JP4080109B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ遊技機に関し、更に詳しくは、遊技盤面に設けられる図柄表示装置の図柄変動に起因する遊技球の入賞記憶個数や遊技状況を制御するパチンコ遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のパチンコ遊技機においては、遊技盤面上に普通図柄表示装置や特別図柄表示装置といった複数の図柄表示装置が設けられ、この図柄表示装置に表示される図柄が予め設定された図柄の表示様態を表示すれば、「当たり」や「大当たり」と称される遊技状況が発生して多くの賞球を得る機会が与えられることが知られている。詳細にいえば、遊技球が遊技盤面上に設けられる所定の入賞口や通過口等を通過すると図柄表示装置が一定時間変動を開始し、停止確定した図柄の表示態様が所定の表示態様と一致すれば、「当たり」と称される遊技状況へと進むことができる。そして、該遊技状況において所定の入賞口へ遊技球を入賞させれば、多くの賞球が得られるというものである。
【0003】
そして又、前記図柄表示装置の変動の起因となる入賞口や通過口への遊技球の通過は、その通過個数が順次累積記憶され一つの図柄変動が終了すると前記記憶による図柄変動が開始されるというように、記憶された個数分の図柄変動が繰り返されることになる。これにより、たとえ遊技球が前記図柄変動中に前記入賞口や通過口を通過しても、この通過は記憶されることから遊技者は損失感を感じることなく遊技を楽しむことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなパチンコ遊技機においては、所定入賞口や通過口への遊技球の通過、所定図柄の表示、「当たり」、そして「大当たり」といった一連の遊技動作から外れることがないため遊技が単調ですぐに飽きがきてしまう。それでも「当たり」や「大当たり」が発生すればよいが、余り長く「当たり」や「大当たり」が発生しない状況が続くと、遊技者は飽きが来るばかりでなく、次第に損失感や不快感が高まり、遊技に対する興趣がなくなってしまう。その結果、遊技に面白さを感じなくなり、ついには遊技場から足が遠のいてしまうといった問題があった。
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、「当たり」や「大当たり」といった遊技状況の変動が多様化した設定のもとに発生することにより、更なる遊興性を高めるというものである。そして、前記「当たり」や「大当たり」の発生に伴って遊技状況自体も変動することによって多様化し、遊技者が損失感を感じることなく又、飽きのこないパチンコ遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明は、遊技盤面に複数の図柄表示装置が設けられると共に、該各図柄表示装置に表示される図柄が各々別個に図柄変動を開始し、変動停止後に表示される図柄の表示態様が予め設定される図柄の表示態様と一致することを契機に各々遊技状況が変動するパチンコ遊技機において、前記各図柄表示装置には、図柄変動動作を制御する図柄変動制御手段と、該図柄変動制御手段によって図柄変動した図柄の表示態様が予め設定される図柄の表示態様と一致したか否かを判定する図柄表示態様判定手段とを備え、該図柄表示態様判定手段による判定の結果、図柄の表示態様が一致したと判定された際には他方の図柄表示装置における設定を初期化状態にする図柄表示装置初期化手段が設けられ、前記各図柄表示装置が各々の図柄表示装置における図柄変動の未動作回数を累積記憶する図柄変動回数記憶手段を備えると共に、該図柄変動記憶手段によって記憶された図柄変動回数が、少なくとも前記図柄表示装置初期化手段の作動と共に消去される記憶消去手段を備えることを要旨とするものである。
【0007】
上記構成を有するパチンコ遊技機によれば、遊技盤面に複数設けられる図柄表示装置に各々表示される図柄が個別に図柄変動を開始し、この図柄変動停止後に表示される図柄の表示態様が予め設定される図柄の表示態様と一致すれば、これを契機に遊技状況が変動する。そして、各図柄表示装置に表示される図柄が予め設定される図柄の表示態様と一致したか否かが図柄表示態様判定手段でもって判定され、この判定の結果、一致したと判定されれば、図柄表示装置初期化手段でもって他方の図柄表示装置における設定が初期化状態とされる。そしてこの初期化状態は、複数設けられる図柄表示装置の一方において遊技状況の変動が発生した時に他方の図柄表示装置について行うようにすれば、遊技状況の変動が重複して発生することが防止でき遊技状況の設定制御において効率的であると共に、新たな興趣を備えた遊技機として遊技者に提供できる。
【0008】
そして、この時には請求項2に記載の発明のように、前記図柄表示装置初期化手段が、少なくとも前記図柄変動制御手段による図柄表示装置への制御を初期化する図柄変動制御初期化手段と、前記図柄変動制御手段による図柄表示装置への制御を無効化する図柄変動制御無効化手段と、前記図柄の表示態様を判定する図柄表示態様判定手段による判定結果を無効化する判定無効化手段の何れか又は全てを備えるようにするとよい。これによって、もし仮に複数の図柄表示装置に表示される図柄の判定が極僅かの差で行われ、共に予め設定される図柄と一致すると判定されたとしても遊技状況の変動が重複して発生することはなく、制御部に負担を掛けることなく制御効率がよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。
図1(a)は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤面の正面図を示し、(b)は該遊技盤面の中央に設けられる特別図柄表示装置の詳細を図示したものである。図示するように、パチンコ遊技機10に備えられる遊技盤11面中央部には、周囲を装飾枠体4で囲まれた特別図柄表示装置2が設けられ、その表示画面の上半分領域には数字やキャラクタ図柄が各々個別に変動する左図柄表示部2a、右図柄表示部2b、中図柄表示部2cが設けられ、下半分領域にはキャラクタ図柄が動画表示される図柄表示部2dが設けられる。
【0011】
前記各図柄表示部2a、2b、2cに表示される図柄は、「1」から「7」までの数字と複数種類のキャラクタ図柄が設定され、その設定数は左右図柄表示部2a、2bにおいては各々30種類、中図柄表示部2cにおいては36種類である。そして前記各図柄表示装置2a、2b、2cが所定の図柄の組合わせを表示すると、それまでの遊技状況は一旦終了し「大当たり」と称される特別な遊技状況へと切り換えられることになる。
【0012】
前記特別図柄表示装置2の真下位置には、遊技球の入賞によって前記特別図柄表示装置2の各図柄表示部2a、2b、2cが変動する始動入賞口14が設けられ、その上部には開閉可能な可動翼片14a,14aが設けられる。そして前記始動入賞口14の下方位置には、通常は閉じている第一種特別電動役物に係る大入賞口16が設けられ、その内側には該大入賞口16が開放された時に遊技球が入賞可能となる特定入賞口18が設けられる。
【0013】
また、前記装飾枠体4の上部左側位置には、7セグメントデジタル表示でもって「0」から「9」までの数字が変動表示される普通図柄表示装置6が設けられ、このうち「1,3,5,7,9」の何れかの数字が表示されれば、「当たり」と称される遊技状況が発生し前記始動入賞口14の可動翼片14a、14aが所定時間開放されることになる。
【0014】
そして前記普通図柄表示装置6の右側位置には、該普通図柄表示装置6における図柄の変動回数を記憶しランプの点灯でもって最大4個まで表示する普通図柄用記憶表示LED8が設けられる。この記憶表示LED8と普通図柄表示装置6との間の位置には、これも又、前記特別図柄表示装置2における図柄の変動回数を記憶し、ランプの点灯でもって最大4個まで表示する特別図柄用記憶表示LED12が設けられる。
【0015】
この遊技盤11面の左右位置には、遊技球の通過により前記普通図柄表示装置6の図柄変動を起動させる左ゲート20及び右ゲート21が各々設けられる。更にその下方位置には、普通入賞口である左袖入賞口22及び右袖入賞口23、左落し入賞口24、右落し入賞口25が各々設けられ、これらの普通入賞口に遊技球が入賞すると右袖入賞口23においては7個、左袖入賞口22及び左右落し入賞口24,25においては各々6個、又前記始動入賞口14においては6個、大入賞口16及び特定入賞口18においては15個の賞品球(以下「賞球」という)が各々払出される。
【0016】
また、前記装飾枠体4の左右壁面には前記遊技盤11面を落下してきた遊技球が該装飾枠体4の内側へ転入可能な転入孔4a、4aが設けられ、更に底面は中央に向かって緩やかな傾斜が設けられると共に該中央部には前記装飾枠体4の内部へ転入した遊技球を再度遊技盤11面上へ落出させるための誘導排出口4bが設けられる。この誘導排出口4bの奥側にはキャラクタ等の図柄が立体表示された装飾部材5が設けられ、遊技状況等に関連なく駆動用モータ5aの駆動に伴って一定周期で上下運動を繰返す。
【0017】
更に前記遊技盤11面には、既述した各種入賞口等の他にも図示しない釘部材や、遊技球の流下速度や落下方向を無作為に変化させる風車26,26等が設けられる。そして該遊技盤11面の最下部には球排出口27が設けられ、既述した何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は、この球排出口27から遊技盤11面外へ排出されるように構成される。
【0018】
図2は、パチンコ遊技機10の裏面図を示している。パチンコ遊技機10の裏面に設けられる機構板40面の上方位置には、遊技場の島から供給される遊技球を一時貯留する賞球タンク41が設けられ、更に該賞球タンク41に貯留された遊技球が賞品球払出装置へ向けて流下する際の流路となるタンクレール42が連設して設けられる。このタンクレール42には前記賞球タンク41及びタンクレール42上における遊技球の貯留状態を検知する補給スイッチ46が設けられ、前記球切れ状態等の状態が発生した時を契機に作動する。
【0019】
前記タンクレール42の下端位置には、流下してきた遊技球を制御して所定個数の賞球払出し動作を行う賞球払出機構部44が設けられる。この賞球払出機構部44の直前には、前記流下してきた遊技球の球切れ状態を検出して該機構部44の空動作を未然に防止する空切り防止スイッチ48が設けられ、該スイッチ48の作動に伴って前記賞球払出機構部44の払出し動作が停止するように設定される。
【0020】
但し、前記払出された賞球が遊技機内部に充満した場合には、これを検出する満タンスイッチ50、賞球を係留させて払出しを一旦停止させる満タンストッパ52が各々設けられる。この満タンスイッチ50が作動すると前記賞球払出機構部44は作動せず、賞球の払出し動作は停止する。
【0021】
更に前記機構板40の下方位置には、遊技盤11面に設けられる各入賞口に入賞した入賞球(セーブ球)を検出するセーフ球排出機構部54が設けられる。前記セーフ球は、前記遊技盤11の裏面を覆う中央カバー56の内部に設けられる図示しないセーフ球誘導樋を介して前記セーフ球排出機構部54へと導出され、一球毎に球切りしてその個数等が検出された後に機外へ排出される。
【0022】
前記機構板40には各種の制御基板が取付けられ、その各々が図示しないインシュロック等を用いたケーブル等でもって接続されてデータの授受を行う事により、その動作が制御される。例えば、プリペイドカードに関する情報を処理するプリペイドカードユニットと遊技機本体とを接続するCR外部接続端子基板58を備える外部接続端子60、前記賞球払出機構部44の作動を制御するCR賞球払出制御基板62、プリペイドカードの情報と球貸し状態を表示する度数表示情報、更に前記球貸し情報に基づいて前記CR賞球払出制御基板62等のCR賞球払出制御部を制御するカードインターフェイス基板64が設けられる。
【0023】
更に、前記CR外部接続子基板58及びカードインターフェイス基板64、CR賞球払出制御基板62の相互間における制御処理を中継するCR中継基板66が設けられる。このCR賞球払出制御基板62は、賞球の不足欠乏、供給及び排出状態の異常を検出し、賞球払出し動作の停止と表示動作を合わせて行う。
【0024】
また、前記CR賞球払出制御基板62及び前記賞球払出機構部44等の賞球払出制御機構における賞球不足や球詰まり、ソフトエラー等の異常発生を報知するエラー表示部72、更に該エラー状態が解除された場合に該エラー表示部72を初期設定に復帰させるエラー表示リセットボタン74が各々設けられる。このようにパチンコ遊技機内外で生じた情報のうち、図示しないプリペイドカードに関する情報の入出力はカードインターフェイス接続部76を介して行われ、遊技状況や不正検出に関わる情報の入出力は外部接続端子60を介して行われる。そしてこれらの情報は、監視室に設けられる管理装置へ出力される。
【0025】
更に前記機構板40の下方位置には打球発射装置80が設けられ、遊技球を打球発射する際の各種設定制御が行われる。このように、遊技機における各制御動作は前記各々の制御基板及び装置等によって行われ、これらの制御基板及び装置等は、その遊技状況に応じた設定制御が主制御基板70によって行われることになる。
【0026】
図3は、前記遊技盤11面の裏面図を示している。前記遊技盤11面に設けられる入賞装置等へ入賞した遊技球は、該遊技盤11の裏面へと集められる。そして図示するように、前記始動入賞口14における遊技球の通過経路には、該遊技球の通過を検知するための始動口用スイッチ90が設けられる。そして前記大入賞口16における遊技球の通過経路には大入賞口用スイッチ(カウント用スイッチ)91が設けられ、特定入賞口18の通過経路には特定入賞口用スイッチ92が各々設けられる。
【0027】
また、前記右袖入賞口23における遊技球の通過経路には右袖入賞口用スイッチ93が設けられ、更に前記左右ゲート20,21には左ゲート用スイッチ85及び右ゲート用スイッチ86が設けられる。これらのスイッチに遊技球の通過が検知されると、その検知信号に基づいて始動入賞口14においては6個、大入賞口16及び特定入賞口18においては15個、右袖入賞口23においては7個の賞球が前記賞球払出機構部44から各々払出される。ここで、前記左右ゲート20,21に設けられた左右ゲート用スイッチ85、86に遊技球の通過が検知されると、その検知信号に基づいて前記普通図柄表示装置6の図柄変動が開始される。
【0028】
更に前記始動入賞口14の通過経路には前記可動翼片14a、14aを開閉動作させる普通電動役物用ソレノイド94が設けられ、前記大入賞口16の通過経路には、該大入賞口16を開閉動作させる大入賞口用ソレノイド95、又、特定入賞口18の通過経路には、該特定入賞口18の球落入賞状態を調整動作させる特定入賞口用ソレノイド96が各々設けられる。これらのソレノイドは、前記各検出スイッチによる検出信号や所定の遊技状況の発生に基づいて作動する。
【0029】
尚、前記左袖入賞口22及び左右落し入賞口24,25の通過経路には遊技球の入賞及び通過を検知するスイッチは設けられていない。そのため、これらの入賞口に入賞した遊技球は、前記セーフ球排出機構部54を通過する際にセーフ球検出スイッチ98によってカウントされ、該カウント値の合計個数の差分から6個ずつの賞球が払出されることになる。
【0030】
図4は、前記図3に図示したスイッチの制御ブロック図を示している。図示するように、前記スイッチ類は各々制御基板に接続され、該制御基板はこれらのスイッチによる検知信号に基づいて種々の遊技動作の設定制御を行う。前記セーフ球排出機構部54に設けられるセーフ球検出スイッチ98及びセーフ球排出ソレノイド110はCR賞球払出制御基板62に接続され、その検知信号はCR賞球払出制御基板62を介して主制御基板70に出力され制御処理される。
【0031】
そして前記左右ゲート20,21に設けられる左右ゲート用スイッチ85、86、始動入賞口14への遊技球の通過を検知する始動口用スイッチ90及び可動翼片14aを開閉動作させる普通電動役物用ソレノイド97は、中継基板71を介して主制御基板70に接続される。又、この中継基板71には、前記大入賞口16に関わる動作を制御する大入賞口基板16aが接続され、該基板16aには前記大入賞口16への遊技球の入賞を検知するカウント用スイッチ91、特定入賞口18への遊技球の入賞を検知する特定入賞口用スイッチ92、大入賞口16を開閉動作させる大入賞口用ソレノイド95、そして特定入賞口18を開閉動作させる特定入賞口用ソレノイド96が各々接続される。
【0032】
また、前記主制御基板70には普通図柄表示装置6及び特別図柄表示装置2に表示される図柄の設定やその変動動作等を制御する図柄表示装置基板72aが接続される。この図柄表示装置基板72aの内部には、前記検知信号やデータ等を制御処理する中央処理装置(以下「CPU」と称する)72bが設けられ、更に該CPU72bによる制御処理データの読込み書込み用のメモリ(以下「RAM」と称する)73a、又、各種のデータが記憶される読出し専用メモリ(以下「ROM」と称する)73bが各々接続される。
【0033】
そして更に、前記図柄表示装置基板72aには前記特別図柄表示装置2の図柄表示を行うTFT−LCDモジュール2f及び前記普通図柄表示装置6を制御する普通図柄表示装置基板6eが接続され、前記主制御基板70及び図柄表示装置基板72aの制御処理に基づいて所定の図柄が表示されるように設定される。
【0034】
このように前記各スイッチによる検知信号及びデータ等は、各々制御基板を介して主制御基板70へと送信され、該主制御基板70及び前記各制御基板によって制御処理され各装置における動作や新たな制御処理等に対する指示を行う。例えば、前記特別図柄表示装置2に表示される図柄の設定や図柄変動開始の制御指示は、先ず、前記始動口用スイッチ90からの検知信号が中継基板71を介して主制御基板70に送信され、この検知信号を前記主制御基板70と図柄表示装置基板72aとが各々制御処理し、該制御処理によって選出された図柄をTFT−LCDモジュール2fが表示することになる。
【0035】
尚、本遊技機には前記以外にも各種の制御基板や検出スイッチ等が接続され、更にこれらの制御基板にはCPUやRAM等が各々設けられているが、その図示及び説明については割愛する。
【0036】
図5は、本パチンコ遊技機10における遊技状況を示したフローチャートである。遊技者によって打球発射された遊技球が遊技盤11面に設けられる普通入賞口(左袖入賞口22、左右落し入賞口24,25、右袖入賞口23)の何れかに入賞する(S10「NO」、S12「YES」)と、その設定個数に応じて6個又は7個の賞球が遊技者に払出される。但し、前記遊技球がこれらの普通入賞口には入賞せずに左右ゲート20,21の何れかを通過する(S10「YES」)と、その通過が左右ゲート用スイッチ85,86によって検知され、普通図柄表示装置6が5.0秒間の変動を開始する(S16)。
【0037】
但し、ここで前記普通図柄表示装置6の図柄が停止確定する以前、つまり、前記図柄表示装置6の変動中に遊技球が左右ゲート20,21を通過した場合は、その通過回数が普通図柄用記憶表示LED8に最大4回まで記憶され、ランプの点灯でもって表示される。そして前記普通図柄表示装置6は、前記変動が終了するとすぐに又変動を開始し、この記憶された回数分の図柄変動と停止を繰り返す。
【0038】
そして、この5.0秒間の変動が終了すると、前記普通図柄表示装置6は停止して図柄を表示確定する。ここで表示確定された図柄が「1,3,5,7,9」の何れかであった場合(S18「YES」)は、いわゆる「当たり」と称される遊技状況が発生して前記始動入賞口14の可動翼片14a,14aが開放動作を1回行う(S20)。この可動翼片14a、14aの開放時間は、前記特別図柄表示装置2に所定の図柄が表示される確率、つまり「大当たり」が発生する確率に応じて設定され、該確率が最低確率であれば0.3秒間、最高確率であれば4.5秒間である。
【0039】
ここで前記確率について説明する。前記特別図柄表示装置2には「大当たり」が発生する確率として最低確率(1/359)と最高確率(6/359)の何れか一方が常に設定される。そして、この確率は、前記「大当たり」と称される特別な遊技状況が発生した際の図柄の組合わせが、予め設定された特定の図柄の組合わせであった場合を契機に変動するように設定される。
【0040】
そして、前記開放された始動入賞口14に遊技球が入賞する(S22「YES」)と、該入賞が始動口用スイッチ90に検知され、その検知信号に基づいて賞球払出機構部44から6個の賞球が払出される(S24)。そして更に、前記始動口用スイッチ90の検知信号に基づいて前記特別図柄表示装置2の各図柄表示部2a、2b、2cが図柄変動を開始する(S26)。
【0041】
前記各図柄表示部2a、2b、2cの図柄変動時間は、これも又、前記確率に応じて設定され、該確率が最低確率であれば約7.7秒間、最高確率であれば約5.2秒間が設定される。更に、この図柄変動中に前記始動入賞口14に遊技球が入賞すると6個の賞球が払出されると共にこの入賞個数は記憶され、その変動記憶個数が特別図柄用記憶表示LED12にランプの点灯でもって最大4個まで表示される。そして、前記各図柄表示部2a、2b、2cはこの記憶回数分の図柄変動と停止を繰返すことになる。
【0042】
尚、前記開放中の始動入賞口14に遊技球が3個入賞すると、たとえ開放時間(0.3秒間又は4.5秒間)内であっても、可動翼片14a,14aは閉鎖する。
【0043】
そして、前記停止確定した図柄の組合せが所定の図柄(S28「YES」)であれば「大当たり」が発生することになるが、これに伴って前記普通図柄表示装置6における各種設定がリセットされて初期化される(S30)。これにより、前記「大当たり」における遊技状況が終了するまでの間、普通図柄表示装置6に表示される図柄が「当たり」か否かの判別制御機能が停止すると共に、既に該判別制御機能が作動していた場合には、それらは全て無効とされる。更に、前記普通図柄表示装置6の図柄変動記憶回数が抹消されて前記普通図柄用記憶表示LED8のランプが全て消灯する。これらの終了すると共に条件装置が作動し(S32)、「大当たり」に伴う特別な遊技状況が開始することになる。
【0044】
また、本遊技機においては所定の条件が成立すれば普通図柄表示装置6の表示図柄においても前記「大当たり」が発生する。既述したように、前記S18において普通図柄表示装置6に停止確定した図柄が「1,3,5,7,9」の何れかであれば「当たり」が発生することになるが、ここで表示した図柄が「0」であった場合(S34)で、且つ、この時に特別図柄表示装置2における図柄変動記憶回数が3回以上ある場合、つまり、特別図柄用記憶表示LED12が3個以上点灯している場合(S34「YES」、S36「YES」)には、「大当たり」が発生することになる。
【0045】
そして、この条件の成立に伴って前記特別図柄表示装置2における各種の設定がリセットされて初期化される(S38)。これにより、前記「大当たり」における遊技状況が終了するまでの間、特別図柄表示装置2に表示される図柄が「大当たり」か否かを判別する判別制御機能が停止し、更に既に該判別制御機能が作動していた場合にはそれらは全て無効とされ、仮に前記条件の成立とほぼ同時又は直後に特別図柄表示装置2に所定の図柄が表示されたとしても、無効とされることになる。そして又、前記特別図柄表示装置2の図柄変動記憶回数も抹消され前記特別図柄用記憶表示LED12のランプが全て消灯するように設定される。これらが終了すると共に条件装置が作動し「大当たり」に伴う特別な遊技状況が開始する(S32)ように設定される。
【0046】
このように「大当たり」は、所定の遊技状況が順次進行していくことによって発生する。よって、前記S12に示したように遊技球が何れの入賞口にも入賞しない(S12「NO」)場合、S22に示したように遊技球が始動入賞口14に入賞しない(S22「NO」)場合、更にS28に示したように特別図柄表示装置2が変動したにも関わらず所定の図柄が表示されない(S28「NO」)場合、そして普通図柄表示装置6に係る条件が成立しない(S18「NO」、S34「NO」、S36「NO」)場合は、何れも「大当たり」は発生しない。
【0047】
図6は、前記条件装置の作動を示したフローチャートである。既述したように「大当たり」が発生すると条件装置が作動(S32)し、それと共に大入賞口16が29秒間開放され(S50)、同時に該大入賞口16の内側に設けられる特定入賞口18も開放される(S52)。この開放された大入賞口16に遊技球が入賞する(S54「YES」)と、前記カウント用スイッチ91によってその通過が検知され、賞球払出機構部44から15個の賞球が払出される(S56)。
【0048】
ここで前記大入賞口16に入賞した遊技球数はカウントされ(S58)、該カウント数が10個に至った場合、若しくは大入賞口16が開放されてから29秒間が経過する(S60「YES」)と該大入賞口16は閉鎖されて条件装置の作動が終了する(S62、S64)。但し、前記大入賞口16への遊技球の入賞個数が10個未満、若しくは大入賞口16を開放してから29秒間が経過していない(S60「NO」)場合は、この何れか一方の条件を満たすまで大入賞口16の開放状態を維持することになる。
【0049】
また前記S54に示したように、遊技球が特定入賞口18に入賞する(S54「NO」、S66「YES」)と、その通過が特定領域用スイッチ92に検知され、該検知信号に基づいて賞球払出機構部44から15個の賞球が払出される(S68)。そして前記遊技球の入賞を契機に特定領域用ソレノイド96が作動して特定入賞口18が一旦閉鎖される(S70)と、前記S60に示した遊技球の入賞個数及び開放時間に関わらず、大入賞口16も無条件で閉鎖される(S72)。
【0050】
この閉鎖をもって前記条件装置に設定された連続作動回数のうちの1回目(以下「ラウンド」という)が終了する。但し、ここで終了したラウンドが所定のラウンドに至っていなければ(S74「NO」)、前記条件装置が再度作動(連続動作)し(S76)、前記大入賞口16及び特定入賞口18が再度開放されて前記遊技状況を再び繰返す。但し、前記ラウンドが所定のラウンドに至った場合(S74「YES」)は、該所定ラウンドの終了をもって前記条件装置の作動が終了する。これにより「大当たり」に伴う特別な遊技状況は終了し、通常の遊技状況に復帰することになる。
【0051】
このように「大当たり」は、特別図柄表示装置と普通図柄表示装置との両方において発生するが、これら双方に同時に「大当たり」が発生しないように、つまり「大当たり」が重複して発生しないよう、後発した方の「大当たり」を無効とする。
【0052】
図7は、前記普通図柄表示装置6の図柄変動を示したタイムチャートである。前記図4にて図示したように、普通図柄表示装置6は図柄表示装置基板72aに接続され、その内部に設けられるCPU及び該図柄表示装置基板72aに接続される主制御基板70によって表示される図柄や変動動作等が設定制御される。この図柄表示装置基板72aは、前記主制御基板70を介して左右ゲート用スイッチ85,86の何れかの検知信号を受けると、表1(a)に示す「当たり判定用乱数」から乱数値を一つ選出し、該値を前記図柄表示装置基板72aに設けられるRAMに格納する。この格納は、前記左右ゲート用スイッチ85,86から検知信号を得る毎に行われ、最大4個まで格納される。
【0053】
【表1】
Figure 0004080109
【0054】
前記乱数値は、その値に対応して各々1つずつ普通図柄表示装置6に表示される図柄が設定される。例えば、前記RAMに格納された値が「1」であったとすると、これに対応する表示図柄は「2」が設定されることから、普通図柄表示装置6の図柄変動後に表示確定される図柄(いわゆる「停止図柄」)には、「2」が表示されることが決定される。ここでRAMに格納された乱数値が「3,4,5,7,9」の何れかであることが判定されれば「当たり」が発生することが決定されると共に、その時に表示される図柄も同時に決定することになる。
【0055】
更に前記RAMに格納された乱数値が「0」であることが判定され、この時に特別図柄表示装置2の図柄変動記憶数が3個以上あることが判定されれば「大当たり」、これら以外の乱数値であることが判定されれば「はずれ」が発生することが各々決定される。
【0056】
そして前記左右ゲート用スイッチ85,86による検知信号を受けてから1割込み(0.002秒)後に普通図柄表示装置6の図柄変動が開始される。前記普通図柄表示装置6の表示図柄は「0」から「9」までの数字が1図柄32割込み(0.064秒)でもってスクロール変動する。このスクロール変動は変動を開始してから2501割込み(約5秒)が経過すると停止し、前記決定された停止図柄が表示されることになる。
【0057】
尚、前記停止図柄が表示された後は、252割込み(約5秒)の間、普通図柄表示装置6は一時休止状態となる。そして前記RAMに左右ゲート用スイッチ85,86からの検知信号が格納されている場合、つまり、普通図柄表示装置6が図柄変動記憶を有していれば、この休止状態が終了した1割込み(0.002秒)後に再度図柄変動動作を行うことになる。
【0058】
図8は、前記特別図柄表示装置2の図柄変動を示したタイムチャートである。既述したように、特別図柄表示装置2に表示される図柄や該図柄変動動作も又、主制御基板70及び図柄表示装置基板72aによって設定制御される。この図柄表示装置基板72aは、前記主制御基板70を介して始動口用スイッチ90からの検知信号を受けると、表2(a)に示す「大当たり判定用乱数値」及び(b)に示す「大当たり図柄乱数値」から各々値を一つずつ選出し、これを前記図柄表示装置基板72aに設けられるRAMに最大4組まで格納する。
【0059】
【表2】
Figure 0004080109
【0060】
前記表2(a)に示す「大当たり判定用乱数値」は「大当たり」が発生するか否かの判定用の乱数であり、前記RAMに格納される乱数値が予め設定される判定値と一致すれば「大当たり」が発生することになる。この判定値は前記確率毎に異なって設定され、最低確率時では「7」、最高確率時では「7,71,107,173,227,307」が設定される。そして、前記RAMに格納された乱数値が前記値の何れかであることが判定されれば「大当たり」が発生し、これ以外の値であった場合は「はずれ」が発生することが決定される。
【0061】
また、前記表2(b)に示す「大当たり図柄乱数値」は、「大当たり」が発生することが決定された際に表示される図柄を決定する。例えば、前記「大当たり」が発生することが決定し、この時、前記「大当たり図柄乱数値」から「7」が格納されていたとすると、各図柄表示部2a、2b、2cには各々「7,7,7」が表示されることが決定される。
【0062】
そして、前記始動口用スイッチ90による検知信号を受けてから1割込み(0.002)後に各図柄表示部2a、2b、2cの図柄変動が開始される。但し、その開始時間は各々異なり、前記各図柄表示部2a、2b,2cの順に前記始動口用スイッチ90の検知信号を受けてから0.002秒後、0.2秒後、0.45秒後に変動を開始し、各々3850割込み(約7.7秒間(最高確率時は252割込み(約5秒間)))が経過すると停止し、前記「大当たり図柄乱数値」でもって決定された停止図柄が表示されることになる。
【0063】
前記停止図柄が表示された後は、「大当たり」が発生することが決定されていた場合は543割込み(約1.6秒(但し低確率中のはずれの場合は827割込み(約1.6秒)、高確率中のはずれの場合は299割込み(約0.5秒)))の間、前記特別図柄表示装置2は休止状態となる。そして、前記「大当たり」の発生が決定されている場合は、この休止状態の後に条件装置が作動することになる。又、この休止状態が終了するまでの間に前記RAMに始動口用スイッチ90からの検知信号が格納されている場合は、1割込み(0.002秒)後に前記図柄変動を繰返すことになる。
【0064】
尚、前記RAMに格納する乱数値には、前記乱数値の他にも「大当たり図柄乱数」「リーチ乱数」「一時停止図柄乱数」があり、これらは前記「大当たり判定用乱数値」及び「大当たり図柄乱数値」と共に前記RAMに格納するように構成されるが、本実施例においてはその図示及び説明に付いては割愛する。
【0065】
図9は、前記普通図柄表示装置6及び特別図柄表示装置2における制御動作を示したフローチャートである。既述したように、遊技球が遊技盤11面に設けられる左右ゲート20,21の何れかを通過すると、その通過は左右ゲート用スイッチ85,86によって検知される。そして該検知信号が主制御基板70へと送信されて制御処理され、この制御処理された検知信号は更に図柄表示装置基板72aと送られる(S100)。
【0066】
そして、前記検知信号を受けた図柄表示装置基板72aは、該基板72aのROMに設けられる「当たり判定用乱数」から値を1つ選出し、これを該基板72aに設けられるRAMに格納する(S102)。この格納は最大4個まで格納され、後述する普通図柄表示装置6の図柄変動が実施される度に1つずつ消去される。
【0067】
ここで、前記RAMに格納された乱数値が「3,4,5,7,9」の何れかであることが判定されると、普通図柄表示装置6に「当たり」が発生することが決定されるが、この決定がなされると同時に表示される図柄も決定される(S104「YES」、S106)。但し前記判定の結果、前記「3,4,5,7,9」及び「0」以外であった場合は(S104「NO」、S108「NO」)、普通図柄表示装置6には「はずれ」と称される図柄が表示されることが決定される(S110)。
【0068】
そして前記「当たり」の発生が決定されると、前記図7にて既述したように、始動入賞口14が所定時間開放される。この開放中に遊技球が該入賞口14に入賞すると、始動口用スイッチ90からの検知信号が前記主制御基板70で制御処理され、その後図柄表示装置基板72aに送信される(S112)。
【0069】
前記検知信号を受信すると、図柄表示装置基板72aは前記ROMに設けられる「大当たり判定用乱数」及び「大当たり図柄乱数」から乱数値を各々一つずつ選出し、これを前記RAMに格納する(S112「YES」、S114)。尚、前記RAMには前記各々の乱数値を最大4組まで格納することができる。
【0070】
そして、前記格納した乱数値を各々判定するが、先ず「大当たり判定用乱数」の乱数値をもって「大当たり」が発生するか否かを決定する。ここで用いる判定値は、前記特別図柄表示装置2に係る確率によって異なり、該確率が最低確率の場合は「7」、最高確率の場合は「7,71,107,173,227,307」が設定される。この判定の結果、前記乱数値が前記判定値の何れかであれば、「大当たり」が発生することが決定されると共に、前記「大当たり図柄乱数」の乱数値に基づいて各図柄表示部2a、2b、2cに表示される図柄も決定される(S116「YES」、S118)。
【0071】
また前記「大当たり」発生が決定されると同時に、前記S102にて格納されている「当たり判定用乱数」の乱数値をリセットして全て消去し、更に前記S104にて該乱数値判定動作を停止する(S120)。これによって前記普通図柄表示装置6の図柄変動記憶回数は全て消去され、更に「当たり」も発生しないことになる。
【0072】
更に前記S104に示したように、前記RAMに格納された「当たり判定用乱数値」が判定の結果「0」であり(S104「NO」、S108「YES」)、且つ、前記S114に示した「大当たり判定用乱数」の乱数値がRAMに3個以上格納されていれば「大当たり」が発生することが決定される(S122「YES」、S124)。但し、この条件が成立しない場合は「はずれ」が発生することが決定される(S110)。
【0073】
そして、前記S124にて「大当たり」が発生することが決定されると、この決定と同時に、これも又、前記S114にて格納されている「大当たり判定用乱数」の乱数値をリセットして全て消去し、更に前記S116にける該乱数値判定動作を停止する(S126)。これによって、前記特別図柄表示装置2の図柄変動記憶回数は全て消去され、更に「大当たり」も発生しない。
【0074】
このように、特別図柄表示装置又は普通図柄表示装置の何れか一方に「大当たり」が発生した場合は、他方の図柄変動動作に関わる制御処理をリセットして「大当たり」発生の重複を防止するように構成される。
【0075】
尚、本実施例においては普通図柄表示装置と特別図柄表示装置を各1装置ずつ設けその双方に「大当たり」が発生する構成としたが、これを図10に示すように、普通図柄表示装置と特別図柄表示装置を複数ずつ備える構成としてもよい。図10に図示するように、遊技盤200面上の左右に各々第一特別図柄表示装置210及び普通図柄表示装置215、第二特別図柄表示装置220、第二普通図柄表示装置225とを設け、この左右普通図柄表示装置215,225を図柄変動する契機となる第一ゲート218、第二ゲート228を各々設ける。
【0076】
そして、遊技盤200の中央部に前記左右普通図柄表示装置215,225が「当たり」を表示した時に開放される始動入賞口300と、「大当たり」が発生した時に開放される大入賞口350が各々設けられる。
【0077】
これらの装置の作動を簡易的に説明すると、先ず遊技盤200面に設けられる各々の装置は、左右個別に連動して動作するように構成される。つまり、第一ゲート228を遊技球が通過すると、それを契機に第一普通図柄表示装置215が変動を開始し、ここで表示された停止確定図柄が所定の図柄と一致すれば「当たり」が発生して始動入賞口300が一定時間開放される。そして、該入賞口300に遊技球が入賞すれば第一特別図柄表示装置210が変動を開始し、停止確定された時の図柄表示様態が所定の図柄表示様態と一致すれば、大入賞口350が開放されて「大当たり」が発生するというものである。尚、これらの作動は、遊技盤200の右側に設けられる第二普通図柄表示装置225等においても同様であることから、これらの作動についての説明は割愛する。
【0078】
そして、このような遊技機においても特別図柄表示装置に所定の図柄表示態様がほぼ同時期に表示されれば、「大当たり」が重複して発生する可能性があることから、一方の特別図柄表示装置に「大当たり」が発生した場合には、他方の特別図柄表示装置における各設定状況をリセットすることによって「大当たり」が重複して発生することを防止する。図11のフローチャートに示すように、仮に、第一特別図柄表示装置215に「大当たり」が発生したと判定された場合(S200「YES」)は、前記第二特別図柄表示装置220における各設定状況をリセットする(S202)。
【0079】
前記リセット処理する内容は、先ず前記第二特別図柄表示装置220に表示される図柄表示態様が「大当たり」か否かを判定する「大当たり」判定処理がリセットされて初期状態とされる(S204)。そして図柄変動回数を記憶している場合にはこの記憶も全てリセットされて消去され(S206)、更に図柄変動開始を指令する変動指令コマンドもリセットされる(S208)。これらのリセット処理が終了すると、所定の処理が行われ「大当たり」に伴う条件装置が作動するように設定される。
【0080】
そして又、前記第二特別図柄表示装置220に「大当たり」が発生したと判定された場合(S200「NO」、S210「YES」)は、この場合も、前記同様に第一特別図柄表示装置210に係る設定状況をリセットすることになる(S212)。このリセット処理内容は、第一特別図柄表示装置200に表示される図柄表示態様を判定する「大当たり」判定処理(S214)、図柄変動回数の記憶(S216)、更に図柄変動動作の開始を指令する変動指令コマンド(S218)の各々がリセットされ、これによって全ての設定が消去されて初期設定状態となり、この後、条件装置が作動するように設定される。
【0081】
このように、特別図柄表示装置が複数設けられる設定においても、「大当たり」の発生が判定された方が優先されて処理され、他方の設定がリセットされることから、「大当たり」は重複して発生することはない。そして、従来のように特別図柄表示装置のみならず、普通図柄表示装置においても「大当たり」が発生する遊技状況が設定されることにより、「大当たり」が発生する可能性が高くなり、遊技者は「大当たり」への期待感を有することができる。
【0082】
本発明は、上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、「大当たり」の発生に係る遊技条件や遊技状況、「大当たり」が重複して発生した際に一方を無効化(リセット)する制御方法及びその手段、リセットする設定内容、そして「大当たり」が発生する遊技状況の設定や装置類等の増減及び変更等は適宜可能であり、それによって更に多様化した状況を設定できると共に、高い興趣が得られる遊技機を提供することができる。
【0083】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のパチンコ遊技機によれば、複数の図柄表示装置のうち、一方に「大当たり」が発生した場合には、例え他方の図柄表示装置に「大当たり」となる状況が発生したとしても、該「大当たり」の発生の判定と共に他方の図柄表示装置の設定は初期化されることから、前記遊技状況の発生は認識されないことになる。このように後発した方の「大当たり」が認識されずに無効となるようにし、更にその設定内容を初期化すれば「大当たり」が重複して発生することがなく遊技機の設定制御及びメモリ効率上からも有効である。又、既に「大当たり」が発生している以上、重複して発生した「大当たり」が無効になったとしても損失感を感じることはなく、むしろ、普通図柄表示装置においても「大当たり」の発生が可能となったことに対する期待感の方が高くなることから、遊技に強調性がついて遊技を楽しむことができる。
更に、前記各図柄表示装置が各々の図柄表示装置における図柄変動の未動作回数を累積記憶する図柄変動回数記憶手段を備えると共に、該図柄変動記憶手段によって記憶された図柄変動回数が、少なくとも前記図柄表示装置初期化手段の作動と共に消去される記憶消去手段を備えることにより、遊技機の設定上及び制御上の効率が良いことから制御効率のよい遊技機が提供できる。又これにより、遊技状況が強調され、アクセントとして十分に遊技を楽しむことができる。
また、これらの遊技状況を普通図柄表示装置と特別図柄表示装置とに設定することによって、従来の遊技機の制御装置の交換及び設定内容の変更でもって対応することが可能であるから、経済的である。
【0084】
そして、請求項2に記載の発明のように、前記「大当たり」が発生しなかった他方の図柄表示装置へは、その設定状況をリセットして初期化し、停止確定された図柄の表示態様の判定を行わないようにすると共に該判定の結果を無効化するとよい。これにより、「大当たり」が重複して発生することが防止できると共に、遊技機に負担を掛けることなく作動効率のよい遊技機が提供できる。更にこれらの無効化(初期化)は、遊技における強調として捉えることができ、遊技者は更なる興趣をもって遊技を楽しむことができる。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)本発明の一実施の形態におけるパチンコ遊技機の遊技盤正面図と該遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の詳細図である。
【図2】本遊技機の裏面図である。
【図3】図1に示す遊技盤の裏面図である。
【図4】図1に示すスイッチの制御ブロック図である。
【図5】本遊技機の遊技動作を示したフローチャートである。
【図6】「大当たり」の遊技動作を示したフローチャートである。
【図7】図1に示す普通図柄表示装置の図柄変動を示したタイムチャートである。
【図8】図1に示す特別図柄表示装置の図柄変動を示したタイムチャートである。
【図9】普通図柄表示装置及び特別図柄表示装置における制御動作を示したフローチャートである。
【図10】特別図柄表示装置が複数設けられるパチンコ遊技機の正面図である。
【図11】図10に示す遊技機の制御動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
2 特別図柄表示装置
6 普通図柄表示装置
8 普通図柄用記憶表示LED
10 パチンコ遊技機
11 遊技盤
12 特別図柄用記憶表示LED
14 始動入賞口
70 主制御基板
72a 図柄表示装置基板

Claims (2)

  1. 遊技盤面に複数の図柄表示装置が設けられると共に、該各図柄表示装置に表示される図柄が各々別個に図柄変動を開始し、変動停止後に表示される図柄の表示態様が予め設定される図柄の表示態様と一致することを契機に各々遊技状況が変動するパチンコ遊技機において、前記各図柄表示装置には、図柄変動動作を制御する図柄変動制御手段と、該図柄変動制御手段によって図柄変動した図柄の表示態様が予め設定される図柄の表示態様と一致したか否かを判定する図柄表示態様判定手段とを備え、該図柄表示態様判定手段による判定の結果、図柄の表示態様が一致したと判定された際には他方の図柄表示装置における設定を初期化状態にする図柄表示装置初期化手段が設けられ、
    前記各図柄表示装置が各々の図柄表示装置における図柄変動の未動作回数を累積記憶する図柄変動回数記憶手段を備えると共に、該図柄変動記憶手段によって記憶された図柄変動回数が、少なくとも前記図柄表示装置初期化手段の作動と共に消去される記憶消去手段を備えることを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 前記図柄表示装置初期化手段が、少なくとも前記図柄変動制御手段による図柄表示装置への制御を初期化する図柄変動制御初期化手段と、前記図柄変動制御手段による図柄表示装置への制御を無効化する図柄変動制御無効化手段と、前記図柄の表示態様を判定する図柄表示態様判定手段による判定結果を無効化する判定無効化手段の何れか又は全てを備えていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
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