーレジストをパターニングした状態を
示す断面図である。
1 両面銅張積層板 2 絶縁基材 2a 絶縁基材2の露出表面 3 銅箔 4 スルーホール 5 化学銅層 6 銅めっき層 6a 銅めっき層6の表面 6’ 銅めっき層 7 マスク材 7a マスク材7の表面 8a 導体回路部を形成すべき個所 8a’導体回路部 8b スルーホールランド部を形成すべき個所 8b’スルーホールランド部 8c 端子部を形成すべき個所 8c’端子部 9 レジストマスク 10 ソルダーレジスト 11 ニッケルめっき層 12 金めっき層
Claims (1)
- 【請求項1】 両面銅張積層板の所定個所にスルーホー
ルを穿設する工程;少なくとも前記スルーホールの壁面
に導電性を付与する工程;前記両面銅張積層板の表面の
うち、導体回路部,スルーホールランド部および端子部
をそれぞれ形成すべき個所以外にレジストマスクをパタ
ーニングする工程;露出している、導体回路部を形成す
べき個所,スルーホールランド部を形成すべき個所,端
子部を形成すべき個所、および、スルーホールの壁面
に、銅めっき,ニッケルめっき、および、金めっきを順
次施す工程;前記レジストマスクを除去する工程;銅エ
ッチャントに浸漬して露出している銅層部分をエッチン
グ除去する工程;ならびに、形成されたスルーホールラ
ンド部および端子部を除いた個所を被覆してソルダーレ
ジストをパターニングする工程;を備えていることを特
徴とするプリント回路板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4507193A JPH06260758A (ja) | 1993-03-05 | 1993-03-05 | プリント回路板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4507193A JPH06260758A (ja) | 1993-03-05 | 1993-03-05 | プリント回路板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06260758A true JPH06260758A (ja) | 1994-09-16 |
Family
ID=12709116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4507193A Pending JPH06260758A (ja) | 1993-03-05 | 1993-03-05 | プリント回路板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06260758A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002067643A2 (en) * | 2001-02-16 | 2002-08-29 | Siemens Dematic Electronics Assembly Systems, Inc. | High strength vias |
KR100936446B1 (ko) * | 2001-06-29 | 2010-01-13 | 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 | 고밀도 인쇄회로기판의 생산방법 |
-
1993
- 1993-03-05 JP JP4507193A patent/JPH06260758A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002067643A2 (en) * | 2001-02-16 | 2002-08-29 | Siemens Dematic Electronics Assembly Systems, Inc. | High strength vias |
WO2002067643A3 (en) * | 2001-02-16 | 2002-10-24 | Siemens Dematic Electronics As | High strength vias |
KR100936446B1 (ko) * | 2001-06-29 | 2010-01-13 | 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 | 고밀도 인쇄회로기판의 생산방법 |
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