JP4081563B2 - 外壁化粧部材の固定構造及びその施工方法 - Google Patents

外壁化粧部材の固定構造及びその施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4081563B2
JP4081563B2 JP28317498A JP28317498A JP4081563B2 JP 4081563 B2 JP4081563 B2 JP 4081563B2 JP 28317498 A JP28317498 A JP 28317498A JP 28317498 A JP28317498 A JP 28317498A JP 4081563 B2 JP4081563 B2 JP 4081563B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
decorative member
wall decorative
surface side
wall
protruding portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28317498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000110321A (ja
Inventor
俊彦 奥津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Misawa Homes Co Ltd
Original Assignee
Misawa Homes Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Misawa Homes Co Ltd filed Critical Misawa Homes Co Ltd
Priority to JP28317498A priority Critical patent/JP4081563B2/ja
Publication of JP2000110321A publication Critical patent/JP2000110321A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4081563B2 publication Critical patent/JP4081563B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、外壁化粧部材の端部同士を連結可能な外壁化粧部材固定具を備えた外壁化粧部材の固定構造及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【先行技術】
図6及び図7は、従来の外壁化粧部材の固定構造であって、図6は外壁化粧部材の固定構造の縦断面図、図7は外壁化粧部材の外観斜視図をそれぞれ示すものである。
従来の外壁化粧部材の固定構造は、図7に示すように、平板長方形状の長尺部材である外壁化粧部材110を、その長手方向が横方向となるように建物躯体190の表面に配置している。そして、この外壁化粧部材110は、現場施工において、建物躯体190の表面に沿って下から上に順に張り上げるようにして形成されている。そして、この外壁化粧部材110の上下端部間には、それら同士を連結するための外壁化粧部材固定具120が二個ずつ形成されている。この外壁化粧部材固定具120は、具体的には、建物躯体190に固定ねじ131を介して固定される縦断面が略コ字状の基板130と、この基板130から外側に向かって横方向に延設される延設片151と、この延設片151の先端から上下方向に延びて外壁化粧部材110の端部に差し込まれ、若しくは挟み込まれる差し込み片150とを備えている。この差し込み片150及び延設片151は、その全体の縦断面形状が略T字状に形成されている。
【0003】
前記外壁化粧部材110は、外壁化粧部材固定具120の下方側に位置する第一の外壁化粧部材111と、外壁化粧部材固定具120の上方側に位置する第二の外壁化粧部材112とを備えている。第一の外壁化粧部材111の上端と、第二の外壁化粧部材112の下端とは、互いにかみ合うように板厚の略半分ずつ欠き取った相じゃくり状に形成されてあり、それらの間に外壁化粧部材固定具120が挟み込まれるように形成されている。具体的には、第一の外壁化粧部材111の上端の裏面側において、上方に向かって突出する裏面側突出部115と、第二の外壁化粧部材112の下端の表面側において、下方に向かって突出する表面側突出部114とが、外壁化粧部材固定具120を挟んで互いにかみ合うように形成されている。そして、第二の外壁化粧部材112の板厚の略中央、表面側突出部114の裏面側には、上方に向かって溝状に凹んで外壁化粧部材固定具120の上側の差し込み片150が差し込み可能な差し込み溝113が形成されている。そして、外壁化粧部材固定具120の下側の差し込み片150は、表面側突出部114及び裏面側突出部115の間に挟み込まれるように配置されている。そして、第二の外壁化粧部材112の表面側突出部114と、第一の外壁化粧部材111の裏面側突出部115との間には、両者間から雨水等の水分が建物躯体190に浸入することを抑えるためにシール材170が挟み込まれている。
【0004】
次に、従来の外壁化粧部材の固定構造の施工手順について説明する。従来の外壁化粧部材の固定構造の施工方法は、図7に示すように、外壁化粧部材110を下方側から上方側に向かって順に、張り上げていくものである。
具体的には、第一の外壁化粧部材111を、建物躯体190の胴縁(図示せず)等の外側に釘等の締結部材を介して固定する。
【0005】
次に、この第一の外壁化粧部材111の上端の裏面側突出部115の上面に沿って外壁化粧部材固定具120を固定する。具体的には、外壁化粧部材固定具120の下方側の差し込み片150と基板130との間の内部に第一の外壁化粧部材111の裏面側突出部115が入り込むように外壁化粧部材固定具120を配置する。その後、外壁化粧部材固定具120の基板130の上端を固定ねじ131により、建物躯体190に固定する。
【0006】
次に、裏面側突出部115の外側表面にシール材170を形成する。
次に、第二の外壁化粧部材112を上方から下方に向かってスライドさせて、外壁化粧部材固定具120の上方側の差し込み片150が、第二の外壁化粧部材112の差し込み溝113の内部に入り込むようにする。そして、外壁化粧部材固定具120の下方側の差し込み片150を、表面側突出部114と裏面側突出部115との間に挟み込まれるように第二の外壁化粧部材112の下方に向かって移動させる。なお、シール材170は、表面側突出部114の裏面側に形成して、裏面側突出部115との間に挟み込むようにしても良いものである。
【0007】
これにより、第一の外壁化粧部材111は、その裏面側突出部115が外壁化粧部材固定具120の差し込み片150と基板130との間に入り込み、外側に倒れて外れることが抑えられ、建物躯体190に固定される。また、第二の外壁化粧部材112は、その差し込み溝113に外壁化粧部材固定具120の差し込み片150が差し込まれているため、外側に向かって倒れたり、移動したりすることが制限され、建物躯体190に固定される。したがって、第一及び第二の外壁化粧部材110は、外壁化粧部材固定具120を介して建物躯体190に固定されることとなり、第一の外壁化粧部材111と、第二の外壁化粧部材112との継ぎ目が完成する。
【0008】
従来の外壁化粧部材の固定構造は、第二の外壁化粧部材112の表面側突出部114が、第一の外壁化粧部材111の裏面側突出部115の外側に配置されている。このため、図6に示すように、第二の外壁化粧部材112の外側表面に沿って上方から下方に向かって流れ落ちてきた雨水は、表面側突出部114の下端から第一の外壁化粧部材111の上端側に落下して、第一の外壁化粧部材111に沿って、さらに下方に向かって流れ落ちていく。したがって、表面側突出部114と裏面側突出部115との間から雨水が重力に逆らって上方に登り、外壁化粧部材110の継ぎ目から建物躯体190に浸入することは少なく、良好な防水性を得ることができるものである。
【0009】
また、外壁化粧部材110の継ぎ目の間に風が吹き込み、それに伴って雨水が入り込もうとしても、両者間に挟み込まれたシール材170により、雨水の浸入を阻むことができるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の外壁化粧部材の固定構造は、第二の外壁化粧部材112の表面側突出部114を下方に向かって移動させて、第一の外壁化粧部材111の裏面側突出部115の外側に重なるように配置していた。このため、表面側突出部114と裏面側突出部115との間のシール材170は、移動する表面側突出部114と裏面側突出部115との間で擦れて、外れてしまったり、一部、密着が不完全な部分が形成される場合があり、シール材170による防水性が損なわれやすいという第一の問題点があった。
【0011】
さらに、平板長方形状の長尺部材である外壁化粧部材110を、その長手方向が横方向になるように建物躯体190の表面に配置して、建物躯体190の表面に沿って下から上に順に張り上げるような、いわゆる「横張り」であれば、両者の継ぎ目から、重力に逆らって雨水が上方に向かって移動し、雨水が建物躯体に到達することは、稀である。しかし、平板長方形状の長尺部材である外壁化粧部材110を、その長手方向が縦方向になるように建物躯体190の表面に配置する、いわゆる「縦張り」の場合、雨水は重力に逆らうことなく、容易に外壁化粧部材110の間の継ぎ目から入り込むことができ、両者間のシール材170による防水を確実なものにしなければ、建物躯体190に雨水が浸入してしまうという第二の問題点があった。
【0012】
そこで、請求項1記載の発明は、上記した従来の技術の有する第一および第二の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外壁化粧部材間の継ぎ目にシール材を確実に形成することができて、建物躯体の防水性を確実なものにすることができる外壁化粧部材の固定構造を提供しようとするものである。
【0013】
これに加え、請求項2記載の発明は、接合後に外壁化粧部材の幅方向の伸縮作用が発生しても、継ぎ目間に新たな隙間の発生を抑えることができて、継ぎ目の防水性を確実なものにすることができる外壁化粧部材の固定構造を提供しようとするものである。
これに加え、請求項3記載の発明は、簡単な構造で、第一及び第二の外壁化粧部材の継ぎ目を建物躯体に固定することができる外壁化粧部材の固定構造を提供しようとするものである。
【0014】
これに加え、請求項4記載の発明は、第二の外壁化粧部材を傾斜面に沿って差し込むことにより、確実且つ簡単に裏面側突出部を表面側突出部の裏面側に案内することができる外壁化粧部材の固定構造を提供しようとするものである。
これに加え、請求項5記載の発明は、差し込み片の差し込み作業を容易にすることができると共に、第一の外壁化粧部材をぶれることなく、確実に固定することができる外壁化粧部材の固定構造を提供しようとするものである。
【0015】
請求項6記載の発明は、第一の外壁化粧部材と第二の外壁化粧部材との間の防水性を確実なものにすることができる外壁化粧部材の固定構造の施工方法を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するためのものである。
請求項1記載の発明は、建物躯体(70)に固定されて外壁化粧部材(10)の端部同士を連結可能な外壁化粧部材固定具(20)を備えた外壁化粧部材(10)の固定構造であって、外壁化粧部材固定具(20)は、表側表面から裏面側に向かって傾斜する傾斜面 (52) を有し第二の外壁化粧部材(12)の端部を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に擦れないように傾斜させた状態で差し込み可能な斜め差し込み収納部(50)と、この斜め差し込み収納部(50)において前記傾斜面 (52) と表側表面とが交差する箇所に位置して、第二の外壁化粧部材(12)の裏面側に当接することにより、それを支点として第二の外壁化粧部材(12)の端部を回転移動可能な支点当接部(51)とを備え、第二の外壁化粧部材(12)の端部は、支点当接部(51)を支点として回転移動させることにより、第一の外壁化粧部材(11)との間のシール材(60)を圧着可能に形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、外壁化粧部材固定具(20)が、第二の外壁化粧部材(12)の端部を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に擦れないように傾斜させた状態で差し込み可能な斜め差し込み収納部(50)を備えている。このため、第二の外壁化粧部材(12)の端部を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に擦れないように傾斜させた状態で斜め差し込み収納部(50)の内部に差し込んで、第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に配置することができる。これにより、第二の外壁化粧部材(12)の表面側、若しくは第一の外壁化粧部材(11)の裏面側のいずれかに両者の水密性を確保するためのシール材(60)を予め形成しても、第二の外壁化粧部材(12)の端部を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に差し込む際、両者が擦れてシール材(60)が外れることを防止することができる。
【0018】
そして、前記斜め差し込み収納部(50)において前記傾斜面 (52) と表側表面とが交差する箇所に位置して、第二の外壁化粧部材(12)の裏面側に当接して、それを支点として第二の外壁化粧部材(12)の端部を回転移動可能な支点当接部(51)を備えている。このため、第二の外壁化粧部材(12)を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に差し込んだ状態から支点当接部(51)を第二の外壁化粧部材(12)の裏面側に当接させて、支点当接部(51)を支点として第二の外壁化粧部材(12)の端部を回転移動させることにより、第一の外壁化粧部材(11)との間のシール材(60)を圧着することができる。これにより、支点当接部(51)を支点として回転する第二の外壁化粧部材(12)と、第一の外壁化粧部材(11)との間に挟み込まれたシール材(60)は、外れたり擦れたりすることなく、両側から確実に押しつぶすことができ、両者への密着性を良好にすることができ、建物躯体への防水性を確実なものにすることができる。
【0019】
そして、本発明はシール材(60)による防水性が良好であるため、「横張り」のみならず、雨水が重力に逆らうことなく、容易に外壁化粧部材(10)の間の継ぎ目に入り込みやすい「縦張り」にも充分、対応することができる。
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の特徴点に加え、第一の外壁化粧部材(11)と第二の外壁化粧部材(12)との間の継ぎ目は、相じゃくり状に形成され、第一の外壁化粧部材(11)の端部には、その表側に位置して、第二の外壁化粧部材(12)側に向かって延びる表面側突出部(14)が形成され、第二の外壁化粧部材(12)の端部には、その裏側に位置して、第一の外壁化粧部材(11)側に向かって延びる裏面側突出部(15)が形成され、この裏面側突出部(15)の表側と、表面側突出部(14)の裏側との間にシール材(60)が挟み込まれていることを特徴とする。
【0020】
なお、ここで、「相じゃくり状」とは、接合する二枚の外壁化粧部材(10)の端面部分を、互いに板厚の略半分ずつ欠き取るように形成しているものである。例えば、第一の外壁化粧部材(11)には、板厚の略半分の厚さを有する表面側突出部(14)が形成され、第二の外壁化粧部材(12)には、板厚の略半分の厚さを有する裏面側突出部(15)が形成され、裏面側突出部(15)及び表面側突出部(14)を重ね合わせることにより、外壁化粧部材(10)の厚みになるように設定されているようなものを含むものである。
【0021】
本発明によれば、第一の外壁化粧部材(11)と第二の外壁化粧部材(12)との間の継ぎ目は、表面側突出部(14)及び裏面側突出部(15)が互いに重なり合ったような、相じゃくり状に形成されている。さらに、表面側突出部(14)及び裏面側突出部(15)の間には、シール材(60)が挟み込まれている。このため、第一の外壁化粧部材(11)もしくは第二の外壁化粧部材(12)が、熱膨張や熱収縮により、その幅方向に沿って元の寸法形状が変化しても、表面側突出部(14)及び裏面側突出部(15)が当初の隙間間隔を維持した状態で、平行移動するだけである。これにより、両者間の継ぎ目の隙間の間隔が変化することを抑えることができ、両者の継ぎ目に新たな隙間が発生することを防止することができる。また、表面側突出部(14)と裏面側突出部(15)との隙間の間隔が変化しないため、両者間に挟み込まれたシール材(60)の当初の効果を維持することができ、両者間の継ぎ目の防水性を確実なものにすることができる。
【0022】
請求項3記載の発明は、上記した請求項2記載の特徴点に加え、第一の外壁化粧部材(11)は、表面側突出部(14)の裏面側に位置して、端面の長手方向に沿って板厚方向と直角方向に凹んだ差し込み溝(13)を備え、外壁化粧部材固定具(20)は、建物躯体(70)に固定される基板(30)と、この基板(30)から反建物躯体(70)側に延びる延設片(43)と、この延設片(43)の先端から直角横方向の第一の外壁化粧部材(11)側に向かって突出し、前記差し込み溝(13)に差し込み可能な差し込み片(41)と、前記延設片(43)の先端から直角横方向の第二の外壁化粧部材(12)側に向かって突出し、基板(30)との間に裏面側突出部(15)を挟み込み可能な挟み込み片(42)とを備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、外壁化粧部材固定具(20)が、建物躯体(70)に固定される基板(30)と、この基板(30)から反建物躯体側に延びる延設片(43)と、この延設片(43)の先端から直角横方向の第一の外壁化粧部材(11)側に向かって突出する差し込み片(41)とを備えている。そして、この差し込み片(41)は、第一の外壁化粧部材(11)の表面側突出部(14)の裏面側に位置して端面の長手方向に沿って板厚方向と直角方向に凹んだ差し込み溝(13)に差し込み可能に形成されている。したがって、差し込み片(41)は、延設片(43)及び基板(30)を介して建物躯体(70)に固定されており、この差し込み片(41)が差し込み溝(13)に差し込まれることにより、第一の外壁化粧部材(11)の端部は、その板厚方向の動きが制限されることになる。これにより、結果として、第一の外壁化粧部材(12)を建物躯体(70)に固定することができる。
【0024】
そして、外壁化粧部材固定具(20)が、前記基板(30)と、前記延設片(43)と、この延設片(43)の先端から直角横方向の第二の外壁化粧部材(12)側に向かって突出する挟み込み片(42)とを備え、この挟み込み片(42)は、基板(30)との間に裏面側突出部(15)を挟み込み可能に形成されている。したがって、挟み込み片(42)は、延設片(43)及び基板(30)を介して建物躯体(70)に固定されており、この挟み込み片(42)と基板(30)との間に裏面側突出部(15)が挟み込まれることにより、その板厚方向の動きが制限されることになり、裏面側突出部(15)を建物躯体(70)に固定することができる。これにより、結果として、第一の外壁化粧部材(11)を建物躯体(70)に固定することができる。
【0025】
請求項4記載の発明は、上記した請求項3記載の特徴点に加え、斜め差し込み収納部(50)は、基板(30)の表側表面から第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に向かって傾斜して裏面側突出部(15)をその周囲部材と接触させることなく表面側突出部(14)の裏面側に案内可能な傾斜面(52)を備えたことを特徴とする。
なお、ここで、「裏面側突出部(15)をその周囲部材と接触させることなく表面側突出部(14)の裏面側に案内可能な傾斜面(52)」とは、裏面側突出部(15)を傾斜面(52)に沿って移動させることにより、裏面側突出部(15)をその周囲部材と接触させることなく、表面側突出部(14)の裏面側に案内することができるものであれば良いものであって、例えば、傾斜面(52)と、周囲部材との間の距離が裏面側突出部(15)及びシール材(60)の合計の厚みより大きく設定されているようなものを含むものである。
【0026】
本発明によれば、斜め差し込み収納部(50)は、基板(30)の表側表面から第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に向かって傾斜して裏面側突出部(15)をその周囲部材と接触させることなく表面側突出部(14)の裏面側に案内する傾斜面(52)を備えている。このため、第二の外壁化粧部材(12)の裏面側突出部(15)を傾斜面(52)に沿って移動させることにより、裏面側突出部(15)をその周囲に配置された周囲部材と接触することなく、差し込むことができる。これにより、裏面側突出部(15)を周囲部材等に引っかけることなくスムーズに差し込むことができ、表面側突出部(14)の裏面側に簡単かつ確実に移動させることができる。
【0027】
また、裏面側突出部(15)を、その周囲部材と接触せずに表面側突出部(14)の裏面側に差し込むことができるため、裏面側突出部(15)の表面にシール材(60)等を付着させていても、裏面側突出部(15)を差し込む際、シール材(60)が周囲部材と接触して、裏面側突出部(15)の表面から外れたり、ずれたりするようなことを抑えることができる。これにより、裏面側突出部(15)の防水施工を確実にすることができ、建物躯体(70)の防水性を担保することができる。
【0028】
請求項5記載の発明は、上記した請求項3または請求項4記載の特徴点に加え、差し込み片(41)は、その先端から基端側に向かって差し込み片(41)の本体から離れる方向に延びる脱落防止片(45)を備え、この脱落防止片(45)の先端側は、差し込み溝(13)の内面に当接可能に形成されていることを特徴とする。
なお、ここで、「脱落防止片(45)の先端側は、差し込み溝(13)の内面に当接可能に形成されている」とは、脱落防止片(45)の先端が差し込み溝(13)の内面に当接する程度、変形していることを意味するものであって、例えば、脱落防止片(45)の先端が、差し込み片(41)の本体から離れる方向に変形している距離が、差し込み溝(13)の内面の開口量よりも大きくなるように設定されているよう場合を含むものである。
【0029】
本発明は、脱落防止片(45)が差し込み片(41)の先端から基端側に向かって差し込み片(41)から離れる方向に延びている。すなわち、脱落防止片(45)は差し込むに伴って除々に拡がるように形成されている。このため、外壁化粧部材固定具(20)の差し込み片(41)の先端を差し込み溝(13)に差し込む際、脱落防止片(45)の先端側が差し込み溝(13)の入り口近傍や、内部において、引っかかることがない。これにより、差し込み片(41)を差し込み溝(13)内部に押し込む際の抵抗力を小さく維持することができ、差し込み片(41)の差し込み作業をスムーズにすることができる。
【0030】
また、脱落防止片(45)の先端側は差し込み溝(13)の内面に当接可能に形成されている。このため、差し込み片(41)を差し込み溝(13)の内部に差し込んだ後、脱落防止片(45)の先端側が差し込み溝(13)の内面に当接する。これにより、差し込み溝(13)内部に挿入された差し込み片(41)が差し込み溝(13)内部でぶれたり、振動して衝突音を発生させたりすることを抑えることができ、第一の外壁化粧部材(11)の端部を外壁化粧部材固定具(20)を介して建物躯体(70)に確実に固定することができる。
【0031】
請求項6記載の発明は、外壁化粧部材(10)の端部同士を連結するための外壁化粧部材固定具(20)を有する外壁化粧部材(10)の固定構造の施工方法であって、第一の外壁化粧部材(11)を外壁化粧部材固定具(20)により建物躯体(70)に固定する工程と、第一の外壁化粧部材(11)を建物躯体(70)に固定した後、第二の外壁化粧部材(12)を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に接触しないように差し込む工程と、第二の外壁化粧部材(12)を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に差し込んだ後、第二の外壁化粧部材(12)を外壁化粧部材固定具(20)の一部を支点として回転させることにより、第二の外壁化粧部材(12)の表面側を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に向かって押し当てて、両者間のシール材(60)を圧着する工程とを備えたことを特徴とする。
【0032】
外壁化粧部材(10)の端部同士を連結するための施工手順について説明する。
先ず、最初に、第一の外壁化粧部材(11)を外壁化粧部材固定具(20)により建物躯体(70)に固定する。
次に、第一の外壁化粧部材(11)を建物躯体(70)に固定した後、第二の外壁化粧部材(12)を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に接触しないように差し込む。
【0033】
次に、第二の外壁化粧部材(12)を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に差し込んだ後、第二の外壁化粧部材(12)を外壁化粧部材固定具(20)の一部を支点として回転させることにより、第二の外壁化粧部材(12)の表面側を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に向かって押し当てて、両者間のシール材(60)を圧着する。
これにより、防水性が良好な第一の外壁化粧部材(11)と第二の外壁化粧部材(12)との間の継ぎ目が完成する。
【0034】
本発明は、第二の外壁化粧部材(12)を第一の外壁化粧部材(11)の裏面側に差し込んだ状態から外壁化粧部材固定具(20)の一部を支点として第二の外壁化粧部材(12)の端部を回転移動させることにより、第一の外壁化粧部材(11)との間のシール材(60)を圧着している。これにより、外壁化粧部材固定具(20)の一部を支点として回転する第二の外壁化粧部材(12)と、第一の外壁化粧部材(11)との間に挟み込まれたシール材(60)は、外れたり擦れたりすることなく、両側から確実に押しつぶすことができ、両者への密着性を良好にすることができ、建物躯体への防水性を確実なものにすることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて、更に詳しく説明する。
図1乃至図5は、本発明の実施の形態であって、図1は外壁化粧部材の固定構造の横断面図、図2は外壁化粧部材の固定構造の外観斜視図、図3は外壁化粧部材固定具の平面図、図4は外壁化粧部材固定具の正面図、図5は外壁化粧部材固定具の側面図をそれぞれ示す。
【0036】
まず、本実施の形態の構成について説明する。
本実施の形態に係る外壁化粧部材10の固定構造は、建物躯体70に固定されて外壁化粧部材10の端部同士を連結可能な外壁化粧部材固定具20を備えたものである。そして、本実施の形態において、外壁化粧部材10は、平板状の長尺部材であって、その長手方向が縦方向になるように建物躯体70の表面に配置する、いわゆる「縦張り」と呼ばれるものである。もちろん、本実施の形態に係る外壁化粧部材10の固定構造は、外壁化粧部材10の長手方向が横方向になるように建物躯体70の表面に配置する、いわゆる「横張り」にも適用することができるものである。
【0037】
前記外壁化粧部材10は、いわゆるサイディングとも呼ばれて建物躯体70の外壁表面に形成される化粧部材や仕上げ板材等であって、セラミック材等からなり、外部の熱や光や風雨から建物躯体70を守るためのものであって、表面には、幾何学的な縦横の溝や、自然の岩石等に似せた凹凸模様等を形成して、建物外観を良好なものにすることができるものである。
【0038】
前記建物躯体70は、具体的には、特に図示していないが、木質の四角枠材及び面材からなる壁パネルにより形成されている。そして、この壁パネルの外側には、防水テープやアスファルトフェルトが貼付されている。そして、壁パネルの室外側の表面には、縦断面形状が方形状の木質の長尺部材であって、釘等により壁パネルの外側の表面に所定間隔で横方向に固定されている胴縁(図示せず)が形成され、この胴縁の室外側の表面に前記外壁化粧部材10が固定されている。
【0039】
前記外壁化粧部材10は、図2に示すように、建物躯体70の手前側のコーナーから順に、その長手方向が縦方向になるように配置しているものであって、コーナーに最も近い位置に第一の外壁化粧部材11を固定し、それに隣接して第二の外壁化粧部材12を固定し、その後も、順次、第三、第四の外壁化粧部材10を固定するものである。そして、第一の外壁化粧部材11と第二の外壁化粧部材12との間の継ぎ目は、相じゃくり状に形成されている。具体的には、第一の外壁化粧部材11の端部には、その表側に位置して、第二の外壁化粧部材12側に向かって延びる表面側突出部14が形成されている。第二の外壁化粧部材12は、前記表面側突出部14の裏面側に位置して端面の長手方向に沿って板厚方向と直角方向に凹んだ差し込み溝13を備えている。そして、第二の外壁化粧部材12の端部には、その裏側に位置して、第一の外壁化粧部材11側に向かって延びる裏面側突出部15が形成されている。この裏面側突出部15の表側の端部には、外壁化粧部材固定具20の一部を収納するための段差状の段差収納部16が形成されている。そして、裏面側突出部15の表側と、表面側突出部14の裏側との間に縦方向に沿ってシール材60が挟み込まれている。なお、特に図示していないが、第二の外壁化粧部材12と第三の外壁化粧部材10との間の継ぎ目も、第一の外壁化粧部材11と第二の外壁化粧部材12との間の継ぎ目と同様に形成されていることにより次々と連結可能に形成されているものである。すなわち、第三の外壁化粧部材10に面する第二の外壁化粧部材12の端部は、第二の外壁化粧部材12に面する第一の外壁化粧部材11の端部と同様に形成されている。
【0040】
前記外壁化粧部材固定具20は、建物躯体70に固定される全体形状が略四角箱状の基板30を備えている。この基板30は、その高さ方向の略中央に位置して基板30を建物躯体70に固定するための中央固定領域33を備えている。この中央固定領域33は、建物躯体70側に向かって凹状に凹んで建物躯体70の表面に当接する当接固定部34と、この当接固定部34の表裏に貫通する円形の固定ねじ穴32とを備えている。そして、この固定ねじ穴32を介して固定ねじ31が建物躯体70側に向かってねじ込まれ、外壁化粧部材固定具20を建物躯体70に固定している。
【0041】
そして、外壁化粧部材固定具20は、前記基板30から反建物躯体70側に延びる縦方向に並んだ三つの延設片43と、この三つの延設片43のうち、真ん中を除く上下の延設片43の先端から直角横方向の第一の外壁化粧部材11側に向かって突出し、前記差し込み溝13に差し込み可能な差し込み片41と、三つの延設片43のうち、真ん中の延設片43の先端から直角横方向の第二の外壁化粧部材12側に向かって突出し、基板30との間に裏面側突出部15を挟み込み可能な挟み込み片42とを備えている。なお、この挟み込み片42は、裏面側突出部15の段差収納部16の内部に収納可能に形成されている。
【0042】
前記差し込み片41は、その先端から基端側に向かって差し込み片41の本体から離れる方向に延びる薄板四角形状の脱落防止片45を備えている。この脱落防止片45の先端側は、変形することにより、差し込み溝13の内面に当接可能に形成されている。すなわち、脱落防止片45の先端は、差し込み溝13の内部において差し込み溝13の内面に当接する程度、変形している。具体的には、脱落防止片45の先端の差し込み片41の本体から離れる方向に変形している距離が、差し込み溝13の内面の開口量よりも大きくなるように設定されている。
【0043】
そして、外壁化粧部材固定具20は、第二の外壁化粧部材12の端部を第一の外壁化粧部材11の裏面側に擦れないように傾斜させた状態で差し込み可能な斜め差し込み収納部50と、この斜め差し込み収納部50において前記傾斜面 52 と表側表面とが交差する箇所に位置して、第二の外壁化粧部材12の裏面側に当接することにより、それを支点として第二の外壁化粧部材12の端部を回転移動可能な支点当接部51とを備えている。そして、第二の外壁化粧部材12の端部は、支点当接部51を支点として回転移動させることにより、第一の外壁化粧部材11との間のシール材60を圧着可能に形成されている。
【0044】
前記斜め差し込み収納部50は、具体的には、基板30の表側表面から第一の外壁化粧部材11の裏面側に向かって傾斜して裏面側突出部15を、その周囲部材と接触させることなく表面側突出部14の裏面側に案内可能な傾斜面52を備えている。この傾斜面52は、この傾斜面52と挟み込み片42や表面側突出部14等の周囲部材との間の距離が裏面側突出部15及びシール材60の合計の厚みより大きくなるように設定されているものである。また、前記支点当接部51は、傾斜面52と基板30の表側表面とが交差する箇所であって、線上に形成されているものである。
【0045】
なお、基板30は、軽量化及び使用材料の使用量低減化を図るために、その第一の外壁化粧部材11側に位置して、表裏に開口する四角形状の開口穴47を備えている。また、基板30の第一の外壁化粧部材11側には、強度向上のため、図4の二点鎖線で示すような補強リブ46を形成しても良いものである。
次に、外壁化粧部材10の端部同士を連結するための施工手順について説明する。
【0046】
先ず、最初に、第一の外壁化粧部材11を建物躯体70の胴縁(図示せず)等の外側に釘等の締結部材を介して固定する。
次に、この第一の外壁化粧部材11の側端の表面側突出部14の側面に沿って外壁化粧部材固定具20を固定する。具体的には、外壁化粧部材固定具20の差し込み片41を第一の外壁化粧部材11の差し込み溝13の内部に入り込むように外壁化粧部材固定具20を配置する。その後、基板30の中央固定領域33の固定ねじ穴32に固定ねじ31を外側から建物躯体70に向かってねじ込んで、外壁化粧部材固定具20を建物躯体70に固定する。これにより、第一の外壁化粧部材11の端部が、外壁化粧部材固定具20により建物躯体70に固定される。
【0047】
次に、第一の外壁化粧部材11の端部を建物躯体70に固定した後、第二の外壁化粧部材12の裏面側突出部15の表側に縦方向に沿って防水用のシール材60を形成する。
次に、第二の外壁化粧部材12を第一の外壁化粧部材11の裏面側に接触しないように差し込む。具体的には、第二の外壁化粧部材12の裏面側突出部15を斜め差し込み収納部50の傾斜面52に沿って、移動させる。その際、裏面側突出部15の表側に形成したシール材60が、挟み込み片42や表面側突出部14に接触しないように裏面側突出部15を傾斜面52に沿って移動させる。
【0048】
次に、第二の外壁化粧部材12の裏面側突出部15を第一の外壁化粧部材11の表面側突出部14の裏面側に差し込んだ後、第二の外壁化粧部材12を外壁化粧部材固定具20の支点当接部51を支点として回転させる。そして、第二の外壁化粧部材12を回転させることにより、第二の外壁化粧部材12の裏面側突出部15の表側を第一の外壁化粧部材11の表面側突出部14の裏面側に向かって押し当てて、両者間のシール材60を圧着する。
【0049】
これにより、防水性が良好な第一の外壁化粧部材11と第二の外壁化粧部材12との間の継ぎ目が完成する。
さらに、上記と同様の作業を第二の外壁化粧部材12と第三の外壁化粧部材10との間で行い、さらに、第四、第五の外壁化粧部材10と次々に連結することにより、継ぎ目間の防水性が良好な外壁化粧部材10を連続して形成することができる。
【0050】
次に、上記した実施の形態の作用及び効果について説明する。
本実施の形態によれば、外壁化粧部材固定具20が、第二の外壁化粧部材12の端部を第一の外壁化粧部材11の裏面側に擦れないように傾斜させた状態で差し込み可能な斜め差し込み収納部50を備えている。このため、第二の外壁化粧部材12の端部を第一の外壁化粧部材11の裏面側に擦れないように傾斜させた状態で斜め差し込み収納部50の内部に差し込んで、第一の外壁化粧部材11の裏面側に配置することができる。これにより、第二の外壁化粧部材12の表面側に両者の水密性を確保するためのシール材60を予め形成しても、第二の外壁化粧部材12の端部を第一の外壁化粧部材11の裏面側に差し込む際、両者が擦れてシール材60が外れることを防止することができる。
【0051】
そして、前記斜め差し込み収納部50の内部に位置して、第二の外壁化粧部材12の裏面側に当接して、それを支点として第二の外壁化粧部材12の端部を回転移動可能な支点当接部51を備えている。このため、第二の外壁化粧部材12を第一の外壁化粧部材11の裏面側に差し込んだ状態から支点当接部51を第二の外壁化粧部材12の裏面側に当接させて、支点当接部51を支点として第二の外壁化粧部材12の端部を回転移動させることができ、第一の外壁化粧部材11との間のシール材60を圧着することができる。これにより、支点当接部51を支点として回転する第二の外壁化粧部材12と、第一の外壁化粧部材11との間に挟み込まれたシール材60は、外れたり擦れたりすることなく、両側から確実に押しつぶすことができ、両者への密着性を良好にすることができ、建物躯体70への防水性を確実なものにすることができる。したがって、本実施の形態はシール材60による防水性が良好であるため、雨水が重力に逆らうことなく、容易に外壁化粧部材10の間の継ぎ目に入り込みやすい、縦張りに適用しても、充分、対応することができる。
【0052】
本実施の形態によれば、第一の外壁化粧部材11と第二の外壁化粧部材12との間の継ぎ目は、表面側突出部14及び裏面側突出部15が互いに重なり合ったような、相じゃくり状に形成されている。さらに、表面側突出部14及び裏面側突出部15の間には、シール材60が挟み込まれている。このため、第一の外壁化粧部材11もしくは第二の外壁化粧部材12が、熱膨張や熱収縮により、その幅方向に沿って元の寸法形状が変化しても、表面側突出部14及び裏面側突出部15が当初の隙間間隔を維持した状態で、平行移動するだけである。これにより、両者間の継ぎ目の隙間の間隔が変化することを抑えることができ、両者の継ぎ目に新たな隙間が発生することを防止することができる。また、表面側突出部14と裏面側突出部15との隙間の間隔が変化しないため、両者間に挟み込まれたシール材60の当初の効果を維持することができ、両者間の継ぎ目の防水性を確実なものにすることができる。
【0053】
本実施の形態によれば、外壁化粧部材固定具20が、建物躯体70に固定される基板30と、この基板30から反建物躯体側に延びる延設片43と、この延設片43の先端から直角横方向の第一の外壁化粧部材11側に向かって突出する差し込み片41とを備えている。そして、この差し込み片41は、差し込み溝13に差し込み可能に形成されている。したがって、差し込み片41は、延設片43及び基板30を介して建物躯体70に固定されており、この差し込み片41が差し込み溝13に差し込まれることにより、第一の外壁化粧部材11の端部は、その板厚方向と直角方向への動きが制限されることになる。これにより、結果として、第一の外壁化粧部材12を建物躯体70に固定することができる。
【0054】
そして、外壁化粧部材固定具20が、前記基板30と、前記延設片43と、この延設片43の先端から直角横方向の第二の外壁化粧部材12側に向かって突出する挟み込み片42とを備え、この挟み込み片42は、基板30との間に裏面側突出部15を挟み込み可能に形成されている。したがって、挟み込み片42は、延設片43及び基板30を介して建物躯体70に固定されており、この挟み込み片42と基板30との間に裏面側突出部15が挟み込まれることにより、裏面側突出部15を建物躯体70に固定することができる。これにより、結果として、第一の外壁化粧部材11を建物躯体70に固定することができる。
【0055】
本実施の形態によれば、斜め差し込み収納部50は、基板30の表側表面から第一の外壁化粧部材11の裏面側に向かって傾斜して裏面側突出部15をその周囲部材と接触させることなく表面側突出部14の裏面側に案内する傾斜面52を備えている。このため、第二の外壁化粧部材12の裏面側突出部15を傾斜面52に沿って移動させることにより、裏面側突出部15をその周囲に配置された周囲部材と接触することなく、差し込むことができる。これにより、裏面側突出部15を周囲部材等に引っかけることなくスムーズに差し込むことができ、表面側突出部14の裏面側に簡単かつ確実に移動させることができる。
【0056】
また、裏面側突出部15を、その周囲部材と接触せずに表面側突出部14の裏面側に差し込むことができるため、裏面側突出部15を差し込む際、裏面側突出部15の表面に付着させたシール材60が周囲部材と接触して、裏面側突出部15の表面から外れたり、ずれたりするようなことを抑えることができる。これにより、裏面側突出部15の防水施工を確実にすることができ、建物躯体70の防水性を担保することができる。
【0057】
本実施の形態は、脱落防止片45が差し込み片41の先端から基端側に向かって差し込み片41から離れる方向に延びている。このため、外壁化粧部材固定具20の差し込み片41の先端を差し込み溝13に差し込む際、脱落防止片45の先端側が差し込み溝13の入り口近傍や、内部において、引っかかることがない。これにより、差し込み片41を差し込み溝13内部に押し込む際の抵抗力を小さく維持することができ、差し込み片41の差し込み作業をスムーズにすることができる。
【0058】
また、脱落防止片45の先端側は差し込み溝13の内面に当接可能に形成されている。このため、差し込み片41を差し込み溝13の内部に差し込んだ後、脱落防止片45の先端側が差し込み溝13の内面に当接する。これにより、差し込み溝13内部に挿入された差し込み片41が差し込み溝13内部でぶれたり、振動して衝突音を発生させたりすることを抑えることができ、第一の外壁化粧部材11の端部を外壁化粧部材固定具20を介して建物躯体70に確実に固定することができる。
【0059】
また、第二の外壁化粧部材12の裏面側突出部15の先端側には、段差収納部16が形成されている。このため、表面側突出部14と裏面側突出部15との間に挟み込み片42を挟み込んだ状態において、挟み込み片42を段差収納部16の内部に収納することができる。これにより、表面側突出部14の裏側と、裏面側突出部15の表側との間の隙間間隔を、挟み込み片42の厚みに影響されることなく、小さく設定することができ、シール材60による防水性を良好に維持することができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、外壁化粧部材間の継ぎ目にシール材を確実に形成することができて、建物躯体の防水性を確実なものにすることができる外壁化粧部材の固定構造を提供することができる。
【0061】
請求項2記載の発明によれば、接合後に外壁化粧部材の幅方向の伸縮作用が発生しても、継ぎ目間に新たな隙間の発生を抑えることができて、継ぎ目の防水性を確実なものにすることができる外壁化粧部材の固定構造を提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、簡単な構造で、第一及び第二の外壁化粧部材の継ぎ目を建物躯体に固定することができる外壁化粧部材の固定構造を提供することができる。
【0062】
請求項4記載の発明によれば、第二の外壁化粧部材を傾斜面に沿って差し込むことにより、確実且つ簡単に裏面側突出部を表面側突出部の裏面側に案内することができる外壁化粧部材の固定構造を提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、差し込み片の差し込み作業を容易にすることができると共に、第一の外壁化粧部材をぶれることなく、確実に固定することができる外壁化粧部材の固定構造を提供することができる。
【0063】
請求項6記載の発明によれば、第一の外壁化粧部材と第二の外壁化粧部材との間の防水性を確実なものにすることができる外壁化粧部材の固定構造の施工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であって、外壁化粧部材の固定構造を示す横断面図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、外壁化粧部材の固定構造を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、外壁化粧部材固定具を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態であって、外壁化粧部材固定具を示す正面図である。
【図5】本発明の実施の形態であって、外壁化粧部材固定具を示す側面図である。
【図6】従来の外壁化粧部材の固定構造であって、外壁化粧部材の固定構造を示す縦断面図である。
【図7】従来の外壁化粧部材の固定構造であって、外壁化粧部材の固定構造を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
10 外壁化粧部材 11 第一の外壁化粧部材
12 第二の外壁化粧部材 13 差し込み溝
14 表面側突出部 15 裏面側突出部
16 段差収納部 20 外壁化粧部材固定具
30 基板 31 固定ねじ
32 固定ねじ穴 33 中央固定領域
34 当接固定部 40 固定部
41 差し込み片 42 挟み込み片
43 延設片 45 脱落防止片
46 補強リブ 47 開口穴
50 斜め差し込み収納部 51 支点当接部
52 傾斜面 60 シール材
70 建物躯体 110 外壁化粧部材
111 第一の外壁化粧部材 112 第二の外壁化粧部材
113 差し込み溝 114 表面側突出部
115 裏面側突出部 120 外壁化粧部材固定具
130 基板 131 固定ねじ
140 固定部 150 差し込み片
151 延設片 170 シール材
190 建物躯体

Claims (6)

  1. 建物躯体に固定されて外壁化粧部材の端部同士を連結可能な外壁化粧部材固定具を備えた外壁化粧部材の固定構造であって、
    外壁化粧部材固定具は、表側表面から裏面側に向かって傾斜する傾斜面を有し第二の外壁化粧部材の端部を第一の外壁化粧部材の裏面側に擦れないように傾斜させた状態で差し込み可能な斜め差し込み収納部と、この斜め差し込み収納部において前記傾斜面と表側表面とが交差する箇所に位置して、第二の外壁化粧部材の裏面側に当接することにより、それを支点として第二の外壁化粧部材の端部を回転移動可能な支点当接部とを備え、
    第二の外壁化粧部材の端部は、支点当接部を支点として回転移動させることにより、第一の外壁化粧部材との間のシール材を圧着可能に形成されていることを特徴とする外壁化粧部材の固定構造。
  2. 第一の外壁化粧部材と第二の外壁化粧部材との間の継ぎ目は、相じゃくり状に形成され、
    第一の外壁化粧部材の端部には、その表側に位置して、第二の外壁化粧部材側に向かって延びる表面側突出部が形成され、
    第二の外壁化粧部材の端部には、その裏側に位置して、第一の外壁化粧部材側に向かって延びる裏面側突出部が形成され、
    この裏面側突出部の表側と、表面側突出部の裏側との間にシール材が挟み込まれていることを特徴とする請求項1記載の外壁化粧部材の固定構造。
  3. 第一の外壁化粧部材は、表面側突出部の裏面側に位置して、端面の長手方向に沿って板厚方向と直角方向に凹んだ差し込み溝を備え、
    外壁化粧部材固定具は、建物躯体に固定される基板と、
    この基板から反建物躯体側に延びる延設片と、
    この延設片の先端から直角横方向の第一の外壁化粧部材側に向かって突出し、前記差し込み溝に差し込み可能な差し込み片と、
    前記延設片の先端から直角横方向の第二の外壁化粧部材側に向かって突出し、基板との間に裏面側突出部を挟み込み可能な挟み込み片とを備えたことを特徴とする請求項2記載の外壁化粧部材の固定構造。
  4. 斜め差し込み収納部は、基板の表側表面から第一の外壁化粧部材の裏面側に向かって傾斜して裏面側突出部をその周囲部材と接触させることなく表面側突出部の裏面側に案内可能な傾斜面を備えたことを特徴とする請求項3記載の外壁化粧部材の固定構造。
  5. 差し込み片は、その先端から基端側に向かって差し込み片の本体から離れる方向に延びる脱落防止片を備え、
    この脱落防止片の先端側は、差し込み溝の内面に当接可能に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の外壁化粧部材の固定構造。
  6. 外壁化粧部材の端部同士を連結するための外壁化粧部材固定具を有する外壁化粧部材の固定構造の施工方法であって、
    第一の外壁化粧部材を外壁化粧部材固定具により建物躯体に固定する工程と、
    第一の外壁化粧部材を建物躯体に固定した後、第二の外壁化粧部材を第一の外壁化粧部材の裏面側に接触しないように差し込む工程と、
    第二の外壁化粧部材を第一の外壁化粧部材の裏面側に差し込んだ後、第二の外壁化粧部材を外壁化粧部材固定具の一部を支点として回転させることにより、第二の外壁化粧部材の表面側を第一の外壁化粧部材の裏面側に向かって押し当てて、両者間のシール材を圧着する工程とを備えたことを特徴とする外壁化粧部材の固定構造の施工方法。
JP28317498A 1998-10-06 1998-10-06 外壁化粧部材の固定構造及びその施工方法 Expired - Fee Related JP4081563B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28317498A JP4081563B2 (ja) 1998-10-06 1998-10-06 外壁化粧部材の固定構造及びその施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28317498A JP4081563B2 (ja) 1998-10-06 1998-10-06 外壁化粧部材の固定構造及びその施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000110321A JP2000110321A (ja) 2000-04-18
JP4081563B2 true JP4081563B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=17662129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28317498A Expired - Fee Related JP4081563B2 (ja) 1998-10-06 1998-10-06 外壁化粧部材の固定構造及びその施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4081563B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114370140B (zh) * 2021-12-10 2024-05-24 浙江红石智能家居有限公司 一种陶瓷装饰板装配系统及装配方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000110321A (ja) 2000-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5111756B2 (ja) 実接合する板材および床構造
JP4081563B2 (ja) 外壁化粧部材の固定構造及びその施工方法
JP6312286B2 (ja) 目地構造
JP4765771B2 (ja) 外装パネル用役物
JP3342934B2 (ja) 下屋の防水接続構造および下屋接続用壁パネル
JP3886457B2 (ja) 乾式目地材の取付構造
JP3392045B2 (ja) 断熱パネル及びその接続構造
JP2892656B2 (ja) 建築用板
JP4092137B2 (ja) 壁体
JPH0748847Y2 (ja) 金具およびパネルの接合構造
JP3038852U (ja) 建材用パネルの接合構造及び建材用パネルの表面材
JP3121522B2 (ja) 屋根材およびその葺設構造
JPH1136556A (ja) 中空外装材の接続構造
JP4008386B2 (ja) 棟端部用冠瓦及び冠瓦の配置構造
JP2582891B2 (ja) 建築用床板材
JP3165667B2 (ja) 外壁パネル
JPH0960248A (ja) 建物のコーナ部分の施工方法
JP3712022B2 (ja) サイディング艤装パネルの施工方法
JPS5851295Y2 (ja) パネルの連結構造
JPH0421365Y2 (ja)
JP3999633B2 (ja) 目地シール構造及び目地シール方法
JP2908262B2 (ja) 長尺パネルの取付構造
JPH0842108A (ja) 乾式壁材
JPH11190105A (ja) 建築用板及びその外囲体
JPH0627696Y2 (ja) ポーチ柱

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070724

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070925

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071225

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080122

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees